その後のW杯アジア予選でも、不用意なボールロストや守備局面でのポジショニングの誤り、閉めるべき所を閉めない「おサボり」などに関して、厳しい本田批判はあった。ミスの一つ一つが妙に際立ってしまう、キャラ立ちならぬ「ミス立ち」と無縁でいられぬのが、3大会連続初戦ゴールの期待がかかる本田ならではの光景なのだろう。

 8年ぶりの自国民代表監督の誕生で、本田と同じように当落戦上から救われたのが香川真司(29=ドルトムント)だった。ブラジル大会で同じ2列目のポジションを任された香川もまた、前回大会での期待外れが尾を引いている。

 マンチェスター・ユナイテッドから古巣に戻って来た香川が、ドルトムントで調子を落として臨んだ2014年大会の時と同じように、2月上旬に始まる左足首の故障から精彩を欠き続けている。2大会連続の不安材料の多さにサポーター自身が心のどこかでさじを投げ、期待値が上がらない面がある。

 「監督解任ブースト」による選手意識のチェンジは、9日間の国内キャンプ中に新布陣3-6-1を試すことで前に進んだかに見えた。5月30日の対ガーナ戦後に選考がなされ、結果として、MF三竿健斗(22=鹿島)、井手口陽介(21=クルトゥラル・レオネサ)、FW浅野拓磨(23=ハノーバー)ら3名の選手がメンバー外となり、平均年齢をさらに押し上げた。

 あのまま田嶋会長がハリル体制を容認していたら、本田はもちろんのこと、たぶんFW武藤嘉紀(25=マインツ)や香川の目もなく、代わりにFW久保裕也(24=KAAヘント)やFW中島翔哉(23=ポルティモネンセ)らが選ばれていたかもしれない。

 もっとも、西野新監督が予備登録で呼んだMF青山敏弘(32=サンフレッチェ広島)とMF今野泰幸(35=ガンバ大阪)、FW小林悠(30=川崎フロンターレ)の3人が負傷による辞退をしていなかったら果たして…とも考えるべきで、23人選考なるもののタラレバ感がさらに浮かび上がってくる。
会見に臨む西野朗監督=2018年4月12日、東京都文京区(撮影・加藤圭祐)
会見に臨む西野朗監督=2018年4月12日、東京都文京区(撮影・加藤圭祐)
 とまれ、今度のロシア大会に参加する23人は、(期待薄ながらも)J1、J2、J3の54クラブと国外で活躍するおよそ1700人からなる日本人プロサッカー選手の中で、ポジションごとのチャンピオンと最強挑戦者ばかり。

 遅すぎた感のある西野ジャパンの誕生を歓迎している「コットン・ゲームシャツ世代」の私としては、「サポーター」ではなく、米語ながらも同じように熱心なファンの意味を持つ「ブースター」を標榜(ひょうぼう)しようかと思っている。ただ、その場合の略称は「代表サポ」ではなく、「代表ブス」。そこもまた解任ブーストに期待をかけざるを得ない者ならではの、つらいところなのである。

 日本丸の辛航は続く。