2月2日の相撲協会の理事選の前に、貴乃花親方は一門の票はすべて阿武松親方に入れて欲しい、自分は自身の1票で構わないと発言したとされた。そのため、スポーツ紙、ワイドショーは他の一門からの“隠れ貴乃花票”を指摘し、票読み合戦を繰り広げた。
地下駐車場で車に乗り込む貴乃花親方=2018年3月15日、エディオンアリーナ大阪(撮影・岡田茂)
地下駐車場で車に乗り込む貴乃花親方=2018年3月15日、エディオンアリーナ大阪(撮影・岡田茂)
 しかし、蓋を開けてみると、貴乃花親方が実際に獲得したのはわずかに2票。阿武松親方の8票を加えても、基礎票の11票にすら届かなかった。貴乃花親方の2票は自身と高砂一門の陣幕親方の1票とされるので、他の一門からの票を集めるどころか、逆に一門内の2票が流出したことになる。

 こうした結果に、「今回は締め付けが厳しかった」と大方のメディアは総括したが、実際は貴乃花一門の票ははじめから阿武松親方に流れており、貴乃花親方は一門のなかでも求心力を失っていたとする見方がある。

 貴乃花親方派は山響親方の票を奪おうとしたが、山響親方はすでに執行部側に回っていた。しかも、貴乃花一門の親方2人の票は山響親方へ流れた。

 「週刊文春」(2018年1月4・11日新年号)は『貴乃花激白』という記事を掲載、「相撲協会は私を処分したいのならすればいい。被害者に非があったかのような言われ方は残念。私はこのままで終わるつもりはありません」という内容を伝えた。また、同時期の『週刊新潮』も貴乃花親方のインタビューを掲載した。しかし、これは貴乃花親方本人が周囲に語ったこととなっていた。

 これを問題視した相撲協会は、協会の聴取には協力しないのに「本人が話さず、周囲に話させるのはいかがなものか」と貴乃花親方を問いただした。すると、貴乃花親方は「一切、そういう人に話したことはないし、話すよう指示したこともない。週刊誌の取材を受けたこともない」と否定したと報道された。

 しかし、この否定は事実ではなく、実際は本人がインタビューに応じていた。というのは、相撲協会の処分が決まった後の「週刊文春」(2018年1月17日号)では、『貴乃花を再び直撃』という記事が掲載され、「週刊文春に話したのは事実です。一連の経緯に納得はしていないが、貴ノ岩は必ず土俵に戻します」となっていたからだ。(『Yahoo!ニュース個人』より2018年2月8日分を転載)