西之島新島や海底火山の明神礁、ベヨネーズ礁などは、その例である。首都圏は、一番下に太平洋プレートが、その上にフィリピン海プレートが、さらにその上に北米プレートが重なっている。そして、それぞれのプレートの内部や、境界で地震が発生する可能性があり、一口に首都圏直下地震といっても、発生する場所はさまざまである。

 一般に深いところで発生した地震は振幅の周期が長く、超高層ビルなどをゆっくり大きく揺らす。また、津波を発生させやすい。津波は、関東地方では下町や埋立地だけでなく、埼玉県春日部や群馬県館林のような、普段住民が海を意識しないところまで達する可能性がある。それに対して、浅い震源の地震は振幅の周期が短く、一般住宅を倒壊させやすいが、津波は起きない。

 さて、今回の大阪の地震で注目すべき点は、熊本地震、鳥取県中部地震、韓国釜山地震、韓国浦項地震、台湾花蓮地震、トカラ地震、西表島地震などで分かるように、フィリピン海プレートの移動による圧縮のおよぶ非常に広範囲で範囲で地震が起き、桜島、霧島新燃岳など多くの火山が噴火活動を活発化していることである。つまり、ユーラシアプレートの歪(ひずみ)が限界に達して悲鳴を上げているといってもよいだろう。

 今回の地震を引き起こした「有馬・高槻構造線」は六甲山地の北側から京都盆地に向けて延びる活断層であり、2017年末から2018年初頭にかけて、小さな地震が頻発していた。また、4月16~17日には、紀伊半島南端で地震が連続し、6月に入る頃から徳島県南部で、さらに紀伊水道を震源とする地震が続いている。
地震の影響で傾いた阪急茨木市駅の電光掲示板=2018年6月18日、大阪府茨木市(渡辺恭晃撮影)
地震の影響で傾いた阪急茨木市駅の電光掲示板=2018年6月18日、大阪府茨木市(渡辺恭晃撮影)
 千葉沖の地震の陰に隠れていた関西の地震が顕在化してきているのである。これらは、いずれも南海トラフ地震(フィリピン、台湾、琉球列島、南海、東南海、さらには首都圏まで含めてスーパー南海地震と呼ぶ)の前段階の地震と位置づけることができる。

 筆者はこれまでにも指摘してきたが、大地震・巨大地震は突然には起きない。約2カ月前から顕著な前兆がみられることが多い。阪神大震災(1995年)、中越地震(2004年)、東日本大震災(2011年)、熊本地震(2016年)、鳥取県中部地震(同年)など、いずれも前兆現象がみられた。

 南海トラフ地震(スーパー南海地震)について、政府は30年以内にと80%の確率で発生すると言っているが、これは30年先のことではない。30年以内には、今日も明日も含まれている。

 ユーラシアプレートの悲鳴が聞こえる現在、スーパー南海地震は極めて近い。そして、その被害額は土木学会の見積もりでは1400兆円(日本の国家予算は約37兆円)、死亡者は国の想定で32万人~33万人。筆者の推定では47万人を超える。それにもかかわらず。国、都府県、市町村の動きは極めて鈍く、今回の大阪北部地震を教訓に早急な対策が必要だろう。