もし、このような考えが実行されたら、相撲協会は右翼団体にならねばならず、力士はその構成員にならなければならなくなるだろう。残念だが、相撲教習所に掲げられている「角道の精華」は、陛下の言葉ではない。「大井光陽作」とちゃんと書かれている。貴乃花親方は、なぜか誤解していた。

 貴乃花親方は、新興宗教団体「龍神総宮社」に異常とも言える“肩入れ”をしている。この2月3日には、京都宇治市にある「龍神総宮社」豆まきイベントに部屋の力士を大勢引き連れて参加している。この宗教団体の現祭主(代表)の辻本公俊氏は、2006年に『2012人類の終焉~太陽からの啓示』(ブックマン社)という本を出版しているが、貴乃花親方はこの本に推薦文を顔写真付きで寄せている。大阪場所で貴乃花部屋は龍神総宮社の施設を宿舎にしている。貴乃花部屋の相撲界初の双子力士「貴源治」「貴公俊」のしこ名は、「龍神総宮社」創始者である辻本源冶郎、現祭主の辻本公俊の名前と一致する。
龍神総宮社祭主・辻本公俊氏=2017年12月9日、京都府宇治市(撮影・山戸英州)
龍神総宮社祭主・辻本公俊氏=2017年12月9日、京都府宇治市(撮影・山戸英州)
 「龍神総宮社」のHPには、「龍神とは、神の世界の最高位の称号を現すもので、この大宇宙の中であらゆる問題を解決なされるお力をお持ちである神様のことを龍神とお呼びするのです」とあり、「ガンが消えた!大学病院もびっくり」「奇跡!!大津波が庭の直前で止まった 神様ありがとうございました」などの信者のコメントが載っている。

 1月13日、貴乃花部屋付きの音羽山親方(元幕内光法)が退職した。音羽山親方の年寄株は借株だったため、元幕内北太樹(山響部屋)の引退に伴う年寄名跡の「玉突き」で、別の名跡を借りないと協会に残れない状況に陥っていた。しかし、貴乃花親方は株を用意できなかった。

 音羽山親方は、8年前、貴乃花親方が初めて理事選挙に立候補した際、自分の一門に造反して貴乃花親方に投票した恩人である。