2018年06月08日 10:08 公開

ドナルド・トランプ米大統領は7日、シンガポールで12日に開催予定の米朝首脳会談が成功すれば、北朝鮮の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長をホワイトハウスに招待するか検討すると述べた。日本の安倍晋三首相と米朝首脳会談について協議した後、共同記者会見で発言した。

トランプ氏は、朝鮮戦争終結の合意が結ばれる可能性もあると言及。むしろそれは今回の交渉の「簡単な部分」で、「合意後にどうなるかの方が、本当に重要だ」と記者に話した。

米国と周辺同盟国は、北朝鮮の核兵器放棄を望んでいる。しかしトランプ氏は、目標の実現には1度の会談より「長くかかるだろう」と認めた。

日米両首脳による共同記者会見の後、マイク・ポンペオ米国務長官もホワイトハウスで記者会見を開き、金氏がポンペオ氏に対し直接、非核化の意思を示したと述べた。ただし、米国が求める非核化の内容に、北朝鮮が近づきつつあるのかは不明だ。

米朝首脳会談についてトランプ氏は

トランプ氏は、「これから友好的な交渉に臨むのだから」、北朝鮮について「最大限の圧力」という言葉を使いたくないと述べた。しかし、北朝鮮に科すことのできる制裁はまだたくさんあると苦言した。

同氏はまた、首脳会談が不調だとなれば「いつでも打ち切る用意はある」と強調しつつ、会談がうまくいった場合には、金氏をワシントンに招待することもあり得ない話ではないと述べた。

「会談が成功すればもちろん、招待は喜ばれると思う」とトランプ氏は報道陣に話した。「(金氏は)招待をとても好意的に見ていると思う。だから、実現する可能性はある」。

ただし、フロリダ州に所有するリゾート「マール・ア・ラーゴ」に金氏を招待するかもしれないとの前日報道について質問されると、トランプ氏は「まずはホワイトハウスから始めるかも。どう思う?」とはぐらかした。

これに先立ちトランプ氏は、首脳会談に向けた事前の準備は特に不可欠だとは思わないと話していた。

「非常によい準備ができていると思う。そんなにたくさん準備をしなければならないとは、僕は思っていない。大事なのは姿勢と、成果を出すぞという気持ちだ」と同氏は話した。

安倍首相の要望

日本の安倍首相はトランプ氏の大統領就任以来、定期的に会談を重ねてきた。しかし安倍氏は、米国と北朝鮮がどのように関係を改善したとしても、日本の国益が無視されないよう求めている。

北朝鮮は1970年代と1980年代に、日本語と日本の習慣をスパイに訓練させるため、多数の日本人を拉致した。この問題について、トランプ氏は確実に日本の懸念を理解していると安倍首相は述べた。

北朝鮮は13人の拉致を認めたものの、実際の被害者数はそれよりも多いと考えられている。

「拉致問題を早期に解決するため、私は北朝鮮と直接向き合い、話し合いたい」と安倍氏は話した。

首相はまた、地域の「真の平和」を追求するとの日本の方針を繰り返し、北朝鮮が「正しい道を歩むのであれば、明るい未来を描くことができる」とも語った。

6月12日に向け

米朝首脳会談に向けて、多くの関係各国が自分たちの国益を念押しするため、外交活動を活発化させている。安倍首相の訪米もそのひとつだ。

金委員長は既に2度、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談した。その文大統領は訪米し、トランプ大統領とも会談している。

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は訪朝して金委員長と会談し、ウラジーミル・プーチン露大統領との首脳会談の下準備を整えた。露朝首脳会談は今年後半にモスクワで予定されている。

さらに金委員長は2度訪中し、中国の習近平国家主席と会談した。

米朝首脳会談に向けては、3月にトランプ氏が合意し、「シンガポールで6月12日」と5月10日に発表したものの、5月後半に両政府高官による非難合戦が激化した末、トランプ氏は5月24日に米朝首脳会談の予定を中止した。

トランプ氏の法律顧問、ルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長は6日、金氏は首脳会談実施を「懇願」したと述べた。

ジュリアーニ氏はイスラエルで開かれた会議で、「金正恩は手と膝をついて懇願してきた。まさしく向こうにとってもらいたい姿勢そのものだ」と話した。

ロシア疑惑をめぐる捜査でトランプ氏の弁護士を務めるジュリアーニ氏は、米国は北朝鮮よりもずっと強い立場で首脳会談に臨むと述べた。

北朝鮮は、ジュリアーニ発言に反応していない。

(英語記事 Trump-Kim summit: North Korea leader may get US invite