2018年06月09日 15:01 公開

シンガポール警察は8日、韓国人記者2人を北朝鮮の駐シンガポール大使公邸に不法侵入した疑いで逮捕したと発表した。シンガポールでは来週、米朝首脳会談が開かれる。

警察によると、7日昼に記者が公邸に侵入しているとの通報を受けたという。

ロイター通信は情報筋の話として、北朝鮮の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が10日にシンガポールに到着予定だと伝えている。

ドナルド・トランプ米大統領は、もしシンガポールでの首脳会談が成功すれば、金氏をホワイトハウスに招待することも検討するとしている。トランプ氏も10日にシンガポールへ到着予定。

米国と周辺同盟国は、北朝鮮の核兵器放棄を望んでいる。しかしトランプ氏は、目標の実現には1度の会談より「長くかかるだろう」と認めた。

記者逮捕についてわかっていること

シンガポール警察は8日、韓国KBS放送の42歳と45歳の男を逮捕したとフェイスブックで発表した。

警察発表は以下の通り――。

不法侵入の疑いで2人の韓国メディア関係者を逮捕

2018年6月7日午後3時50分ごろ、シンガポール警察は朝鮮民主主義人民共和国の駐シンガポール大使公邸に不法侵入者がいるとの通報を受けた。韓国KBS放送に所属するそれぞれ42歳と45歳の韓国人男性2人が、この件に関与したとして逮捕された。KBS放送に所属する別の31歳の韓国人男性について捜査している。このグループのガイドと通訳を務める29歳の韓国人男性についても捜査している。KBS放送に所属する3人は、シンガポールでメディア関係者として登録されていない。警察の捜査が続いている。

シンガポール刑法第224章第447条の下、不法侵入を企てた者は全て、最大3カ月の禁錮刑か最大1500ドルの罰金、またはその両方を科される可能性がある。

シンガポール警察はシンガポールを訪れる全ての外国人に、シンガポール法を遵守するよう求める。法を犯した者は断固とした対応を受ける。対応の中には、旅券や査証の停止や本国送還が含まれる可能性がある。

シンガポールで何らかの犯罪に関与したメディア関係者は、登録を取り消され、米国と北朝鮮の首脳会談を取材できなくなる。

https://www.facebook.com/singaporepoliceforce/posts/10157537022909408

別の韓国人2人についても捜査中としている。

米朝首脳会談を取材するため、約3000人報道関係者がシンガポールに滞在しているとみられる。

一方、金氏のそっくりさんは、シンガポールへの到着時に取り調べを受けたと語った。

香港を拠点に活動するハワードXと名乗る金氏のそっくりさんは、入国管理官に2時間の取り調べを受けたとフェイスブックで明かした

「彼らは私のかばんを調べ、それから私に、今はシンガポールにとって非常に繊細な時だと話した。(シンガポール政府が特別行事区域に指定している)シンガポール南部のセントーサ島や市内のシャングリラホテルには近づかないほうがいいとも言っていた」とハワードX氏は投稿で述べた。

トランプ氏の首脳会談への準備

トランプ氏はこれまで、北朝鮮に方針を変更させるため、「最大限の圧力」をかける政策をとっていた。

しかしトランプ氏は7日、「これから友好的な交渉に臨むのだから」、北朝鮮について「最大限の圧力」という言葉を使いたくないと述べた。しかし、北朝鮮に科すことのできる制裁はまだたくさんあると警告した。

同氏はまた、首脳会談が不調だとなれば「いつでも打ち切る用意はある」と強調しつつ、会談がうまくいった場合には、金氏をワシントンに招待することもあり得ない話ではないと述べた。

これに先立ちトランプ氏は、より大事なのは「姿勢」と「成果を出すぞという気持ち」だとし、首脳会談に向けた事前の準備は特に不可欠だとは思わないと話していた。

トランプ氏はまた、米バスケットボール選手のデニス・ロッドマン氏が首脳会談に招待されているとの報道を否定した。ロッドマン氏はこれまで北朝鮮を何度も訪問している金氏の友人。

「ロッドマン氏は好きだ。彼は良い奴だが、招かれていない」とトランプ氏は述べた。

しかしロッドマン氏は数時間後、トランプ氏と金氏という「私の友人たちが必要としているあらゆる支援を提供するため」シンガポールに向かっているとツイートした

各国の反応

多くの関係各国が自分たちの国益を念押しするため、外交活動を活発化させている。日本の安倍晋三首相が訪米し、トランプ大統領と会談したのもその一つだ。

北朝鮮は1970年代と1980年代に、日本語と日本の習慣をスパイに訓練させるため、多数の日本人を拉致した。安倍首相は7日、この問題について、トランプ氏は確実に日本の懸念を理解していると述べた。

「拉致問題を早期に解決するため、私は北朝鮮と直接向き合い、話し合いたい」と安倍氏は話した。

首相はまた、地域の「真の平和」を追求するとの日本の方針を繰り返し、北朝鮮が「正しい道を歩むのであれば、明るい未来を描くことができる」とも語った。

一方、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は訪朝して金委員長と会談し、ウラジーミル・プーチン露大統領との首脳会談の下準備を整えた。露朝首脳会談は今年後半にモスクワで予定されている。

金委員長は2度、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談した。その文大統領は訪米し、トランプ大統領とも会談している。

さらに金委員長は2度訪中し、中国の習近平国家主席と会談した。中国が変わらず北朝鮮外交にとって重要な存在なことを示しているとみられる。

(英語記事 Kim Trump summit: S Korean reporters arrested over N Korea 'trespass'