山田順(ジャーナリスト)

 政治家の下半身スキャンダル発覚は珍しくない。だが、先日辞職した新潟県の米山隆一前知事の場合は、最近の同様のケースと比べて、特筆すべきスキャンダルではないかと思う。ご本人のキャラクターもあるが、あれほどまでに取り乱し、さらに本心をさらけ出したうえ、「涙の辞職」をしたケースは過去になかったと思う。

 たいていの場合、政治家は週刊誌報道が出そうだと知った時点で、何より対策を考える。最初に取る行動は、なんとか記事が出ないようにできないかということである。また、相手と金銭解決など示談に持ち込めるかなどを検討する。

 しかし、これが無理だとわかると、次の時点で記事内容を確かめ、ダメージが少なくて済む方法は何かと考える。もし、口裏合わせや言い逃れができるなら、そうした対策を採ろうとするだろう。

 しかし、米山氏はそうはしなかった。『週刊文春』発売前なのに記者会見を開き、揺れる心を記者に吐露してしまったのである。

 したがって今もなお、「辞職までする必要はなかった」という声もあるが、一連の経緯を見て、結果的にはこれでよかったのではないかと思う。この後に発覚した林芳正文部科学相の「キャバクラヨガ」公用車通いの方がはるかに問題は多いのに、辞職に追い込まれていない。「アフター」であろうと、やっていたことはほとんど同じと思えるのに、この違いはなぜか。

 それは、「米山ケース」が言い逃れできない証言に基づくものであったのに対し、「林ケース」はいくらでも言い逃れ、つまり否定できたことだ。要するに「林ケース」には告発者がいない。さらに、米山氏は権力基盤が弱く、バックサポートしてくれる組織もなかったからである。

 また、「セクハラ辞任」した財務省の福田淳一前事務次官のように、完全否定するという厚顔無恥ぶりも持ち合わせていなかった。なにしろ、米山氏は記者会見で「自由恋愛のつもりだった」と説明したのである。


-金品を渡した意図は?

「歓心を買おうと思った。それによって、より好きになってもらおうと思っていた」

-体の関係を持つために金銭の授受をしたのか?

「言いづらいが、好きになるというのは、最終的には多少なりとも肉体関係を持ちたい気持ちと重なる。より好きになってほしいと思っていた」


2018年4月18日、自らの女性問題をめぐり記者会見で辞職を表明し、謝罪する新潟県の米山隆一知事
2018年4月18日、自らの女性問題をめぐり記者会見で辞職を表明し、謝罪する新潟県の米山隆一知事
 この説明では、これ以上ツッコミようがない。モテない中年独身男性が、ネットの出会い系サイトにコンタクトし、そこで「パパ活」をしていた女子大生に3万円払って関係を持った。それを恋愛と信じようとしていた。これを記者の前、つまりに世間に向かって言ってしまったのである。しかも、その女子大生には彼氏がいた。つまり、問題は、モテない中年独身男性が新潟県知事だったことである。


-知事就任後も女性との関係を続けた理由は?

「よくわからない。バカだったと思う。(知事に当選後、女性からの)連絡で『すごいですね』と言われて、ちょっとうれしかった」