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    甘利氏を嵌めた週刊文春「禁じ手」スクープに屋山太郎がモノ申す!

    角栄の金脈を暴いたときは、誰もが文句のつけようのない完璧な「調査報道」だった。私はね、どうせ政治家のスキャンダルを暴くんなら、ああいうスカッとした調査報道をしてもらいたいと常々思っている。「天下の文春」には特にそれを期待していたしね。甘利氏の収賄疑惑告発第2弾を報じた週刊文春 2月4日号 それはさておき、今回のスキャンダルは、野党にとってはおいしいネタではあったよね。国会で安倍政権を責める材料が何もないだろうから、本筋のTPP交渉とかで議論もできないだろうし、甘利さんのスキャンダルをことさら追及していた。もうこうなるときりがなくなる。ところが、甘利さんは弁護士に調査を依頼して、あっさり辞任を表明した。ぱっと身を引いちゃったもんだから、野党にしてみれば肩透かしをくらったみたいなもんだね。こうなると、野党の方がひっくり返ってしまう。いくら野党が反発したところで、疑惑の当事者が辞めちゃったものは仕方がないし、国会に呼ぶわけにだっていかない。そう考えると、甘利さんはうまく切り抜けたと思う。 甘利さんはTPP交渉を推し進めたが、もっと大きな視野で見ればTPPによって日本の市場は確実に増える。例えば、1955年に日本はGATT(関税及び貿易に関する一般協定)に加盟したが、その時は市場が広がるといって日本中が歓迎した。これは私の個人的な見解だけど、今回のTPPによって、世界のGDPの4割を占める巨大な経済圏ができるっていうのに「反対」というのは違うと思う。甘利さんはフロマン(米通商代表部代表)に怒鳴られたこともあったが、アベノミクスの柱でもあるし、国のためとの思いで必死になってやっていた。 私が記憶している限り、今回のような「禁じ手」を使ったスキャンダルは過去になかったのではないか。現金を手渡す時も用意周到に記者が録音や撮影をするなんて、こんな露骨なやり方はこれまでなかった。スキャンダルが発覚した当初、自民党内でも「ヤラセではないか?」という疑念の声が上がったのも無理はない。昔はユルかった政治とカネ 昔は政治家の秘書の給料なんて、今とは比べものにならないくらいずっと安かった。給料の半分はチップで補う欧州の給仕みたいなものだった。政治家秘書の給料がびっくりするほど安いもんだから、どうやって生活しているのかと思ったら、政治家の事務所を訪れた陳情客を案内するたびに、彼らはお金をもらってたんだよ。たとえば、秘書が陳情客に対して「先生に会わせてやる」と言って20万円を受け取って、その半分をポケットに入れるとか、そんなことは当たり前だった。秘書を雇う政治家なんかも、彼らに大した給料を支払っていないから、そのことを黙認していた。でも、時代が変わって、それまでの「常識」が金権政治の元凶になっているという批判の方が大きくなったから、政治家のカネと秘書の給与については、とにかく法律で縛って厳しくするという流れになった。 しかし、甘利さんなんかは当選11回の大ベテラン。これは推測なんだけど、古い体質が残っていたんだね、きっと。その典型的な例が一昨年、政治資金規正法違反で元会計責任者の秘書2人が有罪判決を受け、辞任した小渕優子(元経産相)。親父の代からの「金庫番」が勝手にやっていたんだから、小渕さんは本当に何にも知らなかった。 ロッキード事件のころだったら、政治資金をいくら集めようが犯罪要件は成立しなかった。田中角栄(元首相)なんかは、公共工事をばらまいて集めていたんだから。いま、角栄みたいなことを政治家がやったら、翌朝には留置場だよ(笑)。だから、昔とはまったく違う。政治家の倫理観というのは、とにかくカネを絞ることで育つ時代になったんだ。 甘利さんは、安倍さんが最も信頼を寄せる政治家の一人だよね。麻生(太郎副総理兼財務相)さんと菅(義偉官房長官)さんを含めたこの3人は、安倍さんにとって特別な存在だったと思う。そんな甘利さんも、安倍さんの信頼に応えて懸命に支えることで日本を良くしようと考えていた。それしか手はないと。安倍さんを利用するだけ利用して、次の総理の座を狙うとか、そんな野心すらなかったはずだ。私欲がない人で、頭が真っ白になるまで安倍さんを支えた。彼にとってのそれは、本当にお国のためなんだな。だからこそ、安倍さんは、甘利さんや菅さんたちには心を許していた。この2人は邪心なく、日本を良くしたいという一心で政治を動かしているよね。 甘利さんの後任には、石原伸晃元幹事長が選ばれたけど、その理由は今の閣僚の顔触れをみれば分かる。現職閣僚の中に石原派の議員がいないよね。安倍さんにしても、いつまでも彼を干していてはまずいと思ったんじゃないかな。彼の政治家としての手腕や人物を評価しているというより、派閥の力学というか、バランスを重視しての判断だったと思う。そういう余裕が、今の安倍政権にはある。 では、甘利さんはどうなるのか。もし復帰のタイミングがあるとすれば、安倍さんが首相をやっている間しかないでしょう。もしかしたら、1年ぐらい冷や飯を食って、それから重要ポストに復帰するかもしれない。いま、最も考えられるポストとしては、自民党政調会長とかなんだろうけど、これだけは確実に言えるのは、今回のスキャンダルで野党がいくらあがこうとも、今夏の参院選にはほとんど影響しないと思いますよ。(聞き手、iRONNA編集部・本江希望)ややま・たろう 政治評論家。昭和7年、福岡県生まれ。東北大卒。時事通信社入社後、政治部記者、ローマ特派員、官邸クラブキャップなどを歴任。56年から第2次臨時行政調査会(土光臨調)に参画し、国鉄の分割・民営化を推進した。平成13年に正論大賞を受賞。近著に『安倍晋三興国論』(海竜社)など。

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    甘利氏をめぐる事件で真価を問われる検察

    郷原信郎(弁護士、関西大学社会安全学部客員教授) 昨日のブログ【甘利大臣、「絵に描いたようなあっせん利得」をどう説明するのか】で、週刊文春で報じられた甘利明大臣や秘書が業者からUR(都市再生機構)の道路用地買収の補償問題で「口利き」を依頼され、金品を受け取った疑惑について、記事の内容を前提に、あっせん利得処罰法違反の成否に関する解説を行った。 結論としては、①「契約」に関するものと言えるか、②「請託」があったと言えるか、③「権限に基づく影響力の行使」があったと言えるか、についての弁解・主張は出て来るであろうが、速やかに捜査に着手し、事実と証拠を積み上げていけば、少なくとも、秘書についてのあっせん利得を起訴に持ち込める可能性は十分にある。 また、甘利大臣本人についても、ご本人が、国会答弁で、現金を受け取ったか否か「記憶が曖昧」と述べているぐらいなので、甘利事務所と大臣室で現金を渡した状況を明確に述べている業者側の供述と比較して、業者側供述が信用できることは誰の目にも明らかである。 甘利大臣自身が「権限に基づく影響力」を行使してUR側に一定の職務行為を行うことの「請託」を受けたと言えるか否かについても、文春記事に出て来る、甘利大臣が業者から現金を受け取った際に、資料に基づいて説明を受け、同席した秘書に、「これ(資料)を、東京の河野君(現・大臣秘書官の河野一郎氏)に預けなさい」と指示したとの業者側の話について、河野という大臣秘書官が、資料を受け取ったか否か、大臣との間でこの件についてどのようなやり取りがあったのかなどについて、供述を固めていけば、立証の目途を立てることができる可能性がある。 それに加え、公設第一秘書が受け取った500万円のうち400万円については甘利氏が代表となっている「自民党神奈川県第13選挙区支部」の領収書を渡されたが、同支部の政治資金収支報告書には、寄付100万円の記載しかない。また、甘利大臣が受け取った100万円のうち、最初の50万円は、政治資金収支報告書に記載がないとされており、これらについて政治資金規正法違反(政治資金収支報告書の虚偽記入罪)が成立する可能性が高い。家宅捜索に入る東京地検特捜部の係官=2011年6月、東京都千代田区(岡嶋大城撮影)裏金献金摘発へのハードル このような、政治資金収支報告書に記載されない「裏献金」の問題を政治資金規正法違反の犯罪で摘発する際にハードルとなるのが、「政治資金の帰属」の問題だ。 政治資金規正法は、政党や政治団体の会計責任者に政治資金収支報告書の作成・提出を義務づけている。国会議員であれば、個人の政治資金管理団体のほかに、代表を務める政党支部があり、そのほかにも後援会など複数の政治団体があるのが一般的だ。このような政治家が、企業側から直接政治献金を受け取ったのに、領収書も渡さず、政治資金収支報告書にも全く記載しなかったとすれば、政治資金の透明化に露骨に反する最も悪質な行為だが、このような「裏献金」の事実について政治資金規正法違反で刑事責任を問うことは容易ではない。 政治資金規正法違反の事実として考えられるのは、「企業等は政党または資金管理団体以外に対して寄附をしてはならない」との規定に違反して「政治家個人宛の寄附」を受領した事実か、受領した寄附を収支報告書に記載しなかったという虚偽記載の事実である。ところが、その「裏献金」が、政治家個人に宛てたものか、資金管理団体、政党支部などの団体に宛てたものかがはっきりしないと、どちらの規定に違反するのかが特定できない。裏金は、最初から寄附を「表」に出すことを考えていないのだから、政治家個人宛か、どの団体宛かなどということは考えないでやり取りするのが普通であり、結局、「政治資金の宛先」が特定できないために、政治資金規正法違反の事実が構成できず刑事責任が問えないということになる。 議員の職務権限との関連性が認められないために賄賂にはならない「贈収賄崩れ」のような裏金のやり取りは、政治資金の透明化という法の趣旨から言うと最も悪質な行為だが、このような「政治資金の帰属」の問題があい路となって立件できない結果に終わる場合が多かった。裏金献金摘発が容易な例外的ケース裏金献金摘発が容易な例外的ケース しかし、例外的に、この「刑事立件の壁」を超えられるケースがある。それは、政治団体名等で領収書が交付され政治資金収支報告に記載される「表の献金」と「裏の献金」の両方がある場合だ。 その典型例が、2002年から03年にかけて、私が、長崎地検次席検事として捜査を指揮した「自民党長崎県連事件」だ(拙著【検察の正義】(ちくま新書)の「最終章 長崎の奇跡」で、地方の中小地検の全庁一丸となった独自捜査で、政権政党の地方組織の公共工事受注業者からの集金構造に迫ったこの事件について述べている。)。 この事件は、自民党長崎県連が、公共工事の受注額に応じて政治献金をするようゼネコンに要求し、多額の寄附が行われていた事件だ。政党への政治献金に対して公職選挙法を初めて適用したことで全国的にも注目を集めたが、長崎県知事選挙に関して公共工事受注業者から寄附を受けたという公選法違反に加えて、多額の「裏献金」を政治資金収支報告書の虚偽記入罪で立件・起訴した。 それが可能だったのは、長崎県連の幹事長と事務局長が、正規に領収書を発行して収支報告書にも記載して処理する「表の献金」を受ける一方で、同じような形態でゼネコン側から受け取った献金の一部については、領収書を渡さず、収支報告書にも記載しないで処理し、県連の「裏金」に回していたからだ。「自民党長崎県連宛の寄附」として収支報告書に記載すべき寄附であるのに、その記載をしなかったことの立証が容易だった。 今回の甘利大臣をめぐる政治資金の問題も、長崎県連事件と同様に、収支報告書に記載された「表の寄附」と、記載しない「裏献金」の両方がある。例外的に、政治資金規正法違反で立件可能なケースだと言えよう。 文春の記事を前提にすれば、甘利事務所の政治資金の処理はあまりに杜撰であり、しかも、大臣の現金授受についての記憶は「曖昧」であり、このような政治家の事務所に捜索に入れば、不正な金の流れがほかにも発見される可能性も高い。 甘利大臣をめぐる疑惑は、事件の中身としては、検察が大物政治家をターゲットとして捜査に着手することが十分に可能だと言えよう。政界捜査で繰り返されてきた法務省からの圧力 もっとも、この種の政治家に関連する事件の場合、しばしば検察と法務省との関係が問題になる。 人事・予算を内閣に握られている法務省の側には、安倍内閣の有力閣僚の事件を摘発することに対しては、相当な抵抗があるであろう。 とりわけ、現在の法務省にとっては、「日本版司法取引」の導入や盗聴の範囲の拡大などを盛り込んだ刑事訴訟法改正案が、昨年の通常国会で成立せず、参議院で継続審議となっており、今国会での議案の取扱いは、安倍政権側の判断に委ねられている。法務省側からは、甘利大臣の事件の検察の捜査を抑え込むことと引き換えに、刑訴法改正案の審議を進めることを求めるという「闇取引」を持ち掛けるというのも考えられないことではない。 安倍政権が絶大な政治権力を誇る状況下で、法務省サイドの圧力を跳ね返して、甘利大臣自身の事件をも視野に入れた捜査を積極的に進めていくことができるか、検察の真価が問われることになる。 前記の自民党長崎県連事件の捜査でも、ちょうど小泉政権の絶頂期だったこともあり、政権与党に打撃を与えること避けようとする法務省サイドから強烈な圧力がかかった。当時、長崎地検では、議長を逮捕して、自民党有力政治家の疑惑に迫ろうとしており、県連の裏金に関して、中央の有力政治家に絡む事件のネタも多数あったが、捜査が政権政党に大きな打撃を与えることを懸念した法務省や法務省系の最高検幹部の猛烈な反対に行く手を阻まれ、在宅捜査に切り替えて略式起訴に持ち込み、捜査を終結させざるを得なかった。検察の正義を巡る環境を変えた検察審査会の起訴議決検察の正義を巡る環境を変えた検察審査会の起訴議決 過去にも、政治に絡む事件で検察と法務省との確執が繰り返されてきた。しかし、今では、そのような法務省側の消極意見があったとしても、法改正によって権限が強化された検察審査会の存在が、圧力を跳ね返す大きな力となり得る。「検察の正義」をめぐる環境が大きく変わっているのである。東京電力福島第1原発事故で、検察審査会が当時の東電経営陣の「起訴相当」を議決し、議決書を張り出す職員=2014年7月31日、東京・霞が関(栗橋隆悦撮影) 近著【告発の正義】(ちくま新書)でも書いたように、2009年の検察審査会法の改正で、検察審査会の議決によって起訴される制度が導入されたため、告発された事件が不起訴になった場合、告発人は検察審査会に審査の申立てを行うことができる。そこで、「起訴相当」の議決が出ると、検察は再捜査を行うことになる。以前は、再捜査の結果、検察が再度不起訴にすれば、刑事事件はそれで終結していたが、法改正により、検察官が二度目の不起訴を行っても、検察審査会で再度審査して「起訴議決」を行えば、裁判所が指定する弁護士によって起訴手続きがとられることになった。 起訴議決制度が導入されたことで、検察は、社会的に注目を集めた告発事件については、検察審査会の議決によって起訴議決に持ち込まれる可能性がないかどうかという観点から検討せざるを得なくなった。「市民の常識」を尊重した捜査・処分をせざるを得なくなっている。 週刊文春の記事によって、甘利大臣の疑惑もあっせん利得処罰法違反、政治資金規正法違反の犯罪に該当する可能性があることが広く世の中に認識されていることから、市民団体等が告発を行ってくる可能性は高い。告発された場合、いろいろ理屈をつけて検察が不起訴にしても、検察審査会への審査申立てが行われ、「市民の常識」に基づいて起訴議決が行われる可能性がある。検察にとって千載一遇のチャンス 2009年、政権交代をめざす野党第一党の民主党党首小沢一郎氏の秘書を、僅か2000万円の、しかも政治資金収支報告に記載された「表の寄附」に関する政治資金規正法違反で逮捕した検察にとって、現政権の有力閣僚の秘書の事件の捜査に消極的な姿勢をとることなど許されない。 法務省の圧力に屈し、十分な捜査を行わず、告発をされても不起訴にするというような姿勢をとれば、市民を代表する検察審査会の審査員から「起訴議決」の鉄槌を下されることになることとなるだろう。 その時は、大阪地検特捜部の証拠改ざん等の不祥事、東京地検特捜部の陸山会事件をめぐる虚偽捜査報告書による検察審査会の議決誘導問題など、一連の不祥事で大きく傷ついた検察への国民の信頼は完全に回復不能となる。 逆に、甘利大臣とその秘書に対して、適切な捜査を行って証拠を固め、適切な刑事処分を行うことができれば、不祥事で失われていた検察への信頼を、一気に回復させることができる。本来であれば、即刻辞任してもおかしくない重大な疑惑が表面化しているのに、TPP問題の国会審議の関係などで大臣を辞めるに辞められない状況は、検察にとっては、まさに千載一遇のチャンスだと言えよう。 文春の早刷り版で、記事の内容が明らかになってから既に2日経過している。その間にも罪証隠滅が行われている可能性が高い。しかも、甘利大臣は、「第三者を入れて調査を行う」というようなことを言っている。明らかに犯罪に当たる今回の問題について「非犯罪ストーリー」で関係者証言を固めてしまう罪証隠滅になりかねない。 速やかに強制捜査に着手し、証拠を収集しなければ、刑事事件として立件・起訴できる可能性が低下していくことは確実だ。もはや一刻の猶予も許されない。 一連の不祥事に関して、厳しく検察を批判し、今も、美濃加茂市長事件の控訴審で検察と徹底的に戦っている私だが、今回の事件については、検察の威信をかけた戦いに期待したい。(ブログ「郷原信郎が斬る」より2016年1月22日分より転載)

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    甘利氏は「絵に描いたようなあっせん利得」をどう説明するのか

    郷原信郎(弁護士、関西大学社会安全学部客員教授) 本日(1月21日)発売の週刊文春が、甘利明TPP担当大臣や秘書がUR(独立行政法人都市再生機構)の道路用地買収に関して「口利き」を行い、業者から多額の金品を受領していたことを報じている。この記事には、その行為について、あっせん利得処罰法違反や政治資金規正法違反が成立する可能性がある旨の私のコメントも掲載されている。報じられている疑惑の中身は以下のようなものだ。甘利TPP担当相の収賄疑惑を報じた「週刊文春」の記事(古厩正樹撮影) 甘利大臣の公設第一秘書が、URの道路用地買収をめぐるトラブルに関して、UR側に補償金を要求していた業者から依頼を受け、UR側との交渉に介入し、URに2億2000万円の補償金を支払わせ、2013年8月に、その謝礼として500万円を受け取った。 それに加え、甘利大臣自身も、業者と直接会って、URと業者との産業廃棄物処理に関するトラブルについて説明を受けて補償交渉に関する対応を依頼され、同年11月に大臣室、2014年2月には神奈川県内の事務所で、現金50万円ずつ計100万円を直接受け取った。 その後、別の秘書(現・政策秘書)が環境省の課長と面談し、URの担当者と面談するなどして、産廃処理をめぐるトラブルに介入。その秘書は業者から多額の接待を受け、URの監督官庁である国交省の局長への「口利き」の経費などと称して合計6百万円以上を受領するなどしていた。 公設第一秘書が受け取った500万円のうち400万円については甘利氏が代表となっている「自民党神奈川県第13選挙区支部」の領収書を渡されたが、同支部の政治資金収支報告書には、寄付100万円の記載しかない。また、甘利大臣が受け取った100万円のうち、最初の50万円は、政治資金収支報告書に記載がないという。 日曜日(1月17日)に、週刊文春の記者からの電話で、甘利大臣と秘書に関する疑惑の内容を聞かされ、私は耳を疑った。いまどき、そんな“絵に描いたような”国会議員や秘書による「口利き・あっせん利得」というのが行われているなどとは、にわかに信じ難かったからだ。しかも、甘利大臣はTPP担当大臣、最も有力な現職閣僚の一人だ。それが、大臣在任中の2013年から14年に、大臣自身や秘書による「口利き」に関して、多額の金品のやり取りが行われたというのだ。 「あっせん利得処罰法」は、国会議員等の政治家が、行政機関等に「口利き」をして金品を受け取る行為を処罰する法律だ。政治家が「口利き」をし、その見返りとして「報酬」を受け取るという行為は、政治家と行政との腐敗の象徴としてかねてから批判されてきたが、2000年に中尾元建設大臣が、公共工事発注の口利きの見返りに建設会社から賄賂を受領して受託収賄事件で逮捕されたのを契機に、改めて国民から批判が高まったことを受け、2002年に法律が制定された。その後も、「政治とカネ」をめぐる問題が表面化する度に、国民の政治不信が高まり、政治家のモラルが問われ、政治資金の透明化のため政治資金規正法の強化・改正も行われてきた。このような流れの中、2003年に施行された「あっせん利得処罰法」が実際に適用されて摘発された事例としては、市町村議会議員が公共工事の発注に関して「口利き」をして利益供与を受けた事件が数件ある程度で、国会議員や秘書が関わる事件が摘発された例はない。 国会議員レベルの政治家に関して言えば、政治資金の透明化、政治活動の浄化が進み、「口利き」による金品の受領などというのは「過去の遺物」になりつつあると、少なくとも私は認識していたし、多くの国民の認識もそれに近かったはずだ。あっせん利得処罰法違反、政治資金規正法違反 成否のポイント ところが、週刊文春の記事によると、まさに国論を二分したTPP交渉の最前線に立って活躍する政治家の甘利大臣の秘書が、古典的とも言える「口利き」を平然と行って、業者から金をせしめていた。しかも、大臣自身も関わったり、現金を受領したりしていたというのだ。 私は、コメントを求めてきた記者に、そのような疑惑を裏付ける証拠があるのかと聞いた。記者によれば、甘利大臣側と業者とのやり取りや「口利き」の経過に関して、録音等の確かな証拠もあるとのことだ。 この問題は、久々に「政治とカネ」に関する重大な疑惑として、国会等で追及されることは必至だろうが、何と言っても焦点となるのは、現職大臣やその秘書について、検察当局による犯罪捜査がどのように行われ、どのような刑事処罰に発展するのか、特に注目されるのは、本件について、過去に例がない「あっせん利得処罰法」の国会議員やその秘書に対する適用が行われるか否かであろう。 週刊文春の記事を前提に、甘利大臣や秘書に関するあっせん利得処罰法違反、政治資金規正法違反の成否に関してポイントとなる点を述べておくこととしよう。 あっせん利得処罰法1条1項は、「衆議院議員、参議院議員又は地方公共団体の議会の議員若しくは長が、国若しくは地方公共団体が締結する売買、貸借、請負その他の契約又は特定の者に対する行政庁の処分に関し、請託を受けて、その権限に基づく影響力を行使して公務員にその職務上の行為をさせるように、又はさせないようにあっせんをすること又はしたことにつき、その報酬として財産上の利益を収受したときは、3年以下の懲役に処する」と定めており、2項で、「国又は地方公共団体が資本金の二分の一以上を出資している法人」の「役員又は職員」に対しての行為も同様としている。また、同法2条は、「衆議院議員又は参議院議員の秘書」が同様の行為をおこなったときは2年以下の懲役に処するとしている。 URは国交省が100%出資している独立行政法人であり同法2項の「法人」に該当すること、甘利大臣は衆議院議員であり、その秘書が、2項の「衆議院議員の秘書」に該当することは明らかだ。 問題は、①秘書のURの職員に対する行為が、法人の「契約」に関するものと言えるか、②「請託」があったと言えるか、③「権限に基づく影響力を行使」したと言えるか、である。 ①については、秘書が関わった問題は、URの道路用地買収をめぐる業者との間の補償交渉であり、公共工事などとは違い、契約の内容が具体化しているものではない。しかし、補償交渉の結果、URと業者との間で合意が成立すれば、それは契約であり、その合意が業者にとって有利なものとなるよう、URの役職員に対して働きかけが行われたのであれば、「契約」に関するものと言うことができるであろう。 ②の「請託」とは「一定の行為を行うよう又は行わないよう依頼すること」である。請託事項は、その案件の具体的事情に照らして、ある程度の特定性・具体性を要するものでなければならない。「請託を受け」とは、単に依頼されたという受身の立場では足らず、その職務に関する事項につき依頼を受け、これを承諾したことが必要である。記事によれば、甘利大臣の秘書は、実際にURの職員と面談したりしているのであるから、URの役職員に補償に関する「職務上の行為」を行わせるよう働きかけるという「具体的行為」を、業者が依頼したことは明らかであろう。 ③についても、ここでの「権限に基づく影響力の行使」というのは、「大臣としての権限」ではなく、「国会議員の権限」に基づくものでなければならないが、政権与党の有力閣僚である甘利大臣は、国会議員としても、予算や法案の審議や評決に関して大きな影響力を持っていることは明らかであり、その秘書も、それを十分に認識した上で活動しているはずなので、UR側への働きかけが「権限に基づく影響力の行使」であることは否定できないであろう。 甘利大臣についても、「権限に基づく影響力」を行使してUR側に一定の職務行為を行うことの「請託」を受け、現金をその報酬として受領したのであれば、あっせん利得が成立することになる。「請託」について緩やかな解釈を取る検察 記事では、甘利大臣は、業者とURとのトラブルに関して、資料に基づいて説明を受け、同席した秘書に、「これ(資料)を、東京の河野君(現・大臣秘書官の河野一郎氏)に預けなさい」と指示したとされているが、大臣自身がその後、実際に業者からの依頼に基づく行為、例えば、自ら行政庁やURに働きかけたり、秘書へ指示するなどの行為を行ったのか否かは明らかではない。 また、「請託」というのは、依頼する行為が、何らかの具体性を持ったものであることが必要であり、漠然としたものでは「請託」とは言えないというのが一般的な理解であろうが、記事を前提にしても、業者側が大臣に具体的にどのような行為を依頼したのかは明らかではない。 しかし、検察は、「請託」の具体性についてはかなり緩やかに解している。 現在名古屋高裁に控訴中の美濃加茂市長事件では、一審で賄賂の授受が否定され無罪判決が言い渡されているが、この事件で、検察は、藤井美濃加茂市長が市議時代に業者から浄水プラントの導入に関して依頼を受けたとして、受託収賄、事前収賄と併せて、「あっせん利得処罰法」違反の事実も起訴している。 この事件での検察の主張は、浄水プラントの導入に関して、具体的に市議会議員としてどのような職務を依頼したのかが特定されていなくても「請託」に当たるというものである。 もちろん、同事件で市長の主任弁護人を務める私は、そのような「請託」の要件の拡張解釈は不当だと考えており、同事件の公判でも「請託」を認める余地がないことは強く主張しているが、一審では弁護側の主張どおり「賄賂の授受」そのものが否定されているので、「請託」の有無は裁判所の判断の対象にはなっていない。しかし、検察は、「請託」について、そのような緩やかな解釈で起訴し、無罪判決に対して控訴まで行って有罪判決を求めているのである。これからすると、今回の甘利大臣の事件について、「請託」が認められないことを理由に消極判断をすることはあり得ないであろう。参院決算委で、民主党の江崎孝氏の質問に答える甘利経済再生相               =1月21日(斎藤良雄撮影) また、大臣自身についてのあっせん利得罪は成立せず、秘書についてのみ同罪が成立する場合であっても、秘書と大臣との共謀による犯罪の成立が問題になり得る。過去に、「政治とカネ」の問題について、政治家が秘書に責任を押し付けているとの批判が繰り返され、秘書について、政治的責任のみならず、秘書との共謀による刑事責任の追及が遡上に上った例は枚挙にいとまがない(最近の例では、小沢一郎氏の秘書が政治資金規正法違反に問われた例で、小沢氏自身も共謀による刑事責任が問題とされた。)が、実際には共謀の立証は困難であり、刑事責任が問われた例はほとんどない。本件でも、秘書が業者から受け取った金について、甘利大臣が認識していたことの証拠が得られるかどうかが鍵となるだろう。 今日の参議院決算委で、この問題について質問された甘利大臣は、「会社の社長一行が大臣室を表敬訪問されたことは事実だ。一行が来られて正確に何をされたのか、記憶があいまいなところがある。きちんと整理をして説明したい」と答弁した。 まさに、唖然とするような答弁である。50万円もの現金を受け取ったか否か記憶が曖昧だ、ということは、その程度の現金は、いちいち覚えていないぐらい受け取っているということであろうか。 現職有力閣僚をめぐる「絵に描いたようなあっせん利得」の疑惑は、一層深まっている。(ブログ「郷原信郎が斬る」より2016年1月21日分より転載)

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    甘利氏だけじゃない TPPにも逆風が吹き荒れている

    岡本裕明(Blue Tree Management 株式会社 代表取締役) TPPの署名式が2月4日にニュージーランドで執り行われることになりました。渦中の甘利大臣がニュージーランド行きの切符を手にすることが出来るのかも含め、注目に値するイベントとなりそうです。 この署名式はTPPの12の協定参加国が集まり、協議、合意した内容について署名するものです。大きなベンチマークとなります。プロセスとしてはこの署名された合意文書を各国が自国に持ち帰り、内容を検討し、それぞれの国が批准することになります。日本は政権が安定し、可決批准するハードルが最も低い国の一つとされ、日本のリーダーシップがまずはポイントとなります。 通常、各国の議員はTPPの内容を精査するため、数か月程度の時間をあてがわれ、その後、審議に入ります。この審議が曲者で必ず反対派は存在し、関連産業、業界ではロビー活動も活発に行われています。よって様々な議論が想定されるわけですが、この署名された内容は修正が出来ず、take or leave it(無条件で飲むか拒否するか)しか選択肢がありません。 批准は書名から2年以内を目標としていますから上手くいっても発効そのものは2018年ごろになる見込みです。 さて、その中で一番注目されるのはアメリカの動きでしょう。オバマ大統領は氏がまだ大統領でいるうちに批准させたいと考えているようですが実態は厳しいように見えます。これは民主、共和ともに反対派が存在し、クリントン候補も「現時点では賛成しがたい」と発言している意味を慎重に考える必要があります。オバマ氏の描く批准に対して議会を相当紛糾させることで時間稼ぎをし、オバマ大統領のレガシーにはさせない勢力が勝るようです。TPP交渉が閣僚会合で大筋合意し、共同記者会見に出席した甘利明TPP担当相(左)とフロマン米通商代表部(USTR)代表=2015年10月6日、米アトランタ(共同) では、クリントン氏が「現時点では」と述べる理由の裏は何でしょうか?多分、選挙を考慮しているものと思われます。今、TPP賛成の旗を振ることは大統領候補としては不利な立場に追いやられるとみていないでしょうか?とすれば、それは議会の思った以上に強い抵抗勢力とも受け止められ、新大統領が決まった際にちゃぶ台返しがないとは言い切れない気がします。それぐらい今のアメリカは一枚岩ではなく、微妙なバランスを維持している感があります。 アメリカが批准しなければどうなるのか、ですが、結論から言うとTPPは流れます。 TPPは発効の前提として参加国全てが批准するのが前提です。原則一カ国も脱落が許されません。仮に2年以内に全ての国で批准できなければ「国内総生産(GDP)で全体の85%以上を占める6カ国以上の批准」が条件となっています。このGDP 85%を満たすにはアメリカ(60%)と日本(17%)が批准しないと絶対にパスできない為、アメリカの不参加はTPPの不成立を意味するのです。 以前にも申し上げました通りTPPの関門は貿易、関税だけではなく人の往来を緩和するところもポイントです。ところがテロが頻繁に起きている現代に於いて国家はその門戸をなるべく細目にする傾向が強まります。欧州を自由に行き来できるシェンゲン協定の行方が注目されています。テロリストが自国に自由に入り込めるからで協定参加国の中で国境管理が甘いところがあればそこからなだれ込む図式が懸念されているのです。 とすれば、TPPが内包する人の往来の緩和はシェンゲン協定とは違うものの当然、各国としては言葉通りに受け止められない事象となるでしょう。ところが冒頭に申し上げたようにこのTPPの草案は修正不可であります。よってそれを受け入れたくない派閥は批准遅延策に出るしか対抗手段がなく、結果として時間切れすら想定できることになります。 先日駐日カナダ大使の講演においてTPPについてちらっと触れていたのですが、正直、全く前向きな感じがしませんでした。「我々はアメリカにフォローする」というスタンスだったのですが、これは裏を返せばカナダとして国内でTPPを批准するにはアメリカというドライバーが必要で、さもなければ国内の反対派を押し切れないと聞こえます。 マスコミはアメリカの批准の可能性は5分5分(つまりTPPの成立の確率も5割という意です)と見ていますが、私はもう少し分が悪い気がします。あとは今後2年間の経済状況、テロ問題、中国の動きが展開のカギを握るかと思います。 甘利大臣はそこまで持つか分かりません。今回の報道が週刊文春に書かれている通りだとし、賄賂を渡した証拠があるとすれば大臣職を全うするのは厳しくなります。それは国内批准の責任者すら全うできなくなる意でもあります。 TPPには相当の逆風が吹き荒れているという感がいたします。(ブログ『外から見る日本、見られる日本人』より2016年1月25日分を転載)

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    政治家の金銭スキャンダル 「裏切り者」はいったい誰か

    ていたのかもしれません。病を患っていなければ、甘利氏も注意深く秘書を監視できていたでしょうし、こんなスキャンダルに発展することはなかったのではないでしょうか。 政治家が金銭をめぐるスキャンダルに巻き込まれるケースはこれまでもよくありましたが、その原因の一端として特に多いのが秘書に裏切られるパターンです。政治家は一人で悪さをすることは少なく、取り巻きの秘書がまったく知らないなんてことはまず考えられません。つまり、秘書に何か秘密をベラベラしゃべられたらアウトの政治家なんて、今さら言うまでもないですが、ほとんどがそうだと思います。かなりの大物政治家だって、スキャンダルが表面化したケースは、秘書だけじゃなく家族にまで裏切られるというパターンが多いですよね。 例えば、ロッキード事件。田中角栄元首相の榎本敏夫秘書がその典型ですよね。世間がロッキード一色で、いよいよ田中氏が逮捕されるという直前だったと記憶していますが、通産省(現・経済産業省)に入省して間もない私に「田中角栄が危ないぞ。でも、別の実力者は大丈夫だろう」と耳打ちしてきた人がいました。理由を聞くと、当時榎本秘書と児玉誉士夫の秘書だった太刀川恒夫氏が逮捕され、検察の事情聴取を受けていたんですが、その人は「太刀川はアウトローで自供したら殺されるから口を割らない。でも榎本はカタギだから自供しても殺されない」と言ったんです。カタギは身柄を拘束されて取り調べを受けると弱いですから、榎本秘書は捜査段階で現金授受をあっさり認めてしまったわけです。検察の取り調べはものすごく厳しいでしょうから、普段言わないこともベラベラしゃべっちゃったわけです。 先ほどもお話したように秘書だけではなく、家族に裏切られて失脚する場合もあります。みなさんも記憶に新しいと思いますが、小沢一郎氏の政治生命をほぼ終わらせたのは、小沢氏の元妻、和子さんですよね。小沢氏の支援者に向けて書いたとされる「離縁状」でさえ週刊誌に公開されましたが、痴情のもつれがこじれてスキャンダルが明るみになるケースなんて珍しくはありません。結局はお金に困っていたのか 男女のもつれということで言えば、政治家が自分の愛人に裏切られるというパターンも実に多いですよね。宇野宗佑元首相なんか、自分の女性スキャンダルが表に出たのは宇野さん自身がケチだったからです(笑)。宇野さんはとても健全な金銭感覚の持ち主で、愛人への口止め料なんか無駄な金だと考えて払うのをしぶったんです。「あいつなんて放っとけばいい!」と言わんばかりに、愛人への手切れ金をケチったことが仇になったんです。 海外に目を向けると、内部告発サイト「ウィキリークス」のように、これまでの技術では考えられなかった盗聴や情報流出が起きて政治家のスキャンダルが発覚したというケースもありました。中国なんかでは、政治家に女をあてがう「ハニートラップ」なんか当たり前のように起こり得ます。 そういえば、かの国で最近起こった政治家をめぐるスキャンダルといえば「薄熙来事件」がありました。ご存じの方も多いでしょうが、自分の腹心で公安のトップだった王立軍が抹殺されるのを恐れて、こともあろうに成都の米総領事館に逃げ込んだことが失脚の糸口になりましたよね。こうなると、江沢民と親しい関係で権勢を誇っていた薄熙来でも、コントロールが効かなくなりますから、もう手の打ちようがなくなります。 どこの国でもそうですが、政治家というのは建前では清廉潔白を求められる職業です。わが国でも、政治家が反社会的組織の人物とのツーショット写真が週刊誌等に掲載され、釈明に追われるというスキャンダルがよくあります。でも、常識で考えれば、政治家が「一緒に写真を撮ってください」と支援者かもしれない人物に言われて、それを断るなんてことはなかなか出来ませんよね。こんなケースではむしろ、ことさら問題にして取り上げるマスコミや野党の側だって悪い。暴力団関係者と知りながら、誕生パーティーに出席するのとはワケが違う。もちろん、一瞬話題にはなっても、その後大きな問題にはならずに収まっていますよね。 政治家に限らずどんな職業であれ、未熟な人間であれば罠にひっかかりやすいのは当然です。要するに個々人の「脇が甘い」わけです。ただ、今回の甘利氏のように、海千山千の政治家が引っかかるのは、それなりの「理由」があると思いますよ。それに報酬や供与が賄賂になるのかどうか、基準がはっきりしていればいいんですけど、どれもこれも曖昧なもんだから、「お前、カネを受け取っただろ」と脅される隙がどうしても生じてしまう。 私の官僚時代で言えば、贈答品などでも月給の20分の1までならOKなどという暗黙の「目安」がありましたね。先輩からは「ジョニ赤はセーフ、ジョニ黒はアウト」などと教えられた記憶があります。当時の私の初任給なんて約10万円程度でしたから、ウイスキーの昔の価格でいえば、5千円のジョニ赤なら問題ないが、20分の1を超える1万円のジョニ黒ならダメとなるわけです。ある銀行では「いただいたモノの半返しならセーフ」というルールなんかあったそうです。 アメリカなんかは、日本よりもっとはっきりしていますから、食事も贈り物も上限がきっちり決まっている。ワシントンでは「オフィサーズランチ」というのがあって、高級レストランの1万円のメニューでも高官だけが割安になる制度なんてのもありました。 まあ話はいろいろ横道になりましたが、今回の疑惑で考えれば、甘利氏の疑惑を告発した人物は、決定的な証拠をつかんだ上で甘利事務所側を強請ろうという意図なんかがあったのかは知りませんけど、結局はお金に困っていたんじゃないのかと疑わしい部分もありますよね。いずれにせよ、甘利氏はこの人物の告発がもとで失脚したことは間違いないですが、甘利氏が辞任したところでTPP交渉に影響が出て、御破算になるわけではありません。いま、甘利氏を辞任に追い込んで得をする利害関係者なんか見当たらないし、告発した人物の背後に誰かいるとも考えづらい。このスキャンダルは、甘利氏と告発した人物をめぐる利害のもつれが引き起こしたと考えるのが一番自然なんじゃないでしょうか。(聞き手、iRONNA編集部・松田穣)やわた・かずお 1951年、滋賀県生まれ。東大法学部卒業後、通産省入省。フランス国立行政学院(ENA)留学。大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任し、退官。作家、評論家として新聞やテレビで活躍。徳島文理大学教授。著書に『誤解だらけの韓国史の真実』(イースト新書)、『歴史ドラマが100倍おもしろくなる 江戸300藩 読む辞典』(講談社+α文庫)など多数。

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    「自己陶酔型不倫」の典型、ベッキーをなんとなく応援してみる

    吉田潮(ライター・イラストレーター) 不倫のドツボにハマる女性は、大概が真面目な優等生タイプだ。遊び人はゲーム感覚で淡々と飄々と不倫を楽しむ。別れたら次。面倒くさくなってきたら次。そもそもレンタル、延滞金取られる前にしれっと返却。 ところが優等生タイプは不倫を「障壁のある純愛」と脳内変換してしまう。背徳感は使命感に、罪深さは愛の重さへと都合よく変換。しかも頑張り屋の彼女たちは障壁を乗り越えようと自らを鼓舞してしまう。そこも真面目か、と驚くほどに。 ベッキーの不倫騒動を週刊誌で知り、まさに優等生タイプの「自己陶酔型不倫」の典型だと思った。サンミュージックの「第3回東日本大震災チャリティーイベント」に参加したベッキー=2012年07月26日、東京・池袋(撮影・吉澤良太)  厄介なことに優等生タイプは、人の話を聞かない・聞く耳持たない。ふたりだけの世界に浸り、罪悪感も甘い言葉でコーティング。なんだろう、あの万能感は。ベッキーもたぶんそんな感じだったのかなと推測する。 実は、今回の不倫騒動について周囲の女性に聞いてみた。登場人物の誰に思いを寄せるか。ベッキーか、ゲス(ゲスの極み乙女。のボーカル・川谷絵音を略して)か、ゲス嫁(ゲスの極み乙女。のボーカル・川谷絵音の嫁を略して)か。 驚くことに、不倫経験がある女性ほど「ゲス嫁が可哀想だ」と言う。え? そこはベッキーじゃないんだ? 同じ境遇に同調しないで、同類嫌悪の他罰方向にいくのか……。女心は複雑怪奇だと唸った。 個人的には、不倫している女性に寛大なほうである。「好きになっちゃったんだもの、仕方ないよね」と聞き流すことにしている。叱咤も激励もせず。ただし、バレたら慰謝料を請求されるリスクだけは伝える。相手がヌケサクで馬鹿っぽいときや、相手の嫁が抜かりない手練れのときは要注意。 ベッキーは誰にも相談しなかったのだろうか。いや相談して苦言を呈されたベッキーが聞く耳を持たなかった可能性もある。話せる友達がいなかったのか。優等生の孤独が、道ならぬ恋を一途に加速させたのかも。不倫は代償が大きいことを、ヒルズ族に教えてもらえばよかったのにね。 速攻で開いた謝罪会見は一見100点満点とも言える殊勝さだったが、あくまで友達だと言い張った時点でアウトだった。干されてもそう悲観することもない では、なんと言ったらよかったのか。「あくまで体だけの友達です」とか「彼は単なる芸の肥やしです」とか。ある種のビッチ宣言をしていれば、それはそれで見直した人もいたのではないか。別の意味で。 逆に、真面目さを貫き通すならば「私は真剣に彼のことを好きなんです、嘘はつけません」と正直に言って、一途な女をアピールすればよかったのかもしれない。ゲス嫁と全面対決宣言。 しかし、売れっ子タレント人生にこれだけの災いをぶっこんだ男が本当に大切な人なのか、ベッキーはもう一度冷静に考えたほうがいいのではないか(あいつ、ホントに卒論出せるのか、と不安要素が大きい)。裁判に持ち込んで長期戦&泥沼化してでも奪う価値がある人なのか。それでも共に人生を歩きたいならば、闘うしかない。入口は不倫でも、貫き通せば純愛という名に取って替わるからな。 今となっては、別れるも地獄、愛を貫くも地獄となっている。まずは、ゲス嫁に潔く謝罪して、払うべきものを払って解決を。そして、サンミュージックが今後抱えるであろう負債に対して、一生かけて奉公する腹積もりを決めないとね。 そもそもは、テレビタレントとしての才能が高かったベッキー。絶妙なコメント力、あしらいのうまさ、場をつなぐ&まとめる委員長センスで、数多くのレギュラー番組をもっていた。大手企業のCMも数社契約があり、間違いなくサンミュージックの稼ぎ頭のひとりだった。 この騒動で「まんべんなく好感度の高いベッキーというアイコン」は使用不可になった感がある(ネットでは以前から腹黒さが揶揄されてはいたけれど)。たかが不倫で。されど不倫で。 今はテレビを根城に活動する女性タレントにとって、不倫は絶対NGの時代だ。独身女が他人の夫を寝取る略奪愛も、自分が既婚で、夫とは別の男を寝室に引っ張り込む肉欲愛も、とにかく叩かれまくる。世論に。 そしてスポンサーもテレビ局も尻込みして使わなくなる。結果、干されて視聴者からは忘れ去られる。 ただし、この一連の流れは「女性タレント」で「権力をもたない事務所所属」の場合に限られる。男性タレントで大きな事務所に所属していれば、不倫していようと隠し子がいようと、テレビでは一切触れられない。爽やかな朝の顔を継続できるし、ワイドショーの切り口鋭いMCとして君臨できる。それがテレビ界だ。 とはいえ、世間は忘れっぽい。忘れた頃に再びテレビ界は、何食わぬ顔で傷口に塩を塗る切り口を引っ提げて、引っ張り上げてくれるだろう。視聴率のために。 つまりは、そう悲観することもない。覚醒剤使用で逮捕されたって(あら、奇しくも同じ事務所)、なんらかの活動を続けられるのが芸能界なのだから。この特殊な世界に骨埋める覚悟ならば、不倫のひとつもネタに昇華してしまえばいい。それくらいの図太さはそもそも持ち合わせているはずだし。開き直って「好感度の低いタレント」売りに出るという手もないことはない(茨の道だけれど)。  実はテレビ界には、問題や騒動を起こした芸能人に、さまざまな救済措置的番組がある。「しくじり先生」(テレ朝系)、「有吉反省会」(日テレ系)、「金スマ(中居正広の金曜日のスマたちへ)、「爆報!THEフライデー」(TBS系)などなど。テレ東だったら「ヨソで言わんとい亭」に出演してみるか。同じ事務所のダンディ坂野風の黄色いスーツで登場して「ゲッス!」とかましてみる。なりふりかまわず火に油を注ぐ芸風で。 ということで、なんとなくベッキーを応援してみたつもりだが、正直ベッキーの去就に関心はあまりない。サンミュージックという不運でうっかりな事務所を心の底から気の毒に思うだけ。そうか、私が思いを寄せるのはベッキーでも、ゲスでも、ゲス嫁でもなく、サンミュージックだったのだ。 強大な権力をもつ事務所と、そうでない事務所のタレントに対するテレビ局の扱いの差にはウンザリする。事務所格差による偏向報道には、新年早々ウンザリだ。

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    ベッキーは本当にゲスな女なのか

    に立たされている。ロックバンド「ゲスの極み乙女。」のボーカルとの不倫騒動は「自業自得」とはいえ、このスキャンダルはどこまで尾を引くのか。彼女のバッシングはもう見飽きた感もするので、ここではあえてベッキーを擁護してみました(笑)。

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    良い子の代表「スキャンダル処女」ベッキーを無責任に擁護する

    キーの不倫騒動。多数のCMキャラクターを務め業界の内外で評判が高い「良い子」の代表的存在が「不倫」でスキャンダルデビューしてしまったことは世間でも業界内でも話題騒然となった。 ベッキーが良い子というのは、共演者や友人と称する芸能人仲間のコメントで良く分かると同時に「(ベッキーは悪くないという)擁護」の嵐も半端ない状況になったが、その反面これまで「ベッキー可哀想」という意見だった世間が反撃に出てきて、ますますイメージダウンのベッキーである。 つまり、事が不倫なだけに、どちらか一方が悪いという根本的な解釈があり得ないということに気が付いた。「ベッキーは良い子だから悪くない」というのは非常に可笑しい馬鹿丸出しな意見であり、不倫とはいえ立派な「不法行為」。不貞を犯した罪は罰も科せられる重大な行為に当たる。そこに当事者としていることに基本的に擁護は出来ないだろう。バンド「ゲスの極み乙女。」の川谷絵音とのスキャンダルについての会見で、一礼して会見場に入室するベッキー=東京・新宿区(撮影・山田俊介) 例えば「知らなかった」というのはよくある話。旦那さんがいる、奥さんがいるなんて知らなかった、騙されたというのならそれは可哀想だろう。18歳未満と知りながら「知らなかった」で捕まっている中年オヤジを誰も擁護はしないが、ベッキーは「知っている」わけで完全に後者と同様である。普通に捉えたら誰も擁護はしないし守りようがないだろう。 また良い子でキレイ、透明感バツグンのイメージでCMとバラエティーの女王にも等しい立場からのギャップだからこそマスコミもネタとして大きく扱い、ファンや世間も驚きを隠し切れなかったのだろうが、良い子は不倫しない訳ではなく、また「そう見えない子がそういうことをよくやっている」のが実情でもある。不倫はもとより援助交際、風俗、AVの素人女優といったところでも「そんなふうに見えない系」が主流である。いわゆる「ギャップ萌え」といった外観、性格的な嗜好というものは多少なりとも誰にもあるわけで、それもベッキーのようにイメージ先行型の見た目や振る舞いからは想像できないレベルだと余計に興味がわくというものだ。 そんなキャラ感を持つベッキーだからこそ誠意ある対処と対応も望まれたところだが、これにも大きく裏切られた印象は残る。釈明会見にせよ、平然と活動を続けるにせよ、被害者から見たらますます許せない事情が重なってきてしまう。そう、「被害者」がいるということに焦点が移行して現在は責められる立場に追われている始末だ。 良い子というギャップと良い子過ぎることからの擁護がすべて仇となって返ってくる一方で被害者だって黙ってはいない。裁判沙汰にでもなれば慰謝料だって払わなければならない立場がベッキーであることは承知すべきだろう。擁護されればされるだけ悪女になっていく 多くの芸能人が中途半端に擁護する中で、俳優の坂上忍くんの意見だけが最も妥当でマトモではないか。「身内(芸能人・仲間)が擁護するのはいかがなものかと思う」「被害者である川谷の奥さん」と言い放ち、「擁護できない」意見を発するも、ベッキー個人の良さは認めている。前出しているが、「良い子は悪くない」という、非常識で低レベルな意見のキャッチボールをテレビ番組で公開するのもどうかと思うところだ。 ベッキーからすれば恋愛の相手にたまたま奥さんがいただけで、正攻法に「卒業(離婚)」を待っている姿勢だったのかもしれないが、乙女としての行動はそうではなかった。かなりの勇み足もあり感情的にも大きく土俵を割ってしまっていることから反省すべき点も多々あろうというものだが、それでもやめられない情事(連絡を取り合うなど)の継続を願うなら、芸能人を辞める覚悟を持ったほうが良いでしょう。 事は単なる不倫かもしれないが、それが原因でもっと大きな事件に発展する恐れがあることを理解する必要もあるでしょう。夫の裏切り、愛人への憎悪を苦にして自殺ともなったら、その責任は尋常なく重くなる。芸能人どころか人間失格にも相当する世間からの罵声がうなるように浴びせられ、社会からの転落は免れない。そんなリスクを冒してまで好きならばそれはそれで立派ではあるが、傷つく人がいて迷惑を被る関係者も多いなか「良いお友達」で片づけようというのはムシが良すぎるだろう。 もっとも最悪なのは「川谷絵音」で間違いないが、矢面に立たされているベッキーはその印象から「被害者」にも見受けられることが擁護される理由になりつつある反面、したかかさも垣間見られる姿勢に、世論を請け負う女性たちに批判が広がっている。 大体からして「いいお友達」ならあんな会見を開く必要もないだろう。不倫とは違うという釈明に終始し「会見で話したことがすべてです」という所属事務所のサンミュージックの対応もやはり弱いし、良い子を貫こうというイメージ命のベッキーを擁護するお友達タレントも多いが、擁護されればされるだけ悪女になっていく印象は止められないという実態が彼女自身を陥れていることに気が付かないのか。 好感度ナンバーワンのCM女王がまさかの「不倫」で商品価値を自ら破壊した事実は変わらないが、彼女自身の価値観まで変わるものでもなければ「好きなら好き」でそれは致し方ない。今後も「卒論」と「卒業」をじっと待っている乙女でいるのかどうか。興味があるのは、川谷が相応の慰謝料を積んで円満的に別れられたのち、ベッキーはどうするのか!?というところだろう。成就させるのか、はたまた「二度と会いません」で突き通すのか、そこはまた別のドラマがありそうだ。

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    それでも不倫疑惑タレントを「抹殺」してはいけない

    後藤和也(産業カウンセラー・キャリアコンサルタント) 芸能界ではスクープが相次いでいる。特に、好感度抜群とされた女性タレントのベッキーさんの不倫疑惑をめぐるニュースは、連日さまざまな報道がなされている。今回の騒動とは? 筆者はベッキーさんと不倫相手とされる男性ミュージシャン(以下、「男性」)のファンでもアンチでもない。ベッキーさんについては「あぁ、テレビによく出ているのねえ」という程度の認識であり、男性側に至っては今回の報道で初めて存じ上げた次第だ。言い方は悪いが、両者にそんなに関心はない、ということを冒頭にて明確にしておきたい。また、筆者は当事者間に不倫関係があったかどうかは断定できる立場にないことも申し添える。 年明け早々に週刊誌が報じた内容によれば、ベッキーさんが妻子ある男性と不倫をしていることが、男性のLINEが盗み見られたことから発覚したという。報道によれば正月に、二人で男性の実家を訪問するなど、深い仲であるという。 その後のベッキーさんらに対するバッシングの嵐は言わずもがなだ。特にCMや出演番組を多数抱えるベッキーさんに対しては、スポンサーが損害賠償請求やCM降板を検討しているなど、多くのネガティブな報道がなされた。先日開いた謝罪会見も、記者からの質問が許可されなかったなどの内容に、逆に批判の声が多く寄せられる結果となっている。看過できない報道について 先に述べたとおり、今回の一連の騒動について特段の興味もなかったのだが、先日のある報道が気になった。以下の内容だ。 タレントのベッキー(31)が、ロックバンド「ゲスの極み乙女。」のボーカル川谷絵音(えのん、27)との不倫疑惑騒動で10日で約4キロ痩せたことが16日、分かった。(中略) 関係者によると、1月4日に川谷の長崎県の実家を訪れ、出てきたところを週刊文春の記者に直撃されてから「軽はずみなことをしてしまった」と食事が喉を通らない状態が続いているという。知人によると、今回の騒動で、出演するCMの一部が差し替えられるなどの影響が出てしまったことで、ベッキーはなかなか寝付けず、食欲がない日々が続いている。「ベッキー 10日で4キロ減 騒動で食事喉通らず寝付けず 仕事以外は自主謹慎」スポニチアネックス 1月17日(日)5時32分配信(ヤフーニュース) 寝付けず食欲がない、ひきこもりがちなど、心の病の兆候ともいえる状態にあるという報道だ。ベッキーさんといえば「いつも前向き、元気な清純派」なタレントであり、今までゴシップとも無縁であった。「むしろできすぎ」という声もあったほどだといい、その反動からか、ネット上でも辛辣なコメントが目立つ。無論、仮に不倫という事実があったとすれば、倫理的な行為とは言えず、男性の妻は第一の被害者と言え、スポンサーなどの関係者にも損害を与えたというロジックは成立するだろう。ファンの信頼を傷つけた、という見方もできるのかもしれない(筆者はファンというものはある種の強烈な片思いのようなものであると考えるので、「信頼を傷つけられた」と逆上するのもなんだかなあと思わなくもないが)。 以上の報道やバッシングを傍観しながら、ある事件を思い出した。STAP細胞を巡る笹井教授の自殺事件だ。STAP細胞騒動とベッキー疑惑の類似点STAP細胞騒動と本件の類似点について まだ記憶に新しいSTAP細胞を巡る事件。小保方さんの指導者役として記者発表を仕切っていたのが笹井教授であった。ご存知のようにSTAP細胞論文の信頼性について疑義が生じてからは、それまでの「ノーベル賞級の偉業」という評価が一転し、小保方さんと不適切な関係があったのではないかという趣旨の報道が数多くなされた。 その後、笹井教授は自殺という選択をしてしまう。死後、関係者の証言により、笹井教授と普通のコミュニケーションがとりづらい状況にあったということ等、騒動のさなかに、心の病に急速に蝕まれていったと思われる事実が判明した。死後は、笹井教授の功績を称え、その早すぎる死を悼む報道が主となり、不適切な関係を糾弾する内容がフェードアウトしたのが非常に印象的であった。 無論、本件とSTAP細胞の騒動では内容も質も異なる。ただし、これまで賞賛の対象でありマスコミによって持ち上げられていた対象が、ある瞬間にまさに手のひらを返されるようにどん底に叩き落されるという過程や、当事者とは言えない不特定多数の者から人格攻撃のような辛辣な非難がなされることは酷似しているのではないか。おわりに 無論筆者は、不倫という行為があるとすれば、それを肯定するつもりは毛頭ない。不倫は文化だともいうつもりもないし思ってもいない。従来からのファンでもない、むしろアンチのような人たちや、今回の報道で初めて存在を知ったような人たちがヒステリックに自身の正義感から罵詈雑言を浴びせる姿に、ある種の危険性を感じるから、拙稿にて問いかけるのである。 我々の発する言葉は、時として鋭い矢のように相手の心身に突き刺さることがある。その結果、相手が死を選ぶということもある。我々はそれでも、相手に対し非難を続けるべきだろうか。相手を抹殺しなければならないほど、その相手と自分の関係性は深いのだろうか。どれほどの利害関係にあるのか。 本件が仮に事実とするならば、好感度を商売の手段としているベッキーさんらは、なんらかの責任を負うことになるだろう。暫くの間となるかもしれないが、「芸能界から抹殺」されるのかもしれない。ただしかし、「この世から抹殺」等ということは、仮に当事者だったとしても、現法令下では決して許されるものではないという当たり前のことを、我々は再認識すべきではないのだろうか。 「常に笑顔で、前向きに頑張っていました。勇気をもらいました」等と、死後に功績を称賛したところで、何らの意味もないのである。【参考記事】■「年も明けたし、何か資格を取ろう!」と思ったあなたに伝えたいこと (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)http://sharescafe.net/47304400-20151223.html■「未達成感」が育児ストレスを増大させるのでは。 (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)http://sharescafe.net/47075444-20151202.html■元猿岩石芸人から学ぶべきスキルとは (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)http://sharescafe.net/46884848-20151113.html■「俺、メンタル的にヤバいかも・・・」と思ったら。 (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)http://sharescafe.net/46714386-20151027.html■山本耕史流アプローチがストーカーとならない理由。 (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)http://sharescafe.net/46042230-20150825.html

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    ベッキーの「一方的ウソつき記者会見」は最悪の対応

    長谷川豊(フリーアナウンサー) まぁ結局こうなってしまうだろうなぁ…というベッキーさんの話。文春さん、相変わらずと言うかさすがと言うか…。新春一発目に、各スポーツ紙がウソ記事と飛ばし記事を書きまくって芸能マスコミの信用度を一気に低下させているなか、メガトン級の一撃。 個人的には「ゲスの極み乙女。」というバンドさん自体全く知らなかったですし、未だに「世界の終わり(←?)」との違いが分からないし…どうでもいいんですが、気になったのがあの「会見」です。 サンミュージックさん…ユカイさんもいて知らない仲じゃあるまいし、一言くらい聞いてくれればいいのに…。あの対応…ダメの見本ですよ…(涙)。リスク管理は一歩、間違えれば大ダメージとなる時代 近年「リスク管理」「リスク対応」が大きなテーマになることが多くなりました。それは「今までのネットがない時代の常識」がことごとく通用しなくなってきており、一歩間違えれば大損害に発展する可能性を秘めているからです。半年ぶりに店頭に並んだ「ペヤングソースやきそば」=2015年6月8日、東京都千代田区(寺河内美奈撮影) 多く取り上げられるのが「ペヤング」と「マクドナルド」の例です。2014年12月2日。まるか食品の『ペヤング』の異物混入が発覚。2015年1月3日日本マクドナルド・三沢店で『チキンナゲット』の異物混入が発覚しました。 この両者は、およそ1年前、わずか1か月差で起きた同様の「異物混入騒動」としてメディアでも繰り返し大きく報道されました。 発覚直後はまるか食品・日本マクドナルドともに「製造過程で混入は考えられない」と発表。まぁ、その通りだったのでしょう。私もその通りだと思います。今でも、この程度、彼らの提供する安い金額を考えれば、織り込み済みのことと捉える方が常識の範囲のはずです。 しかし、2014年12月4日、まるか食品は「可能性がゼロとは言いきれない」と同一ラインで製造した約5万個を自主回収することを発表します。対するマクドナルドはどうだったのか? 2015年1月8日の記者会見までに4件の異物混入事故が会社側に届けられていたにもかかわらず、公開せずにいたばかりか、その後も、問題商品の販売は自粛したものの、問題店舗においても休業することなく販売を続行したのでした。 その後の両社に対する日本国民の視線はもうご存知の通りです。ペヤングは復活を心待ちにされ、多くのファンに支えられ、マクドナルドは過去最悪クラスの決算をたたき出すこととなりました。私自身の体験から私自身の体験から ネットが普及してしまい、今までのように「写真週刊誌とテレビだけを押さえておけば勝手に国民は【バカだから】忘れてしまう」という時代はとうの昔に過ぎ去っています。今はリスクに対して『正しい対応』をしなかった場合、致命傷を受ける可能性のある時代です。古い芸能界の事務所には、まだそれを理解していない事務所がわずかですが残っています。 私事になりますが、私自身、過去に情けない事態を引き起こし、マスメディアに大きく取り上げられたことがありました。その大半は事実と反するものでしたが、ニュースでも全局で報じられました。 しかし現在、私はありがたいことに多くのテレビレギュラーだけでなく、月に30本近いコラム連載の仕事を頂き、大変充実した毎日を送らせてもらっています。今の私がいるのも、あの時の『対応』でミスをしなかったためと考えています。 当時の私が、マスメディア対応で絶対に「これだけは貫こう!」と決めていたのが実は2点だけです。1、格好悪くてもいいので、評判を下げてもいいので「ウソだけは付かない」こと。2、取材やインタビューは一つたりとも「断らない」こと この2点、私は現在における多くの「リスク」に対応するための、最も大切なファクターではないかと考えています 私は、一切の隠し事をしないように、5万文字にわたるブログ文章と12万文字を超える本を出版し、丁寧な説明を心掛けました。出来るだけ客観的にも事実であることが分かるように、当時交わした証拠となるメールの文章も、全文載せるようにしました。 また、今まで40件以上に及ぶ、当時の案件に対する取材依頼を受けましたが、その全てに相手の質問が尽きるまで対応をしてまいりました。丁寧に説明すれば、ほとんどの記者の方々はご理解してくださいました。 さて、しかし今回のベッキーさんの会見はその視点から見ると、少々彼女の今後に対して心配なものだったと言わざるを得ない気がします。 彼女の会見の特徴は2点です。1、会見をする、と言って取材陣を集めておきながら、一切の質問を許さなかったこと。2、「世間は誤解している」・「お付き合いはしていない」と発言したこと ベッキーさん、いや、ベッキーさんの事務所であるサンミュージックさんは、長らく日本の芸能界を支えてきた歴史と伝統ある芸能プロの一つです。なので、理解できなくもないのですが、どうか分かっていただきたい。 もう、そんな時代ではないのですよ。ボタン一つで、スマホの画面はキャプチャーができる。到底言い逃れできない『圧倒的な証拠』があるからこそ文春さんは「新春スクープ」に選んでいるのです。 裏事情を一つだけ言っておくと、そもそもこの話は、もっと以前からリークされています。しかし「せっかくのデカいタマなので…」と言うことで新春の一発目スクープになるように先延ばしにしていたのです。もちろん、新春号にすれば、「ベッキーの不倫相手はあの『紅白出場歌手』」とタイトルを打てるのも魅力だったことでしょう。それだけ時間をかけて取材をし、あれだけの証拠を突きつけられてなお… 見苦しいウソは絶対にやめた方がいいのです。 週刊文春さんに載せられたあの写真、あのラインのやり取り。あれで本当に男女の仲でなかったのであれば、逆に驚きです。男女の仲でなく、ホテルで朝まで過ごして「離婚が成立したら(文中では「卒論」と表現)いっぱいわがまま聞いてもらおうっと」とか言ってるのであれば、一度病院にかかられた方がいい。 そんなわけないのです。ベッキーさんは何とかという歌手グループのボーカルと男女の仲になったのです。一部スポーツ紙が「ベッキーは最初、妻子持ちと知らなかったようだ」と報じていました。あのスポーツ紙は芸能事務所の情報をそのまま書くことでよく知られるスポーツ紙です。要は、少しでもダメージを減らそうと、そのスポーツ紙に記事を書いてもらったというのが裏事情でしょう。全部裏目です。一番ダメな対応です。 文春さんは適当な記事なんてほとんど書きません。相手が大手の事務所であればなおさらです。私のくだらない記事が世間を席巻したときでも、奈良県にある私の実家にまで取材に来て下さり、「ハセガワの父親は『息子は絶対にそんなことをしていないと言っている』と語った」と記事にしてくださったのは、文春さんだけでした。足を使い、汗をかく。取材の基本を分かっている記者さんたちが集う週刊誌です。なので、ここまで他誌を圧倒的する部数を記録しているのです。質問には答え、ウソは付かないべきだった マスメディアを集めたにもかかわらず、なぜあんな『100%ばれるウソ』をつかせたのか? わざわざ記者に集まってもらったにもかかわらず、なぜ質疑を受け付けなかったのか? あそこでは全てをさらけ出すべきだったと思います。これは私の個人的予測ということで読んでいただきたいのですが…まぁ、ほとんどの日本人が同じように感じているんでしょうけど…・結婚の事実を隠したままで口説かれる      ↓・ある程度親密になった段階で結婚してたことを打ち明けられる      ↓・でも、離婚をちらつかせられて交際をズルズル続ける      ↓・男は誠意を見せるためになどと言って実家などに連れていき、さらに交際を続ける ってとこでしょ?どうせ。まさにリアルゲス。 こういうことって、結局、今の時代は全部筒抜けになっちゃうんです。ラインのやり取りまで出されたらしょうがないんですって。そこは昔と全然違うところです。逆に、徹底的に謝った方が絶対にいい。そして、芸能リポーターの皆さん方に、泣かされるまで厳しい質問を浴びまくって、最後までそれに答えるべきでした。なぜ、その方がいいかと言うと、まず、芸能リポーターの質問は必要以上に厳しいことも多いので…「芸能人に同情が集まるときが多い」からというのと、もう一点はそうしないと「傲慢に見える」からです。 「なんだよ?わざわざ取材にいったのに、質問にも答えないのかよ」って言われる可能性が出てきてしまいます。 時すでに遅しで、結局、昨日も今日も、ワイドショーと言うワイドショーは久しぶりにいいエサを与えられた感じで、大喜びでこすりまくっています。北朝鮮であんなことになったにもかかわらず、何十分時間を割いてんだか。 今回の件、ベッキーさんは相当のダメージです。でも彼女はいい子です。私も2度ほど仕事を一緒にしていますが。今後が心配です。 むしろ、深刻なのは相手のゲスのなんとかというバンドの方。ベッキーさんはナベプロさんやジャニーズさん、バーニングさんなど、大手芸能事務所のお偉方にも高評価で知られるタレントさん。その子にこういうミソをつけて、平気でいられる世界じゃあない。厳しいことを言いますが、もうアウトじゃないかな。しばらくは。ま、自業自得か。(公式ブログ「本気論 本音論」より2016年1月8日分を転載)

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    文春無双!週刊文春がスクープ連発する3つの理由

    を拒否されているのです。 従って、週刊文春に代表される出版系週刊誌は、権力に迎合することなく政治家のスキャンダルをすっぱ抜くことに、なんの躊躇もなく、実践していくことができます。 特に週刊文春の発行元の文藝春秋は、その長い歴史の中で、保守系ではありながら、ときの権力者に対して絶えず厳しく対峙することをモットーとしてきております。 1974年10月9日に発売された雑誌『文藝春秋』11月号で田中角栄に関する特集が組まれました。立花隆の「田中角栄研究―その金脈と人脈」は1969年から1970年にかけて田中ファミリー企業群が信濃川河川敷における約4億円で買収した土地が直後に建設省の工事によって時価数百億円となった信濃川河川敷問題等の資産形成を暴きます。 やがてロッキード事件として田中逮捕へとつながるこの歴史的スクープも文藝春秋がもたらしたのでした。・・・ 今回は、独自スクープ連発&独り勝ち状態、まさに『文春無双』状態の理由について、当ブログなりに掘り下げてみました。本エントリーが読者の参考になれば幸いです。

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    「ゲス」は自分に絶対の自信を持ちありのままに生きる人物

     1月5日夜、ベッキー(31才)が記者会見を開き激震が走った、ゲスの極み乙女。のボーカル川谷絵音(27才)との不倫騒動。“優等生キャラ”でベッキーは、芸能界屈指の好感度タレントだったわけだが、こうなると彼女のこれまでの好感度とは何だったのかと疑問が湧く。 そもそもタレントにおける好感度は、そのキャラが一般に支持されているかどうかの指標。だが、そうした指標も時代とともに変わりつつあると、心理カウンセラーの心屋仁之助さんは言う。 「一昔前までは頑張ることや我慢することが美徳とされてきましたが、それによりうつになる人が増えたりもして、時代には合わなくなってきた。今こそ、その精神的な縛りから解放される時。誰がなんといおうと、“自分の人生を、自分のために歩く”ゆるぎない自信が評価されるんです」 指標が変われば、生き方も変わる。『ゲスな女が、愛される。』(廣済堂出版刊)の著書もある心屋さんはシンデレラを引き合いに、女性たちには、“ゲスデレラ”をめざしてほしいと語る。 「舞踏会の当日に、1日では到底終わらないような仕事を押し付けられても、いじわるな姉たちにドレスを破られても、魔法使いだ、ネズミだと、あらゆる力を総動員して舞踏会へ出かけるあのガッツ。しかも躊躇なく、王子様と踊ってしまうのです。なぜって、シンデレラは王子様に見初められる自信があったから。『私はかわいい』と確信していたからです」 極めつきは、12時の魔法が解ける瞬間にガラスの靴を置いてシンデレラが去っていく、有名なシーン。「もちろん王子様が自分を捜しに来ると確信していてのこと。案の定、王子様は靴を手に国中を捜し回ります。そして靴を履こうとしても入らない姉たちを尻目に、『あ、それ私でした!』とシレッと出てきて一発逆転。ボロ服を着せられてこき使われようと、自分はプリンセスになれると疑わない。なんて厚かましいんでしょう(笑い)。でもだからこそ、彼女はがっつり幸せをつかんだ」(心屋さん) この世の中は厚かましくて、ナンボ。「劣っているから愛されない」なんて縮こまった考え方を捨てて、ありのままの自分でいることが、今の時代に愛される必須条件なのだという。 「私が考える“ゲス”とはつまり、自分に絶対の自信を持って、ありのままの姿で生きること。“私だから大丈夫!”と信じ、どんな姿を曝け出そうとも自信が揺るがない人です」(心屋さん)

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    FIFA汚職 02年W杯共催の日本も捜査対象となる可能性

     あまりにも早い退場劇だった。FIFA(国際サッカー連盟)のゼップ・ブラッター会長が5選を果たした会長選(5月29日)の4日後、辞意を表明した。電撃辞任の背景は、もちろん米司法省により現職の副会長2人を含む複数のFIFA幹部が逮捕、起訴された汚職事件である。 W杯開催地の誘致やスポンサー権を巡り、幹部たちが受け取った賄賂の総額は1億5000万ドル(約185億円)以上。捜査の手は既にブラッター会長にも及んでいるといわれる。サッカー誌の記者が語る。 「17年の長期政権だっただけに、どこまで過去に遡って捜査が進められるのか注目されている。2002年にW杯を韓国と共同開催した日本も捜査対象となることは十分考えられる」 ところが、日本サッカー協会から危機感はまったく感じられない。協会関係者はこう嘆く。2002年サッカーW杯の決勝戦前に行われたセレモニー=2002年6月30日、横浜国際総合競技場(撮影・江角和宏) 「小倉さん(純二・日本サッカー協会名誉会長)は、自分がFIFAの理事だった2002年W杯では汚職の余地はなかったと会見でいいましたが、韓国がわんさか金をバラ撒いて共催にこぎつけたという噂は当時からある。日本もFIFAの視察団に対して、真珠など100万円以上のお土産を贈るなどしています。 これだけ大きな問題になっているのに、『悲しい』とか『早く正常なFIFAに戻ってほしい』などと他人事のようにいう気が知れない」 今回の会長選で日本はブラッター支持を投票前から明らかにしていた。 「ブラッター氏には会長選の前から汚職事件に関与しているという疑惑があり、大仁(邦彌)会長もそのことは承知していたはず。それでも票を投じたのであれば、投票した自らの責任についてきちんと説明すべきではないでしょうか」(前出の記者) ブラジルW杯の惨敗も、アギーレ監督の解任も、その責任問題には背を向けてきたサッカー協会。今回も知らぬ存ぜぬで通すつもりだろうか。関連記事■ 3年前のアギーレ氏疑惑把握しなかった協会を釜本邦茂氏批判■ 大韓サッカー協会HP「サッカーの起源は朝鮮半島」で抗議殺到■ 【日韓比較・スポーツ編】メダル数、歴代メジャーリーガー数他■ 佐々木則夫監督 協会から澤抜きのなでしこ作れと期待される■ 元日本代表福西崇史が実体験踏まえ試合の観戦ポイント語る本

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    アングラマネーがアングラマネーを作った 最悪のFIFA贈収賄

    岡本裕明(Blue Tree Management 株式会社 代表取締役) ブラッター会長が5月29日の選挙で5選を果たしてわずか4日後の6月2日に辞任表明をしたことはFIFA(国際サッカー連盟)の透明性に大きな疑問を投げかけました。日本でも小さい子供は野球よりサッカーを選ぶ時代になり、サッカー競技人口は地球儀ベースでは2億7000万人(FIFA発表)と圧倒的であります。当然ながらそこに絡むお金の問題も起こりやすい状況にあったと思いますが、今回の問題は先行きが相当懸念されそうな気がします。 まず5月29日の選挙は27日にFIFA幹部14名が起訴された事態の中で行われた次期会長選でした。もしもこの選挙が公明正大なものであれば209票の行方はそれまでの趨勢のブラッター会長支持が揺らいでもおかしくありませんでした。事実、イギリス首相を含め、内外からその責任を問う声が上がっている中で結局対抗馬のヨルダン アリ王子に133対73と大差をつけて勝利しました。それを強力にサポートしたのは多くのアフリカ諸国と言われていますが、理由はブラジルでもアフリカの無名の小国でも一票は一票である仕組みがあるからでしょう。まさに一票の格差であります。FIFAの会長選挙で5選を果たしたブラッター会長=5月29日、チューリヒ(ゲッティ=共同) 事実、当選したその日のブラッター会長は喜びに浸っていたと報道されており、一方で反対票を投じた人に対して「I forgive but I do not forget.」という言葉を残しています。これは73票の流れた票についての怨嗟そのものでありますが、通常の選挙の結果ならばこのような言葉が出てくることはありません。個人的にはブラッター会長が側近の事務局長を通じて票を買収していたのに一部の票がそれに反してアリ氏に流れたという恨み節と見ています。 そのブラッター会長が事情聴収の対象になったことで一気に形勢が逆転、極めて早い幕引きとなりました。これも私の勘ですが今回のアメリカを中心とする捜査当局は選挙を予定通り実行させその証拠固めをする戦略だった気がします。事実、ブラッター会長を支持していたナイジェリア、ケニア、イラン、ギリシャなどは今、青くなっていると言われています。理由は会長選に伴う収賄でありましょうか。これではブラッター票を買い取るための資金がそれぞれの国に流れていたと類推したくなってしまいます。 ではもう一つの捜査、W杯や関連イベントなどの招致に関しての賄賂のルートであります。その疑惑は10年の南アフリカ、18年のロシア、22年のカタールが対象になっていますが、2014年のブラジルの名前がなぜないのかこれも不思議といえば不思議です。14人の起訴されたメンバーにはブラジル人も入っており、ブラジルの司法当局も捜査に乗り出していますから本件は泥沼と化す公算が高いのではないでしょうか? うち、最大の疑惑は22年のカタールで開催決定当時から不正疑惑が渦巻いていました。また、ロシアについてはプーチン大統領が「アメリカの常套手段で、自国の裁判権を他国に使っている」と息巻いていますが、ロシアもブラッター支持派でしたので何が飛び出すか、気になります。アメリカがロシア苛めをするならこれもチャンスかもしれません。 FIFAを中心とした贈収賄はアングラマネーがアングラマネーを作る最悪のシナリオに見えます。その上層部は腐りきっているともいえるでしょう。ブラッター会長の娘が「父はまじめでそんなことする人ではない」と声明を出していましたが、今となっては娘のボイスもむなしく聞こえてしまいます。 直接的に懸念があるのはブラッター会長がばら撒いたかもしれない票の買収資金がどの国のどのレベルまで渡っていたか、であります。当局がどこまで捜査する気なのか、あるいは影響力が大きすぎて問題をスルーさせるのかそのあたりも今後の注目ポイントとなりそうです。 いずれにせよ、多くのスポーツファンを失望させ、多くの世界の子供たちの夢であるサッカー選手がそのような組織体に影響を受けていたことは許されないでしょう。折しも当地ではFIFAの女子サッカーが間もなく始まるところでありますが、正直、あまり盛り上がっている感じはありません。女子サッカーとしては前回のドイツの80万枚を超える史上最高の150万枚のチケット販売を目標にしていますが、スタジアムベースでは75%程度の売れ行きで今や学生向け500円(5カナダドル)の安売りも一部で始めています。 疑惑を払しょくして明日に向かってボールを蹴ってもらいたいものです。(ブログ『外から見る日本、見られる日本人』(http://blog.livedoor.jp/fromvancouver/)より2015年6月5日分を転載)関連記事■ 「ニッポンの今」を象徴する大塚家具問題■ 岡田優介が見た日本のバスケ界 改革に選手の声は反映されるか■ 株式公開企業 創業者の振る舞いわきまえよ

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    FIFAは国連より大きい組織だ

    長谷川良(ウィーン在住ジャーナリスト) 汚職。賄賂、腐敗容疑で幹部たちが逮捕された国際サッカー連盟(FIFA)には現在、209カ国・地域のサッカー連盟が加盟している。加盟国数では193カ国の国連より16カ国多い。すなわち、FIFAは加盟国数では世界最大の国際機関ということになる。そのうえ、サッカーは世界で最も競技人口が多いスポーツだ。世界各地を網羅し、競技人口も多いサッカーのナショナル連盟を主管するFIFAの影響はそれだけ大きい。「FIFAは国連より大きい政治的影響力を持った組織だ」といわれる所以だ。2010年9月の国連総会。オバマ米大統領が演説中だ そのトップに16年間君臨してきたゼップ・ブラッター会長(79)への疑惑調査が水面下で進行中だ。国連でいえば、潘基文事務総長が汚職容疑をかけられている状況といえる。FIFAは組織の存続の危機に直面しているわけだ。 ここにきて5選したブラッター会長の逮捕は時間の問題とも言われ出してきた。なぜならば、米連邦捜査局(FBI)に逮捕されたFIFAの元幹部たちがFIFAの内部情報を漏らし始めているからだ。ブラッター会長は5選直後の記者会見では、「捜査は自分を対象としていない」と、自身の潔白さを誇示していたが、スイス警察はFBIの捜査に協力し、ブラッター会長周辺の動向を慎重に調べ出している。 常識的にみると、元幹部や現職幹部たちが汚職や賄賂で逮捕されたということは、組織のトップに君臨しているブラッター会長がそれらの汚職事件にまったく関与していなかったとは考えにくい。 前日のコラムでも指摘したが、ワールド・カップ(W杯)誘致では、大会候補国ばかりか、スポンサー、テレビ放送権まで巨額の資金が動く。その資金を管理するFIFA 幹部たちがその一部を自身の銀行口座に入れてきた疑いがあるわけだ。ブラッター会長は「自分は全ての幹部を掌握していない」と弁明しているが、ブラッター会長の暗黙の了承で賄賂が日常茶飯事に行われてきたと受け取られているのだ。 元幹部たちの逮捕事件が発覚した直後に実施されたFIFA会長選でブラッター会長が楽勝した背後について、「FIFA関係者が全て何らかの腐敗行為にタッチしていたから、誰もブラッター会長に強く反対できなかった。組織の保全と犯罪隠蔽の必要性もあって、ブラッター会長は楽勝できたわけだ」という声が聞かれる。FIFAはマフィアと同じ組織構造だというわけだ。 独週刊誌シュピーゲル最新号の表紙にはブラッター会長の写真が掲載され、「腐敗」というタイトルが付いている。FBIはFIFAの幹部たちの汚職、マネーロンダリング(不法資金の洗浄)などを組織犯罪と見なしている。 FIFAにとって命取りとなったのは、2018年のW杯でロシアを、22年のW杯をカタールで開催することを決定したことだ。決定直後から、「誘致には巨額の黒い金がFIFA関係者に流れた」といわれてきた。 FIFAがサッカーの競技人口も少なく、夏50度の灼熱のカタールでW杯大会を開催すると表明した時、世界のサッカーファンたちは一瞬、耳を疑ったはずだ。ひょっとしたら、クーラー完備の競技場が建設される、W杯の開催を夏ではなく、冬にする、といった類の情報も流れてきた。 ちなみに、W杯の不正招致の疑いに対し、ロシアは「誘致には疑惑などない。今回の茶番劇は、ロシアに圧力を行使しようとする米国の政治的動機に基づくものだ」と強く反発している。 FIFAは組織改革を実施しなければならない。第一弾は会長職の2選制限だ。ブラッター会長のように長期政権を許せば、汚職、賄賂、縁故主義といった腐敗が必ず生まれてくるからだ。また、巨額の資金が動くFIFAでは、財政専門家から構成された内部監査員が資金の動きを監視し、透明化する必要がある。 ファンの皆さんには申し訳ないが、世界最高のサッカー選手といわれるリオネル・メッシ選手(FCバルセロナ)を取り巻く関係者にもマネーロンダリングと詐欺容疑が浮かび上がっている。FIFA関係者だけではなく、スター選手周辺にもさまざまな腐敗容疑が浮かび上がっているのだ。 FIFAもサッカー選手もフェアプレー精神を取り戻してほしい。ランス・アームストロング選手らスター選手のドーピング事件の発覚で信頼を完全に失った自転車競技、特にツール・ド・フランスの衰退は決して他人事ではないのだ。(ブログ「ウィーン発 『コンフィデンシャル』」より)関連記事■ 改革へ豪腕振るう川淵C 現場には困惑も■ 澤穂希を解き明かす4つのキーワード■ 韓国人はドイツ人を全く知らない

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    FIFA汚職の裏側とアングラマネーの闇

    の腐敗と汚職は、1990年代からマスメディアによって批判されてきた。2012年、FIFAを巡る贈収賄スキャンダルが暴露された。この時は、ブラッター氏の恩師であるジョアン・アベランジェ・FIFA前会長(ブラジル人)と2人の幹部がFIFAから追放されている。この時は、メディア放映権を管理するスポーツ・マーケティング会社ISLに絡んだ贈収賄事件であった。アベランジェ氏はワールドカップの放映権を高額で売る事により、巨額の資金を捻出する事に成功した。現会長のブラッター氏は、このアベランジェ会長の側近としてFIFA内での実力を養ってきた人物である。FIFAの倫理委員会は2013年にISLが1992年から2000年までFIFA幹部に巨額の幹部を送っていたとする報告書を発表した。しかし、このスキャンダルでFIFAの金権体質を完全に抉りだす事は出来ず、寧ろ問題の大部分は隠蔽されたままとなった。 注目すべきは2013年にアメリカの圧力を受けて、スイスの金融界は銀行口座の秘密主義の原則を完全に方向転換せざるを得なくなっていたという事実だ。それ以降、スイスは国内法を改め、外国の捜査当局や税務当局に外国人や外国企業の口座情報を開示するように革命的な方向転換を成し遂げてきた。こういったスイスやアメリカを巡るアングラマネー追及の動きが、今回のFIFA汚職摘発に大いに役立った事は疑いがない。2012年にできなかったFIFA汚職の徹底追及が2015年の現在、行なえるようになったのは、まさにこのような法的・制度的な改革が行なわれたからである。その改革は、アメリカを中心とするアングラマネーとタックスヘイブンを根絶する戦いの大きな成果の1つであった。 5月29日にはFIFA会長選挙が行なわれる事になっていた。その為に、FIFAの最高幹部の多くは、チューリッヒの高級ホテル「ボーオーラック」に宿泊していた。米FBIの担当者は、その前の週からスイス警察当局の綿密な連絡を取り、5月26日から27日にかけて、容疑者の動向を継続的に監視したうえで、5月27日午前6時、スイス警察がこのホテルに踏み込んで、容疑者らの身柄を拘束した。 5月27日、リンチ米司法長官は、記者会見を行ない「(ワールドカップを)どこで開催するのか、誰が試合を中継し、誰が運営するのか。それは全て賄賂で決まっていた」と断言した。実はFBIとIRSの協力によるFIFA汚職の捜査は、かなり長期にわたって継続していた。そして、この案件でのブレークスルーとなったのが、2011年に、FIFA実行委員会の米国人メンバーであるチャールズ・ブレイザー氏をFIFA内部情報の提供者としたことだ。ブレイザー氏は、北中米からカリブ海サッカー連盟の事務局長を1990年から2011年まで勤めていたが、当局により、脱税の事実を把握されていた。2011年にブレイザー氏は司法取引を行ない、FIFAの内部情報の提供に合意していたのである。ブレイザー氏の場合、本来なら最大で合計100年の刑となるが、覆面捜査に協力した為に、この司法取引により、脱税資金洗浄による75年分の禁固刑を免れている。スイス政府のもう1つの決断 FIFA幹部が逮捕された5月27日、スイス政府は重大な決断を行なっている。スイス政府はEUとの間で、租税情報の自動交換協定に調印したのである。これによりスイスは、EU加盟各国に対して、2017年から口座情報を保存し、2018年から年1回、定期的に租税情報を交換する事になった。スイスは既に、口座情報の自動交換に関しては、経済協力開発機構(OECD)の加盟国とは既に交換協定を結んでおり、2016年から自動交換を開始する。 さて、ヨーロッパ大陸内には、スイスの他にもタックスヘイブンが存在してきた。それはアンドラ、サンマリノ、モナコ、リヒテンシュタインなどの小国である。ところがEUは、スイスと調印したのと同様の租税情報交換協定を、これらの国々と2015年年末までに調印する予定になっている。5月27日のEUスイス間の租税情報自動交換協定の調印は、勿論、FIFA幹部の逮捕とは直接には関係しているわけではないが、如何にも象徴的な事件であったと言える。 FIFAはそもそも、スイスの非営利団体として設立されている。この団体がスイスの銀行口座の秘密主義を十分に利用して、その腐敗構造を拡大してきた事は想像に難くない。最早、FIFAの不透明な金融取引を守るスイスの銀行秘密主義という暗黒の盾は完全に崩壊してしまったのである。 ちなみに米司法省は、現地司法当局の協力を得て、外国で容疑者逮捕を行なう場合がある。例えば、2015年4月には米司法省はロンドンを拠点とするトレーダーのナビンダー・サラオ容疑者を逮捕・起訴している。サラオ容疑者は2010年5月にダウ工業平均を数分の内に1000ドル以上、暴落させた所謂「フラッシュ・クラッシュ」の張本人と言われており、他の不正な金融市場操作の容疑ももたれている。この件では、米司法省は英国司法当局との協力で同氏を逮捕した。 米連邦捜査局(FBI)のコミー長官は「もし、アメリカ国内で汚職の謀議をしたり、アメリカの金融システムを使って腐敗資金の受け渡しを行なったりすれば、当局は決して見逃さない」と記者会見で言明した。ニューヨーク東部地区連邦地検が明らかにした起訴状によれば、FIFAは数10億ドルのカネをスイス大手金融機関にある自己の口座からその米国支店を経由し、賄賂の一部はJPモルガンチェースやシティバンクのニューヨーク店舗の口座に送金されていたとの事である。被告らが実際の賄賂の支払いについて話し合ったマイアミやニューヨークのクイーンズ地区での会合の詳細な内容も、この起訴状は明らかにしている。 5月29日に、5期連続で会長選挙に勝利したゼップ・ブラッターFIFA会長(79)が、6月2日にはこれらの事件の影響で辞任の意向を発表した。しかしそれ以降、ブラッター会長は辞任を撤回し、会長職にとどまる事をにおわせている。会長の側近筋は「アジアとアフリカからブラッター会長への支援のメッセージが多数届いている。納得できる後任候補が現れなければ続投を検討する」ともらしている。 一方、スイスの検事総長マイケル・ローバー氏は、2018年ロシアと2022年カタールのワールドカップ招致に関連し53件のマネーロンダリング疑惑があると発表している。マネーロンダリングに関しては今後、関連した金融機関自身が捜査の対象となる可能性がある。関連記事■ 岡田優介が見た日本のバスケ界 改革に選手の声は反映されるか■ 改革へ豪腕振るう川淵C 現場には困惑も■ 田中将大投手を襲ったケガの裏にあるもの

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    FIFA汚職スキャンダルは日本にどんな影響を及ぼすのか

    藤江直人(ノンフィクションライター)(『THE PAGE』提供) 未曾有の汚職スキャンダルに見舞われ、5選を果たしたばかりのジョセフ・ブラッター会長が辞任を表明する事態に揺れている国際サッカー連盟(FIFA)。後任会長を選ぶFIFA臨時総会は今年12月から来年3月までの間に開催される見通しとなっているが、騒動は収束する気配すら見せていない。 ヨーロッパ各国のメディアはここにきて、W杯の開催国を決める理事の投票で不正があったと次々に報じている。7日付けの英紙『サンデー・タイムス』は、2010年のW杯招致において開票と集計作業で不正が行われ、本来の開催国は南アフリカ共和国ではなくモロッコだったと大々的に報じた。 ブラッター会長が辞任を表明する前日の今月1日には、南ア政府から賄賂を受け取ったとして起訴されたFIFAのジャック・ワーナー元副会長へ送金手続きを行ったのが、ブラッター会長側近のジェローム・パルク事務局長であることが判明。自身にも捜査の手が及びかねない状況下に追い込まれたブラッター会長が、観念したのではという見方も強まっている。 親日派として知られる世界サッカー界の“ドン”が任期途中で表舞台から姿を消す緊急事態は、日本サッカー界にも決して小さくない影響を与えてきている。そのなかで喫緊の懸案事項となりそうなのが、日本も招致に手を挙げていた2022年のW杯となる。 FIFA理事による投票で中東カタールでの開催がすでに決まっている。しかし、7日付けのヨーロッパ各国のメディアは、2018年ロシア大会と2022年カタール大会に関して、FIFAの監査・コンプライアンス委員会のドメニコ・スカラ委員長のこんなコメントを報じている。「カタールとロシアが賄賂によってW杯開催の権利を得たという証拠が存在するのならば、招致が無効となる可能性もある」 ロシアとカタールのW杯開催権が剥奪される可能性に関して、FIFA幹部が言及したのはこれが初めてとなる。現時点で明確な証拠は出てきていないが、もしもカタールが“クロ”となれば、2022年大会の開催国に立候補し、事前のインスペクションでカタールよりも高い評価を得ていた日本やアメリカが候補となることが十分に考えられる。 2002年から2期9年にわたってFIFA理事を務めた日本サッカー協会(JFA)の小倉純二名誉会長は、9日午後に都内で行われた「日本サッカーリーグ発足50周年記念パーティー」後に、日本の再立候補に関してこう言及している。「いまのFIFAの状態だと、誰が何をしたのかがわからない。現時点では南アフリカ大会の話に戻っているし、もう少し時間が経過しないとはっきりしたことがわからない、というのが正直なところです。状況がはっきりして、もう一度(開催国を)決めるのかどうかとなった段階で、日本が手を挙げるかどうかという議論となる。現時点ではまだ早すぎるし、もう少し待っていただければと思う」 スイスの司法当局はすでに、広範囲に及ぶ腐敗の調査の一環として、ロシア、カタール両大会が招致された過程についての調査も開始していると言われる。アギーレ氏の日本代表監督解任問題で、会見を終えて頭を下げる日本サッカー協会・大仁会長=2月12日、東京・文京区の日本サッカー協会(撮影・山田俊介) 翻って日本は2019年にラグビーのW杯、2020年には東京五輪を開催し、さらには2023年にはサッカーの女子W杯を招致する構想がある。そうした状況を受けて、JFAの大仁邦彌会長は日本での代替開催について「国内事情も考えないといけない」と慎重な姿勢に終始している。 1998年にFIFA会長に就任したブラッター氏は、ジョアン・アベランジェ前会長から引き継いだ親日派派閥のもとで、JFAと良好な関係を築いてきた。小倉名誉会長も「僕らはいい関係で仕事をしてきた」と理事として活躍した9年間を振り返る。 2005年に復活したFIFAクラブW杯を日本に招致できたのは、その一環といっていい。今年と来年の日本開催はすでに決定しているが、2017年以降は新会長のもとで刷新される新体制の決定に委ねられる。 W杯におけるアジア枠に目を向ければ、2018年のロシア大会は現状維持の「4.5」となることが5月下旬のFIFA理事会で決定している。昨夏のブラジル大会で1勝もあげられず、日本を含めた4カ国すべてがグループリーグで姿を消していたアジアに対しては強烈な逆風が吹いていた。 アジアサッカー連盟(AFC)選出のFIFA理事に初当選したJFAの田嶋幸三副会長が、最初の仕事として「アジア枠の死守」を掲げていたほどだ。結果として現状維持となった背景は、サッカー不毛の地とされたアジアやアフリカを支援し続け、権力を増幅させてきたブラッター会長の大きな後ろ盾を抜きには語れないだろう。 すでに決定した事項が覆ることはまず考えられない。それでも、あまりに影響力が大きかったブラッター会長に対する反動として、腐敗体質を一掃するとの名目で前体制下における取り決めに見直しのメスが入る事態も決して否定できない。 すでに新会長には複数の人物が立候補を示唆している。先のFIFA会長選でブラッター氏に敗れたヨルダンのアリ王子が「準備はできている」と表明すれば、元ブラジル代表で日本代表監督も務めたジーコ氏も出馬を表明、前FIFA副会長の鄭夢準氏(韓国)も可能性を否定していない。 ヨーロッパサッカー連盟(UEFA)のミシェル・プラティニ会長、FIFA会長戦に出馬しながら直前で立候補を取り下げたルイス・フィーゴ氏の名前も取りざたされるなかで、小倉名誉会長は日本協会が立ち位置を明確にすることが重要だと力を込める。「日本サッカー界にとっては、次のFIFAがどのような内閣になるかが一番の問題。これからどのような人が立候補するのか、UEFAがどのような対応を取るのかはわからないけれども、田嶋副会長が理事としてFIFAの中に入っていることが何よりもメリットになりますよね。どのような状況になりそうなのかをよく見てもらって、日本協会として誰を次期会長として推薦し、あるいは支持するのかということを上手く決められるかどうかによって(状況は)変わってくると思う」 先のFIFA会長選では、投票直前になってオーストラリア協会がアリ王子支持を表明するなど、アジアは一枚岩になれなかった。そうした反省に立ち、田嶋理事は7月に開催されるAFC理事会でFIFA次期会長に関するアジアの意見を集約する方針を示している。ふじえ・なおと ノンフィクションライター。1964年、東京都生まれ。早大第一文学部卒。スポーツ新聞記者時代はサッカーを中心に、また米ニューヨーク駐在としてMLBを中心とするアメリカスポーツを幅広く取材。スポーツ雑誌編集などを経て07年に独立。関連記事■ 澤穂希の言葉からみる 彼女が第一線で輝き続ける理由■ 岡田優介が見た日本のバスケ界 改革に選手の声は反映されるか■ 改革へ豪腕振るう川淵C 現場には困惑も

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    FIFAの腐敗とアングラマネー

    世界に衝撃を与えた米司法省によるFIFA(国際サッカー連盟)の強制捜査から1カ月余り。腐敗にまみれたFIFAの体質が次々と明らかになり、ついにブラッター会長を辞任に追い込んだ。だが、捜査当局の真の狙いはFIFAではなく、背後にあるアングラマネーともいわれる。巨大利権の闇は暴かれるか。

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    だから上西小百合は嫌われる

    もうこの人を取り上げたくはなかったのですが、あれだけ世間を騒がしておきながら全く悪びれている様子もないようので、今回は一連の騒動で本性が明らかになった「上西小百合」という人物に焦点を当ててみました。

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    上西小百合氏のオラオラ系秘書 前上司とも“トラブル心中”歴

     維新の党最高顧問の橋下徹・大阪市長に「絶交宣言」され、党を除名されても、上西小百合・代議士には“強い味方”がいる。 上西氏が衆院本会議の仮病サボり疑惑と翌日の「ホワイトデーデート旅行」で取材記者に直撃されると、旅行の相手とされた家城大心・公設第一秘書が「オラァ」「ゴォルァ」と巻き舌で記者を恫喝。その様子がテレビで報じられると、「オラオラ系秘書」として家城氏が一気に話題になった。 上西氏の地元選挙区である大阪・吹田市の政界関係者がいう。 「神戸のお嬢様大学を出てる上西さんを、高校中退の家城秘書が引っ張るという不思議な関係や。支援者に対しても、“ウチの上西にやらせますから”という上から目線で、“まるで彼が議員で、上西さんが秘書のようや”と評判やった」記者会見を行う(右から)大阪維新の会の橋下徹代表、家城大心秘書、上西小百合議員=4月3日(寺口純平撮影) 家城氏は元々、吹田市の電機設備会社で、電気工事の資格を持つ技術者として働いていた。その会社が現吹田市長の井上哲也氏の有力後援企業だったという縁で、家城氏は政界と接点を持つことになる。 「井上さんが市議の頃から、家城さんは電気設備会社から派遣されて井上さんの選挙応援をやっとった。そこから運転手のような立場になり、井上さんが大阪府議になると私設秘書になった。井上さんによう気に入られて会計責任者も任せられ、一緒に地元回りをしているうちに人脈が広がっていった」(同前)  井上氏は2010年、大阪維新の会の結党に参加。2011年、飛ぶ鳥落とす勢いの維新人気で吹田市長に初当選した。だが翌2012年、秘書としても上り調子だった家城氏にトラブルが発覚する。  井上市長は吹田市庁舎の屋上に太陽光パネルを設置する工事を、家城氏が勤めていた有力後援企業に工費2250万円の随意契約で発注。市の規則では130万円以上の工事は入札が原則なので問題視され、井上氏は維新の会を離党し、党顧問の職も辞めた。その上、家城氏が後援企業の関連会社から毎月報酬を受け取っていたことが発覚し、2012年11月に秘書を解雇された。  だが、そんな逆境にも家城氏は負けなかった。  「翌月の衆院選では橋下ガールズの上西さんの陰の参謀として家城秘書が動いとった。上西さんは落下傘やから地盤がない。家城秘書はミソをつけとったけど地元で人脈と経験があったから、上西さんの橋下ガールズとしての話題性も活かしながら、うまく当選させた。2人が市内で手を繋いで歩いとるのが噂になったんは、その直後からやな」(同前)  そして、家城氏は“国会議員よりも偉い”といわれる立場を手に入れ、旅行では上西氏を実家に泊まらせるまでの関係になった。井上氏と上西氏、2人の「ボス」は橋下氏の怒りを買ってしまったが、「オラオラ系秘書」の成り上がり人生はまだ続くか。関連記事■ 殿方の扱い慣れた上西小百合議員 自らお酌とボディータッチ■ 名門小学校の入学式に篠原涼子、阿部慎之助、高橋克典ら出席■ 熱愛報道の小泉進次郎氏「女性と2人で会うな」と周囲から厳命■ スポンサーはTVタブー 過去に乱一世やみのもんた発言が波紋■ ジャズグラドル・みなみ鈴 現役早大生のIカップ爆裂ボディ

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    多くの批判を浴びた上西議員 失敗のオンパレードだった

    石川慶子(広報コンサルタント)3つの失敗~個人、政党、広報部~ この半年間に女性議員の謝罪が注目を浴びた。小渕優子、松島みどり、上西小百合、中川郁子、片山さつき。中でも注目を浴びたのが上西小百合議員だろう。なぜ、彼女は多くの批判を受けたのか。私は失敗に失敗を重ねたことだろうと分析している。 1度目の失敗は、大事な本会議を病気とはいえ休んだこと。新人議員ならここは這ってでもいくべきだろう。個人としての判断の失敗といえる。 2度目の失敗は、本会議を休んで遊んでいたという疑惑に対し、すぐに釈明の記者会見を開かなかったこと。ここは個人としての失敗でもあるが、どちらかというと維新の党の広報部がすぐに記者会見をするようアドバイスしなかった点では、橋下徹氏も認めているように政党としての判断の失敗である。 3度目は、遅ればせながら開いた釈明の記者会見で真摯に反省する態度を示せなかったこと。会見の中でありがちな失敗をことごとくしていることから、メディアトレーニングをせずに開いていると思われる。メディアトレーニングをしていない、あるいは知らないというのは、政党広報部の勉強不足による失敗である。釈明記者会見は失敗のオンパレード 釈明の記者会見は、危機管理の観点からするとダメージを最小限に抑え、信頼回復の第一歩とすべき要の位置づけである。この事態収束のための記者会見を失敗すると傷口は広がる。上西議員の釈明記者会見を見てあきれた人は多いだろう。明らかに傷口は広がった。何がどう悪かったのかを分析してみよう。ありがちな失敗のオンパレードであった。ここでは3つ指摘しておく。 一番悪かったのは髪型と服装だ。いつもと全く同じであり、何の反省も感じられない。いつもと同じように髪型はロング、スーツもシャネル風の派手な印象を与える、インナーも胸が開いていて本人が下を向くたびにいちいち気になる。この胸の開いたインナーに反発を感じ、イラッとした女性は多いのではないだろうか。国民は記者と違って事実関係は全くわからない。国民には、派手な外見を控え反省の気持ちをわかりやすく全身で訴えるしかない。 2つ目は、記者がなぜこんなに釈明会見が遅れたのか、という質問に対し、「自分はきちんと対応していたのに、一方的な記事を書かれた。街中で取り囲まれてひどいことをされた」と、いかにも自分がマスコミの被害者であるかのようなコメントをしてしまった。被害者意識を丸出しにしてしまう表現もありがちな失敗である。取材するのは記者の仕事である。議員が国民の税金を使ってきちんと仕事をしているかどうか監視する使命はある意味マスメディアに課せられたミッションともいえる。この一言で報道陣を敵に回すことになった。記者会見を行う上西小百合議員(左)と家城秘書=4月3日、大阪市中央区(寺口純平撮影) 3つ目は、会見中に何度も顔を緩めて笑みを見せていたこと。これは彼女だけでなく、多くの人が困った時には笑みを浮かべるという傾向がある。私はこれまで100名以上のメディアトレーニングを実施してきたが、多くの人は謝罪会見で笑みを浮かべてしまう。本人は全く無自覚だ。笑っているつもりは全くない。「笑ってました」と言っても「いや自分は笑っていない」と言い張る人は案外多い。そこで撮影した映像を見せて、該当シーンで映像を止めて「ほらここです」とここまではっきりと指摘しないと気づかない。自覚して練習することでようやく改善するのである。ことほどさように自分を客観視するのは難しい。全ての議員はクライシスコミュニケーションを学ぶべき では、どうすべきだったのか。最初の失敗は許されやすいが、2回、3回と失敗が重なると寛大な人でも忍耐袋は切れてしまう。そこで必要となるのがクライシスコミュニケーションの考え方だ。危機管理広報とも言われているが、危機発生時にダメージを最小限に抑えるために説明責任を果たす活動である。この説明に失敗するとダメージが広がり、対応のまずさが批判されることになる。 初動3原則として、私が勧めているのは「SPP」だ。Sはステークホルダー(利害関係者)。登場人物は誰で被害者は誰なのか。自分自身が被害者意識に陥らないために、被害者を意識することが大切。今回は上西議員に期待を寄せた国民が被害者である。 1つめのPはポリシー。誰に何をどう伝えるのか、記者会見か個別対応かといったマスコミ対応方針のことである。この場合は疑惑が発生した段階ですぐに記者会見をする方針を立てるべきであった。2つ目のPはポジションペーパーで、公式見解書のことである。事実関係を説明する文書で概要、経緯、原因や反省点、再発防止策、見解の5項目を基本とする。今回であれば、事実はどうなのか(本会議の日は何をしていたのか)、なぜ疑惑報道が生まれたのか、どこを反省すべきなのか、今後どうするのか、今はどう思っているのか、といったことを文書にする、あるいは説明をする。 何より記者会見の前には自分の映像を見て専門家からアドバイスを受けるべきであった。服装は、髪を束ねて顔をしっかりと見せ、ナチュラルメイクとし、紺のスーツ、白のインナーとして、派手さを消して反省の気持ちを全身で表現する。記者がどのような質問をしてきても、自分の至らなさを反省する、口元は引き締める。 言うは易く行うは難し。2度目、3度目の失敗は政党広報部がクライシスコミュニケーションの知識があれば、避けることができた失敗である。女性リーダーを育成するのであれば、女性ならではの視点でアドバイスできる体制を整えることも組織としての役割であろう。いしかわ・けいこ 広報コンサルタント、日本リスクマネジャー&コンサルタント協会理事。東京都出身。東京女子大卒。参議院事務局勤務後、劇場映画やテレビ制作に携わる。PR会社勤務を経て2003年独立。メディアリレーションズで20年以上、100プロジェクト以上の実績がある。現在は企業のブランディングや理念策定支援、危機管理広報、経営者のメディアトレーニング等のサービスを提供。全国紙でのコメント多数。有限会社シン取締役社長、公共コミュニケーション学会理事等。日本リスクマネジャー&コンサルタント協会にて外見リスクマネジメントプログラム提供中。http://ishikawakeiko.net/関連記事■ 「無理をした」議員と「無理をさせた」国民の悲劇■ 鳩山氏、菅氏、中川氏…政治家の自覚はないのか■ 最後まで寄りかかった橋下さんに「もてあまされていた」上西議員

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    薄っぺらくて気の毒な小百合の「勘違い万能感」

     中学生のとき、同級生にMという女子がいた。あまり賢い子ではなく、ちょいヤンキー風味でもあった。そんなMが2年上の先輩とねんごろになった。その先輩は不良グループの頭的存在で素行が悪く、校内でも恐れられていた(というか、頭が悪くて粗暴だった)。 Mはみるみる態度が横柄になり、先輩の取り巻き連中ともタメ口をきくようになっていった。まるで権力を握ったかのように、居丈高に振る舞い始めた。 よくよく話を聞いてみると、Mは先輩の彼女ではなく、いいように使われていたようだ。ホントかどうかは知らないが、不良グル―プの性的処理係だったとも噂されていた。あのときのMの「強い後ろ盾を得た万能感」はとても薄っぺらくて、なんだか気の毒だった。 そんなことを思い出させてくれたのが、上西小百合議員の一連の騒動である。 いや、もう、何がいちばんびっくりしたかと言えば、本人よりも秘書の恫喝シーン。関西テレビの直撃取材に対するあの言葉遣いだ。関テレが商店街で執拗に追いかけ回したという背景があったにしろ、なかなかの迫力で、咄嗟に出るようなものではなかった。さぞや日頃から駆使しているのだろうと思わせる、流暢な威嚇。元フォーリーブスの江木俊夫(増毛前バージョン)に似た風貌の秘書は、うっかりその素性を全国民に知らしめちゃったのである。会見時、彼が腕に巻いていた巨大な虎目石のブレスレットも「そのスジの人」という印象を強めた気もする。記者会見中、不満そうな表情を見せる上西小百合議員=4月3日、大阪市中央区(寺口純平撮影) 小百合も小百合だ(この際、敬称略で)。関テレの映像では、反社会組織も真っ青な秘書の立ち居振る舞いを当然の行為として受け流しただけでなく、自身もしれっと悪態をつく始末。 事の顛末は報道され尽くしているので、ここでは割愛する。画面に映った小百合から滲み出るモノをじっくり味わってみたい(今さらだけど)。 まず女性に大不評の「マスカラ盛り過ぎ&垂れ目演出アイメイク」だが、そこは正直どうでもいい。オンナ度盛り増しは個性のひとつだと私は受けとめている。 が、記者会見中の「キョトン顔」と「激しいまばたき」で会見場をぐるりと見渡すしぐさには、自己正当化しか見えてこなかった。「なんで私がこんなことしなきゃいけないのかわかんない」「私悪いことしてないもん!」と言わんばかり。 あれ、このしぐさ、なんだかどこかで見た光景……そういえば論文捏造騒動のあの人もこれだったような。 隣の橋下徹が言葉を発すると、ぶんむくれたようにうつむく。いや、そもそもがぶんむくれ顔なのかもしれないが、反省の色ナシと思われても仕方ない表情だ。 個人的に最も気になったのは小百合のマイク捌きである。隣の橋下にマイクを譲りたくないのか、真意はわからないが、マイクをやたらと自分の手元に置きたがっていた。「これは私の会見」という意志の表れか。 おそらく、小百合、実はとても不器用なのだろう。本当に狡猾な女はもう少しうまいことやる。涙のひとつでも見せ、アイラインが溶けた黒い涙流して、ひたすら謝り続け、悲劇のヒロインを装う。弁明の余地がない、覚醒剤使用で捕まった女だって涙で誤魔化すよ。 ところが、小百合は謝る前にがっつり自己弁護。表面上は、か弱さアピールの垂れ目メイクでも、あふれんばかりの自我・強気・負けん気(井脇ノブ子か?)。 不倫報道は誤報だったようだが、本会議サボリ疑惑&恫喝取材拒否はどうしようもない、小百合の非である。いくらタヌキ顔の女に甘いオジサンでも、それは許さないってやつよ。 にもかかわらず、小百合は自分が悪いと思っていない。「本会議欠席もウイルス性胃腸炎が理由」「取材拒否映像も関西テレビが威圧的だったから」「支援者や先輩議員に呼ばれれば体調不良でも酒席に行かざるをえない」……だから私は悪くない!!(小百合の代わりにまとめてみました) つまり、何がイケナイことなのか、問題の本質をまるでわかっていないところが問題なのである。この構図、セクハラ問題と同じね。 冒頭の同級生Mと同様、小百合もどこかで「強い後ろ盾を得た万能感」のようなものを内に育んでしまったのではないか。維新の党・橋下徹という後ろ盾は確かに強い。 3時間にわたる記者会見は謝罪と疑惑払拭どころか、国会議員としての資質のなさを露呈しただけ。 そもそも彼女の言葉遣いには違和感を覚えた。へりくだって「~させていただく」と連発する割に、根本的にはオラオラ系。「反省させていただきます」じゃなくて「反省いたします」だろ、とか「体調管理の不行き届きって、日本語が変」などツッコミどころも満載だが、一切反省していない本心バレバレだ。 記者会見の後日、日テレ「スッキリ!!」で阿部祐二リポーターが再度直撃していた(阿部さん、会見場でも視聴者目線のナイスな質問を投げた)。映像を観れば、小百合の心根も明らか。「記者会見を3時間もしたんですよ!!」「いつまでこれに付き合わないといけないんですかッ?!」と再びキレ気味。だーかーらー、小百合ってばちっともわかってないんだから!! 政治に疎い視聴者としては、今回、小百合に教えてもらったこともある。 議員秘書の業務内容には隠蔽の他、威嚇や恫喝もあり、多岐に渡る才能が必要だということ。 そして、小百合の勘違い万能感は、もしかしたら後ろ盾直伝で育ったものではないかということだ。関連記事■ 最後まで寄りかかった橋下さんに「もてあまされていた」上西議員■ 上西小百合さん、議員辞職を拒否ですか 責任は維新の会にある■ 上西小百合議員の旅行疑惑は論点をよく整理する必要がある

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    女として全て手に入れるならサユリ様の厚化粧の心が必要

     橋下ガールズの一人、浪速のエリカ様こと、厚化粧で有名な上西小百合衆院議員が、ホットにホップステップ大炎上しており、ドリル優子様案件よりも、個人的には心躍るような案件の気がし、にわかサユリストとなり、息子のウンコ片手にネットに張り付いております。 サユリ様は、一応衆院議員だそうでありますが、出社拒否気味、ズル休み大好きという、その辺のニートも真っ青の困ったお嬢様です。 体調不良で病院から診断書をいただいたにも関わらず、予算案が採決される衆院本会議前日に、なぜかショーパブと居酒屋ハシゴをして、次の日の会議はお休み。ハシゴした理由は、他の議員に体調の相談をするためだったそうでありますが、これだけハシゴしているのでありますから、本会議の日は二日酔いか何かであったのでございましょう。 「週刊文春」によりますと、会議翌日のホワイトデーには、男性秘書と温泉旅行に出かけていたのではないか、しかも秘書とは交際していたのではないか、という疑惑が伝えられております。 政治家様というのは「こいつがいいんじゃないか」とみな様に選ばれて、楽しみはコンビニの糖質ゼロ麺を食べることしかない糖尿のお父様方や、ベルマークの収集を生きがいにしているお祖母様とか、ジャーサラダを食ってキャハハウフフしながら食中毒になる低脳OLの皆様などから、偉そうな理由でカツアゲした金を「ここに突っ込め」と決めるのがお仕事です。 一言で言いますと、ヤクザの親分の様なものでありますが、ヤクザ様は脅さなければカツアゲできません。政治家様というのは、カツアゲの上がりは自動で入ってくるので、ヤクザ様のようにあれこれ頭を使ったり、ガンを飛ばしたり、脅す必要もないのです。しかも、カツアゲも、カツアゲしたお金をぶりまくのも、完全に合法でありますので、ヤクザの親分様よりもはるかに恵まれた、誠に美味しい利権を持っているのであります。 しかも、こんな合法的なカツアゲとぶりまきという、まことに楽なお仕事なのに、年収は3000万円ぐらいです。時給800円の人間の年収が200万円とすると、15年分の年収を一年でお稼ぎになれます。 しかし、そのお仕事は、合法的なカツアゲとぶりまきです。衆院本会議を終え、記者団の取材に臨む無所属の上西小百合氏=4月7日、国会内(酒巻俊介撮影) ところで、サユリ様は、ある意味、女性として理想の人生を歩もうとしています。それは、こういう、誰もが喉から手が出るほど羨ましく思う利権とか年収3000万円と、「女としてのアタシ」の両方をとったのです。 女として生きるか、それとも仕事や銭を取るか、というのは、女性誰しもが悩むことであります。 女として生きようと思うと、仕事や銭は犠牲にしなければなりません。仕事に熱中していたら、服やら化粧やらはなおざりになりますし、彼氏をみつける機会も、性交する時間も逃すのです。 運良く彼氏や旦那がみつかっても、家庭と仕事に銭儲けとの両立は、これまた大変であります。 しかしながら、サユリ様は、本会議をズル休みしてキャハハウフフズコズコするという「女としてのアタシ」も優先しております。 上司に「貴様の顔なぞみたくもない」とまで言われ、普通のサラリーマンであればそのまま電車に飛び込んでいそうな状況なのにも関わらず、アタシは辞めません、と仕事と銭儲けの機会も犠牲にしなかったのです。 つまり、女として全てを手に入れたいのであれば、サユリ様のように厚顔無恥、真っ黒な証拠があっても「アタシは悪くありません」と言い切る厚化粧な心が必要ということです。 こういう厚化粧な心はキャリア志向のお若い女性の皆様は見習うべきでしょう。カツマー本とか、はあちゅう本なんて読んでいる暇はありません。 ところで、サユリ様は、体調がよくなったから会合のために居酒屋に行ったとのことですが、いっそのこと、「居酒屋にいけばガンも糖尿も治る!奇跡の居酒屋ダイエット」なる本をお出しになり、頭にマキタのドリルで穴を開けながら、ギャル神輿にのってプロモするという著者生活にお入りになれば、ピケティ先生真っ青のベストセラー作家様になることは確実ですので、税金から報酬をもらわなくても万歳生活を送ることが可能です。もしくは「厚化粧で仕事も女としても自由自在!」と題した自己啓発本なんかどうでしょうか。カツマー本より売れること確実です。 ところで、我々がカツアゲされた銭の使い道を、ギャル神輿とか、キャンギャルとか、路上でねっとりとチューするオバハンとか、ストロベリーキューとか、宇宙人はいるんですかとか、EM菌とか、江戸しぐさとか、そういう脳の人々に決めていただくのはちょっとあれなので、とりあえず、「ヤッホーはインターネッツか」、「ドローンはドロロンと同じか」という質問を含むテストを受けていただいて、パン君と積み木投げ競争してもらって、原発の中で1ヶ月ぐらい働いてもらって愛国者かどうか証明した人だけが立候補した方がいいんじゃないかと思う今日この頃です。 とりあえず言いたいことは、ギャル神輿が嫌なら選挙行けということです。関連記事■ 上西小百合さん、議員辞職を拒否ですか 責任は維新の会にある■ 最後まで寄りかかった橋下さんに「もてあまされていた」上西議員■ 上西小百合議員の旅行疑惑は論点をよく整理する必要がある

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    正念場の維新を横目に上西議員は除名で年収UP期待の皮肉

    る大阪維新の会は、前哨戦と位置づけた府議選・市議選直前の“浪速のエリカ様”こと上西小百合衆議院議員のスキャンダル炸烈で思わぬ苦戦を強いられた。 今後、都構想をめぐり、維新VS自公他会派の熾烈な争いは連日激しさを増していくものとみられるが、戦いがヒートアップすれば、当然取り沙汰されるのが“第2の上西爆弾”だ。「今年から維新幹部が子飼いの新聞記者に情報をリークし、都構想に反対する自民党議員の政治資金規正法違反に関する記事が複数掲載された。そういう攻撃は要警戒だ」(自民府連関係者) 自民党側も“仕返し”を警戒するが、弱点をより多く抱えているのは維新側のようだ。ある維新の市議が明かす。「特に我々が恐れているのは、昨年、維新を離党した女性市議の存在。当時から、造反した理由は党内部でのセクハラ問題という噂が流れており、住民投票直前のタイミングで何らかの暴露があるかもしれない。 昨年の都議会では塩村文夏都議に野次を飛ばした議員が大批判を浴びた。疑惑が本当で公になれば維新のダメージは大きい」(なお、当該の女性市議は離党理由を「政策の違い」とのみ説明) これまで「負ければ市長を辞める」と繰り返してきた橋下氏。住民投票に勝った場合には大阪都構想実現に向けて、今年11月の市長選出馬や、来年の参院選での国政転身が取り沙汰されているが、負ければ求心力を失って政界引退が現実味を帯びる。 正念場に立たされた橋下氏を尻目に、上西議員は維新を除名されて「年収アップ」も期待できるというから皮肉なものだ。 議員給与や経費の他に、無所属の上西議員が他の無所属議員と会派を組めば、これまで維新に支払われていた月額65万円の立法事務費が新会派を通して支給されるからだ。 “浪速のエリカ様”が高みの見物を決め込む「大阪春の陣」はさらにヒートアップしていく。関連記事■ 橋下徹氏 大阪都構想で負けられぬ堺市長選の候補決め手欠く■ 橋下徹府知事が掲げる「大阪都構想」とは何か? 目的は?■ 参院選控え自民党が大阪維新の会の地方議員に切り崩し工作中■ 大阪府は敬老パスの改革が必要 月8万円分を使用する高齢者も■ 5・17大阪都構想の住民投票 最後まで賛否は分からない状況

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    衆院本会議 個別議員の「本会議出席率」記録が全くない理由

    木走正水 維新の党の上西小百合衆院議員(31)=比例近畿=の衆院本会議欠席をめぐる問題で、同党は4日、上西氏を除名処分といたしました。 維新としては、上西氏が比例(復活)当選であることから、議員辞職すれば同党比例名簿の次点が繰り上げ当選し党の議席総数を維持可能なことから「議員辞職すべき」と強く迫りましたが、本人は、「法に触れない限りは身分を奪われない」、「議員辞職はしない。無所属で頑張っていく」と、無所属で活動を続ける意向であります。(参考記事)維新の党、上西議員を除名 橋下氏「二度と付き合わぬ」2015年4月4日23時26分http://www.asahi.com/articles/ASH44758SH44PTIL01F.html ・・・衆院本会議に臨む無所属の上西小百合氏=3月7日午後、国会・衆院本会議場(酒巻俊介撮影) さて、今回、同議員の衆院本会議欠席を受けて、党除籍という厳しい維新の会の対応ですが、ここでは維新の判断の是非、あるいは上西氏の一連の所業など、個別の論説には踏み込むことは避けます、正直低レベルな事象すぎて関心が持てません。 当ブログとしては今回は、国会議員の「本会議出席率」の現況という興味深い一点にしぼり、読者のみなさんとともに、考察・問題提起させていただきたいと考えます。 そもそも国会議員の「本会議出席率」はどうなっているのでしょうか? 昨年になりますが、みんなの党の渡辺喜美前代表が、党代表辞任後、約2か月半、計23回の衆院本会議に欠席届を出し、化粧品製造販売会社会長からの計8億円の借り入れ問題が発覚した直後だっただけに、「疑惑隠しの2か月半雲隠れ」と批判を受けています。(参考記事)読売新聞みんな・渡辺前代表、2か月半雲隠れ みんなの党の渡辺喜美前代表が4月の党代表辞任後、約2か月半、公の場に姿を見せていない。 衆院事務局によると、渡辺氏は、化粧品製造販売会社会長からの計8億円の借り入れ問題が発覚した直後の3月28日から今月20日までに開かれた計23回の衆院本会議に欠席届を出した。 浅尾代表は20日の記者会見で、渡辺氏について、「体調がすぐれないということで、国会を欠席している」と説明したが、党関係者によると、地元の栃木では、同党の県議に多額借り入れ問題の経緯を説明するなど活動しているという。渡辺氏は周辺に「体調が回復し、医者がOKすれば国会に出る」と話している。(後略) http://www.yomiuri.co.jp/politics/20140622-OYT1T50002.html(リンク切れしています) 「体調がすぐれないということで、国会を欠席している」と説明しつつ、その実、「地元の栃木では、同党の県議に多額借り入れ問題の経緯を説明するなど活動しているという」ことでしたから、「体調不調」を理由に計23回の衆院本会議に連続欠席して地元で政治活動していたわけで、「ズル休み」の規模としては今回の上西議員の比ではないわけです。 別に上西議員の免罪を主張するつもりもなく、今は落選中の渡辺喜美氏の過去を必要にあげつらうつもりはありませんが、それにしても私たち有権者としては、国会議員の「本会議出席率」って、決して褒められたものではないような印象を強く持ちます。 ・・・ で、当ブログにて国会議員の「本会議出席率」について調査いたしましたところ、衆議院においては情報ソースがほぼゼロ、わずかに参議院の「本会議出席率」について、過去のいくつかのソースを断片的に入手したのみであります。 いくつかご紹介。 2004年7月4日(日)「しんぶん赤旗」では、その年の通常国会の議員の本会議出席状況を調べたところ、「日本共産党議員がいる七選挙区についてみると日本共産党は全議員が出席率100%だったのにたいし、自民、公明、民主各党所属議員で全出席はゼロ。欠席率84%の民主党議員もいました」とのことです。(参考記事)7選挙区議員自民、公明、民主の本会議出席率は…日本共産党は全員100% 今年の通常国会(会期百五十日間)における議員の本会議出席状況が参院事務局資料から明らかになりました。日本共産党議員がいる七選挙区についてみると日本共産党は全議員が出席率100%だったのにたいし、自民、公明、民主各党所属議員で全出席はゼロ。欠席率84%の民主党議員もいました。(別表) 通常国会中の参院本会議は三十一回。首相の施政方針演説とそれに対する代表質問や予算案、有事法制、年金改悪法など審議・採決がありました。 日本共産党議員が選出されているのは埼玉、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫の七選挙区。共産党議員は全員(今期で勇退の二議員を含む)が出席率100%だったのにたいして、他党で最も多い議員でも出席率74・2%でした。 目を引くのは愛知選挙区の民主党の二議員。木俣佳丈議員は欠席率84%。佐藤泰介議員も欠席率は74%でした。 京都選挙区の民主党・福山哲郎議員も三回に二回は出ない“常習欠席”議員の一人です。 公明党の山下栄一議員(大阪選挙区)の場合、ほぼ半分の十四回を欠席しています。 衆参両院の本会議は「各議院の意思は本会議の議決によって最終的に決せられるのであって、その意味においては本会議の果たす役割は決定的なもの」(『国会事典』浅野一郎編著)です。 自民、民主、公明各党の議員は選挙戦で「引き続き国会に議席を与えていただきたい」と訴えていますが、重要な本会議に多く欠席していた責任を有権者にどう説明するのでしょうか。(後略)http://www.jcp.or.jp/akahata/aik3/2004-07-04/02_03.html ちなみに記事に指摘のある「欠席率84%の民主党議員」でありますが、愛知選挙区の木俣佳丈(民主)氏で期間中の本会議31回中出席5回、欠席26回、出席率16.1%であります。 この木俣佳丈(民主)氏はこの赤旗記事の翌年の2005年12月29日、愛知県豊橋市の飲食店で、女性店員を蹴って転倒させる等の怪我を負わせるという「傷害事件」を起こしております。 また、2013年06月02日付けの北海道新聞では、「今国会で参院本会議は、5月31日までに24回開かれた。だが、全議員が出席したのは、3月29日のわずか1回だけ。24分の1」と報じています。(参考記事)2.【24分の1】参院、全員出席1日だけ(2013/06/02) 成年被後見人の選挙権を回復する公職選挙法改正案が可決・成立した5月27日の参院本会議場。全議員236人(欠員6人)中、約5分の1に当たる53人が欠席した。 欠席者の大半が7月の参院選での改選組で、本会議の出席率は、1月28日から始まった通常国会で最低の78%だった。 今国会で参院本会議は、5月31日までに24回開かれた。だが、全議員が出席したのは、3月29日のわずか1回だけ。24分の1だ。平均出席率は91・5%。定足数の3分の1には毎回達しているものの、国民の代表たちの、この数字を高いとみるか、低いとみるか—。(後略)http://dd.hokkaido-np.co.jp/cont/2013sanin_suuzi/200461.html ・・・ さて、国会議員の「本会議出席率」ですが、情報ソースがほとんどなく特に衆議院においては、ほぼ皆無なのであります。 衆議院の事務局は、「国会議員の本会議および委員会の出欠は取っていません」という見解です。 驚くべきことに、衆議院の国会議員の「本会議出席率」ですが、ネット上に情報ソースがほぼ皆無なのは当然なのであり、そもそも公式統計資料はないのであります。 本会議がある国会の入り口に議員の名前を書いた掲示板があり、本会議に出席する場合、自分の名前のある掲示板のスイッチを押してランプを付けます、これは本人以外はさわる事ができないので、この情報をシステム化して蓄えればいいだけなのですが、それがカウントされていないのです。 ただランプをつけるだけで本会議場に入らない議員もざらなので、より正確には議員席に設置された「氏名標」を立てると、自動的に出席をカウントするシステムが必要になりますが、いずれにしても「国会議員の本会議および委員会の出欠は取っていません」(衆議院事務局)のが実態であります。 一方ネット上、断片的にわずかですが、情報が出ている参議院ですが、参院では1998年から参院改革の一環として、議員席に設置された「氏名標」を立てると、自動的に出席をカウントするシステムが導入され、出欠状況が一目で分かるようになったわけです。 衆院には、こうしたシステムはなく、出欠の統計はないのです。 ・・・ まとめます。 国会議員が本会議に出席するのは、当然ながら「お仕事」なのであります。 しかしながら今検証してきたとおり、この国の衆議院には驚くべきことに、参議院には98年に既に導入されている自動的に出席をカウントするシステムがないのです。 出席が取られていないのです。 別に「本会議」に出席することを国会議員の義務化せよなどと極論を主張するつもりはありません。 党務、病気、海外視察、災害緊急対応など正当な理由で本会議に出席できない場合もあるでしょう。 あるいは過去を見れば、政治的意思をもってあえて「本会議」を棄権したケースもあります、本会議を欠席することがひとつの「意思表示」である場合もありました。 そのような正当な欠席理由を認めた上でですが、この国の法律を作る日本の最高機関の構成員たる国会議員に出欠の記録がないとは、非常に大きな問題であると思います。 参議院が98年以来自動出席カウントシステムを導入して各議員の「本会議出席率」を完全に把握出来ているのに、衆議院が同様のシステムを導入することを拒んでいる理由が、技術的には全く問題がない以上、理解できません。 衆議院にも参議院同様、個別議員の「本会議出席率」を正確に把握できるようなシステム導入をすべきです。 国会議員の自己保身のために衆議院がこれを拒否しているとならば、有権者に対する誠実さを欠いた重大な問題であると、ここに問題提起させていただきます。(「木走日記」より転載)関連記事■ 議員の役目は立法ではないのか■ 負のスパイラルに陥った地方議会■ 「美人すぎる市議」と呼ばれた私がいま思うこと

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    上西議員、いったい何様のおつもりか?

    国会サボリ疑惑に逆ギレ会見、ついには恨み節…。いま話題の渦中にいるあの人がまたやってくれました。維新の党が下した除名処分に対し、上西小百合衆院議員が「エモーショナルな処分」と不満をあらわにしたのです。

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    上西小百合さん、議員辞職を拒否ですか 責任は維新の会にある

    猪野亨(弁護士) 維新の会では、上西小百合氏に対して、除名の前に議員を辞職し、2~3年修行して、再度、維新の会からの立候補を考えてはどうかという打診したと報じられています。「上西議員 辞職勧告拒否!橋下氏変貌嘆く」(デイリースポーツ2015年4月4日) それに対する答えが「上西氏は「議員の身分は法に触れない限り身分は奪われません」「それだったら除名で結構です」と拒絶したという。」衆院本会議を欠席した問題で記者会見し、うつむく上西小百合衆院議員=4月3日夜、大阪市 橋下氏は、上西氏が永田町の論理にはまってしまったと批評していますが、本会議を欠席してまで私的旅行をした疑いであり、これまでとは比較にならないものです。 先般、問題になった自民党の中川郁子議員と門博文議員が不適切な関係を報じられ、ご両名は事実を認めてはいますが、どちらも議員辞職はしていません。 百歩譲って考えれば、議員としての活動には支障は来していない、プライベートな部分ということになりましょうか。 もっとも、中川郁子氏の場合、その後、「緊急入院」していましたが、これは誰がどうみても、マスコミ等の取材から逃げるためのもので、どう考えても「サボり」ですが。それでも建前は「入院」です。入院中のタバコもどうかとは思いますが。 中川郁子氏は、中川昭一氏の妻ということで、中川昭一氏の死によって、その後継候補になったに過ぎませんから、地元での反発、不満は大きいでしょう。「“不倫路チュー”中川郁子の後援会幹部が激怒「次はもう応援しない」」(DMMニュース2015年3月16日) しかし、その発想が古いですけれど。「貞淑な妻」でなくなってしまったというだけのことですから。そういう発想で、もう支援しない! っていうなら、それはそれで違和感があります。 この場合、妻子のある門氏だったから問題にしているというより、別の男と淫らな行為をしたのがけしからんみたいな臭いがプンプンします。要は中川家の嫁の分際でみたいな発想しか伝わってきません。(ちなみに私も道内議員に対し、陳情に行くことはありますが、中川郁子氏の今回の所業はともかく、中川氏の秘書の方々は、本当に真剣に話は聞いてくれました。) しかし、上西氏はそうはいきません。その秘書に妻子があるかどうかではなく、仮病で本会議を欠席したという疑いなのですから。 しかも、本会議の前の日に診断書が出ていながら、3軒もハシゴしてた(本当にソフトドリンクだけ?)、そして翌日の本会議は欠席なんて、議員としての言い訳は成り立ちません。「上西小百合衆議院議員の不思議な行動 維新の会の末路を示す」 上西氏は、政党から除名された以上、今後は個人で議員活動をしていくことになりますが、本当に議員としての活動ができるのでしょうか。 上西氏が橋下氏らの申し入れを拒絶したのは、今、議員辞職しても次の選挙で公認される保証がないということがあるかもしれません。 橋下氏なら、次の総選挙では事情が変わったとか言い出す可能性は大です。 とはいえ、実際のところは仮に維新の会が公認するとしても、(1)数年後には維新の会自体がどうなっているかわからない、(2)自身も小選挙区での当選の可能性はゼロ、ということを考えると、上西氏にとっては次の選挙で当選する可能性は、維新の会が優遇して近畿比例区で名簿単独1位にしない限り、全くのゼロです(その結果、維新の会の比例区の得票はガタ減りになりますから絶対にあり得ない想定です。)。 であれば、居座るしかなくなるわけです。 上西氏の場合は、中川郁子氏や門博文氏とは異なり、衆議院による処分が求められる場合ではないかと思われます。憲法第58条2項  両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。 本来、議院の自律権の具体化である議院の懲罰権ですが、これが濫用されれば、少数政党への弾圧に利用されかねず、本来的に謙抑的であるべきものです。 上西氏は、自らの行動が法に触れないなどと述べているようですが、この辺りは勘違いも甚だしいというべきでしょう。議院の秩序を乱した場合には法に触れなくても除名されることもあり得るのです。 法に違反した場合には当然失職となったりすることがありますが、それだけが議員が身分を失う場合ではありません。 さきほど、私は、上西氏が議員辞職をしないのであれば、衆議院による除名もあり得るのではないかと書きました。「上西小百合議員を捨て駒にすることによって浮上を諮れるのか、落ち目の維新の会」 ただよくよく考えてみると議院による除名処分は極めて重い処分です。 仮病で、秘書と私的旅行のために本会議を欠席、多分、前代未聞のことだと思いますが(但し、現在、疑惑の段階であり確定ではありません。ただ前日にはしご酒をしただけであれば除名は明らかに重きに過ぎます。)、いずれ証拠となるものが週刊誌などから出てきた場合、それでも居座り続けるのか、それとも議院が処分を下すことになるのかですが、それが除名に相当するのかどうかは判断として悩みます。 本来であれば、議員辞職を速やかにすべきことでしょう。普通の感覚の持ち主なら辞職します。不祥事の場合、所属政党から説得されれば普通は辞職するのです(方針が違って除名された場合はもちろん別ですが) それでも辞職しない上西氏。このような人を候補者として擁立したのが維新の会です。 「オレがオレが」の寄り合い所帯である維新の会であればこその醜態といえます。「日本維新の会? この胡散臭い人たちの集まり」 橋下氏は、自分の責任だなんて言っていますが、そういうことなのです。それが維新の会です。※当初、中川氏が政務官辞任と書きましたが、「続投」であり、誤りがありました。ご指摘を受け、訂正するとともお詫びいたします。(『弁護士 猪野 亨のブログ』より2015年4月5日分を転載)関連記事■ 鳩山氏、菅氏、中川氏…政治家の自覚はないのか■ 野党であるために何ができるのか?■ 「無理をした」議員と「無理をさせた」国民の悲劇

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    最後まで寄りかかった橋下さんに「もてあまされていた」上西議員

    井戸まさえ(元衆議院議員、経済ジャーナリスト) 「除名・除籍」という「処分」が出た上西議員だが、 橋下大阪市長とともに会見に出た時の表情に感じたのは「自信」である。緊急記者会見をおこなう大阪維新の会の橋下徹代表(右)と上西小百合議員=4月3日、大阪市中央区(寺口純平撮影) 自分は何があっても大丈夫。なにしろ隣に橋下さんが控えているのだから。ピンチになっても橋下さんが何とかフォローしてくれるはず・・という。 当然ながら会見はそんな調子で進んで行く。 ところが、途中で「(デートと)見られても当然」などなど、彼女を擁護しているかと思いきや、攻撃しているともとれる言葉が投げかけられる。それでも彼女は「大丈夫」だと思っていたと思う。 一方で、会見の中で私が気になったのは「父が毎日事務所に来ている」と語る場面であった。 「母」より「父」。 そして「父」に従属しているのではなくて、むしろ逆という力関係の中で生きているのだな、と思ったとき、彼女の「万能感」の源を見た気がした。 今時の31歳女子と比して彼女が特別幼いのか否かについては判断ができないが、学生時代から天神祭の「ギャルみこし」や「うちわ娘」、愛染祭のキャンペーンガールと「女子」であることが彼女の存在意義とほぼ同義語であったのだと思う。 しかし、世間はそれだけでは渡れない。上には上がいる。 「女子性」を武器にして生きることでの成功体験と、限界と挫折の先に、彼女は「政治業界」という、「そこそこ」でも過大に評価してくれる居場所を見つけたのに違いないのである。 ワタクシはそれを全面否定はしないし、ある種、よくがんばった!とも思う。男性のスケベ心?の裏をかいて、議席をゲットするのは見方によっては「あっぱれ」でもある。少なくともワタクシには出来ない(笑) だが。問題は「その後」なのである。国会議員になって、何がやりたかったのだろうか。緊急記者会見をおこなう大阪維新の会の橋下徹代表(右)と上西小百合議員=4月3日、大阪市中央区(寺口純平撮影) 自分が評価されたかった場所で、思い通り行かずに、この業界に来る、という人は少なくない。例えば野々村元兵庫県議もそのひとりかもしれない。 だが、やりたかったことがなかったとしても、当選すればあれこれ勉強の機会はあるし、その中で何かを感じ、自分の使命を見つけて「成長」することは出来るはずなのである。 「除籍・除名」の理由が、今回の騒動だけでなく、日常の行動にも問題があり、改善が見られないとのこと。「もてあそんでいた」つもりが「もてあまされた」とはなんとも情けない。 しかしたぶん最後まで橋下さんに寄りかかり、信じていたであろう上西議員の姿は、性的役割分業がキツい日本社会の中でいまだ一部の女子が陥りやすい穴でもあるのだとも思う。 橋下さんは「育て上げることができなかった」と言ったが、そういうことを言う男に限って「女の成長をさまたげる愛し方」(by『エースをねらえ』)しかできないタイプが多いのだということを上西さん以下我々女子は、肝に銘じなければならないのである。(オフィシャルブログ『井戸まさえ日誌』より転載)関連記事■ 「無理をした」議員と「無理をさせた」国民の悲劇■ 記者へのお礼に果物贈る議員秘書 「腐るから」と返品回避する■ 上西小百合議員の旅行疑惑は論点をよく整理する必要がある

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    鳩山氏、菅氏、中川氏…政治家の自覚はないのか

    深谷隆司(元通産大臣)馬鹿政治家の悪行 引退しているから政治家という表現は正しくないかも知れないが、鳩山由紀夫(もはや敬称などは不必要)、元総理大臣だけに、国際的にもそれなりの影響を与えるから、その言動は断じて許されないと思う。あえて「バカ政治家の悪行」と書いた所以である。 日本政府はロシアのクリミア併合を国際法違反として非難しているが、そんな最中、鳩山は10日クリミア入りをし、地元の新ロシア派政府「クリミア共和国」のムラドフ副首相らの大歓迎を受けた。 岸田外相らの訪問中止要請をけとばしての暴挙だ。その前にはモスクワで「直接住民の意思を確認し、編入の是非について判断してゆく」と述べたが、一体何様のつもりなのか。国際社会から日本は何を考えているのかと不信感、大反感を持たれること必定ではないか! 民主党の枝野幹事長までが、併合に反対する立場を支持した上で、「一切関知しない」と突き放していた。 鳩山は国会議員在職中で同党最高顧問であった平成24年、当時の野田政権の制止を振り切り、イランを訪れたこともある。核兵器開発の疑いがあってイランへの制裁圧力を強めていた政府の外交方針と相反する行動をとったのだ。 案の定、「国際原子力機関の対応が不公平」と発言したと報道され、本人は必死で否定していたが、まんまと利用されていたのだ。 中国に行って、南京虐殺記念館詣での上謝罪、諸説ある中で「死者30万人」と認めた発言で中国を喜ばせた。歴史の事実を歪曲する中国に、こともあろうに迎合したのである。 尖閣諸島問題でも、「日中の間に領土問題がある」と発言した。日本の立場は「歴史的に見ても、尖閣諸島は日本の領土、だから日中間に領土問題はない」と一貫しているのを、中国の言い分のまま媚をうって語ったのだ。 この男は、今や日本では誰にも相手にされない過去の人、その上イメージも最悪な人だ。それなのに出たがり屋、目立ちたがり屋で、夢よもう一度と思うのか、どんなところにも招かれたら喜んで飛んでいき、相手に合わせて勝手なことを軽々しく言いまくる。 相手の国にとっては絶好の鴨(鳩ではない)、なまじ元総理大臣の肩書があるだけに、すっかり利用されてしまうのだ。 然し、その言動は日本にとって致命的な害をもたらす可能性もある。現実にどれほど日本にとって弊害になっていることか・・・。 もはや宇宙人だからと言って笑って済ますことは出来ない。まして個人の行動だから等と、放っておくわけにはいかない。 彼の行動、言動は売国奴そのもの、いや国賊と言っても言い過ぎではない。 こうなったら何らかの制裁処置が必要ではないか。 とりあえず「パスポートを取り上げる」ところから始めないか。 もう一人、民主党に相変わらずの愚かな政治家が居る。菅直人元総理大臣だ。 10日の衆議院予算委員会で質問に立ち、原発輸出政策について「国内で安全が確認されないのに、外国に売り込むことを政府が支援するのは道義的に問題だ」と批判した。 一見、正義の味方のような発言だが、かつてトルコなどへの原発輸出を可能にする原子力協定の国会承認で賛成したのは、他ならぬ民主党ではなかったか。相変わらずの「造反」で民主党も困惑しているようだが、いつもの「いい子ぶり」のパフォーマンスに、もういい加減にして欲しいと言いたい。まだ議員を辞める気はないの?と、腹立たしい思いがする。衆院予算委員会で民主党の大西健介氏の質問に対する答弁に臨む中川郁子農林水産政務官(左)。右端は安倍晋三首相=3月12日午後、国会・衆院第1委員室(酒巻俊介撮影) 野党ばかりではない。週刊新潮にすっぱ抜かれた中川郁子農水政務官と門博文衆院議員の路上キスはなんだ!みっともない。 しかも、西川農水大臣が辞任し、安倍内閣に激震が走った夜ではないか。 2009年、財務大臣としてローマでのG7後の会見で泥酔、その年の選挙で落選、急死した中川昭一氏の女房だ。北海道11区で夫の遺志を継いでと議員になったのに、なんという行状か・・・。 10日の農水委員会で「陳謝して今後とも職務に全力で尽くしたい」だと・・・。 民主党の細野豪志氏も山本モナとの路上キスでフライデーに書かれた前科?があるが、代表選に平気で出馬した破廉恥ぶり。こんな政治家たちが「選良」と呼ばれているのだから情けないではないか。 政治家としての自覚を強く求めたいものである。(深谷隆司オフィシャルサイト『深谷隆司の言いたい放題』より転載)関連記事■ 政治の「大義」とは何なのか■ 国民不在 元大臣も平身低頭■ 河野洋平は戦後最も日本を貶めた政治家である

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    全然スッキリしませんよ!

    「ちょっとおかしくないですか?」と言いたくなるようなスキャンダルが相次いで発覚しました。維新の党所属の上西小百合衆院議員と日本テレビ、上重聡アナウンサーをめぐる二つの疑惑です。2人ともそろって同じ日に釈明しましたが、はっきり言って全然スッキリしませんよ!

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    上西小百合議員の旅行疑惑は論点をよく整理する必要がある

    小笠原誠治(経済コラムニスト) 浪速のエリカさまこと、上西小百合議員の旅行疑惑が世間の関心を集めています。 いや~、これは本当にテレビ局にとっては美味しいネタですね。 だって、主人公が31歳という若い女性議員であり、その女性議員が男性秘書と、もしかしたら仮病を装って仕事をさぼり、旅行に出かけていたかもしれないからです。 しかも、その男性秘書の言葉遣いがやくざっぽいので、さらに視聴者を刺激する、と。 上西小百合議員は完全に疑惑を否定していますが…しかし、世間の受け止め方は全く逆! 灰色どころか、殆どの人が黒と決めつけているようです。それに橋下代表の発言も大きい! 仮に病気であったのが事実だとしても、病気が治ったからといって旅行に出かけるようでは議員の資格はない、と。議員を辞めるべきだ、と。衆院本会議を欠席した問題をめぐり、記者会見する維新の党の上西小百合衆院議員=3日夜、大阪市 私、思うのですが、この橋下代表の発言があったので、どうも論点がボケてしまっているのではないか、と。 あの発言は政治家の発言としてはOKかもしれないが、法律家の発言としては頂けない、と。 だって、そうでしょう? まあ、通常はあり得ないでしょうが、仮に病気が本当であり、そしてどういう訳かその翌日にその病気が急に治ったとして、旅行に行くのが何故悪いのか、と。 確かに、国会の本会議を欠席した翌日に関西方面に旅行するなんて常識的にはおかしい! それはそのとおり!  しかし、でも本当に急に病気が治ったのであれば…どこで何をしようと自由なのではないのか? 百歩譲って、それは常識に反すると言われても敢えて議員を辞職するほどのことなのか、と。 やっぱり橋下代表は、仮病ではなかったのかと疑っているから議員を辞職すべきだと言っているに違いないのです。 しかし、そのように多くの人が思うのであれば、何か重要なことを忘れているのではないのでしょうか。 というのは、もし上西小百合議員が仮病を装ったとしたら、その上西議員に病気の診断書を出した医者は如何なものなのか、と。 その医者は、本当に上西議員が3日も療養する必要のある病気だと本気で信じたのか。それとも… 仮に、簡単に嘘が見破れたかもしれないというのであれば、その医者は、医者として如何なものでしょう? 私思うのですが、医者が安易に診断書を出す傾向があるのではないか、と。 もちろん、医者ですから診断書を出すのが仕事。でも、そうであれば、出した診断書には責任を持つ必要がある、と。 従って、せめてどこの医者がその診断書を出したかという程度の情報開示はするべきだと思うのです。 要するに、そのように安易に診断書を出す医者がいるから、仮病を装うことが簡単にできるのです。 だとすれば、問題は、仮病を理由に国会の活動をさぼる議員がいることだけではなく、そのような行為に加担したと言われても仕方のない医者がいることも大きな問題なのです。 さて、上西議員は旅行に出かけた事実はないと主張し、それに対しマスコミは、それはおかしいのではないかと批判をしているようですが…でも、本当に問題なのは、旅行に出かけたかどうかではなく、病気でもないのに国会の本会議をさぼったかどうかなのです。 そうでしょう? しかし、マスコミというか、世間は旅行に行ったかどうかが気になる、と。 それは、男性秘書が一緒だからという下世話な話なのです。 最後におまけを。 上西議員は旅行に行っていないと主張しますが、役人の世界では、出張は全て旅行なのです。何故ならば、役所には旅行命令簿というのがあって、旅行命令に基づいて役所の外で仕事をするのが出張であるからです。(オフィシャルブログ「経済ニュースゼミ」より転載)小笠原誠治(おがさわら・せいじ)1976年3月九州大学法学部卒。1976年4月北九州財務局(大蔵省)入局。大蔵省国際金融局開発金融課課長補佐、財務総合政策研究所研修部長、中国財務局理財部長などを歴任し、2004年6月退官。以降、経済コラムニストとして活躍。メールマガジン「経済ニュースゼミ」(無料版・有料版)を配信中。著書に『マクロ経済学がよーくわかる本』(秀和システム)、『ミクロ経済学がよーくわかる本―市場経済の仕組み・動きが見えてくる』(秀和システム)、『経済指標の読み解き方がよーくわかる本』(秀和システム)がある。関連記事■「美人すぎる市議」と呼ばれた私がいま思うこと■負のスパイラルに陥った地方議会■もはや「就職活動」と化した地方選挙

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    記者へのお礼に果物贈る議員秘書 「腐るから」と返品回避する

    レビ局の政治記者に対して、官邸や自民党は接待攻勢を繰り返している。それに記者サイドも易々と乗り、政治スキャンダルなどが報じられにくい癒着構造が生じている。 メディア関係者を取材すると、政治家と飲んだ際は「1万円程度は置いていく」(民放キー局記者)や「数回に1回は返礼で一席設けている」(大手紙政治部記者)といった反論も聞かれたが、接待側の議員サイドからはこんな証言が出てきた。自民党政調関係者が語る。 「時折、2~3人の記者と少人数での会合を持ったときなど、1万円程度の現金を置いていく記者もいる。しかし、こちらが予約する店は最低1人1万5000~2万円クラス。常にこちらが接待していることに変わりはない。他党のことは知らないが自民党では議員主催のオフ懇(オフレコ懇談会)は議員サイドが払うのが慣例。個人的な実感としては、政治家から奢られることに何の罪悪感も持っていない記者が大半だ」 記者に供されるのは飲食だけではない。小渕優子・前経産相が配ったとされる「下仁田ネギ」ではないが、地元の特産品が送られてくるケースもある。 例えば近畿地方のある自民党大物代議士は、番記者や懇意にしている政治部記者に、つい最近までお歳暮で地元特産品を欠かさず贈っていた。現役の国会議員秘書はこんな話を打ち明ける。「国会質問の手伝いをしてくれた記者へのお礼として、後日、記者の自宅に議員の地元選挙区の名産品である果物を贈った。果物なら、返そうとする相手にも“どうせ腐ってしまいますから”と強引に受け取らせることができる。『贈答品』名目で、議員の政治資金で処理した」 これが実態である。政治家と大メディア記者の「近すぎる関係」を目の当たりにしてきた元参院議員の平野貞夫氏は「私も記者を接待した経験がある」と明かした上で指摘する。「一連の新聞・テレビの政治資金追及報道は、とんだ茶番劇です。政治資金を叩きながら、その政治資金で自分たちも飲み食いしている。これが『政治とカネ』問題の本質です。本当に追及するべきは、この政治資金を介して権力とメディアが一体化している現実のはずなのに、自分たちもグルだから彼らは かむりを決め込んでいる」 そんな新聞記者たちが、“そろそろ政治資金追及はやめよう”といっているのだから、その動機、真意は推して知るべしだ。関連記事■ 国会議員 記者を高級クラブで接待し敵対候補の醜聞調査依頼■ 小渕優子は非難せず 大メディアの「小沢献金」批判は支離滅裂■ 江渡防衛相に政治資金疑惑 政党支部から自身に800万円寄付■ 西川農水相 「親族企業から物品購入」の政治資金私物化疑惑■ 小沢氏政治資金裁判 不動産購入の政治家は他にも多数いる

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    上重アナに悪気があるようには見えない

     今日の夕方より、取材依頼の電話がジャンジャンかかってきた。皆さんもヤフーニュースのトップでも見たであろう、日テレの上重アナの件である。 僕の4つ下の上重アナは元甲子園球児。面識はないが、画面で見る限りとてもさわやかな青年で、視聴率絶好調の日本テレビにおいても高い人気を誇る男性アナの一人だ。この4月からは朝の情報番組「スッキリ」の進行司会に抜擢されている。その上重アナに、下記の追及を明日発売の週刊文春が行ったのだ。◆日テレ「スッキリ!!」新司会・上重聡アナ 「1億7千万円マンション」利益供与 文春さんの記事内容を僕が詳しく書くわけにもいかない。興味のある方は文春さんを買って読んでくれればいいと思うのだが、ざっくりと概要だけを言っておくと、上重聡アナが、昨年、自宅マンションを購入したらしい。その金額は1億7千万円。正直言って…ちょっとあまりにも…な金額だが、話を先に進める。 で、その際に、有力スポンサーであるABCマートの創業者の三木正浩氏から多額の融資を無利息で受けていたことが、取材により明らかとなったというのだ。 週刊文春としては「報道機関である民放の社員がスポンサーから金品などの便宜を図ってもらうこと自体、重大なコンプライアンス違反であり、上重アナの行為は日テレの社員就業規則の懲戒事由に該当する可能性がある」と伝えているわけだが…数点申し上げたい。・コンプライアンス違反か?と問われれば、それは否定しきれない 残念ながら、文春さんの記事の指摘は…個人的にはちょっと厳しすぎるのではないかとも思うが…それでも、言ってる理屈は間違ってはいない。これはコンプライアンス的に問題か?と問われれば、迷いなく「全く問題ございません!」とは言い切れない気はする。その理由として…↓・ちょっと金額が高すぎる 断言しておくが、日テレの社員です、また日テレよりもずっと高給をもらっているフジテレビの社員です、と言ったところで、通常であれば、1億7千万円のマンションは買えない。断言しておくが、普通では無理だ。上重アナの実家が考えられないレベルの金持ちで、1億円ほどの金額を融資してもらえないと、このマンションは絶対に購入は不可能だ。と、言うことは上重アナは「通常の勤務では手に入らない『利益』を『供与』された」という文春さんの理屈自体は筋は通っていると言える。・が、悪気があるようには見えない 上記したように上重アナとは面識はないが、とても爽やかで好感の持てる人物だと聞いているし、記事を読む限り、とても悪意を持ってやった行動とは思えない。記事の中でも出てくるのだが、ABCマートの三木氏が物件の紹介も購入の勧めもしたとのこと。その通りなのだろう。多分、そこまで深く考えて取った行動ではなく、彼自身は「ご厚意に感謝して、いい物件だと思って購入した」という感じなのだと思う。だとすると、今後、適切に処理し、本人が次に同じことをしなければ、「気を付けろよ」で済む話の気がする。・三木氏にも悪気があるような気はしない これは想像の域を出ないのだが、多分三木氏…もしくは、三木氏の奥様などが…上重アナのファンだったりしたのではないだろうか?と、言うのも、本当に「悪意を持った利益供与」だったのであれば、こんな手の込んだ形をとる必要がないからだ。 実は我々アナウンサーだけではなく、テレビに出演している人間は…はっきりと言ってしまうが、大なり小なりの「利益供与」とも受け取れる行為は…ほとんど全員が受けているものだと思ってほしい。アナウンサーやタレントの世界の慣例 世の中には…いわゆる「ミーハー」な人々が少なくなくて、テレビに出ている、というだけで多くの方が友人になろうと話しかけてきてくれるし、その方々も何らかの宣伝になるかもしれない、何らかの見返りもあるかもしれない…という下心も少しありつつ色々なものをくれたり提供してくれたりは、日常的にあることだ。 普通の人が行けないようなコンサートのチケットは取れるし、普通は行けないようなパーティーには出席できるし、新商品や人気アイテムは、「欲しいですね~」とその会社のスタッフさんに一言言えば、数日後には段ボール箱でアナウンス室に届いたりするのは日常茶飯事だ。 確かにこれは「利益供与」の一端ではあるし、本来は適切とは言い切れない側面もないとは言えない。 が、これは企業にとっては大事な営業活動であり、局員のアナウンサーといえども自信のブログやツイッター・フェイスブックなどを活用している今の時代、もしかしたら自身のブログで取り上げてもらえるかもしれない!という思いも、もちろん少しはある。企業サイドとしては、宣伝広告の一環として、女性アナに自分たちのブランドの洋服を着てもらい、そのまま「よかったらお使いください、お似合いですよ♪」なんて言うのは、当然のことでもある。 が、今回の件は少々これらのケースとは異なる。 明確に金銭の授受があること。ABCマートは有力なスポンサーであるということ。そして、いくらなんでも…金額が高すぎることだ。記事にあるように「懲戒事由に該当の可能性」は言いすぎだと思うが、局内ではちょっとだけ注意されてしまうかもしれない。それ以前に、とにかく早めに売却手続きをして、こういう指摘はもう受けないようにした方がいいと思う。 上重アナは、今回は少々可哀想だったと思うが、これらの経験はきっと将来にはいい勉強になると思う。我々アナウンサーは何かあれば、マイクで取り返すのが一番だ。と、言うか…それ以外出来ないのがアナウンサーだ。日テレさんもどうか上重アナを守ってあげてほしい。以前も一度言ったことがあるのだが、局所属のアナウンサーは局が守ってくれなければ誰も守ってくれない。彼を愛する多くのファンのためにも、どうか温情のある対処を切に願うものである。(長谷川豊公式ブログ『本気論 本音論』(http://blog.livedoor.jp/hasegawa_yutaka/)より転載)関連記事■ 訂正、謝罪しないのはメディア共通の体質■ 実態は営利貪る吸血コウモリ、官と民を使い分ける巨大メディア■ 「清廉性」による内定取り消しはメディアの自殺行為だ

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    「無理をした」議員と「無理をさせた」国民の悲劇

    井戸まさえ(元衆議院議員、経済ジャーナリスト)(編集部注)《維新・上西議員、国会欠席前夜に都内のショーパブなど訪問》動画ニュースへのリンク この報道をそのまま読むと「他党の男性議員」と「ふたりきり」で「ショーパブ」?? 「通常はあり得ん」3連発。 本会議での予算採決欠席は「あり得ん」で済まされる話ではないし、どう釈明したとしても苦しい言い訳になりそうだ。 しかし、この日はある意味彼女が当選した時から、予想されたことではないだろうか。 2012年の総選挙、彼女の選挙区での現職は藤村修官房長官だった。冷静に考えれば、政治的能力の差は歴然であろう。 だが、選挙というものは「政策能力がある」とか「品行方正」のコンテストではない。 有権者の票は藤村さんでなく、1万7千票あまりも多く彼女に入っている。(小選挙区では渡嘉敷奈穂美さんに7千500票差に迫っている) 有権者は彼女を「選択した」のだ。 「いや、そうではない。我々は『維新』に入れたのだ」と言う人もいるだろう。 初出馬の時の挨拶等をみれば、彼女が国権の最高機関で働く準備ができているか否かは誰が見ても明かだっただろう。 確かに、彼女を公認した「維新の党」の責任も問われるのだと思う。本来は公認作業をする中でスクリーニングされるべきなのである。 一方で、2014年、民主党はこの選挙区に候補すら立てなかった。結果、彼女は比例復活している。候補者を立てなかったことで彼女の当選をアシストしたことにもなるので、民主党も彼らを責めるばかりでなくこの辺も猛省しなければならないと思う。 一方でこうして選ばれた彼女は大変だったのだろうと思う。 地方議員等、多少の経験があればまだしも、突然議員になってもすぐ仕事は出来ない。「ちんぷんかんぷん」で「ついていけない」ことも多かったのではないかと思う。こういう議員はそのうち、人間関係に救いを求めるようになる。 しかし、飲み会をいくら重ねても国会議員の資質はあがらない。ただ、少なくとも、質問などでとんちんかんなことを言っても、キツいヤジは飛ばなくなるのだ。そしてまた、彼らは「自己鍛錬より飲ミュニケーション」へと走る、というスパイラルに入る。 いずれにせよ、それは国民にとっても、そうした議員にとっても悲劇であると思う。 多分、これから、彼女の日常における様々な話が出てくるであろう。それは「無理をした」「無理をさせた」結果なのだ。 明日から統一地方選挙が始まるが、候補者たちの資質を見極めるのは本当に難しい。候補者たちは当選するために何でもやる。逆に言えば「本物が選ばれる」となったら、「本物になる」のだ。 「ニワトリが先か、卵が先か」は、選挙に限って言えば絶対に「有権者が先」なのだ。 統一地方戦前夜持ち上がった上西議員に関する一連の報道はまさにそれを伝えるため、という意味では価値があったかもしれない。(オフィシャルブログ『井戸まさえ日誌』より転載)関連記事■ もはや「就職活動」と化した地方選挙■ 国民不在 元大臣も平身低頭■ 天敵記者は忘れない ドン・輿石の原罪