2018年06月11日 14:05 公開

1日に発足したばかりのイタリア・コンテ内閣のマッテオ・サルビーニ内相兼副首相は10日、リビア沿岸で救助された移民629人が乗る「アクアリウス号」の寄港と難民の受け入れを拒否した。

極右政党「同盟」の党首も務めるサルビーニ氏は、マルタが同船のを受け入れるべきだと述べたが、拒否されたという。

マルタによると、ドイツの慈善団体「SOSメディテラ」はリビア領海で移民を保護したためイタリアの管轄だと主張している。

イタリアは、北アフリカから欧州を目指す移民の玄関口となっている。

同盟は今年3月の総選挙で、厳しい移民政策を公約していた。

アクアリウス号を運営するSOSメディテラネによると、移民629人は計6回にわたる作戦で救助された。前日に救助した人たちもいるという。

629人のうち123人が付添い人のいない未成年で、11人が幼児、7人が妊娠中の女性だという。イタリア海軍や沿岸警備隊、商船などによって救助された400人も含まれている。

同号は、イタリアの海難救助管理センターの指示を受けてイタリアから約65キロ、マルタから50キロ離れた地点で待機している。

ロイター通信によると、SOSメディテラネのマチルド・オービレイン広報担当は「我々の目的はアクエリアス号に乗っている629人を安全な港で下船させること。彼らの中には昨夜、困難な状況下で救助した人もいる」と話した。

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サルビーニ氏の立場は?

サルビーニ内相は10日、イタリアは「密入国にノーを、不法移民ビジネスにノーを」突きつけると述べた。

同相は、「マルタは誰も受け入れていない。フランスは国境から人々を押し戻している。スペインは武器で国境を守っている」とも話した。

「マルタは全ての救援要請にノーという言うことはできない。神はマルタをシチリアよりアフリカに近く置かれた」

サルビーニ氏は先にも、イタリア政府は移民の送還人数を増やすべきだと発言したほか、政府もイタリアでの難民申請者を欧州連合(EU)全体に移管するよう求めている。このスキームはすでに、いくつかの加盟国から拒否されている。

サルビーニ内相は、移民の海上救助に当たっている団体に対する措置も検討している。同氏はこうした団体が密入国斡旋(あっせん)業者と結託していると批判していた。

政府を批判する人たちは、移民の強制送還計画は実行不可能で、人種差別を増徴させたり人道的問題を政治化させるリスクがあると指摘している。

イタリアのジェンティローニ前政権とリビアとの間で交わされた合意は物議をかもしたが、昨年夏以降の移民到着数は減っている。しかしイタリア政府の高官は、2018年はこれまでに1万3500人の移民が登録されたと話している。

マルタの反応は?

マルタ政府の報道官はAFP通信に対し、同国は救助作戦に「協力もしていなければ、権限のある立場でもない」と話した。

サルビーニ氏は、先に126人の移民を乗せた別の救助船が座礁した際、マルタ政府が適正な分担を行わなかったことを非難している。

マルタはこの船に援助を送ることを拒んだと伝えられている。非政府組織(NGO)シー・ウォッチによると、この船は伊シチリア島のポッツァッロ港への寄港が許された。

マルタ政府は、移民をめぐる義務は全て履行していると強調している。

<用語について> BBCは、亡命申請の法的手続きを終えていない、移住中の人すべてを「移民」(migrants)と呼んでいる。この中には、戦争で引き裂かれているシリアのような国を逃れて移動し、難民認定される可能性の高い人たちも含まれる。また、各国政府に「経済移民」と分類される可能性の高い、より良い職業や生活を求めて移動している人たちも、「移民」に含まれる。

(英語記事 Italy shuts ports to migrant rescue ship