2018年4月22日、松山市内で取材に応じる立憲民主党の枝野代表
2018年4月22日、松山市内で取材に応じる
立憲民主党の枝野代表
 今回のセクハラ問題に対して、本当に野党6党が共同で抗議するのであれば、まずはセクハラ問題を起こした野党議員への対処をしたらどうか。例えば、J-CASTニュースによれば、立憲民主党のセクハラ問題を起こした2人の衆院議員について、同党の枝野幸男代表らは双方で話し合いや和解が済んでいることを理由にして、現状以上の処分を避けている。むしろ、野党6党が今、麻生氏に退陣要求している理屈を援用すれば、枝野氏自らの進退にもかかわるのではないか。

 もし、現状の立憲民主党と同じ方針を採用するのであれば、財務省のケースも、まずは双方による調停や、また財務省が行っている調査や処分の経過を見守るのが正しいのではないか。今の立憲民主党による麻生氏への辞任要求は、さすがに「身内」への態度とあまりにも矛盾している。

 だいたい、現在の世界情勢を考えると、国際的な情報収集のために、今こそ政治家たちが与野党問わず、奮闘すべきときだと思う。確かに、セクハラ問題の解明も重要であるが、現在は財務省の今後の対応を見守るべき段階であろう。むしろセクハラ問題を、見え透いた倒閣目的での利用に走る野党が残念で仕方がない。

 マスコミにも問題はある。特に女性記者が在籍しているテレビ朝日である。自社の女性記者が上司に相談したとき、セクハラの訴えを事実上抑圧してしまっているからだ。そのため、女性記者は『週刊新潮』に身に起きた事態を告げたのだろう。また自社の記者がセクハラ被害をうけたときの社内対応が全くできておらず、それが1年以上続いたことで問題の長期化を招いた疑いもある。

 だが、テレビ朝日の報道・情報番組では、自社の対応への反省よりも、ともかく安倍政権批判にが優先であるように思える。その一端が、問題発覚直後に放送された『報道ステーション』の一場面に現れている。

 4月19日の番組内で、コメンテーターの後藤謙次氏は「テレビ朝日が最初、女性記者から相談を受けたときの対応は大いに反省してもらいたい」としつつも、「ただ今回、記者会見をして事実公表したことで、ギリギリセーフ」と述べた。

 この見解はさすがにおかしい。女性記者の訴えが上司によって事実上握りつぶされてしまっていたからだ。また、女性記者がセクハラを長期間耐え忍んだことに、セクハラを事実上許してしまう会社の体質や、セクハラに対して不十分な態勢が影響していたのかどうか。それらの疑問点が番組では全く明かされることはなかった。

 むしろ「ギリギリセーフ」どころか「限りなくアウト」としか筆者には思えない。また、多くのマスコミも一部を除いて、テレビ朝日の対応に批判的な声が上がっているようには見えない。これも実におかしなことである。テレビ朝日をはじめとするマスコミや、野党による今回のセクハラ問題をめぐる対応には、いろんな点でますます疑惑が深まるばかりである。