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    ピエール瀧、出演作品に罪はない?

    ミュージシャンで俳優のピエール瀧が、麻薬取締法違反容疑で逮捕され、出演するCMやドラマなどの自粛が相次いでいる。ただ、音楽家の坂本龍一は自身のツイッターで「音楽に罪はない」とつぶやき、この流れに一石を投じた。芸能人はイメージが売りとはいえ、本当に議論の余地はないのだろうか。

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    ピエール瀧、出演作品の相次ぐ自粛「それでも起用」となぜ言えない

    片岡亮(ジャーナリスト) テクノユニット、電気グルーヴのメンバーで人気俳優のピエール瀧(本名・瀧正則)が、コカイン若干量を使用したとして、麻薬取締法違反(施用)の疑いで関東信越厚生局麻薬取締部に逮捕された。所属事務所は謝罪した上で「この事態を重く受け止め、多大なるご迷惑をおかけしております関係各位の皆様へ対応させていただく所存です。また、本人の処遇につきましては、捜査の進捗(しんちょく)を見守りつつ厳正に対処してまいります」とのコメントを発表した。 報道によると、尿検査でコカインの陽性反応が出ており、瀧容疑者も取り調べに「間違いありません」と容疑を認めているという。推定無罪の原則から、事務所は本人の処分について「見守る」としているが、既に関係先への損害は発生しているため、罪の有無に関係なく謝罪対応を進めているわけだ。 その通り、瀧容疑者の逮捕による影響はあまりに大きい。何しろ俳優や声優だけでなく、CMや音楽、ゲーム、アニメ、ラジオ番組など活動の幅が広く、多方面でさまざまな対応が行われた。 このような事件が起こるたびに議論になるのが、芸能人の逮捕で出演番組の「お蔵入り」や差し替え、映像・音楽作品の撤去や販売自粛は必要か、というものだ。インターネット上では「作品に罪はない」という意見が多く見られる。先ごろ、俳優の新井浩文被告が強制性交の疑いで逮捕された際も、出演作品の自粛や差し替えなどが相次ぎ、同様の議論があったばかりだ。 タレントの犯罪や不祥事により、対応を迫られる場合を主に三つに分けるならば、「本人の生出演」「収録済みで公開予定の作品」、そして「既に公開されて流通している作品」になる。30周年の記念ツアー中だった電気グルーヴは3月15、16日に予定されていた東京公演の中止を決定した。 また、木曜パーソナリティーを務めていたTBSラジオ『赤江珠緒たまむすび』は公式サイトから関連部分を削除し、代役などについて「協議中」としている。これらは「本人の生出演」に該当し、逮捕で不在となるのだから出演取りやめは当然だろう。 出演中のNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』は「収録済みながら公開予定の作品」に該当する。NHKは直ちに公式サイトから瀧容疑者の写真を削除した。放送こそ継続されるが、主人公に大きな影響を与える重要な役どころだけに降板は避けられない。 瀧容疑者がキリギリスに扮して出演していた住宅設備大手、LIXILのCMも差し替えられ、ユーチューブの公式チャンネルからも動画が全て削除された。ウォルト・ディズニー・ジャパンは、映画『アナと雪の女王』の日本語吹き替え版で瀧容疑者が声優を務めていたキャラクターの降板を発表、11月公開予定の続編も交代する。出身地の静岡市では、瀧容疑者が歌うPRソング「まるちゃんの静岡音頭」に関する自粛対応を決めた。電気グルーヴの石野卓球(左)とピエール瀧容疑者(2015年12月撮影) これらは「容疑者」の段階であっても、一様に起用停止の方向を打ち出している。理由は詳しく示されていないが、視聴者から受信料を受け取る立場のNHKや、税金を投入している事業の静岡市、イメージ重視のスポンサー企業など、立場はそれぞれでも「犯罪者の可能性が高くなった人物の作品を提供するのは好ましくない」という判断をしたことが容易に推察できる。視聴者などからクレームが来ることも想定しての対処だと言われれば「それでも起用を続けろ」とは言いにくい。被害者のいない罪 ただ、「既に公開されて流通している作品」も対象とするのは議論の余地が大きいだろう。セガゲームスは、昨年12月に発売されたゲームソフト「JUDGE EYES:死神の遺言」の販売自粛を発表した。俳優の木村拓哉が主演する同ゲームで、瀧容疑者はヤクザの若頭役を務めていた。また、所属レコード会社もヒット曲「Shangri-La」(シャングリラ)をはじめ、音楽・映像商品の出荷停止や店頭在庫の回収、デジタル配信停止を決めている。 これらが発売されたのは逮捕前であり、あくまで過去の話だ。音楽家の坂本龍一もツイッターで「ドラッグを使用した人間の作った音楽は聴きたくないという人は、ただ聴かなければいいだけなんだから。音楽に罪はない」と述べたように、音楽業界から疑問の声も上がっている。 確かに、この手の判断を一律に適用すれば、店頭や販売サイトに並んだ出演映画のDVDなども完全に撤去されることになってしまう。ユーザーから販売元にクレームが多数寄せられるようなことも考えにくいため、過剰反応に見えるところはある。 そもそも、犯罪加害者の出演作品の撤去は「被害者に配慮する」という理由が大きいが、犯行確認前のものにまで遡(さかのぼ)らないといけないなら、販売商品のみならず、ネット上の人物画像まで削除しなければならなくなる。世の中から人の存在の痕跡を消すことなどは難しく、「売名行為」が仕事のタレントは不可能といえる。 その観点の流れで、一部の識者やコメンテーターなどから「被害者のいない麻薬事件は例外ではないか」とする意見も出ている。もっともらしく聞こえる主張だが、被害者の有無で線引きすることは話を余計にややこしくするだけだ。 麻薬事件では販売者と使用者が同時に逮捕されることがあるが、両者がタレントであった場合、被害者をつくった販売側はアウトで、使用だけの側はセーフとするのも妙な話だ。 賭博罪なども同様で、同じ犯罪でも被害者の有無で区分けするとなると、中には法解釈で被害者かどうかを認定する裁判があった場合、それをひたすら待つということにもなってしまう。安易に「被害者がいるいない論」を持ち出すのは、刑事犯罪の「幅広さ」を想定できていない人の理屈としか思えないのだ。 海外では、米国のように、被害者のいる暴行事件の加害者であっても、逮捕されて裁判を待つ間に試合に出たプロボクサーがいるし、有罪が確定した直後にドラマ出演した俳優もいる。「米国では犯罪と経済活動を分けて考えるところがある」と指摘する米芸能ジャーナリスト、エイドリアン・ゲール氏は以下のように主張する。※写真はイメージです(ゲッティイメージズ) 「犯行とは無関係な仕事や、犯行前に正当な方法で行った仕事への対価までも奪ってしまえば、犯罪者は社会的活動を一切できなくなってしまう。だから、基本的には法や契約に従うべきだ」 つまり、この見解を裏返せば、契約に明記されない勝手な販売中止は犯罪者側の利益を不当に奪うことにもなるという見方もできるわけだ。だから、日本の一部識者の「作品を公開して、報酬を福祉団体に寄付すればいい」という論調ですら、他人の報酬を勝手に決める「暴論」になってしまうのである。自粛だけが正解じゃない ただ、海外でもシビアに販売を自粛するケースはある。出演者が人種差別発言をしたり、未成年を傷つける犯罪行為など社会的に批判の強い事件や不祥事には容赦ない。米国のベテラン女優、ロザンヌ・バーに対する米ABCテレビの対応はその最たるものだろう。 昨年5月、バーがオバマ前大統領の元アドバイザーを「猿」呼ばわりする人種差別的な発言をツイートしたことを受け、ABCは主演の人気ドラマを即刻打ち切り、バーの降板を決定した。コメディードラマ『ロザンヌ』は21年ぶりの復活で大きく話題となり、視聴率も全米トップを獲得していた。それでも、ABCは「弊社の価値観にそぐわない」という声明をハッキリ述べ、一般論ではなく「当社のモラル」を強く示した上で、人気コメディー女優の降板と番組打ち切りを決断した。 一方でバーの謝罪を受け入れ、起用を継続したメディアもあった。海外ではおおむね「ケース・バイ・ケース」で各社が自主判断をしている印象が強い。日本では、逮捕時点で関係する企業が一斉に「右にならえ」で自粛決定をしているように見える。 実のところ、日本人というのは、このケース・バイ・ケースが苦手な民族だ。筆者は日本とマレーシアを拠点として仕事しているが、多民族国家から見る日本人は「清潔でマナーが良く、仕事をきちんとする」と評判が良いが、「マニュアル以外になると臨機応変の対応が苦手」という印象を持たれることが多い。 本来、各自の判断で決めればよいものでも、「みんながそうやっているからウチも」とする風潮があるのは確かだ。だが、裏を返せば、多様な姿勢を認めにくい社会を反映しているともいえる。 そういう意味では、一部報道にあった瀧容疑者の出演映画『麻雀放浪記2020』が出演部分をカットせず、予定通り公開する方向で調整するという判断は興味深い。同じく公開を控えていた映画『居眠り磐音』が代役を立てて登場シーンを撮り直すことを決めている。映画という有料コンテンツである以上、観客である消費者に判断が委ねられるわけで、「収録済みで公開予定の作品」の対照的な「意思」に注目が集まることだろう。2019年3月13日、関東信越厚生局麻薬取締部が入る九段第三合同庁舎から出てくるピエール瀧容疑者(佐藤徳昭撮影) 自粛を決めた日本の各企業も、それぞれ強いメッセージを打ち出したらどうだろう。例えば「わが社は、いかなる種類の犯罪行為も、社会秩序を守る観点から社会的制裁を受けることもあるというメッセージを発信するため、それが被害者のいない犯罪であったり、『推定無罪』の段階であったりしても、著名人による影響の大きさを考えて、苦渋の決断で暫定的に販売中止を決定しました」と発していたら、その決断自体は現在よりも尊重される可能性も高くなる。議論の余地がある話であれば、起用側による意見発信で、判断基準を形成していくことにもつながるのではないだろうか。■なぜASKAは再び覚醒剤を使ってしまったのか■ASKAが覚醒剤から解放されるためのヒント■NHK『トクサツガガガ』私が一瞬、涙目になったワケ

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    元AKB篠田麻里子「玄米婚」を深読みして分かった2つの思惑

    辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト) 「ビビビ婚」「授かり婚」「シニア婚」…いろいろな結婚のネーミングがありますが、意表を突かれたのは元AKB48、篠田麻里子さまの「玄米婚」。元同グループの小嶋陽菜(こじはる)がTwitterで「玄米。。。」とつぶやいたことでも話題になりました。こじはるは、その後「わい白米派」と書き込んでいて、ストイックな生活とは無縁そうな彼女のキャラクターと白米のイメージがマッチしていて良かったです。しかし麻里子さまの「玄米婚」は、ブランディングとしてなかなか巧妙だと感じ入りました。 「彼とは2度友人を交えて食事をする中で、玄米を食べて育ったところや、理想の家族像、将来像などの共通点が驚くほど多く、お互い素の自分でいられることでお付き合いをしてもいないのに結婚ということを自然に意識することができました。『一生一緒にいたい』と心から思えた方です」 というのが麻里子さまのコメントの一部です。「玄米婚」でありながら最近話題の「交際0日婚」(プロポーズを受けてからしばらく付き合ったようですが)。相手の方は、3歳年下の会社経営者です。バラエティー番組『プレバト!!』に出演した彼女は「(相手は)美容室の経営とIT事業をやっています」と明かしています。 またITですか…そんな思いを抱く人も多いかもしれません。そして一般男性と言いながら確実にセレブです。 白米派のこじはるも、高級タワマンに住むIT企業のイケメン社長と交際しているとされます。『週刊文春』(2月28日号)によると、一緒にハワイに行ったり、カリフォルニアのコンドミニアムに滞在したり(そして宿泊代を値切ったり)と悠々自適なバカンスを楽しんでいるとか。 IT社長と交際といえば、女優の方々も思い浮かびます。ライブ配信アプリ「SHOWROOM」のやり手イケメン社長、前田裕二氏と交際している石原さとみ。女優・石原さとみ=2018年7月24日、東京都千代田区(宮崎瑞穂撮影) そして月に行く発言や100万円ばらまきで話題になったZOZOTOWN前澤友作社長と剛力彩芽。ベントレーでデートしたりプライベートジェットでサッカー観戦に行ったり、ゴージャスな交際を繰り広げています。 深田恭子は不動産会社会長と交際。週刊文春にこの会長の2度の離婚暦や破産、「刺青」についての記事が掲載されました。老婆心ながら気がかりです。 相武紗季や伊東美咲、菊川怜、観月ありさなど、会社経営者と結婚した女優も多いです。「玄米婚」二つの意図 ファンにとって、推しの女優やアイドルが社長と結婚すると、遠い存在になってしまう反面、心配な部分も多いことでしょう。アグレッシブな社長は、生命力が旺盛なあまり不倫や浮気、婚外子などが判明することも…。ギラギラしている成功者は敵も多そうです。   しかし、ここへ来て現れたのが「玄米婚」の篠田麻里子。インスタグラムにアップされた、2人のツーショット写真を見る限り、(目の部分が隠されていますが)夫はあまり玄米っぽくない印象です。おしゃれなヘアスタイルで、ヒゲに世慣れた雰囲気が漂い、玄米というよりトルティーヤとか食べていそうな…。でも、今風のルックスと玄米を食べて育ったというギャップが良いのでしょう。 美容やITに漂う業界臭を、玄米のストイックな匂いが打ち消してくれます。社長と結婚した、という事実よりも、「玄米婚」というフレーズの方がパワーワードとして記憶に残ります。社長のギラギラ感も中和されます。そして素朴でまじめで良い人っぽいイメージになります。 AKB時代、自分の意志を強く持っていたとされる麻里子さまなので、人の印象をコントロールする術も体得しているのがさすがです。「雑穀米を食べて育った」だとあざといし、「胚芽米」だとこだわりが強そうです。「発芽玄米」「寝かせ玄米」だとマニアックすぎます。ただ一言「玄米を食べて育った」と書くのが絶妙です。 玄米は美容や健康にいいと言われていて、意識の高い芸能人が食べています。有名なのがローラ、吉瀬美智子、綾香など…。ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富で、GI値(血糖値が上がる速度)が低い玄米にはさまざまな効果があるとされています。トークショーに出席した篠田麻里子=2014年2月21日(宮田剛撮影) しかし、毎日食べ続けるのは体に負担がかかるという説もあります。無機ヒ素や残留農薬が含まれていると言われていたり、固い殻で覆われているぶん、消化に悪いとも。胃腸が弱い人は、よほど元気な時じゃないと玄米は食べない方が良い、と専門家に聞いたことがあります。 「玄米を食べて育った」という麻里子さまと結婚相手は、もしかしたら生まれつき胃腸が強いのかもしれません。お互いの食生活の好みについて話しているうちに、玄米食の話から健康状態をチェックし合っていたのでしょう。 やはり添い遂げるためには、お互いの健康状態は重要です。そして夫には経済力だけでなく体力も求めていきたいです。「玄米婚」は、「玄米を消化できる体であることを確認」という意味もありました。麻里子さまは、体が頑丈で稼いでくれる、良い夫を見つけたようです…。

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    NHK『トクサツガガガ』私が一瞬、涙目になったワケ

    上村由紀子(フリーライター) そうか、6話まで見てやっと分かりました。このドラマは「親をとるか、オタ活をとるか」って単純な話ではなく、「親の価値観のもとで生きるか、自分の価値観を貫いて生きるか」という、自立の物語だったんですね。 山に囲まれた小さな町に突如ゾンビが現れ、日常と非日常とがせめぎ合う『ゾンビが来たから人生見つめ直した件』や、4月から放送される『腐女子、うっかりゲイに告る。』など、最近ハネまくっているNHKのドラマ。まるでテレビ東京のプロデューサーが出向しているかのようですが、このテンション、むしろ好きです。中でも回を重ねるごとに視聴者の熱量がグイグイ上がっていったのが、NHK名古屋局制作の『トクサツガガガ』。 小芝風花演じる主人公の仲野叶(かの)は商社に勤める20代のOL。会社では「女子力が高い人」で通っているため隠していますが、実は筋金入りの特撮オタク=通称、特オタ。プライベートの時間とお金をすべて特オタ活動につぎ込み、次第に同じ特オタやアニオタ、ドルオタと仲間も増えてオタクライフを満喫する中、彼女の前に巨大な「敵」が。それは幼少時から特撮を全否定し、叶に「女の子らしい女の子」として生きてほしいと願う、松下由樹演じる母、志(ふみ)の存在です。 今は東京(どう見ても名古屋の風景が映るのに設定は東京)と関西とで離れて暮らしている母娘ですが、かわいいものを愛し、娘にも女の子らしくいてほしい母と、特撮作品が大好きな娘…そんな二人が相いれるはずもなく、叶が志から距離を取ることで、なんとかバランスを保っている状態。しかし、志のサプライズ上京で事態は一転。二人は修羅場を繰り広げることに。 勇気を振り絞り、自分の好きな特撮のことを必死に伝えた叶に対し、志が返したのは「ええ年して、こんなちっちゃい子が欲しがるようなもん集めて。こんなもの大事にして、何になるのよ!」「独りであんた、そんなこと続けるつもり?」というバズーカ砲のような口撃と大事にしているフィギュアの破壊、さらに平手打ちという所業。それに対し、叶も「じゃかましい、クソババア!」と母の頰を打ち返して「親じゃない! 育ててもらった恩とか、大学にかかったお金とか一生かかっても返すから。それでもう家族じゃない、関わらんとって!」と感情のまま言葉をぶつけます。女優の小芝風花=2017年2月(南澤悦子撮影) 痛い…いろんな意味で胸が痛い。自分の価値観こそすべてと信じ、それを娘に押し付けようとする母親と、その呪縛から放たれようともがき、経済的に自立することで親から逃げ切れたと思い込む娘。二人の魂は、子供の叶が大事にしていた特撮ヒーロー雑誌を志が庭で焼いたあの日からずっと止まったままなのに。 このドラマを母と娘、それぞれの視点で捉えると、見える風景が違ってきます。 母の志は叶と兄の望が幼い時に夫と離婚。それ以来、女手一つで兄妹を育ててきました。志は自分の離婚をポジティブに考えていないのでしょう。同じ女性である叶には普通の、幸せな結婚をして家庭を築いてほしい、それには多くの人から愛されるよう女らしく生きることが必要、それなのにこの子は男子が好きな特撮なんかに夢中になって間違った道に行こうとしている、30歳を過ぎたらもらい手もないまま1人で生きていかなくてはいけないのに…私がそれを正さなければ…。そんな思考で良かれと思い、娘を自分の思うルートに乗せようと必死です。今期ドラマの共通点 一方、娘の叶は小さい頃から好きだった特撮を否定され続け、母のマンション立ち入りで特オタがバレるまではそのことを必死で隠していました。経済的にも独り立ちしているし、成人した自分がどう生きようが自由なはず。が、母にはずっと特撮のことを言えなかった。それは心のどこかで母が望む人生を送れていない自分を申し訳ないと思う気持ちを抱えているから。 叶にとって特撮を否定されることはただの趣味を否定されることではないんですよね。それは自分の生き方や価値観を親に受け入れてもらえないことで、「ありのままの自分」を否定されているのと同じ。「毒親」と切って捨ててしまえば簡単ですが、志も心の底にあるのは娘を愛し、大事に思う気持ちであるゆえ、そう単純なことでもない。 世の中的には多様性…ダイバーシティなんて言葉もメジャーになってきましたが、家族の間で問題になるのはいつも「どうしてできないの?」VS「どうして分かってくれないの?」という、交わることのない二つの主張。 それにしても、今期のドラマにはいわゆる「毒親」が山盛りです。『初めて恋をした日に読む話(はじこい)』の主人公、春見順子(深田恭子)の母親、『ハケン占い師アタル』のアタル母、そして『トクサツガガガ』の志。そういえば『まんぷく』で今やおちゃめな存在として福子をサポートする母、鈴(松坂慶子)も、放送開始からしばらくはTwitter上で「毒親」と評されていた記憶が。 『ハケン占い師アタル』の場合はまだ見えない部分が多いので置いておきつつ、『はじこい』順子の母、しのぶ(檀ふみ)も志も自分が達成できなかったことを無意識のうちに娘の人生に背負わせているパターン。本人がそこに気づいて呪縛を解けば皆が楽になれるのに、人の心はなかなか難しい…そう簡単にはいきません。 こう言ってしまうと身もふたもないですが、『トクサツガガガ』も『はじこい』も、そして多分『ハケン占い師アタル』も、ある程度前向きな形で母娘の関係に決着がつくのでしょう。だってそれはドラマ、虚構の世界の話だから。女優の松下由樹さん だけど、現実世界を生きている私たちはそうはいきません。自分の好きなものを否定し、価値観を押し付けようとしてきた親はいつの間にか年を取り、「戦う相手」から大抵の場合「守り、フォローする対象」へと変わっていくのです。それはそれでとても切ない。 なんて、過去のモロモロを思い出し、一瞬涙目になりましたが、『トクサツガガガ』はコメディーです! 最終回で叶が作品のテーマでもある「スキなモノはスキ!」をどう貫くのか、ゴールデンボンバーが歌う主題歌『ガガガガガガガ』をともに熱唱しながらしっかり見届けたいと思う次第です。■NHK『いだてん』 スタートでコケた理由を邪推したらこうなった■キンプリ岩橋とセクゾ松島、相次ぐ「パニック障害」の裏側■あふれ出すSPEEDのカルマ『Body & Soul』の愛欲が止まらない

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    NHK『いだてん』 スタートでコケた理由を邪推したらこうなった

    吉田潮(ライター・イラストレーター) 東京五輪、本当にやるんだな。世界中に虚勢張って大ウソこいて大風呂敷広げた割に、課題は山積み。エンブレム盗作騒動に新国立競技場のデザイン騒動、さらには招致活動賄賂疑惑って。もう呪われているとしか思えないが、後へは引けず。こうなったら過去の成功も苦労話も交えて讃えて、「なんだか分からないけど東京五輪はすごい!」と思わせてしまおう、と国と東京都とテレビ局各局。 NHKは4K&8Kで大枚はたいちゃったから、五輪盛り上げて元をとらないと。そこで仕込んだのが大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』……という印象がある。 初回は酷評の嵐。宮藤官九郎ドラマをこよなく愛する人の口からも、「これはさすがにキツイ」「初回で脱落」という声が聞こえた。確かに、主役が誰だか分からん。もちろん、NHKの鼻息荒い宣伝番組を見ていれば、中村勘九郎と阿部サダヲのW主演は分かったはずだが、宣伝もしつこすぎると逆効果という典型例。とにかく登場人物が多くて、主役級の俳優もわちゃわちゃと画面上にひしめいていたのだから。 さらに、描く時代もひとつじゃない。明治の話? いや、昭和の東京五輪じゃないの? メインは柔道の話? マラソンの話? 水泳じゃないの? え、落語家まで出てくるの? もうハテナが頭上に浮かびまくりで、さすがに情報処理しきれず。年寄りは早々にリタイア。いわゆる定番の大河ドラマが好きな人も脱落。辛抱強く見続けた人だけが到達できる過酷な日曜夜になってしまう予感。みんなダラダラと見るはずだったのに…と。NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』の取材会に出席した(前列左から)中村勘九郎、役所広司、竹野内豊(後列左から)永山絢斗、古舘寛治、シャーロット・ケイト・フォックス=茨城・ワープステーション江戸 まあ、怒濤(どとう)の初回はさておき、2回目からは勘九郎演じる金栗四三(かなくりしそう)に、かなり焦点が絞られた。グンと入り込みやすくなったし、世間の評価も上がったような気がしているのだが、どうだろう。 少なくとも私は、37歳の勘九郎が演じる四三の、想定外の若さとみずみずしさに驚いたし、土着感を残した筋骨隆々な体型にも目をかっぴらいた(私の周囲の女性たちも、案外ここに反応していた)。勘九郎のコミカルな家族も、大河っぽいノスタルジーを込めた生育背景も存分に楽しみ始めたんだけどなぁ。高視聴率がとれる3要素 大河に限らず、高視聴率を取れるドラマというのは、1に「主人公のわかりやすい人物像」、2に「単純な対立構造」、3に「魅力的な登場人物」が必ずある。女性票を集めるのは「恋愛関係あるいは主従関係の妙」でもある。 1は言わずもがな、坂本龍馬とか西郷隆盛とか、ルックスも気質も功績も、誰もがうっすらと分かるような歴史上の有名な人物だ。あるいは『相棒』『ドクターX』『科捜研の女』のように、変人、傍若無人(ぼうじゃくぶじん)、ワーカホリック(仕事中毒)など、とっつきにくいが異常に分かりやすい性質の人物である。そこが見えれば、入り込みやすい。 2もしかり。無謀かつ無慈悲な名を下す暴君に立ち向かうとか、権威主義に逆らうとか、子供でも老人でも分かる対立構造。『おんな城主 直虎』で言えば無茶ぶりする今川家、『半沢直樹』で言えば責任をなすりつけてくるクソ上司。敵が分かりやすいというのは、老若男女が見る上でたぶん必須なのだろう。 そして、3はどうか。主役でなくてもいい。主人公に仕える手練(てだ)れの右腕でもいいし、心底嫌悪感を抱かせるヒールでもいい。誰かフックになる「お気に入り」が見つかれば、自ずと見続けるはずだ。私自身は『龍馬伝』の香川照之、『平清盛』の井浦新、『軍師官兵衛』の家臣たちに、『西郷どん』の青木崇高あたりだ。主役はさておき、彼らに魅力を感じて視聴し続けた記憶がある。女性が見守るキャラクターは、二枚目や人気俳優であることが多いけれど。  この3つを、しょっぱなからどーんとぶつけて惹きつけることもあれば、時間をかけてじっくり描く場合もある。『いだてん』は今のところ、一つもクリアしていない。それがスタートダッシュの敗因だ。既に4回放送し、うっすら芽生えかけているモノはあるが、まだ全体としてはとっ散らかっている状態。だから、せっかちな客は離れてしまったのだ。五代目古今亭志ん生を演じるビートたけし(桐原正道撮影) 懸念はまだある。落語家編も同時進行で入り乱れているのが気になる。目と耳が慣れてくれば気にならないかもしれないが、このパート、このドラマに本当に必要? 体育会系の猛者と日本人の苦労話だけじゃダメ? 日本のスポーツの夜明けだけでよくない? 大多数の単純明快を求める人は、シンプルにそう思うのではないか。いや、「複数の伏線が最終的に大団円」が大好きなドラママニアにも、ある提案が脳裏をよぎる。それは、「落語家パート分離案」である。NHKっぽいオーダー 特に、キレのある動きが粋でいなせな森山未來や、役者界の「神の申し子」神木隆之介、大人計画主宰の松尾スズキなど、せっかくの名優たちが落語パートでさらっと散らされている。クドカンが大好きな小泉今日子もこっちだ。ひょっとしたらこっちはこっちで、別のドラマにした方が断然見やすいのではないか。『東京オリムピック奇譚~汗と涙と無縁のロックな落語編~』をBSプレミアムで放送してくれたら、まったく別の視聴者層が集中して、話題になったのではなかろうか。表大河と裏大河、みたいな感じで。 東京五輪に対して「疑問派」や「いまだに反対派」は、こっちの娯楽ドラマだったら楽しめそうな気もするし、スポーツそのものに興味がない「文系派」と「芸能派」も、ロックな落語家と五輪の因縁だったら、ちょっと観てみたくなるのでは?  で、勝手に妄想する。もしかしたら、クドカンはスポーツの世界だけを描くことに不安を覚え、自分の持ち味を出せる芸能系と組み合わせたのではないか。いや、そこも、もしかしたらNHK側からオーダーがあったのではないか。当初は「東京五輪」のお題から始まったものの、「1年やるなら、時代をまたいだ方がいい」「本業公演のある歌舞伎役者を主演にするならW主演で、大きく2パートに分ければ負担も少ない」「そのふたつをつなぐフックがほしい」「じゃあ、スポーツと関係ない分野で、たとえば落語はどうでしょう」みたいな。 と妄想で書いていたら、NHKのホームページに本人のインタビューが載っていた。「落語は橋渡し」だそうで。あながち間違っちゃいなかった。多岐にわたる人物と物語を描くのは、初めから決めていたようだ。きっとこれからその橋渡しが説得力をもって描かれていくのだろう。 それでも、「日本人すごい」「汗と涙の苦労話」「競技は偏りなく種目多めで」「JOCとか後で横やり入れてきそうなんで、組織の人間の話も」「こうるさい視聴者も多いので、適度な史実をまぶして茶を濁して」「フィクションです、とことわり入れますから」といった、いかにもNHKっぽいオーダーや気遣いも多分にあったのではないか。金栗四三を演じる中村勘九郎(南雲都撮影) こうなると、妄想が止まらない。「ちょっとイケメンが少ないと中年女性が釣れないから、松坂桃李と竹野内豊をぶちこんで」「『LIFE!』で育てて『おげんさんといっしょ』でキラーコンテンツを確立したNHKとしては、星野源はマストで」「ジャニーズは生田斗真で手打ちに。これ以上は勘弁」「『あまちゃん』ファンを誘うなら、のんでしょ」「適当に大御所も入れといて、年輩層もほんの少しひっぱりこむのも忘れずに」などなど。 逆に、この混乱の理由を勝手に邪推して、妄想するのも楽しくなってきたぞ。今後発表されるキャストも踏まえて、さあ皆さんもご一緒に、レッツ邪推。■『半分、青い。』共感できないヒロイン、それでも私は好きである■女主人公を暗躍させたがる謎の「大河縛り」 もうやめたら?■ムロツヨシに惹かれるのは「オキシトシン系」男子だから?

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    キンプリ岩橋とセクゾ松島、相次ぐ「パニック障害」の裏側

    平本淳也(元ジャニーズ所属タレント、作家) 『NHK紅白歌合戦』への初出場が決まったKing&Prince(愛称キンプリ)のメンバー、岩橋玄樹と、SexyZone(愛称セクゾ)の松島聡が、パニック障害を理由に相次いで活動休止を発表した。 岩橋は以前から患っていたとされ、松島については突発性であり、それぞれ発症の経緯が異なるようだが、いずれも若手グループの人気メンバーで、ほぼ時期が重なっただけに衝撃も大きかった。人気絶頂のジャニーズアイドルに何が起きているのだろうか。 急なケガなどで休養を取るのは致し方がないが、今回の件は、長いジャニーズの歴史の中で異例の事態であり、ファンや関係者も違和感を覚えたに違いない。ジャニーズ事務所も然り、社長のジャニー喜多川氏も戸惑いを隠せないようだ。 そもそも、ジャニー氏は「自分が知らないことを気にするタイプ」だ。つまり、自分が知らないところで知らないことが起こっているのを非常に嫌う。社長として組織のトップとして当然の心掛けだが、病気でもけがでもまず「僕に言いなさい」とか、「困っていることがあれば先に言っておきなさい」というような対応が当たり前だった。 だが、今はそれがない。言い換えれば、現場で何が起こっているのか、また個々のタレントがどのように感じて、いま何を考えているのか、ほとんど把握できていないのが現状である。「Youが何を考えているのか教えてほしい」。かつてはジャニー氏が自らタレントと向き合って、こんな対話をする機会も多くあった。 ジャニー氏はコミュニケーションを大切にするし、「子供たち(所属タレント)」とのかかわりが大好きで、その労力を決して惜しむことなく、許す限り時間を費やしてきた。だが、いつの日からかその機会はめっきり少なくなった。端的に言えば、今回の相次ぐパニック障害を招いた原因はここにあるのだが、そこに至った背景を少し踏み込んで詳述したい。 90年代の終わりに席巻した「ジャニーズJr.」(主にCDデビュー前の所属タレント)たちが主役を張ったバラエティー番組『8時だJ』(テレビ朝日系)が12月29日に特番として復活する。嵐や関ジャニ∞、NEWSなど、後にスーパーアイドルとして確立したグループがレギュラー出演していた人気番組だ。MCは当時、滝沢秀明(タッキー)が担っていたことから、今回の特番はタッキーの引退に合わせて制作された「ジャニー氏からのプレゼント」としての意味合いが強い。 この時代のジャニーズは、光GENJIからSMAPへと世代が代わり、後に息の長いグループとなったTOKIOやV6、KinKiKids、そして嵐が登場して歴史をつないでいった。こうした流れは実は重要な意味がある。 要するに、これまでのジャニーズは「一子相伝」的に時代を引き継いできた。田原俊彦から近藤真彦、シブがき隊、そして少年隊と継承され「ジャニー氏の創作」が時代のトップを構成するように「一球入魂」され続けてきたのである。(イラスト・不思議三十郎) つまり、一世代に1組のトップポジションだったものが、90年代以降は徐々に複数になり、今や「ジャニーズJr.」だけでも500人以上、ユニットも10組以上が存在する中で、ジャニー氏が直接指導しているアイドルは極端に少なくなった。 そういった意味で『8時だJ』の時代にいたジャニーズJr.たちは、ジャニー氏自らが直接育てた最後のメンバーだったと言えるのかもしれない。嵐、タッキー&翼、NEWS、関ジャニ∞の他、生田斗真や風間俊介ら俳優としても活躍している彼らにとって、ジャニー氏はまさに父のような存在だったのである。希薄なプロ意識 そしてKAT-TUN以降、ジャニー氏は「祖父」のような立場となって見守る空気が強くなった。一般企業で例えるならば、ジャニー氏は社長として陣頭指揮を執る立場から、現場からは少し離れて会社の行く末を眺める会長職になったようなものだ。 歳を重ね、事務所も大きくなって、すべての所属アイドルに目を配ることに、無理が生じてきているのは間違いない。レッスンやリハーサルの度に必ずと言っていいほど現場に足を運び、ジャニーズJr.たち一人一人に声をかけては指導するという環境が今はない。むろん、ジャニー氏自身、体力的にもそれは難しいだろう。 ジャニー氏と所属タレントはいわば血縁関係に近いものがあったが、こうした関係が崩れ始めたのは先に述べたKAT-TUNのデビュー前後からで、その後起きた象徴的な事件がSMAP解散とTOKIO、山口達也の解雇だったことは言うまでもない。SMAPやTOKIOの「事件」はかつての血縁的な関係が保たれていれば、起こらなかった可能性が高い。 ちなみに僕の現役時代は、ジャニーズの所属タレントは総勢50人前後で、学校で言えば一クラス分ぐらいの規模だった。それはまさに「家族」のような関係で、誰がどんな生い立ちで、どのような悩みで苦しんでいるか、互いに知る間柄でもあった。良くも悪くも、ジャニー氏とはベッタリの関係だったと言うべきか。ただ、ジャニー氏との濃密な関係性が、最大の危機管理になっていたのも事実である。 これが今や、ジャニーズJr.同士でも名前や顔も知らず、入所以降ジャニー氏と話したこともないというタレントが少なくない。こうした現状を踏まえれば、今のジャニーズは大きな岐路に立たされていると言える。もっと言えば、ジャニー氏が世代交代を意識し、タッキーに後継ぎを託した理由はここにあると言っても過言ではない。 その一方で、言い尽くされた感はあるが、若手のプロ意識の希薄さも否めない。これは芸能界全体に言えることである。最近、グラビアアイドルが「彼氏に反対されたので水着になれなくなりました」などと突然言い出すケースが増えているそうだが、これも一つの表れだろう。 心的な病にしても、仕事に差し支えないよう自己管理し、事が大きくなる前に誰かに相談するといった意識も低い。ひとたび病気やケガをすれば、事務所としては休養させるしか道がない。キンプリの岩橋とセクゾの松島のパニック障害の原因は、ジャニーズ事務所が彼らを酷使しているからだと、安直に考える人も多いが、そもそも過酷な環境で活動するのがアイドルたるゆえんなのである。 もとより、アイドルは極力休養する状況にならないよう、日々心掛けているはずである。病気やケガとはいえ、仕事は絶対に穴を空けてはならない。これは芸能界の常識である。誤解を恐れずに言えば、具合が悪いとか急用があるとか、下手な理由で仕事をおろそかにするタレントが昔よりも増えている気がしてならない。(イラスト・不思議三十郎) 少々厳しいようだが、本来「歩合型」の芸能界で、働けないタレントに給料など払えない。ジャニーズほどの規模と資金力、影響力があるからこそ、代えがきくのである。規模の小さい事務所であれば、タレントが回復するまで待つなど、それこそ死活問題であろう。 最近は事務所の管理責任を問う声も大きい。ひと昔前であれば、自分が病気を患っていることを伏せたまま収録に臨んだり、骨折を抱えながらも舞台で演じ切ったりするのが、トップアイドルたる生き様でもあった。もちろん、こうした話が美談となる時代が終わったのは確かである。 こんな時代であるからこそ、あえて言いたいことがある。奇(く)しくも年末に復活する90年代の『8時だJ』の復活は、ジャニー氏からタッキーへのプレゼントという意味合いよりも、むしろアイドルとは何たるかを示し、ジャニーズを継いでいく次世代スターたちに向けたメッセージでもあるのだ、と。■関ジャニ大倉「ヤラカシ批判」はアイドルとして許されるか■養子縁組も既定路線? ジャニー喜多川が滝沢秀明を溺愛する理由■「おっさんアイドル」山口達也の悲哀は私にも分かる

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    関ジャニ大倉「ヤラカシ批判」はアイドルとして許されるか

    平本淳也(元ジャニーズ所属タレント) 人気アイドルグループ「関ジャニ∞(エイト)」の大倉忠義がブログで、一部の熱狂的ファンによる行き過ぎた行為について怒りを表し、波紋を呼んでいる。週刊誌報道などによると、大倉に近づいてきたファンが体当たりしたり、カバンに物を入れたりすることに加え、プライベートな食事の席で隣のテーブルにいたこともあったようだ。 これに対し、大倉は「ストーカー行為だ」などとブログに書き込み、ジャニーズ事務所も告発もあり得るといった構えをみせている。 とはいえ、当たり前だが、アイドルにとって「ファン」とは本来、最も大切にしなければならない存在である。だからこそ、ファンにはいつも幸せな気持ちを抱いてもらえるよう振る舞っているのだが、それを逆手に取って足を踏み外してしまうファンがいるのも事実だ。 まずは、ジャニーズファンの現状から説明しておこう。およそ1千万人いるとされるジャニーズファンは、特定の個人やグループに限らずジャニーズを全体的に応援する人たちの総称だが、最近は個別に呼称をつけて色分けしている。 古くは「追っかけ」や追っかけに命をかけて力(リキ)を入れる「オリキ」と呼ばれ、最近は「ジャニヲタ」と称されている。その中に特定のグループのファンの呼称もある。例えば、KinKi Kidsのファンは行儀が良いことから「図書委員」、嵐は「アラシック」、関ジャニ∞は「エイター」だ。さらに、Kis-My-Ft2については意味不明だが「俺足族(おれあしぞく)」、 SexyZoneは「セクシーガール」、King&Prince(略称キンプリ)は「ティアラ」と呼ばれている。 そして今、問題となっているのは「ヤラカシ」と言われる、悪さをやらかす行き過ぎたファンたちだ。大倉のケースのように、個々のタレントだけの問題ではなく事務所も相当に手を焼いているのが実情である。これには「ヤラカシ対策」というファンもいて、これを監督して注意喚起を行う役割を担っている。彼らはいわゆる本当の意味での「親衛隊」である。 僕が現役の頃は、トシ派(田原俊彦)とマッチ派(近藤真彦)しかいなかった。だが、その後の「ジャニヲタ」は、シブがき隊や少年隊、さらに光GENJIに男闘呼組、忍者となり、そしてSMAPへと、移りながら、あくまでもジャニーズ内に留まって支え続けている。それだけに「親衛隊」のようなファンと素行が悪いファンが実際にぶつかることもしばしばある。 先に記したように、昔は一般的な「ファン」と、さらに気合を入れた「親衛隊」の2種類しかいなかったが、80年代の後半から「追っかけ」が登場し、90年代には「オリキ」になり、同じ頃から「ストーカー」とでも言うべき行為に走る過激なファンも増え始めた。(イラスト・不思議三十郎) つまり「追っかけ」の延長線が、ストーカーと見なされる行為に進化したのである。ただ、かつては「ストーカー」という表現がなかっただけで、大倉の悲痛なメッセージを目の当たりにした時、僕も現役時代に同様の被害に遭っていたことを思い出した。 「入待ち」や「出待ち」は温かい応援の定番であり、これを嫌がるアイドルは少ない。だが、待つ場所によっては一大事だ。テレビ局やスタジオ、あるいはコンサート会場なら常識だが、自宅前での出入り待ちはかなりの苦痛である。 もちろん、弁当やタオル、栄養ドリンクなどは当たり前のように渡されるので、家を出た瞬間から持ちきれない荷物を背負うことになる。ただ、こういうレベルはまだマシだ。 だが、エスカレートすればそうも言っていられない。「待ち伏せ」は家や最寄り駅などで行われるが、それは「仕事」の行き来なら仕方がないとはいえ、駆け出しの頃に通っていた学校やアルバイト先にまで熱狂的なファン現れると、自分の周囲の人たちにも迷惑をかけかねない。これが続くと、さすがに誰だって嫌な気分になってくる。ベッドの下にもファン また、ファンも待ち時間があまりに長いといらだち、あらゆる行動に打って出る。まずは、落書きだ。「大好き」とか「一生ついていく!」程度のものから始まり、「抱いてください」のほか、露骨に「キスして!」とか、「セックスしてください」などとエスカレートしていく。近所のガードレールや公園のベンチなどに名指しで書かれれば、自分のせいでご近所に迷惑をかけていることになり、帰宅すら億劫になる。そして、そこからは引っ越しの繰り返しである。 ちなみに、家庭ゴミはすべてファンに持っていかれるので自宅近くの集積所には出さず、最寄りの役所まで持ち込むこともざらである。それだけではない。自宅のポストをのぞかれたり、郵便物を取られたりは当たり前で、はっきり言ってプライベートは何もかも奪われていく。今ではマンションにオートロックや防犯カメラも設置されているため、こうした行為は随分防げるようになった。 これは聞いた話だが、留守中に自分の部屋に忍び込むファンもいるらしい。忍び込んだ部屋を掃除したり、食事を作って待っていたり…。ある知人のアイドルは、見知らぬ女性ファンがベッドの下に隠れていたという。 また、ここ数年は、会員制交流サイト(SNS)がファンの行動を変えている。これによって、物理的な「追っかけ」をしなくても、効率良くお目当てのアイドルに会えるようになった。 「今、どこに誰がいる」という情報は瞬く間に広がり、その動向は手に取るように把握できるネットワークをジャニヲタたちは持っている。行く先々で「なんでファンがいるの!?」と、驚きよりもむしろ恐怖に似た感情を抱くケースも多いらしい。 こうしてプライバシーが失われていく心境はアイドル本人だけでなく、家族や友人にも及び、仮に恋人がいれば、それは「攻撃の対象」にもなるため、本人の精神的なダメージはどんどん増幅する。実際にジャニーズの所属タレントと「噂」になるだけでも、酷い仕打ちを受けることがままある。もし、リアルな彼女になろうものなら、その攻撃の程度は計り知れない。 ただ、かつてと大きく変わったと感じるのは、いくら迷惑行為とはいえ、「人気者の証」とも言えるファンの言動に対して、露骨に嫌悪感を丸出しにするアイドルが増えてきたことである。本来なら大倉がブログで吐露した「そろそろ限界」は、「じゃあ、アイドル辞めろよ」と言われても仕方がない。もちろん、熱狂的ファンの迷惑行為が犯罪行為になってしまえば、当然声を上げるべきだが、その線引きはなかなか難しい。(イラスト・不思議三十郎) 当然ながらアイドルも年も重ねる。デビュー当初は我慢できても、大倉のように大人になったアイドルが限界を感じ、憂鬱な気分になるのも理解できる。 こうした現実を踏まえれば、むろん大倉に限ったことではないが、彼の悲痛な叫びは今現在も耐え忍んでいるアイドルたちの「代弁」でもあり、自分のことだけでなく、仲間や同業者の気持ちを察しているからこそ出た発言なのだろう。 勇気を持って出したであろう大倉のメッセージが、行き過ぎたファンの迷惑行為の歯止めになればいいのだが。

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    ムロツヨシに惹かれるのは「オキシトシン系」男子だから?

    吉田潮(ライター・イラストレーター) 74歳の母がテレビを見ていて、「この人、すごく面白くていい人なのよ~」とまるで知り合いかのように話す。誰かと思って画面を見たら、ムロツヨシだった。母の「いい人」の基準は、基本的にNHK『鶴瓶の家族に乾杯』で決まる。ただし、名前は覚えない。「彼はキャリアも長くて、今ドラマに引っ張りだこの人気俳優なんだよ」と教えると、「へえ、そうなの」と生返事。俳優としてのムロツヨシには興味がないようだ。おそらく老いた母にとっての「いい人」とは、声が聴き取りやすく、受け答えが穏やかで低姿勢の人なのだろう。 一般的には、ムロツヨシはコント臭が強めの三枚目俳優の印象が強い。今期で言えば『今日から俺は!!』(日テレ系)に出てくるのが通常運転の彼だ。ツッパリに憧れる男子高校生たちの恋とけんかと友情という、一見爽やかに見える青春コメディーなのだが、爽やかじゃない部分を担うのがムロツヨシ。金八先生を模した教師役だが、独特の間合いとウザイ仕草で卑怯(ひきょう)な大人を演じきる。教室や職員室はすっかりちゃっかりコント劇場に。若手イケメン俳優が皆ムロツヨシ(または吃音の魔術師・佐藤二朗)を真似することで、こってりした福田雄一劇団が完成している。 『今日から俺は!!』に出演するムロツヨシ(左)と賀来賢人(C)日本テレビ ところが、そのムロツヨシが今、女性たちの胸を焦がしている。『大恋愛』(TBS系)というドラマで、一途に恋をしているからだ。ヒロインは戸田恵梨香。クリニックを経営する婦人科医だが、若年性アルツハイマー病を患っている。そんな戸田と偶然知り合うのがムロツヨシ。鳴かず飛ばずの作家で、引っ越し屋のアルバイトで生計を立てていた。「難治の病」と「格差恋愛」を描く、正直に言えば、陳腐な設定の作品である。 性善説に流れて登場人物が偽善化する病気モノが大嫌いなので、適当に流そうと思っていた。が、ちょっと斜に構えてカッコつけているムロツヨシが気になった。しかも、真摯(しんし)な恋を貫いて、愛に生きているじゃないか! これまでの俳優・ムロツヨシを愛(め)でてきた人々は、心のどこかで「この後、ふざけて変顔するんじゃないか」「嘲笑されて終わるのでは」と予期不安がよぎる。つい、コント的な要素を彼に求めてしまうのだ。 しかしながら、「大恋愛」では毎回見事に裏切られる。見ているこっちがこっぱずかしくなるような「愛を語るシーン」も「ベッドでいちゃつくシーン」も、しっくりハマっている。「どうかしてるぜ、ムロツヨシ」というよりは、「どうかしてるぜ、自分」と己の目を疑うのだが、真摯に愛を育んでいく姿、悪くない。ムシロヨシ、ムロツヨシ。物語の行く末は見えているし、手垢まみれの物語なのに、ムロツヨシの動向を最後まで見届けたいと思わせる。 なんて、絶賛してもちっとも面白くないので、なぜ彼がこんなに女性たちを虜(とりこ)にしたのか、考えてみたい。決してイケメン枠でもなく、若くもなく、華があるわけでもないのに、こんなに女性票が集まるのか。最大の勝因は清潔感 まず、「パーツイケメン」であることが挙げられる。ムロツヨシの顔を分解してひとつひとつのパーツを見てみると、実に美しいという事実。すでにネット上では周知の事実で、本人もある程度の自覚はあると思われる。 目は大きく、黒目がちで、きれいな二重だ。眉毛もりりしい。昭和の男性アイドル的な顔の濃さは、妻夫木聡に近い。鼻も整った形で、正面から鼻の穴が見えない。唇も厚すぎず薄すぎず、口角がきゅっと上がっている。これ、重要。口角が下がっていると老けて見えるし、不平不満顔で横柄な印象になる。歯並びも美しい。この秀逸なパーツがそろって、スパイスとしてのホクロを足すと、残念ながらムロツヨシが完成してしまうのだが、ひとつひとつには見惚れる美しさがある。 そして、「清潔感がある」。ヒゲは濃いように見えるが、肌はキレイなのだ。年輩女性に嫌われがちなパーマヘアも、辛うじておしゃれな方向へいっている。ハゲてもいないし、脂ぎってもいない。つまりは、今、女性に嫌われる男性の三大要素のひとつ「生理的嫌悪感(不潔)」がムロツヨシにはほぼないのだ。大手の食品・家庭用品メーカーのCMに起用されるというのは、多くの女性票を得ている証拠でもある。 ふと思い出す。今年の夏、「大恋愛」同様に格差恋愛を描いた『高嶺の花』(日テレ系)というドラマがあったことを。銀杏BOYZの峯田和伸が演じていた役も、ムロツヨシ同様、セレブなヒロインに一途に恋をする男性だった。しかし、女性たちの評価は実に手厳しく、「生理的嫌悪感であきらめた」という非情な声が多かった。峯田になくて、ムロツヨシにあるもの。最大の勝因は清潔感だろう。 そしてもうひとつ。ネット上では女性に対して横暴な男性がメッタうちにされる現代。「俺様臭が強い」男性や、「男尊女卑のメンタルマッチョ」はかなり嫌われる。テレビでも物言いが横柄な司会者や、他の芸能人をからかっていじり倒すような芸人は敬遠される時代だ。年寄りはそういう人材が大好きだが、若い世代は「ハラスメント」意識も強く、不快だと思う人が増えている。 俳優は俳優で、人気がうなぎ上りになったかと思えば、すぐにプライベートや過去の発言が掘り起こされる。少しでもやんちゃな面や、女性やスタッフに対して横柄な発言があると総スカンを喰(く)らう。かなり年下の女優と熱愛報道が出ると、一気にブーイングが起こり、手のひら返しで袋だたきに遭う。※画像は本文と関係ありません(GettyImages) そんな時代に、ムロツヨシ。どこにでもいそうな中肉中背で人畜無害、しかも日本人が大好きな「苦労人」だ。熱愛報道もスキャンダルもいまのところない。年下の俳優から好かれているので、「役者論」なる説教も垂れなさそうだし、俺様臭ともメンタルマッチョとも程遠い立ち位置を確立している。芸能人男性が中年期に陥りがちな「健康志向の筋肉自慢病」にも「趣味没頭で生活破綻病」にもかかっていない。常に低姿勢で空気を読み、かつ、機を見るに敏(びん)。奇跡の40代俳優、といってもいいだろう。ムロは「オキシトシン系」 女性票だけではない。男性人気も相当高い。多くの人気俳優と仲が良く、一見、提灯(ちょうちん)持ちかコバンザメかと思われがちだが、逆である。皆がムロツヨシを必要としているのだ。小泉孝太郎しかり、新井浩文しかり。自分が出るトーク番組にムロツヨシを呼んじゃうくらい、NO LIFE,NO MUROである。気配りができても、媚びるわけではない。むき出しの自意識を発動するテイを装うも、実際は冷静に俯瞰(ふかん)している趣もある。おそらくホモソーシャルでうまくわたっていける、可愛げと愛嬌(あいきょう)があるのだろう。 とあるテレビ局の男性プロデューサーに聞いた話だが、低姿勢というよりは誰に対してもフラットなのだとか。下っ端だろうが大御所だろうが、アシスタントディレクターだろうがプロデューサーだろうが、態度が変わらないという。肩書にも権力にもおもねらない。男性はそういう部分に「信頼感」を覚えるのかもしれない。 なんつって、適当な想像で書いているけれど、ムロツヨシが老若男女に好かれる存在であることに間違いはない。個人的にはムロツヨシを見ていると、「オキシトシン」というホルモンが思い浮かぶ。共感や協調性を高めたり、人の気持ちに配慮する作用をもたらす脳内神経伝達物質で、「育児ホルモン」「愛着ホルモン」とも呼ばれている。寛容性を増したり、痛みや苦しみなどの嫌な記憶を消す作用もあるらしい。 生き馬の目を抜く俳優界には、野心や攻撃性が高くてオラオラした俺様イメージの「アドレナリン系」がいる。逆に、快楽や愉悦、うっとり感と癒やしを与える王子様イメージの「セロトニン系」もいる。俺様でも王子様でもないのが「オキシトシン系」のムロツヨシというわけだ。※画像は本文と関係ありません(GettyImages) とかく世の中は、強き者・美しき者・高貴な者をほめそやす。戦いや争い、マウンティングの頂点に立った勝者を絶賛する。その図式に疲弊した人が、共感と協調性を呼ぶムロツヨシに心を動かされたのではないか。美男美女が繰り広げる恋愛劇にリアリティーを感じない人が、全身全霊でムロツヨシの恋愛を応援したくなったのではないか。 彼の暗躍がドラマ界に波紋を広げてくれるといいなぁ。二の線も三の線もイケる、真の実力をもつ役者が、もっともっと起用されますよう。美化しすぎない、ごく日常の人間模様が描かれますよう。

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    あふれ出すSPEEDのカルマ『Body & Soul』の愛欲が止まらない

    辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト) 1996年にデビューし、平成を駆け抜けたダンス&ボーカルグループ、SPEED。平成の終わりとともに、精算するかのようにカルマが吹き出している状態です。元ファンとしては切ないですが、4人とも30代で女の厄年が連続する年頃でもあります。業の深いメンバーについて改めて検証してみます。 思い返せばもう20年近く前、2000年にいったん「SPEED解散」したときは世の中に激震が走りました。解散の理由の一つとされていたのが、島袋寛子(HIROKO)さんの異性交遊。当時、HIROKOばかり非難されていましたが、今井絵理子(ERIKO)さん、上原多香子(TAKAKO)さんにも彼氏がいたといわれています。そして今となっては、HIROKOはERIKOやTAKAKOと比べたらストイックに生きているほうかもしれません。夫が12歳年下というところに、やり手であることが感じられるくらいです。 メンバーの中で、女の業レベルを競い合っているのは、やはりERIKOとTAKAKOでしょうか。TAKAKOはSPEED時代から魔性の女ぶりがささやかれてきました。マネジャーが目を離した隙に当時の恋人ISSAと逢瀬(おうせ)を重ねていたとか。ERIKOも黒髪優等生キャラの清純派に見えて、中学時代から彼氏がいて、実家に泊まらせるほどの仲だったといわれています。 ファンだった私は当初純粋なティーンの少女たちだと信じていたのですが、さまざまな噂や発言から、実像は違うというのが徐々にわかってきました。SPEEDが歌っている曲は刹那的で、恋愛がテーマのものが多い、という言霊の影響もあると思います。 伊秩弘将プロデューサーによるリアルな歌詞に感情移入して歌うことで、脳が恋愛モードになっていったのでしょう。多感な年頃だったので、リビドーが高まるのも自然な成り行きです。 当時印象的だったのが、あるバラエティー番組でERIKOによってカミングアウトされたエピソードです。「地方のロケに行ったとき、一人の部屋にみんなで集まるんですが、必ずアダルトビデオ(AV)を見ていたんです。『見よう』って言い出すのは決まって私だったんですけどね」というぶっちゃけ発言が。参院本会議に臨む自民党の今井絵理子参院議員=2017年2月、国会(斎藤良雄撮影) さらに別々の部屋の場合も、ERIKOの宿泊代だけ有料AVチャンネルの使用料で高くなっていたりしたそうです。どれだけ見まくっていたのでしょう。2017年、元神戸市会議員の橋本健氏との不倫熱愛報道があったとき、ホテルの廊下をパジャマで出歩いていた写真が出ましたが、ERIKOはホテルを使いこなしまくっています。 さらに「ツアーに行ったときは必ずコンビニでエロ本を仕入れて率先して回し読みしていた」という話も。歌やダンスでも発散しきれないエネルギーがほとばしっています。 解散してから3年後、2003年には「Save the Children」をテーマに再集結。『Be my love』の教会音楽っぽいイントロに、SPEED4人のざんげの気持ちを感じたものでした。唯一SPEEDを救える人 その後ERIKOの授かり婚、離婚を経て、2008年に本格的な再結成をしたものの、最盛期のような活動はできず…今に至ります。 2011年の『リトルダンサー』というシングル曲は、歌唱力もダンスも相変わらずハイレベルだったのですが、ダンサーを目指す人への夢応援ソングという内容だったので、メンバー的にもいまいち士気が上がらなかったのかもしれません。たぶんファンの多くは、再結成後の活動をフォローするというより、全盛期の思い出を記憶に焼き付けたままでいると思われます。 多くのファンにとって青春時代の象徴だったSPEEDのメンバーが、ここ数年、こんな形で世間を騒がせ続けるとは…。特に今年は、TAKAKO、ERIKOの2人が、奔放すぎでした。 TAKAKOは『週刊新潮』で報じられる直前に再婚と妊娠を発表。相手は演出家のコウカズヤ氏で12月ご出産予定だそうです。元夫TENNさんは悲しいことに自殺してしまい、遺書が公開され、その原因の一つはTAKAKOの不倫だとされています。でも当時の不倫相手の俳優とは別れ、新しい男性と入籍。TAKAKOはメンタル強すぎです。芸能ニュースサイトによると、TAKAKOと出会った瞬間に「コウ氏の下半身に『ビビビッ』と電流が走った」とのこと。下半身に電流を走らせる魔性ぶり、半端ないです。 ERIKOも10月に動きがありました。2017年の不倫釈明会見での「一線を越えてはいない」発言が話題になりましたが、そのお相手の橋本氏とまだ切れていなかったのです。 元市議の橋本氏は、妻と離婚し、政務活動費約690万円を不正に受け取ったとして詐欺罪で起訴され、有罪判決が言い渡されました。ゴルフやガールズバーに流用したそうですが、そんな彼でもERIKOの恋心はさめず…。ERIKOは「現在、私今井絵理子は元神戸市議会議員の橋本健さんとお付き合いさせていただいております」とブログで発表。 ちなみに橋本氏の前に半同棲(どうせい)が報じられたA氏は、中学生に本番行為をさせた風営法・児童福祉法違反容疑で逮捕されています。ERIKOは弁護士費用など支払ったそうです。どんなダメな男でも受け入れるERIKOの包容力…。ダメンズというよりは、ちょいワル男子に弱いのかもしれません。その博愛精神を、議員としてもっと国民のために使ってほしいような…。初登院し、記者の質問に答える自民党の今井絵理子氏=2016年8月、東京・永田町の国会議事堂前(桐原正道撮影) そして気になるのは、音信が途絶えている新垣仁絵(HITOE)。文字通り『HITOE’S 57 MOVE』、どこかに行ってしまいました。ヨガインストラクターの資格を取り、ヨガ教室を開講し、一般男性と結婚。ヨガで直感力が高まった彼女は、このままグループのメンバーと一緒にいたら、カルマの渦に巻き込まれる、と予知したのかもしれません。 でも、メンバーを女の業から救い出せるのはHITOEだけかもしれません。ヨガの癒やしと浄化のパワーによって、肉体レベルの愛にとらわれているメンバーをわれに返らせたり…。SPEEDの救世主であるHITOEの再降臨を、元ファンとして祈念いたします。

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    養子縁組も既定路線? ジャニー喜多川が滝沢秀明を溺愛する理由

    平本淳也(元ジャニーズ所属タレント) ジャニーズと社長のジャニー喜多川氏をよく知っている人なら後継者「滝沢秀明」(タッキー)は想像に難くなかっただろう。 スポーツ紙を中心に報じられた「ジャニーズの後継者にタッキー指名!」のニュース。ジャニーズは今年、問題だらけのネガティブな雰囲気のまま終わってしまうのかと思っていただけに、計算されたかのようにジャニー氏の後継指名は「グッドニュース」として発信された。 タッキーがジャニー氏の後継者になることについては、ファンはもちろん、ジャニーズ内外、マスコミ、そして僕らOB連中も含めて歓迎ムードが広がっている。だが、これは同時に近藤真彦(マッチ)や少年隊の東山紀之(ヒガシ)じゃなくて良かったという安堵感の裏返しでもある。 マッチやヒガシが後継者になるとのウワサに関しては、僕はかなり前から否定してきたが、なぜか世間は年功序列に従うかのように「マッチ社長」と「ヒガシ副社長」というカタチを勝手に思い込んでいたようだ。 今回もマッチやヒガシを差し置いてとか、元SMAPの中居正広や木村拓哉だけでなく、TOKIOやKinKi Kidsまでもが不満を募らせているといった、勝手な想像による記事が目立つ。 そもそも勘違いしているようだが、タッキーはジャニー氏の仕事を受け継いで、タレント発掘や育成だけでなく、グループの形成やステージの制作を担っていくわけで、ジャニーズ本体の代表になるわけではない。また、ジャニーズの新しい事業として立ち上げる「育成機関」の責任者としての役割を担い、ジャニーズのステータスを永続的に維持していくのがタッキーの役目だ。 その役目は、すでに裏方に徹している少年隊の錦織一清(ニッキ)説が強かったが、アイドルの格において無理があった。ニッキもある意味、天才的なセンスを持っているが、「ニッキって誰?」という人の方が多いのが悲しい事実。マッチやヒガシだったらまだマシだが、一連のジャニーズアイドルの不祥事を吹き飛ばすほどではない。 ジャニーズ所属タレントの中で、マッチは「道楽息子」の長男、甘え上手の次男がヒガシという感じだ。タレントとして良い意味で2人とも目立ちたがりでナルシスト。後継者になれなくもないが、裏方に徹するなどプライドが許さない。ただ、マッチに関して言えば、いまさら何を指導できるのか。そう、レーサーとして車の運転を教えることができても芸能界では生きていけない。(イラスト・不思議三十郎) 要はジャニー氏の後継者として、マッチもヒガシも話題性や将来性、実力を踏まえれば物足りないのだ。 そもそもジャニーズの次期社長やジャニー氏の後継ぎをイメージするとき、タレントばかりに注目してウワサすること自体が間違っている。事実、明石家さんまや松本人志が吉本興業の後継者としてウワサにもならない。ホリプロの役員でもある和田アキ子が同社を継ぐならまだあり得るが、それでも事務所経営を担うのは無理だろう。 ジャニーズにしても次期社長は既定路線のまま、現副社長の藤島ジュリー景子氏が就くのはジャニー氏も公言している通りで、すでに複数のグループ会社の代表になっている。ジュリー景子氏は唯一の若い血縁者であり、そこは「テッパン」だと僕はかなり前から強調してきたが、これは間違いない。ジュリー景子も無理 ジュリー景子氏は仕込まれた帝王学と潤沢な資金を背景に事務所経営は大丈夫だろうが、プロデューサーとしてジャニー氏の代わりは一切務まらない。衣装のプランやビジュアル面では現場経験があり、女優として演じていた時期もあるが、アイドル候補を発掘して育成、その上でステージのすべてを作り上げる才能も力もない。 つまり、ジャニーズのエンターテインメントの本質においては全く役に立たないのだ。それは母親であるメリー喜多川氏(ジャニー氏の姉)も同じで、最強の営業力と管理能力を持っていても演出やプロデュースには縁がない。専らそれはジャニー氏の仕事であり、彼にしかできない。実際、これまで姉や姪(めい)であっても演出分野においては一切、口を出していない。 ジャニー氏がずっと心配してきたことといえば、ジャニーズ事務所の存続ではなく、ジャニーズがジャニーズであり続けるために自分の思想を受け継いでくれる分身的な後継者がいないという現実だった。そもそもジャニー氏は当初、自分しかできないことを他の誰かに引き継ぐ気などなかった。 生涯現役であり続けることにこだわってきただけに、これまで後継者の話題が出てこなかったのもその証拠だ。自分以外が代わりを務められるわけがないと、そう思いながらここまできたのだ。 しかし、事態は一転した。それはSMAPの解散騒動だ。ジャニー氏はあの騒動で、ジャニーズが壊れていく様子を垣間見てしまった。これは想像していなかったことで、あまりにショックが大きかったのだ。国民的アイドルとして絶頂にありながら、ジャニーズを離れていくアイドルがいる現実は受け入れ難いものがあった。 SMAPの解散を受け、「ジャニーズの終焉」や「ジャニー氏の求心力の衰え」といった、そんな声が嫌ほど入ってくる事態になり、このままにしておくわけにはいかないと感じたのだろう。 そこで、信用できる自分の分身を考えたとき、たった一人、タッキーしかいなかったのだ。タッキーには、ジャニーズとジャニー氏への最上の愛があり、誰よりも自分を理解していると感じていたようだ。(イラスト・不思議三十郎) 重視したのは、アイドルとして歌って踊れるだけでなく、ジャニーズにとって最も大切なステージ(生舞台)をプロデュースできる点だ。ジャニー氏のまねをしながら育ってきたタッキーは、いつしか匹敵するレベルの能力を培っていたという。 もう少し、ジャニー氏がタッキーを選んだ理由を記しておこう。メジャーアーティストを輩出した人数などが世界一としてギネス認定されるほど人を見る目に長(た)けたジャニー氏だが、その能力と同時に白黒ハッキリした好みがある。 ルックスや性格など一般的な好みはもちろんだが、際立って興味を示すのはそのアイドルの持っているプロフィールにある。まず、家族構成だ。どういった環境で育ってきて今どのように暮らしているのかに強い興味を持ち、さらに、その環境が幸か不幸かによって好みが強く出てくる。養子縁組は確実 例えば「幸」の場合、嵐の櫻井翔のように将来有望な元官僚の親を持っていたり、関ジャニ∞の大倉忠義のように何百億円もの資産を持つ企業の御曹司といった、生い立ちに興味を抱く。 ただ、どちらかと言えば、ジャニー氏は「不幸」と思われる環境の方に、より強い関心を持っている。極端な例では、孤児だったり、片親だったりするだけで、非常に目をかけてくれる。片親の僕は実体験だが、本当によくしてもらった。「君は片親だから、両親がそろっている家庭と比べれば恵まれている度合いは半分しかない。だからその半分をチャンスとしてあげたい」と、言葉をかけてもらった。 タレント性を見いだすヒントとして、その人が育ってきた環境や背景を知ることはとても重要なのだろう。官僚の子や企業の御曹司より、人間的な魅力を作ろうとするプロデューサーは不幸な子のハングリー精神を求めるようだ。そういった意味ではタッキーも深い関心の中で育てあげた成功例といえるのだ。 あまり知られていないが、タッキーの父親は母親の再婚相手であり、実父とは小学生のときに離別している。事実上片親を経験していることもジャニー氏にとっては放っておけない存在であり、大きなチャンスをあげたいと感じたに違いない。 タッキーは中学生のころからあの美貌を持ち、さらに明るい性格で、なおかつ真面目で芯が強かった。僕も初めてタッキーと対面したときは言葉を失ったくらいだ。 そもそもジャニー氏がアイドルとして最高評価をしているのは、KinKi Kidsの堂本光一だが、その光一にあこがれてジャニーズ入りしたタッキーが、自分が作るステージで華やかに舞い観客を魅了する姿を楽しんでいたのだ。 ジャニー氏は、子供も伴侶もなく、血縁者も2人しかいない。そんな中で、自分が発掘して育ててきたタレントはみんな自身の子供と表現するが、光一とタッキーだけは本当の家族にしたいと思っているようだ。 今回の後継指名に関して、タッキーと養子縁組するという情報もあるが、この可能性は極めて高い。ジャニー氏は恵まれない子供たちを支援する団体の設立を目指しており、自らの財産と生き様を伝承して後世に残せるジャニーズを残すためにも、タッキーとの養子縁組は信頼できる「家族」を作る最初で最後のチャンスといえるからだ。(イラスト・不思議三十郎) タレントを完全に引退し、ジャニー氏を継ぐ覚悟のタッキーへのエールは業界を超えて広い範囲から多く寄せられているが、こうした期待と歓迎ムードに仕立てたのはジャニー氏ならではの演出といえるだろう。 タッキーがマッチやヒガシのようになってからでは遅く、ニッキのように長く裏方に入ってしまってからでは話題にも乏しい。かつての山口百恵や、先月引退した安室奈美恵のように絶頂期だからこそ価値があるからだ。 普通に考えればもったいないし、ファンからすれば引退しないでほしいと思うところだが、与えられた大きな使命を思えばタッキーはジャニー氏の後継者として「永遠」に語り継がれる存在となるだろう。

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    剛力彩芽はきっとZOZO前澤友作氏を踏み台にする

    吉田潮(ライター・イラストレーター) ZOZO社長の前澤友作氏の名前は、ネット上でよく目にしていた。といっても、彼自身が主役ではない。元彼女の紗栄子が何かと物議を醸す女性だったから。彼はパトロン的な存在程度の認識だった。それでも「子供は認知するが、結婚はしない主義」を公表する姿勢は、個人的に好感をもっていた。ま、本当は認知する前に避妊しようよと言いたいところだが、何かポリシーか心の闇があるのだろう。 情報を調べたところ、ますます好感を持った。千葉県鎌ケ谷市出身というのは、船橋市出身としては親近感を覚えるし、現在も千葉県在住という点も興味深い。イケすかない金持ちは「港区とか世田谷区じゃないのか!」と驚きもあった。もちろん拠点は都内で、住んじゃいないだろうが、千葉県の税収に多大なる貢献をしているのは確かだ。感謝の念も湧く。金持ちを嫌儲主義でたたくよりも、「莫大(ばくだい)な納税額をありがとう」と思うようにしているからだ。 しかし、周囲の女性の評価はすこぶる低い。「何がイヤって、若い女性に手を出すところ」「札束で引き寄せる感じしかない」。若い女性を金で釣る印象が強いようだ。まるで「補助金どぶ漬けにして貧しい自治体に厄介な施設を押し付ける国のやり方」のような感じか? そんな個人的感情はさておき。まさか、彼が動いてしゃべる姿を、テレビのニュース番組で見るとは思ってもいなかった。10月9日放送『news zero』(日テレ系)だ。髪を染めた田口トモロヲのような風貌の前澤氏が、月に行くという壮大な計画を発表したのだ。 少し脱線する。いつも思うんだけど、どうして巨万の富を得た男性はこぞって「宇宙」を目指すのか。前澤氏いわく「自分のメッセージを世界中に発信する」ためだという。そして、その伝えたいメッセ―ジは「世界平和」。 壮大なのに、実にふわっとしとる。昭和の残骸である私にはどうしても故・笹川良一が思い浮かぶ。火の用心から世界平和まで唱えた好々爺(や)である。あのCM、忘れられないよね。大人になってからはいろいろと黒い噂を知り、「世界平和をうたう人は基本的にうさんくさい」と学んだ。前澤氏にもちょっぴり同じ匂いがしないでもない。日本外国特派員協会で会見を開いたZOZOの前澤友作社長=2018年10月9日、東京都千代田区 もちろん、テレビでは記者会見の一部を切り取って放送するので、計画の細かな部分はざっくり削除。そして、ネタの中心、というか核は「交際中の剛力彩芽」であった。実際、外国特派員協会で行われた記者会見では、宇宙に対する思いのたけ、綿密な準備を開始していること、批判に対する切り返しなど、月旅行に限らない現状を真摯(しんし)に語っていたようだ。が、テレビではもちろんバッサリ切り落とされた。 『news zero』ではこの件に関して子供たちにインタビューし、ゲストコメンテーターの落合陽一氏のフォローなども含めて、前澤氏を応援する形にはなっていたのだが。夜のニュース番組をなんとなく流し見している人に記憶されたのは、「世界平和」と「剛力彩芽」だろう。ふわっとゆるっとチャラい印象だけが余韻として残る……。ゴリ押しから解放されて この二人が交際を始めてから、連投するインスタグラム(写真共有アプリ)が話題になっていたことは知っている。「バカップル」と揶揄(やゆ)され、炎上騒ぎもちらほら。見かねた剛力の事務所が削除させたらしいとの噂もあり。それが、とうとうテレビでも触れ始めたか、と思ったのだが、そこにはなんとなくきな臭いモノがあった。同局の番組『アナザースカイ』では、12日のゲストが剛力彩芽だったからだ。 これは、芸能人や有名人をゲストに呼び、「海外にある、第二の故郷」を語ってもらうトーク番組だ。剛力がパリに訪れ、買い物を楽しみ、パリコレを最前列で鑑賞し(隣にはもちろん前澤氏が座っている)、アイデンティティーを表現するダンスをお披露目し、最近一人暮らしを始めた旨などを語っていた。自分から発信したいと思うようになってSNS(会員制交流サイト)も始めた、などなど、つっこみたくてウズウズするような内容ではあった。実際、司会の今田耕司はウズウズを抑えきれずにつっこみを入れたのだが、剛力は笑ってスルー。映像もさらっと編集してあった。 ふむふむ。そういうことか。剛力が今まで築いてきたイメージをZOZO前澤氏なんかに崩されたくないわけだ。従順で真面目でおぼこいゴーリキちゃんが「恋愛に溺れておかしくなっている」のではなく、「今、いろいろなことにチャレンジして新しく脱皮しようとしているブランニュー・ゴーリキ」方向へ持っていきたいんだな。「第2回ミス美しい20代コンテスト」概要説明記者発表会に出席した剛力彩芽=2018年3月22日、グランドプリンスホテル高輪(撮影・田村亮介) ゴーリキちゃんについて、少し触れておきたい。彼女は7歳からモデルを目指し、15歳で『セブンティーン』のモデルデビューを果たす。私が記憶しているのは、ドラマ『IS~男でも女でもない性~』(テレ東系、2011年)だ。 性分化疾患のインターセクシュアルという難しい役柄を見事にこなした。中性的なルックスと不思議な佇(たたず)まいに心がざわついた。その後、あれよあれよとスターダムにのしあげられるゴーリキちゃん。オスカーという巨大事務所の3枚看板(武井咲、忽那汐里とともに)として、毎クール必ずどこかしらのドラマに主演級で出演することに。ちまたでは「事務所がゴリ押しのゴーリキちゃん」と揶揄(やゆ)され、私自身も実際そう思っていた。いや、事実なんだろうけど。ゴーリキちゃんの転機 彼女自身は歌って踊ることも大好きなようで、念願の歌手デビューも果たした。菓子パンCMを始め、CM女王にも輝くほどの活躍。主演したドラマはどれもイマイチ視聴率が振るわなかったが、着実にキャリアを積んでいた。 ところが、ここ1~2年のゴーリキちゃんは、ゴールデン枠からプライム枠、そして深夜枠のドラマへと移行していき、正統派ヒロインだけでなく、かぶり物やコスプレがメインのキャラクターを演じるようにもなった。『レンタルの恋』(TBS系、2017年)というドラマが実にクオリティーの低い仮装なのだが、物語としてはものすごく納得のいく結末なのでぜひ見てほしい。そして、今は2時間モノで「主演の男性俳優についていくサブポジション」にたどり着いている。視聴者としては「最近、ゴーリキちゃんの扱いが雑になってきたな」と思ってしまう。本人が働き方を変えたいと思ったのか、さっさと妊娠・結婚した武井咲に感化されて反抗したのか。それともドラマ業界でメインに据えるニーズがなくなったからなのかは、正直分からない。 おそらく、18歳の頃から休みが一切なく、25歳までは恋愛禁止で、馬車馬のように働かされてきたゴーリキちゃんに「いい転機」が来たのだと思う。『アナザースカイ』でも話していたが、「初めて三連休をもらったのに、何をしていいのか分からなくて結局何もしなかった」そうだ。そして「今、仕事をもらえているのも、自分の実力じゃないじゃん、と。甘えていたんだなと思って。自分から発信していきたいと思うようになった」と言うのだ。 SNS炎上に対する事務所へのフォロー発言かなと思いつつも、10代から働き続けてきた女性の本音と恨み節を垣間見たような気もする。10代後半の多感で多動でかけがえのない楽しい時期を、汚れた大人の言いなりになって優等生を演じてきたゴーリキちゃんが今、解放感を味わっているのだ。TBS系ドラマ『レンタルの恋』の取材会に出席した(左から)岸井ゆきの、剛力彩芽、太賀=2017年2月、横浜市青葉区 つまり、前澤氏はゴーリキちゃんにとっての踏み台でもある。世間では「清純派で箱入り娘のゴーリキちゃんがZOZOに遊ばれて捨てられる!」と懸念しているようだが、実は逆ではないか。海外旅行での解放感にはしゃぎ、念願のパリコレも見て、アートの重要性と可能性とうんちくを聞き流し、さまざまな経験をさせてくれたら、後は自分の仕事に生かすだけ。 26歳のゴーリキちゃんにはまだたくさんの可能性と時間がある。やりたいことも目白押し。42歳の前澤氏(しかも結婚しない主義)から必要なものをインプットできたら、後は捨てるだけ。金目当ての元カノとは異なり、芸の肥やしでしかないと思うのだ。よそはよそ、ゾゾはゾゾ、うちはうち。ゴーリキちゃんがいつか「ZOZOを踏み台にした女」と呼ばれる日が来るはずだ。あ、なぜか破局する前提で書いているけれど。

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    『半分、青い。』共感できないヒロイン、それでも私は好きである

    吉田潮(ライター・イラストレーター) テレビドラマで増えているオーディオコメンタリー。本編と同時に、副音声で出演者や監督・脚本家が撮影時の苦労話やたわいもない話をくっちゃべる。私はほとんど聞かない。ドラマそのものに集中したいから。出演者が合間のCMに笑顔で登場するのも大嫌い。 もっといえば、せっかくキャラクターが熟して、物語に濃淡も出始めた頃に、突如撮影秘話だの役者が暑苦しい思い入れを語る特別編を入れてきたり、別枠トーク番組を挿入するのも大嫌い。大河ドラマ『西郷どん』がそうだったな。しかも2回も。肩透かしを喰(く)らって、「なんでやねん」と舌打ちした記憶が。 いろいろときなくさい事情はあるらしい。演者が他局の同一時刻番組に出るせいで、裏かぶりを忌避するために力の弱い局のほうが泣く泣く体裁を変えるとか……。ま、NHKは弱かぁないので別の事情だとは思うが、物語に集中して毎週楽しみにしている人間からすれば、興ざめの一言である。とにもかくにもドラマが作り出した虚構の世界にどっぷり浸りたいから、裏話は後日談で十分と思っている。 ところが、大多数の視聴者は違うようだ。ただドラマを見るだけではなく、周辺情報を同時に入手しつつ、感想を共有したり、わが意を得たり、あるいは許せない!と憤慨して発信したりで、大忙しの状態を好む。ドラマのHP・演者や関係者の会員制交流サイト(SNS)をチェックし、ともに作品を作り上げる喜び、という感覚なのかもしれない。 本題に入る。NHKの朝ドラ『半分、青い。』である。脚本家の北川悦吏子がツイッターに裏事情をつぶやき、絶賛するファンも増やす一方で、アンチも増やしているという。メディアも「北川ツイッター発言=炎上」の構図をいちいち取り上げたりもする。ちなみに、アンチ派は「#半分白目」で辛辣(しんらつ)な文句をつぶやいているのが、なかなかに面白い。ドラマの作り手が言わんでええ内部事情(肝いりのセリフやシーンがカットされたこと)や役者との交流を逐一つぶやいちゃうので、まあ、賛否両論勃発もさもありなん。 それでも、こんなにSNSで話題になっていることを考えれば、戦法としてアリだと思うし、斬新だ。朝ドラと言えども、いつまでもあぐらをかいていられないわけで、新規客は常に欲しいところ。今年4月期のドラマ『おっさんずラブ』(テレ朝系)は、登場人物のインスタグラム(写真共有アプリ)と連動して、ある種のブームを起こしたわけだし、今クールも「dele」で主演の菅田将暉と山田孝之がインスタを使って、放送前から話題だけは呼んでいたし。 ただし、大失敗も忘れてはならぬ。昨年大ゴケしてしまった『セシルのもくろみ』(フジ系)では、主演の真木よう子が張り切ってツイッターを始めたものの、その言いようが嫌われて総スカンを喰らってしまった黒歴史もある。NHK朝ドラ「半分、青い。」 冒頭で書いた通り、私自身は裏話や暑苦しい思い入れは、本編と同時である必要性はない、と思っている。でも、それが本編の画面に出てくることはないので、まったく問題ない。流れてくる情報を受け流せばいいだけ、ドラマに集中すりゃいいだけのこと。脚本家の奮闘と暴走、揚げ足取りの視聴者、ファンとアンチの小競り合いをいったん横に置いて、「半分、青い。」をどう見ているか、だ。 ヒロインが同世代ということで、最初から興味津々だったし、今もずっと見続けている。ファンでもなければアンチでもない。疑問も文句もあるが、最後まで見たいと思っているので、ファンなのだろう。何が私の心をとらえるか 私が苦手なのは、ただ1点。ナレーションが多すぎる。祖母役の風吹ジュンが悪いのではない。もう途中から風吹ジュンではなく、北川悦吏子の声にしか聞こえなくなってきた。とにかく人間関係も心情描写も、ナレーションが饒舌(じょうぜつ)すぎる。過去、祖母がナレーションというのは多々あったが、もっと淡々と、あるいは距離を置いての語りだったはず。ところが、制作側の大人の事情だの、時代背景との齟齬(そご)の解説まで語ってしまう。神の視点か。役者の見せ場がナレーションに強奪されたシーンを何度も見て、ため息。なんでこのばあさんは成仏しないのか。ヒロインがうまいこといかないのは、死んだばあさんの呪いだと思うことにした。なので、もう、慣れた。 展開が早すぎる・雑すぎるという「ショートカットっぷり」も気にはなるが、悪く言えば性急、よく言えば緩急。そこは今の時代、というか、軽薄な70年代生まれを描くにちょうどいいのではないか。また、イケメン俳優を次々投入、というのも今に始まったことではない。大河ドラマも同じ手口ね。そのファン層(特に、粘着質でヒマで金は持っててイベントをやれば来てくれる中年女性)がついてくれれば御の字、というNHKの意向も理解できる。 では、何が私の心をとらえるか。ひとえに、ヒロイン・楡野鈴愛(永野芽郁)が清くも正しくもないからだ。思ったことを口にするし、口にするのを憚(はばか)られるような文言もスルリと吐いてしまう。 羽根より軽いと揶揄(やゆ)されるほど口が軽く、内緒話を速攻拡散してしまう。悪気や悪意はないが、思いやりも優しさもさほど持ち合わせていない。ドジっ娘の範疇(はんちゅう)を超えたヘマをしでかすし、自己主張も強くて頑固。ちゃっかりしていて依存体質。幼少期から幼なじみの佐藤健に精神的に依存。離婚後、実家に戻って、幼なじみが働き口を紹介してくれても上から目線で断り、経済的に実家に依存。さらには実母・松雪泰子の虎の子を五平餅店開業に使いこもうと目論(もくろ)んだり。朝ドラにこんな自己中心的なヒロインがいただろうか。もしかしたら、『純と愛』の夏菜、「まれ」の土屋太鳳に続く「3大・不穏なヒロイン」かもしれない。別名「共感を呼びにくいヒロイン」とも。 でも、私は嫌いじゃない。しかも、永野は「才能がない」という、朝ドラヒロインがあまり背負わない絶望を味わっている。プライドが低いように見えて実は高い。漫画家としての才能の限界に気づき、打ちのめされたのだ。才能って、努力や根性、周囲の助けでなんとかなるものではない。どうしようもない、乗り越えられない高い壁にぶち当たり、「きっぱり諦める」道を選んだ。映画監督の夢を諦めきれない夫・間宮祥太朗を許さなかったのも、あの苦い経験があったからこそ。NHK朝ドラ「半分、青い。」 人を傷つけないよう、気兼ねしたまま、自分の人生をそーっと歩くヒロインよりも、永野のほうが人生に悔いも恨みも残らないだろう。誰かを傷つけても、自分が傷ついても、自分が主語でいることを変えない。恨まれたり、やっかまれることがあっても、負の感情に直面しなさそう。というか、それに気づかない鋼のメンタルとも言える。 他人と比べて卑下して地面を見て歩くよりも、誰が何と言おうと空を見上げて歩きたい、と言い切る。漫画家、百均ショップ店員から五平餅屋と、行き当たりばったりの博打(ばくち)人生だが、こんなヒロインがいてもいい。朝ドラヒロインの多様性を快く受け入れたい。ということで『半分、青い。』を推している。褒めちゃいないが、好きである。