2018年03月13日 11:57 公開

米下院情報委員会の共和党議員たちは12日、ロシアが2016年米大統領選でドナルド・トランプ氏の陣営と結託した証拠は見つからなかったと結論し、調査の打ち切りを発表した。

1年余りに及ぶ調査を主導してきたマイク・コナウェイ議員(共和党、テキサス州選出)は、ロシアが大統領選に介入したという複数の米情報機関の見解に情報委は同意するものの、トランプ氏を当選させようとしたという証拠は得られなかったと述べた。

コナウェイ議員は、下院情報委は証人73人からの聞き取りを終、30万ページ以上の資料を精査し終えたと説明した。選挙とサイバーセキュリティーに関する25項目の提言を含む報告書案を、13日にも民主党側に提示する方針という。

「要するに、ロシアはこの国の2016年選挙に積極的に関わったし、今後もそうするだろうと我々は考えている」とコナウェイ議員は、記者団に述べた。その一方で、「トランプ陣営や陣営に関わる誰かが、ロシアと結託したという証拠はまったく見つからなかった」と結論した。

コナウェイ議員によると、「判断に問題のあった行動や、不適切な面会、面会に応じるにあたって不適切な判断」があったものの、それ以上の問題行動は見つからなかったという。面会についての不適切な判断とは、2016年6月にトランプ氏の長男をはじめ陣営幹部がヒラリー・クリントン氏の攻撃材料をめぐりロシア人弁護士と面会した件についての言及と思われる。

「けれども、一連の不注意な接触や面会やそういうのをつなぎ合わせて、スパイもののスリラー小説みたいに仕立て上げられるのは、トム・クランシーとかビンス・フリンとかその手の人くらいだ」と議員は述べた。

大統領選へのロシアの介入、およびトランプ陣営との結託について調べるロバート・ムラー特別検察官の捜査と、上院情報委員会の調査は続いている。

複数の米情報機関は昨年来、ロシアはトランプ氏の当選を支援するために大統領選に介入したと結論している。ロシアはこれを一切否定している。

下院情報委の民主党議員たちは近く、独自の報告書を発表する見通し。

筆頭委員のアダム・シフ議員(民主党、カリフォルニア州選出)は、委員会の調査は「根本的に不完全」だと述べた。

「下院で唯一の公式調査を終えてしまうことで、与党は国を守るより大統領を守ることを優先させた。歴史は共和党の行動を厳しい審判を下すだろう」とシフ議員は強く批判した。

問題行動は何もなかったと一貫して主張してきたトランプ氏は12日夜、下院共和党の結論について、全文を大文字で強調しながら「下院情報委員会は14カ月の長きにわたる徹底調査で、トランプ陣営とロシアが2016年大統領選に影響を与えようと結託ないしは協調した証拠を、全く見つけなかった」とツイートした。

https://twitter.com/realDonaldTrump/status/973360355790479361

<解説> 激しい政治闘争は続く――アンソニー・ザーカー、BBCニュース

下院情報委員会の調査はほとんど始まると同時に、共和党と民主党の丁々発止にさいなまれてきた。調査は終わりつつあるかもしれないが、政治闘争は始まったばかりだ。

ロシアの選挙介入にトランプ陣営がつながっていたのか、可能性を委員会は十分に検証したのか。ほかに話を聞くべき相手はいたのか。提出を要求すべき書類はなかったのか。

疑問点がこれに留まるというのは、トランプ政権にとって朗報だ。「結託」を明白に示す証拠が得られなかったと委員会は認めているからだ。「とことんしっかり調べなかった」という批判は政治的には、それほど強烈なものではない。

トランプ氏は今後、議会で多数を占める共和党が提出する議会報告をもって、自分の無実が証明されたと繰り返すだろう。特に、ロシアによる大統領選介入は特に自分を当選させようとしたものではないという結論を。情報委のこの結論には批判も多い。

もちろん下院情報委は、この件について最終的に判断を下す立場にない。しかし、一番手になるメリットはある。下院の結論は、上院やムラー特別検察官などによる他の報告に対する、反証材料に使われることもあり得る。

政治的対立で分裂するこの国では、それだけで十分なのかもしれない。たとえ今後どのような証拠が浮上したとしても、トランプ氏の支持者が支持を続けるためには。

(英語記事 US House Republicans find no proof of Trump-Russia collusion