先日取材した女子高生は、「防弾少年団(ぼうだんしょうねんだん)」という、韓国のヒップホップアイドルグループが好きだと言っていた。他には、「exo(エクソ)」という男性アイドルグループや、女性グループ「BLACKPINK」が人気だという。韓国語でファンのことを「ペン」というので、防弾少年団(韓国語でバンタンソニョンダン)のファンは「バンタンペン」となる。10代の利用率が高いTwitter(ツイッター)で「バンタンペン」を検索すると、ハングルで自分の名前を表記している若い女性のアカウントが多数ヒットする。

 彼女たちはハングルをネットで勉強するそうだ。韓流好きの女子高生に聞いたところ、ハングルは○などが入っていて「かわいい」と感じるようだ。「推し(好きなアイドル)が同じ」人とはTwitterで知り合い、韓国関連のショップが多い新大久保で待ち合わせて、ショッピングやおしゃべりを楽しんでいる。

 韓国へ友人同士で旅行に行く女子高生もいる。韓国はアルバイト代をためればすぐに行ける国だからだ。ネットの動画で韓国語を学んでいるため、現地でも苦労することはない。韓国グルメを味わい、コスメや服を購入して帰路につく。

 これほどまでに若い女性たちが韓国に熱狂する理由のひとつは、「センスが近しい」からだろう。「オルチャンメイク」は、日本で爆発的に人気になった「SNOW」や「BeautyPlus」といった自撮りアプリの加工後の顔と似たような、幼いかわいらしさを強調しており、日本人の「カワイイ文化」にも共通する。
昨年12月2日、香港で、音楽授賞式「2016 Mnet Asian Music Awards」に参加し、ポーズをとるK-POPグループ「Twice」(AP)
昨年12月2日、香港で、音楽授賞式「2016 Mnet Asian Music Awards」に参加し、ポーズをとるK-POPグループ「Twice」(AP)
 インスタグラム人気も相乗効果を上げている。「インスタ映え」が流行語大賞を取った日本では、若い女性のインスタグラムユーザーが急増している。インスタグラムには使っているコスメを並べて写真を撮る文化があるのだが、韓国のコスメはプリンセス感があふれる外装で、インスタ映えするのだ。また、韓国の街にはインスタグラム向けのスポットも多いそうで、インスタ女子の人気を集めている。ファッションに関心が高いユーザーが集まるインスタグラムでの韓流ブームが、彼女たちをさらに盛り上げているのだ。

 外国という神秘感と、それでもまねしやすいカルチャーが、若い世代の心をつかんでいるのだろう。国家間の思惑と別の潮流が、日韓の間を進行している。