世界最大の民泊サイトを運営する米エアビーアンドビー(エアビー)の日本法人の田邊泰之社長と、エアビー本社のグローバル政策担当最高責任者のクリストファー・レヘイン氏が、都内で記者会見し、住宅宿泊事業法(民泊新法)の6月からの施行に伴う3月15日から始まる住宅宿泊事業者(ホスト)の届け出を前に対応方針などを明らかにした。

 田邊社長は民泊新法の施行について「日本でエアビーの民泊を普及させるために一番重要なことは、地域に合った形で事業を進めることだ。民泊を普及させるために協業の輪を広げていきたい」と述べ、地域との調和の必要性を強調した。また、レヘイン氏は「民泊新法と市町村の条例を順守するように努める。コミュニティとのトラブルは、世界各地の都市で多くの経験があるので防げると思う」と指摘した。

 また新法施行によるホストへの影響について田邊社長は「(ルールが定められることで)ホストは参加しやすくなる。ホストに対して部屋のクリーニングサービスなどを提供しており、やりやすいようにサポートしている。現在の6万2000件のホストの数は、ほかの国と比べるとまだ少ない。日本では東京、大阪、京都などが多かったが、地方に眠っている観光資源が多くあるので、新法によりこうしたところが紹介されるようになるのではないか」と指摘、ホストの数が増えることに期待を示した。

 いわゆるヤミ民泊を防止するための対策として、エアビーは15日にホスト登録のための画面を新しいものに切り替えた。エアビーのサイトに掲載するためには、ホストが自治体に登録した際に取得した民泊の許認可番号の記入が必要となり、この番号がない場合は仲介サイトに掲載しない。これにより、6月14日まではヤミ民泊はエアビーのサイトにアップされるが、新法が施行になる15日以降は許認可を得ていない違法な民泊はサイトから排除されることになる。

 今後のグローバル展開についてレヘイン氏は「2028年までに世界中で10億人がエアビーの民泊を利用するようロードマップを描いている。世界の都市では民泊の規制と適合しながら事業を進めている。日本では空き家が多く、日本政府も空き家対策として民泊を活用できないか関心を持っている。エアビーの方式が役立つと確信している」と述べ、日本で受け入れられることに自信を示した。

 新しい民泊サービスとして、今年2月から素晴らしいゲストがハイエンドな特別なサービスを提供できる「エアビー・プラス」という、ワンランク上の民泊サービスの提供を始めている。同社としては、他社との違いを出すためゲストの要望に応えられるように民泊のメニューを増やそうとしている。
エアビー日本法人の田邊泰之社長(左)と、本社グローバル政策担当最高責任者のクリストファー・レヘイン氏
エアビー日本法人の田邊泰之社長(左)と、本社グローバル政策担当最高責任者のクリストファー・レヘイン氏
 同社によると、2月1日現在の日本での宿泊登録件数は約6万2千件。内訳は東京都が2万1200件、大阪市が1万4300件、京都市が6200件。昨年2月1日から今年2月1日までの宿泊者総数は580万人だった。東京都が190万人、大阪市が160万人、京都市が66.6万人だった。平均宿泊日数は3.3日。エアビーの宿泊者数は2016年が370万人で、17年の1年間に約200万人も急増、全国にエアビー旋風を起こしたと言える。

 しかし、全国の自治体では、民泊の宿泊数や場所などについて、地域住民の住宅環境への配慮などから民泊新法に上乗せした厳しい条例を定めるところが相次いでいる。この難しい環境の中で、エアビーがいままでと同様の多くのホストを獲得できるかどうかが注目される。