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    「N国」に乗っかる維新がみっともない

    国会議員の受信料不払いを黙認するなら、大阪市も払わない―。維新代表、松井一郎大阪市長の発言が物議を醸した。「NHKから国民を守る党(N国)」への批判とジョークかもしれないが、不払いという違法行為を党代表が「公言」した格好だ。とはいえ、そもそも共通点が多いN国と維新。両党の連携はなきにしもあらず?

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    松井一郎さん、いっそ維新も「N国」と組んだらいかが?

    上西小百合(前衆院議員) 先の参院議員選挙で、法律に反してNHKの受信料の不払いを主張する政党「NHKから国民を守る党(N国)」が誕生した。契約者のみが視聴できる「NHK放送のスクランブル化」というワンイシューを掲げると共に、党首の立花孝志氏はこの目標が達成された際には党を解散、自身も議員を引退することを宣言しているわけだが、私にはこの政党の手法が日本維新の会とダブって見えて仕方がないのだ。 理由は三点。一点目は前回の私の記事でも触れたように、ワンイシュー政党であるということ。維新の実績・公約の主張の仕方を見ると「身を切る改革」のワンイシュー政党と言ってもなんら遜色はない。 二点目は、両党とも「公約が実現すれば解散」と宣言し、議員報酬が欲しいわけではないように見せかけることで、信用を勝ち取る手法をとっている。 維新は「住民投票で大阪都構想が実現すれば解散」と主張している。ただ、前回の住民投票の際には「住民投票は一回しかやらない」と言いながら、いざ否決されると「もう一度する!」とコロコロ言うことを変えるから信用できなくなっている人も増えている。化けの皮が剝がれたということだ。 そして、三点目は炎上を自ら引き起こしてでも、話題性を獲得したいという点だ。 「炎上女王」というあまり有り難くないあだ名がある私はいつも自然発火なので、この気持ちは理解し難いのだが、N国党は「政界渡り鳥」との異名を持つ渡辺喜美議員や、直ちに進退判断を促す「糾弾決議」を衆院で全会一致により可決された丸山穂高議員と炎上覚悟の連携をしている。 維新は党のホームページに「レッツ炎上」という言葉を恥ずかしげもなく掲載し、維新の女性議員たちが「少女時代です!」と喜々として自己紹介をする動画をユーチューブにアップしている。 韓国の女性アイドルグループ名と同じネーミングにした理由も聞いてみたいのだが、あまりの違和感に見ているこちらが恥ずかしくなってしまい、冒頭で視聴を止めてしまった。誤解なきよう堅苦しいことを言わせていただくが、「少女」の対義語は「少年」で、少年法第一章第二条では「二〇歳に満たない者」と定められている。だから違和感が半端ないのだ。しかし、維新議員の悲しさはN国党代表とは違って、本部が地方ゆえ全国的な存在感がなく、わざわざ素っ頓狂(すっとんきょう)なことをしても炎上すらできないところだ。日本記者クラブで会見する(左から)松井一郎大阪市長と吉村洋文大阪府知事=2019年5月15日、東京都千代田区(三尾郁恵撮影) このように似た者同士の維新とN国党なのだが、N国党が受信料の不払いを主張していることについて、維新の代表を務める松井一郎大阪市長が「国会議員の受信料未払いをNHKが見て見ぬふりをするなら、一般の人にも認めないとあかん。(受信料の支払いを)大阪市もやめる」と発言し、同じく維新の吉村洋文大阪府知事もこれに追随し「大阪市が払わないのは当然だし、府も払わない」と話した。この良識が欠如した発言には開いた口がふさがらない。受信料、払ってますか? 法律で定められていることなのだから、「認める」「認めない」という短絡的な話ではない。違法は違法であって、国会議員が違法行為をしたからと言って、国民や自治体が違法行為をしても構わないという理論はない。どちらもアウトだ。「赤信号みんなで渡れば恐くない」という姿勢には驚愕(きょうがく)させられる。 このように、松井代表の発言が非常に問題であることは言うまでもないが、この発言がしたければ、すべての維新の所属議員、議員関係者が過去にNHKの受信料を支払っているという前提が必要だ。私はここに非常に興味を持っている。過去に政治資金規正法違反が指摘された地方議員を幾名も所属させていただけに、NHK受信料を支払っていない議員も存在すると私はにらんでいる。 維新にはぜひ、所属議員や議員事務所、議員秘書など関係者、関係各所の過去のNHK受信料の領収書を公開していただきたい。それこそ彼らの大好きな炎上が見られるのではないかと思っている。 松井代表は丸山議員が参加するN国党に何か文句をつけたかったのかもしれないが、これではN国党に同調し、後方支援をしているかのようなマヌケな惨状に陥っている。彼がよく行う、浅はかなパフォーマンスはいつも失言につながる。 以前も江田憲司議員に対し、ツイッターで「痴呆症の症状が見受けられます(原文ママ)」ととんでもないコメントをして、慌てて撤回謝罪したことがあった。やらかしては火消し作業にいそしむというコントの繰り返しで、今回も例にもれず「『大阪市も払わない』というのは松井一郎代表の『例えの話』だと思う」と日本維新の会の馬場伸幸幹事長があっけらかんと言ってのけた。党代表の言葉はそれほどまでに軽いのかと何とも言えない不思議な気持ちになる。 さて、違法行為を仄(ほの)めかす発言を堂々とできるほどにNHK受信料を支払いたくない松井代表は地上波のスクランブル化の議論も進めるべきだと強調している。NHKから国民を守る党への入党を表明し、立花孝志代表(左)と握手する丸山穂高衆院議員=2019年7月29日、衆院第二議員会館(古厩正樹撮影) 丸山議員が所属しているから嫌かもしれないが、N国党との連携を模索してみたら面白いかもしれない。ついでに同じく受信料を支払いたくない玉木雄一郎代表の国民民主党も誘って。そうすれば、国政政党日本維新の会が何か変わるかもしれない。松井さん、今までみたいに何もしなければ、いつまでも自民党の補完勢力のままですよ。維新にはどっちを選んでもイバラの道ですが…。いかがですか?■iRONNAが初イベント、講師は上西小百合氏■選挙だけは強い「維新の会」に未来なんて感じない■【上西小百合独占手記】橋下さん、私からはこれが最後の言葉です

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    選挙だけは強い「維新の会」に未来なんて感じない

    上西小百合(前衆院議員) 参議院選挙の結果を見て、今回は真新しい風景がたくさんあるなとしみじみ思っている。与党や維新はいつも通りなのだが、新しく出てきたばかりの野党が、彼らなりのやり方である種の奮闘を見せたことは意外だった。 私は大阪で生まれ育ち、選挙も大阪選挙区から出馬して、衆議院議員を二期務めたので保守が強いのが当たり前の空気に囲まれていたのだが、都心部周辺(東京など)をまわるとそれは一転する。リベラルがかなりの人気を誇っているのだ。 「れいわ新選組」山本太郎代表が各地で街頭演説をすると、とんでもない数の群衆が押し寄せる。そこには、維新の代表として、大阪でムーブメントを起こした時の橋下徹氏同様の熱狂的なものがあった。 リベラルと保守の違いはあれども、新しい政党が、どうにかして変えてくれるのではないかという淡い期待を抱いた日本国民が熱狂したのだ。れいわ新選組の山本太郎代表と当時の維新橋下徹氏の手腕は、カリスマ的だ。 私が衆議院議員の任期を終えてから、よく「なぜ、維新はこんなに選挙に強いのでしょうか」という取材を受ける。確かに、そう聞きたくなるのも分からないわけではない。唯一無二の維新の象徴であった橋下氏は維新を去り、写真も一切使用禁止というお触れが出ているのだから、危機的状況に陥ってもおかしくはなかった。 それに加えて、国政での維新の評価は、与党でも野党でもない「ゆ党」だの「虎(自民党)の威を借る狐(きつね)」だの「自民党の補完勢力」などと散々な言われようだ。中には再選を不安視した議員が存在感を出そうと国会質問の場で「あほ」「ばか」などと品位のない言葉を発し、懲罰委員会が開かれようが、特に気にも留めないで平然といるような状況だ。 私でさえも国会にいるときには「こんなことでは支持者が離れ、次の選挙で維新は議席を半減させてしまうのではないか」と心配したものだが、維新はとにかく選挙になると驚くべき底力で踏ん張るのだ。当選確実の報を受け、ガンバローコールする日本維新の会・東徹候補(左)と梅村みずほ候補(右)=2019年7月21日、大阪市北区(渡辺恭晃撮影) この部分には一目置くべきところがあって、彼らの「何としても当選するぞ」という議員であることへの執着心からくる戦略がいつも功(こう)を成すのである。大阪のプライドをくすぐる 2012年に日本維新の会が結党したときは全国的に議員を生みだし、政界の重鎮と言われるようなベテラン議員のアドバイスもあり、それなりに国政政党としての形はあったのだが、その後はほぼ大阪選出の議員ばかりになってしまい、もはや地域政党ばりのコンパクトな姿となった。 そこで維新は大阪での議席をまずは守ることに特化すべく、もう9年も前に行った2011年の大阪府議会の議員定数・議員報酬カットを所属議員がアピールし続け、「身を切る改革で大阪から日本を変える」というワンイシューで大阪人の大阪プライドをうまくくすぐり続けたのだ。 参院選挙のコマーシャルもその一点を声高々にアピールしているのが印象的だっただろう。私も議員時代の街頭演説で日々実感していたことだが、外交や経済など、幅広い話をするよりワンイシューで攻めると非常に受けがいい。なんといっても、とにかく簡単で分かりやすいのだから。「NHKから国民を守る党」が議席を獲得したことがいい例だ。 加えて、維新は話題性をつくり出すという点でも非常に戦略的だ。今年の統一地方選挙の前には、大阪都構想の住民投票をめぐってダブル選挙を行った。本来ならば、住民投票は一回限りだったはずなのだが、「反対するならば選挙や。首長を選ぶ選挙なら、まだ維新の方が強いんや」という、冷静に考えれば非常に強引とさえ思えるやり方で、維新の歯車を好転させることに成功した。首長の当選にけん引され、府議選、市議選共に「維新」の看板を掲げる候補者が圧勝。そして大阪の参院選挙でもその影響が持続し、圧勝した。 政党助成金をもらっているとはいえ、自民党ほど資金が潤沢ではない中でワンイシューを掲げるインパクトのあるコマーシャルも放送し、大阪以外でもそれなりに知名度のある候補者の擁立に成功した。そのようにして相乗効果を生みだし、議席を獲得していくやり方も狡猾(こうかつ)だった。 今後、維新の抱える課題としては国会で「自民党の補完勢力」と揶揄(やゆ)される状況から直ちに脱却することだ。自民党に仕えても、自民党は維新を眼中に入れてはいないし、維新にはもう衆議院は3期目、参議院は2期目を迎える所属議員がいる。自立したっていいのだ。記者会見に臨む日本維新の会の松井一郎代表=2019年7月21日、大阪市北区(須谷友郁撮影) 決して新党ではないし、なんなら今は爆発的なエネルギーを持つ新しい改革政党がめじろ押しだ。国会での「本当」の存在感を出していかなければ、いつの日かは大阪府民からも愛想をつかされてしまう日がやってくる。2011年の大阪維新の会の行動力をいまだ脳裏に焼き付け、あの奇跡が国政でも行われることを期待している支持者の声にそろそろ応えてほしい。【お知らせ】上西小百合氏を講師に迎えた「iRONNA」初のリアルイベントを開催! 大阪都構想、憲法改正のカギを握る一方で議員の不祥事が問題視されている維新の会の話を中心に講演します。■テーマ「(仮)維新の会を斬る!」■日時、会場 8月30日(金)午後2時~3時半、産経新聞大阪本社(大阪市浪速区)■定員 50人募集■参加費 3千円■申し込みは産経iDのサイトから。登録(入会金・年会費無料)が必要です。https://id.sankei.jp/※詳細は下記をご確認くださいhttps://ironna.jp/theme/1057関連記事■【上西小百合独占手記】橋下さん、私からはこれが最後の言葉です■橋下徹が私たち大阪人に残したのは「負の遺産」だけだった■自民党が参院選でついに「煽り」に出た理由