2018年03月14日 12:59 公開

英物理学者のスティーブン・ホーキング博士が死亡した。家族の代理人が14日、明らかにした。76歳だった。家族によると、英ケンブリッジ大学近くの自宅で、穏やかに息を引き取ったという。

ブラックホールや相対性理論に関する画期的な研究で知られ、「ホーキング、宇宙を語る(A Brief History of Time)」など、一般読者向けの科学書はベストセラーとなった。

子供のルーシーさん、ロバートさん、ティムさんは共同で文書を出し、「愛する父が本日亡くなり、深い悲しみに沈んでいます」と述べた。

「偉大な科学者で、傑出した人物でした。その仕事と功績は、長く記憶されるでしょう」

ルーシーさんたちは、自分たちの父親の「勇気と粘り強さ」を称賛し、世界中の人々がその「才気とユーモア」に魅了されたと述べた。

「『愛する人たちが住んでいなかったなら、宇宙もたいしたところじゃない』と父は言ったことがあります。ずっと父を恋しく思うでしょう」

ホーキング博士は、相対性理論と量子力学を結合させた宇宙物理学の先駆者だった。数学者サー・ロジャー・ペンローズとの共同研究を通じて、アインシュタインの一般相対性理論から、宇宙と時間はビッグバンで始まりブラックホールで終わることが類推されると結論した。

ブラックホールがエネルギーを放出し消失することも発見した。この現象は後に、「ホーキング放射」と呼ばれるようになった。

その一方で、21歳で運動ニューロン病と診断され、身体機能を次第に失っていった。車椅子の使用を余儀なくされ、会話には音声合成装置が必要だった。

学問の世界を超えて、ニュース番組にも解説者や提言者として頻繁に登場するほか、米人気コメディ「ザ・ビッグバン・セオリー」や人気アニメ「ザ・シンプソンズ」など様々なテレビ番組に本人として出演し、世界的に知られた存在だった。

「ザ・ビッグバン・セオリー」のツイッター公式アカウントは訃報を受けて、「スティーブン・ホーキングを愛情をこめて追悼します。番組に出演していただいたのは光栄でした。私たちと世界を感動させてくれてありがとう」とツイートした。

https://twitter.com/bigbangtheory/status/973789142780964864

インターネットを支えるワールド・ワイド・ウェブ(WWW)の発明者、ティム・バーナーズ=リー氏は、「巨大な頭脳と素晴らしい心の持ち主を失った。スティーブン・ホーキング、安らかに」と追悼した。

米航空宇宙局(NASA)はツイッターで、「高名な物理学者にして科学の大使だったスティーブン・ホーキング氏を追悼します。提唱した数々の理論は、膨大な可能性を提示してくれた。私たちと世界は、その可能性を今も探検し続けている。2014年に宇宙ステーションの飛行士たちにあなたがおっしゃったように、いつまでも微小重力の中をスーパーマンのように飛び続けますように」と言葉を贈った。

https://twitter.com/NASA/status/973787392590172160

米アップル社の共同創業者スティーブ・ウォズニアック氏は、「スティーブン・ホーキングは高潔で科学に身をささげた人で、純粋に優秀だといういう以上の存在だった」と称えた。

米マイクロソフト社のサティア・ナデラ最高経営責任者は、「私たちは今日、偉大な人を失った。スティーブン・ホーキングは、複雑な理論や概念を一般に分かりやすく伝えるという、科学への偉大な貢献で記憶される。障害に直面しながら、宇宙を完全に理解したいと、全力で追及した。その探求と精神も、忘れられることはない」としのんだ。


ホーキング氏の略歴

1942年1月8日に英オックスフォードに生まれる

1959年にオックスフォード大学に入学。専攻は自然科学。その後、ケンブリッジ大学で博士号を取得

1963年までに運動ニューロン疾患と診断され、余命2年と宣告される

1974年に、後に「ホーキング放射」と呼ばれるブラックホールからの熱放射を提唱

1988年に「ホーキング、宇宙を語る」が出版され、1000万部を超えるベストセラーになる

2014年にホーキング氏の半生を描いた映画「博士と彼女のセオリー(The Theory of Everything)」が公開される。ホーキング氏は俳優エディ・レッドメインが演じた。


(英語記事 Physicist Stephen Hawking dies aged 76