さらに、資料を当たればすぐにわかることだが、2012年に「週刊新潮」(5月3・10日号)は、貴乃花親方からくり返し暴行を受けたという18歳の元弟子の告発を掲載している。このときは、当時、協会の危機管理委員会副委員長を務めていた八角親方が「貴乃花親方に事情を聴いたが、暴行の事実は否定していた。いまの状況で協会が介入することはない」として幕引きをしている。

 不思議なことに、この問題をテレビはほとんど報道しなかった。昨年12月28日、相撲協会は臨時理事会で、元顧問の小林慶彦氏に1億6500万円の損害賠償請求の訴訟を行ったと発表した。この訴訟は、小林氏が相撲協会から金銭をだまし取ったことを告発し、その損害賠償を求めたもの。

 小林氏は、2012年に力士をキャラクターにしたパチンコ台制作を業者と契約交渉中、代理店関係者から500万円の裏金を受け取っていたことが2014年に発覚し、「裏金顧問」と呼ばれるようになった。そしてその後も金銭トラブルが跡をたたず、2016年1月に八角理事長によって協会を追放された。しかし、小林氏はこれを不当として、地位保全の裁判を起こし、いまも協会と係争中である。

 この小林氏は、故・北の湖理事長が連れてきたコンサルで、貴乃花親方と親しくなり、貴乃花一門のパーティーには積極的に参加していた。そんななか、八角理事長がまだ理事長代行だった2015年、小林氏がある会社の債券70億円分を協会に買わせようとしたとき、貴乃花親方は“援護射撃”を行った。さらに、小林氏が追放されたとき、貴乃花親方は協会執行部に「なぜだ」と詰め寄った。
大相撲協会との裁判を終えて東京地裁から出てきた小林慶彦元顧問=2018年2月27日東京地裁(撮影・今野顕)
大相撲協会との裁判を終えて東京地裁から出てきた小林慶彦元顧問=2018年2月27日東京地裁(撮影・今野顕)
 “炎の行者”として有名な池口恵観氏に、自身の決意を吐露するメールを送っていたことが、「週刊朝日」によって明らかになった。

 このメールで、貴乃花親方は、自分を「大相撲の起源を取り戻すべくの現世への生まれ変わり」(原文ママ、以下同じ)とし、それが「私の天命」と言っている。また、相撲道を「角道の精華」と言い、相撲協会は「陛下のお言葉をこの胸に国体を担う団体」としている。そして、相撲教習所に掲げられている「角道の精華」の訓話を、「陛下からの賜りしの訓」とし、「陛下の御守護をいたすこと力士そこに天命あり」などとも言っている。