2018年06月08日 12:26 公開

エミレーツ航空は、バーチャル窓を設置した新しいファーストクラスの座席を公開した。実際に外が見られる代わりに、機体の外に付けられた光ファイバーカメラの映像が映される。

バーチャル窓の導入により、将来的には機体から窓を全て取り払うことで、飛行機がより軽く速くなるとしている。

エミレーツ航空のサー・ティム・クラーク会長は、窓に映る映像は「目で見るよりきれいだ」と説明した。

バーチャル窓はエミレーツが導入した最新機種、米ボーイング「777-300ER」機のファーストクラスに使われている。

サー・ティムはBBCに対し、最終目標は全く窓のない機体だと話した。

「搭乗するときには機体に窓がないのに、中に入ると窓がある状態を想像してください」

「窓がないことで、胴体部分に構造的な弱点がなくなる。機体はより軽くなり、速く飛ぶことができる。燃費が良くなり、より高く飛べる」

安全上の懸念

英クランフィールド大学のグレアム・ブレイスウェイト教授は、有事の際には客室乗務員が機体の外を確認できなくてはならないと反対する。

「緊急時、特に緊急脱出しなければならない時には、機体の外が確認できることが大事だ」

「たとえば火事などの緊急時に、扉を開けて機体からの脱出を開始する前、乗務員が外を確認する必要がある。そのために動力が必要となるような仕組みは、航空安全当局の認可をなかなか得られないだろう」

一方、欧州航空安全機関(EASA)は「窓がある機体と同等の安全水準を確保するにあたり、解決できないような問題は特に見受けられない」としている。

ブレイスウェイト教授は、窓なし機の最大の障害は、乗客の受け止め方だろうと指摘する。

「飛行機は閉所恐怖症を誘発しやすく、そもそもただでさえ空の旅は大勢にとって不安なものだ」

「映像投影技術の高さにも、良くない副作用がある。ちらちらしないか? タイムラグがないか? 長距離便の乗客への影響は?」

「代わりにならないもの」

航空専門家のジョン・ストリックランド氏は、窓をなくすことで機体は構造的に良くなると説明する。また、窓をなくして機体が軽くなれば、燃費も改善するという。

「機体を軽くする施策は何でも、使用燃料を減らすことにつながる」

しかし、ストリックランド氏自身は外の景色が見たいと話す。

「自分はかなりの窓側派だ。私には、人工の窓では代わりにならない」

(英語記事 Emirates looks to windowless planes