これではコリア放送協会ではないか


 陛下のビデオメッセージが発表された以降も、自衛隊の活躍は目覚ましかった。戦後、自衛隊は「憲法違反」「税金泥棒」などと揶揄誹謗されてきたが、震災後、それが感謝や称賛の声に転じた。

 だが朝ドラに、その形跡は見られない。海女や芸能関係者に加え、地元の観光協会関係者や高校教師、震災後「北三陸市長」に就任する岩手県議会議員など多種多彩な人物が登場するのに、なぜか自衛隊は出てこない。ついでに言えば、米軍の「トモダチ作戦」も出てこない。

 東北地方には、自衛隊の活躍を見て「自衛隊員になりたい」と決意した中高生が少なくない。たとえば、そうした人物や場面を描くことはできなかったのか。自衛隊に感謝し、ねぎらいたい。それが被災者の気持ちであり、天皇陛下をはじめ日本国民の素直な感情であろう。

 だがドラマはそうした場面を描かない。描かれた「北三陸市」は、本当に岩手県東北部の北三陸なのだろうか。どこか架空の国の三陸ではないのか。

 他方でなぜか、韓国を想起させる場面は多い。たとえば、ヒロインの家のテレビは韓国サムスン製。父親の個人タクシーは韓国の現代自動車。皆がスナックで飲むボトルは韓国焼酎「鏡月グリーン」。万一そうでないなら、そうとしか見えない同じ緑色のビンだ。その他、韓国ドラマや韓流スターが繰り返し登場。韓国人と済州島(韓国)に駆け落ちした海女も主要な役割を担った。

 あまちゃん曰く「海女漁が行われているのは世界中で、日本と韓国だけなんです」(4月11日放送回のセリフ)。

 そうだとしても、ここまで韓国にこだわる必要があったのか。自衛隊は無視し、韓国は執拗かつ肯定的に描く。これではNHK(日本放送協会)ならぬ、KHK(コリア放送協会)ではないか。

 もし、以上の描写が以下の認識によるものなら、問題の根はかなり深い。

 「日本でもっとも多く消費されている漬物はキムチです。アメリカやヨーロッパに頻繁に行くのは大変ですが、距離的に近いだけに、気軽で安価な海外旅行先でもあります。

 最近、東京電力福島第一原子力発電所からの汚染水漏れをめぐって、韓国政府が日本の水産物を輸入禁止する措置を取り問題になっていますが、これも逆の立場に立って考えてみてはどうでしょうか。もし韓国の原子力発電所で事故が起き放射能や汚染水が漏れだしたら、日本人も不安に思うでしょう。環境問題は、隣国にもっとも影響を与えますし、それだけに互いに協力できる分野です。

 そうしたことを考えると、やはり隣国どうしは色々あっても仲良くした方が良いし、そのために努力すべきではないかと思います」(NHK公式サイト)

 一般論としては「逆の立場」から考えてみることも大切だろう。だが、日本の水産物の輸入禁止措置について、こう語る感覚を共有できない。なぜなら、措置による被害を直接受けたのが被災地だからである。右を書いた解説委員に問う。貴殿は被災地の水産業者に面と向かって「逆の立場に立って考えてみてはどうでしょうか」と言えるのか。言えるなら、その神経はあまりに図太い。隣国どうし仲良くするのは結構だが、被災者はじめ日本国民を犠牲にする友好は許されない。日本の被災地に立つ視点ではなく、韓国の立場から日韓の友好を説く。学者なら勝手だが、公共放送としては発言の適格性を欠く。

 「逆(韓国)の立場」ではなく、なにより日本の立場で考えるべきではないのか。そうでないなら「日本放送協会」とは呼べない。