2018年03月14日 15:54 公開

国連調査団は12日、ミャンマーのムスリム(イスラム教徒)系少数派ロヒンギャに対する憎悪をかき立てるのに、フェイスブックの利用が「決定的な役割」を果たしていると指摘した。

ミャンマーにおける大量虐殺の疑惑を調べている調査団の1人は、フェイスブックは「けだものに変わった」と語った。

ミャンマー軍が昨年8月、「反乱者」に対抗するとしてミャンマー西部ラカイン州で掃討作戦を開始して以来、約70万人のロヒンギャがバングラデシュに逃れている。

フェイスブックは自社のプラットフォームには「ヘイトスピーチの居場所はない」とした。

「私たちはこの問題を大変深刻に受け止めており、安全な情報源と対抗言論の場であり続けるために、ミャンマーの専門家と数年にわたって取り組みを続けてきました」とフェイスブックの広報担当者はBBCに語った。

「この取り組みには、ミャンマーの安全のためのリソースコンテンツや、地元向けのイラストを取り入れたコミュニティ基準、ミャンマー国内全域で開催している市民社会や地域住民グループのための利用トレーニングなどが含まれます」

「もちろん、できることは常にまだあるし、私たちのコミュニティを安全に保つために、地域の専門家との取り組みを続けていきます」

「暴力の扇動」

国連のミャンマー調査団は12日、調査の中間報告を発表した。

調査団のマルズキ・ダルスマン代表は記者会見で、ロヒンギャ・ムスリムに対するミャンマー世論が「より辛らつなものに変化する」過程に、ソーシャルメディアが「実質的な役割」を果たしていると述べた。

「ヘイトスピーチはもちろん確かにその一部だ」とダルスマン氏は付け加えた。

「ミャンマーに関して言えば、ソーシャルメディアとはフェイスブックのことであり、フェイスブックが唯一のソーシャルメディアだ」

一方で別の調査団員は、フェイスブックが国民同士の交流を助けているとも認めた。

しかし、ミャンマーの人権状況に関する国連特別報告者のヤンヒ・リー氏は、「超国粋主義の仏教徒が独自のフェイスブックページを持ち、ロヒンギャやその他の少数民族に対する多くの暴力や憎悪を扇動しているのも認識している」と付け加えた。

「フェイスブックは当初意図したものではなくなり、今やけだものに変わってしまった」

中間報告書は、人権侵害の犠牲者や目撃者に対してバングラデシュ、マレーシア、タイで行われた600件を超えるインタビューに基づいている。

調査団はそれに加え、ミャンマー国内で撮影された衛星画像、写真、動画なども分析した。

「撃たれた傷が元で大勢が死んでいる。多くの場合、逃げ出す村人への無差別乱射の被害者だ」と報告書は指摘する。

「生きたまま家ごと焼かれる人もいる。多くは高齢者、障害者、そして幼い子供だ。斬り殺される人もいる」

ミャンマー政府は以前から、国連はロヒンギャに対する犯罪の疑惑を立証する「明確な証拠」を示すことが必要だと指摘している。

政府高官は、警察施設への襲撃したとされるロヒンギャ武装勢力に対する「掃討作戦」は昨年9月に終了したと主張しているが、これには異議も唱えられている

アムネスティ・インターナショナルなどの難民支援団体や人権団体は、処刑やレイプ、何百もの村々の焼き払いや強制整地がもたらされていると軍を非難している

国連によると、ミャンマー政府は国連の独立した調査活動を妨害しようと試みているという。

フェイスブックは以前から、直面するミャンマーのヘイトスピーチ問題に取り組むための議論を続けている。

昨年7月、フェイスブックは取り組みの一例として、「kalar」という言葉を取り締まった事例を発表した。この言葉には無害な用法もあるが、ムスリムを中傷するのに使われることもあるという。

この発表でフェイスブックは「言葉の変化過程を検討した上で、個人やグループ攻撃に使われた場合はヘイトスピーチとみなして削除する、それを方針とすべきだと決定しました。しかし、そうでない場合には削除しません」と表明している。

「文脈の理解という大きな課題があり、最近はこのポリシーが正しく徹底されず苦労してきましたが、検証を重ねた結果、正しく対応できるようになりました。しかし、これは長い取り組みになると予想しています」

国連調査団による最終報告書は、9月に公表される予定だ。

(英語記事 UN: Facebook has turned into a beast in Myanmar