福島瑞穂(社民党副党首)

 私は社会の中で人々が萎縮したり、忖度(そんたく)したりするのではなく、もっとみんなのための社会、政治を実現したいと思っている。だから、安倍政権は退陣すべきである。嘘で塗り固められた腐った政治の上には何も積み上げることはできないし、ここから未来を切り開いていくことはできないからだ。

 象徴的な例がある。今年4月から、小学生は「道徳」を検定教科書で勉強することになった。子供たちに「嘘をついてはいけません」と教えておいて、政治の世界が隠蔽(いんぺい)や改ざん、虚偽答弁の世界であったら、子供たちは大人を信用しないだろう。何てひどい世界だろうか。

 安倍政権が退陣しなければならない理由は少なくとも6つある。

 一つ目は、国民の生活、雇用、農業、そして地域を破壊していることだ。例えば、労働者派遣法は「全面改悪」され、全ての業種で派遣が可能になった。また、社会保障費の自然増が抑制されたほか、介護保険の改悪や生活保護の切り下げも行われた。働き方改革の名のもとに提案している「高度プロフェッショナル制度」は、一定の年収以上であれば全ての労働時間、休憩、休日、深夜業の規制が撤廃される。

 いわゆる「働かせ放題」法案を提案しており、これ以上、過労死を増やしてどうするのだと言いたい。これは経団連などの要望に応えているに過ぎず、こんな法案を働く人の誰が望むだろうか。

 二つ目は、権力と税金を私物化していることだ。そもそも森友学園問題は安倍夫妻案件であり、加計学園問題も安倍総理案件だ。これは権力の私物化であり、税金の私物化でもある。
参院予算委で社民党の福島瑞穂氏(右端)の質問に答える安倍首相=2017年11月30  日
参院予算委で社民党の福島瑞穂氏(右端)の質問に答える安倍首相=2017年11月30 日
 そして三つ目に挙げたいのは、隠蔽と公文書の改ざん、虚偽答弁である。これらは安倍内閣が不都合な真実を隠すための嘘であると言えよう。国会に提出される文書やデータが虚偽で、答弁が虚偽だったら、私たちは何を信じて議論したらいいのか。民主主義が破壊されている。

 安倍総理は森友学園問題をめぐり、2017年2月17日に国会答弁で「私か妻が、関係していたら、総理大臣も国会議員も辞める」と明言した。また、3月13日、加計学園問題についての私の質問に対して、「私が働きかけていれば責任を取りますよ」とも言った。その言葉通り、辞めるべきである。

 加計学園問題はこれだけではない。2015年4月2日に、官邸で柳瀬唯夫総理秘書官が、加計学園の幹部と愛媛県、今治市の職員と会っている。そして柳瀬秘書官が「首相案件」と言い、具体的に傾向と対策を教えていることがさまざまな文書と証言で明らかになっており、言い逃れのしようがない。