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    故ジョージ・フロイドさん、救急隊の到着時に「脈なかった」 元警官裁判で証言

    2021年04月02日 11:29 公開 昨年5月に米ミネアポリスでジョージ・フロイドさん(当時46)の首を膝で9分以上押さえつけて死亡させたと殺人罪で起訴された元警官の公判で1日、救急隊員2人が自分たちが現場に到着した時点でフロイドさんには脈がなかったと証言した。 殺人と故殺の罪で起訴されている元警官デレク・チョーヴィン被告(45)は、罪状を否認している。ミネアポリス市内にあるミネソタ州ヘネピン郡地裁での裁判は、3月末から実質審理が始まった。 セス・ブラヴィンダー救急隊員は、出動要請を受けた当初は、人命に関わる事案ではない印象だったが、現場に到着した時点でそうではないと分かったと法廷で証言した。 自分たちが現場に着いた時は警官たちが誰かともみあっているのかと思ったものの、フロイドさんがぐったりしているのにすぐ気づいたという。容体を判断するため、チョーヴィン被告にフロイド氏から離れるように言う必要があったと、ブラヴィンダー隊員は述べた。 チョーヴィン被告に向かって手を動かして何か話しかけている現場映像について質問されると、ブラヴィンダーさんは「患者を動かせるよう」、警官に「動いてもらいたかった」のだと説明した。 ペアを組んでいるデレック・スミス救急隊員はフロイドさんの首に指を当てて脈を確認しようとしたものの、感じられなかったとして、「一般的な意味では、すでに死亡していると思った」と証言した。 「自分が現場に着いた時点で、患者に対する医療行為は行われていなかった」とも、スミスさんは述べた。 ブラヴィンダーさんは、フロイドさんの頭部が路面を打たないように抱えながら、その体を担架に移し、救急車に収容して胸骨圧迫を開始したと話した。 フロイドさんの心臓から電気反応が見えたと思ったため、蘇生のため電気ショックを与える処置もしたという。「彼はひとりの人間で、自分は生きるチャンスを与えようとした」のだとスミス隊員は述べた。 ブラヴィンダー隊員は、病院へ向かう途中にフロイド氏の心電図波形がフラットライン(一直線)になり、心停止となったことや、スミス隊員による処置を手伝うために救急車を停車させたことなどを話した。フロイドさんを蘇生させようと手を尽くしたものの、回復しなかったという。 フロイドさんの恋人も証言 この日の公判では、フロイドさんの恋人コートニー・ロスさんも証言した。フロイドさんを直接知っていた人が証言するのは初めて。 ロスさんは、自分たちが知り合ったのは2017年で、救世軍のホームレス避難施設で警備員として働いていたフロイドさんと、施設のロビーで出会ったのだと話した。息子の父親に面会しようとロビーで待っていたロスさんに、フロイドさんは自分のために祈ってくれないかと頼んだという。 「とても素敵で、当時の自分は神様を信じる気持ちをかなり失っていた」とロスさんは述べ、その晩に自分たちは初めて口付けをしたのだと話した。 自分たちのこのなれそめが「とても好きだ」と話したロスさんはその上で、2人とも慢性的な疼痛(とうつう)に悩まされており、麻薬鎮痛剤オピオイドを含む薬への依存症にかかっていたと話した。 「依存症というのは、一生の戦いだと私は思う。すっかり消えてなくなることはないし、自分が永遠に抱えることだと思う」とロスさんは述べたが、事件当時のフロイドさんがオピオイド系の薬を使っていたどうかには触れなかった。 フロイドさんの遺族を代理を務める弁護士たちは、元警官の弁護士たちが「ジョージ・フロイドの死因は鎮痛剤フェンタニルを摂取していたからだという筋書きを構築しようとしている」と非難した。 「ジョージが死ぬ様子をビデオで見た全世界の人たちに、あらためて指摘したい。デレック・チョーヴィンが膝でジョージの首を押さえつけ、呼吸できないようにして、命を消し去るまで、ジョージは歩いてしゃべって笑って、しっかり息をしていたことを、思い出してもらいたい」と、フロイドさん遺族の代理人たちは述べた。 無罪を主張するチョーヴィン被告の弁護団は、フロイドさんの死因は薬物の過剰摂取と体調不良で、警官たちが拘束のため使用した威力の程度は合理的なものだったと弁護を展開する方針を示している。 この日の審理ではほかに、事件当日の監督責任者だったデイヴィッド・プレーガー警官が証言。当日の夜になって初めて、チョーヴィン被告がフロイドさんの首を膝で押さえつけていたことを知ったと述べた。プレーガー警官は、「事態を掌握し」容疑者に手錠をかけ終えたら、ただちに膝による圧迫をやめるべきだと通常の逮捕術について説明。「人がずっとうつぶせになっていると、呼吸が妨げられる」ため、姿勢を変えさせるのが望ましいと述べた。 なぜこの事件が重要なのか 助けてくれと懇願するアフリカ系男性の首を、白人警官が膝で長時間押さえつけ、やがて男性がぐったりする様子を写した映像は、世界中で激しい怒りを巻き起こし、アメリカ全土のほか世界各地で人種差別や警察暴力に抗議するデモが相次いだ。 フロイドさんの死の前からアメリカでは、アフリカ系市民が警官によって死亡する事件が相次いでいた。 バラク・オバマ元大統領は、一連のデモは「警察慣行や司法制度全般を改善しようと何十年も続いた取り組みが失敗し続けてきたことへの、もっともないらだち」の表れだと話していた。 <関連記事> 【解説】 なぜアメリカで大勢が怒っているのか 人種に関する3つのデータ アメリカでは、警官に撃たれて死亡する被害者のうちアフリカ系市民の割合が突出して多く、薬物事件で逮捕されるアフリカ系市民の割合も同様に多い。また白人市民に比べて実刑判決を受ける確率は5倍に達する。 一方で、容疑者が逮捕時に死亡しても警官が起訴される割合は少なく、ましてや有罪判決が出ることは珍しい。それだけに、今回のこの裁判はアメリカの刑事司法制度がこのような事案を今後どう扱うかの重要判例になると、注目されている。 (英語記事 Derek Chauvin trial: Paramedics say Floyd had no pulse when they arrived)

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    オーストラリアの五輪メダリスト、コカイン密輸で有罪に

    2021年04月02日 11:28 公開 オーストラリアの裁判所は1日、2億豪ドル(約170億円)相当のコカインを密輸しようとした罪で、同国のカヤック選手で五輪メダリストのネイサン・バッガリー被告と弟に有罪判決を言い渡した。 ネイサン被告と弟のドルー・バッガリー被告は共に無罪を主張していた。量刑は4月後半に決定する見込み。 ドルー被告と共犯のアンソニー・ドレイパー被告は2018年、クイーンズランド州沖で船でコカインを密輸しようとしたところを発見された。海上で警察や海・空軍に11時間に渡って追跡された末、逮捕された。 2004年のアテネ五輪で2つの銀メダルを獲得しているネイサン被告は、密輸に使われた船を購入していた。 検察によると、同被告は2人の密輸計画に関わり、船を購入したほか、衛星通信設備や航行支援システムを取り付けていた。 終身刑の可能性も これに対しネイサン被告は、船はドルー被告から与えられて買ったもので、ホエールウオッチングのビジネスを始めると言われていたと述べたと、ABCニュースは報じている。 しかし、船体の登録番号を隠していたテープからは、ネイサン被告の指紋も見つかっている。 バッガリー兄弟は以前にも、麻薬製造グループに関わったとして有罪判決を受けているほか、2009年にも別の麻薬関連の裁判で有罪となっている。 ABCニュースによると、2人は共に終身刑となる可能性がある。 一方ドレイパー被告は今年初めに麻薬密輸の罪を認めており、バッガリー兄弟に関する証言を行ったことで減刑となった。 (英語記事 Olympian tried to smuggle $150m of cocaine)

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    ミャンマー、子どもの死者40人超に 援助団体が警告

    家族は、警察の家宅捜索の際、キンミオチットちゃんが父親に駆け寄ろうとしたところを警官に撃ち殺されたとBBCに話した。 キンミオチットちゃんの姉(25)は、「警察がドアを蹴り破った」、「ドアが開き、警察が父に、家の中にほかに誰かいるのか聞いた」と説明。 誰もいないと父親が答えると、警察はうそだと責め、家の中の捜索を始めたという。 そのとき、キンミオチットちゃんが父親に向かって駆け出し、「警察は妹を撃った」と、姉はBBCに話した。 路上で遊んでいたところを 死者には14歳の少年も含まれている。この少年はマンダレーの自宅の中か近くにいたところを銃撃されたとみられている。 最大都市ヤンゴンでは、路上で遊んでいた13歳の子どもが銃弾を受けて亡くなっている。 セーブ・ザ・チルドレンは、けがを負った子どもも相当数に上っているとみられると警告している。一例として、1歳の赤ちゃんの目にゴム弾が命中したと報じられていることを挙げた。 同団体はまた、暴力によって子どもたちが恐怖や悲しみ、ストレスを感じ、精神衛生に悪影響が及んでいるとの声明を出した。 「子どもたちは暴力と恐怖を目の当たりにしている」、「ミャンマーはもはや子どもたちにとって安全な場所でないことは明らかだ」。 多数の死者が出ると警告 国連のミャンマー特使は、国軍による弾圧が激しさを増していることを受け、近いうちに多数の死者が出る危険性があると警告した。 国軍とタイ国境地域の少数民族の武装勢力は現在、戦闘状態にある。 こうした状況から、国連は職員に、ミャンマーからの出国を指示した。同様の指示はすでに他国の当局や機関も出している。国連は、職員の一部はミャンマーに残るとしている。 ミャンマー国軍に対しては、欧米などが制裁を発動している。 イギリスは1日、ミャンマー国軍に資金を提供している複合企業ミャンマー・エコノミック・コーポレーション(MEC)に対し、さらなる制裁措置を取ると発表した。 ドミニク・ラーブ英外相は「ミャンマー国軍は、子どもを含む罪のない人々を無差別に殺害し、悪質さを増している」、「イギリスの今回の措置は、国軍の重要資金源を標的にしたもので、人権侵害に対してさらに圧力を強めるものだ」とした。 ミャンマーでは、アウンサンスーチー氏がクーデターで指導者の地位から追放されて以降、国軍のミンアウンフライン総司令官が実権を握っている。 (英語記事 'More than 40 children killed' in Myanmar unrest)

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    「息子を育てられなくなるのが怖い」 経済危機下のレバノン市民

    2021年04月02日 9:24 公開 レバノンが過去数十年で最悪の経済危機に陥っている。今や人口の半数以上が貧困状態にある。 物価が5倍に膨れ上がった一方で、市民の所得は以前と変わらない。 アンジェラさんは大勢の市民と同様に、なんとか生活を維持している。 息子のミルクを買うために薬局を数十カ所も探し回ることも多いという。

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    米移民収容施設、子ども3400人がすし詰め状態 メディアに公開

    2021年04月01日 19:30 公開 親を伴わず中南米からアメリカへ越境した子ども約3400人が、テキサス州ドナの施設に収容されている。 米・メキシコ国境へ押し寄せる移民の問題が深刻さを増す中、ジョー・バイデン政権はこのほど、収容施設内部の様子をメディアに公開した。 施設をめぐっては、メディアから内部取材を求める声が上がっていた。

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    「1日に2時間45分しか動けない」 長期化するコロナ症状に悩む若者

    2021年04月01日 17:14 公開 リースさんは2020年3月、イギリスでの流行の第1波で新型コロナウイルスの感染症COVID-19にかかった。だが他の20代の患者と同様、入院することはなかった。 しかし、軽症で済んだと思ったCOVID-19は長期化し、悪夢となった。現在はパートナーのアリスさんが、リースさんの世話をしている。 感染から数カ月後、リースさんは「CFS/ME(慢性疲労症候群/筋痛性脳脊髄炎)」と診断され、専門家の治療を受けることになった。 専門家はその後、リースさんのCFS/MEは「Long Covid(長期コロナ感染症)」の一種だと判断。Long Covid専用の医療機関へ行くように告げた。 ビデオ・ジャーナリスト:ローナ・アクア、エグゼクティブ・プロデューサー:ケイト・フォーブス

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    「自分は悪者じゃない」、フロイドさんが懇願する映像公開 元警官の裁判3日目

    2021年04月01日 15:34 公開 黒人男性ジョージ・フロイドさんが昨年5月に米ミネソタ州で死亡した事件で、フロイドさんの首を膝で押さえつけて死なせたとされるミネアポリス警察の元警官デレク・チョーヴィン被告(44)の裁判は31日、審理3日目を迎えた。 検察は事件当時の新たな映像を公開。複数の目撃者が、現場で何があったのか証言した。証言中に涙ぐみ、言葉を詰まらせる人もいた。 チョーヴィン被告はこの事件で、第2級殺人と第2級・第3級故殺の罪に問われている。全ての罪状で有罪となった場合の最高刑は禁錮65年。チョーヴィン被告は無罪を主張している。

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    フェイスブック、トランプ氏の「声」を削除 義理の娘が投稿

    2021年04月01日 14:51 公開 ソーシャルメディアの米フェイスブックは3月31日、ドナルド・トランプ前米大統領の動画を、義理の娘ララ・トランプ氏のページから削除した。 フェイスブックは今年1月、トランプ氏支持者が首都ワシントンの連邦議会を襲撃した事件を受け、トランプ氏のアカウントを停止している。 ララ氏が投稿したのは、トランプ氏へのインタビュー動画。ララ氏は現在、フォックスニュースで働いている。 <関連記事> トランプ氏がSNS復帰を計画、独自のプラットフォーム創設へ 側近が明かす 「暴力の脅威が収まれば」トランプ氏のアカウント復活も YouTube幹部が発言 トランプ氏のアカウントを一時凍結、違反続けば永久に ツイッターとフェイスブック ララ氏はその後、フェイスブックからアカウント停止の注意を受けた電子メールのスクリーンショットをインスタグラムに投稿した。 「ケイトリン」というスタッフから送られてきたメールには、「ドナルド・トランプ氏のフェイスブックとインスタグラムのアカウントに施した停止措置に基づき、同氏の声が含まれる投稿は削除され、このアカウントにも制限がかけられます」と書かれている。 https://www.instagram.com/p/CNENWoUrQVn/ ララ氏は、前大統領の息子エリック・トランプ氏の妻。 ララ氏は動画が削除された後、別の動画プラットフォーム「Ramble」で展開している自身のオンライン番組「The Right View」にこのインタビュー動画を掲載し、フェイスブックにそのリンクを投稿した。 フェイスブックは1月7日にトランプ氏のアカウントを「無期限に」凍結したと発表したが、現在、監督委員会がこの凍結を永久的なものにするかどうかを協議している。 マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は1月当時、「大統領にこの時期、我々のプラットフォームを使い続けさせるのはあまりにもリスクが大きい」と語っていた。 トランプ前大統領はほかにも、ツイッターやユーチューブでアカウントを凍結されている。 (英語記事 Facebook bans 'voice of Trump' from platform)

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    フロイドさんが警官に懇願する映像、法廷で初公開 米元警官の裁判

    2021年04月01日 14:23 公開 米ミネソタ州で昨年5月に黒人男性ジョージ・フロイドさん(当時46)を死なせたとして起訴された、元警官デレク・チョーヴィン被告(45)の裁判で、現場にいた警官らのボディカメラの映像が31日、新たに証拠として示された。フロイドさんが逮捕時、「私は悪者ではない」などと訴える姿が記録されていた。 裁判の審理はこの日で3日目。映像には、フロイドさんが警官に対し、危害を加えないよう懇願する様子が映っていた。また、チョーヴィン被告が膝を9分以上、フロイドさんの首に置き続けていたことも記録されていた。 チョーヴィン被告は、起訴内容の殺人および故殺の罪について無罪を主張している。弁護団は、フロイドさんの死因は薬物の過剰摂取や体調不良で、被告による強制力の行使は正当だったと主張する方針を示している。 フロイドさんの逮捕前と逮捕時の映像が示されたことについては、薬物の影響で死亡したとする主張に対抗する、検察側の戦略の一部ではないかとの見方が出ている。 <関連記事> フロイドさんに「何もできなかったと謝り続けている」 元警官の裁判で10代目撃者 ジョージ・フロイドさんは「ゆっくりと意識を失っていった」 元警官裁判で目撃者が証言 【解説】 なぜアメリカで大勢が怒っているのか 人種に関する3つのデータ ボディカメラの映像 この日の裁判で公開された映像は、トーマス・レイン被告、J・アレクサンダー・クング被告、トウ・サオ被告の3人の元警官が身に着けていたボディカメラが撮影したもの。チョーヴィン被告のカメラはフロイドさんの逮捕時に地面に落ちたため、何が起きたのか記録していなかった。 レイン被告のカメラの映像では、フロイドさんは警官と対面し、「撃たないでください(中略)お母さんを失ったばかりなんです」と懇願していた。 フロイドさんは手錠をかけられると、レイン被告とクング被告に対し、抵抗はしないと言い、「指示されたことは何でもする」と告げた。 警官らがフロイドさんを警察車両に乗せようとした際、もみ合いになった。フロイドさんは泣き出し、閉所恐怖症で不安だと言って抵抗した。 この逮捕の最中、チョーヴィン被告と、パートナーのサオ被告が到着した。 警官らはフロイドさんを車内から引きずり出し、地面に押さえつけた。映像からは、フロイドさんが母親を呼ぶとともに、家族に対してみんなを愛していると言っているのが聞き取れる。 周囲の人たちは警官らに向かい、フロイドさんの脈を確認し、制圧を解くよう大声を上げ始めた。 偽札を受け取った店員が証言 この日の裁判では、フロイドさんが逮捕前に買い物に訪れた商店「カップ・フーズ」の店員クリストファー・マーティンさん(19)が証言。フロイドさんと短い会話をした時の様子を語った。 フロイドさんは単純な質問にも答えるのが難しかったことから、「ハイな状態に見えた」が、会話するには支障がなかったと述べた。また、フロイドさんは「親しみやすく、話しやすい」人だったとした。 この店の監視カメラの映像には、笑い声を上げ、人々と話し、歩き回っているフロイドさんの姿が記録されている。 マーティンさんは、フロイドさんにたばこ1箱を売り、偽札を受け取ったと証言した。色と手触りから偽札だとわかったとしたが、フロイドさんは「偽札だと知っているようには見えなかった」と述べた。 マーティンさんはフロイドさんに指摘せず、自らの給料から偽札分を差し引こうかと考えたが、結局は上司に報告。別の店員が警察に通報したと話した。 フロイドさんが逮捕される場面を見ていたマーティンさんは、「偽札を受け取らなければ今回の事は避けられたかもしれない」ことから、「信じられない思いと罪の意識」を感じたと述べた。 最初に現場にいた人も チャールズ・マクミリアンさん(61)さんもこの日、証人となった。監視カメラの映像では、フロイドさんの逮捕現場に最初に居合わせた人物とされている。 マクミリアンさんは、フロイドさんと会話をし、警察車両に乗り込むよう言ったと証言した。また、一連の出来事を目撃していた間、自らの「無力感」を覚えていたと述べた。 映像では、マクミリアンさんがチョーヴィン被告に向かい、「膝を首の上に置くのは間違っている」と言っていたのが確認できる。 法廷でこの映像が公開されると、マクミラン氏は涙を流し始め、裁判官はしばし休廷した。 注目を集める裁判 チョーヴィン被告がフロイドさんの首を押さえつけている映像は世界中に広がった。 フロイドさんが拘束中に死亡したことは、多くの人にとって(特に有色人種に対する)警察の暴力の象徴となり、世界各地で人種差別の抗議デモが行われた。 しかし、世界的な非難とは裏腹に、刑事裁判としての結論は決して分かりきった自明のものではない。アメリカでは、警官が勤務中に人を死亡させても、ほとんど訴追されず、有罪になることはまれだ。 アメリカの司法制度が警察による容疑者拘束中の死亡事件をどう扱うのか、この裁判の判決に大きな注目が集まっている。 (英語記事 Floyd's pleas with officers shown in bodycam film)

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    フランス、3度目の全国ロックダウンへ 学校も閉鎖

    2021年04月01日 14:00 公開 フランスのエマニュエル・マクロン大統領は3月31日、フランス全土の学校を少なくとも3週間閉鎖すると発表した。フランスでは新型コロナウイルスの流行が続いており、ロックダウンを強化する。 フランスの学校は来週から、リモート学習に切り替えられる。 また、一部地域で3月初めに始まっていたロックダウンをその他の地域にも拡大する。4月3日からは日用品以外の小売店が営業できなくなり、自宅から10キロ圏外への移動は、相応の理由がない限り禁じられる。 同国では現在、5000人以上が集中治療室(ICU)で治療を受けており、感染のピークに直面している。 保健省の発表によると、この日だけで新たに5万9038件の新規感染が報告された。フランスではこれまでに460万人以上が新型ウイルスに感染し、9万5495人が亡くなっている。 <関連記事> ドイツがロックダウン延長、イースター中も制限強化 欧州で感染拡大 パリがまたロックダウンへ フランスは流行の「第3波」懸念 マクロン大統領はテレビ演説の中で、フランスは「きわどい」状況にあり、4月が重要な時期となると説明。「今手を打たなければ制御不能になる」と話した。 また、ワクチン接種事業を急ぎながらも、流行を食い止める努力が続いていると述べた。 学校閉鎖については、市民生活維持に不可欠なキーワーカーの子ども向けに校舎での授業を継続すると付け加えた。 すでに全国で行われている午後7時以降の外出禁止も継続されるほか、在宅勤務が推奨される。 マクロン大統領は、「みんなが他人との接触を制限する必要がある」と述べ、イースター(復活祭)の週末の間にロックダウンを過ごしたい場所へ移動しておくよう呼びかけた。 その上で、新しい施策が守られれば「トンネルの終わり」が見えてくるだろうと話した。 フランスの首相官邸は、議会が1日にマクロン氏が発表した施策を審議・採決すると明らかにした。 フランスの状況は フランスではCOVID-19の重症患者が増えており、グラン・パリの病院ではICUへの重圧が高まっている。パリ周辺の病院は現在、新型ウイルス関連以外の診察・治療を縮小している。 フランス病院連盟は先週、当局が感染を抑制できなければ、全国の病院が向こう数週間で「前例のない暴力的なダメージ」を受けると警告。政府に対し、「厳しいロックダウン」を求めていた。 市民の間でも全国的なロックダウンを求める声が高まっていた。エラブ研究所が3月31日に発表した世論調査では、回答者の54%がロックダウンに賛成していた。 アンヌ・イダルゴ・パリ市長も、「状況は非常に深刻」だとして、学校閉鎖を支持した。 フランスの教師グループは先に、教室で子どもたちと接する教職員を守らず、「他者の命を危険にさらしている」として、ジャン=ミシェル・ブランカー教育相を提訴している。 欧州のその他の状況 ドイツでは、特に感染が広がっているバイエルン州とバーデン=ヴルテンベルク州の首相が、状況が予想以上に悪化しているとして、政府に対して厳しい制限を求めた。ハンブルク市は2日から夜間外出禁止措置を開始する予定だ。 スペインでは、3月31日に海岸やプールなどを含む屋外でのマスク着用を義務付ける法律が施行された。だが、大きな批判を受けて見直しに入っている。 ポルトガル当局は、優先グループ全員にについて、4月11日までに少なくとも1回目ののワクチン接種を完了する予定だと述べた。この優先グループには介護施設の入居者、80歳以上の高齢者、50歳以上で感染リスクの高い人々が含まれる。 ポーランドでは31日に新たに653人が亡くなり、今年に入って最多を記録した。同国ではこれまでに5万3045人が亡くなっている。 (英語記事 French schools to close under third Covid lockdown)

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    米ファイザー製ワクチン、「子どもにも有効」 新型コロナウイルス

    2021年04月01日 12:38 公開 米製薬大手ファイザーは3月31日、未成年に対する新型コロナウイルスワクチンの臨床試験(治験)の結果、12~15歳の接種者で100%の有効性と強い免疫反応が確認されたと発表した。 アメリカで行われた治験には2260人の未成年が参加。安全性が確認されたほか、異常な副作用などもみられなかったという。 ファイザーはこの結果をアメリカとヨーロッパの規制当局に提出し、12~15歳への緊急使用認可を取る方針だ。 ファイザーのワクチンは現在、16歳以上への接種が認められている。 イギリスでは現時点で、未成年に対するワクチン接種事業は計画されていない。 未成年が新型コロナウイルスにかかった場合、重症化や死亡の危険性は低い。パンデミックを通し、入院治療が必要なケースは非常にまれだ。 一方、50歳以上や既往症のある人々のリスクは高く、ワクチン接種事業でも優先されている。 <関連記事> ドイツ、アストラゼネカ製ワクチンを制限 60歳以上だけに イギリス国民の半数が抗体を保有 新型ウイルス ワクチンの予防効果、「実世界」でも94% イスラエルの研究 ファイザーなど製薬各社は、子どもに対する新型ウイルスワクチンの効果について調査を行っている。 未成年がワクチンを接種すれば学校を閉鎖せずにすむほか、市中感染を抑制し、既往症などで感染リスクの高い子どもを守ることにつながる。 ファイザーは現在、12歳未満への治験も進めており、ゆくゆくは生後6カ月までを対象とする方針だ。 英アストラゼネカも、イギリスで6~17歳に対するワクチン臨床試験を行うと発表。3月に最初の300人がワクチンを受けた。イギリスでは同ワクチンは18歳以上に接種が認可されている。 米モデルナも11歳未満を対象とした治験を始めている。 まだ分かっていないこと ファイザーの12~15歳に対する臨床試験では偽薬を投与されたグループで18人の感染が報告された一方、ワクチンを投与されたグループでは1人も感染者が出なかった。 全ての参加者が21日の間隔を開けて2回の接種を受けた。感染した18人はすべて症状が出た。ただし、無症状感染を見つける検査は行われていない。 今回の結果は中間結果で、全体のデータは発表されておらず、査読も学術誌への掲載もまだだ。 英医師協会で会長を務めていたピーター・イングリッシュ氏は、ファイザーの発表を適切に評価するにはさらにデータが必要だと指摘した。 「無症状感染をどれだけ防いでいるのかについて知ることが有用だろう。若年層は重症化しにくい傾向にあり、感染しても無症状のことが多く、他者に感染させてしまうことがある」 ファイザーのプレスリリースでは、変異株が治験にどう影響したかは示されていなかった。感染をどのように調べたのかや、投与のタイミングを長くした場合の結果なども明らかになっていない。 ファイザーのアルバート・ブーラ会長兼最高経営責任者(CEO)は、今回の結果に「勇気付けられた」と述べた。 「このデータを数週間以内に食品医薬品局(FDA)や各国の規制当局に提出し、緊急使用認可の修正を依頼する予定だ。この年齢層が次の学年を始める前にワクチン接種を開始できれば幸いだ」 ビオンテックのウグル・サヒンCEO兼共同創業者も、臨床試験から、子どもたちが「ワクチンによって非常に強く保護されることが示された」と話した。 「子どもたちが日常的な学校生活に戻り、友達や家族と会いながらも、自分たちや愛する人たちが守られる、そういう状況がとても大事だ」 (英語記事 Children 'well protected by Covid Pfizer vaccine')

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    BBC北京特派員「取材妨害と嫌がらせが激化」 台湾に拠点移転

    2021年04月01日 11:17 公開 BBCのジョン・サドワース北京派員が、中国当局から圧力や脅しを受けたため、台湾に転出した。 サドワース特派員は中国に9年間駐在し、中国西部・新疆地区のウイグル族の処遇に関する報道で受賞歴がある。 中国はBBCのウイグル族をめぐる報道を非難してきた。 サドワース特派員は今後も台湾から取材を続ける。

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    BBC北京特派員、台湾に転出 中国当局から脅され

    2021年04月01日 10:46 公開 BBCのジョン・サドワース北京特派員が、中国当局から圧力や脅しを受けたため、台湾に転出した。 サドワース特派員は中国に9年間駐在し、中国西部・新疆地区のウイグル族の処遇に関する報道で受賞歴がある。 中国にとどまるのが困難になってきたとして、家族と共に北京を去った。その際、私服警官が空港のチェックインエリアまで後を追った。サドワース特派員の妻イヴォンヌ・マリー氏は、アイルランド公共放送RTEの中国担当記者。 サドワース特派員は中国での取材活動について、どこであろうと自身や取材チームは監視され、法的措置を取ると脅されるとしている。また、妨害や脅迫も受けるとしている。 <関連記事> 欧米、中国に制裁を発動 ウイグル族への「人権侵害」で 中国、BBCワールドニュースの国内放送を禁止 ウイグル報道など受け 中国、米紙記者に国外退去命令 新型ウイルス対応の批判記事に反発 取材チームはまだ北京に残っている。同特派員は、台湾から報道を続けると述べている。 BBCはサドワース特派員について、その記者活動を誇りに思っており、今後も中国への特派員であり続けるとする声明を発表。 「ジョンの記者活動は、中国当局が世界に知られたくないと思っている真実を明らかにした」と述べた。 中国はこれまで、BBCの新疆に関する報道を非難している。 中国外務省の華春瑩報道官は記者会見で、サドワース特派員の出国について、当局への事前通知はなかったと述べた。 「先日、サドワースの記者証の更新作業があった際に、サドワースがあいさつもせずに去ったと知った。中国を出た後も、関係当局に連絡せず、理由も明らかにしていない」 中国から報道する国際メディアは減り続けている。昨年は、米紙ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ウォール・ストリート・ジャーナルなどの記者が国外に退去させられた。 昨年9月には、オーストラリアのメディアの中国特派員としては最後となる2人が、両国の5日間にわたる外交的なこう着状態の末に、中国を去った。 中国の外国特派員協会(FCC)は、声明をツイッターに投稿。外国人記者は「自力ではどうすることもできない外交上の対立に巻き込まれている」とした。 また、「サドワースとBBCの同僚に対する虐待は、中国特派員の仕事を妨害するいやがらせと脅迫が広がっていることと、中国人の取材アシスタントへの圧力が増していることを示している」とした。 (英語記事 BBC's John Sudworth leaves China after threats)

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    ミャンマー抗議行動と弾圧、仏教界も意見分かれる

    ミャンマーでは、仏教僧が大きな影響力を持つ。抗議に参加する僧侶もいれば、軍を支持する僧侶もいる。 BBCは、異なる意見を持つウ・パル・マウク・カ氏とウ・サンダル・シリ氏の2人の僧侶を取材した。

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    新型ウイルス、中国「研究所流出」説の排除には「さらなる調査必要」=WHO事務局長

    2021年03月31日 14:06 公開 世界保健機関(WHO)は30日、新型コロナウイルスの起源を調べるために中国に派遣した調査団の報告書を公表した。WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は、新型ウイルスが武漢市の研究所から流出した可能性は極めて低いものの、この説を決定的に排除するにはより広範な調査が必要との認識を示した。 新型ウイルスは2019年末に中国・武漢市で初めて見つかった。 中国政府は研究所からの新型ウイルス流出疑惑を否定している。 米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、新型ウイルスが初めて確認されて以来、世界で280万人以上が死亡し、1億2800万人以上が感染している(日本時間31日午前時点)。 WHOの専門家チームは1月、新型ウイルス感染症COVID-19の発生源を調べるため武漢に入った。調査は中国当局から提供されたサンプルや証拠をもとに行われた。 テドロス事務局長は、専門家チームが生データにアクセスするのに苦労したとし、今後の「より適時かつ包括的なデータ共有」の実現を求めた。 同チームは新型ウイルスが武漢ウイルス研究所から流出した説も含め、あらゆる可能性を調査した。同研究所はコウモリのコロナウイルスの収集・保管・研究で世界的権威となっている。 アメリカのドナルド・トランプ前大統領も、新型ウイルス流出説を支持していた。 しかしWHOと中国の専門家は30日に発表した報告書で、研究所から新型ウイルスが流出した可能性は極めて低く、コウモリから動物を介しヒトに感染した可能性があると結論付けたと、AFP通信は伝えた。 一方で、テドロス氏はこの説をめぐっては「専門家を交えた追加ミッションを行うなど、さらなる調査が必要」だと述べた。 「WHOに懸念がある限り、全ての仮説がテーブルの上に残っている。このことを明確にお伝えしたい」 WHOの調査チームを率いたピーター・ベン・エンバレク博士も30日、武漢の研究所が今回のアウトブレイクと関係があることを示す証拠は見つかっていないと述べた。 エンバレク博士は、同チームは中国国外からも含め、政治的圧力を感じていたが、最終報告書から何かを削除するよう迫られたことはなかったと付け加えた。 また、2019年10月あるいは11月頃に武漢地域で新型ウイルスが広がっていた可能性は「大いにあり得る」とした。中国は同国内で最初の感染が報告されてから1カ月後の1月3日にWHOに新型ウイルスについて報告した。 日米など14カ国が懸念 アメリカや日本、韓国など14カ国は今回の報告書に懸念を表明。中国に対し、専門家にデータへの「完全なアクセス」を提供するよう求めた。14カ国は声明で、武漢での調査が予定より「大幅に遅れ、完全な元データやサンプルへのアクセスが欠如していた」と主張した。 また、WHOと協力していくことを約束した。 武漢市で最初の集団感染が確認されたにも関わらず、中国はこれまで、同市が必ずしも新型ウイルスの発生源とはいえないと主張してきた。同国国営メディアは輸入した冷凍食品でウイルスが運ばれてきた可能性があるとしている。 中国は迅速な大規模検査や厳重なロックダウン、厳しい渡航制限などを敷き、国内の感染流行をほぼ制御している。 (英語記事 China lab leak theory needs deeper probe, says WHO)

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    京都の桜、過去1200年で最も早く満開に=研究

    2021年03月31日 12:06 公開 京都の桜が、記録の残っている過去1200年で最も早く満開を迎えた。大阪府立大学の生態気象学研究グループの調査が指摘している。 京都では今年、3月26日に桜が満開となった。 一方、京都では宮廷の資料や日記などに花見の記述があり、最も古い記録は812年までさかのぼる。 その中で最も早かった満開日は3月27日で、1236年と1409年、1612年の3回が記録されている。 京都は今年、非常に温暖な春を迎えた。近年、桜の開花時期が早まっているのは、気候変動の影響である可能性が高いと科学者らは指摘している。 桜の開花時期のデータは古くから記録があるため、非常に価値が高いとされている。 2009年に学術誌「Biological Conservation」に掲載された論文では、「京都では桜の花見を行った時期を9世紀までさかのぼることができ、過去の気候を推定するととともに、温暖化や都市化による気温上昇を示すことができる」と説明されている。 大阪府立大学でこのデータを調査している青野靖之准教授はウェブサイトで、「(京都で書かれた)日記類、年代記類の中には、花見をしたとか、花(サクラ)が満開になったとかが書かれている場合が結構あります。日記などは毎日の記録なので、そうした記事の書かれていた日付を集積していけば、『サクラの満開日』としての植物季節データとなるのではないか」と述べている。 データでは1800年以降、京都では桜の満開の時期が4月半ばから4月初旬へと移ってきていることがうかがえる。 日本では気象庁が各地の開花や満開の情報を提供するなど、桜の様子が詳細に調査されている。 今年は広島で3月11日にソメイヨシノの開花が観測された。これまで2004年3月19日が観測史上もっとも早かったが、その記録を8日更新した。 (英語記事 Japan's cherry blossom 'earliest peak since 812')

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    フロイドさんに「何もできなかったと謝り続けている」 元警官の裁判で10代目撃者

    2021年03月31日 11:40 公開 黒人男性ジョージ・フロイドさんが昨年5月に米ミネソタ州で死亡した事件で、フロイドさんの首を膝で押さえつけて死なせたとされる元警官のデレク・チョーヴィン被告(44)の裁判の審理が30日に2日目を迎え、目撃者4人が証言した。現場に居合わせた10代女性は、「何もできなかった」ことをフロイドさんに「謝り続けている」と語った。 当時17歳だったダーネラさんは事件後、「自分の父親やきょうだい、いとこ、おじのことを考えている。みんな黒人なので」と述べた。 ダーネラさんはフロイドさんが拘束された様子を動画で撮影。この動画は人種的不平等や警察暴力の問題を浮き彫りにし、世界的な抗議運動を巻き起こした。 実質審理1日目の29日、検察側はチョーヴィン被告が約9分間にわたりフロイドさんの首を押さえつけたことが死亡の主な原因となったと指摘した。 ジェリー・ブラックウェル検察官は、チョーヴィン被告が「ジョージ・フロイドさんの身体に与える影響を考慮せずに(中略)非常に危険な行為をしていたことが」映像からわかると述べた。 一方、チョーヴィン被告の弁護を務めるエリック・ネルソン弁護士は、「9分29秒の映像よりも証拠の方がはるかに重要だ」と冒頭で指摘。 証拠によってフロイド氏の死因が「高血圧と心疾患、メタンフェタミンとフェンタニルの服用、そして体内のアドレナリンによる不整脈」だと示されるはずだと、弁護士は述べた。 <関連記事> ジョージ・フロイドさんは「ゆっくりと意識を失っていった」 元警官裁判で目撃者が証言 米ミネアポリス市、ジョージ・フロイドさん遺族と29億円で和解 【解説】 なぜアメリカで大勢が怒っているのか 人種に関する3つのデータ チョーヴィン被告はこの事件で、第2級殺人と第2級・第3級故殺の罪に問われている。全ての罪状で有罪となった場合の最高刑は禁錮65年。チョーヴィン被告は無罪を主張している。 フロイドさんの死に関わったとされる残る3人の元警官、トウ・サオ被告、J・アレクサンダー・クング被告、トーマス・レイン被告は、それぞれ殺人と故殺のほう助・教唆の罪に問われており、今年後半に個別に審理が行われる予定。 2日目の審理で何が 事件当時18歳未満だった4人の目撃者がモニター越しに証言した。証言中はカメラはオフにされ、陪審員は4人の姿やラストネームは確認できなかった。 ダーネラさんは9歳のいとこと一緒に食料品店カップ・フーズに徒歩で向かっている際に、路上でフロイドさんが拘束されている場面に遭遇した。 「男性がおびえ、命乞いをしているのが見えたので」携帯電話で動画を撮影し始めたと述べた。「そんなの間違っていると思った。彼は苦しんでいた」。 フロイドさんが「息ができない」と言っているのが聞こえた、おびえながら母親を呼んでいたと、当時の様子を語った。 ダーネラさんはフロイドさんの死を目の当たりにし、人生が変わったという。 「ジョージ・フロイドのことを考えると、自分の父親やきょうだい、いとこ、おじのことを考える。みんな黒人なので」と、ダーネラさんは泣きながら述べた。「家族の誰かが被害に遭っていたかもしれない」。 「自分が何もできなかったことをジョージ・フロイドに謝り続けている」 ダーネラさんの幼いいとこも証言し、自分が見た光景に「悲しさと怒り」を感じたと語った。「彼が苦しんでいるように聞こえた」。 友人同士のアリッサさん(18)とカレンさん(17)は、車で店に向かっていた時に事件に遭遇した。フロイドさんが息を引き取る瞬間を目撃し、無力感を覚えたという。「彼はただ横たわり、もはや闘うことも抵抗することもなかった」。 事件当時は非番だった消防士のジュヌヴィエーヴ・ハンセンさんは、フロイドさんの命を救う医療行為を警官に阻まれたと証言した。 警察による拘束中の死亡事件としても注目 チョーヴィン被告がフロイドさんの首を押さえつけている映像は世界中に広がった。 フロイドさんが拘束中に死亡したことは、多くの人にとって(特に有色人種に対する)警察の暴力の象徴となり、世界各地で人種差別の抗議デモが行われた。 しかし、世界的な非難とは裏腹に、刑事裁判としての結論は決して分かりきった自明のものではない。アメリカでは、警官が勤務中に人を死亡させても、ほとんど訴追されず、有罪になることはまれだ。 アメリカの司法制度が警察による容疑者拘束中の死亡事件をどう扱うのか、この裁判の判決に大きな注目が集まっている。 (英語記事 Teenager apologises to Floyd 'for not doing more')

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    イギリス国民の半数が抗体を保有 新型ウイルス

    2021年03月31日 11:06 公開 レイチェル・シュレア保健担当記者 英国民の半数近くが、新型コロナウイルスの抗体をもっているとみられることが、英国家統計局(ONS)の調査で明らかになった。 抗体は、新型ウイルスへの感染かワクチン接種によって獲得する。ほとんどは、ワクチン接種によって得るとされる。 イギリスではこれまでに約3000万人が、1回以上のワクチン接種を受けている。 抗体は血液中のタンパク質で、特定の感染症に反応して症状を鎮めようとする機能がある。 <関連記事> 英イングランドでロックダウン緩和、屋外での集会やスポーツを再開 英のワクチン接種成功は「強欲」と「資本主義」が理由……首相発言は「冗談」と周辺 マスク着用や社会的距離の確保、「あと数年続く」=英予防接種責任者 感染によるリスクが最も高い高齢者層では、抗体を保有する人の比率は他の年齢層より高い。 ただ、高齢者層では1月の感染ピーク以降、抗体の確認量が小幅に減っている。 これについてONSは、ワクチンの1回目の接種を最初期に受けたが2回目は未接種の人が、原因となっている可能性があると説明。同時に、それらの人の免疫力が低いことを示すものではないと強調している。 抗体の有無を判定 人体は感染症にかかると抗体ができ、次にかかったときに対応できるようになる。ワクチン接種は、感染症にかかることなく抗体を得る安全な方法だ。 ONSの調査で実施された検査は、血液中の抗体量が基準値を超えているかどうかで、抗体の有無を判断する。 ただ、抗体の量が少なくても、人体は守られる場合がある。 また、T細胞など、免疫システムの他の要素は今回の検査で計測されていない。 人体を守るT細胞については、抗体よりも長期間、検知可能だとする証拠もある。 抗体の減少がみられるのは、第1波で感染した人が原因になっている可能性がある。抗体は時間の経過と共に減るからだ。 高齢者の9割が保有 今回の調査では、イギリス各地から代表的な血液サンプルを集め、国民全体に占める抗体保有者の割合を推定した。 その結果、イングランドの55%、ウェールズの51%、北アイルランドの49%、スコットランドの43%の人々が、3月14日までに抗体を得ているとみられることが判明した。 ワクチン接種を受けた人が最も多い65歳以上の高齢者層では、約9割が抗体を獲得していた。3月初旬には3割ほどだったので、大幅に増加した。 この日発表されたデータからは、この時期のイギリス全土の死者数が、例年の予想を下回っている状況もわかった。 今月19日までの1週間の死者は1万1666人だったが、これは過去5年間の同期間の平均を8%下回るものだった。 (英語記事 Half of UK population has Covid-19 antibodies)

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    パンデミック下に生まれた赤ちゃんたち 5人の母親がロックダウン中の妊娠・出産を語る

    2021年03月31日 10:55 公開 新型コロナウイルスのパンデミックの中で妊娠と出産を経験した5人のイギリス人女性に、ポートレート写真家の二ナ・レインゴールド氏が話を聞いた。 新型コロナウイルスによるロックダウンが続いた2020年、イギリスでは妊娠中の女性が検診や出産をたった一人で経験することになった。 「これが妊娠中の女性や母親にとってどれほど恐ろしい状況なのか、若い家族のポートレートを中心に活動している写真家として、そして1人の母親として、全く想像がつかなかった」と、ブリストル在住の二ナ・レインゴールド氏は語った。 イギリスの国民健康サービス(NHS)は2020年12月、妊娠中の女性について、通院などに同伴者1人を認めると発表。パートナーや家族、友人など同伴者に選ばれた人物は、単なる訪問者ではなく、妊婦の手当てに「必要不可欠な要素」として病院から認められるべきだとの見解を示した。 レインゴールド氏は5人の母親を取材し、隔離された状態での妊娠・出産経験と、そのときに受けた医療や心的サポートについて話を聞いた。 エイミーさんと娘のエロウェンちゃん パンデミックがやってきたとき、私は妊娠18週目でした。 私は小児病院で脳の画像検査の仕事をしています。こうした臨床的な仕事ではまず期待できないことですが、すぐに在宅勤務に切り替わりました。 妊娠中の女性にとって状況は不確かなものでしたし、他の国ではCOVID-19が妊婦に影響を与えるケースも出ていました。 妊娠は病気ではないのに、職場に行かないことに罪悪感を覚えていました。仕事を放棄しているような気持ちになりました。 パートナーのクリスは何度か、妊婦検診に来られませんでした。こういうことは一緒にやるべきなので、とても残念でした。 最終的には緊急帝王切開になりました。トラウマになるほど恐ろしくて、回復もとてもつらかった。 クリスは分娩室への入室が認められましたが、手術の後に私もエロウェンも発熱したため、その晩は重症者治療室(HDU)に泊まりました。 クリスは滞在できませんでした。それが本当につらかった。私は体をねじってエロウェンを抱き上げることもできなかったし、新生児の母親として、どうやって母乳をあげたらいいかも分かりませんでした。 妊婦クラスにも通っていて、色々な情報を得られましたが、バーチャルクラスだったので社会的な側面は欠けていました。 出産後クラスの広告にもたくさん目を通しましたが、公共交通機関は使いたくなかった。たくさんのハードルがありました。 通常であれば、外出してバスに飛び乗って、他の母親に会うのももっと簡単だったでしょう。 ほとんどの新生児の母親たちが同じことを思っているはずです。一緒にいる人や助けてくれる人が必要だと。 エロウェンの成長についても、「これが普通なのか?」と自問自答します。分かりません。ほかに比べる対象がいないので。 誰も周りにいないというのはきついです。エロウェンは私の父にすらあったことがありません。 おじいちゃんもおばあちゃんも孫に触れたくて仕方がないのに! もう少し大きくなったら、もっと大勢の人に会って、人ごみや騒音にも慣れられれば良いと思っています。 ジョーさんと娘のオリーヴちゃん ロックダウン中の妊娠で一番つらかったのは、夫のピートが検診について来られなかったことです。自分1人で乗り切るのはとても怖かった。 それから、どちらかが体調を崩すんじゃないかといつも不安でした。この9カ月間、ずっと不安の霧がかかっているようでした。 ピートは出産にも最初から最後までは立ち会えませんでした。途中で検査が必要になったのですが、そこにはピートは入れてもらえませんでした。 出産の時に自分で用意できるスタッフはパートナーだけです。45分間も待合室で独りになるなんて予定にはなかったのに! 出産後、家では私とピートだけ。誰も家に呼ぶことができませんでした。 周囲から隔絶された時期だったと思います。初めての赤ちゃんを迎えた時に歩きたいと思っていた道ではありませんでした。 Zoomで妊婦のグループに参加しましたが、もしこれが対面だったら、クラスの後にお茶でもしていたでしょう。 何もかもに圧倒されて、自分の気分を保つのが大変でした。 妊娠も出産も子育ても、独りで学んでやることではありません。大勢の人たちが必要なんです。 ナオミさんと息子のアキロウちゃん 私が息子を産んだ日は、完全にロックダウンしていた時でした。 病院へ行くととても静かでした。窓の外の通りには誰もいませんでした。 新型ウイルスのことがあったので自宅で出産したいと思いましたが、分娩(ぶんべん)室でないといけないと言われました。 ウイルスは未知のものだったので、何が起きるか分からなかったからです。 外国では死者数が膨れ上がっていました。それがとても非現実的だったことを覚えています。 毎日大勢の人が亡くなっている。そのことを考えながら病院へ行って大勢の人と接触しなければならないと思うと怖かった。 パートナーも私と一緒に救急車で病院へ来て、出産直前まで立ち会うことができました。 彼は1~2時間で出て行くように言われていました。少し悲しかったし、彼も取り乱していたように思います。 私は3日間入院していました。その間、これまでにない不安感を覚えました。 話に来る人に敏感になっていました。みんな個人防護具(PPE)をちゃんと付けているか。近づきすぎないか。マスクをしているか……。 本当はリラックスして、赤ちゃんとの時間を楽しんで、隣に寝ている女性とも話したかった。でもその時は本当に過敏になっていました。 パンデミックの前には、上の子どもを保育園に入れている間に赤ちゃんとの時間を作って、親子グループに参加しようと思っていました。 でもそういうことは一切できませんでした。全て閉鎖されていました。保育園も。 時々、気分が全くすぐれない夜があって、そういう時は同じようなひどい経験をしている誰かと話したくなりました。そういう機会も全て失われました。 ステフさんと娘のノラちゃん パンデミックが起きたとき、私は妊娠5カ月でした。 ボリス(・ジョンソン首相)が記者会見でロックダウンを開始すると言ったとき、孤独を感じました。 「これから4カ月、毎日一人ぼっちでいなくちゃならないんだ」って。少し泣きました。 でもパンデミック中に妊娠を経験する全ての女性のことを考えて、自分は大丈夫だろうと考えました。 パートナーのジョーは病院での検診には同伴できませんでした。エコーを全く見られない時もあり、私たちにとっては残念なことでした。 一番心配だったのは、病院に行って新型ウイルスにかからないかということでした。 独りで検診に行くことは不安ではありませんでした。他の女性たちもそうしていたので。 そういう女性たちとの間に連帯感を見いだしていたんだと思います。 妊娠中の最悪の出来事は、すごく長いお産の後、1時間でジョーが病院を出なくてはいけなかったことです。 まず私と赤ちゃんが直接触れ合って、ジョーが同じことをして、そしたらもう彼は行かなくちゃならなかった。 ノラとは2日間、2人きりでした。もしジョーがそこにいたら、もっと大丈夫だったと思います。 ほかの女性も頑張っていたから、私もどうにかできました。でも全く良い体験ではなかった。 実のところ、パンデミック中の妊娠はそんなに悪いものじゃなかった。赤ちゃんができる前よりもずっと、ジョーとの「ふたりだけの時間」を過ごせたから。 パートナーとの関係が良好なら、ロックダウンは小さな繭(まゆ)の中に入るようなものです。 でもパートナーがすぐに赤ちゃんに会えないのは悲しいことです。 タッシュさんと息子のジギーちゃん 私が妊娠に気付いた時、イギリスでは新型ウイルスのニュースが広がり始めている時でした。 前回の妊娠では糖尿病になり、今回の妊娠との間も短かったので、これがリスクの高い妊娠期間になることは分かっていました。 それから産後うつもわずらっていました。人生でずっとうつ状態にありますが、妊娠中は特にひどくなるんです。 今回は本当につらかった。何トンものレンガが落ちてきたようなダメージを受けました。 妊娠糖尿病のせいで、私はNHSからテキストメッセージでこう言われたんです。「あなたは最も新型ウイルスの感染リスクが高い分類に入ります」って。 そのメッセージには、「屋内にいて、外には出ずに、他の人と同じ台所で食事をしないこと」と書かれていました。 それは長い「やってはいけないことリスト」でした。 窓は開けられます。そういうことが書いてあったんですよ! 窓を開けるのさえ条件が必要でした。 涙が止まりませんでした。完全に参ってしまいました。 妊娠中、メンタルヘルスで高いリスクを抱えることは分かっていましたが、これはさらに大きな、必要としていないストレスでした。 自宅に引きこもっていた6週間、私は一歩も玄関から出ませんでした。パートナーのニックが郵便を取りに行くことや買い物など全てをやって、全部を消毒しました。 メンタルヘルスにも影響が及び始めました。病院に行くたびに本当に怖かった。 子癇前症(しかんぜんしょう)にもなりました。妊娠20週目くらいから、病院から繰り返し診察の連絡が来ました。 ニックは私を助けられないこと、エコー検査の結果が見られないことをとても悲しがっていました。 妊婦検診、診断、悪いニュース、エコー検査……その全てを私は独りでやり通さなくちゃならなかった。 パンデミックは私と子どもたちとの関係、それから末の息子との絆を育む能力に大きな影響を与えました。 最近、Whatsappでメンタルヘルスの問題を抱える母親たちのグループに入りました。失敗した、切り離されたという私の気持ちを正常化するのに役立っています。 レインゴールド氏のこのシリーズは2021年も継続中。 (英語記事 The babies born into a pandemic)

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    マフィアの指名手配犯、料理動画の投稿きっかけで逮捕 イタリア

    2021年03月30日 15:59 公開 イタリア・マフィアの指名手配犯が、ユーチューブに料理動画を投稿したことがきっかけで逮捕された。マルク・フェレン・クロード・ビアルト容疑者(53)は、7年間にわたり警察の手から逃れていた。 イタリア警察は、ユーチューブに投稿された料理動画からビアルト容疑者を追跡。動画の中で容疑者は顔を隠していたものの、身体に入ったタトゥー(入れ墨)を隠しきれていなかった。 ビアルト容疑者は、犯罪組織「ヌドランゲタ」のメンバーとされる。24日にドミニカ共和国で逮捕され、イタリアに送還された。 警察は声明で、ビアルト容疑者はドミニカ共和国のボカ・チカという町で静かに暮らしていたと説明した。 ビアルト容疑者は2014年、ヌドランゲタのカチョッラ家のためにオランダへコカインを密輸した疑いで指名手配されていた。 ヌドランゲタは、イタリア半島の「つま先」に位置するカラブリア州に拠点を置く。欧州に密輸されるコカインの大半を牛耳っており、世界で最も強力な犯罪組織のひとつとされる。 ヌドランゲタに対する捜査は長期間にわたり、これまでに一族のボスとされるルイージ・マンクーゾ容疑者(66)や主要メンバー、そして汚職に関わった公務員など合わせて355人が訴追されている。イタリアでは数十年ぶりの大掛かりなマフィア裁判が始まっている。 AFP通信によると、裁判前の聴取で3時間に渡って被告たちの名前が読み上げられた。被告らは殺人や麻薬密輸、恐喝、資金洗浄などの罪に問われている。 今年1月に始まった裁判には900人以上の証人が呼ばれる予定で、判決までに2年かかる見通し。 (英語記事 Mafia fugitive caught through online cooking show)

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    ジョンソン英首相、ワクチンの防御力「どれほど強力かは不明」 慎重な行動促す

    2021年03月30日 15:41 公開 イギリスのボリス・ジョンソン首相は29日、国内で新型コロナウイルスワクチンが「見事に」展開されているものの、新たな感染拡大に対する防御力が「どれほど強力かは正確には」分からないと述べた。 ジョンソン首相は、欧州では依然として感染者が増加していると指摘。イギリスでロックダウン措置が緩和される中、国民は「慎重に行動しなければならない」と述べた。 この発言は、イングランドで自宅待機ルールが終了し、屋外で複数人のグループが面会できるようになったことを受けてのもの。 死者や感染者、入院患者の増加は今後も避けられないと、ジョンソン氏は警告した。 イギリスよりワクチン展開が遅れている欧州諸国では、ここ数週間で感染者数が増加している。 ジョンソン氏はロンドン・ダウニング街の首相官邸で記者会見し、「自由への小さな一歩を踏み出せるのは、何カ月にもわたる犠牲と努力があってこそだ」と述べた。 そして、「ワクチン展開はとても見事だ(中略)しかし、新たな感染拡大に対して、今の防御体制がどれほど強力で、どれほ強固なのかは正確には分からない」と付け加えた。 「国民の免疫力を高め、次の感染拡大の波が発生した時に備えて防御力を高めるために、全力を尽くし続けることが必要だ」 「だからこそ、みなさんが実に長いこと示してきた規律を維持することが重要なんです」 <関連記事> 英イングランドでロックダウン緩和、屋外での集会やスポーツを再開 英のワクチン接種成功は「強欲」と「資本主義」が理由……首相発言は「冗談」と周辺 マスク着用や社会的距離の確保、「あと数年続く」=英予防接種責任者 「2回の予防接種」で防御効果が増すと ジョンソン氏は、イングランド首席医務官(CMO)のクリス・ウィッティー教授や英政府の首席科学顧問、サー・パトリック・ヴァランスと共に、1回目のワクチンを接種した人が2回目の接種を受けることの重要性を強調した。 ウィッティー教授は、2回目の接種を受ければ「予防接種による防御壁」がより強固になると述べた。 一方で「完全な防御壁ではない」とした上で、他国での感染者増加でイギリスが被るリスク、つまりイギリス国内にも感染が広がる可能性や、ワクチンの効果を低下させる恐れのある変異種への「より大きな懸念」を強調した。 「とても大きい感染の波が来れば、当然かなりの影響が出る。だからこそ首相や閣僚はロックダウン解除について、制限緩和の各段階の間にデータを検証しつつ、確実にゆっくり着実に実施するのだと決心している」と、ウィッティー教授は話したい。 今回の記者発表は、260万ポンド(約3億9000万円)を投入して首相官邸に設置された会見室を初めて利用して行われた。 <関連記事> 【解説】 イギリス政府はパンデミックとどう闘ったか 1年間の舞台裏 ジョンソン氏は英政府が未承認の米ノヴァヴァックス製ワクチンについて、最大6000万回分の製造の最終段階をイングランド北東部で完了させることで英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)と合意したと発表した。 北東部ストックトン・オン・ティーズにある富士フィルムの工場で製造予定のノヴァヴァックス製ワクチンは、バーナード城のGSK施設で完成され、瓶詰めされるという。 イギリスの29日の新規感染者は4654人。1週間前は5342人だった。また、新型ウイルス検査で陽性が判明してから28日以内に亡くなった人は23人と、1週間前の17人から増加した。 29日に1回目の接種を受けた成人は29万3542人で、1回目の接種を完了した人は合わせて3044万4829人となった。また、2回目の接種を完了した人は14万6785人増え、367万4266人となった(日本時間30日午後1時時点)。 6人までの屋外集会が可能に イングランドでは29日から、2世帯あるいは6人までなら屋外で集まることが可能になった。 また、スイミングプールやテニスコート、ゴルフ場といった屋外スポーツ施設の営業が再開されたほか、サッカーなど屋外で行うチームスポーツも解禁された。 結婚式は最大6人の参列で行うことができるようになる。 ロックダウン緩和の第2段階は4月12日から始まる。必要不可欠ではない小売店などが再開されるほか、レストランやパブは屋外でのサービス提供が認められる。 ジョンソン首相は会見で、「現時点のデータには、規制緩和のロードマップを逸脱するものは見当たらない」と述べた。 ウェールズでは27日、「地元に留まる」ルールが解除されたほか、6人までの屋外集会や、台所などが完備されている宿泊施設の予約も解禁された。 スコットランドでも4月2日に自宅待機が終わる予定。北アルランドでは4月1日から、6人あるいは2世帯までの屋外集会が許可される。 (英語記事 PM: Strength of defence against new wave unclear)

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    アメリカの感染状況「これから大変なことに」=米CDC所長

    2021年03月30日 14:28 公開 新型コロナウイルスのワクチン接種が進むアメリカで、感染者や入院患者が増えている事態を受け、米疾病対策センター(CDC)所長が29日、「これから大変なことになる」と警告した。 CDCのロシェル・ワレンスキー所長はホワイトハウスで記者会見中、予定された発言の「原稿から離れて」話すと前置きし、「これから大変なことになるという暗澹(あんたん)たる気持ちが、繰り返しやってくる」と述べた。「前向きになるべき理由はたくさんあるものの、現時点で私は怖い」とも言い、多くの欧州諸国で新型コロナウイルスの感染者や死者が再び急増している事態がアメリカでも起きないか心配だと話した。 29日にはジョー・バイデン米大統領がホワイトハウスからテレビ演説をし、各州知事に公共の場でのマスク着用を再び義務化するよう呼びかけた。大統領はさらに、4月半ばまでにはアメリカの全成人の9割が少なくとも1回目のワクチン接種を受けられるようになると約束した。 CDCによると、アメリカではこの1週間、前週から7%増となる1日約6万人の新規感染が連日報告されている。 米紙ニューヨーク・タイムズによると、とりわけミシガン州や、ニューヨーク州、コネチカット州など東北部で感染が急激に拡大している。 アメリカでは新型ウイルス対策のルールは州ごとに異なる。マスク着用義務を解除した州もある。 「いま気を緩めないで」 ホワイトハウスからテレビ演説をしたバイデン大統領は、「いま気を緩めたら、ウイルスの状況は改善するどころか、今よりもっと悪くなる」と警告した。 バイデン氏は、社会的距離やマスクなどの指針に引き続き従うよう促し、「最後まで闘おう」、「いま手を抜いたらだめだ」などと強調した。 その上で大統領は、アメリカのワクチン接種事業が予定を大幅に前倒しして成功していると説明。4月半ばまでにはアメリカの全成人の9割が少なくとも1回目のワクチン接種対象となるほか、接種会場は必ず自宅から8キロ以内に用意されると述べた。 バイデン氏はこれまでに、アメリカの全成人が5月1日までに接種に登録できるようになると話している。 CDCによると、アメリカではすでに65歳以上の7割以上が少なくとも1度の接種を受けているほか、成人の約4割が少なくとも1度の接種を受けている。2度の接種を終えた成人は20%を超えた。 誰がワクチン接種対象になるかについて、ルールは州ごとに異なるが、ほとんどの州で医療従事者や65歳以上の接種は数カ月前から始まっている。ニューヨーク・タイムズによると、ジョージア州やアリゾナ州など一部の州ではすでに16歳超の全員に、ワクチンを提供している。 (英語記事 Covid-19: CDC head warns of 'impending doom' in US)

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    ジョージ・フロイドさんは「ゆっくりと意識を失っていった」 元警官裁判で目撃者が証言

    2021年03月30日 13:50 公開 黒人男性ジョージ・フロイドさんが昨年5月に米ミネソタ州で死亡した事件で、フロイドさんの首を膝で押さえつけて死なせたとされる元警官のデレク・チョーヴィン被告(44)の実質審理が始まった。初日となる29日には、目撃者がフロイドさんが亡くなった様子を語った。 フロイドさんは、チョーヴィン被告に約9分間、首を膝で押さえつけられた。この様子は通行人が撮影した動画に記録されており、ソーシャルメディアなどで拡散された。 検察側の証人として召喚されたドナルド・ウィリアムズ3世氏は、フロイドさんがこの9分の間に「ゆっくりと意識を失っていった」と語った。 これに対しチョーヴィン被告の弁護人は、フロイドさんを確保した時の行動は「見た目は良くないが必要なものだった」と述べた。 この裁判は、アメリカの人種問題にとって大きな分岐点になるとみられている。 フロイドさんの事件後、アメリカ各地や世界で人種差別や警察の暴力に対する抗議運動が活発化した。 チョーヴィン被告はこの事件で、第2級過失殺人と第2級・第3級故殺の罪に問われている。全ての罪状で有罪となった場合の最高刑は禁錮65年。チョーヴィン被告は無罪を主張している。 フロイドさんの死に関わった残る3人の元警官は、それぞれ過失殺人と故殺のほう助・教唆の罪に問われており、今年後半に個別に審理が行われる予定。 <関連記事> 米ミネアポリス市、ジョージ・フロイドさん遺族と29億円で和解 ジョージ・フロイドさん死亡事件 元警官の裁判始まる 実業家のウィリアムズ氏は2020年5月25日、ミネアポリスの小売店カップ・フーズに入ろうとした時に、フロイドさんが拘束されているのを目撃した。 ウィリアムズ氏は「良くない感じだった」ので店には入らず、代わりに現場の警官に話しかけ、フロイドさんの脈を取るよう訴えたという。 証言の中でウィリアムズ氏は、フロイドさんの命が失われていくのが分かったと話した。 「(フロイドさんは)袋の中の魚のように、ゆっくりと意識を失っていった。ゆっくりと白目になっていき、体がぐったりして命がついに消えた」 検察側は審理の冒頭で、チョーヴィン被告がフロイドさんを取り押さえているところを通行人が撮影した9分間の映像を流した。 ジェリー・ブラックウェル検察官はその後、フロイドさんは27回、「息ができない」と訴えたと陪審員に語った。 ブラックウェル検察官は、チョーヴィン被告が「ジョージ・フロイドさんの身体に与える影響を考慮せずに(中略)非常に危険な行為をしていたことが」この映像からわかると述べた。 一方、チョーヴィン被告の弁護を務めるエリック・ネルソン弁護士は、「9分29秒の映像よりも証拠の方がはるかに重要だ」と冒頭で指摘。 証拠によってフロイド氏の死因が「高血圧と心疾患、メタンフェタミンとフェンタニルの服用、そして体内のアドレナリンによる不整脈」だと示されるはずだと、弁護士は述べた。 この日の審理では、フロイド氏がカップ・フーズで偽20ドル札を使ったとして911番通報を受け、警官を派遣したジェナ・スカリー通信指令員も証言台に上がった。 スカリー氏は、建物に取り付けられたカメラの映像から、フロイドさんが拘束される様子を確認していた。スカリー氏は、他の通報に対応していたためずっと映像を見ていたわけではないと認めながらも、フロイドさんが地面に長時間押さえつけられていたので、「映像がフリーズした」と思ったこと、「何か問題が起きているのではないかと心配になった」ことなどを語った。 また、フロイドさんが拘束された様子を動画で撮影していた通行人、アリシャ・オイラー氏も証人として召喚された。 裁判が始まる前にはフロイドさんの遺族や市民権弁護士、活動家などが、チョーヴィン被告がフロイドさんの首を押さえつけていた時間の間、裁判所の前にひざまずいた。 裁判はテレビ中継、陪審員は映らず 裁判は4週間にわたって続く予定で、テレビでの中継が決まっている。ただし陪審員は匿名で、テレビにも映らない。 裁判開始に先駆け、15人の陪審員が選ばれている。内訳は女性9人、男性6人。人種別では白人が9人、黒人や複数の人種的背景を持つ人が6人となっている。 29日にはこのうち1人が解任されており、初日の審理には陪審員12人と代理2人が参加した。 ミネアポリスの裁判所には警備のためにコンクリートの壁やフェンス、有刺鉄線などが張りめぐらされている。 警察による拘束中の死亡事件としても注目 チョーヴィン被告がフロイドさんの首を押さえつけている映像は世界中に広がった。 フロイドさんが拘束中に死亡したことは、多くの人にとって(特に有色人種に対する)警察の暴力の象徴となり、世界各地で人種差別の抗議デモが行われた。 しかし、世界的な非難とは裏腹に、刑事裁判としての結論は決して分かりきった自明のものではない。アメリカでは、警官が勤務中に人を死亡させても、ほとんど訴追されず、有罪になることはまれだ。 アメリカの司法制度が警察による容疑者拘束中の死亡事件をどう扱うのか、この裁判の判決に大きな注目が集まっている。 (英語記事 George Floyd 'slowly fading away' during arrest)

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    スエズ運河の座礁船が離礁 汽笛で祝福

    2021年03月30日 12:00 公開 地中海と紅海を結ぶエジプトのスエズ運河で座礁し、航路をふさいでいた大型コンテナ船が29日、離礁した。 全長400メートルのエヴァーギヴン号は1週間もの間、運河をふさいだ。このため、多くの船舶が喜望峰をまわる迂回(うかい)路を通っていた。

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    スエズ運河の通航再開、「3日程度」で渋滞解消と現地当局 座礁船は安全点検実施へ

    れるほか、今後の出港予定も混乱している。 その結果、欧州への輸送コストが上昇することが予想されると、BBCのテオ・レゲット・ビジネス担当編集委員は指摘する。 海運会社マースクは「世界的輸送能力と設備への連鎖的影響」は大きいとしている。 「これほど大きな影響を与えたのだから、調査が行われるのは明らかだ。それに、ここで一体何が起こったのか、しばらく議論されることになると思う」と、同社の海運・貨物部門のマーカス・ベイカー氏はロイター通信に述べた。 「今後同じことが起こらないようにするには何をすればいいのか。繰り返しになるが、私はエジプトの管轄当局に運河を安全に航行できるようにする方法を決定してもらいたい。そうすることが彼らのためなので」 エヴァーギヴン号はどうなる エヴァーギヴン号の技術管理会社ベルンハルト・シュルテ・シップマネジメント(BSM)によると、同船は今後、グレートビター湖で全面的な点検を受けることになる。 海洋汚染や船への損傷は報告されていないという。初期調査では機械やエンジンの故障の可能性は排除されていた。 当時、インド人の乗組員25人が船内にいたが、全員無事で健康状態も良好という。BSMは「乗組員の勤勉と、徹底したプロ意識に大いに感謝している」と付け加えた。 同船には膨大な種類の商品が積まれており、保険対象の積荷総額は数億ドルに上ると見られている。 (英語記事 Suez Canal reopens after stranded ship is freed )

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    がん治療に「劇的」影響、新型ウイルスのパンデミックがもたらすものとは

    った。 こうしたことが原因で、深刻ながんの症例が増加するかもしれないと、専門家たちは指摘している。 BBCはこの心配な傾向について、米国立がん研究所(NCI)所長のネッド・シャープレス医師に話を聞いた。

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    「これなら愛国的か」 アジア系米退役軍人、従軍中の傷跡見せ人種差別に抗議

    2021年03月29日 15:48 公開 米オハイオ州ウェスト・チェスター区の町議会で、アジア系の退役軍人が従軍中の傷跡を見せ、人種差別に抗議した。 ウェスト・チェスター区理事会のリー・ウォン会長(69)は演説の中で、これまで「見た目がアメリカ人らしくない」と言われるなど人種差別を受けていたと説明。上着とシャツを脱ぎ、「愛国がどういうものかを見せよう」と傷跡をあらわにした。 ウォンさんはFOXニュースに対し、自分は1960年代後半に学業のためアメリカに移住したのだと話した。ウェスト・チェスター区理事会によると、米陸軍で20年間勤務し、2005年に区理事会の理事になった。 アメリカではアジア系アメリカ人に対する差別やヘイトクライム(憎悪犯罪)が多発しており、多くの市民が抗議活動を行っている。

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    スエズ運河の座礁船、離礁に成功と 前日から積み荷下ろして軽量化

    以上に到達するクレーンなど、専門的な設備の導入が必要となるほか、離礁までに数週間かかるかもしれないとBBCに述べていた。 全長約193キロのスエズ運河は地中海と紅海を結ぶ運河で、アジアと欧州を最短距離でつないでいる。世界的に海上貿易量が最も多いルートの1つで、世界の貿易の約12%がこの運河を経由する。 代替ルートには、アフリカ大陸南端の喜望峰を経由する方法があるが、スエズ運河経由よりもさらに2週間かかる場合がある。 エヴァーギヴン号が座礁したことで、ほかの多くの船舶はアフリカ大陸をぐるりとまわるルートに変更している。 (英語記事 Stranded Suez container ship reported freed )

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    英イングランドでロックダウン緩和、屋外での集会やスポーツを再開

    2021年03月29日 14:40 公開 英イングランドで29日から、新型コロナウイルス対策のロックダウンによる制限が一部緩和される。2世帯、あるいは6人までであれば屋外で集まることが可能となる。 また、ゴルフ場やテニスコートといった屋外スポーツ施設の営業が再開されるほか、サッカーなど屋外で行うチームスポーツも解禁される。結婚式は最大6人の参列で行うことができるようになる。 しかしボリス・ジョンソン英首相は慎重な姿勢を崩さないよう強調。欧州では引き続き感染者が増えているほか、変異株がワクチン接種事業を脅かしていると述べた。 「制限が一部緩和されるが、皆さんは引き続きルールを順守し、手洗い、マスク、他人との距離を励行し、ワクチン接種のお知らせが来たら受けに来てください」と、首相は呼びかけた。 ジョンソン首相はこの記者会見で、感染症対策の新たなスローガン「Hands, Face, Space and Fresh Air(手洗い、マスク、他人との距離、外気)」を発表し、流行を抑えるために換気の重要性を訴えた。 イングランド首席医務官(CMO)のクリス・ウィッティー教授は、「屋内よりも屋外の方が安全なことは、証拠がはっきりと示している。次の段階に進むにあたり、これを覚えておくのが重要だ」と述べた。 イギリスでは28日、陽性判明から28日以内に亡くなった人の数が19人と、前週の33人からさらに減少した。この日の新規感染は3862件だった。 政府の最新統計によると、27日には新たに42万3852人が1回目の新型ウイルスワクチンを接種し、全体の接種者は3015万1287人となった。この日に2回目を受けた人は23万3964人で、全体では352万7481人がワクチン接種を完了している。 <関連記事> 英のワクチン接種成功は「強欲」と「資本主義」が理由……首相発言は「冗談」と周辺 マスク着用や社会的距離の確保、「あと数年続く」=英予防接種責任者 イギリス発の夏の海外旅行「きわめてあり得ない」=英政府顧問 イングランドでは今年、1月初めにロックダウンが始まった。今回の緩和は2段階目で、3月8日には全ての学校が再開されている。 また、同じ世帯の人か違う世帯の1人とであれば屋外で運動することが許されていた。 3月29日からのルールは以下の通り。 できるだけ地元に滞在すること。在宅勤務を続け、移動は最小限に抑える 6人あるいは2世帯までならば、自宅の庭を含む屋外で互いに距離を保ちながら集まることができる 屋外プールを含む屋外スポーツ施設の営業を再開する 日用品以外の小売店、ジム、娯楽施設は引き続き営業できない パブやレストランも営業できないが、テイクアウトは可能 余暇の海外旅行は引き続き禁止 緩和を受け、イギリスの歴史的遺産を管理するイングリッシュ・ヘリテージは29日から、昨年12月から閉鎖していた屋外の歴史的建造物など50カ所以上で訪問客の受け入れを再会すると発表している。 イングランドでは早ければ2週間後にも次の緩和が予定されている。次の段階では美容院の営業が再開される予定で、多くの市民が待ち望んでいる。 また日用品以外の小売店や、パブやレストランの屋外席での営業も許される。 ウェールズでは27日、「地元に留まる」ルールが解除されたほか、6人までの屋外集会や、台所などが完備されている宿泊施設の予約も解禁された。 スコットランドでも4月2日に自宅待機が終わる予定。北アルランドでは4月1日から、6人あるいは2世帯までの屋外集会が許可される。 運動を奨励 イギリス国内では著名スポーツ選手らが集まり、政府と協力して、運動の再開を市民に予備家手いる。 ジョンソン首相は記者会見で、「屋外のピッチやコート、公園、広場にスポーツ選手が戻ってくる。本日がイギリスの素晴らしい夏のスポーツシーズンの幕開けになるだろう」と語った。 「どれだけ皆さんがチームスポーツの友情や競争を恋しく思っていたか、承知している。運動を制限されることは、特に子どもたちにとって非常につらかったはずだ」 政府は、イングランドに新たに健康促進局を開設し、体の健康やメンタルヘルス(心の健康)の改善を促していくと発表。パンデミックによって人々の弱い部分が明らかになったためで、秋までに開設される予定だ。 ジョンソン首相は、心身の不調の「症状だけではなく、その原因に対処することが重要だ」と話した。 同局は保健省の傘下となり、既存の保健予算を使うという。 (英語記事 Outdoor meetings and sports to resume in England)

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    メキシコの新型ウイルス死者数、再計算後に60%増加 アメリカに次ぎ世界2位に

    2021年03月29日 13:12 公開 メキシコの保健省は28日、新型コロナウイルスによる死者数の見直しを行った。新たに発表された死者数は32万1000人と、これまでの発表から60%増加した。メキシコの死者数については、検査不足のため実際の人数より低く報告されているのではないかと指摘されていた。 これにより、メキシコはアメリカに次いで世界で2番目に新型ウイルスの犠牲者が多い国となった。 アンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール大統領は、新型ウイルス対策で多方面から厳しく批判されている。 野党は、ロペスオブラドール大統領がパンデミックの深刻さを過小評価したことや、ワクチン接種事業の遅れなどを批判している。 保健省が発表した改訂版の報告によると、2021年第6週までの「COVID-19関連」の死者は29万4287人と、これまでの18万2301人から大幅に増えた。 これに2月末以降に報告された2万6772人の死者を合わせると、メキシコ全体の死者数は32万1000人を超える。 COVID-19による死者数は、アメリカの54万9000人が最も多く、これにブラジルの31万人が続いていた。今回の改訂でメキシコはブラジルよりも死者数が多くなったが、メキシコの人口は1億2600万人と、この2国に比べて非常に少ない。 メキシコでの死者については、検査不足のため実際の人数より低く報告されているのではないかと、専門家から指摘されていた。また、各州で集中治療の病床が足りず、多くの人が自宅で亡くなったとみられている。 改定された死者数は、死亡届をもとに判断。平年の死者数をもとにした予想死者数より多い、いわゆる「超過死亡」を再計算した。 メキシコのパンデミック対策を率いるウーゴ・ロペスガテル氏は先週、4月のイースター(復活祭)休暇を前に、メキシコに新たな流行の波が来る危険性があると警告していた。 ロペスオブラドール大統領は野党からパンデミックを過小評価していることや、公の場にマスクなしで現れることを非難されている。大統領自身もCOVID-19にかかり、回復している。 こうした中、メキシコではこれまでに610万回分のワクチンが使用された。 アメリカは先に、メキシコとカナダに英アストラゼネカ製ワクチン400万回分を送ると発表している。アメリカはまだアストラゼネカ製ワクチンを認可していないが、メキシコとカナダはすでに認可している。ホワイトハウスによると、うち250万回分がメキシコに送られる。 (英語記事 Mexico revises Covid death toll up by 60%)

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    モザンビークで武装勢力が町を襲撃 死者数十人に

    まな船が、パルマの周囲や南部ペンバ港に集まっている様子がうかがえる。 救出状況は ホテルの請負業者はBBCの取材に対し、占拠されたホテルでは26日夜に海岸に隠してあった輸送車を使って逃げ出す人が相次いだと話した。 翌27日朝にはボートによる避難も行われ、28日にも救出を続けるためボートがホテルへ向かった。現地では、住民などが協力して救出作業を行っているという。 「地元のサプライヤーや企業が、救出計画全体の英雄だった。たった数時間で協力し、海岸に逃げてきた人たちのところへ向かい、ボートに乗せて救出した」とこの請負業者は説明し、「国や大企業からの支援は一体どこにいったんだ?」と述べた。 AFP通信によると、27日午後には約1400人を乗せたボートが、パルマから南に250キロメートルほど下ったペンバの港町に到着した。 また、避難者を乗せた小さなボートが数隻、ペンバに向かっており、29日朝には到着する見込みだという。 パルマの現状は? 人口7万5000人のパルマでの犠牲者の総数は不明だ。 地元警察と契約を結んでいる民間警備会社ダイク・アドヴァイザリー・グループのライオネル・ダイク大佐は、パルマ市内や海岸には「頭がついたままの遺体も、頭を失った遺体も」、随所に横たわっているという。 武装勢力がパルマを制圧したとの情報もあるが、通信が遮断されているため確認が難しい状況だ。 武装勢力は当初、店舗や銀行、モザンビーク軍の兵舎などを襲撃していた。 多くの住民が戦闘から逃げ、森やマングローブ林、近隣の村などに避難した。また、パルマ近郊では仏石油大手トタルのガス田開発計画が進んでおり、100人以上の作業員や住民が市内のアマルラ・パルマ・ホテルに逃げ込んだ。 26日には、輸送車でホテルから逃れ、近くの海岸へと向かう人もあらわれた。少なくとも20人が、海岸でヘリコプターによって救出されたが、ホテルの外で襲撃された人もいたという。 モザンビーク北部では2017年に暴動が起きて以来、不安定な状態が続いている。 パルマのあるカーボ・デルガード州ではムスリムが多数派で、紛争の背景にはイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の関連武装勢力がいる。これまでに2500人以上が亡くなり、70万人以上が避難民となった。 (取材:カイラ・ヘルマンセン、キャサリン・バイアルハンガ) (英語記事 Dozens dead after militant attack in Mozambique)

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    ミャンマーで将軍たち祝宴 市民100人以上虐殺の夜

    よると、28日には12人の死亡が報告されている。 <解説> 死傷者の中には子供も―――モウミイン、BBCビルマ語 14歳のパンエイピューさんの母親は、軍の部隊が通りを自宅へ向かってやってくる音を耳にしてただちに、家の扉をすべて閉ざした。急いだものの、間に合わなかった。気がつけば、血まみれになった娘の体を抱きしめていた。 「娘が崩れ落ちるのを見て、最初はただ何かに滑って転んだのだと思った。けれども続いて、娘の胸から血が噴き出した」。ミャンマー中部メイッティーラから、この母親はBBCビルマ語に話した。 27日の殺戮(さつりく)はあまりに無差別で、その分だけ衝撃的だった。戦場用の武器を手にした治安部隊は、通りで見かけた者は誰でも、手当たり次第に撃つつもりだったようだ。 ここまで残虐になれるのだと、軍は身をもって示した。クーデターが起きて以来、軍の暴力性は一気に別次元のものになった。 軍部も民主化勢力も、どちらも手を緩めるつもりはない。軍は国民を威圧し恐怖に陥れることで「安定と安全」を実現できると考えている。しかし、若者たちが先頭に立つ運動は、ミャンマーから軍部の独裁をこの際あとかたもなく追い出してしまおうと決意を固めている。 増え続ける死者の数を数え続けるのはつらい。特に、命を落とす子供の数は。 (英語記事 Myanmar coup: Generals celebrated amid global fury over massacre)

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    ミャンマー国軍が100人以上を殺害と 国軍記念日のデモで

    てけがをした人や、遺族の悲しむ姿などが拡散されている。 ビルマ人権ネットワークのキャウ・ウィン会長はBBCに対し、ミャンマー軍には「限度も節度もない」ことが明らかになったと話した。 「これは弾圧ではなく大量虐殺だ」 実弾を使った弾圧は、ミャンマー全土の40カ所以上で報告され、首都ヤンゴンや第2の都市マンダレーなどで死者が出ている。 マンダレー管区ミンジャンに住むトゥヤゾーさんはロイター通信に、「(軍は)私たちを鳥や鶏みたいに殺している。自宅にいても」と話した。「それでも私たちは抗議を続ける」。 デモに参加した市民は、クーデターで政権を追われた与党・国民民主連盟(NLD)の旗を掲げ、反全体主義のシンボルとなっている3本指の敬礼で抗議した。 首都のヤンゴンでは、アメリカ文化センター内でも実弾が発砲された。アメリカ大使館は、この発砲によるけが人はいないとしている。 国軍は何と? ミャンマー軍は、この日の市民殺害についてコメントしていない。クーデターを率いたミンアウンフライン総司令官は国軍記念日のテレビ演説で、「民主主義を守るために国全体と手を取っていきたい」と語った。 「要求を飲ませるために国の安定や治安を脅かす暴力は適切ではない」 国軍は先に、一連の銃撃はデモ参加者が行ったものだと主張している。 ミンアウンフライン総司令官は国軍記念日のテレビ演説で、「民主主義を守るために国全体と手を取っていきたい」と語った。また、NLDの党首アウンサンスーチー氏による「違法行為」があったため、国軍が政権を掌握する必要があったと強調した。 ミャンマー国軍は1945年、第2次世界大戦中の日本の支配に蜂起した軍事組織が始まりとされ、3月27日が国軍記念日として制定されている。 首都ネピドーで開かれた軍事パレードには、ロシアのアレクサンドル・フォーミン防衛次官が出席。ロイター通信によると、中国やヴェトナム、タイからも代表が参加した。 ミンアウンフライン総司令官は、ロシアはミャンマーの「真の友人」だと話している。 アメリカとイギリス、EUはミャンマー国軍に対し制裁を科している。一方、ここ数年でミャンマー軍とロシア軍の関係は深まっている。ロシアはミャンマーに対し、軍事訓練のほか、武器を提供している。 (英語記事 More than 90 killed in Myanmar 'day of terror'/ US condemns Myanmar 'reign of terror')

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    アポフィス小惑星の地球衝突、あと100年は起きない=NASA

    2021年03月28日 12:24 公開 地球の生き物はこれで少し、ホッと一息をつくことができるかもしれない。米航空宇宙局(NASA)は26日、「2068年衝突」が懸念されていたアポフィス小惑星について、少なくともあと100年は地球に衝突することはないと見通しを発表した。 NASAは声明で、「2068年の衝突はもはや可能性の範囲内になく、我々の計算では、少なくとも今後100年は衝突リスクがないことが分かった」と述べた。 2004年に発見されたアポフィス小惑星について、NASAはかつて地球にとって危険だと警告していた。2029年と2036年に接近すると予測されたが、この見通しは後に否定された。2068年にも接近の危険があるとされていたが、NASAはそれを今回、最新解析をもとに否定した。 古代エジプトの混乱と暗闇の神「アポフィス」にちなんで名づけられた小惑星は、直径推定340メートル。今年3月5日に、地球から1700万キロ離れた位置を通過した。 専門家たちはレーダーで観測したデータをもとに、太陽を中心に公転するアポフィスの軌道を計算し直した。その結果、2068年を含め当面は地球に衝突するリスクがないことを断定するに至った。 NASAで地球に近接する天体を研究するダヴィド・ファルノッキア博士は、「自分が大学卒業後に小惑星の研究を始めた当時、アポフィスは危険な小惑星の代表例だった。それが危険リストから外されて、かなり満足している」と話した。 「(アポフィスが)2029年に接近する際に科学的データを得るのを、NASAは楽しみにしている」と、博士は述べた。 アポフィスは2029年4月13日に、地球表面から3万2000キロの位置を通過する見通し。この距離は地球と月の間の距離の約10分の1で、アジア、アフリカ、欧州の一部など東半球から観測できるようになる。天体望遠鏡や双眼鏡がなくても、肉眼で確認できると予想されている。 (英語記事 Apophis asteroid will not hit Earth for 100 years, Nasa says)

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    米ドミニオン社、FOXニュースに16億ドル賠償請求 米大統領選報道めぐり

    2021年03月27日 12:02 公開 昨年の米大統領選で一部の州に投票機など投開票システムを提供した米ドミニオン・ヴォーティング・システムズは26日、米FOXニュースが根拠のないまま「ドミニオンが選挙不正に加担した」と報道し続けたとして、FOXニュースを名誉毀損で訴え、損害賠償として16億ドル(約1750億円)を請求した。FOXニュースは「根拠のない訴訟を法廷で争う」とコメントしている。 ドミニオン社は拠点とするデラウェア州の地裁に示した訴えの中で、FOXニュースがドミニオン社に対する陰謀論を主張するゲストを番組に呼び続けたことで、FOXニュースは「無謀にも真実を軽視」したと主張。これは、「FOXのビジネスにとって、うそは好都合だったからだ」としている。 ドミニオン社は訴状で、「アメリカで最も有力なメディア企業のひとつのFOXは、不正選挙について作り上げたあらすじに命を吹き込み、当時ほとんど知られていなかったドミニオンという投票機の会社を、悪者に仕立てた」と訴え、「FOXは、ドミニオンについて検証可能ながら強烈な悪影響をもたらすうそを、支持し、繰り返し、放送した」、「FOXは無謀に真実を無視した」、「FOXはドミニオンに関するこうした発言はうそだと承知していた」などと主張している。 これに対してFOXニュースは、「FOXニュースメディアはわが社の2020年大統領選報道を誇りに思っている。米ジャーナリズムの最高峰の伝統にのっとるものだった。我々はこの根拠のない訴訟を法廷で争う」とコメントした。 ドミニオン社はアメリカで使われる投票機の製造大手。昨年11月の選挙では少なくとも28州が、同社の機械を使用した。 <関連記事> 【米大統領選2020】 検証:投票について色々なうわさ 投票の数や投票機など 【米大統領選2020】 投票機のせいで票が減った? トランプ氏の主張を検証 ドナルド・トランプ前大統領とその側近、顧問弁護団、保守派論客などは、ドミニオン社が投票を操作したせいで、「選挙が盗まれた」などと主張を繰り返していた。この「選挙が盗まれた」という主張をよりどころに今年1月6日にはトランプ派が首都ワシントンに大勢集まり、ジョー・バイデン氏の勝利認定を妨害しようと連邦議会を襲撃した。議会襲撃では警官1人を含む5人が死亡。暴徒はマイク・ペンス副大統領(当時)やナンシー・ペロシ下院議長など議会幹部に肉薄した。 昨年の大統領選で大規模な不正投票があったという証拠は示されていない。トランプ陣営やトランプ派はアメリカ各地で不正選挙を訴えて訴訟を起こしたが、そのほとんどが裁判所に棄却されている。トランプ氏自身が指名した裁判官たちも、不正投票を認定せず、トランプ政権の司法長官としてトランプ氏の擁護を繰り返したウィリアム・バー氏も昨年12月、大規模な不正の証拠は得られていないと発言した。 ドミニオン社と不正選挙について根拠のない主張を繰り返していた中には、トランプ氏の顧問弁護士ルディ・ジュリアーニ氏や、トランプ陣営に協力していたシドニー・パウエル弁護士などがいた。パウエル弁護士は昨年11月、ドミニオン社による不正選挙には「グローバリストや独裁者や企業や、ありとあらゆる巨大利権が絡んでいて、トランプ大統領以外の全員が私たちに敵対している」など、根拠を示さず記者会見で発言していた。 両弁護士は、2002年に設立されたドミニオン社が、2013年に死去したヴェネズエラのウーゴ・チャヴェス大統領と協力し、「自分が絶対に選挙に負けないように保証する」機械を作り上げたのだとも主張していた。 不正投票があったと繰り返したFOXニュースの大統領選報道についてはすでに、別の投票技術企業スマートマティックが今年1月、同様の主張で、FOXコーポレーションと複数の番組司会者を訴えている。 ドミニオン社はすでにパウエル弁護士に対する名誉毀損訴訟を首都ワシントンの連邦地裁に起こしており、その弁護団は今月22日、選挙後のパウエル氏の発言は政治的状況における、明らかに誇張されたものだったため、名誉毀損には当たらないとする答弁書を提出した。 それによると弁護団は、「民主党は選挙を盗もうとして、投票内容を電子的に変更するコンピューターシステムを開発した」などと繰り返したパウエル氏の発言について、「この発言が実際に事実を述べたものだなど、分別のある合理的な人間ならば、そのような結論に至ったりしない」と主張している。 (英語記事 Dominion Voting sues Fox News for $1.6bn over election fraud claims)

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    スエズ運河の船座礁、紅海で足止めされた船の「渋滞」発生

    し、航路をふさいでいる問題で、紅海で船の「渋滞」が発生している。現場付近で立ち往生する商船の乗組員がBBCに語った。 コンテナ船「マースク・オハイオ号」(アメリカ船籍)の主任機関士ジョー・レノルズ氏はBBCに対し、スエズ運河の南側入り口(紅海)で待機している船舶の数が「指数関数的に増加している」と述べた。 「世界の運航スケジュールに影響を及ぼすことになる」と、レイノルズ氏は警告した。 パナマ船籍のエヴァーギヴン号は23日午前7時40分ごろ、中国からオランダのロッテルダムへ向かう途中、スエズ港のすぐ北側で座礁した。当時、強風と砂嵐が発生し視界が悪かった。 エヴァーギヴン号は、全長400メートル、幅59メートル、重さ20万トン。 船は座礁した後に運河をふさぐように停止しており、双方向からやってくる船が立ち往生している。現場にはサルベージ(引き揚げ)会社のエンジニアらが派遣され、タグボートや浚渫(しゅんせつ)船を使った船の離礁作業が進められている。 エジプトの大統領顧問は、2〜3日以内に事態が収束することを望むと話している。しかし複数の専門家によると、船内のコンテナを取り除く必要がある場合、離礁には数週間かかる可能性があるという。 全長約193キロのスエズ運河は地中海と紅海を結ぶ運河で、アジアと欧州を最短距離でつないでいる。世界の貿易の約12%がこの運河を経由する。 代替ルートには、アフリカ大陸南端の喜望峰を経由する方法があるが、スエズ運河経由よりもさらに2週間かかる場合がある。 レノルズ氏はBBCラジオ4の番組「トゥデイ」で、全長292メートル、重さ5万トンのマースク・オハイオ号が、スエズ港付近でほかの数十隻の船と共に「立ち往生」していると語った。 「そもそも(スエズ運河の)通過待ちの船の列があったのに、その列が指数関数的に増えていることは、みなさんも想像できると思う」、「外に出てみると、周りはどこもかしこも船だらけだ」とレノルズ氏は述べた。 レノルズ氏が乗っている船内ではやるべき作業がまだ数多く残っており、ほかの船と通信する機会が得られていないという。 「これは長時間にわたる待機ゲームだ。ここからはあまり何も見えないし(中略)私たちは船を停泊させ、まるでM5(イギリスの高速道路)の渋滞に巻き込まれているかのように、ただ待っているだけだ」 3月20日以降のスエズ運河を航行する船の動き(コンテナ船の座礁は23日。出典:Vessels Value) 足止めをくらっているにも関わらず、レノルズ氏はエヴァーギヴン号のインド人乗員25人に思いを寄せた。 「船乗りとして、私たちはよく不満を口にする。しかし、ほかの船乗りが苦境に立たされたり、状況改善しようと昼夜を問わず懸命に努力していることも理解している。私たちは皆、そうした経験をしてきたので」 現場では約10隻のタグボートと2隻の浚渫船、掘削機などを使った離礁作業が進められている。 エヴァーギヴン号の技術管理会社であるベルンハルト・シュルテ・シップマネジメントによると、26日にも船の離礁を試みたものの失敗しに終わった。現在は船首左側の砂や泥の除去を重点的に行っているという。 同社は、1時間に2000立方メートル分の物を移動できる特殊なポンプ浚渫機が25日に現場に到着したとも付け加えた。 また、船体前方のボイドスペース(空所)とバウスラスター室の水位を下げるため、大容量ポンプの手配も行われている。 潮位が増すと予想される28日までに、さらに2隻のタグボートが到着する予定。 英海運会議所のジョン・デンホルム所長はBBCに対し、掘削機とタグボートによる離礁が成功しなかった場合、サルベージチームは船の貨物を別の船や岸に移す、船の「軽量化」作業を始めなければならなくなると指摘した。船の軽量化は時間がかかる作業だ。 軽量化作業には高さ60メートル以上に到達するクレーンなど、専門的な設備の導入が必要となると、デンホルム氏は述べた。 「軽量化のプロセスを経る場合、数週間はかかるだろう」 レイノルズ氏は、ペルシャ湾から地中海を経由して北欧に向かうマースク・オハイオ号のスケジュールには、まだ「少し余裕」があると述べた。 「もし5日以上かかるなら、スケジュールを後ろ倒しにすることになる。他の船は私たちよりもずっとタイトなスケジュールで動いているに違いない(中略)世界中の運航スケジュールに影響を及ぼすことになる」 サービス・プロバイダーのレス・エージェンシーズは、26日時点で計237隻の船がスエズ運河周辺で待機していると明らかにした。237隻のうち107隻は紅海のスエズ港で、41隻は運河の中間にあるグレートビター湖で、89隻は地中海に面したエジプト・ポートサイドで立ち往生している。 海運専門紙ロイズリストのデータによると、運河の航行停止により、1日あたり推定96億ドル(約1兆522億円)相当の貨物が滞留している。1時間あたりでは4億ドル(約438億円)相当という。 大手海運会社のマースクとハパックロイドは、船の航行ルートを変更するか検討中という。 喜望峰を経由するルートに最初に変更したのは、エヴァーギヴン号の姉妹船エヴァーグリート号。いずれも台湾の長栄海運が運航している。 ロイズリスト編集長のリチャード・ミード氏はアフリカ大陸沖で海賊に狙われる可能性について、「確かに、数年前にソマリア沖で大きな海賊行為が発生したが、現在ではほぼ制御されている」とBBCに述べた。 「ギリシャ湾は発生のホットスポットになっているが、船舶は実際にはギニア湾の外側を航行するだろう」 (英語記事 Ships stuck in 'traffic jam' outside Suez Canal )

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    アフリカのゾウ、絶滅の危機に 密猟と生息地の減少で

    2021年03月27日 10:53 公開 ヴィクトリア・ギル、科学担当編集委員、BBCニュース アフリカのゾウが直面する危機は、これまで軽視されてきた。しかし、象牙の売買、生息地の減少に加え、ゾウの生態が前より深く理解されるようになったこととも合わさり、問題がはっきりしてきた。 国際自然保護連合(IUCN)の最新の報告によると、マルミミゾウは「絶滅寸前」の危機にひんしている。 また、サバンナゾウ(アフリカゾウ)も「絶滅危惧」の状態にある。 これらの動物種は「何十年にもわたる減少」によって、IUCNのレッドリストにおいて、危機の深刻度が最も高い2つのカテゴリーへと追いやられている。 アフリカのゾウはかつて、レッドリストでは1つの種として分類されていた。 しかし、10年以上前に遺伝子の分析により、明確に異なる2つの種だと判明した。 ただ、生息数や増減の傾向、直面している脅威などを正確に調査するには、長い年月が必要だ。 IUCNは現在、アフリカには41万5000頭のゾウが残っていると推定している。 マルミミゾウの生息数は、過去30年間に86%以上減少した。サバンナゾウは過去50年間に、少なくとも60%減った。 状況は国によって違う。例えばボツワナでは、ゾウが多過ぎて、自然の生態系ではそれらを支え切れないと言われている。ただ大陸全体では、ゾウは減少傾向にある。 IUCNのゾウ専門家グループを共同で率いるベン・オキタ博士は、今回の現状評価を「警告音」だとした。 博士は、象牙目当ての密猟について、2011年がピークだったものの、その後も依然として、ゾウ生息数の減少を引き起こす「主要な原因」だとBBCニュースに話した。 「主な原因の1つになっている」と博士は言った。 「だが他にも、相当の警戒が必要な『静かな殺し屋』がいる。土地の劣化と断片化だ」 「広大な土地と長距離の移動が必要な種にとっては、かなり困難な状況になっている」 「野生動物は国境など知らない」 「現状を変えるには、国境を接する国々の協力と、よりよい土地利用の計画が必要だ」 オキタ博士はさらに、いくつかの動物が生息している場所では、それらが共存し続けられるように土地を利用することが重要だと説明した。 「私たちはどうにか実現しなくてはならない」 「私は楽観視している。現状を変えられると、大いに楽観視している」 英オックスフォード大学の野生生物保護研究ユニットのイスラ・デュポージ氏は、「表面的には望みがなさそうに思えるが、注意が喚起されたことは、実際には前向きなことだ」と述べた。 「ゾウの種を区別したことも前向きなことだ。どの種をどこで相手しているかを考慮しながら、より個別の対応ができるからだ」 「情報が多いのは、いつだっていいことだ」 「急激な減少」 「移動性野生動物種の保護に関する条約」のエイミー・フランケル事務局長は、「両方の種にとって保護が進むことを期待している」と話した。 「特にマルミミゾウは、ここ数十年で急激に減少している」 オックスフォード大学のデュポージ氏は、ゾウの保護で最も重要な役割を担っているのは、生息地を守ろうと「アフリカの現地で」保護活動をしている人たちだと指摘。 「そうした組織にこそ寄付するべきだ」と述べた。 (英語記事 Poaching drives elephants closer to the brink)

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    「低評価、軽視、拒絶」 米女子サッカー代表のラピーノ氏が男女同一賃金訴え

    本ではMegan Rapinoe選手について「ミーガン・ラピノー」などの表記が多く使われていますが、BBCでは本人発音に近い「メガン・ラピーノ」と表記しています) 米サッカー界のスター選手、メガン・ラピーノ氏は、アメリカの「同一賃金の日」である24日、ホワイトハウスで、かねてより主張している男女の賃金格差是正について改めて訴えた。 「私は低く評価され軽視され、拒絶されてきました。女性だからという理由で」 ラピーノ氏は女子サッカー・ワールドカップやオリンピックで、チームメートと共にアメリカに優勝をもたらしてきた。しかし、こうした成績にも関わらず、男性選手よりも給与が低いと訴えた。

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    北朝鮮、発射したのは「新型戦術誘導弾」 国営メディアが報じる

    2021年03月26日 16:28 公開 北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は26日、同国の国防科学院が25日に「新しく開発した新型戦術誘導弾」を発射したと伝えた。北朝鮮は25日朝、日本海側に向けて弾道ミサイル2発を発射していた。 北朝鮮が弾道ミサイルを発射したのは約1年ぶりで、アメリカのジョー・バイデン政権が1月に発足して以降で初めて。 バイデン氏は、米政府として「適切に対応する」としている。同国と日本、韓国の3カ国は発射実験を非難している。 北朝鮮は国連安全保障理事会の決議で、弾道ミサイルの発射実験を禁止されている。 「目標を正確に打撃」 朝鮮中央通信によると、「2基の新型戦術誘導弾は、(北)朝鮮東海(日本海)上600キロ水域に設定されたターゲットを正確に打撃した」という。日本政府は飛行距離を400キロ超と推定しているが、北朝鮮側の発表が正しければ、これより長く飛行したことになる。 発射実験を監督した李炳哲(リ・ビョンチョル)氏は、「この兵器システムの開発は、われわれの軍事力強化と朝鮮半島に存在する各種の軍事的脅威の抑止にとって、大きな意義を持つ」と評価したという。李氏は、実験に立ち会わなかった金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記に結果を報告したと、朝鮮中央通信は報じている。 新型戦術誘導弾は「弾頭の重量を2.5トンに改良した兵器システム」。核弾頭の搭載が可能だ。 <関連記事> 北朝鮮、弾道ミサイル2発発射 日本の排他的経済水域外に落下か 北朝鮮、短距離ミサイルを発射 米政府は「挑発ではない」 北朝鮮の金与正氏、アメリカに「騒ぎを起こすな」と警告 「相応の対応」も バイデン氏は記者団に対し、発射実験は国連決議違反だとし、アメリカがパートナーや同盟国と協議していることを明らかにした。 「もし彼ら(北朝鮮)が行動をエスカレートさせれば、それ相応の対応を講じることになる」 一方で、「非核化という最終的な結果を条件に何らかの外交手段を講じる用意もある」とも述べた。 北朝鮮が今回、どのような種類のミサイルを発射したのかは依然不明だ。朝鮮中央通信は「改良型固体燃料エンジン」を搭載し、「低高度滑空跳躍型飛行方式の変則的な軌道の特性も再実証した」としている。 ただ、アメリカのドナルド・トランプ前政権との間における非核化交渉が停滞して以降、北朝鮮の兵器開発が進んでいることは浮き彫りとなった。 今回のミサイルについて、アナリストたちは昨年10月の軍事パレードに登場したミサイルと同じものではないかと指摘している。 「もしそうだとすれば、以前実験が行われた、『非常に大きな弾頭』を搭載している『KN-23』ミサイルの改良型とみられる」と、米ジェームズ・マーティン不拡散研究センター(CNS)のジェフリー・ルイス氏は、ロイター通信に述べた。 このような新型ミサイルがあれば、北朝鮮はより重い核弾頭をロケットに搭載できるようになると、米マサチューセッツ工科大学の安全保障学教授のビピン・ナラン氏はツイートした。 核弾頭の小型化は難しいものの、北朝鮮がすでにその能力を持っているとの見方もある。 (英語記事 North Korea claims 'new' missiles tested)

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    ナイキとH&M、中国で怒り買う 新疆産綿花に懸念表明

    王外相、ウイグル族を集団虐殺との批判は「ばかげている」 ウイグル女性、収容所での組織的レイプをBBCに証言 米英は中国を非難 欧米の制裁には、新疆の当局幹部らに対する入国禁止や資産凍結などが含まれている。 BBCは昨年12月、中国政府が新疆地区の綿花畑で、ウイグル族などの少数民族何十万人もに手作業を強制しているとする、新たな調査に基づく調査報道をした。 昨年の声明が問題に ナイキとH&Mは昨年、懸念を表明していた。このところの欧米の中国への制裁を受けて、改めて表面化した。 両社はそれぞれ別の声明で、ウイグル族が新疆地区で綿花の摘み取りを強制させられているとの報道について「懸念している」と表明。同地区産の綿花は使わないとしていた。 これを、中国共産党の組織である共産主義青年団が最近、ソーシャルメディアで取り上げたことから、国民の怒りに火がついたとみられる。 青年団は24日朝、「新疆の綿花の不買についてうわさを広め、その一方で中国で金もうけしようだって? 甘い考えだ!」と、中国のソーシャルメディア・微博(ウェイボ)に投稿。H&Mの声明の画像も添えた。 この投稿以降、国営メディアは、新疆産の綿花を擁護し両社を批判するキャンペーンを展開している。 「高い代償を払う」 中国国営メディアCGTNは、新疆の綿花摘みの現実だとする映像をウェイボに投稿。自動化された機器や、人々は高収入を目当てにこの仕事を「奪い合っている」とするウイグル族の農家の言葉を紹介している。 国営放送局CCTVは、H&Mは「正義のヒーロー」になろうとして「計算違いをした」と報道。「誤った行動に対し、高い代償を払わなくてはならない」と伝えた。 H&M中国はBBCの取材に応じていない。同社は24日、「これまでどおり中国の消費者を尊重する」、「いかなる政治的立場も取らない」との声明をウェイボに投稿した。 報道によると、24日夜までに少なくとも3つの主要通販サイト――拼多多(ピンドゥオドゥオ)、京東(JDドットコム)、天猫(Tモール)――が、H&M製品の取り扱いをやめた。 中国の著名人、王一博(ワン・イーボー)、黄軒(ホアン・シュエン)、ヴィクトリア・ソンの各氏らは、問題となっている企業との関係を打ち切ると声明で発表。うち1人は「国益が何よりも優先する」と表明した。 ソーシャルメディアでは、ナイキとH&Mへの批判が噴出。多くの人が両社製品のボイコットを呼びかけている。ウェイボではハッシュタグ「新疆の綿花を支援する(我支持新疆棉花)」が18億回以上見られ、トレンドのトップとなっている。 <分析>ロビン・ブラント上海特派員 H&Mと中国の関係は長い歴史があり、両者にとって重要なものとなっている。中国はH&Mにとって主要仕入れ先の1つであり、大市場でもある。 だが、中国が核心的な国内問題とみなしている問題で同国を批判する行為は、中国政府にとっては受け入れ難いものだ。そのことは、韓国やフィリピンが中国と外交上の小競り合いをした後、自国の小売りチェーンや果物輸出が落ち込んだことからもわかる。 中国は、貿易面での影響力と小売りナショナリズムを使って、外国政府や国際企業に圧力をかけ(できれば両方に対して同時に)、人権侵害について発言させないようにする。 今回の突然の「草の根」の反発は、H&M製品を薦めて同社から金銭を得てきた著名人がリードしている。そのきっかけとなったのは、イギリスとアメリカ、欧州連合(EU)が科し、スウェーデンなどが支持した、中国に対する最近の一連の制裁だ。 (英語記事 Nike, H&M face China fury over Xinjiang cotton )

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    流産・死産経験のカップルに忌引有給休暇を付与 ニュージーランドで法案可決

    2021年03月26日 14:35 公開 ニュージーランド議会は24日、流産や死産で子どもを失った人が、3日間の忌引有給休暇を取得できるようにする法案を全会一致で可決した。 法案を提出したジニー・アンダーセン議員(労働党)は、ニュージーランドでは4人に1人の女性が流産を経験していると説明。この法案によって、母親とそのパートナーが病気休暇を使わずに、「子どもを失った喪失感を受け入れる」時間が持てるようになると訴えた。 「彼らの悲しみは病気ではなく、喪失感だ。喪失感が癒えるには時間がかかる」とアンダーセン氏は述べた。また、ニュージーランドは「先頭に立って、革新的で思いやりのある法律を実現」していると付け加えた。 さらに、「これは労働者の権利と公平性に関する法案だ。この法案が人々に悲しむ時間を与え、流産についてもっと寛容な環境を促進してくれることを願っている」とツイートした。 この法律は、養子縁組や代理出産で子どもを授かった場合にも適用される。 流産などに伴う忌引有給休暇を認めた国は、インドに次いで世界で2カ国目だと報じられている。 ニュージーランド議会は1年前、人工中絶を犯罪とせず、女性が妊娠20週まで、妊娠を終わらせることを選択できると規定した法案を可決している。 (英語記事 NZ approves paid leave after miscarriages)

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    バイデン米大統領、初の公式記者会見 「前任者ね……いなくて本当にさびしい」

    2021年03月26日 12:38 公開 ジョー・バイデン米大統領が25日、就任後初の本格的な記者会見に臨んだ。 ホワイトハウスでバイデン氏は、パンデミック対策のワクチン接種事業の進展や、メキシコとの国境に移民希望者が大勢押し寄せている問題、連邦議会で禁止すべきか議論されている「フィリバスター(長時間発言による議事妨害)」などについて記者団の質問に答えた。2024年大統領選や、前任のドナルド・トランプ氏についても言及した。

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    バイデン米大統領、初の記者会見 移民危機やワクチン目標など話題

    て取り除いてくれるといわれた」と、故郷ホンジュラスからアメリカを目指していた17歳のミカエルさんは、BBCニュースに話した。 自然災害 - 「(昨年11月の)ハリケーン・エタで家が全壊した。何もかも失った」と、徒歩でホンジュラスからアメリカを目指していた、妊娠中のジャクリーンさん(19)は話した。 ギャング組織 - 「事業を立て直して再出発しようとしたけれども、ギャングが金を要求してきた。私たちは恐喝の被害者」と、ジャクリーンさんはメキシコを通過中に説明した。 暴力 - 「すべてを失う覚悟が必要だ。それでもここで命を危険にさらす方がましだ」と、ジャクリーンさんの夫リオネルさんは話した。「ホンジュラスにいれば、どうせ殺されてしまう恐れがある」。 (英語記事 Biden pressed on child migration at first news conference)

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    スエズ運河の座礁船、所有会社が謝罪 離礁は「困難極める」と

    と明らかにした。 バルチック国際海運協議会(BIMCO)のチーフ海運アナリスト、ピーター・サンド氏はBBCに対し、運航に遅れが出ている船にはコンテナ船だけでなく、石油やガスのタンカー、穀物を輸送するばら積貨物船も含まれると語った。 「間もなく、欧州での生産が止まるかもしれない」とサンド氏は警告した。 スエズ運河では2017年にも、日本のコンテナ船が座礁し、航路をふさぐ事故が起きている。この時は機械的な問題があったと報告された。エジプト当局はタグボートを展開し、コンテナ船は数時間で離礁した。 (英語記事 Owner of cargo ship blocking Suez Canal apologises)

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    米ヴァージニア州が死刑制度を廃止 南部で初

    2021年03月25日 11:49 公開 米ヴァージニア州のラルフ・ノーサム知事は24日、死刑制度廃止法案に署名した。南部の州で死刑制度が廃止されるのは初めて。 ノーサム知事は、人種的格差の歴史がある「死の装置」を止めるためのものだと説明した。 米国では死刑に関する議論が再燃している。 1976年に米最高裁が死刑を支持して以降、ヴァージニア州はテキサス州に次いで2番目に多い死刑を執行してきた。 アメリカでは死刑の大部分は、かつて奴隷制を敷いていた南部連合を構成する南部の州で執行されている。 現在も27州で死刑が認められている。その一方で、一部の州では死刑執行のモラトリアム(一時停止)が行われてきた。 ドナルド・トランプ前大統領は連邦政府のモラトリアムを終了させた。昨年、17年ぶりに連邦政府レベルでの死刑執行が再開され、数カ月間で13件ほどの死刑が執行された。このうち6件は、昨年11月の大統領選でジョー・バイデン氏に敗北した後に行われた。 バイデン氏は選挙戦で連邦政府の死刑制度を廃止し、各州に追随を促すと誓っていた。しかし、大統領就任後はこの問題に言及していない。 米民間団体・死刑情報センターによると、ヴァージニア州では植民地時代から約1400件の死刑が執行されてきたという。 同州議会で多数を占める民主党は、死刑制度の影響が有色人種や精神疾患のある人、貧困層に偏っているとして、廃止を推進していた。 ノーサム州知事は法案に署名する際、20世紀中に同州で処刑された377人のうち296人が黒人だったと指摘した。 同州の死刑囚監房に残されている死刑囚2人はいずれも黒人。死刑制度が廃止されたことで、2人の量刑は仮釈放なしの終身刑に切り替わることとなる。 国連によると、194の加盟国のうち170の国で法律上あるいは事実上、死刑制度が廃止されている。死刑を廃止していないアメリカは、繰り返し国際的な批判を受けている。 (英語記事 Virginia abolishes the death penalty)

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    ドイツ、イースター期間のロックダウン計画を1日で撤回 メルケル首相が謝罪

    カ製ワクチン接種を再開へ ドイツ2州議会選、メルケル首相の与党CDUが敗北 総選挙へ痛手 BBCのジェニー・ヒル・ベルリン特派員は、メルケル氏の撤回発言は異例だと説明。パンデミックの第1波では、メルケル政権の対策は国民に高く評価されたが、ロックダウンをめぐって地域の不満が高まると、政府の対応は混乱の度を深めたとした。 その上で、メルケル氏が国をまとめ続けるのは難しくなっているようだと解説した。 計画の中身 撤回された計画では、来月1~5日、これまでで最も厳しい制限が実施される予定だった。 ほとんどの商店が休業し、集会は限定されるはずだった。国民は家にとどまり、他の人との接触を減らすよう求められることになっていた。対面での宗教儀式は中止となり、大規模な家族の集いも禁止される予定だった。 メルケル氏が所属する与党・キリスト教民主同盟(CDU)のアルミン・ラシェット党首は24日、地域の議会の会合で、ロックダウンについて、「この形では実施できない」と発言した。 メルケル氏は同日、ベルリンで記者団に、「この過ちは私に全責任がある」、「今回のことで、事態が分かりにくい不確実な状態が増してしまった。全市民には、許していただきたいとお願いする」と述べた。 「この経緯にはもっともな理由があったが、この短期間にうまく実施に移すことはできなかった」 ドイツの状況 メルケル氏は23日に計画を発表した際、「私たちは新しいウイルスに直面している」と警告。 イギリスで特定された感染力の強い変異株が主流となっており、「新たなパンデミック」が発生していると説明した。 メルケル氏はまた、「この変異株は致死率が高く、感染力が非常に強く、かなり持続する」とし、ドイツのワクチン接種は時間との闘いだと付け加えた。 ドイツの感染率は、政府が制限強化などの判断基準としている10万人当たり100人を超えている。現在の規則では、この基準を7日間上回る地域は、制限を緩和できない。 感染状況の数値はこうした状態だが、来月初めからの5日間のロックダウンと、イースターの教会礼拝の禁止が発表されると、宗教界の指導者たちは失望を表明。社会的距離を保つことで、教会の礼拝は安全に執り行えるとした。 24日になってメルケル氏が方針転換を発表したことを受け、ドイツのカトリック教会組織は、安全対策を取りながら礼拝を実施すると明らかにした。教会に足を運びたくない人のために、オンラインで中継もするとした。 方針転換は、小売業界にも歓迎された。業界団体は「今日の決定で、コロナウイルス政策に理性が少し戻って来た」との声明を出した。 ドイツでは部分的なロックダウンが実施されており、最短でも来月18日までは継続される。 (英語記事 Germany reverses plans for strict Easter lockdown)

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    英のワクチン接種成功は「強欲」と「資本主義」が理由……首相発言は「冗談」と周辺

    冗談で言っているのだと、完全に明確にしていた。映画『ウォール街』にからめた冗談だった」のだという。 BBCのローラ・クンズバーグ政治担当編集長によると、ジョンソン氏の「強欲」発言について議員の1人は、同氏の隣に座ってチーズやピクルスを次々口にしていた保守党のマーク・スペンサー下院院内幹事長をからかおうとしたものだったと述べたという。 スペンサー氏は、製薬大手を指す「ビッグ・ファーマ」(Big Pharma)という言葉に似た、「ビッグ・ファーマー」(Big Farmer、大柄な農家)というあだ名の持ち主だと、クンズバーグ編集長は説明した。 首相の発言はEUとのもめごとを引っかき回そうとしたものでは絶対にないし、製薬会社を批判したものでもないと、関係者は強調しているという。 英国で進む接種 イギリスではこれまで約2830万人がワクチンを1回以上接種している。これは、全成人の半数以上になる。使用されているワクチンは、英オックスフォード大学とアストラゼネカが共同開発したものか、米ファイザー製のもの。 一方、EUのワクチン接種率は、最新のデータによると、イギリスの3分の1に満たない。 ジョンソン氏はここ数日、欧州首脳たちと協議を重ねている。EU域内で製造するアストラゼネカ製ワクチンについて、EU側がイギリスへの輸出を禁止しないよう、25日の会合で説得するための下地作りだ。 記憶から消すよう要請 今回の発言が出たビデオ会合では、ジョンソン氏はアストラゼネカについて、英政府にワクチンを原価で提供したとしてたたえたという。 会合に出席した議員の1人は、ワクチン調達をめぐる発言をジョンソン氏が取り消そうとしたことについて、「あれほど急いで、あれほど熱烈に」発言を撤回する人を見たことはなかったと話した。 この議員はまた、ジョンソン氏について、「発言した途端にまずい事を言ったと気づいたし、本当に意味してはいなかった」と述べた。 数人の関係者によると、ジョンソン氏は出席者に対し、「あのコメントをみんなで共有している記憶から除去」するよう求めたという。 ジョンソン氏の発言は、イギリスのワクチン接種の取り組みと、EU各国の取り組みを比べたものではなかったとされる。 リシ・スーナク財務相は今月発表した新年度予算案で、7月末までにイギリスの全成人に1回目のワクチン接種を提供するという目標を達成するため、16億5000万ポンド(約2450億円)を追加で振り向けることを明らかにした。 (英語記事 'Greed' helped UK's vaccines success, says PM)

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    北朝鮮、弾道ミサイル2発発射 日本の排他的経済水域外に落下か

    2021年03月25日 10:49 公開 北朝鮮は25日午前7時6分ごろ、弾道ミサイル2発を日本海側に向けて発射した。日米両政府が発表した。北朝鮮のミサイル発射は、アメリカの政権交代後は初めて。 日本政府によると、ミサイルは日本の排他的経済水域(EEZ)の外に落下したとみられる。 日本の菅義偉首相は同日朝、首相官邸で記者団に「先ほど北朝鮮が弾道ミサイルを2発発射した。昨年の3月29日以来、約1年ぶりのミサイル発射は、我が国と地域の平和、安全を脅かすものであり、国連決議違反でもある。厳重に抗議をし、強く非難をする」と述べた。 日本の首相官邸によると菅首相は、(1)情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対して、迅速・的確な情報提供を行うこと、(2)航空機、船舶等の安全確認を徹底すること、(3)不測の事態に備え、万全の態勢をとること―――を指示した。 韓国軍合同参謀本部は先に声明で、北朝鮮が2発の「未確認の飛翔(ひしょう)体」を発射したと発表していた。 北朝鮮は21日にも、短距離巡航ミサイル2発を黄海に発射した。 これについて、ジョー・バイデン米大統領は、挑発とはみなさないと述べていた。 北朝鮮は国連安全保障理事会の決議で、弾道ミサイルの発射実験を禁止されているが、巡航ミサイルの実験は禁止対象ではない。弾道ミサイルは国際社会への脅威とみなされている。 バイデン米政権が2月中旬から北朝鮮政府との接触を試みる中、北朝鮮は発射実験を行った。 バイデン政権や同盟国は現在、北朝鮮政策の見直しに重点的に取り組んでいる。 アメリカを初め国際社会は北朝鮮に対して、何十年にもわたり制裁措置を続けてきた。加えて、ドナルド・トランプ前米大統領は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記と首脳会談を3回重ねた。それでも、北朝鮮が大型で強力な核兵器を開発するのを防ぐことはできなかった。 (英語記事 North Korea fires two ballistic missiles)

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    アジア系の女性がアメリカで生きるとは 「物を言わないと思われているが」

    2021年03月25日 10:30 公開 アジア系市民への暴力に抗議する動きがアメリカ各地に広がる中、アジア系の女性がアメリカで生きるのがどういうことか、尋ねてみた。 (ビデオ製作:ジンヤン・ユー、ジャオイン・フェン)

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    インド、アストラゼネカ製ワクチンの輸出中断 感染拡大する国内での接種優先

    する英オックスフォード大学/アストラゼネカ製ワクチンの輸出を全て一時停止した。複数のインド外務省筋がBBCに明かした。 情報筋は、インド国内の感染者数の増加にともない、今後数週間のうちにワクチンの国内需要が高まることが予想されるため、同国内で供給するワクチン確保が必要だと語った。 当局は「一時的な措置」としているが、4月末までのワクチン供給に影響が及ぶとみられる。 世界保健機関(WHO)が主導する、新型ウイルスワクチンの公平な配分を目指す国際的な枠組み「COVAX」に参加する約190カ国が、今回のワクチン輸出停止の影響を受ける可能性が高い。 インドのワクチン製造大手セラム・インスティチュート・オブ・インディア(SII)はここ数日、イギリスやブラジルなど複数の国へのアストラゼネカ製ワクチンの出荷を遅らせていた。 同国はこれまでに76カ国に6000万回分以上のワクチンを輸出しており、その大半はアストラゼネカ製だ。 インドはなぜ輸出を一時停止 今回の決定は、インドが新型ウイルスの感染急増に直面していることを受けてのもの。24日には4万7000人以上の新規感染者と275人の死亡が確認。今年に入ってから最も急激な増加となった。 インドは4月1日から45歳以上の人を対象に予防接種を開始する。当局は予防接種の需要は高まると予想している。 「(輸出停止は)一時的措置だ。国内の需要が優先されなければならない」と、インド外務省筋の1人はBBCのスーティク・ビスワス記者に語った。 複数の情報筋は、4月まではワクチン供給を制限する可能性が高いとしつつ、少なくとも1種類の追加ワクチンの緊急使用が承認される予定の5月になれば、状況は改善されるだろうと述べた。 インド外務省のウェブサイトによると、18日以降、インドからのワクチン輸出の記録はない。 「少なくとも当面の間は、ほかの事は全て後回しだ」と、インド外務省筋の1人はロイター通信に述べた。「インドの状況が安定するまでは一切輸出しない」。 今回の決定について、インド政府やSIIから公式コメントは出ていない。 <関連記事> インドの感染拡大、過去最悪の勢い 新型ウイルス 新型コロナウイルスのワクチン 世界の接種状況は イタリア、国内製造ワクチンの輸出を阻止 EU初 事態の背景 世界最大のワクチンメーカーであるSIIはすでに、イギリスやブラジル、サウジアラビア、モロッコ向けのアストラゼネカ製ワクチンの出荷を延期している。 BBCは先週、インドからの500万回分の出荷が4週間延期されたことを報じた。 「現在の状況とインド政府の予防接種プログラムの要件に基づき、より多くのワクチンを後から供給するつもりだ」と、SIIの広報担当者は当時話していた。 SIIは年内に、低・中所得国向けに10億回分のワクチンを製造するとしている。 また1月には、月に6000万~7000万回分のワクチンを製造できると発表した。このワクチンにはアストラゼネカ製と、インドでは使用がまだ認められていない米ノヴァヴァックス製ワクチンが含まれている。 SIIは1月にBBCに対し、3月からひと月あたり1億回分のワクチン増産を目指しているとも語っていた。しかし最近、製造量が依然6000万~7000万回分にとどまっていることが判明した。 インド政府は1月16日に予防接種計画を開始。感染の第2波の発生が懸念される中、これまでに4700万人以上が接種を受けている。 当局は7カ月以内に6億回分の接種を実施したい考えで、これを実現するにはひと月に約8500万回の接種が必要となる。 (英語記事 India temporarily halts exports of AstraZeneca jab)