霞が関を揺さぶる報道の情報源は誰だ

「後任は今国会中に決める」

 任命権者である麻生氏はそう語っているが、霞が関の幹部人事は大臣からあがってきた人事案を官邸の「内閣人事局」でチェックする仕組みになっており、首相や官房長官が「ノー」を出せばひっくり返される。その人事が3人の綱引きで調整がついていないのだ。

 そこに政界、霞が関を揺さぶる報道が出た。

〈傷だらけの財務省 次官誰に〉

 産経新聞が5月21日付朝刊トップで報じた署名記事で、次期次官の本命とみられていた岡本薫明・主計局長の昇格が見送られ、代わりに国際金融の責任者である浅川雅嗣・財務官、もしくは森信親・金融庁長官の起用が浮上している──という内容だった。

 浅川氏は財務官3年目、「金融行政のドン」と呼ばれる森氏も長官在任3年の実力者で、どちらが次官に就任しても辞任した福田氏より入省年次が上になる。「年次の逆行はさせない」という霞が関全体の人事の鉄則を覆すことになる。
2018年5月28日、参院予算委の集中審議に臨む安倍晋三首相(左)と麻生太郎副総理兼財務相(春名中撮影)
2018年5月28日、参院予算委の集中審議に臨む安倍晋三首相(左)と麻生太郎副総理兼財務相(春名中撮影)
 予期せぬ人事構想に政界も各省庁の中枢幹部たちも「情報源は誰だ」と確認に走っている。経産省幹部が語る。

「浅川財務官は麻生さんの“懐刀”として知られる人物。麻生内閣の総理秘書官を務め、麻生さんが第2次安倍内閣で副総理兼財務相に返り咲くと、国際局次長を兼務したまま副総理秘書官に起用されたほど信頼が厚い。“浅川次官構想”は間違いなく麻生人事だろう」

 麻生氏は文書改竄問題で近く省内処分を行なうが、次期次官の本命の岡本氏は改竄が行なわれた当時に文書管理責任者の官房長だったため処分は免れないと見られている。麻生氏としては処分した本人を次官に昇格させるわけにはいかない。

「そこで腹心の浅川氏をワンポイントで次官に起用し、ほとぼりがさめた1年後の人事で本命の岡本主計局長を次官に据えるレールを敷く。この記事はそのための地ならし、情報源は麻生周辺だと見ている」(同前)

 この麻生人事が実現すれば、麻生氏は同省の「守護神」として影響力をふるうことができる。

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