大阪都構想は、行政制度と成長を担う広域行政組織と住民身近な基礎自治行政の役割を分担すると同時に議会の役割分担でもある。議会の役割も広域と基礎で役割分担することで府議会と市議会のねじれも解消でき、議会の対立による成長施策の停滞を防ぐことができる。

 現在は、私と大阪市の吉村洋文市長が同じ方向を向き、府庁と市役所が協議決定できる「副首都推進本部会議」があるので、役所の意思決定がねじれることはないしスピード感を持って進めることが可能な状態だ。

 ただ、これはあくまで人間関係による脆弱(ぜいじゃく)なもので、人が変われば元の二重行政「不幸せ」と揶揄された大阪府と大阪市に逆戻りする。過去の大阪に戻さない、議会のねじれによる停滞も解消する、これを制度として確立させるのが大阪都構想である。

 大阪都構想は、言うまでもなく、地方制度の一大転換だ。ゆえに、大阪の自民党のように私たちのやり方に反発する勢力があるのも当然だろう。

 本来、大阪都構想に前向きだった安倍晋三首相が、4月に行われた自民党大阪府連の臨時党員大会に出席し、「大阪都構想については、大阪自民党の考えを尊重する」と発言した。これで、大阪自民党のみなさんは拍手喝采、大いに盛り上がっているようだ。

 ただ、首相が地方の支部大会に出席すること自体が異例であり、安倍首相が都構想に対する自身の考えをごまかさなければならないほど、取り巻く状況が厳しいことは容易に想像できる。
党首討論に臨む安倍晋三首相(右)。左は立憲民主党・枝野幸男代表=2018年5月、国会(春名中撮影)
党首討論に臨む安倍晋三首相(右)。左は立憲民主党・枝野幸男代表=2018年5月、国会(春名中撮影)
 歴史を顧みれば、明治維新のとき、武士の身分がなくなるとなれば、刀や鉄砲を交える殺し合いとなった。現代に置き換えれば、選挙や住民投票がまさに戦(いくさ)だ。

 大阪都構想は議会で決めるものではなく、究極の民主主義である住民投票が決戦の場となる。大阪が二重行政で府と市を併せて「不幸せ」と揶揄されることが今後なくなるよう、私の任期中に二度目の住民投票に臨み、勝利したい。