しかし、近年は単身者が増加している現実がある。厚生労働省が平成28年に行った調査では、年齢は限定してないものの、単身者が全世帯に占める割合として、昭和61年に18・2%だったが、平成28年には26・9%まで増えている。全国の4世帯に1世帯が単身世帯となっているのである。

 子供や身内がいれば社会はあまり関与せずに済むが、単身者は最後に社会が関与しなければならない。国家財政の面でも、単身世帯の増加は大きな影響が生じてくる。

 そして、最近は、子供がいても社会の助けを受ける高齢者も多い。以前、子供がいるにもかかわらず単身者として生活し、子供の助けを受けずに国から生活保護を受けていたという矛盾するエピソードを、お笑い芸人が明かしたことで世間の非難を浴びたこともあった。

 これは一見、子供が薄情なようだが、必ずしもそうとは限らない。なぜなら、少し前からの風潮か、親が子供に世話をかけたくない、という話をよく耳にするからだ。他人同士ならわからないでもないが、親が生活に支障をきたせば、子が世話するのは当然のことではないのか。

 仮に、子供がいる高齢者でも当たり前のように社会の世話になる世の中となれば、国家財政上だけの問題ではなく、もはや倫理上の問題である。家族とは一体何なのか、改めて考えさせられる話である。

 現在、国内で起きている問題の多くは、希薄となった家族関係に要因があると考えている。少子化対策を考える上では、まず家族のあり方という点から考えることが求められる。
(iStock)
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 私は単純に家族というものを社会の縮図と考える。多くの家族が不和であるならば、その集合体である日本社会が円満であるわけがない。

 裏を返せば、全ての家族が円満であれば、社会も平和となるだろう。全ての社会問題を家族に置き換えて考えてみようというのだ。それも核家族ではない、三世代、四世代といった大家族が分かりやすい。