2018年03月20日 12:17 公開

英国のデータ保護を管轄する情報コミッショナー事務局(ICO)のエリザベス・デナム委員長は19日、英コンサルティング会社のケンブリッジ・アナリティカ社が使用したデータベースとサーバを調べるため、捜査令状を請求する方針を明らかにした。

ケンブリッジ・アナリティカ社は、フェイスブック登録者5000万人の個人情報を利用し、2016年に行われた米大統領選に影響を与えようとしたと告発されている。

また、同社幹部が政治家の信用性を傷つけるため、ハニートラップ(色仕掛け)や潜在的な賄賂を使い得ることを示唆する動画が、英チャンネル4ニュースによって撮影されている。

ケンブリッジ・アナリティカ社は一切の不正を否定している。

新たな疑惑

チャンネル4ニュースは19日、ケンブリッジ・アナリティカ社のアレクサンダー・ニックスCEOが、インターネット上で政治家の信用性を傷つける戦術を勧める様子を収めた隠し撮りの映像を放送した。

映像では、「深堀り作業」で何ができるのかを問われたニックス氏が、潜入記者に「(単なる調査だけではない)様々なことができる」と語っている。

ニックス氏は特定の個人を狙った方法のひとつとして、「実現するにはすばらしすぎる取引を持ちかけ、その様子を確実に録画する」ことを示唆した。

同氏はまた、「何人かの女性を候補者の家に送り込むことが可能だ」と語った。送り込むウクライナ人女性は「とても美しく、この方法はとてもうまくいく」という。

ニックス氏は「何ができるか、そして何がなされてきたかの例を見せることもできる」と繰り返した。

チャンネル4ニュースによると、この記者は、スリランカの選挙で当選を目指す裕福なクライアントの仲介者に扮したという。

しかしケンブリッジ・アナリティカ社は撮影された内容について、報道が「著しく不正確に伝えている」と話した。

「会話の流れに調子を合わせているだけだし、私たちの『クライアント』に恥をかかせないことも意図して、我々は馬鹿げた仮定のシナリオを受け入れた」と同社は声明で発表した。

声明は「ケンブリッジ・アナリティカ社は、わなを仕掛けたり、賄賂を贈ったり、いわゆる『ハニートラップ』をすることは、認めていないし従事してもいない」とした。

ニックス氏はBBCのニュース番組「ニュースナイト」に対し、チャンネル4ニュースの報道は「事実を偽って伝えている」と捉えており、自身の会社は「故意にわなにかけられた」と感じている、と語った。

英情報コミッショナー機関のエリザベス・デナム委員長は、フェイスブック登録者5000万人の個人情報を用いて米大統領選影響したとの申し立てについてケンブリッジ・アナリティカ社を調査している。

同社で働いていたクリストファー・ワイリー氏は、ケンブリッジ・アナリティカ社はある学者が作成した性格診断クイズを通じて数千万におよぶ人々のデータを収集したと主張した。

調査

デナム氏はケンブリッジ・アナリティカ社に、英国時間19日午後6時までに同社のデータベースやサーバへのアクセスさせることを要求したが、同社は期限を守らなかったという。

「同社からの返事を受け取っていないので、裁判所に令状を請求する」とデナム氏はチャンネル4に語った。

「私たちはケンブリッジ・アナリティカ社へ行き、同社のデータベースやサーバを調べ、同社がどのようにしてデータを処理し、消去したのかを理解する必要がある」

「違反行為」

ケンブリッジ・アナリティカ社は、同社は正しい手続きに沿ってデータを取得し使用していたと主張しているが、同社は先週フェイスブックから締め出された

一方フェイスブック社は、ケンブリッジ・アナリティカ社を監査するため、デジタル情報分析の専門チームを雇い入れたと語った。

フェイスブック社は「これは、疑惑の上がっているフェイスブックのデータが以前存在しているとの主張が正しいかどうかの究明を行うための、包括的な内部調査および外部調査の一部です」と述べた。

「もしこのデータが依然として存在しているならば、それはフェイスブックの規約に対する重大な違反になるでしょうし、これらのグループが作ってきた信頼や契約上の義務への許容しがたい違反にもなります」

フェイスブック社はまた、データを収集した性格診断アプリの製作者であるアレクサンダー・コーガン氏が、監査を受けることに同意したとも付け加えた。

しかし同社は、データを収集し使用した手段についての申し立てを行ったワイリー氏は、監査を拒否したと発表した。

(英語記事 Cambridge Analytica: Warrant sought to inspect company