ところで、こういう「マイルドヤンキー(地元志向の強い若者)」的な小室さんに眞子さまが惹かれたというのは、なんだかとても現代的な気がするのです。

 今日の日本では国民の大半というのはこのマイルドヤンキーの世界に住んでいるわけで、「自称中流」であっても、その実態はワープア(ワーキングプア)に近かったり、下流なんだと思います。バブルの頃やその余韻が残っていた頃は、海外旅行やブランド品など贅沢(ぜいたく)を楽しんでいたわけですが、少子高齢化で日本が沈没していくにしたがって、その実生活のレベルというのもどんどん下がっていきました。

 斜陽化した日本の象徴のような小室さんが皇室の配偶者に選ばれるというのは、ある意味世の中の流れを反映しているのではないでしょうか。

 ちなみにイギリスの王室の場合も日本とよく似ていて、皇室の配偶者選びというのは世の中の流れを反映しています。

 例えば、チャールズ皇太子の場合はダイアナ妃を選びましたが、80年代のセレブカルチャーを反映したような妻でした。王室はもはや神聖な存在でも知性が要求される存在でもなく、モデルや芸能人と同じ立ち位置であり、ダイアナ妃の不倫告白は書籍やゴシップ紙の売り上げに大貢献しました。

 ウィリアム王子の妻、キャサリン妃は、炭鉱作業員を先祖に持つ成り上がり労働者階級です。企業家精神にあふれていた両親は、クリスマスには年利4千%のサラ金から借金して浪費してしまうような労働者階級に、ゴミのようなパーティーグッズを売りつけて大金持ちになりました。キャサリン妃はそのお金で有名私立に行き、大学のファッションショーでミカンの編みのようなスケスケドレスを着て王子を魅了しました。

 裸体になるのが大変好きらしく、休暇中にはほぼ全裸に近い格好で日光浴していたのをゴシップ雑誌にスッパ抜かれて全世界に写真をばらまかれていますが、警備の人や召し使いが周りにいることは気にならないようです。イギリスの90年代の起業系新興階級を絵に描いたような背景です。
メディアに手を振るヘンリー英王子(左)と婚約者の米女優メーガン・マークルさん=2017年11月、ロンドン
メディアに手を振るヘンリー英王子(左)と婚約者の米女優メーガン・マークルさん=2017年11月、ロンドン
 ハリー(ヘンリー)王子の妻になるメーガンさんは、アメリカ人でしかも母親はアフリカ系ですが、捨てるほどお金があるのに、メキシコの寒村で隠居生活を送る父親や親戚には全然金を渡さないので非難されています。さらに、昔書いた恥ずかしいブログが発掘され、全世界に晒(さら)されるという、SNS(会員制交流サイト)世代的なプリンセスであります。ハリー王子は全裸写真やナチ装束をネットで全世界に中継されるという、これまたSNS的な王子様です。

 日英のロイヤルファミリーの結婚騒動をみていると、結婚のあり方や形式というのは、なんだかんだいって世相を反映しているのです。そして、結婚という制度は古いだの、なんだのとい言われていても、まだまだ関心の高い事柄であり、いつの時代も本人や外野が気にするポイントは変わらないということなのでしょう。