清水英斗(サッカーライター)

 MF青山敏弘(広島)の負傷による招集辞退を受け、ガーナ戦のサッカー日本代表は26人に減った。試合の翌日、ロシアワールドカップ(W杯)に行く最終メンバー23人が発表され、FW浅野拓磨(ハノーバー)、MF井手口陽介(クルトゥラル・レオネサ)、MF三竿(みさお)健斗(鹿島)の若手3人が落選となった。その一方、ケガの不安があったMF香川真司(ドルトムント)、FW岡崎慎司(レスター)、MF乾貴士(エイバル)らは、全員選出されている。

 これでロシアW杯へ挑む日本代表23人の開幕時の平均年齢は、28・2歳となった。前回のブラジルW杯では、平均年齢のトップはアルゼンチンで28・5歳だった。この傾向を踏まえると、西野ジャパンはW杯出場国の中でも、平均年齢の高いチームになる。

 浅野と井手口は、W杯出場を決めたオーストラリア戦でゴールを挙げた、最終予選の「功労者」だった。西野朗監督は「トップパフォーマンスという意味では、自分の中で確証を持てなかった」と落選の理由を語っている。

 確かに、彼らは所属クラブでベンチ外が続くなど、状態は悪かった。しかし、コンディションで言えば、彼ら以外にも怪しい選手はいる。ケガの不安が残る香川、岡崎、乾らを選出した一方で、浅野と井手口を外したのは、なぜだったのか。

 西野監督の言葉は、冗長で伝わりづらいが、「ゲーム勘」というキーワードは出していた。コンディションには、フィジカル面の状態だけでなく、メンタルや感覚に関わる「ゲーム勘」もある。単純なケガなら、リハビリで正しい負荷をかけ、計画トレーニングを行えば、復帰のめどは立つが、ゲーム勘はより厄介だ。

 戻るか、戻らないか。それは本人にしかわからない。「確証が持てなかった」と西野監督が言うのも、わからなくはない。井手口はガーナ戦に後半31分から出場したが、そのラストチャンスであまり良いプレーをせず、むしろ、西野監督に落選の確証を与えることになってしまった。
2018年5月30日、ガーナ戦の後半、パーティー(5)と競り合う井手口陽介=横浜国際競技場(蔵賢斗撮影)
2018年5月30日、ガーナ戦の後半、パーティー(5)と競り合う井手口陽介=横浜国際競技場(蔵賢斗撮影)
 結果として、MF本田圭佑(パチューカ)や岡崎、香川、乾など、バヒド・ハリルホジッチ前監督に冷遇されたベテラン勢は、全員が西野ジャパンに招集されたことになる。

 西野監督は「いろいろな戦い方、システムの中で、ワールドカップという舞台への対応力が、間違いなく求められる」と彼らへの期待を語った。「対応力」は会見のたびに繰り返されているので、西野監督の中でもキーワードなのだろう。

 確かに対応力は重要だ。日本の対戦国であるコロンビア、セネガル、ポーランドは、W杯出場が決まって以降、積極的なプレッシングと引いた守備ブロック、あるいは3バックと4バックなど、戦術の使い分けにトライしてきた。

 日本もそうした対戦相手の戦術に対応する術を身に着けなければならず、ガーナ戦の3バックも、そのトライの一環だった。時間帯、相手の出方に応じて、柔軟に戦えなければならない。