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    維新は動物園を見捨てるのか?

    大阪市の天王寺動物園で動物の事故死や脱走が相次ぎ、不安の声が上がっている。エサ代などを理由にコアラの飼育を断念したり、独立法人化を検討するなど、維新はコストカットに熱心だ。だが、動物園が持つ子供の教育への効果に異論は少ないはず。ならば、むしろ予算投入して施設管理を充実させるべきではないか。

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    「拝金主義」維新が天王寺動物園をぶっ潰す?

    上西小百合(前衆院議員) 今、何かと問題が取り沙汰されている大阪市立天王寺動物園は、大正4(1915)年1月1日に開園した日本で3番目に長い歴史をもつ動物園で、面積は約11ヘクタール(甲子園球場の約3個分)の園内に、約200種1000点もの動物たちが飼育されている都市型の動物園である。 最近、「天王寺動物園」という言葉を聞くとハラハラしてしまう。今度はどの動物がどんな目に遭ったのかと。  今年11月3日にワライカワセミが逃げ出したことは記憶に新しいが、9月11日にはシマウマが事故死、同16日にアムールトラが原因不明の急死、同27日にアシカが行方不明になるなど、飼育動物の管理状態を疑問視せざるを得ない状況が連発しているのだ。 私は大阪府で生まれ育ち、小中高を大阪教育大附属天王寺で過ごしたので天王寺動物園は家族や友人で行くほか、遠足などでも頻繁に出かけた思い出深い場所だ。私同様そんな大阪府民も多いのではないだろうか。 天王寺動物園で多くの学びを得た子供たちも多いはずだ。「大阪府民の愛すべき場所ベスト3」に入っていてもおかしくないと、私は本気で思う。だが今、そんな以前の「楽しい憩い・教育の場所」というイメージが姿を消し、「事故多発動物園」へと変貌を遂げているのが非常に嘆かわしい。 しかし、園長や飼育員の方々は昔から変わらぬ愛情を動物たちに注いでいるし、さまざまなアイデアで園の維持向上に懸命に努めている。原因は施設、備品の老朽化や人員不足などであろう。要は金(予算)が無いということだ。教育と大阪文化を背負う天王寺動物園がここまで追い込まれてしまう背景を考えねばならない。 大阪維新の会が旋風(せんぷう)を起こした平成22年頃から当時大阪市長だった橋下徹氏は水道事業をはじめとする二重行政や天下り解消などコストカットを強力に進めてきた。しがらみのある誰かを雇用することが目的で府民の税金が無駄に支出されることなどは許されざることなので素晴らしい実績だ。 ただ、橋下氏は「特別秘書」に自身の後援会会長の息子というしがらみだらけの人を税金で雇用するなど、「桜を見る会」で後援会関係者を招いたと報じられた安倍晋三総理や閣僚でさえ啞然(あぜん)とするほどに自分には寛容な人でもあるので、どこまでの信念があったのかは分からないが…。 ただ、そのコストカットがじわじわと日本の歴史や大阪の文化にもやってきたことは胸が痛かった。財団法人「文楽協会」への補助金見直し騒動のとき、橋下氏は「劇団四季のライオンキングを鑑賞した。3時間の公演。面白かったし楽しかった」「文楽界はしっかりと学ばなければならない」などとツイートしていたが、全体を俯瞰(ふかん)する能力が欠如していると言わざるを得ない。行方不明後、4日ぶりに園内の下水施設で発見されたカリフォルニアアシカのキュッキュ=2019年10月1日、大阪市天王寺区(柿平博文撮影) 例えば、伝統工芸の中にも時代の流れの中で技術の進歩により需要が少なくなってきて、職人がその収入だけでの生計が立てにくいものもあるが、それでも日本古来の伝統や文化を守るためにどれだけの人が歯を食いしばって努力をしていることだろうか。 伝統工芸同様に外国から映画、音楽コンサートやテーマパークなどさまざまな娯楽が流入する中で、動物園の観客が減少することは当然のことだ。しかし、文化を守るためには後継者育成のための経費はこれまで同様に必要である。橋下氏が有料化を断行 平成25年9月に大阪維新の会のタウンミーティングにおいて、当時大阪府知事だった松井一郎現大阪市長が仁徳天皇陵の世界遺産登録について「宮内庁がどう言うかはあるけど、イルミネーションで飾ってみよう、中を見学できるようにしようと、いろんなアイデアを出して初めて指定される」と発言。隣に着席していた橋下氏もうなずきながら同意を示すということがあった。そうすれば観光客が増えて経済的利益も得られると松井氏は言いたかったのだろうが、天皇陵に電飾をつけるなど日本の歴史と天皇制を冒とくしていると感じざるを得ないし、度を越した拝金主義だ。 お金だけでは考えられないものもあり、お金を支出してでも守るべきものがある。時代の流れの中で文化を守り、子供たちに継承していく教育環境を整備していくことは政治家の役割のひとつであろう。 天王寺動物園について話を戻そう。私も幼い頃、祖母にもらった100円で買った餌のイワシをアシカがいるプールにもったいぶって投げ込んだのを覚えているが、昔から多くの子供たちにとって「生きるということは他の生物の命をもらっていることなのだ」といった多くのことを学ぶ場となっているのだ。 ゆえに小中学生は入場料が無料だったのだが、橋下市政の中で、平成25年4月から大阪市外に住む小中学生は有料となってしまった。補助金を減らすために、関西でも有数の動物園を広く教育に使ってもらうことを止めてしまうというのは何とも寂しい気持ちになる。 大阪市の経営で、大阪市民の税金で成り立つのだから大阪市民以外はお金を払えという理論は分からなくもないが、大阪市で線引きをしてしまうということは、維新のお題目である「ワン大阪」という大阪をひとつにする大阪都構想を目指す党として甚だ矛盾しているのだ。 政府は増税分を教育・福祉にまわすとして、給付型奨学金や幼児教育無償化などと国民が「これで教育費は1円もかからないのだな」と勘違いしてしまうような、聞こえのいいキーワードを並べてはいるものの、実際は負担が増えたり、高齢者の社会福祉に多大なしわ寄せがきたりという事例も生じている。これがまさに大阪で維新がしていることも同様の張りぼてなのだ。 維新議員たちは事あるごとに「大阪市営交通局ではトイレがきれいになりました」とアピールし、最近は大阪御堂筋線中津駅でライトアップ工事などを行っている。利用者はきれいになったと単純に喜んでしまいそうなのだが、見栄えだけを取り繕う前に安全性を高めるために一刻も早いホームドア設置などが優先されるべきだ。 子供、高齢者や障がい者を思いやる気持ちが感じられない維新の張りぼてのまちづくりでは東京に追いつくことなど到底ないだろう。天王寺動物園も見栄えだけじゃなく、子供たちの教育や動物を管理する環境を最優先するべきだ。天王寺動物園のヤギのメイちゃんらと記念撮影する橋下徹・大阪市長(当時・中央)=2014年12月26日、大阪市北区の市役所(村本聡撮影) 私は大阪市がここまで追い込まれた天王寺動物園にさらなる予算をねん出しないのは「天王寺動物園(博物館)なんてなくなってしまった方が金儲けになる」「動物園なんかより、観光客を呼び込めるIR(統合型リゾート施設)を誘致してお金にしようぜ」などと維新が考えているのではないかと危惧している。お金で買えないものだってあるんですけどね。政治家に必要なことは拝金主義ではなく、思いやりの気持ちです。

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    カン違いぶりに腹が立つ「魔の3回生」はこうしてつくられる

    上西小百合(前衆院議員) 魔の3回生。第46回(2012年)衆議院議員総選挙で初当選した自由民主党所属議員を指す俗称だ。 この前まではこれが魔の2回生と言われ、ワイドショーでは頻繁に私と同期議員の顔写真が並べられていた。この頃は些細(ささい)なミスでも「魔の2回生」というだけで鬼の首を取ったように世間から全力でバッシングされていたので、慰謝(いしゃ)しに行くとカラ元気で振る舞う本人を見て、気の毒だなと思ったこともあった。ただ、許されざる議員も多いことは事実だ。 私が一番バカだなと感じたのは、中川俊直前衆院議員の不倫・ストーカー疑惑報道だ。中川家は代々衆院議員を務めるいわゆるサラブレッドなのに、そのすべてを破壊するような愚かな行為に驚愕(きょうがく)した。次に門博文衆院議員と中川郁子前衆院議員との不倫路上キス。私が議員の不倫を許せない理由は「家族のことも思いやれない人に、国民のことを思いやる政治をするのは無理」「不倫する暇があるなら勉強しろ」と思うからだ。 私は議員時代、胃腸炎で休養した3日間以外、1日たりとも休んだことはなかった。国会活動はもちろん、国会のない日は地元に帰って市民の声を聞くための政治活動や、他地域の首長や議員との意見交換会などの予定をビッシリ入れて動き回った。プライベートな時間は食事と睡眠のみと言っても過言ではなかったので、このような報道を見ていると「気楽な人たちだな、自民党に所属しさえすれば次の選挙は寝ていても当選すると思っているのだろうな」と思わざるを得なかった。 新しい話だと、元男性秘書への傷害と暴行の容疑で新潟県警に書類送検された自民党の石崎徹衆院議員。議員秘書の資質・現状についてはまたの機会に述べるとして、今のご時世ではいかに問題のある秘書や部下であっても、パワハラは許されるものではないという誰でも知っているようなコンプライアンスを何処(どこ)かに忘れてきてしまうほど、彼も浮き足立っていたのだろう。元秘書への暴行問題を受け、新潟市内の街頭で謝罪する石崎徹衆院議員=2019年10月5日 ただ、石崎衆院議員は今年7月の問題発覚後から3カ月経過したものの、先日地元で街頭活動などをし、市民に直接謝罪と説明をしているということだから、自分に投票してくれた地元有権者に説明もせずに雲隠れする丸山穂高衆院議員よりは随分根性がある。 丸山議員も同じ3期目なので、「3期目に不祥事が多いのはなぜですか」とよく取材で聞かれるが、彼は元官僚だからか、これまで普段は自分を抑制し、端でみていて不自然なほどに腰を低くして振る舞っていた。それがストレスとなり酒量も増えたのだろうが、なんせお酒に弱すぎて、普段抑制している本能や本心がむき出しになってしまうという体質からして、議員には絶望的に不向きな人だ。進次郎議員ですら質問ゼロ さて、丸山議員はさておき、どうしてこんなハチャメチャな自民党議員が現れるのかというと、強固すぎる「安倍1強」体制と既得権益を求めて政府与党にしがみつきたい一部の国民が問題の根底にある。 第46回から48回(2017年)の総選挙のいずれも自民党であれば当選するのが当たり前だった。沖縄県などの地域事情や野党の重鎮議員との戦いでもない限り、比例復活すらしない自民党候補者は目も当てられないほど地元で嫌われていたりして、落選後に次の公認がもらえないというほどだ。要するに自民党候補者であれば超高確率で当選する状況だから、議員は特段の努力をする必要がない。 国会議員の代表的な仕事のひとつである国会質問の機会すら自民党は所属議員が多過ぎるので野党議員に比べると極めて少ない。 議員は委員会や本会議でより鋭い質問し、国民のためになる答弁を政府から引き出すために専門家との勉強会や官僚とのレク(レクチャー)を繰り返す。 政府の出した法案に党から言われた通り賛成しているだけでは鍛錬は難しいと言えよう。現に、首相を待望されているランキング上位にいつも食い込む小泉進次郎議員ですら、質問回数ゼロ・質問主意書提出回数もゼロで実績がないと揶揄(やゆ)されているほどに国会内で自民党議員には緊張感がない。 そして、自民党議員を見ていると、国民に対してではなく安倍首相への忠誠心を競い合っているように感じるのだ。以前、三原じゅん子参院議員が本会議で登壇し、「安倍首相に感謝こそすれ」という演説で物議をかもしたが、安倍首相の政策にこれぐらい激しく支持を表明してさえいれば、除名されることはほぼない上に、それだけで評価されてしまうありさまである。※写真はイメージです(GettyImages) そんな議員たちをさらにダメにするのが既得権益を求める業界団体といった国民の存在だ。同期の自民党議員と話していると、「毎日国会が終わったら、接待が1日4~5件あってさぁ。表向きは勉強会よ(笑)」など喜々として話していた。そこで接待する側は1期目の議員にも「先生、素晴らしい。先生のお力があれば…頼りにしております」なんて散々持ち上げて、時にはプレゼントまでするものだから勘違いをしてしまう。 ちなみに私が所属していたできたばかりの野党、維新にはそんな接待はほぼなく、大抵国会業務が終われば、同じ党の議員で集まり飲んでいた。これは身を切る改革を掲げる維新にはあるまじき行為だが、党のお金(政党助成金)を経費として使う権限をもつ大阪維新の会の議員が毎月数百万以上を使って仲間やメディアに高級店でご馳走(ちそう)していたということだから、接待だらけの自民党議員と環境は全く違うことは、お分かりいただけるだろう。こうして勘違いが始まる 他にも、パーティー券販売や献金集めも自民党議員は容易だ。よく自民党議員が「パーティーの告知をすれば、企業や業界団体が『先生、百万円ほど買わせてください』って飛んでくるからほんと儲かるんだよな」と笑っていた。まず野党にそんなことはない。 本来、国民と議員は対等に敬意を払い合う関係でなければならないにも関わらず、このように一部の国民が自民党議員に「われわれより偉いものはいない」という勘違いをさせ、国民の代表として国民のために尽くすことが役割だという自覚を失わせてしまっているのだ。 こうして不祥事を起こすようになった「魔の2回生たち」は、2017年の衆院議員総選挙公示前勢力で自民前職全体の4割近くを占める101人も立候補し、結果8割超の87人が当選している。 もちろん彼らの中にはまともな議員もたくさんいるが、不祥事議員も難なく当選を決めているので、そのように感覚のずれてしまった議員を当選させ続ける有権者も考えものだと私は思う。 いつまでも一定多数の国民が投票する際に「選挙では人ではなく党を選んでいる」状態である以上、自民党議員は努力する必要性を一生感じないだろう。 魔の3回生に不祥事があれば散々誹謗(ひぼう)中傷してきたくせに、いざ投票となれば「自民党の候補者にとりあえず入れておけばいいや」と何も考えずに1票を軽く扱う。「それなら最初から文句を言うなよ」と言いたくなる。 ところで、「2017ユーキャン新語・流行語大賞」のトップテンに入った「魔の2回生」という言葉を生みだした産経新聞記者は「『魔の2回生』と呼ばれたことを笑い話にできるような、立派な政治家になって日本をよくしていただけたら」と語っている。議員にとっては救いとなるような言葉で、しかも正しい。与野党関係なく議員はカップラーメンのように3分たったら出来上がりというわけにはいかない。国会議事堂の建物=2017年9月、国会(斎藤良雄撮影) 新入社員と同様に、新人議員が一人前になるには多少の時間がかかる。不倫、酒乱、パワハラや差別発言などをする議員は救いようがないが、新人議員の間抜けなやらかしには心ばかりの寛容さも与えてやってほしい。叩き潰してばかりだと、何も育たない焼け野原になってしまうから。

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    「セクハラ、パワハラ、票ハラ…」こんな女性議員に誰がなりたい?

    上西小百合(前衆院議員) 7月の参院選は男女の候補者数をできるだけ均等にするよう政党に努力義務を課す「政治分野における男女共同参画推進法」施行後、初の国政選挙だったが、女性の当選者は28人で前回と同数にとどまった。 女性ゼロの地方議会がまだ2割もあるように、女性議員が増えないことが問題視されている。この問題を解決すべく議会にクオータ制(議員や会社役員などの女性の割合を一定数起用する制度のこと)導入を提唱する声もあるが、私はこれに大反対だ。 有権者はやみくもに女性議員をつくり出したいわけではない。女性の声を代弁してくれる議員がほしいのである。 れいわ新選組から重度障がいのある議員が誕生した際に、障がいのある方とお話したら「議員さんがもっと障がい者の声を拾ってくれたら行かなくてええんや。弱者の声を聞いて代弁してくれたら何も本人が行く必要ないやん」と仰っていた。 確かにその通りで、話すことすら大変な労力を要する重度障がい者が国会の激務に耐えなければ、障がい者に関する制度が満足いくものにならないというのは国民の声を代弁すべき国会議員の不徳の致すところとしか言いようがなく情けない話だ。 しかし、志があるにもかかわらず立候補をしにくい人がいるのは問題だ。私は2012年の冬、29歳で衆議院議員選挙に初めて立候補したのだが朝から晩までカメラがはりつき、帰宅後ネットニュースをみると自分が選挙を戦っている記事が大量に掲載されていた。当選後も当時最年少女性議員ということで多くの取材を受けた。実際、国会では見渡す限りほとんどが男性議員で衆議院議員の平均年齢は約53歳。若い女性が珍しいという状況では女性に対する福祉課題に取り組むのは容易ではないだろうなと初登院時の心中は穏やかではなかったことを覚えている。 私が国民から受けた要望のひとつに子宮頸(けい)がんワクチンへの副反応問題がある。けいれんや痛みなどワクチンの副作用を疑う症状を発症しても、ワクチンとの因果関係を示す証拠がないために一般病院の医師はワクチンとの因果関係の可能性を認めることはほとんどなかった。 ゆえに救済措置を受けられずに高額な治療費がかかってしまうので、被害者救済とワクチンの見直しをという声だった。当時私が所属していた小さな野党である維新には単独で政策を実現することは不可能なので、与党の医師免許をもつ議員や女性議員のもとへと奔走していたのだが、最も私の支えになってくれたのは、乳がん・子宮頸がん検診促進議員連盟の会長を務めた野田聖子議員だった。 “ワクチンではなく検診を受けやすい環境をつくることでがん予防を進めたい”という思いを込めた私の提言を厚労大臣に伝えてくれたことは非常に有り難かったし、その後の私の副作用に悩む方々のための活動の礎(いしずえ)となっている。このようなデリケートで女性特有の課題に関しては女性議員の「存在」が欠かせないと実感した案件だった。衆院予算委員会で平成31年度予算案の採決に反対し、野田聖子委員長に詰め寄る野党理事ら=2019年、衆院第1委員室(春名中撮影) さて、それにもかかわらず、これほどまでに女性議員が増えない理由を挙げていく。 一つ目は、最近問題視されだした「票ハラ」=「1票の力」を振りかざしハラスメント行為をするモンスター有権者の存在だ。100万円寄付してやるから… もちろん、国政について意見をくれる有権者は、議員にとって有り難い存在なのだが、中には女性議員を「女」としか見ない有権者がいるのだ。 私も会合で「俺が会社に声をかけたら100票はある。この前のあんたの選挙の時も実は声をかけていたんやで」「俺はお前に投票してやったんだ、俺の横に座ってろ」と体をベタベタ触られるという腹立たしい状況に何度もあった。 議員になりたての頃は先輩議員から「支援者はちゃんと機嫌をとっておけよ」と言われていたので、馬鹿みたいにヘラヘラ笑ってやり過ごしてはいたものの、中には「100万円寄付してやるからさ…」などと卑猥な言動を執拗(しつよう)に繰り返す許し難い有権者もいた。 私は接待要員として会合に出席しているのではなく、国会議員として国民の声が聴きたくているのにという怒りが沸々とし、頭をパチンとはたいたことがあった(あくまでも大阪のお笑いの範疇で)。そこで私は、政策で選んでくれなければ投票されなくても仕方ないじゃないかと本来の自分を取り戻し、「票ハラ」に打ち勝つことができたのだ。 ただ、この諸悪の根源は日本の主権者教育の中身のなさだということを議員は肝に銘じておかなければならない。投票の見返りは「国民生活の向上」であって、それ以外にあってはならないという理解が深まれば、私のように有権者相手に怒ることができない女性議員も多少は救われるのではないだろうか。※写真はイメージです(GettyImages) 逆に、議員側に問題がある場合もある。男性議員・女性議員関係なく、票欲しさに有力者に小間使いのようなことをしたり、無償で送迎をしたりと公職選挙法ギリギリのご機嫌とりにいそしむ雑用係議員も珍しくはないのだ。 もはや政策や思想信条なんてそっちのけ。このような議員が多いので、一昔前の皆から尊敬される議員の姿というものは残念ながらもうない。よくてせいぜい小泉進次郎議員のようなマスコット的扱いだろう。私もメディアに露出している影響で、地元行事に行くと皆が押しかけて写真撮影やサインを頼まれた。認知され、喜ばれることはうれしいが、国民の声が全く聞けないその時間も実は考えものだったりする。先輩から後輩へのセクハラ そして二つ目。一部の倫理観に欠けた男性議員からの女性議員に対するセクハラ行為や、先輩議員から後輩議員へのパワハラ行為だ。 過去には大阪維新の会所属の大阪市議らが乱痴気(らんちき)騒ぎの飲み会で女性市議の胸を触るなどした写真が週刊誌に掲載され、物議を醸したことがあった。 これは男女共に楽しんでいたようなのでセクハラを飛び越えて、ひたすらに恥ずかしい大人たちとしか言いようがないのだが、確実に議員のモラルは低下している。私が先輩地方議員から受けたパワハラは理不尽な金銭要求や、その議員の支援者である企業への商品発注や契約強要等であり、当時クリーンな政治を打ち出していた維新のどす黒い部分を目の当たりにし、嫌気が差していたものだ。 このような状況では志ある女性や若者が議員になったとしても、馬鹿馬鹿しくなってリタイアしてしまうことも危惧されるし、実際にそのような理由で立候補をやめる決断をしたという女性元地方議員から苦しい胸中を打ち明けられたこともあった。加害者となった議員には猛省を促したいと心底思う。 最後は、一般的な女性には非常にハードルが高い多額の選挙費用だ。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、平成30年の男女間賃金格差は男性を100とすると女性は73・3。専業主婦であれば自身の収入は全くない。「維新から立候補すればどうせ当選するでしょ。お金もないし選挙事務所もつくりません。自転車に旗立ててその辺まわってます」という姿勢で出馬する一部の維新地方議員候補者たち以外は、選挙の都度それなりの費用を準備しなければならない。 国政選挙であれば供託金だけで選挙区300万円プラス比例区300万円。加えて事務所賃貸費用、備品、工事費用や政策ビラの選挙区内全戸配布等々あっという間に数千万円が消えていく。だからといって、出馬する女性や若い候補者だけに金銭的補助を出すのは公平性が保たれないため法整備は難しい。国会議事堂前で記念撮影に臨む「和装振興議員連盟」の女性議員ら=28日午後、国会(酒巻俊介撮影) 問題の根本的な解決に必要なことは現代女性の置かれている環境の改善だ。女性の社会進出の障壁を取り除くために政府は女性のワークバランスを重視した子育て支援に直ちにとりかかり、男女間賃金格差をなくしていくべきだ。 高いハードルのようだが、議員も含め国民の意識改革だけで大きく状況が改善される部分もある。クオータ制の導入という方法ではなく、自然な形で女性議員が増えていくことこそが国民の生活を一歩前進させることにもつながる。だからこそ私たちは乗り越えていかなければならないのだ。■テレ朝記者「セクハラ告発」に舌打ちしたオンナ記者もきっといる■選挙だけは強い「維新の会」に未来なんて感じない■政見放送でバズるしかなかった「マイナー新党」候補の独白

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    松井一郎さん、いっそ維新も「N国」と組んだらいかが?

    上西小百合(前衆院議員) 先の参院議員選挙で、法律に反してNHKの受信料の不払いを主張する政党「NHKから国民を守る党(N国)」が誕生した。契約者のみが視聴できる「NHK放送のスクランブル化」というワンイシューを掲げると共に、党首の立花孝志氏はこの目標が達成された際には党を解散、自身も議員を引退することを宣言しているわけだが、私にはこの政党の手法が日本維新の会とダブって見えて仕方がないのだ。 理由は三点。一点目は前回の私の記事でも触れたように、ワンイシュー政党であるということ。維新の実績・公約の主張の仕方を見ると「身を切る改革」のワンイシュー政党と言ってもなんら遜色はない。 二点目は、両党とも「公約が実現すれば解散」と宣言し、議員報酬が欲しいわけではないように見せかけることで、信用を勝ち取る手法をとっている。 維新は「住民投票で大阪都構想が実現すれば解散」と主張している。ただ、前回の住民投票の際には「住民投票は一回しかやらない」と言いながら、いざ否決されると「もう一度する!」とコロコロ言うことを変えるから信用できなくなっている人も増えている。化けの皮が剝がれたということだ。 そして、三点目は炎上を自ら引き起こしてでも、話題性を獲得したいという点だ。 「炎上女王」というあまり有り難くないあだ名がある私はいつも自然発火なので、この気持ちは理解し難いのだが、N国党は「政界渡り鳥」との異名を持つ渡辺喜美議員や、直ちに進退判断を促す「糾弾決議」を衆院で全会一致により可決された丸山穂高議員と炎上覚悟の連携をしている。 維新は党のホームページに「レッツ炎上」という言葉を恥ずかしげもなく掲載し、維新の女性議員たちが「少女時代です!」と喜々として自己紹介をする動画をユーチューブにアップしている。 韓国の女性アイドルグループ名と同じネーミングにした理由も聞いてみたいのだが、あまりの違和感に見ているこちらが恥ずかしくなってしまい、冒頭で視聴を止めてしまった。誤解なきよう堅苦しいことを言わせていただくが、「少女」の対義語は「少年」で、少年法第一章第二条では「二〇歳に満たない者」と定められている。だから違和感が半端ないのだ。しかし、維新議員の悲しさはN国党代表とは違って、本部が地方ゆえ全国的な存在感がなく、わざわざ素っ頓狂(すっとんきょう)なことをしても炎上すらできないところだ。日本記者クラブで会見する(左から)松井一郎大阪市長と吉村洋文大阪府知事=2019年5月15日、東京都千代田区(三尾郁恵撮影) このように似た者同士の維新とN国党なのだが、N国党が受信料の不払いを主張していることについて、維新の代表を務める松井一郎大阪市長が「国会議員の受信料未払いをNHKが見て見ぬふりをするなら、一般の人にも認めないとあかん。(受信料の支払いを)大阪市もやめる」と発言し、同じく維新の吉村洋文大阪府知事もこれに追随し「大阪市が払わないのは当然だし、府も払わない」と話した。この良識が欠如した発言には開いた口がふさがらない。受信料、払ってますか? 法律で定められていることなのだから、「認める」「認めない」という短絡的な話ではない。違法は違法であって、国会議員が違法行為をしたからと言って、国民や自治体が違法行為をしても構わないという理論はない。どちらもアウトだ。「赤信号みんなで渡れば恐くない」という姿勢には驚愕(きょうがく)させられる。 このように、松井代表の発言が非常に問題であることは言うまでもないが、この発言がしたければ、すべての維新の所属議員、議員関係者が過去にNHKの受信料を支払っているという前提が必要だ。私はここに非常に興味を持っている。過去に政治資金規正法違反が指摘された地方議員を幾名も所属させていただけに、NHK受信料を支払っていない議員も存在すると私はにらんでいる。 維新にはぜひ、所属議員や議員事務所、議員秘書など関係者、関係各所の過去のNHK受信料の領収書を公開していただきたい。それこそ彼らの大好きな炎上が見られるのではないかと思っている。 松井代表は丸山議員が参加するN国党に何か文句をつけたかったのかもしれないが、これではN国党に同調し、後方支援をしているかのようなマヌケな惨状に陥っている。彼がよく行う、浅はかなパフォーマンスはいつも失言につながる。 以前も江田憲司議員に対し、ツイッターで「痴呆症の症状が見受けられます(原文ママ)」ととんでもないコメントをして、慌てて撤回謝罪したことがあった。やらかしては火消し作業にいそしむというコントの繰り返しで、今回も例にもれず「『大阪市も払わない』というのは松井一郎代表の『例えの話』だと思う」と日本維新の会の馬場伸幸幹事長があっけらかんと言ってのけた。党代表の言葉はそれほどまでに軽いのかと何とも言えない不思議な気持ちになる。 さて、違法行為を仄(ほの)めかす発言を堂々とできるほどにNHK受信料を支払いたくない松井代表は地上波のスクランブル化の議論も進めるべきだと強調している。NHKから国民を守る党への入党を表明し、立花孝志代表(左)と握手する丸山穂高衆院議員=2019年7月29日、衆院第二議員会館(古厩正樹撮影) 丸山議員が所属しているから嫌かもしれないが、N国党との連携を模索してみたら面白いかもしれない。ついでに同じく受信料を支払いたくない玉木雄一郎代表の国民民主党も誘って。そうすれば、国政政党日本維新の会が何か変わるかもしれない。松井さん、今までみたいに何もしなければ、いつまでも自民党の補完勢力のままですよ。維新にはどっちを選んでもイバラの道ですが…。いかがですか?■iRONNAが初イベント、講師は上西小百合氏■選挙だけは強い「維新の会」に未来なんて感じない■【上西小百合独占手記】橋下さん、私からはこれが最後の言葉です

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    選挙だけは強い「維新の会」に未来なんて感じない

    上西小百合(前衆院議員) 参議院選挙の結果を見て、今回は真新しい風景がたくさんあるなとしみじみ思っている。与党や維新はいつも通りなのだが、新しく出てきたばかりの野党が、彼らなりのやり方である種の奮闘を見せたことは意外だった。 私は大阪で生まれ育ち、選挙も大阪選挙区から出馬して、衆議院議員を二期務めたので保守が強いのが当たり前の空気に囲まれていたのだが、都心部周辺(東京など)をまわるとそれは一転する。リベラルがかなりの人気を誇っているのだ。 「れいわ新選組」山本太郎代表が各地で街頭演説をすると、とんでもない数の群衆が押し寄せる。そこには、維新の代表として、大阪でムーブメントを起こした時の橋下徹氏同様の熱狂的なものがあった。 リベラルと保守の違いはあれども、新しい政党が、どうにかして変えてくれるのではないかという淡い期待を抱いた日本国民が熱狂したのだ。れいわ新選組の山本太郎代表と当時の維新橋下徹氏の手腕は、カリスマ的だ。 私が衆議院議員の任期を終えてから、よく「なぜ、維新はこんなに選挙に強いのでしょうか」という取材を受ける。確かに、そう聞きたくなるのも分からないわけではない。唯一無二の維新の象徴であった橋下氏は維新を去り、写真も一切使用禁止というお触れが出ているのだから、危機的状況に陥ってもおかしくはなかった。 それに加えて、国政での維新の評価は、与党でも野党でもない「ゆ党」だの「虎(自民党)の威を借る狐(きつね)」だの「自民党の補完勢力」などと散々な言われようだ。中には再選を不安視した議員が存在感を出そうと国会質問の場で「あほ」「ばか」などと品位のない言葉を発し、懲罰委員会が開かれようが、特に気にも留めないで平然といるような状況だ。 私でさえも国会にいるときには「こんなことでは支持者が離れ、次の選挙で維新は議席を半減させてしまうのではないか」と心配したものだが、維新はとにかく選挙になると驚くべき底力で踏ん張るのだ。当選確実の報を受け、ガンバローコールする日本維新の会・東徹候補(左)と梅村みずほ候補(右)=2019年7月21日、大阪市北区(渡辺恭晃撮影) この部分には一目置くべきところがあって、彼らの「何としても当選するぞ」という議員であることへの執着心からくる戦略がいつも功(こう)を成すのである。大阪のプライドをくすぐる 2012年に日本維新の会が結党したときは全国的に議員を生みだし、政界の重鎮と言われるようなベテラン議員のアドバイスもあり、それなりに国政政党としての形はあったのだが、その後はほぼ大阪選出の議員ばかりになってしまい、もはや地域政党ばりのコンパクトな姿となった。 そこで維新は大阪での議席をまずは守ることに特化すべく、もう9年も前に行った2011年の大阪府議会の議員定数・議員報酬カットを所属議員がアピールし続け、「身を切る改革で大阪から日本を変える」というワンイシューで大阪人の大阪プライドをうまくくすぐり続けたのだ。 参院選挙のコマーシャルもその一点を声高々にアピールしているのが印象的だっただろう。私も議員時代の街頭演説で日々実感していたことだが、外交や経済など、幅広い話をするよりワンイシューで攻めると非常に受けがいい。なんといっても、とにかく簡単で分かりやすいのだから。「NHKから国民を守る党」が議席を獲得したことがいい例だ。 加えて、維新は話題性をつくり出すという点でも非常に戦略的だ。今年の統一地方選挙の前には、大阪都構想の住民投票をめぐってダブル選挙を行った。本来ならば、住民投票は一回限りだったはずなのだが、「反対するならば選挙や。首長を選ぶ選挙なら、まだ維新の方が強いんや」という、冷静に考えれば非常に強引とさえ思えるやり方で、維新の歯車を好転させることに成功した。首長の当選にけん引され、府議選、市議選共に「維新」の看板を掲げる候補者が圧勝。そして大阪の参院選挙でもその影響が持続し、圧勝した。 政党助成金をもらっているとはいえ、自民党ほど資金が潤沢ではない中でワンイシューを掲げるインパクトのあるコマーシャルも放送し、大阪以外でもそれなりに知名度のある候補者の擁立に成功した。そのようにして相乗効果を生みだし、議席を獲得していくやり方も狡猾(こうかつ)だった。 今後、維新の抱える課題としては国会で「自民党の補完勢力」と揶揄(やゆ)される状況から直ちに脱却することだ。自民党に仕えても、自民党は維新を眼中に入れてはいないし、維新にはもう衆議院は3期目、参議院は2期目を迎える所属議員がいる。自立したっていいのだ。記者会見に臨む日本維新の会の松井一郎代表=2019年7月21日、大阪市北区(須谷友郁撮影) 決して新党ではないし、なんなら今は爆発的なエネルギーを持つ新しい改革政党がめじろ押しだ。国会での「本当」の存在感を出していかなければ、いつの日かは大阪府民からも愛想をつかされてしまう日がやってくる。2011年の大阪維新の会の行動力をいまだ脳裏に焼き付け、あの奇跡が国政でも行われることを期待している支持者の声にそろそろ応えてほしい。【お知らせ】上西小百合氏を講師に迎えた「iRONNA」初のリアルイベントを開催! 大阪都構想、憲法改正のカギを握る一方で議員の不祥事が問題視されている維新の会の話を中心に講演します。■テーマ「(仮)維新の会を斬る!」■日時、会場 8月30日(金)午後2時~3時半、産経新聞大阪本社(大阪市浪速区)■定員 50人募集■参加費 3千円■申し込みは産経iDのサイトから。登録(入会金・年会費無料)が必要です。https://id.sankei.jp/※詳細は下記をご確認くださいhttps://ironna.jp/theme/1057関連記事■【上西小百合独占手記】橋下さん、私からはこれが最後の言葉です■橋下徹が私たち大阪人に残したのは「負の遺産」だけだった■自民党が参院選でついに「煽り」に出た理由