筆者は現在41歳のフリーライターなのだが、実は37歳ぐらいから、40歳になったらどうしようと真剣に悩んでいた。このままいくと自分は家族を持たないかもしれない。むろん、会社にも所属していない。

 所属する場所がないのは自由で気ままだが、まるで自分が幽霊にでもなったかのような不安もある。その不安に自分は耐えられるだろうか? 不安に負けてアルコール依存症になったり、女やギャンブルに走ればすぐに身の破滅だ。そう思い、最終的には「自分の居場所は自分で作るしかない。そのためには自分にしかできない仕事をするしかない」と思い、人間関係や仕事を見直し、書く仕事以外のことについてもそれなりに勉強するようにしてきた。

 その時に漠然と思っていたことは、40代になったら今までの蓄積を土台にしてやっていくしかないという不安だ。二度と後戻りできない境目に立っているような気持ちだった。

 筆者は1976年生まれで、男性アイドルでいうとSMAPやTOKIOのメンバーとほぼ同世代である。だから、2年前のSMAPの騒動もジャニーズ事務所とのゴタゴタを抜きにすれば、あれも一種の40歳、フリーランスの問題だったのではないか、と今さらながらに思う。
 
 SMAP以降のジャニーズのアイドルグループは、解散をせずに30代を迎えることは当たり前になっていった。TOKIOもそうやって世に出ていったアイドルグループだ。同時に面白かったのは、SMAPの魅力の中心にあるのが中性的な男女兼用のものだったのに対して、TOKIOの方は男子校の部室のような男臭さがあり、それが年々高まっていたことだ。

 『池袋ウエストゲートパーク』や『タイガー&ドラゴン』(ともにTBS系)といった宮藤官九郎のドラマで男臭い役を演じる長瀬智也はもちろんのこと、バラエティー番組『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)で見せるグループ間の楽しそうなやりとりは同性からみても魅力的で、同世代がみてもシンパシーを感じるアイドルグループだったといえる。
(画像:istock)
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 SMAPもTOKIOもメンバーが30代になった00年代に入っても、その人気は衰えなかった。当時、漠然と思っていたのは、これは新しい男性アイドルの形で、彼らはこのまま40代、50代になっても若々しいアイドルのまま年を取っていく。それが以前の大人たちとは違う、自分たちの世代の成熟の在り方なんだろうと感じていた。

 しかし、SMAPの騒動があったときに実感したのは、単純に時間が10年繰り上がっているだけだったという現実だ。

 年長世代が30代で直面する問題に、団塊ジュニアは40代になって遅れて直面している。それは「青年がちゃんとした大人のおっさんになれるのか」という昔からあった素朴な疑問である。
 
 では、人はどうやって大人になっていくのか。その答えの一つは前述した社会的立場だろう。

 家族ができて子どもを持つこと。会社組織に入り出世して部下を持つこと。守るべきものを持つことで社会的立場を獲得し、その責任を自覚して行動する。これは上辺だけのことかもしれないが、上辺だけでも立派ならそれで十分である。

 では、この二つ(家族と会社)という基盤がない人間はどうすればいいのだろうか。