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    ベルギー王子、ロックダウン中のパーティーで新型ウイルスに感染し謝罪 

    2020年06月01日 13:33 公開 ベルギー王室のジョアキム王子(28)が、新型コロナウイルス流行を受けたロックダウン(都市封鎖)中のスペインでパーティーに参加し、新型ウイルスに感染したことが明らかになった。ジョアキム王子は5月31日に声明で、「行動の結果を受け入れる」、「自分の行動を深く後悔している」と謝罪した。 ジョアキム王子はベルギーのフィリップ国王のおいで、王位継承順位第10位。 5月26日にインターンシップの一環でベルギーからスペインへ向かい、その2日後に南部コルドバでパーティーに参加したという。 コルドバではロックダウン中、15人以上の集会が禁じられているが、スペイン紙の報道によると、このパーティーには27人が参加していた。 王子は軽い症状 スペイン警察はすでに、このパーティーについて捜査を始めている。ロックダウンのルールに違反した人には最大で1万ユーロ(約120万円)の罰金が科せられる。 このパーティーに参加した全員が、隔離されているという。ジョアキム王子には軽い症状が出ていると報じられている。 スペインでは14歳未満の子どもは6週間、外に出ることを禁止されるなど、欧州でも最も厳しいロックダウンを敷いていた。 5月4日から始まった4段階の緩和計画は6月1日に第2段階に入り、国民の70%がロックダウンから解放される。一方、大都市圏ではなお、厳しい制限がしかれている。 スペインは世界でも新型ウイルス感染者と死亡者が特に多い国のひとつ。米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、5月31日までの感染者数は23万9479人、死者は2万7127人だった。 (英語記事 Belgian prince apologises for lockdown party)

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    米黒人男性の死は「計画的殺人」 遺族の弁護士が主張

    混乱ではなく正義だ」と述べ、「暴れる暴徒が事態を支配するなど許さない。そうはさせない」と強調した。 BBCのアンソニー・ザーカー北米担当記者は、トランプ氏が国民の連帯と癒しを呼びかけていることについて、同氏がふだんからツイッターで政敵をあざ笑うあだなをつけてののしったり、敵意をむき出しにしたりしてきただけに、今になって連帯を呼びかけても、その言葉の説得力は薄れていると指摘した。 ザーカー記者はさらに、新型コロナウイルス流行による経済的、社会的な大打撃が、フロイドさんの死をきっかけに暴動が発生した政治的な状況をつくったと説明。トランプ氏は今回の暴動をあおっていないとしても、抑え込むのは難しいかもしれないとした。 (英語記事 Floyd death was 'premeditated murder' - US lawyer)

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    現代美術家のクリストさんが死去、各地の名所をラッピング

    2020年06月01日 12:03 公開 歴史的建造物などを布やプラスチックで覆うアートで有名だった、ブルガリア出身の現代美術家クリストさんが5月31日、ニューヨークで亡くなった。84歳だった。 クリストさんのフェイスブックページによると、死因は自然死だという。 クリストさんは、妻のジャンヌ=クロードさん(故人)と共に美術活動を展開。ドイツの国会議事堂や、パリのセーヌ川にかかる橋「ポンヌフ」などを布で覆った作品が有名だ。 フェイスブックページの声明は、クリストさんの作品が「多くの人を結びつけた」と紹介した。 また、「クリストはその充実した人生で、不可能なことを思いつくだけでなく、実現させてきた」と述べ、2人の作品は「私たちの心や記憶の中で生き続ける」としている。 2016年に発表した「The Floating Piers」では、イタリアのイゼオ湖でポリエチレンのキューブの上に10万平方メートルの黄色い布を敷き詰め、水面を歩けるようにした。 また、2018年にはロンドンのハイドパークの湖で、7500個以上のたるをつなぎ合わせて作った台形の造形物を浮かばせた「ロンドンマスタバ」を発表した。 クリスト・ヴラディミロフ・ジャヴァチェフさんは1935年にブルガリアのガブロヴォで生まれた。 オーストリアとスイスで過ごした後にフランスに移住し、パリでジャンヌ=クロード・ドゥナ・ドゥ・ギュボンさんと出会った。 2人は大規模な歴史的建造物の模様替えだけでなく、自然の風景の中で環境にやさしい作品を制作した。 ジャンヌ=クロードさんは2009年に74歳で亡くなっている。 クリストさんはパリで「L'Arc de Triomphe, Wrapped(包装された凱旋門)」を構想中だった。この作品はクリストさんの遺志により、2021年9月に発表される予定だという。 クリストさんは生前、ジャンヌ=クロードさんとの作品について、「場所を借りて、数日の間だけ穏やかな騒ぎを起こす」と説明していた。 フェイスブックページの声明は、「1958年の手紙でクリストは『美と科学、芸術は常に勝つ』と書いている。きょうはこの言葉をかみ締めたい」と結んでいる。 (英語記事 Christo, artist who wrapped landmarks, dies at 84)

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    彼女が彼になり、そしてまた彼女へと……エリーとネレの物語

    2020年05月31日 14:23 公開 リンダ・プレスリー、ルーシー・プロクター、BBCワールドサービス(ドイツ) 研究によると、トランスジェンダー(出生時の身体的性別と性自認が異なる人)で性転換した人の大半が、その選択を考え直すことはないという。しかし、ある2人のトランス男性が互いに恋に落ちたとき、性自認をめぐる2人の旅は思いも寄らない道をたどることになった。 「私たちのこれまでは特別なものだと思っている。特別な体と、この体で経験したことをベースにした特別なつながりがある」 エリーさんはベルギー出身の21歳。パートナーのネレさんはドイツ人で24歳だ。どちらも男性的になるためにテストステロンを服用し、2度の乳房切除手術で胸を取り去った。そして今、2人は性転換のプロセスを中止し、生まれたときの性別で、女性として生きようとしている。 ネレさんは「子宮摘出手術を受けなくてよかったと思っている」と話した。「ホルモン剤を飲むのを止められるし、私の体も女性的に戻っていくから」。 エリーさんとネレさんは昨年テストステロンの服用を止め、再び女性の代名詞「彼女」を使い始めた。生来の自然なエストロゲンによって、2人の体は徐々に女性に戻りつつある。 「変化を見るのはとてもワクワクする」とエリーさんは語る。 2人の顔だちは柔らかくなり、体も丸みを帯びてきた。一方で何年にもわたるテストステロンの服用は、ある大きな、不可逆の効果をもたらした。 「声は元に戻らない」とネレさんは話した。 「歌うのが大好きだったけど、もう歌えない。私の声はとてもモノトーンになって、全然違って聞こえる。誰かに電話すると、男性だと思われる」 ※この記事ではエリーさんとネレさんから、トランス男性として生きていた時期も含め、2人に対して女性の代名詞を使うことに了承を得ています。 トランスジェンダー/トランス: 出生時の身体的性別と性自認が異なる人 シスジェンダー/シス: 出生時の身体的性別と性自認が同じ人 ノンバイナリー: 性自認が男性だけでも、女性だけでもない人 パンセクシャル: 魅力を感じる相手の性別や性自認を問わない人 2人の物語は複雑だ。 性転換した人の典型とは異なる。一方で、性転換で男性や女性になった人や、ノンバイナリーの人たちの選択について、何らかの価値判断につながるような存在でもない。 エリーさんは幼いころ、女の子として過ごすことに不快感を覚えた記憶はない。しかし、思春期を迎えてからは違った。 「自分が男の子がやるようなことばかりしていることに気づいた。人によっては、特に他の子どもたちは、それをよしとしなかった。『両性具有』とか呼ばれたのを覚えている」 エリーさんは背が高く、運動が得意だ。そして、バスケットボールが大好きなのは、「男の子のすること」だと言われた。14歳になると、エリーさんは他の女の子に魅力を感じるようになり、両親にカミングアウトした。 「女の子とデートして、それに満足していた」とエリーさんは振り返る。 その後、エリーさんは姉妹に自分がレズビアンだと話した。 「あなたは大人の女性になりつつある、そういうあなたを誇りに思うと言われて、なぜかそれが気になった。『じゃあ私は今、女性なのか? それはしっくりこない』と思った。男の子になりたいんじゃなくて、女性になりたくなかった。ニュートラルになって、何でもやりたいことをやりたかった」 15歳になったエリーさんは、女性になると自分の生きる選択肢が狭まってしまうと考えていた。 ネレさんにとっても、女性として成長することは楽しいことではなかった。 「私は9歳のころに第二次性徴始まって、それがどういうことか理解する前に胸が大きくなり始めた。母からは上半身裸で外に出るのを禁止された。私は『どうして兄弟は上半身裸でもいいの?』と言ってよくけんかをしていた。もちろん母は私を守ろうとしていたんだけど、当時の私には分からなかった」 成長するにつれ、ネレさんはいやらしい男性たちとも争わなくてはならなくなった。 「キャットコール(路上で女性に性的な言葉を投げかける嫌がらせ)をたくさん受けた。家の前の道路を歩いていると男性が必ずぶつかってきた。今になって少しずつ、自分がこうした経験を内面化していたのだと分かってきた。自分は社会では男性が求める性的なものとして見られていて、個性は求められていないのだと」 体の成長が早かったため、ネレさんは自分が太りすぎだと思うようになった。その後、ネレさんは摂食障害を起こしてしまう。 「太りすぎ、大きすぎ、体重を減らなきゃと、かなり早い段階で思うようになった」 ネレさんは女性に魅力を感じるようになるが、レズビアンとしてカミングアウトするのは、考えただけで恐ろしかったという。 「自分が気持ちの悪い女性になってしまう、私に口説かれるのが嫌で女友達が二度と会ってくれなくなる、そういうイメージを持っていた」 ネレさんは19歳の時、男性にも女性にも魅力を感じるバイセクシャルだとカミングアウトした。その方が安全だと思ったからだ。しかし、望まない形で男性に言い寄られることへの不快感や、自分の女性の体への違和感は消えなかった。ネレさんは、自分の胸を取り除きたいという思いに取り付かれた。トランス男性が乳房除去手術を受けていると知ったのはその頃だった。 「その時は『これだ、でも私はトランスじゃない』と思った。それから『トランスだってうそをついて、ごまかせるかな?』と思って色々と調べているうちに、トランス男性の言うことの多くが自分の経験ととても似ていることに気づいた。たとえば『自分の体に違和感を覚える。子どもの頃は男の子になりたかった』とか」 トランスジェンダーの人が出生時の身体的性別と性自認が違うために抱える苦痛は、性別違和と呼ばれている。ネレさんは、この時期に自分の性別違和が始まったと考えている。 「むしろ、『トランスの振りをしなくてもいい、自分はトランスジェンダーなんだから』と思うようになった」 ネレさんの選択肢は2つ、自殺するか、性転換するかだった。トランスジェンダーの支援団体に助けを求めると、セラピストに会うように言われた。 「セラピストにあった時、『トランスかもしれないんだけど』と話すと、その人はすぐに私に男性の代名詞を使った。それから、私がトランスジェンダーなのは実に明らかで、こんなに確信できたのは初めてだと言われた」 3カ月後には、ネレさんはテストステロンを処方された。 エリーさんも男性ホルモンの摂取を考えたが、当時エリーさんはたった16歳だった。 「YouTubeで、テストステロンを摂取しているトランス男性の動画を見た。その人たちはシャイなレズビアンからかっこいい男性に変わり、とても有名になっていた。自分にもその可能性があるだろうかと考え出して、男性の体になるべきだと思うようになった」 エリーさんは未成年だったため、医療行為には親の承諾が必要だった。最初に両親と共に訪ねた医師は、エリーさんに待つよう言った。エリーさんはこれを、この医師がトランスジェンダーを嫌悪しているからだと考え、自分の希望を前向きに受け止めてくれる医師を探した。 「この医師は両親に、処置はどれも元に戻せると言ったが、これは真っ赤なうそだった。私は自分で調べていたし、この医師は信頼できないと分かっていた。でもそれで両親がOKと言ってくれたので、ただただ嬉しかった」 エリーさんの父親エリックさんは、テストステロンがわが子の健康に与える影響を心配していたが、医師が保証してくれた。 「私たちはその時まだ、娘に男の子になりたいと言われてショックを受けていた」と、エリックさんは当時を振り返った。 「でも医師は、ホルモンは彼女のためになると言っていた」 エリックさんとエリーさんの母親は、ジェンダーを変えるという新世界の海に乗り出そうとしてるように感じたという。 「私と話してくれて、エリーに(ホルモン摂取を)待って長く考えてくれるよう促す主張を探してくれる人と出会いたかった。でも、そういう人はいなかった」とエリックさんは語った。 テストステロンの影響でエリーさんはしばらく無気力になったが、しばらくして元気になった。17歳の時に乳房切除術を受けた。その後、エリーさんは高校を卒業し、ドイツの大学に進学するためにベルギーを離れた。 男性に転換しても、ネレさんの絶望感は消えなかった。自殺したいと思う気持ちは残っていたし、摂食障害によって過剰なカロリー計算とダイエットに執着するようになった。 ネレさんは、自分が頼りにできるのはテストステロンだけだと思い込むようになり、乳房切除術も希望し続けていた。 その一方で、かかりつけのジェンダーセラピストには完全に正直になれなかった。 「自分の摂食障害がとても恥ずかしかった。最初にその話はしたけど、あまりに恥ずかしくて、その後は話せなかった。摂食障害の人にとって、それは普通のことだと思う」 ネレさんは、自分のメンタルヘルス(心の健康)に問題があればトランス治療が中止されるかもしれないと心配していた。 「ドイツでの状況は厄介だ。ホルモン治療や外科手術が必要だという診断書を書いてくれるのは、セラピストなので」 摂食障害と性別違和の関係についての研究はいくつかある。イギリスの性自認研究サービスによる2012年調査では、思春期の相談者の16%が何らかの形で「食事がしにくい」状態にあると話した。ただし、相談者の大半は、出生時に女性だった。これは念頭に置く必要がある。そして、男性として生まれた人より、女性として生まれた人の方が摂食障害に陥りやすい。 イギリスを拠点にする心理療法士、アナスタシス・スプリアディス氏は、摂食障害と性自認の問題を抱える患者をみている。スプリアディス氏によると、性別違和に対する反応として摂食障害が起きることもあるという見方もある。 この説の通りなら、性別に関わる問題を治療すれば、摂食障害はなくなるはずだ。そういう場合もあるものの、スプリアディス氏の臨床経験は違う。スピリアディス氏が担当する多くはネレさんのように、女性として生まれ、今は性転換をやめた20代の人たちだ。 「この人たちは、性転換をすれば、自分の摂食障害や違和感がよくなると思ったものの、実際には事態はもっと複雑だ。テストステロンの摂取や手術を受けたことを後悔している。摂食障害が続く人もいる。それが本当に心配だ」 スプリアディス氏は、拒食症や過食症を患う人は、自分の体への不可逆な処置について決定できる状態にないと考えている。 「摂食障害は、生物心理社会的なレベルで本人に影響をおよぼす。医学的にも身体的も、さらに認知の上でも問題がある人は、自分自身や自分の体について認識がゆがんでいる可能性がある」 スプリアディス氏は、この分野の取り組みで大事なのは、性自認について問題のある若い人に、摂食障害がないか確認することだと考えている。摂食障害は命に関わるため、性別違和による問題を薬物や外科手術で治療しようとする前に、まず摂食障害を治療するべきだという。 新入生として、そしてトランス男性としてドイツにやって来たエリーさんは、自分の性別違和は過去のものだと感じていた。そして、生活に馴染んでいった。 「私は男性として通用した。とてもよく通用した。私がトランス男性だと気づかなかったので、あなたの性転換は大成功だというコメントをたくさんもらった」 しかしそこで、男性としてのアイデンティティーについて、矛盾する複雑な思いが生まれてきた。 「自分の人生について、それはもう色々なことを隠さなくてはと、そう思い始めた。女の子としての子ども時代のことを口にしてはならないと。シス男性だと思われるのは、しっくりこなかった。自分はどこにも居場所がないと思うようになった」 デートも問題だった。 「ストレート(異性愛者)の男性だとは思われたくなかったので、女性とデートするのはためらった。それから、自分の体の部位への不安もあって(中略)、つまり、徐々に女性の体をきれいだと思わなくなっていた。ある意味、価値が低いものだと思うようになった」 エリーさんは男性に魅力を感じるようになり、自分はパンセクシャルだと自認した。 「これは内面化した女性蔑視のせいだと思う。でもシス男性にはつながりを一切感じなかった。それで、トランス男性と付き合えば、誰かを身近に感じつつ、魅力も感じられるのではと思った」 うまくいった? 「完璧だった!」 こうしてエリーさんは出会い系アプリを使い、ネレさんと出会った。当時ネレさんは、トランス男性との恋愛を特に望んでいたわけではなかったという。 「それでも、エリーとショートメールのやり取りを始めたことはプラスになった。私たちは同じような経験をたくさんしていて、彼女といるととても落ち着く」 デュッセルドルフで最初のデートをしてからは、2人の関係は急速に進んだ。ネレさんは長い間望んでいた乳房切除手術にゴーサインが降り、エリーさんの存在は大きな助けとなった。それから2人は同居を始めた。 ジェンダー研究の学生になったエリーさんが、ソーシャルメディア上で頻発する、トランスジェンダー活動家と過激なフェミニスト(女性権利運動家)の争いに興味を持ったのはこの頃だった。 これをきっかけに、エリーさんは自分が本当にトランスジェンダーなのか疑問を持ち始める。「それか、人生を生き抜くための一手段にすぎなかった?」 エリーさんとネレさんは、お互いの性自認について激しく議論した。 きっかけはもう一つあった。2人は同じ時期に萎縮性膣炎と診断されたのだ。これは女性ホルモンの減少によって起こる炎症で、閉経後のほか、男性ホルモンの投与でも起こる。治療薬は、女性ホルモンのエストロゲンの入った薬だった。 「薬はあまり効かなかった」とネレさんは言う。「それに、どうして自分の体で作れるホルモンを、薬という形で体に大量に入れているんだろうと思った」 エリーさんも同じ考えだった。 「少しの間、自然な状態になって、どうなるか様子を見てみてもいいんじゃないか?」 こうして2人はテストステロンの服用をやめた。しかし、「ディトランジション(性転換をやめる)」という決断は恐ろしいものだった。 「ホルモンをやめて自分の体に戻るのが怖かった。性転換をとても早く始めたから、自分の自然の体がどういうものかも知らなかった」とエリーさんは話す。 ネレさんは、「私は自分の問題から逃げるために性転換したから、戻るのは怖かった。性転換をやめるのは、克服できなかった問題に直面することだから」と話した。 ディトランジションについての学術研究はほとんどない。いくつかの研究では、性転換をやめる人の数は非常に少ないことが示されている。ある研究によると、トランスジェンダーの中で、生まれたときのジェンダーに戻る人は0.5%未満だという。しかし現時点では、多数の性転換をした人を対象に、何年も追跡するような大規模調査は行われていない。 英バース大学の臨床心理学者キャサリン・バトラー博士は、「長期にわたる調査はまだ行われていない」と語る。 「しかしソーシャルメディア、たとえばレディットでは、ディトランジションのグループに9000人以上が登録している。私のような研究者もその中に入っているが、それでも大きな数だ」 また、学術研究が不足していることで、ジェンダーの旅路を考え直す人に影響が出ているという。 「研究がないということは、ディトランジションした人への法的サービスがどうなっているかのガイドラインや指針がないということ。彼らは自分たちで準備し、自分たちのネットワークを形成しなくてはならない」 ネレさんとエリーさんがやったのが正にそれだ。プロのイラストレーターとしてのネレさんのスキルを使い、2人は「post-trans.com」というプラットフォームを立ち上げた。2人のような境遇の人たちが連絡を取り、体験を共有する場だ。 ネレさんもエリーさんも、トランスフォビア(トランスジェンダー嫌悪)の団体やコメンテーターがディトランジションの話題を利用して、トランスやノンバイナリーの人の体験をないことにしたり、苦労の末に勝ち取った医療へのアクセスを攻撃したりしていることは、承知している。 2人とも、トランスの人たちの権利は否定しない。一方で、性転換が常に正しい選択肢かどうかについては、疑問を持っている。 ディトランジションに入って数カ月、ネレさんとエリーさんは女性として、レズビアンとしての生活に慣れ始めた。2人の友人や家族も同様だ。 エリーさんの父親のエリックさんは、「私たちに電話して(ディトランジションを)伝えるのは辛かっただろう」と話す。エリックさんもやっと、再び娘になったわが子に女性の代名詞を使うことに慣れてきたところだ。 「私にとっては、白か黒かというはっきりした話ではない。最初に性転換を始めたときから、エリーは決して男性にはならないと分かっていた。完全な手術をしようという考えは一度も持っていなかったから。今はまた新しい何かの『中間』にいる。それでも、エリーはいつでもエリーだ」 ではエリーさんは、性転換という選択、たとえば乳房切除術を後悔しているのだろうか? 「性転換中にいろいろな身体的変化を経験した。そのおかげで私は、自分の体と前より仲良しになれた。体の変化は、私の旅の一部に過ぎない」 ネレさんも同じように楽観的だ。 「体は年齢や事故でも変わっていくもの。胸がなくなったことを悲しいとは思わない」 エリーさんもネレさんも、乳房の再建手術は考えていない。もっと難しいのはたとえば、夜中に駅のホームに1人でいる時に、男性からまた女性として扱われることだという。その男性は、脅威になる可能性があるからだ。 「その男性が私を男だと認識すれば、恐怖は感じない(中略)でも、女と見られたら危険かもしれないし、気をつけなくてはならない」とネレさんは説明する。 一方で、ネレさんの「彼女」から「彼」へ、そして「彼女」へという経験は、特に仕事面でよい結果をもたらしているという。 「私はいつも自分のことを『私はただの絵を描く女の子だ。プロの、自立したイラストレーターにはなれない』と思っていた。それが、性転換をして男になった途端、『自分にはできる』と思うようになった。トランス男性は自信が強いというのはよく聞く話で、私も同じ経験をした。その自信はこれからも持ち続けようと思う」 エリーさんとネレさんは、10代の頃からジェンダーのジェットコースターに乗ってきた。乗り心地は決して良いものではなかった。 今の2人は、次の段階に進もうとしていて、新しい生活を楽しみにしている。もしかしたらそこに、猫が何匹か加わるかもしれない。 (英語記事 From she to he - and back to she again )

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    スペースXの有人宇宙船、初の打ち上げに成功

    2020年05月31日 13:02 公開 ジョナサン・エイモスBBC科学担当編集委員 アメリカの宇宙開発企業スペースX(エックス)は30日午後3時22分(日本時間31日午前4時22分)、米フロリダ州のケネディ宇宙センターで、米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士2人を乗せた宇宙船「クルードラゴン」の打ち上げに成功した。 アメリカ国内からアメリカ人が宇宙に飛び立つのは、スペースシャトルの有人飛行計画を9年前に中止して以来のこととなる。 搭乗したダグ・ハーリー飛行士とボブ・ベンケン飛行士は、新しい宇宙船システムの試験だけでなく、NASAにとっての新たなビジネスモデルも主導する。 NASAは今後、自前の宇宙船を持たず、スペースXから「タクシー」サービスを借りるモデルを想定している。 今回の打ち上げが成功したことで、富豪イーロン・マスク氏が所有する「スペースX」以外の企業の参入も期待されている。航空機大手ボーイングもすでに、NASAと宇宙船供給の契約を結んでいる。 マスク氏自身も、自社の宇宙船が飛行士を乗せて軌道に乗るのを見て、感極まったと話した。 「これは開拓スピリットを持つ人の心を、わしづかみにする出来事だと思う。そしてアメリカは、開拓のスピリットを蒸留した国だ」 マスク氏がNASAに宇宙船提供を申し出たことで、NASAは国際宇宙ステーション(ISS)に人を運ぶのにロシアの宇宙船に頼る必要がなくなった。 フロリダ州に打ち上げを観覧に来ていたドナルド・トランプ米大統領も、この点に注目した 「過去の指導者たちは、外国のお情けでアメリカの宇宙飛行士を軌道に送っていた。そういうことはもうない」 「今日という日から我々は誇りを持ってアメリカの宇宙飛行士を、世界最高峰のアメリカのロケットで、このアメリカの国土から打ち上げられる」 ハーリー氏とベンケン氏を乗せた「クルードラゴン」は、打ち上げロケット「ファルコン9」に乗せられて打ち上げられた。 気象予報士によると、この日のケネディー宇宙センター周辺の天候が好ましい状態になる確率は五分五分だった。しかし幸運なことに好天が続き、スペースXは打ち上げを決行することができた ファルコン9は有名な第39発射施設から北東の大西洋に向かって打ち上げられた。その2分半後に下部が切り離され、さらに6分後には、宇宙飛行士たちは無事に軌道に乗った。 ハーリー氏とベンケン氏は31日中にISSに到着する予定だ。 その間、両氏はクルードラゴン内の設備や、手動運転などを含む手続きを試験する。 クルードラゴンは自動的にISSまでの航路を決められる完全自動型だが、乗組員はあらゆる事態を想定し、宇宙船が手動の場合どのように動くのかを正確に把握する必要がある。 この宇宙船には操縦桿(かん)がなく、すべての操作はタッチパネルで行われる。 軌道上での最初の仕事のひとつに、宇宙船に名前をつけるというのがある。アメリカでは、最初の有人飛行計画「マーキュリー計画」の時から、この伝統が続いてきた。ハーリー氏とベンケン氏は地球への連絡で、この宇宙船を「エンデヴァー(努力、試みの意)」と呼ぶと発表した。 ハーリー氏は、「この名前を選んだのにはいくつかの理由がある。まず今回の計画は、2011年にスペースシャトル計画が終わって以来、NASAとスペースX、そしてアメリカが行ってきたすばらしい努力の賜物だから。もうひとつはボブと私の個人的な理由で、2人とも最初の宇宙飛行をスペースシャトルのエンデヴァー号で行った。その名前を受け継ぐのは私たちにとって非常に意味がある」 エンデバヴァーという名前は、18世紀にイギリス人探検家ジェイムズ・クックがオーストラリアへ向かった際に乗っていた船にちなんでいる。 両氏のISS滞在期間は現時点では明らかになっていないが、1~4カ月ほどとなる可能性が高い。 打ち上げ同様に太平洋への帰還も無事に実現した時点で、NASAとスペースXの新しい協業関係は次の段階に入る。 スペースXはすでに、ISSへの有人宇宙飛行計画を6件、26億ドル(約2800億円)で受注している。 その第1弾は8月末かその直後にも行われる予定で、今度は2人ではなく4人の宇宙飛行士がクルードラゴンに乗り込むことになっている。 30日の打ち上げは、新型コロナウイルス危機の中で決行された。 NASAはケネディー宇宙センターの近くに集まらないよう人々に呼びかけたほか、同センターへの招待客も厳しく絞り込んだ。 宇宙飛行士は通常の場合でも、打ち上げ前に隔離生活を送る。しかしNASAはここでも、数週間前から2人と接触できる人数を絞り、マスクの着用を義務付けた。 18年前に創業したスペースXにとって、30日は大きな節目の日となった。 同社の再利用可能な宇宙船は業界をひっくり返し、有人宇宙船について、新しいマーケット主導型のアプローチを開拓した。 すべてが順風満帆だったわけではない。 29日には、テキサス州ボカチカの試験施設で大きな爆発があったばかりだ。しかしスペースXは繰り返し、否定的意見は間違っていると証明してきた。NASAも、マスク氏との関係で浮いた数十億ドルを、月や火星への有人飛行計画など、複雑な計画にまわせると歓迎している。 ケネディー宇宙センターのボブ・キャバナ所長は、「地球の低軌道に商用環境を構築することで、我々は地球を離れた探索といった難しい計画に注力できるようになる。月に継続的に駐留できるように、そして火星でもそうした設備を確立できるようにしたい」と語った。 「低軌道にとらわれている限りそれは不可能だ。民間の参入は、宇宙飛行の新時代の始まりだ」 (英語記事 Astronauts begin historic mission on private craft)

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    米各地で抗議激化、黒人男性殺害と「もはや関係なくなっている」と州知事

    2020年05月31日 12:53 公開 黒人男性が白人警官に殺害された事件を受けて、ホワイトハウス前でも抗議する人たちがシークレットサービスともみ合うなど、抗議と騒乱が全米各地で相次いでいる。そうした中で事件の起きたミネソタ州の州知事は30日、州内の騒乱がもはや男性殺害と「何も関係ないものになっている」と述べ、州兵全員を動員するという異例の措置をとると発表した。 ミネソタ州ミネアポリスで25日、武器を持たない黒人男性ジョージ・フロイドさん(46)を取り押さえたデレック・チョーヴィン警官(44、29日に殺人罪で起訴)が膝でフロイドさんの首を9分近く押さえつけ、死亡させた。フロイドさんが「息ができない!」などと悲鳴を上げる様子を近くにいた人が撮影し、ソーシャルメディアで拡散した。チョーヴィン警官と、現場にいた他の警官3人は免職された。 この事件を受けて、ミネアポリスで始まった抗議は連日続き、全米各地に広がり、激化している。 ミネソタ州のティム・ウォルツ州知事は30日の記者会見で、「ミネアポリスとセントポールの素晴らしい都市が攻撃されている」、「ミネアポリスでの状況はいまや、市民社会を攻撃し、恐怖を駆り立て、この素晴らしい街を揺るがすためのものになっている」と述べた。 ウォルツ知事は、警察署や店舗などが焼かれた29日夜の暴力沙汰は、「これがジョージ・フロイドの死に関係するとか、有色人種コミュニティーへの不公平や歴史的トラウマに関係するとか、そういう振りをすることさえ、馬鹿にするものだった」と批判した。 ウォルツ知事をはじめ複数の政府当局者は、市内で暴力行為を繰り広げている多くは、騒ぎを大きくするために州外からやってきて暴れているのだと示唆しているが、詳細は明らかにしていない。 <関連記事> 米ミネアポリス市警の元警官、黒人男性の殺人罪で起訴  米CNN記者が生中継中に逮捕、黒人男性死亡の抗議デモ取材 ツイッター社、トランプ氏のツイートに警告を表示 「暴力賛美」と 州当局によると、29日夜には数万人がミネアポリスでの抗議に参加した。ウォルツ知事はすでに州兵の一部を事態鎮圧に投入しているが、初めて全州兵1万3000人を動員する方針を示した。 米国防総省は、ミネソタ州が要請するなら陸軍の軍警察を配備する用意があるとしている。 29日夜から30日未明にかけて、ミネアポリスのほか、ニューヨーク、ロサンゼルス、アトランタ、ポートランドなどで抗議する人たちが警察と衝突した。首都ワシントンではホワイトハウスの前にデモ隊が集まり、シークレットサービスと押し合いになった。シークレットサービスはホワイトハウスをしばらく封鎖して出入りを禁止した。 各地で夜間外出禁止令や緊急事態宣言が出されたが、複数の街で建物や警察車両に放火されたほか、店舗からの略奪も相次いだ。 フロイドさんが育ったテキサス州ヒューストンでは、抗議に参加した19歳の男性が米AP通信に対して、「僕が聞きたいのは、あと何人こうなるんだ?です。あと何人? みんな仲良く暮らす未来に、自分たちが抑圧されない未来に住みたいだけです」と話した。 ミネアポリスでは黒人住民と警察が長年の緊張関係にある。2016年7月には、自動車の後部ライトが壊れていたため警察に呼び止められた黒人男性フィランド・カスティールさん(32)が、警官に撃たれて死亡している。 また、この前日には南部ルイジアナ州で黒人男性が警察に射殺されていた。また1ヵ月後の8月半ばには、中西部ウィスコンシン州で黒人男性が警察に射殺され、続く同年9月下旬には南部ノースカロライナ州でも黒人男性が警察に射殺された、激しい抗議が市内で起きた。 アメリカでは多くのアフリカ系市民が、今も社会に根強く残る人種隔離により社会経済的に不利な状態に追い込まれており、白人よりも失業率が高い。 トランプ氏は何と ドナルド・トランプ米大統領は30日、フロイドさんの殺害に「多くのアメリカ人が恐れと怒りと悲しみでいっぱいになった」と述べた。 スペースX社の宇宙船を乗せたロケット打ち上げの後、フロリダ州からテレビ演説したトランプ氏は、「平和を求める全てのアメリカ人の友人として、仲間として、私は今ここにいます」と言い、「略奪者と無政府主義者」を批判した。 トランプ氏は、今必要なのは「憎しみではなく癒し、混乱ではなく正義だ」と述べ、「暴れる暴徒が事態を支配するなど許さない。そうはさせない」と強調した。 これに先立ちトランプ氏は、集まったデモ隊からホワイトハウスを守ったシークレットサービスをたたえ、もしデモ隊がホワイトハウスの警備ラインを突破していたなら「見たことのないほど獰猛(どうもう)な犬と不吉な武器に迎えられていたはずだ」とツイートしていた。トランプ氏はさらに、抗議は「組織化された団体」によるもので「ジョージ・フロイドとは何の関係もない」とツイートした。 「自分の家を燃やすな」と人気ラッパー ジョージア州アトランタでは、CNN本社ビルの正面を含め、複数の建物が被害にあった。 ケイシャ・ランス・ボトムズ市長は記者会見で、「これは抗議ではない。これはキング牧師の精神にのっとるものではない。あなたたちはこの街をおとしめている。あなたたちは、ジョージ・フロイドの人生をおとしめている」と厳しく非難し、「自分を守るため、家にいてください」と呼びかけた。 同じ記者会見にはラッパーの「キラー・マイク」ことマイケル・サンティアゴ・レンダーさんも参加し、自分の親類にはアトランタ市警の警官が大勢いると前置きし、「自分はここにいたくない。でもこうするのが自分の義務だと思う」として、「自分も激怒してる。でも抗議したいなら、自分の家を燃やすな。自分の家を守って、投票して抗議しろ」と呼びかけた。 ニューヨーク市ブルックリンでも、抗議者が警察にものを投げつけ、パトカーに放火するなどして衝突した。複数の警官が負傷し、多数の人が逮捕された。 現場では何が フロイドさんが死亡した経緯について、フロイドさんが偽造20ドル札を使った疑いがあると通報を受け、警官たちがパトカーに乗せて職務質問しようとしたところ、フロイドさんが地面に伏せて自分は閉所恐怖症だと主張したと、ミネアポリス市警は説明している。 市警によると、フロイドさんが抵抗したため、警官が手錠をかけたという。 現場の様子をとらえた動画では、フロイドさんが地面にうつぶせになる前の経緯は分からないものの、白人警官がフロイドさんの首に膝をのせて押さえつけている様子や、フロイドさんが「お願いだ、息ができない」「殺さないで」などと発言する様子は見てとれる。 地元ナイトクラブの元オーナーによると、起訴されたチョーヴィン元警官とフロイドさんは昨年まで同じナイトクラブで、警備係として働いていたという。ただし、面識があったかは明らかになっていない。 フロイドさんの死因は 郡検視官の正式な死体検案書はまだ発表されていないが、検察の起訴状によると検視の結果、窒息が直接の死因ではなく、心臓疾患のあったフロイドさんが「警察に取り押さえられたことと基礎疾患の組み合わせ、体内にもし酩酊物質があったならそれも合わせて」、死因になった可能性があるとしている。 検視官によると、チョーヴィン元警官は8分46秒にわたり、フロイドさんの首を膝で押さえつけていた。フロイドさんが反応しなくなった後も、3分近く、そうして押さえ続けていた。 膝をどかす2分近く前に他の警官がフロイドさんの右手首をとったが、脈拍は確認できなかったという。救急車でヘネピン郡病院に搬送され、その約1時間後に死亡が宣告された。 ミネソタ州の警官服務規程によると、容疑者の逮捕術として、相手の気道を直接圧迫しない形で容疑者の首を押す技術の訓練を受けた警官は、膝の使用を認められている。これは、容疑者制圧のための致命的ではない方法とされている。 (英語記事 George Floyd death: Minnesota governor decries violent protests / George Floyd death: Violence breaks out amid US protests)

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    ツイッター社、トランプ氏のツイートに警告を表示 「暴力賛美」と

    言論に対する規制として、これほど議論を呼ぶものはない」 <解説> ローリー・ケスラン=ジョーンズ、BBCテクノロジー担当編集委員 ツイッターはもう何年も、ドナルド・トランプを他の利用者と同じように扱い、ルールに従わせろという声に抵抗してきた。 それが27日になって、まずは最初の一手を振り出した。ツイートを削除するわけではないが、実際の事実を確認させるためのリンクを追加したのだ。 反撃する大統領に対して、ツイッターとしては2つの選択肢があった。このままじっとして嵐が過ぎ去るのを待つのか、それともルールに沿って対応し続けるのか。ツイッターが選んだのは後者で、暴力を賛美したと大統領を指差したのだ。 これがほかのユーザーなら、ツイートは削除されただろうし、アカウントも凍結されたかもしれない。 トランプ氏にとってもツイッターにとっても、簡単な解決策はなさそうだ。言論の自由の限度とは、そしてソーシャルメディアが投稿内容に介入する権利とは。こうしたことについて、大きな戦いが始まろうとしている。 今のところ、どちらも一歩も譲りそうにない。ホワイトハウスはツイッターを検索しまくって、暴力を賛美してもおとがめなしだった他の政府指導者のツイートを躍起になって探している。他方で、トランプ氏の過去の様々な違反ツイートを次々に発掘している人たちもいる。たとえば、新型コロナウイルスの治療法について誤情報を拡散したツイートなどだ。 ツイッター社のジャック・ドーシー創業者兼最高経営責任者(CEO)はこれまで、投稿内容を規制をするにしても極力軽い規制しかしたくないという様子だった。それが今では、世界中の政府首脳を取り締まらなくてはならない、面倒な事態に直面している。 (英語記事 Twitter hides Trump tweet for 'glorifying violence')

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    トランプ氏、香港の優遇措置停止へ 国家安全法推し進める中国に対抗措置も

    していることについて、「無謀で恣意的」だと伝えた。 香港の鄭若驊(テレサ・チェン)法務長官は29日、BBC中国語サービスに対し、いかなる制裁による脅しも容認しないと述べた。 「他国に方針を変更することを強要するために制裁を科すというのか? そのような制裁は誰の利益にもならない」 <関連記事> 英外相、海外市民旅券の香港人に「市民権も」 国家安全法めぐり 中国、国家安全法を採択 香港は「自由の砦」と米英など批判 米国務長官、香港は「自治失われた」 中国の国家安全法めぐり 国家安全法とは 中国が28日の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)で採択した国家安全法とは反逆や扇動、破壊行為などを禁止することを目的としたもので、中国が独自の治安機関を香港に設置できるとの規定も盛り込まれている。 具体的にどのような行為が禁止されるのかは明らかになってはいない。詳細は数週間内に策定され、9月までに成立する見通し。 次の4つが犯罪行為とみなされるとみられる。 分離独立行為― 中国からの離脱 反政府行為― 中央政府の権力あるいは権威の弱体化 テロ行為― 人への暴力や脅迫 香港に干渉する国外勢力による活動 専門家は、中国大陸で起きているように、中国政府を批判した人が罰せられることになるのではないかと懸念しているという。 中国外務省の駐香港特派員公署は、国家安全法をめぐるアメリカの批判は「完全に横柄で不合理で、厚かましい」ものだと述べた。 香港人に英市民権付与の可能性も イギリスのドミニク・ラーブ外相は28日、中国がこの法の導入を停止しない場合、英国海外市民旅券(BNO)を保有する香港人に対し、英市民権を獲得する道を開く可能性があると述べた。 BNOとは、香港がイギリスの植民地だった時代に香港人に対して発行されたもので、イギリス人が保有する旅券とは異なる。 BNO保有者は、イギリスにビザなしで最長6カ月間滞在できる。この滞在期間を延長可能にすることで、将来的な市民権獲得につながるとしている。 英内務省は29日、BNOを保有する最大30万人の香港人について、自ら申請し旅券を付与されていれば、この方法で市民権を獲得できる可能性があると認めた。 (英語記事 Trump targets China over Hong Kong security law)

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    米ミネアポリス市警の元警官、黒人男性の殺害罪で起訴 

    2020年05月30日 12:42 公開 米ミネソタ州ミネアポリスで武器を持たない黒人男性を取り押さえて地面にうつぶせにさせ、膝で首を押さえつけていた元警官が29日、逮捕・起訴された。 白人のデレック・チョーヴィン元警官は25日、「息ができない!」と叫ぶジョージ・フロイドさん(46)の首を8分以上にわたり膝で押さえつけていた。フロイドさんは間もなく死亡。映像がソーシャルメディアなどで広く拡散し、チョーヴィン元警官と他の警官3人は免職された。 同州ヘネピン郡のマイク・フリーマン検事は記者会見し、チョーヴィン元警官を第3級殺人罪などで起訴したと明らかにした。ミネソタ州法の第3級殺人罪は「殺害の意図はないまま、不道徳な考えから人命を無視し、著しく危険な行為で他人を死亡させた」場合に適用される。 フリーマン検事は「示された証拠を受けてできる限り速やかに起訴した」と説明。「これほど素早く警官を起訴したのは初めてだ」と述べた。 フリーマン検事は、免職になった他の警官3人についても「起訴が予想される」としつつ、詳細は明らかにしなかった。 フロイドさんの遺族と弁護士は、元警官の逮捕は「歓迎するものの遅きに失した」と述べた。さらに、より刑の重い第1級殺人の適用を望んでいたし、他の警官たちの逮捕も希望すると話した。 遺族は声明で、市の警察に犯罪取締りの手法を変更するよう求め、「ジョージ・フロイドの遺族は今日、彼の子供たちに、自分たちの父親がなぜビデオの中で警察に処刑されたのか、説明しなくてはならない」と述べた。 バラク・オバマ前大統領も声明を出し、「2020年のアメリカでこれが『普通』であってはならない」と強調した。オバマ氏はさらに、「自分の子供たちには、高い理想に見合う国で育ってもらいたいと思うなら、もっとしっかりしなくてはならないし、そうできるはずだ」と述べた。 ミネソタ州のティム・ウォルツ知事は、元警官の逮捕は「正義に向けて良い第一歩」だと歓迎した。 ミネアポリスでは事件に抗議する激しいデモが連日続き、抗議行動は全米に広がっている。アメリカでは、黒人市民に対する警察暴力が長年の問題になっている。 <関連記事> 黒人男性死亡の抗議デモで破壊や略奪、州兵出動へ 米ミネアポリス 黒人男性、警官に膝で首を押さえ付けられ死亡 米ミネソタ州 ホワイトハウスを封鎖 首都ワシントンのホワイトハウスの周りでも、参加者が「息ができない!」と叫ぶ抗議が続き、シークレットサービスは29日夜、ホワイトハウスへの出入りを禁止した。今回亡くなったフロイドさんのほか、2014年7月にはニューヨークで黒人男性のエリック・ガーナーさんが警官に取り押さえられ、「息ができない」と叫んだ後に亡くなっている。 ホワイトハウスの前では、シークレットサービスがデモ隊を押し返す事態が30日未明になっても続いた。 「双子の街」とも呼ばれるミネアポリスとセントポールでは、29日午後8時から30日午前6時まで、外出が禁止された。 ミネアポリスではフロイドさんが亡くなって3日目の抗議が続いた28日夜、警察署に火がつけられた。複数の建物が放火され、店舗の打ちこわしや略奪も相次ぎ、州兵が出動した。 29日には、現場で取材中のCNN記者とカメラマン、プロデューサーが生中継中に拘束された。 ミネアポリスやワシントンのほかにも、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴ、ヒューストン、アトランタ、ルイヴィル、フィーニックス、コロンブス、メンフィスなどで抗議行動が起きている。 長年にわたる人種間の緊張や、黒人に対する警察暴力の問題を抱えてきたアメリカでは、最近ではジョージア州で住宅地を走っていて白人親子に射殺されたアーモード・アーバリーさんや、ケンタッキー州の自宅で警察に射殺された救急スタッフのブリオナ・テイラーさんなどをめぐり、怒りと苛立ちが高まっていた。 フロイドさんの死因は 郡検視官の正式な死体検案書はまだ発表されていないが、検察の起訴状によると検視の結果、窒息が直接の死因ではなく、心臓疾患のあったフロイドさんが「警察に取り押さえられたことと基礎疾患の組み合わせ、体内にもし酩酊物質があったならそれも合わせて」、死因になった可能性があるとしている。 検視官によると、チョーヴィン元警官は8分46秒にわたり、フロイドさんの首を膝で押さえつけていた。フロイドさんが反応しなくなった後も、3分近く、そうして押さえ続けていた。 膝をどかす2分近く前に他の警官がフロイドさんの右手首をとったが、脈拍は確認できなかったという。救急車でヘネピン郡病院に搬送され、その約1時間後に死亡が宣告された。 ミネソタ州の警官服務規程によると、容疑者の逮捕術として、相手の気道を直接圧迫しない形で容疑者の首を押す技術の訓練を受けた警官は、膝の使用を認められている。これは、容疑者制圧のための致命的ではない方法とされている。 トランプ氏は何と トランプ大統領は29日、ホワイトハウスで「ひどい、ひどいことだ」と述べた。フロイドさんの遺族を「最高の人たち」と呼び、話をしたと明らかにした。 司法省はこれに先立ち同日、公民権法の違反がなかったか調査すると発表。トランプ氏は、その調査を迅速に進めるよう指示したと述べた。 一方でトランプ氏は、「これほど大勢が平和的に抗議しているのに、略奪者たちがその声をかき消すのを許してはならない」と強調した。 トランプ氏はこれに先立ち、商店を略奪するのはフロイドさんの思い出を汚す「ごろつき」だと発言していた。 ツイッター社は、「略奪が始まれば発砲が始まる」と書いたトランプ氏のツイートについて、暴力を賛美するものだと警告。自動表示されないように、警告文を上にかぶせた。利用者はクリックすればツイートの内容を読むことができる。 現場では何が フロイドさんが死亡した経緯について、フロイドさんが偽造20ドル札を使った疑いがあると見て、警官たちがパトカーに乗せて職務質問しようとしたところ、フロイドさんが地面に伏せて自分は閉所恐怖症だと主張したと、ミネアポリス市警は説明している。 市警によると、フロイドさんが抵抗したため、警官が手錠をかけたという。 現場の様子をとらえた動画では、フロイドさんが地面にうつぶせになる前の経緯は分からないものの、白人警官がフロイドさんの首に膝をのせて押さえつけている様子や、フロイドさんが「お願いだ、息ができない」「殺さないで」などと発言する様子は見てとれる。 地元ナイトクラブの元オーナーによると、起訴されたチョーヴィン元警官とフロイドさんは昨年まで同じナイトクラブで、警備係として働いていたという。ただし、面識があったかは明らかになっていない。 <視点> 恐ろしい表現――バレット・ホームズ・ピトナー(ワシントン在住ジャーナリスト) 「略奪が始まれば、発砲が始まる」とトランプ大統領はツイートした。これは、1967年12月にマイアミ市警のウォルター・ヘッドリー本部長が使ったのと同じ表現だ。 1967年当時、フロリダ州マイアミのアフリカ系アメリカ人に対して脅しとして使われた言葉だ。ヘッドリー本部長は公民権運動のデモをくいとめるため、銃や警察犬の使用を奨励し、残酷な強硬策を推進していた。この表現はその強硬策の一部だった。 1968年8月にリチャード・ニクソン元副大統領がマイアミで開かれた共和党全国党大会で、秋の大統領選の党候補に選ばれた。その最中にマイアミ市警は抗議行動に参加した3人を殺害し、18人を負傷させ、200人以上を逮捕した。 1960年代のアメリカ各地で、アフリカ系アメリカ人は公民権や投票権を求めて闘い、それに対して各地で警察は激しい手法でデモを攻撃した。 ヘッドリー本部長のこの言葉は誰もが知るほど有名というわけではないが、その考え方はもう長いこと、アメリカの体制側に組み込まれてきた。捜査当局と政治家はこれまでもヘッドリーを連想させる発言を繰り返してきたし、今でもそうだ。 それだけに、今この時にこの国の政府のトップがヘッドリーの言葉を発するのを耳にするのは、恐ろしいことだ。 (英語記事 George Floyd death: Ex-officer charged with murder in Minneapolis)

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    米CNN記者が生中継中に逮捕、黒人男性死亡の抗議デモ取材

    2020年05月30日 12:25 公開 米ミネソタ州ミネアポリスで29日、黒人男性が白人警官に首を圧迫され死亡したことに抗議するデモで、米CNNの記者ら3人が生中継中に逮捕される出来事があった。 CNNのオマー・ヒメネス記者は、抗議デモの様子を生中継で伝えていたところ、警察に手錠をかけられ連行された。同じく取材にあたっていたカメラマン1人とプロデューサー1人も逮捕された。警察が場所を移動するよう求めた際に動かなかったことが理由とみられる。 その後3人は釈放された。 ミネソタ州のティム・ウォルツ知事は、この出来事は「容認できない」として謝罪した。 CNNは憲法違反だと主張した。 何があったのか ミネアポリスでは25日、黒人男性ジョージ・フロイドさん(46)が警察に拘束された際、首を膝で押さえ付けられた。 フロイドさんがうめき声を上げ、「息ができない」と白人警官(29日に殺人罪で起訴)に繰り返し訴える様子が動画に撮影されていた。フロイドさんはその後、死亡した。 この事件を受けて、市内では暴力的な抗議デモが続いた。 CNNのヒメネス記者はデモ3日目の様子を現場で取材。デモ参加者に放火されて焼け落ちた警察署があるエリアで、1人が逮捕される様子を生中継で伝えた。 すると警察は取材クルーに近づき、場所を移動するよう指示した。 中継映像では、ヒメネス氏が自分はCNNのジャーナリストだと身元を明かし、「あなたたちが指示する場所に移動しますから。今は生放送中なので」と伝えているのが確認できる。 重装備の警官が「逮捕する」と言い、ヒメネス氏は手錠をかけられ連行された。 相次いでカメラマンとプロデューサーも手錠をかけられ連行された。中継がつながったままのカメラを警官が持ち運んだと思われる映像も、そのまま生中継された。 記者逮捕への反応は CNNは取材クルーの逮捕は、言論や集会の自由を定めるアメリカ合衆国憲法修正第1条を明らかに侵害しているとツイートした。 「今朝ミネアポリスで、CNNの記者とその制作チームが身元を明かしたにも関わらず逮捕された。これは憲法修正第1条を明らかに侵害している。州知事を含むミネソタ当局は、CNN職員3人を直ちに解放すべきだ」 https://twitter.com/CNNPR/status/1266321293974134784 ミネアポリス警察は逮捕の事実を認め、3人が「メディアの人物だと確認がとれたので」釈放したとした。 しかし、ウォルツ州知事はこの出来事の「責任はすべて」自分にあると述べた。 「このような状況の中で周囲の人を排除している場合でも、我々はジャーナリズムがニュースを伝えられるように安全な場所を確保しなければならない。これは信頼の問題だ」と、ウォルツ州知事は記者会見で述べた。 また、「こんなことが起きてもいい理由など絶対にない」と付け加えた。 (英語記事 Anger as CNN journalist arrested live on air)

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    トランプ氏、「WHOとの関係を打ち切る」 新型ウイルス対応めぐり

    2020年05月30日 10:48 公開 アメリカのドナルド・トランプ大統領は29日、世界保健機関(WHO)との関係を打ち切ると表明した。新型コロナウイルスの世界的流行への対応をめぐり、トランプ氏はかねてからWHOが、中国の責任を不問にしていると非難していた。 トランプ大統領は「中国がWHOを完全に支配している」とし、アメリカは今後、ほかの公衆衛生関連機関に拠出を行うと述べた。 アメリカはWHOにとって最大の拠出国。昨年はWHOの年間予算の15%弱に当たる4億ドル(約430億円)以上を拠出している。 トランプ氏の主張 ホワイトハウスのローズ・ガーデンで記者会見したトランプ氏は、「我々は今日、WHOとの関係を打ち切り、アメリカの拠出を」別の公衆衛生の慈善団体へ「まわすだろう」と述べた。 「世界は今、中国政府の不正行為がもたらした結果に苦しんでいる」 さらに、中国が「10万人以上ものアメリカ人の命を奪うパンデミックを引き起こした」と付け加えた。 トランプ氏は中国が新型ウイルスについて「世界を欺く」ためにWHOに圧力をかけたと非難した。 今年11月の大統領選で再選を狙うトランプ氏は、パンデミック(世界的流行)への対応を批判されてきた。一方のトランプ氏は、中国が流行の初期段階で事実を公表せず隠蔽(いんぺい)していたと非難している。 米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、日本時間30日午前時点のアメリカの死者数は10万2798人で、世界最多となっている。 これまでに何が WHOの新型ウイルスへの対応をめぐっては、トランプ氏が先月から批判を繰り返している。 先月14日、トランプ氏はWHOが「基本的な義務を果たさなかった」として拠出を停止すると発言。今月18日には、WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長に書簡を送り、テドロス氏とWHOが「繰り返し間違った判断した」せいで「世界中に大きな負担がかかった」と主張した。 その後トランプ氏は、WHOを「中国の操り人形」と呼んだ。 一方で中国は、アメリカ国内でのアウトブレイク(大流行)の責任は「嘘をつく」米議員たちにあると非難している。 中国外務省の趙立堅報道官は先に、トランプ氏は市民を誤解させ、中国を中傷し、「自分たちの無能な対応への非難を転換」していると述べた。 WHO加盟国は19日、WHOの新型ウイルス対応について、独立した検証委員会を設置することで合意した。 (英語記事 Trump terminates US relationship with WHO)

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    英外相、海外市民旅券の香港人に「市民権も」 国家安全法めぐり

    在期間はさらなる延長が可能で、それ自体が将来的な英国市民権を獲得する手段を与えることになるだろう」 BBCのジェームズ・ランデール外交担当特派員によると、中国政府は脅威が拡大していると捉え、強固な対応につながる可能性が高いという。また、中国は一部の民主化活動家がイギリスへ逃れても気にしないかもしれないが、才能ある裕福なクリエイターたちがいなくなることは懸念材料だろうと指摘する。 市民権の自動的付与を求める声も 一部の下院議員からは、自動的に市民権を付与する方法を求める声が上がっている。下院外交委員会のトム・トゥゲンハート委員長(保守党)は、BNO保有者には自動的にイギリスに居住し就労する権利が与えられるべきだと述べた。 英政府はこれまで、香港のBNO保有者に対し完全な市民権を与えるよう求める声を一蹴してきた。 昨年、香港で10万人以上が完全な市民権を求める請願書に署名した。英政府はこれに対し、英国市民と一部の英連邦市民のみがイギリス居住権を持っているとし、BNO保有者への完全な市民権の付与は、香港返還時の中国との合意違反になると説明していた。 しかし1972年には、ウガンダの当時の大統領、イディ・アミン氏が国内のインド系やパキスタン系などのアジア人約6万人を国外追放した際、イギリスはBNOを保有する約3万人の亡命受け入れを申し出た。この時一部の英下院議員からは、インドが難民の責任を負うべきだとの声が上がったが、当時のエドワード・ヒース英首相は同国には難民を受け入れる義務があると述べた。 中国に対し強固な対応を 最大野党・労働党のリサ・ナンディー影の外相は先に、イギリスは中国政府に対してもっと強固な対応をしなければならないと述べていた。 ナンディー氏はBBCに対し、国家安全法は「我々が香港を中国に返還し、香港の特別な地位を保護した時に中国と署名した、連合声明を損なおうとし始めている中国による一連の試みの中の、直近の動きだ」と述べた。 「我々は、英政府が対応を本当に強化するところを見たい」 ジェレミー・ハント前外相は、香港で悲劇が起きるのを避けるために、各国と連携すべきだと述べた。 ハント氏はBBCに対し、「英中の合意の観点から見ると、間違いなくこれまでで最も危険な時期だ」と述べた。 「独特な法的状況を持つイギリスには、国際的に連携し、香港の人々を守るために自分たちにできることをする義務がある」 ボリス・ジョンソン英首相の報道官は28日、「我々は香港の安全保障に関連する中国の法律を深く懸念している」、「我々はこれまで、国家安全法が一国二制度の原則を損なう恐れがあると、非常に明確に示してきた」と述べた。 「この件について、国際的パートナーたちと緊密に連絡をとっている。また、ラーブ外相は昨夜、アメリカのポンペオ国務長官と話した」 さらに、「中国政府による措置は、英中の共同宣言を直接的な危険にさらし、香港の高度な自治を損なっている」と付け加えた。 アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は27日、香港は「高度な自治」を維持できておらず、アメリカが認めてきた貿易や投資における優遇特権の継続にもはや値しないと議会に報告した。 この優遇特権が取り消されれば、香港は今後アメリカから、貿易やそのほかの目的において中国と同じ扱いを受ける可能性がある。そうなれば、貿易の中心としての香港の地位に大きな影響を与える恐れがある。 (英語記事 UK proposes rights for HK special passport holders)

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    マードック氏、豪地域紙112紙を整理 デジタル移行か廃刊へ

    2020年05月29日 14:28 公開 ルパート・マードック氏率いるニューズ・コーポレーション・オーストラリアは29日、100紙以上の地域新聞をデジタル版のみにするか、廃刊にすると発表した。 6月より、76紙をデジタルに移行し、36紙を廃止する。 これを受けて人員整理も発生すると考えられるが、ニューズ・コーポレーション・オーストラリアは具体的な数を示していない。 新型コロナウイルスの流行を受けたロックダウン(都市封鎖)で広告収入が減っており、オーストラリアのメディア業界の下降傾向に拍車がかかっている。 同社のマイケル・ミラー会長は、パンデミックが事業に与えているダメージについて、「COVID-19が地域出版の継続に影響を与えている」と説明。 「移り行くトレンドに対応するために、ニューズ・コーポレーション・オーストラリアは消費者や企業が向かっている方向に注目し、オーストラリアの主要デジタルニュースメディア企業としての立場を強化できるよう形を変えていく」 計画では、ヘラルド・サンやデイリー・テレグラフといった主要紙は国内全体のニュースに的を絞り、地域紙との差別化を図るという。 他の豪メディアも縮小や廃業 また、ホバート・マーキュリーやNTニュースと言った大型の地域紙は引き続き紙での発行を続ける。 マードック氏の世界的なメディア企業は、オーストラリアの新聞事業から始まった。しかしオーストラリアの伝統的なメディア業界も各国と同様、広告主がフェイスブックやグーグルなどのIT大手へ出稿先を変える中で苦戦を強いられている。 オーストラリアではすでに複数のメディア企業がパンデミック中に事業縮小や廃業を発表している。 また今年初めには、通信社のオーストラリアン・アソシエーテッド・プレス(AAP)が85年の歴史に幕を閉じると発表した。 (英語記事 Murdoch's Australia newspapers in major shake-up)

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    「ボリス・ジョンソンは信用を失った」 上級顧問がロックダウン中に長距離移動で

    相の上級顧問ドミニク・カミングス氏がロックダウン中に、国内を400キロ以上移動していた問題について、BBCのマーク・イーストン内政担当編集長が複数の人に意見を聞いた。新型コロナウイルスに対する政府の対応全般についても尋ねた。 カミングス氏をめぐっては、3月下旬に妻子と共にロンドンから北東部ダラムまで400キロ以上を長距離移動していたことが22日の報道で明らかになり、国内の注目を集めている。 カミングス氏は25日に首相官邸の庭で記者会見し、ダラムへ向かった理由について、自分と妻が新型ウイルス感染の症状を示していたため、ダラムに住む親類に4歳の息子の世話をしてもらうためだったと説明した。4月半ばにダラム近郊の観光名所に妻子を乗せて自動車で向かったことについては、新型ウイルス感染のせいで視力が落ちたため、ロンドンまで運転できるか視力を試すためだったと話した。

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    黒人男性死亡の抗議デモで破壊や略奪、州兵出動へ 米ミネアポリス

    視官の報告書を待たなくてはならない」 「こうやって耳を傾けている」 ――ジェシカ・ラッセンホップ、BBCシニアスタッフライター(ミネアポリス) 暴力的で破壊活動の続いた夜の翌朝、まだ燃えている建物の煙でミネアポリスの空気は重かった。 あらゆる壁や標識に新しい落書きがほどこされている。バス停の待合スペースは、ガラスが割られて骨組みだけになっていた。 ミネアポリスの繁華街の一角が、紛争地帯のような雰囲気になっている。 もっとも被害が大きかったのは、フロイドさんの死に関与した警察官が働いていたとみられるミネアポリス警察の第3管区だ。 この日の朝も少なくとも100人の抗議者が集まり、管区の駐車場入り口を守る警官に向かって叫んでいる。警官はヘルメットをかぶって沈黙を守っている。屋上からは、武装した警官が監視している。 盗難にあった「ターゲット」の駐車場には、店舗から出されたがれきなどが積みあがっている。ガラスの割れたドアやウィンドウからはなおも、興味にそそられた人々が出入りしている。その荒廃ぶりに、誰もがそわそわと興奮しているようだった。 破壊は無差別だった。銀行から小切手換金店、リカーショップなどが標的となったほか、公立図書館では窓が割られ、本棚や書見台にガラスが散乱した。ターゲットと同じショッピングモール内にあるチャータースクールの教室は、非常警報が鳴らされたせいか、床が水浸しになっていた。 市内にまん延した市民の怒りは明らかだった。叫び声や嗚咽(おえつ)がずっと聞こえていた。この抗議行動が数週間とは言わないまでもあと数日は続くこと、さらなる暴動が見込まれることは分かりきった結論のようだ。ある参加者は私に、「悲しいことだけど、こうやって耳を傾けているんだ」と言った (英語記事 National Guard deployed after Minneapolis clashes)

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    トランプ氏、SNS企業の規制を狙う大統領令に署名

    変更を「アメリカの経済と、インターネットの自由を世界的にリードする役割を損なう」ものとした。 同社はBBCの取材に、「投稿内容に関する明確な方針があり、政治的見解と無関係に実行している。私たちのプラットフォームは、あらゆる政治的立場の幅広い人々や組織に、発言の機会と聴衆への新たな到達手段を与えることで、彼らを力づけてきた」と声明を出した。 フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は27日、FOXニュースのインタビューで、検閲を懸念している政府がソーシャルメディア事業者に対して検閲行為をするのは「正しい反応」ではないと述べた。 「フェイスブックは、人々がオンラインで発言することすべての真実性の裁定人となるべきではないと強く信じている」とザッカーバーグ氏は主張。 「一般的に民間企業、特にこれらプラットフォーム企業は、そうしたことをする立場にいるべきではないと思う」 「言論の自由を損なう恐れ」 保守系シンクタンクのケイトー研究所は、今回の大統領令は意図しない結果を招く可能性があると警告する。 「ソーシャルメディア企業に対するこの保守的な運動は、長期的には言論の自由に壊滅的な影響を及ぼしかねない」と同研究所のマシュー・フィーニー氏は話す。 また、通信品位法を改め、「ソーシャルメディア企業に政治的中立性を強いる」ことで、ソーシャルメディアにはポルノや暴力的な画像、人種差別など、「事業者が本来なら削除したいと思う合法的な投稿」があふれる恐れがあるとする。 「または、私たちが現在、ソーシャルメディアで慣れ親しんでいる自由な情報の流れを止めるほど、投稿内容を審査することになるかもしれない」とフィーニー氏は主張する。 フィーニー氏は、大統領令の草案は「めちゃくちゃ」だが、大統領選挙に向けて政治的な支持を集めるかもしれないと述べた。 これまでの経緯 ドナルド・トランプ米大統領のツイート2つに対し、ツイッターは26日、初めてファクトチェックに関するラベルを付けた。 トランプ氏は、「郵送投票は実質的に不正なものにならないとは(絶対に!)言い切れない」と、証拠を示さずツイートした。 これに対しツイッターは、投稿の最後の部分に警告ラベルを付けた。さらに、この主張は「根拠がない」とするウェブサイトへのリンクを貼った。 トランプ氏は27日、ソーシャルメディア事業者を「強力に規制する」と威嚇。自身のツイッターの8000万人を超えるフォロワーに向かって、事業者は「保守派を安全に黙らせる」つもりだと共和党員らは感じており、そんなことは許さないとツイートした。 この前には、トランプ氏はツイッターについて、「言論の自由を完全に抑圧している」とツイートした。 ツイッターのジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO)は28日、「ファクトチェック:企業としての行動に最終的な責任を取る人物がいる。私だ。どうか従業員をこの問題に巻き込まないでほしい。私たちは世界中の選挙における不正確または真偽が争われている情報を指摘し続けていく。そして間違いがあれば認めていく」とツイートした。 https://twitter.com/jack/status/1265837138114830336 トランプ氏は26日、フェイスブックでも郵送投票に関する同様の投稿をしたが、警告の対象にはならなかった。 ツイッターは近年、不干渉主義的な運営方法が偽アカウントや偽情報がはびこるのを許しているとの批判を受け、方針を強化している。 (英語記事 Trump signs order targeting social media giants)

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    中国、国家安全法を採択 香港は「自由の砦」と米英など批判

    2020年05月29日 12:12 公開 中国は28日、反体制活動を禁じる「香港国家安全法」の制定方針を全国人民代表大会(全人代=国会に相当)で採択した。これに対し、アメリカやイギリス、オーストラリア、カナダは同日、「自由の砦(とりで)として繁栄してきた」香港の自由を脅かすことになると非難する共同声明を発表した。 アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダの4カ国は、国際社会には香港の繁栄と安定における「重要かつ長年の利害関係」があるとしている。 また、新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)の最中の採択は、各国政府や国際協力に対する信頼を損なう危険性があると主張した。 中国側はこうした国外からの批判を一蹴している。 28日に採択された国家安全法をめぐっては、すでに香港で新たな反政府抗議デモが起きている。 共同声明の内容 アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダは、国家安全法を香港の司法制度を介さずに中国政府が直接導入することで「香港人の自由を狭め」、「香港の自治や、香港をこれほどまでに繁栄させた仕組みを劇的に損なう」ことになると主張している。 香港はかつて、150年以上にわたってイギリスの植民地だった。 イギリスと中国は1984年に、「一国二制度」の下に香港が1997年に中国に返還されることで合意した。香港は中国の一部になるものの、返還から50年は「外交と国防問題以外では高い自治を維持する」ことになった。 国家安全法の導入は、この時に両国が署名した中英連合声明で定められた中国の国際的義務に抵触するほか、「一国二制度」の原則を損ない、「香港で政治犯罪で起訴される可能性を高める」ことになると、4カ国は声明に書いた。 さらに、中国大陸との関係をめぐり抗議デモや衝突が繰り返し発生している香港で、国家安全法によって分断がさらに深まることを「深く懸念している」としている。 「香港の人々が約束された権利と自由を享受できるようにし、香港社会全体からの信頼を回復することが、昨年1年間にわたって続いた緊張や社会不安を改善する唯一の方法だろう」 4カ国は中国に対し、香港政府と香港の人々と連携して「お互いが受け入れられる和解点」をみつけるよう求めている。 イギリスは市民権の付与に言及 イギリスは28日、中国が国家安全法を一時停止しない場合、香港の約30万人の英国海外市民旅券(英国が植民地時代に発行)保有者に対し、「将来的な英国市民権を獲得する手段」を与える可能性があるとした。 日本の外務省は28日、香港は同国にとって「緊密な経済関係及び人的交流を有する極めて重要なパートナーであり、一国二制度の下に、従来の自由で開かれた体制が維持され、民主的、安定的に発展していくことが重要」だとの立場を示した。 アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は27日、香港は「高度な自治」を維持できておらず、アメリカが認めてきた貿易や投資における優遇特権の継続にもはや値しないと議会に報告した。 この優遇特権が取り消されれば、香港は今後アメリカから、貿易やそのほかの目的において中国と同じ扱いを受ける可能性がある。そうなれば、貿易の中心としての香港の地位に大きな影響を与える恐れがある。 国家安全法とは 国家安全法とは反逆や扇動、破壊行為などを禁止することを目的としたもので、中国が独自の治安機関を香港に設置できるとの規定も盛り込まれている。 具体的にどのような行為が禁止されるのかは明らかになってはいない。詳細は数週間内に策定され、9月までに成立する見通し。 次の4つが犯罪行為とみなされるとみられる。 分離独立行為― 中国からの離脱 反政府行為― 中央政府の権力あるいは権威の弱体化 テロ行為― 人への暴力や脅迫 香港に干渉する国外勢力による活動 専門家は、中国大陸で起きているように、中国政府を批判した人が罰せられることになるのではないかと懸念しているという。 中国外務省の駐香港特派員公署は、香港が自治を失ったとするポンペオ米国務長官の主張について、「断固として反対、反論した」と述べ、中国の内政「干渉を直ちにやめる」よう求めた。また、国家安全法をめぐるアメリカの批判は「完全に横柄で不合理で、厚かましい」ものだと述べた。 香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は25日、国家安全法が香港市民の権利を制限することはないとし、法に従っている大半の市民を守るための「責任ある」取り組みだと擁護した。 (英語記事 US and allies defend HK as 'bastion of freedom')

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    「香港の将来が心配」「そう簡単に諦めない」 中国の国家安全法導入に抗議

    2020年05月28日 17:33 公開 中国政府による新しい国家安全法の導入に反対するデモが、香港で続いている。 今月24日には数千人の市民が参加し、香港の市街地を行進した。警察は催涙ガスや放水車などを使用。120人を逮捕したと発表している。 国家安全法が成立すれば、香港では「反逆、分離独立、扇動、反政府」行為などが禁止されることになる。香港の活動家は、この法案が香港の自治を制限することになると懸念している。

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    黒人男性死亡で抗議デモ、市長は警官の訴追求める 米ミネアポリス

    、ガーナーさんの逮捕に関わったニューヨーク市警の警官1人が懲戒免職となった。訴追された人はいない。 BBCのジェシカ・ルッセンホップ記者によると、フロイドさんの事件への対応では、拘束に関与した警官4人が即座に懲戒免職になったことが、何より意外だった。また、結局は大勢がデモに参加したものの、市当局は速やかに断固とした行動をとることで、パンデミック中に大規模な抗議デモが起きないようにしたかったのだろうと指摘した。 米自由人権協会(ACLU)のペイジ・フェルナンデス氏は、フロイドさんの事件について、「この悲劇的な動画が、警察が黒人の命を奪うことを阻止するための意味ある変化がほとんど起きていないことを物語っている」と述べた。 (英語記事 Death of US black man in custody sparks clashes)

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    死者10万人 アメリカでのコロナ禍を他国と比較

    2020年05月28日 17:00 公開 マイク・ヒルズ、ビジュアル・ジャーナリスト アメリカで新型コロナウイルスの感染者が初めて確認された2日後、ドナルド・トランプ米大統領は事態は「完全にコントロール」できているし、「まったく大丈夫だ」と国民に念押しした。 あれから4カ月。ウイルスは全50州に拡大し、160万人以上の感染が確認され、10万人以上が死亡した。 アメリカでのこの数字が諸外国と比べてどうなのか、そして今後数カ月の展開はどうなるかもしれないのかを検討する。 アメリカの状況を他国と比べると アメリカの死者数は4月初めに世界最多になり、その後も劇的に増え続けた。 トランプ大統領は当初、アメリカでの死者は「5万人から6万人」になるだろうと話していたが、5月には10万人を超えないことを期待すると述べていた。しかし、その「10万人」という数字をアメリカは突破してしまった。今なお毎日平均して約1000人が亡くなっている。 死者に注目するよりも、トランプ氏は死亡率をよく引き合いに出す。死亡率とは、その国の人口を分母にした死者数の割合だ。トランプ氏はこれを取り上げ、アメリカの対応は一部の国よりも効果的だという証拠だと主張する。 下の表は、特に死者が多い国の総死者数と10万人あたりの死者数を比較している。これで見ると、人口あたりの死者の割合がアメリカより大きい国がいくつかあるのが分かる。米ジョンズ・ホプキンス大学によると人口10万人当たりの死者数では、アメリカは世界9位。ベルギー、スペイン、イギリス、イタリア、フランス、スウェーデン、オランダ、アイルランドが、アメリカより多い。 人口約1150万人のベルギーでは人口10万人あたり80人が亡くなっている。これに対して、人口約3億3000万人のアメリカでは、10万人あたり30人近くが亡くなっている。 しかし、アメリカで最も被害甚大だったニューヨーク州を見ると、10万人あたり150人近くが死亡している。アメリカ国内ではかなりの地域差がある。 <関連記事> アメリカの死者、10万人を超す 新型コロナウイルス 【解説】 各国の感染・死者数、比較が難しいのはなぜ? 新型ウイルス 新型コロナウイルスによる死者の数え方は国によって異なる。これが、感染状況の国別比較を難しくしている理由のひとつだ。たとえばベルギーでは、新型コロナウイルス感染を検査で確認していないものの関連が疑われる死者は、統計に加えている。アメリカではベルギーと同じように、未確認の疑わしいケースも含める州もあれば、そうしない州もある。 加えて国によっては、政府の公式データの信用性も問題になる。特に中国政府に批判的な人たちは、中国がアウトブレイク(大流行)の発生以来、感染規模を一貫して少なく公表してきたと批判する。 アウトブレイクのどの段階にあるのかは国によって異なる。それも、比較を難しくしている。欧州では多くの国が明らかに、日別の新規感染者数が大幅に減少中で、感染のピークを過ぎた段階にある。しかし、アメリカもそうだとは現時点では言えない。 ニューヨークはピークを過ぎた しかしアメリカは? 欧州の中には、アメリカとほぼ同時期にアウトブレイクが発生した国もある。いずれも死者が急増し、ピークに達し、減少し始めた。しかし、アメリカではそうなっていない。 アメリカでは日別の死者数が大幅に減るというより、一定数で平らになってしまっている。アメリカという国の大きさがこれには関係している。ひとつの大規模なアウトブレイクではなく、アメリカでは複数の時期に複数の場所で、複数の速度で、アウトブレイクが進行したからだ。 ニューヨーク州では早い段階でアウトブレイクが始まり、急激に拡大し、4月上旬にピークに達した。しかし、ニューヨーク以外のアメリカ国内では、1日の死者数が急減しているとは言いがたい。 早い段階で大きな被害が出たルイジアナ州やミシガン州などでも、ニューヨーク州と同様に1日の死者数はかなり減少している。 しかし、事態が改善した州もあれば、悪化した州もある。 先週について言えば、前の州より死者が増えた州は約3割で、ロードアイランド、ミシシッピー、オハイオ各州では特に大きく増えている。 アメリカの検査、現時点では最多 トランプ大統領はこのところ、アメリカ国内で実施されるウイルス検査の数を強調している。直近のデータによると、アメリカ国内ではこれまでに1500万件の検査が実施された。 その数は諸外国よりはるかに多い。しかし、感染対策としての検査となると、ただたくさん実施すれば良いというわけにもいかない。 新型ウイルスのパンデミック(世界的流行)初期に検査を多数行い、感染者に接触した人を追跡調査した国々が、感染スピードの抑制という意味で最も成功している。 たとえば韓国では、早い段階で検査体制を強化し、ウイルスの封じ込めに成功した。人口約5000万人に対して、死者は300人未満だ。 一方でアメリカの場合、最初の死者が確認されてから、保健当局が検査体制を本格化するまでには、数週間の間があった。 米政府の感染症対策を主導した米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ博士は3月、連邦議会下院公聴会で「現時点で検査体制はうまくいっていない」と証言した。「ほかの国の人たちができているのに」アメリカでは「簡単に」検査を提供することができずにいると、ファウチ氏は警鐘を鳴らしていた。 ではアメリカは今後どうなる 死者数は、増加のペースは落ちているものの、増え続けている。ホワイトハウスが引用した米ワシントン大学の予測モデルでは、8月までに死者数は15万人近くになるかもしれないと想定している。ただし、実際の数字は同大学の予測をかなり上回りがちだという指摘もある。 未来予想は容易ではない。ひとつに、米経済を徐々に再開すれば感染拡大にどう影響するか、誰もはっきりとは分からないからだ。 かつては米人口の9割以上がロックダウンの命令を受けていた。しかし今では大半の州が、自宅待機の行動制限を緩和しつつある。 ホワイトハウスは、規制緩和開始に必要な要件を各州に示している。要件には、新規感染者が2週間継続して減り続けることという内容もある。しかし、公衆衛生の専門家グループは、その要件を満たしている州は一握りだけだと指摘している。 ファウチ博士は、ウイルスが十分に封じ込められていないうちから各州が経済活動を再開すれば、「小規模な急増がやがてアウトブレイクになる」と警告する。 ファウチ氏のこの警告は、トランプ大統領の主張の逆を行くものだった。トランプ氏は再選を目指す秋の大統領選本選に向けた活動が本格化する前に、米経済を再開させようとしている。米労働省が21日に発表した最新の米雇用統計によると、新型ウイルスのアウトブレイクが始まって以来、アメリカの労働者の約25%が失職したという。 規制を解除することで人命が失われるのではないかと今月初めに質問されたトランプ氏は、「ひどい影響を受ける人がいるか? それはいる。それでも国を再開しなくてはならない。しかもすぐに」と答えていた。 とはいえ、各州が引き続き規制緩和を続けたとしても、住民がただちに小売店や飲食店に戻りたがるかは不透明だ。米調査機関ピュー研究所による最近の調査では、州が再開を急ぎすぎるのではないかと心配しているアメリカ人は、7割に上っていた。 新型コロナウイルス特集 感染対策 基本情報:1分で解説 新型コロナウイルスについて知っておくべきこと 予防方法: 正しい手の洗い方 なぜ外出を控えるのか: 家にいることで人の命を助けられる 社会的距離とは: 2メートルってどれくらい? 感染対策に必要な距離 感染したか判断するには: 「具合が悪いんだけど、もしかして新型ウイルス?」 感染を判断する方法とは 心の健康:【解説】 新型コロナウイルス、心の健康はどう守る? 在宅勤務・隔離生活 在宅勤務:【解説】 より良い在宅勤務へ 便利なコツやツールは? 自主隔離:新型コロナウイルス、自主隔離でやるべきこと 必要なものの調達: 安全なデリバリーやテイクアウト、買い物の方法は (英語記事 Coronavirus: How the pandemic in US compares to rest of world)

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    番組が公平中立違反とBBC ロックダウン中に移動した英首相側近めぐる司会者発言

    2020年05月28日 14:45 公開 英BBCは27日、前日夜に放送した報道番組「ニューズナイト」について、ボリス・ジョンソン英首相の上級顧問がロックダウン中に国内を移動していた問題をめぐり、番組司会者の冒頭発言がBBCの公平中立基準を満たしていなかったと発表した。 26日夜の「ニューズナイト」は、ドミニク・カミングス上級顧問が新型コロナウイルス対策のロックダウンの最中に国内を移動していた問題を取り上げた。番組冒頭でエミリー・メイトリス司会者は、カミングス氏が「ルールを破った」ことが「この国には分かる」と発言した。 これについてBBCは、番組がカミングス氏について「検証していく複数の論点のサマリー」としての発言だと、メイトリス氏は明確にするべきだったと表明した。 BBCは番組スタッフに、BBCとしての公平中立ガイドラインを念押ししたという。 国中が「衝撃を受けている」 メイトリス氏は番組の冒頭で、首相側近がロックダウン中にロンドンから北東部ダラムまで400キロ以上を移動したのはルール違反だと、英政府がそう受け止めないことについて、国中が「衝撃を受けている」と述べた。 <関連記事> イギリス有権者の大半は「カミングス上級顧問はロックダウン違反」と 英首相の上級顧問、ロックダウン中の長距離移動「後悔していない」 ジョンソン英首相、ロックダウン中に長距離移動した上級顧問を擁護 イギリス首相顧問、ロックダウン中に親類宅へ 批判高まるも辞任しないと メイトリス氏はさらに、「激怒と軽蔑、そして悲嘆」がいまの国民感情だと述べ、大変な思いをしながら政府ルールを守ろうと苦労した人たちは今やカミングス氏のせいで、「自分がばかみたいだ」と苦汁をなめる思いをしていると続けた。 「こうしたことは何もかも、首相は承知しています。それでもなお、閣外相が1人辞任し、与党の平議員の間でも不安が高まり、支持率急落という赤信号が出ていて、国中がひどく動揺しているにも関わらず、ボリス・ジョンソン氏はあえて無視することにしたのです」 「首相によるこの盲目的な忠誠心から、首相官邸の仕組みが今どうなっているのか、番組でこれから検討していきます」 「公平中立の基準を満たしていない」 BBCは27日の声明で、「冒頭部分を含め、昨夜のニューズナイト全体を見直した」と発表した。 「番組には公正で合理的かつ厳密な報道内容が含まれていたものの、冒頭部分については、番組中で証拠と共に検討していく複数の論点のサマリーなのだと、もっと明確にすべきだったと考える」と、BBCは見解を示した。 「このため、我々が放送した冒頭部分は、我々の公平中立基準を満たしていないと考える」 カミングス氏の主張 カミングス氏をめぐっては、3月下旬に妻子と共にロンドンから北東部ダラムまで400キロ以上を長距離移動していたことが先週明るみになり、国内の注目を集めている。 カミングス氏は25日に首相官邸の庭で記者会見し、ダラムへ向かった理由について、自分と妻が新型ウイルス感染の症状を示していたため、ダラムに住む親類に4歳の息子の世話をしてうためだったと説明した。4月半ばにダラム近郊の観光名所に妻子を乗せて自動車で向かったことについては、新型ウイルス感染のせいで視力が落ちたため、ロンドンまで運転できるか視力を試すためだったと話した。 ジョンソン氏は27日、カミングス氏の行動について調査するつもりはないと言明。この騒ぎはもう終わりにして次のことに「切り替える」時だと強調した。 (英語記事 Newsnight 'breached BBC impartiality guidelines')

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    米国務長官、香港は「自治失われた」 中国の国家安全法めぐり

    している。 <解説>香港に対するアメリカの「最終兵器」が中国政府を激怒させる――ザオイン・フェン、BBCニュース中国語(ワシントン) 今回のポンペオ氏の報告は、香港に対する優遇措置が危うくなっているという、中国政府への警告だ。 優遇措置が取り消されれば大きな経済的影響が出るが、地政学的な影響の方がずっと大きいかもしれない。恐らく中国政府からの反発が起きるだろう。それに、貿易や新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)、技術戦争をめぐる緊張が急激に悪化しているとみられる、すでに脆弱(ぜいじゃく)な米中関係をさらに危険にさらす可能性が高い。 香港への優遇措置を取り消すことが、自治や自由を求めて戦う香港人にとって助けになるのか。それとも、中国に対して限定的な戦略的影響力を持つ一方で、香港の人々を主に痛めつけることになるのか。それが重要な問いになっている。 (英語記事 HK 'no longer autonomous from China' - Pompeo)

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    アメリカの死者、10万人を超す 新型コロナウイルス

    メリカは世界9位となっている。ベルギーやイギリス、フランス、アイルランドなどが上位に並んでいる。 BBCのジョン・ソープル北米編集長はこの人数について、アメリカが朝鮮、ヴェトナム、イラク、アフガニスタンで44年間にわたり戦ったそれぞれの戦争で戦死した、米軍人の総数とほぼ同じだと指摘する。 ロイター通信の調査では、ニューヨークなど感染拡大が深刻な州において新型ウイルスの死亡率は落ちている一方、20州では24日までの1週間の新規感染者数が増えている。 ノースカロライナ、ウィスコンシン、アーカンソー各州で、感染者が増え続けているほか、シカゴ、ロサンゼルス、首都ワシントン郊外などの大都市圏でも目立った減少が見られていない。 ニューヨーク州は特に流行が深刻で、これまでに2万1000人以上が死亡しているが、死者数ははっきりと減り続けている。 同州内のホットスポットだったニューヨーク市ではピーク時、1日当たりの死者が数百人に上った。病院は患者であふれ、医療施設の外には仮設の死体安置所が急造された。 アメリカの失業者は約3900万人に達している。 トランプ氏は、自らの政権の対策が無ければ、死者ははるかに多かっただろうと主張。26日には、死者は現在の25倍に上っていた可能性があると述べた。 一方、トランプ氏に批判的な人は、対応が遅いと非難している。 トランプ氏は今回の感染流行を、当初は季節性のインフルエンザになぞらえるなど、あまり重視していなかった。2月時点では、アメリカは新型ウイルスを「制圧した」と述べ、4月までには「奇跡のようにいなくなる」だろうとしていた。 死者については5万~6万人と予測。その後、6万~7万人とし、さらに「10万人よりはかなり少ない」と変えた。 今月20日には、アメリカで確認された感染者数が世界最多なのは「名誉の印」だと発言。「我々の検査がはるかに優れていることを示しているからだ」と述べた。 ニューヨーク市にあるコロンビア大学の研究は、米政府の対策が早期に取られていれば、死者は約3万6000人少なかった可能性があるとしている。 新型ウイルスの感染症COVID-19のワクチンは、現時点で存在しない。効果が実証された治療法もないが、いくつかの治療法について試験が進められている。 死者数が増える中、アメリカ各州では社会経済活動の再開に向けた動きが続いている。 世界最大のテーマパーク、フロリダ州のディズニー・ワールドは、知事の許可が出れば7月11日に営業を再開する予定だ。 同州オーランドにあるディズニー・スプリングスはすでに、客数を制限しながら店やレストランの営業を始めている。同時に、マスク着用を義務付けるなどのCOVID-19対策を講じている。 ラスベガスでMGMリゾーツが経営するカジノ4施設は、7月4日の営業再開を予定している。同社は従業員に対しCOVID-19の定期検査を実施するとしている。 今月AP-NORCが実施した世論調査では、米国民の49%がコロナウイルスのワクチン接種を希望すると回答した。 新型コロナウイルス特集 感染対策 基本情報:1分で解説 新型コロナウイルスについて知っておくべきこと 予防方法: 正しい手の洗い方 なぜ外出を控えるのか: 家にいることで人の命を助けられる 社会的距離とは: 2メートルってどれくらい? 感染対策に必要な距離 感染したか判断するには: 「具合が悪いんだけど、もしかして新型ウイルス?」 感染を判断する方法とは 心の健康:【解説】 新型コロナウイルス、心の健康はどう守る? 在宅勤務・隔離生活 在宅勤務:【解説】 より良い在宅勤務へ 便利なコツやツールは? 自主隔離:新型コロナウイルス、自主隔離でやるべきこと 必要なものの調達: 安全なデリバリーやテイクアウト、買い物の方法は (英語記事 US coronavirus deaths top 100,000)

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    当惑する医師たち 新型コロナウイルス治療の最前線で

    2020年05月27日 15:33 公開 クリス・モリス、BBCリアリティーチェック 新型コロナウイルスによる感染症「COVID-19」と戦い続ける集中治療室の医師たちと話すと、同じ表現が繰り返し出てくる。「こんなのは初めてだ」、「こんなのは見たことがない」と。 イギリス各地の病院で集中治療にあたる医師たちは、未知の病気が迫り来ていると承知していた。昨年末に中国で最初に確認された未知の呼吸器系感染症によって、医療機関は逼迫(ひっぱく)し、自分たちは追い詰められるだろうと覚悟していた。 そして、感染者の数が増えるに伴い、イギリス中の医師たちは、中国の同僚たちによる現場の報告を読んでいた。次に、イタリアの同僚たちの報告を。さらには、学術誌やソーシャルメディアで。このウイルスによる感染症がいかに重篤か。 「ある意味で、まるでノルマンディー上陸作戦に備えているみたいな感じでした」。スコットランドのグラスゴー王立病院で集中治療を取り仕切るバーバラ・マイルズ医師はこう言う。「準備期間は3週間しかなくて、何がやってくるのか、知識がさほどない状態で」。 そうして手探りで準備はしていたものの、冬が春に変わるころにイギリスに押し寄せたものは、どれだけ経験豊富だったとしても、集中治療室(ICU)の専門医を驚かせた。 新型ウイルスに感染したほとんどの人は軽症で済む。まったく無症状の人もいる。しかし、重症化して危篤になる大勢の患者にとって、COVID-19は恐ろしく複雑な病気だ。 COVID-19はどのように、人体を攻撃するのか。治療の最前線に立つ医師たちがこれまでに経験から学んできたこと、そしてまだ分かっていないことについて、医師の言葉をまとめてみた――。 肺炎より感染力が高い 「ほとんどの医療者は、肺炎の原因になる呼吸器系のウイルスを想定していたと思う」。ロンドン・パディントンのセントメアリー病院で集中治療にあたるアントニー・ゴードン教授はこう言う。「季節性のインフルエンザに似た、けれどもインフルエンザよりははるかに規模の大きい」 しかし、実際に患者を診始めると、症状は呼吸器にとどまらないことがすぐに分かったという。 ウイルスによるインフルエンザは厄介な病気だ。体がウイルスと戦う過程で、肺に深刻な炎症が起きる。 それでも、特に重篤なCOVID-19の症状はまったく違った。 「現代医学で前例がないほどの、大量の症例数だ」と、中部バーミンガムの複数の病院で集中治療にあたるロン・ダニエルス医師は言う。 「それと同時に実に特徴的な病気で、これまで経験してきた病気の患者とはまったく違う症状が出る」 重症化する患者の体内でこのウイルスは、激しい炎症を起こし、たくさんの血栓を作り、複数の臓器を攻撃し、生命を脅かす症状のカスケード(症状の連鎖)を全身で引き起こす。 「医者として、本当に恐ろしいと思うことがある」と、ロンドンの主要病院で集中治療に当たるベヴァリー・ハント医師(血栓専門)は言う。「全身で一気に深刻な変化が大発生する、本当にひどい重症の患者さんが、あまりに大勢いるので」。 「どういう病気なのかもっとちゃんと理解しようと、誰もが大変な思いをしている。いったい何が起きているのか理解するには、何としてももっと研究を進めなくては」 酸素 3月になって新型ウイルスがイギリス国内でますます急速に広がるようになると、多くの患者が息苦しい、酸素が十分に吸えていないと訴えて来院するようになった。けれども、集中治療室に入るような重症患者の多くは、肺だけでなく他の臓器でも問題が起きていた。そしてその血液反応は、まだ十分に説明がつかないほど異例なものだった。 「血中の酸素濃度が極端に低くなっていても、自覚症状としては特に具合は悪くないという患者がいる。どうしてそうなるのか、まだよく分かっていない」と、ロンドン北部のウィティントン病院で集中治療にあたるヒュー・モンゴメリー教授は言う。 医師は「酸素飽和度」というものを計る。つまり、赤血球中のヘモグロビンのうち、酸素と結合して酸素を運んでいるヘモグロビンの割合のことだ。診療中の患者について医師は通常、90%以上の酸素飽和度を維持しようとする。しかし、COVID-19患者の場合、80%かそれよりもっと低いレベルまで下がってしまうことがある。 通常ならばそれだけで緊急事態なのだが、COVID-19の場合、驚くほど血液中の酸素が減ってしまっても患者の状態は見たところそれほど悪くないという症例が、相次いだ。 「炎症が血管に作用していることと関係するかもしれない」と、アントニー・ゴードン医師は言う。「炎症によって酸素が血中に入りにくくなり、それで飽和度が下がるものの、病気の初期では肺そのものはまだそれほど影響を受けていないので」。 COVID-19についてはこうした謎が多く、研究が早急に必要だ。臨床でのこうした経験から、患者の呼吸を補助する人工呼吸器の使用が、この病気において本当に正しい対応なのか、多くの医師が疑問視するようになっている。 人工呼吸器を使うには患者に麻酔をかけなくてはならないし、気道に挿管する必要もある。これによって実際、多くの重症のCOVID-19患者が救われている。 しかし、患者によっては、肺の治療に集中すべきタイミングではないという、そういうケースもあったのかもしれない。 「この病気は、いくつかの段階を経ていくようだ」と、バーバラ・マイルズ医師は言う。「なので、どの段階で呼吸器を使うのが効果的なのか、今後もっと知見が得られるようになるといいと思う」。 ウイルス性肺炎の重症患者は通常、1週間は人工呼吸器を必要とする。COVID-19の場合、1週間では足りないことが多い。「それよりずっと長いこと人工呼吸器が必要だったケースが相次いでいて、なぜそうなのかよく分かっていない」と、北アイルランド・ベルファストのロイヤル・ヴィクトリア病院で集中治療を担当するダニー・マコーリー教授は言う。 「可能性として、まだ対処できていないウイルスが体を攻撃しているのかもしれない。あるいは、体がウイルスに反応し続けている表れなのかもしれない。ウイルスによって大量に炎症が起きて、これが体内で問題を起こしているのかもしれない」と、マコーリー教授は話す。そしてこういう問題の多くが、血液と関係しているようだ。 炎症と血栓 COVID-19では、ほかに類を見ないほどの炎症が肺に起きる。それゆえにこれはまったく未知の病だと、誰もが同意している。血管の膜に炎症が起きれば、血栓ができやすくなる。そして、COVID-19の重症患者の血液は、とんでもないほど粘度が上がり、どろどろになっている。 「肺の小動脈に小さい血栓があった。それだけでなく、肺の大動脈には大きい血栓があった」と、ヒュー・モンゴメリ医師は言う。「患者の25%以上にかなりの血栓がみられ、これは深刻な問題だ」。 そして、血液の粘度が高ければ高いほど、問題は大きくなる。 「深部静脈血栓症を、かなり発症しやすくなる」と、ベヴァリー・ハント医師は説明する。深部静脈血栓症とは通常、脚にできるものだ。 「そして、肺塞栓症。これは、深部静脈血栓症が体内を移動して、肺に入るはずの血液供給が阻害される状態のこと。肺炎がさらに悪化してしまう」 血栓ができると、心臓や脳などの臓器に血液が正常に行き渡らなくなり、COVID-19の重症患者に心臓発作や脳梗塞が起きる確率が大いに上がってしまう。 血栓ができてしまう危険信号の一部は、医師たちの意表を突くものだった。 血栓の主な原因になる血中のたんぱく質は、フィブリノゲンという。 「正常なフィブリノゲンの量は、血液1リットルあたり2~4グラムです。妊娠中には少し増えるものの、COVID-19では、1リットルあたり10~14グラムまで増えている」と、ハント医師は言う。「医者を長年やっているが、こんなのは見たことがない」。 血栓リスクを測る別の指標、「Dダイマー」と呼ばれる血中たんぱく質も、あり得ないような異常値を示す。「健康な患者のDダイマー値は数十から数百だが、COVID-19では、6万、7万、8万といった聞いたことのない数字がしきりに出ている」と、モンゴメリー医師は言う。 免疫系とその他の臓器 これほどの異常値は場合によっては、複数の血栓の発生を意味する。しかし、Dダイマーは重篤な感染の指標(マーカー)になることもある。感染があまりに激しいため、体の免疫系が致命的な過剰反応をしてしまっている状態を、示していることもあるのだ。 サイトカインとは、感染と戦うために体が作り出す小さい分子で、化学的な警報システムだ。炎症を引き起こすもので、それはある程度は体にとって良いことだ。感染と戦い、やがては克服するための仕組みになっている。 しかし、COVID-19は一部の患者に、「サイトカイン・ストーム」と呼ばれる状態を引き起こしてしまう。 「もしも感染と戦う体の反応を感染が圧倒してしまうと、こうした炎症マーカーが大量に放出される。するとさらに激しい炎症が起こり、呼吸器の問題だけでなく、他の臓器も傷つけることになる」と、アントニー・ゴードン医師は話す。 重症患者の研究で特に注目されているのが、T細胞の数だ。T細胞は免疫系にとって重要な血液中の細胞だが、サイトカイン・ストームの最中にはこの量が劇的に減少してしまうようだ。各地の研究者は、T細胞の数を改善することが回復につながることを期待している。 しかし、こうした様々な要素が合わさることで、COVID-19は症状の変化がきわめて予測しにくい病気になっている。専門家が「多臓器系疾患」と呼ぶものだ。そのせいで、個々の患者にとって最適な治療法が非常に分かりにくく、現状では現場の医師にこうすべしと言える標準治療のマニュアルがない。 「肺だけがやられるわけではないので」と、ヒュー・モンゴメリー医師は言う。「腎臓も、心臓も、肝臓も打撃を受ける。筋肉がひどい炎症を起こして、重症化した症例も見ている」。 集中治療を必要としたCOVID-19患者のうち、2000人以上が腎不全を起こしている。 「その場合は透析装置で支えるものの、機械を通る血液は通常よりはるかに固まりやすくなっている」と、バーバラ・マイルズ医師は言う。「そのため、血液を薄める薬の投与も通常より増やさなくてはならない状態だ」。 さらに、患者の脳の状態についても懸念が高まっている。数週間前から情報を毎日交換してきた管理職の立場にある医師たちは、脳の炎症を警戒するようになっているという。「脳に重篤な炎症が起きる患者が大勢いることが、今では分かっている」とモンゴメリー医師は言う。 「脳の炎症によって、せん妄から混乱、けいれんや『びまん性脳炎』と呼ぶものなど、様々な症状が出ている。集中治療室で普通という状態よりはるかに多い」 「そのため、人工呼吸器を外しても、意識が十分に覚醒(かくせい)しない人たちがいる」 難問山積だ。新型ウイルスがなぜ体のあちこちにこれほどのダメージを与えるのか、その仕組みはどうなっているのか、医師たちは懸命に探ろうとしている。 酸素不足と血管の損傷が、明らかに関係している。しかし、ウイルスが複数の臓器を直接攻撃しているという証拠が積みあがりつつある。しかも、COVID-19と特に多く関係する基礎疾患が、ぜんそくなど呼吸器系の病気ではないことも、特に注目されている。 むしろ、COVID-19に結びつく基礎疾患は、循環器系のものが多い。静脈や動脈に影響する、高血圧や糖尿病や心臓病だ。性別や肥満度、そして高齢かどうかも影響する。 イギリスの集中医療の独立監査機関「集中治療全国監査研究センター(ICNARC)」によると、イングランド、ウェールズ、北アイルランドで集中治療室に入った重症患者の7割以上が男性で、7割以上が太り気味や肥満だったという。 さらに、集中治療を受けながら死亡した人の3分の2以上が、60歳超だった。 軽症の人、重症の人 なぜ違う しかし、その違いだけでは、なぜ同じようにこの新型ウイルスに感染した多くが軽症や無症状なのに対して、一部の人があっという間に危険なほど重症化するのか、十分に説明がつかない。 「そこはまだ完全には理解できていない。当惑してしまうほどだ」と、ロン・ダニエルズ医師は認める。バーミンガムのダニエルズ医師によると、重症化して集中治療を受ける患者の間でも、その状態は様々だという。 「症状は呼吸不全だけで、人工呼吸器で少しだけ補助すれば何とかなる70代の患者がいるかと思えば、20代の人がたちまち多臓器不全になることもある」 確かな証拠がない状態で、医師たちは観察した患者の状態から諸説を検討しているし、無数の研究も行われている。ICU医の多くは、一部の患者の重症化には遺伝子が関係する可能性が高いと考えているものの、まだ断定はできない。 「アフリカ系や(インド系など)南アジア系の人たちに極端なほど被害が集中しているのも、これが一因なのかもしれない」と、ダニエルズ医師は言う。「個々人の反応の違いにも関係しているかもしれない」 たとえば、高血圧や糖尿病になりやすい原因の遺伝的な差異が、新型ウイルスで重症化しやすいかどうかにも影響する可能性はある。 特に有力視されている説のひとつは、「ACE-2」というたんぱく質に注目している。「アンギオテンシン転換酵素(ACE)2」は、いろいろな種類の細胞の表面にあり、血圧の制御を助ける。新型コロナウイルスはこのACE-2に結合し、健康な細胞に侵入する。遺伝的に体内のACE-2受容体が特に多い人は、その分だけCOVID-19が体内に侵入しやすく、重症化しやすいという可能性もある。 この説を裏づけるのが、一部の重症患者に起きる腸の問題だ。下部消化器官にはACE-2受容体がたくさんある。そこに症状が出るということは、新型ウイルスが下部消化器官にも作用することを意味する。腎不全の多発にも、ACE-2が関係しているようだ。 COVID-19についてすでに分かったこともあるが、現時点では分かっていないこともたくさんある。 バーバラ・マイルズ医師は、これほどの勢いで一気に学習しなくてはならなかったのは、医者になって初めての経験だと話す。 「COVID-19による血栓症の治療法と予防法について、もっと知りたい。防ぐためには何が最適な方法で、もし血栓ができてしまったら何が最適な治療法なのか」 複数の薬を適切なバランスで使うことが不可欠だ。ひとつの症状を治療しようとして別の症状を起こしてしまうこともある。 「どれくらいの治療をどれくらいの期間、続けるのが適切なのか、まだ正確には分かっていない」と、マイルズ医師は言う。「この病気について経験を積んでいけば、それはやがて分かるようになると期待している」。 臨床試験 イギリスでは集中治療を必要とする患者の数は減りつつある。その中で、専門医たちはいくつかの疑問点について、答えを探し求めている。 COVID-19患者の人工呼吸器使用はどのタイミングで開始するのがいいのか 最適な抗ウイルス薬はどれで、抗炎症剤や免疫抑制剤はどれくらいの量が適切なのか 回復期患者の血漿(けっしょう)、つまり回復した患者の血中にある抗体を使う治療法は、有効なのか 「これが効く、あれが効くという体験談はいろいろ目にする」と、ダニー・マコーリー医師は言う。「この新しい病気について本当に正しい治療法を知るには、今後数カ月の間に大規模な臨床試験を実施するしかない」。 そして、すでに多数の大規模な臨床試験が行われている。医師たちが第2波に備える中、イギリスだけでも優先指定された全国的な調査が41件、公的資金を受けて進行中だ。 臨床試験の認可がすぐに下りないという不満も一部にあるものの、イギリスの医学研究は世界トップクラスだ。そして、医師の知見が増えれば増えるほど、COVID-19治療も改善されていく。 COVID-19のためICUで亡くなる人に最も多い死因は、呼吸器不全だ。しかし、死因はそれだけではない。つまり、これまでのCOVID-19治療法は、すべての患者にとって最適なものではないということだ。 「まるで中世」のような3カ月だったと、ハント医師は言う。国内最高峰のICU専門医たちが、まったく未経験の病気を前にして、知識や経験をもとに、当て推量するしかなかったのだ。先行実験や既存のデータをもとにした知識ではなく、観察できる症状から治療法を決めるしかなかった。 今後のCOVID-19治療では、ICUに入る患者の回復率を改善しなくてはならない。それが医療にとって特に大きな課題だ。 「実にたくさんのことを学んだし、本当に見事なチームワークだったが、大変だった」と、ゴードン医師は言う。ICUの勤続年数が20年を超えるゴードン医師でさえ、「自分が今日やったことは正しかったのか、実はよく分からないと思いながら帰宅することもあった」という。 「ほかの病気は何百年かけて学んできたことを、この病気についてはたった数カ月で解明しなくてはならない。それは本当に大変な作業だ」 (取材協力:オリヴァー・バーンズ) (英語記事 Coronavirus: 'Baffling' observations from the front line)

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    犬をつなぐよう黒人男性に言われた女性、通報して解雇 米NY

    2020年05月27日 15:03 公開 米ニューヨークのセントラルパークで25日、黒人男性から飼い犬にリードを付けるよう求められた白人女性が警察に通報した。女性は翌日、勤務先の投資会社から「人種差別」を理由に解雇された。 バードウォッチングをしていたクリスチャン・クーパー氏は25日、犬が野生生物を危険にさらす可能性があることを不安に思い、犬にリードを付けるよう女性に求めた。 クリスチャン氏と、犬を連れていたエイミー・クーパー氏(親族ではない)はこの時、セントラルパーク内の「ランブル」と呼ばれるバードウォッチャーに人気のエリアにいた。ここでは、犬には常にリードをつけるよう規制されている。 クリスチャン氏によると、エイミー氏の犬がランブル内の「樹木が植えてある場所を駆け回って」いることに気付いたことがきっかけだった。 「お嬢さん、ランブル内では常に犬をリードでつないでおかないといけませんよ。すぐそこにサインがあるでしょう」と伝えたが、拒否されたという。 そこで動画の撮影を始めると、エイミー氏は「アフリカ系アメリカ人の男が私の命を脅かしている」と警察に通報すると言ってきたという。 エイミー氏はその後実際に通報。警察官の出動を要請する前に、「男はアフリカ系アメリカ人」だと繰り返し訴えたという。 <関連記事> 自宅でおいと遊んでいただけ…… 白人警官が黒人女性を射殺 米テキサス 黒人男性を窒息死させた白人警官、5年後に解雇=NY市警 米南部で「黒人男性がベビーシッター」は不審と通報 クリスチャン氏が撮影した動画はソーシャルメディアに投稿され、25日中に拡散された。動画は数千万回視聴されたほか、米国内で警察官に殺害された黒人男性が多いことについて議論が巻き起こった。 クリスチャン氏のきょうだいのメロディ氏は、「常に犬をリードにつないでおかなければならないと明確に表記されているニューヨーク・セントラルパーク内の有名なエリアで、犬にリードをつけずに散歩している人がいると、私のきょうだい(熱心なバードウォッチャー)のような人が丁寧にお願いすることになる」とツイートした。 https://twitter.com/melodyMcooper/status/1264965252866641920 その後エイミー氏は「過剰反応だった」と謝罪。米NBCニュースに対し、「すべての人に、特にあの男性と男性の家族に対して、心から謹んで謝罪します」と述べた。 「人種差別を容認しない」 女性の勤務先だった投資会社「フランクリン・テンプルトン」は26日、女性を「即時」解雇したとツイートした。 「フランクリン・テンプルトンではいかなる人種差別も容認しない」 同社は当初、この事案について調査を行う間はエイミー氏を休職扱いにするとしていた。 「動物虐待」との非難も クリスチャン氏が撮影した動画には、警察に通報する際にエイミー氏が犬の首輪を引っ張り上げ、犬の前足が宙に浮いて首が絞まっているような様子が映っている。これに対し、動物虐待ではないかとの非難の声が上がっている。この動画が拡散された後、同氏は犬を保護施設に返還した。 保護団体は「犬は我々に保護され、安全に、健康に過ごしている」とフェイスブックに投稿した。 現在は削除されているエイミー氏のビジネス交流サイト「リンクトイン」やインスタグラムのプロフィール欄には、カナダの大学出身とあり、同氏がカナダ人であるかのような記述があった。 「黒人が思い込みによって射殺される時代」 クリスチャン氏はNBCニュースに対し、今年2月にジョギング中に白人の親子2人に射殺された黒人男性アフマド・アーベリー氏(当時25)の事件について言及した。 「私たちはアフマド・アーベリーの時代を生きている。黒人男性や黒人に対する思い込みが原因で黒人男性が射殺される時代を。私はそういったことに関わるつもりはない」 (英語記事 Woman sacked after calling police on black man)

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    イギリス、新型ウイルス患者にエボラ治療薬使用へ 対象は限定

    2020年05月27日 12:11 公開 ミシェル・ロバーツ健康担当編集長(BBCニュース・オンライン) イギリス政府は26日、新型コロナウイルスによる感染症COVID-19の治療薬として期待されていた抗ウイルス薬「レムデシビル」について、国民保健サービス(NHS)で特定の患者への提供を近く開始する方針だと明らかにした。 臨床試験では、レムデシビルの投与で患者の回復期間が短縮される効果がみられている。 レムデシビルの提供について、マット・ハンコック保健相は、おそらく新型ウイルスの感染危機が始まって以降で最大の1歩だと述べた。 十分な証拠あると当局 米製薬会社ギリアド・サイエンシズのレムデシビルは、エボラ出血熱の治療薬として開発されたもの。 英規制当局は、レムデシビルの効果について、入院中の特定のCOVID-19患者への使用を承認するのに十分な証拠があるとしている。 当面の間は、供給量に限りがあることから、レムデシビルの効果を最も得られる可能性のある患者に使用される。 レムデシビルの緊急使用をめぐっては、アメリカと日本がすでに特例で承認している。 現在、イギリスを含む世界の国々でレムデシビルの臨床試験が進められている。初期データは、薬の投与で患者の回復期間を約4日間短縮できると示している。一方で、より多くの人命を救うことにつながるとする証拠はない。 「素晴らしい進歩」 ギリアド・サイエンシズに、イギリスの患者の治療にあてるレムデシビルの在庫がどれくらいあるのかは不明。この点滴薬は、医師の助言に基づいて割り当てられることとなる。 保健省の政務次官(イノベーション担当)ジェイムズ・ベセル卿は、「これは素晴らしい進歩の表れだ。この前例のない時期を乗り切るうえで、常に患者の安全を確保することを最優先事項としつつ、我々は最新の医療の進歩の最前線にいなければならない」と述べた。 「最新の、専門家の科学的助言は、我々が下すあらゆる決断の中心となっている。イギリスの患者にとって最善の結果を確保するために、我々は国中で進められているレムデシビルの臨床試験での成果を引き続き注視していく」 リーズ大学メディカルスクールのスティーブン・グリフィン博士は、今のところ、レムデシビルが新型ウイルス治療においておそらく最も有望な抗ウイルス薬だと述べた。 グリフィン氏は、最も症状が重い患者に最初にレムデシビルが投与される可能性が高いだろうと述べた。 「最も倫理的に健全なアプローチであることが明白な一方で、レムデシビルが直ちに特効薬としての効果を表すという期待はすべきではないことも意味している」 「その代わりに、回復率の向上や患者の死亡率の減少は期待できる。これが、できるだけ多くの患者の利益になることを願っている」 抗マラリア薬は「安全性に懸念」 抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」やHIV治療薬といったほかの複数の薬も、新型ウイルスの治療薬として研究されている。 世界保健機関(WHO)は25日、ヒドロキシクロロキンの臨床試験について、安全性への懸念を理由に「一時的に」中断したと発表した。 ヒドロキシクロロキンをめぐっては、患者の死亡リスクを高めるほか、心拍異常がみられたという研究結果が英医学誌ランセットに22日に掲載された。 イギリスでは、ヒドロキシクロロキンの人への投与を検討する臨床試験「リカバリー・トライアル」は今も進められている。しかし、治療よりも予防を目的とした、医療現場の最前線で働くNHSスタッフが対象の臨床試験では、さらなるボランティアの募集を一時停止している。 新型コロナウイルス特集 感染対策 基本情報:1分で解説 新型コロナウイルスについて知っておくべきこと 予防方法: 正しい手の洗い方 なぜ外出を控えるのか: 家にいることで人の命を助けられる 社会的距離とは: 2メートルってどれくらい? 感染対策に必要な距離 感染したか判断するには: 「具合が悪いんだけど、もしかして新型ウイルス?」 感染を判断する方法とは 心の健康:【解説】 新型コロナウイルス、心の健康はどう守る? 在宅勤務・隔離生活 在宅勤務:【解説】 より良い在宅勤務へ 便利なコツやツールは? 自主隔離:新型コロナウイルス、自主隔離でやるべきこと 必要なものの調達: 安全なデリバリーやテイクアウト、買い物の方法は (英語記事 Coronavirus anti-viral drug 'biggest step forward')

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    ツイッター、トランプ氏の投稿に「事実確認」の警告ラベル

    2020年05月27日 10:59 公開 ドナルド・トランプ米大統領のツイートに対し、ツイッターは26日、初めてファクトチェック(事実確認)に関するラベルを付けた。 トランプ氏はこの日、「郵送投票は実質的に不正なものにならないとは(絶対に!)言い切れない。郵便受けから盗まれ、投票用紙は偽造され、違法に印刷すらされ、不正に署名される。カリフォルニア州知事は何百万の人々に投票用紙を送っている」とツイートした。 これに対しツイッターは、誤解を与える情報に関する新方針に基づき、投稿の最後の部分に警告ラベルを添付した。 青色の感嘆符に続き、「郵送投票について事実確認をする」よう、読者に呼びかけている。 この警告文はリンクになっていて、郵送投票に関するトランプ氏の主張を「根拠がない」とするページへとジャンプする。同ページは、CNNや米紙ワシントンポストなどの報道を引用している。 「言論の自由を抑圧」と反発 トランプ氏はこのところ、郵送投票の正当性に関し、実証されていない主張を繰り返している。 ツイッターのこの対応を受け、トランプ氏は同社について、「言論の自由を完全に抑圧している」と再びツイートした。 さらに、「私は、大統領として、こんなことは許さない!」とし、ツイッターは今秋の大統領選挙に介入していると非難した。 トランプ氏の選挙対策責任者ブラッド・パースカル氏も、「偏見にとらわれたフェイクニュースの『ファクトチェッカーズ』と手を組むことで、明白な政治手法に誤った信頼性を与えるツイッターの動きに煙幕を張っている。私たちが何カ月も前にツイッターから広告を引き上げたのはいくつもの理由があるが、明らかな政治的な偏りもその1つだ」とツイートした。 「誤解を与えかねない情報」 ツイッターは、偽の情報や誤解を与える情報の発信に対して、警告ラベルを付ける対策を強化すると表明していた。ただ、トランプ氏のツイートに対しては消極的だった。 同社は今回のツイートについて、「投票の仕組みに関して誤解を与えかねない情報を含んでいる」とした。 同社は今月に入って、警告ラベルの方針を更新した。 「おぞましいうそ」の削除を拒否 ツイッターは今回のラベル添付の直前、トランプ氏によるローリー・クラウスティスさんの2001年の死去に関するツイートについて、削除しないと決定していた。トランプ氏はクラウスティスさんが米放送局MSNBCの司会者ジョー・スカーボロー氏に殺害されたとする陰謀論を広めるツイートを何回かしていた。 クラウスティスさんの夫のティモシーさんは、トランプ氏のツイートには「おぞましいうそ」が含まれているとして、ツイッターに削除を求めていた。 同社は削除要求を拒否したが、ティモシーさんに対し、トランプ氏の発言でつらい思いをしたことは「とても残念だ」と伝えた。 (英語記事 Twitter tags Trump post with fact-checking warning)

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    3月のスポーツ大会が感染の「苦しみと死者数を増やした」 英科学者が分析

    2020年05月27日 8:54 公開 ミック・タッカー、エイドリアン・ゴールドバーグ、BBCファイル・オン4 イギリスで3月に開かれた大規模スポーツイベントが、同国に「多くの苦しみと死をもたらした」――。イギリス最大のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)行動追跡プロジェクトを率いる科学者が、そう指摘している。 プロジェクトでは、数百万人のボランティアのデータを分析したその結果、競馬の障害競走の祭典「チェルトナム・フェスティバル」と、サッカーのチャンピオンズリーグの試合(リヴァプール対アトレティコ・マドリード)の直後に、新型ウイルスの感染が多発した「ホットスポット」ができていたことが分かった。 調査プロジェクトを率いるキングス・コレッジ・ロンドンのティム・スペクター教授は、これにより地域の感染者数の割合が「7倍増加した」としている。 一方、英政府は特定の地域の感染者数は、多くの要因が影響していること話している。 他国が延期するなか… イギリス各地ではつい3カ月前まで、スポーツのイベントは通常通り行われていた。しかし当時、新型ウイルスの脅威はすでに目前に迫っており、一部の欧州諸国では無観客試合に移行したり、中止したりしていた。 イギリスの各種スポーツ運営団体は、ボリス・ジョンソン首相の3月上旬の宣言を判断材料にしていた。ジョンソン氏は当時、国民は「できる限りいつもどおり過ごす」べきだとしていた。 3月最初の週末には、イングランドとスコットランドでサッカーの試合が多数開かれた。さらに、競馬の5つの大会があったほか、ラグビーのシックス・ネイションズ(欧州6チーム対抗戦)のイングランド対ウェールズ戦も開催された。この試合はロンドン郊外トゥイッケナム・スタジアムが会場となり、ジョンソン首相も観戦した。 <関連記事> 英政府、プロスポーツの「身体接触」伴う練習の指針を発表 英リゾート地、ロックダウン緩和で大混雑 地元に懸念と怒り イギリスのロックダウンで変わった6つのこと……外出、買い物、犯罪、大気汚染 他の国では対応が違った。シックス・ネイションズの試合はアイルランド・ダブリンでも予定されていたが、早々に延期が決まっていた。自動車レースのフォーミュラ・ワン(F1)の中国グランプリも、新型ウイルス感染拡大が深刻化したイタリア北部でのサッカーの試合も延期された。 しかし、英政府のスタンスは同じままだった。チェルトナム・フェスティバルの会場ゲートが開かれ25万人が押し寄せたのは3月10日だったが、そのつい前日には、オリヴァー・ダウデン文化相が、大規模な野外集会の禁止を求めて高まっていた声をはねつけた。 ダウデン氏はBBCに、「そうしたイベントの参加をやめたり、イベントを中止したりする理由は、現段階では存在しない」と話していた。 だが、キングス・コレッジ・ロンドンのスペクター教授は、政府のこの判断によって「おそらく複数の人の死期が早まっただろう」と述べた。 では、こうしたスポーツイベントが感染者の急増につながったのだろうか。 確実なことは言えない。しかし、BBCラジオの番組「ファイル・オン4」が確認したデータによると、リヴァプールとチェルトナムは3月最終週の時点で、感染が疑われる人々の数が最も多い地域に含まれていた。 このデータは、「COVID-19症状研究」がまとめたものだ。これら2地域の年齢20~69歳の住民のうち、推定5~6%に症状が出ていたとしている。 政府の接触者追跡アプリとは違い、この研究はイギリス各地の300万人超のボランティアがアップロードした情報を利用している。ボランティアたちは毎日、COVID-19関連の15種類の症状について、自覚の有無を報告する。 アイルランド人ジャーナリストのメラニー・フィンさんは、ダブリンから飛行機でチェルトナム・フェスティバルを訪れたとき、アイルランドとイギリスで取り組みが大きく違っていたと思い起こす。 「アイルランドはすでに、聖パトリックの日のお祝いを中止にしていました。それは私たちにとってかなり大きなことでした」 「みんなショックを受けていました。まさかこんなことになるなんて、誰も信じられませんでした。アイルランド政府がいかに本気か、それで分かりました。私たちがダブリン空港を発った時、空港は文字通りゴーストタウンのようでした」 一方、チェルトナム競馬に集まった人々は、英政府がイベントは安全でないと思うなら中止していたはずだと、そういう意見だったという。 フィンさんによると、来場者たちは基本的な安全ルールを無視していた。「まるでローマ帝国の最期のようでした。開いている以上は思い切り騒いで楽しんでやるぞという、そういう意気込みさえ感じました」 こうした状況を目にして不安になったフィンさんは、フェスティバルの途中で帰国できるよう勤務先に頼んだ。 しかし、その1週間後にはCOVID-19の症状が出て、それから2週間、仕事を休まざるを得なかった。 チェルトナム・フェスティバルを主催したジョッキー・クラブは、開催した判断の正当性を主張。英紙ガーディアンの4月2日付の記事で、政府と科学専門家が出していた「明確で継続中のガイダンス」に従ったと語った。 さらに、「当時最新の公衆衛生の助言に沿い、何百もの手の除菌用ジェルや追加の手洗い器の設置など、フェスティバルではさまざまな追加的な衛生対策を取った」とした。 フェスティバル2日目の3月11日、世界保健機関(WHO)は新型ウイルスのパンデミック(世界的流行)を宣言した。 体を触りまくっていた その夜、サッカーのリヴァプールはアンフィールド・スタジアムで、アトレティコ・マドリードと試合を戦った。 約3000人のファンがマドリードからマージーサイドを訪れ、バーやレストランで交流した。マドリードはスペインにおける流行の中心地で、当時は同国で確認された感染者のほぼ半数を占めていた。 リヴァプールのサポーターで、8週間にわたって病気の状態が続いているジョエル・ルックウッドさんは、その夜にCOVID-19にかかったと信じている。そして、ゴールが決まったとき、観客たちがいかに新型ウイルスの伝染リスクを気にしていなかったかについて思い返した。 「そのときの喜びようは、私が経験した中でも最大級の身体的なものだった」と彼は言った。「みんな跳ねながら互いに体を触りまくっていた」 リヴァプールのサポーターグループの1つ、「ザ・スピリット・オブ・シャンクリー」は試合の2日前、マドリードからファンが来ることについて安全会議で懸念を表明したが、政府の助言に沿って、そのまま開催すると言われたという。 ただ、リヴァプールが一方的に試合を中止することはできなかっただろう。この試合は、チャンピオンズリーグの準々決勝にどちらが進むかを決めるものだった。中止の判断は、主催者の欧州サッカー連盟(UEFA)など、サッカーの運営組織のいずれかがしなければならない性質のものだった。 スペクター教授は言う。「スポーツイベントの休止は、少なくとも1週間は早く実施するべきだったと思う。それによって、苦しむ必要がなかった人が苦しみ、亡くなるはずではなかった人が亡くなった可能性がある」 英政府は声明でこう述べた。「特定の地域の感染者数は、人口密度や年齢、全般的な健康状態、パンデミック曲線のどの位置にあるかなど、多くの要因が影響を及ぼす」。 (英語記事 Sports events 'shut down too late to save lives')

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    「誰もマスクをつけてない」 米各地のビーチ、3連休に大混雑

    2020年05月26日 16:30 公開 世界各地で新型コロナウイルス対策の制限が緩和されつつある中、アメリカでは全50州で経済活動が部分的に再開されている。 こうした中で迎えたメモリアル・デー(戦没者追悼記念日、今年は5月25日)の3連休には、米国内の複数のビーチに大勢の人が殺到した。 誰もが感染対策のガイドラインを順守しているわけではなく、マスク姿の人はほとんど見られなかった。 ホワイトハウスの新型ウイルス対策タスクフォースの調整官、デボラ・バークス医師は、社会的距離が保てない場合にはマスクの着用を継続するよう求めた。 バークス氏は、各地でのこうした大混雑に懸念を示した。

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    米ヴァージン・オービット、空中発射ロケットの初実験に失敗

    ているが、産業の観点から言えば、(ヴァージン・オービットも)同じように重要だ」と、ホワイトホーン氏はBBCニュースに述べた。 「新型コロナウイルスが何かを我々に教えてくれたとすれば、それは我々の世界が変化しつつあり、宇宙がその大部分を占めることになるだろうということだろう。我々は多くの産業を大気圏外に置けるかもしれない。サーバーファームを例に挙げてみよう。太陽エネルギーを利用するために宇宙に置くことができる。すべては宇宙にアクセスするためのコスト次第だが、このようなシステムによって大変革がもたらされるだろう」 (英語記事 Branson space rocket fails on debut flight)

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    英首相の上級顧問、ロックダウン中の長距離移動「後悔していない」

    2020年05月26日 13:49 公開 ボリス・ジョンソン英首相の上級顧問を務めるドミニク・カミングス氏は25日、新型コロナウイルス対策でイギリス政府が3月下旬から実施している厳しいロックダウン(都市封鎖)の最中に国内を移動していた問題について、メディアの取材に応じた。カミングス氏は自身の行動を「後悔していない」と述べ、辞任の意向はないと強調した。 カミングス氏は、自分と妻が新型ウイルスに感染したことが判明した後、幼い息子の世話をしてもらおうと、自動車に妻子を乗せ両親や姉妹のいる北東部ダラムまで400キロ以上を運転。滞在中に観光地に立ち寄っていたことも明らかになっている。 また今回の取材でカミングス氏は、ロンドンを離れる際にジョンソン首相に報告していなかったことを明らかにした。また自身の行動は「理に適っていて」合法だったと述べた。 ジョンソン首相はカミングス氏を擁護している一方、国民の「混乱や怒り、痛み」も理解できると発言。カミングス氏自身から「話を聞く必要があった」と話した。 しかし野党だけでなく一部の与党議員からも、首相とカミングス氏は二重規範になっていると批判の声が上がっている。 イギリスでは25日、新たに121人が新型ウイルスによる感染症(COVID-19)で死亡。全体では3万6914人が亡くなっている。 <関連記事> ジョンソン英首相、ロックダウン中に長距離移動した上級顧問を擁護 イギリス首相顧問、ロックダウン中に親類宅へ 批判高まるも辞任しないと 【解説】 英首相の上級顧問、ドミニク・カミングス氏とはどんな人物か? カミングス氏はこの日、ジョンソン首相の要請を受けて、首相官邸のバラ園で記者会見を開いた。 「混乱と誤りを正したい」と話したカミングス氏は、連日の批判を受けても辞任は考えておらず、「やったことを後悔していない」と述べた。 カミングス氏は当時の行動を以下のように説明した。 3月27日、妻でジャーナリストのメアリー・ウェイクフィールド氏の体調が悪くなったため、ウェストミンスターから自宅へいったん帰宅。その後、仕事に戻った この日の夜、妻と息子を連れて、ロンドンからダラムまで自動車を運転し、両親の所有する農場のコテージに滞在 3月28日、カミングス氏自身もCOVID-19の症状を発症 4月2日に息子が「嘔吐(おうと)と高熱」を出して入院。翌3日に病院に息子と妻を迎えに行く COVID-19の症状が出た15日後の4月12日(イースターの日曜日)、農場から車で30分ほどのバーナード城を訪問。ロンドンまで車で戻れるかを試すためだったという 4月13日、家族を連れてロンドンに戻る イギリスでは3月24日からロックダウンが始まり、同居していない家族との面会や、車での移動が制限されていた。カミングス氏がロックダウン開始からわずか4日で一連の制限を破ったことに対し、野党だけでなく与党議員からも辞任を求める声が上がっている。 しかしカミングス氏は、「私は特別だとか、私のためのルールと他の人のためのルールがあるとは考えていない」と話した。 3月27日にダラムへ向かったのは、自分と妻が病気になれば4歳の息子の世話してくれる人がいなくなると考えたためだと説明。両親の所有地に住んでいる姉妹とめいが息子の面倒を見てくれると話したという。 カミングス氏自身も、ダラムに到着した翌日に頭痛や熱といった症状を発症。70代の両親の家から約50メートル離れたコテージで自主隔離を行い、両親とは接触しなかったと説明した。 城に行ったのは「観光ではない」 また、ダラムへ行く前にジョンソン首相に報告しなかったことを認めた一方、「その後にジョンソン首相と話したが、2人とも(COVID-19の症状が)ひどい状態だったため、何を話したかは覚えていない」と話した。 観光地であるバーナード城への訪問については、「車から10~15メートルほど歩いて川べりまで」は行ったものの「観光はしていない」と述べた。 「私はCOVID-19の影響で視力が悪くなっており、妻がとても心配していた。妻は私の病状を見て、息子を連れて400キロ以上運転するリスクをおかしたくないと思っていた。それで、短めのドライブで安全に運転ができるかを確かめようということになった」 これについて、イングランド・ウェールズ警察連盟のジョン・アプター会長はツイッターで、視界が悪くなっている人は運転能力を「試す」ために運転すべきではないとし、「賢い行動ではない」と懸念を表明した。 カミングス氏は会見で、COVID-19の症状がある人に自宅にとどまるよう求めている政府のガイドラインは、「極端な」状況には自由裁量の余地を与えているとして、自分はガイドラインを守ったと思っていると話した。 一方、人々が自分の行動に怒りを覚えていることには驚かないと話した上で、「あれは複雑で難しい状況だった」と説明した。 ジョンソン首相はこの会見について、「カミングス氏は、家族を非常に大事にし、家族のために最善を尽くす人物だと私には思えた」とコメントした。 野党からはさらに批判 最大野党・労働党のアンジェラ・ライナー副党首は、1時間にわたるカミングス氏の会見は「見るに堪えないものだった」と批判した。 「カミングス氏は明らかにルールを破った。首相は国家の利益のために行動できなかった。自分のスタッフにこのような状況を許してはならなかった」 野党・自由民主党のサー・エド・デイヴィー党首代行は、ジョンソン首相にカミングス氏の解任を要求。「カミングス氏は良識ある謝罪を拒み、私たちを侮辱した。彼のエリート意識からくる傲慢(ごうまん)さの中での最低の行為だ」と述べた。 スコットランド国民党(SNP)のイアン・ブラックフォード議員もこれに呼応し、首相にはカミングス氏を解任する「以外の選択肢がない」と述べた。その上で、それができなければ「リーダーシップの大きな失敗だ」と話した。 (英語記事 Cummings: I don't regret what I did)

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    スペイン、外国人観光客受け入れへ 7月から隔離措置解除

    2020年05月26日 11:27 公開 スペイン政府は25日、新型コロナウイルス対策として導入してきた、外国からの渡航者に対する2週間の隔離措置について、7月から解除すると発表した。これにより、外国人観光客の受け入れを再開することとなる。 渡航者に対する隔離措置の解除はこの日、閣議決定された。 アランチャ・ゴンザレス・ラヤ外相は以前、具体的な日程は明かさなかったものの、渡航者の隔離措置は7月に解除されるだろうと述べていた。 スペインの外国人旅行客の受け入れ再開は、イギリス政府が空路でイギリスに入国する人を対象に、6月8日から自主隔離を求める準備を進める中で発表された。 イギリスの旅行会社やほかの業界団体は、新型ウイルス感染のリスクがより低い国からの渡航者について、受け入れ措置を緩和すべきだと主張している。 スペインには年間約8000万人の旅行客が訪れる。観光分野は同国の国内総生産(GDP)の12%以上を占める。 夏が終わる前に観光市場を再開するのは、スペイン経済にとって重要とみられる。 しかし、イギリスの新方針では、スペインやほかのほぼすべての国で休暇を過ごした人は、イギリス入国時に2週間の自主隔離を行わなければならなくなる。 航空会社が運航再開へ イージージェットやジェット2、ライアンエアーを含む複数航空会社は、間もなく運航を再開する予定だと発表している。 英格安航空イージージェットは、6月15日から欧州の22の空港からのフライトを再開するという。また、イギリス国内の地域便も再開するが、イギリスからの国際線はガトウィック空港からフランス・ニースまでの1路線のみとなる。 英格安航空ジェット2は、7月1日から全面的にサービスを再開し、スペインやイタリアの一部地域に就航する。今年後半には、ギリシャやクロアチアへの就航を再開する方針という。 アイルランドやイギリスにハブ空港を持つ格安航空ライアンエアーは、7月1日から同社のフライトの4割を復活させる予定。欧州各地の80近い空港からの運航を再開するという。 イージージェットやTUI航空、ジェット2、ヴァージン・アトランティック航空のほか、英民間航空各社の業界団体「エアラインズUK」や英商工会議所(BCC)、ホスピタリティ産業の業界団体「UKホスピタリティ」、製造業の業界団体「メイドUK」は25日、ボリス・ジョンソン英首相に宛てた書簡で、隔離措置は経済にとって「深刻な結果」をもたらすだろうと訴えた。 また、イギリスへの全渡航者に対する「包括的なアプローチ」に「大きな疑問」を抱いているとし、パンデミック(世界的流行)による感染率が高い国と空路での行き来を確立する際には、より「ターゲットを絞った、リスクに基づいた」アプローチを取るよう求めた。 「この代替手段は、他国が国境を開くための協議を開始する中、イギリスを後退させ、主要産業のサプライチェーンとイギリスの貿易の動脈に大きなダメージを与える恐れがある」 新型コロナウイルス特集 感染対策 基本情報:1分で解説 新型コロナウイルスについて知っておくべきこと 予防方法: 正しい手の洗い方 なぜ外出を控えるのか: 家にいることで人の命を助けられる 社会的距離とは: 2メートルってどれくらい? 感染対策に必要な距離 感染したか判断するには: 「具合が悪いんだけど、もしかして新型ウイルス?」 感染を判断する方法とは 心の健康:【解説】 新型コロナウイルス、心の健康はどう守る? 在宅勤務・隔離生活 在宅勤務:【解説】 より良い在宅勤務へ 便利なコツやツールは? 自主隔離:新型コロナウイルス、自主隔離でやるべきこと 必要なものの調達: 安全なデリバリーやテイクアウト、買い物の方法は (英語記事 Spain to stop quarantining arrivals from 1 July)

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    イングランド全商店、来月15日から営業再開 ジョンソン英首相

    2020年05月26日 11:17 公開 ボリス・ジョンソン英首相は25日、生活必需品以外の店舗を含めた、イングランドのすべての小売店について、6月15日から営業を再開できると発表した。新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)をさらに緩和する計画の一環。 ジョンソン氏は、営業再開は「コロナウイルスとの戦いの進展による」とも説明。店側は客や従業員の安全を守るため、ガイドラインを順守する必要があると述べた。 屋外の市場と自動車販売のショールームは6月1日に再開できる。 イギリスの新型ウイルスの死者は121人増え、3万6914人となっている。 <関連記事> イギリスのロックダウン緩和計画、変更点は? 英リゾート地、ロックダウン緩和で大混雑 地元に懸念と怒り イギリスのロックダウンで変わった6つのこと……外出、買い物、犯罪、大気汚染 ジョンソン氏は、小売店向けに新たな指針を作成したとし、「必要な社会的距離や衛生基準を満たすために取るべき対策を詳述している」と話した。 また、「商店は再開前に、この指針を実行する時間がある」、「これでどんな対策を取ればいいかはっきりする」と述べた。 歓迎と落胆の声 ジョンソン氏はさらに、「すべての場所で社会的距離のルールを守れば安全に買い物ができると、国民には自信をもってもらいたい」と付け加えた。 今回の進展について、アロク・シャーマ民間企業・エネルギー・産業戦略相は、「商店の営業を可能にするのは、この国の経済の再生に向けた重要な一歩であり、イギリス各地で何百万人もの仕事を支えるものだ」と述べた。 英小売協会(BRC)も今回の発表を歓迎。「切望されていた、この先についての明快さ」を提供するものだとした。 英産業連盟(CBI)の広報担当者は、新たな指針について、小売店が「安全に」開店するのに役立つと述べた。 しかし今回の発表に、すべての商店が喜んでいるわけではない。 英独立小売業協会は、多くの小規模商店は来週から開店する準備を進めていたと説明。「6月15日まで開店できないのは小規模商店にとっては少し残念だ。安全に開店できることを考えるとなおさらだ」とした。 この日、首相官邸の定例会見では、ジョンソン首相の上級顧問ドミニク・カミングス氏に関する長い説明があった。商店の再開については、その後に発表された。 カミングス氏はロックダウンのさなか、自らの子どもと病気の妻をロンドンから約420キロ離れたダラム郡に車で連れて行ったとして、辞任要求に直面している。 新型コロナウイルス特集 感染対策 基本情報:1分で解説 新型コロナウイルスについて知っておくべきこと 予防方法: 正しい手の洗い方 なぜ外出を控えるのか: 家にいることで人の命を助けられる 社会的距離とは: 2メートルってどれくらい? 感染対策に必要な距離 感染したか判断するには: 「具合が悪いんだけど、もしかして新型ウイルス?」 感染を判断する方法とは 心の健康:【解説】 新型コロナウイルス、心の健康はどう守る? 在宅勤務・隔離生活 在宅勤務:【解説】 より良い在宅勤務へ 便利なコツやツールは? 自主隔離:新型コロナウイルス、自主隔離でやるべきこと 必要なものの調達: 安全なデリバリーやテイクアウト、買い物の方法は (英語記事 Non-essential shops to reopen from 15 June - PM)

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    WHO、抗マラリア薬の臨床試験を中断 安全性を懸念

    2020年05月26日 9:38 公開 世界保健機関(WHO)は25日、新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)治療への効果を確かめるため各国で進められている、抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」の臨床試験について、安全性への懸念を理由に「一時的に」中断したと発表した。 WHOは、ヒドロキシクロロキンの安全性評価の結果が出るまで中断するとしている。 COVID-19治療に有益かもしれない様々な薬の臨床試験を行っているWHOは以前、個人が薬を自己服用することで深刻な影響を引き起こすという複数報告について懸念を示していた。 ヒドロキシクロロキンをめぐっては、患者の死亡リスクを高めるという研究結果が英医学誌ランセットに22日に掲載された。 ヒドロキシクロロキンはマラリアやループス腎炎、関節炎などの治療には安全に使用できるが、COVID-19への効果は実証されていない。複数の公衆衛生当局は、心臓に悪影響を及ぼす恐れがあると警告している。 しかし、アメリカのドナルド・トランプ大統領は、ヒドロキシクロロキンはCOVID-19の治療薬になり得ると繰り返し主張していた。今月18日には予防のために服用していると明かした。 抗マラリア薬投与で死亡率18% アメリカやスイスの研究者たちの報告によると、ヒドロキシクロロキンを患者に投与しても治療効果はみられなかったという。 この研究では、新型ウイルスの感染症患者9万6000人のデータが用いられた。このうち約1万5000人が、ヒドロキシクロロキンあるいはそれに類するクロロキンを、単独もしくは抗生物質との併用で投与されていた。 その結果、抗マラリア薬を使わなかった患者に比べ、使った患者は入院中に死亡する確率が高く、心拍異常がみられたという。 致死率は、ヒドロキシクロロキンを投与された患者では18%、クロロキンでは16.4%、これらを投与されていない場合は9%だった。ヒドロキシクロロキンあるいはクロロキンを抗生物質と併用で投与された場合の致死率はさらに高かった。 研究者たちはヒドロキシクロロキンを臨床試験以外で使用すべきではないと警告している。 新型コロナウイルス特集 感染対策 基本情報:1分で解説 新型コロナウイルスについて知っておくべきこと 予防方法: 正しい手の洗い方 なぜ外出を控えるのか: 家にいることで人の命を助けられる 社会的距離とは: 2メートルってどれくらい? 感染対策に必要な距離 感染したか判断するには: 「具合が悪いんだけど、もしかして新型ウイルス?」 感染を判断する方法とは 心の健康:【解説】 新型コロナウイルス、心の健康はどう守る? 在宅勤務・隔離生活 在宅勤務:【解説】 より良い在宅勤務へ 便利なコツやツールは? 自主隔離:新型コロナウイルス、自主隔離でやるべきこと 必要なものの調達: 安全なデリバリーやテイクアウト、買い物の方法は (英語記事 WHO halts trials of 'Trump drug' over safety fears)

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    医療スタッフの疲れ癒すセラピー犬、メキシコシティで活躍

    2020年05月25日 18:14 公開 専用の小さな防護服に黄色いブーツ、そしてゴーグルをつけたパグ犬のハーリーは、メキシコシティにある病院の英雄だ。 この病院では新型コロナウイルス患者の治療に追われるスタッフのため、訓練されたセラピー犬を雇った。 ハーリーの使命は医師や看護師、病院スタッフを毎日2時間かけて癒すことだという。

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    アーダーンNZ首相、生中継中にM5.6の地震 笑顔で続行

    2020年05月25日 17:16 公開 ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相がテレビの生中継に出演中、マグニチュード5.6の地震が発生した。 アーダーン首相は25日朝、出演していた番組の司会者ライアン・ブリッジ氏に、地震が起きていると伝え、周囲を見回した後、にこやかにインタビューを続行した。 地震は現地時間午前8時(日本時間午前5時)ごろ、首都ウェリントンの北約90キロを震源に発生した。揺れは国中で感じられたものの、負傷者や建物などの損傷の報告は出ていない。

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    病気のラクダから学んだこと 韓国の新型ウイルス対策

    2020年05月25日 16:41 公開 新型コロナウイルスの発生源である中国に近く、人口密度が高く、早くにアウトブレイク(大流行)が起きたにもかかわらず、韓国は新型ウイルスの流行を制御できている。 アメリカやイギリス、スペイン、イタリアなどで数万人が亡くなっている一方、韓国の死者はわずか数百人にとどまっている。 韓国が成功した秘密は、中東でラクダがかかったある病気と関連していた。

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    新型ウイルスと旅行 空の旅はどう変わる?

    2020年05月25日 16:28 公開 新型コロナウイルスの流行が続く中、航空各社は安全な空の旅を約束し、信頼を構築するためにさまざまな施策を導入している。 どのような施策が取られているのか。そして、航空業界への影響はどのようなものなのか。

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    タリバン捕虜2千人解放へ アフガニスタン政府、祝祭の停戦で

    2020年05月25日 14:28 公開 アフガニスタンのアシュラフ・ガニ大統領は、反政府武装勢力タリバンが停戦を表明したことを受け、タリバン戦闘員の捕虜を最大2000人解放すると発表した。 タリバンは23日、ラマダン(断食月)明けの祝祭「イード・アルフィトル」が始まる24日から3日間を停戦とすることで、アフガニスタン政府と合意した。 現在のところ双方とも停戦を守っている。 <関連記事> タリバン、アフガン政府との交渉打ち切り 捕虜交換めぐり決裂 アフガン駐留米軍、撤退を開始 タリバンとの和平合意で アフガン戦争犯罪を捜査へ ICCが判断を一転、米国は反発 ガニ氏は捕虜の解放について、「和平協議の成功を確実にする」ための「善意の印」だと述べた。 また、政府は和平協議を進める用意があるとした。 大統領府の報道官はツイッターで、「ガニ大統領は今日、最大2000人のタリバン捕虜の解放手続きを始めた(中略)タリバンの停戦の表明を受けたものだ」と述べた。 和平協議の障害に 政府とタリバンの和平協議では、タリバン捕虜の問題が障害となってきた。 4月に行われた歴史的な会談も、捕虜交換をめぐって折り合いがつかずに決裂した。 アメリカとタリバンは2月、タリバン戦闘員数千人と親政府勢力約1000人の捕虜交換で合意。しかし、この合意にアフガニスタン政府は関わっていなかった。 アフガニスタンでは、2001年の米同時多発攻撃の直後、アメリカ主導の軍事部隊がアフガニスタンに侵攻。タリバンを政権から追放した。 その後19年にわたり争いが続いている。 ドナルド・トランプ米大統領は今年2月の合意を受け、5月までに米兵5000人を撤退させると発表。また、タリバンの指導者と会談すると述べた。 また、タリバン側の合意履行を条件に、米軍と北大西洋条約機構(NATO)の同盟国が14カ月以内に完全撤退するとした。 その一方でアメリカは、現在も戦争状態にあるアフガニスタン政府とタリバンの間の協議の第1段階として、捕虜交換に合意していた。 (英語記事 Taliban prisoner release amid Afghan ceasefire)

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    中国外相、アメリカが「陰謀論」拡散と批判 新型ウイルス

    はCOVID-19を引き起こしているウイルスとは全く別物だと強調した。 駐英中国公使の陈雯氏は4月、BBCのテレビ番組に出演した際、アウトブレイク発生源を特定する調査を求める声は政治的意図に基づいているものだと指摘。そのような調査は新型ウイルスとの戦いから目をそらし、資源を奪うだけだと話している。 (英語記事 China accuses US of spreading virus 'conspiracies')

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    イスラエルのネタニヤフ首相、収賄罪などの初公判に出廷

    2020年05月25日 13:06 公開 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相(70)が収賄罪などに問われた裁判の初公判が24日、エルサレム地方裁判所で開かれた。ネタニヤフ氏は新政権を発足させたばかり。 イスラエルで現職の首相が刑事裁判に臨むのは初めて。ネタニヤフ氏は収賄、詐欺、背任の罪に問われており、すべてを否認している。 法廷に姿を見せたネタニヤフ氏は、自分が起訴されたのは「あらゆる手を使って自分を失墜させる」ことを目的としたものだと主張した。 同氏は前週、イスラエルでは珍しい連立政権のトップとして首相職に就いた。 <関連記事> イスラエル司法当局、ネタニヤフ首相を起訴へ 贈収賄など3件 イスラエル総選挙、出口調査では与野党が接戦 イスラエル、9月に再選挙へ 連立不成立で イスラエルでは過去1年以内に3度の総選挙があったが、単独過半数を獲得した政党がなかった。これを受け野党連合トップのベニー・ガンツ元軍参謀総長は、ネタニヤフ氏の連立政権への協力に同意した。 ネタニヤフ氏に対しては野党などから辞任要求が出ているが、同氏は公判中に辞めるつもりはないとしている。 右派政党リクードを率いるネタニヤフ氏は2009年から首相を務めており、イスラエル最長の政権となっている。同氏は1996~1999年にも首相の座に就いた。 裁判所で何があった? ネタニヤフ氏はこの日、裁判所に到着すると記者団に、「私は背筋を伸ばし、堂々とここにいる」と述べた。 また、「右派の強力な首相である私を引きずりおろさなくてはならないなら、何でもあり得る」と反発した。 この日の公判は1時間ほどで終わった。ネタニヤフ氏は裁判官らに、「起訴状を読み理解している」と述べた。 地元メディアによると、マスクを着けたネタニヤフ氏は記者団が法廷から出るまで、被告席に腰を下ろすのを拒否したという。 同氏の弁護団は、弁護の準備に数カ月が必要だとしている。次回公判は7月19日に設定された。 首相の起訴内容は? ネタニヤフ氏は、「ケース1000」、「ケース2000」、「ケース4000」と呼ばれる3つの事件で起訴されている。 ケース1000-詐欺および背任:大物実業家らに便宜を図る代わりに、シャンパンや葉巻といった贈答品を受け取っていたとされる ケース2000-詐欺および背任:大手新聞イェディオト・アハロノトに対し、自身に好意的な記事の掲載と引き換えに部数の拡大を手助けすると持ちかけたとされる ケース4000-収賄、詐欺および背任:首相や通信相在任中、大手通信社ベゼクの大株主シャウル・エロヴィッチ氏に有利な規制を促進する見返りに、同氏のニュースサイトWallaに自身に好意的な報道を要求したとされる ネタニヤフ氏はこれらすべてを全面的に否認。裁判は政敵による「魔女狩り」だとし、汚名をすすぐと表明している。 首相と刑事被告人の立場は両立できる? イスラエルの法律では、首相は刑事裁判の被告となっても辞職する必要はない。ただ、前例はない。 エフード・オルメルト前首相は2008年、汚職容疑の捜査対象となったことを受け辞任した。しかし厳密には、翌年の総選挙でネタニヤフ政権が樹立されるまでは首相の座にとどまった。 野党連合のガンツ氏とは、1年半後の2021年11月に首相職を引き継ぐことで合意している。ネタニヤフ氏はそれまで首相を続け、その後はガンツ政権で副首相として政権内にとどまる見込み。 イスラエルにとってどんな意味がある? イスラエルにとっては、最高権力者の首相が現職として職務に当たりながら、容疑を晴らして刑事罰を受けないよう努力することとなる。 こうした状況について野党のヤイール・ラピッド党首は、政策への影響はないとみられるものの、「恥ずべきこと」で「この国の精神にとっておぞましい」ことだと述べた。ネタニヤフ氏はヨルダン川西岸のイスラエル人入植地を近々、併合しようとしており、その際にはパレスチナ側の猛反発は必至とみられている。 イスラエル国内の世論は割れている。ネタニヤフ氏に批判的な人は、裁判になれば首相を続けることはできないと指摘。一方、同氏の支持者とリクードは、同氏は民主的に選ばれており、辞任を強いられるべきではないとしている。 オルメルト前首相は2009年に裁判が始まり、有罪判決が言い渡された。しかし、法廷闘争が長引いたため、刑に服したのは2016年からだった。 (英語記事 Israeli PM Netanyahu goes on trial for corruption)

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    ジョンソン英首相、ロックダウン中に長距離移動した上級顧問を擁護

    を首相が不問にするのは、「イギリス国民が重ねてきた犠牲に対する侮辱だ」と非難した。 スターマー党首はBBCに対して、「今回のことは首相にとって大きな試練で、結果は落第だ」と発言。「国中で何百万人もの人が、身を引き裂かれるような苦しい選択を余儀なくされた。親類を訪問しないとか、葬儀に参列しないとか。今日の首相の回答よりもっとまともな答えを、国民は聞く資格がある」。 スターマー党首はさらに、もし自分が首相だったなら、カミングス氏を罷免していると述べた。 労働党は事実関係について急ぎ真相を明らかにする調査を求めた。 与党・保守党からも、一部の議員がカミングス氏の行動を表立って批判した。 サー・ロジャー・ゲイル下院議員(保守党)はBBCラジオに対して、「首相が周囲にどういう人を置くか、それは首相が決めることだ。しかしこの件について、首相の判断には問題があると思う。ルールの解釈を事後にこうして変えてもいいのだなど、ほとんどの人は受け入れないと思う」と述べた。 科学者の間からも、懸念の声が上がっている。セントアンドリュース大学のスティーヴン・ライヒャー教授(社会心理学)はパンデミック中の行動科学について政府に助言してきたが、首相発言に「落胆」したとBBCに述べた。 公衆衛生の対策を維持するには国民と政府の間の信頼感が不可欠だと、教授は指摘。「一部の人によってルールが違う、こちらとあちらでは違うという意識が生まれてしまうと、信頼は得られない」と述べた。 イングランド国教会からも、複数の主教がカミングス氏を擁護する政府を強く批判。リーズ主教のニック・ベインズ牧師は、首相が「国民にうそをつき、見下し、ばかにしている」と述べた。ブリストル主教のヴィヴィエン・ファウル牧師も、首相が「国民を尊重していない」と批判した。 (英語記事 Boris Johnson backs key aide Dominic Cummings in lockdown row)

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    香港で国家安全法に反対のデモ 警察が催涙ガスと放水

    2020年05月25日 12:14 公開 香港で24日、中国政府による新しい国家安全法の導入に反対するデモがあり、警察は催涙ガスや放水車などを使用した。 デモには数千人の市民が参加し、香港の市街地を行進した。警察は120人を逮捕したと発表している。 国家安全法が成立すれば、香港では「反逆、分離独立、扇動、反政府」行為などが禁止されることになる。香港の活動家は、この法案が香港の自治をせばめ、中国政府への反発を抑えるものだと恐れている。 先には世界各国の政治家200人が共同書簡を発表し、この法案を批判している。 一方、中国の王毅外交部長は、国家安全法は「一刻も早く成立されるべきだ」と述べた。 親中派とされる香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官も、国家安全法を全面的に支持すると約束。香港の諸権利は変わらないと話している。 中国はまた、この法案が香港の外国人投資家を害することはないと説明したほか、各国の「介入」を非難した。 デモの様子は? デモ参加者はこの日、銅鑼湾や湾仔区に集まり、政府を批判するスローガンを叫んだり、プラカードを掲げたりした。新型コロナウイルス対策のため、マスクを着けての行進となった。 これに対し治安警察は、催涙ガスと放水銃で対応した。 当局は新型ウイルスの流行を防ぐため、市民に社会的距離を取ることを義務付けている。そのため、無認可の集会や大規模集会を行わないよう警告を発していた。 一部のデモ参加者は傘やペットボトルなどを警官に投げつけた。また、ごみ箱などで道路を封鎖する人も見られた。 報道によると、今回のデモは昨年から続いていた、犯罪容疑者の中国本土引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改定案をめぐるデモに似ているという。 一連のデモでは数百万人もの人が7カ月にわたって街中で抗議し、次第に暴力的になっていった。これまでに8400人以上が逮捕されている。 国家安全法とは? 国家安全法制を整備する「決定案」には、香港が国家安全保障を「改善すべき」だと記されている。 また、「中央人民政府の国家安全保障機関は必要に応じ、法にのっとって、香港に国家安全保障を守る責務を果たすための機関を設置できる」と書かれている。 これは、中国政府が自治政府とは別に、香港の法執行機関を独自に設置できる可能性が示唆されている。 アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は先週、この法案は香港の自由に「死を告げる鐘」だと説明。イギリスやオーストラリア、カナダも「深い懸念」を表明した。 アメリカと中国の関係はすでに、貿易や新型ウイルス対応などをめぐって緊張状態にある。 アメリカ政府は香港の通商・投資優遇措置を延長するかどうかを検討しているとしている。ドナルド・トランプ米大統領はまた、中国が国家安全法を制定したら強固な対応を取るだろうと述べたが、詳細は明かさなかった。 これに対し中国の王外交部長は、「アメリカの政治権力」が両国の関係を「新たな冷戦の瀬戸際」に押しやっていると批判した。 中国政府は、この法律は昨年に香港の政治的抗議行動で起きたような暴力を「防止し、阻止し、罰する」ために必要だと主張している。 中英連合声明の「目に余る違反」 外国の政治家による共同書簡はイギリス植民地時代の最後の香港総督、クリストファー・パッテン卿とマルコム・リフキンド元英首相が草稿を書き、23カ国186人の政治家が署名した。 書簡では、国家安全法は1997年の香港返還時にイギリスと中国が結んだ中英連合声明を「目に余るほど違反している」と指摘。「香港に対する約束について、国際社会が中国政府を信頼できなくなれば、他の約束にも応じなくなるだろう」と警告した。 署名にはアメリカ連邦議会の議員17人や、イギリスの下院議員44人などが含まれている。 中国の全人代は、5月28日の閉会前にこの決定案について採決を行う予定。その後、同国の最高立法機関である全人代の常務委員会に渡され、6月末には法として施行されることになる。 (英語記事 HK police fire tear gas at security law protesters)

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    大坂なおみ選手、女性スポーツ選手で年収トップに

    2020年05月24日 12:57 公開 アメリカの経済誌「フォーブス」は22日、昨年最も年収の多かった女性スポーツ選手がテニスの大坂なおみ選手(22)だったと発表した。 2度のグランドスラム優勝を経験している大坂選手は、過去12カ月に賞金やスポンサー契約料など合わせて3700万ドル(約40億円)を獲得。昨年、首位だったセリーナ・ウィリアムズ選手(アメリカ)よりも140万ドル上回った。 2人とも、2015年にマリア・シャラポワ元選手(ロシア)が獲得した2970万ドルを上回り、歴代最高額を更新している。 フォーブスが女性スポーツ選手の収入を集計し始めた1990年以降、テニス選手が首位を占め続けている。 ウィリアムズ選手は過去4年にわたってフォーブスの年収ランキングでトップだった。その前はシャラポワ選手が5年連続で首位だった。 今年の男女混合のスポーツ選手ランキングでは大坂選手は29位、ウィリアムズ選手は33位だった。ランキングの全体は週明けにも発表されるが、そこに女性選手が2人含まれたことは2016年以降はないという。 両選手は2018年の全米オープン決勝戦で対決し、大坂選手はここで初のグランドスラム優勝を果たした。ウィリアムズ選手はこの試合で3回警告を受けている。 大坂選手はその後、2019年の全豪オープンでも優勝したものの、その後は不調に陥り、世界ランキングでは1位から10位に転落している。 大坂選手は、ナイキや日産自動車、ヨネックスといった大企業とスポンサー契約を結んでいるほか、新型コロナウイルスの流行で延期が決まった東京五輪に向けても数々の契約を獲得している。 (英語記事 Osaka becomes top-earning female athlete)

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    女子プロレスラーの木村花選手、22歳で死去 SNSで中傷されていたと示唆

    59365113331712 この記事に含まれる内容に影響を受けた方には、心の健康に関する情報をBBCアドバイス(英語)で提供しています。 また、日本の厚生労働省が運営する「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス総合サイト」も心の健康に関する情報や相談先を紹介しています。 (英語記事 Japanese wrestling star Hana Kimura dies aged 22)

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    イギリス首相顧問、ロックダウン中に親類宅へ 批判高まるも辞任しないと

    2020年05月24日 12:11 公開 イギリスで新型コロナウイルス対策に厳しいロックダウン(都市封鎖)が実施されている最中、ボリス・ジョンソン首相の上級顧問ドミニク・カミングス氏が、家族と共に国内を400キロ以上移動し親族を訪問していたことが英紙ガーディアンなどの報道で明らかになり、問題になっている。 カミングス氏は、妻がCOVID-19を発症したため、4歳の息子の面倒を見てもらうためだったとして、辞任するつもりはないと反論。ジョンソン内閣の閣僚も、カミングス氏を擁護している。 イギリスでは3月24日からロックダウンが実施され、政府は同居していない家族や親類とも会うのを控えるよう呼びかけてきた。違反者には罰金が科せられる。 カミングス氏がロンドンから北東部ダラムへ移動した正確な日付は明らかになっていないが、ダラム警察は3月31日に、カミングス氏が州内にいることを把握し、翌日にカミングス氏の父親に話を聞いたと発表している。 その際にカミングス氏の父は警察に、「息子がロンドンからイングランド北東部へ移動し、敷地内で自主隔離していると認めた」という。 カミングス氏は23日、報道陣に対して、自分は「まともに、合法的に」行動したと反論。政府が国民にロックダウン順守を呼びかけ、そのため大勢が家族に会えず、場合によっては看取ることもできずにいる状況で、首相顧問の自分が両親や親類に会いに行ったことは「傍から見てどうか」と問いただされると、「見た目なんか誰が気にする? 大事なのは、適切に行動するかだ。おたくらがどう思うかじゃない」と答えた。 さらに、辞任を考えるかどうか聞かれると、「もちろんしないよ」と答えた。 カミングス氏は続けて、「そのことについてもおたくらの予想は、ブレグジット予想と同じような精度だろう。あれについて皆さんの予想がどれだけ正確だったか、覚えてるか」と皮肉を付け加えた。 カミングス氏は、ブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)を決めた2016年の国民投票に向けて、離脱派運動の戦略担当者だった。ジョンソン内閣が発足すると上級顧問となり、昨年12月の総選挙でも与党・保守党圧勝の立役者になった。 <関連記事> 【解説】 英首相の上級顧問、ドミニク・カミングス氏とはどんな人物か? ジョンソン英首相、外出制限を「条件付き」で緩和へ 社会的距離は継続 野党スコットランド国民党やスコットランド労働党などは、カミングス氏の辞任もしくは罷免を求めている。最大野党・労働党は辞任は求めていないものの、首相官邸の説明からは「疑問の方が多く残った」と批判。ロックダウン中に自分の上級顧問がロンドンからダラムへ移動すると、首相がいつ知ったのかも不明だと指摘している。 労働党のレイチェル・リーヴス影の内閣府担当相は、「自分たちに対するルールとは別のルールが、首相の最高顧問には適用されるなど、イギリスの人たちは想定していない」と批判した。 英政府はこの日、22日に新しく282人が新型ウイルスで死亡したと発表。新型コロナウイルスによる感染症「COVID-19」で死亡が確認された人は、イギリスではこれで3万6675人に達した。 首相官邸で毎日開かれている定例会見でこれを発表したグラント・シャップス交通相は、カミングス氏が「家族のいるダラムにいた」と認めた。さらに、「危機の最中には誰でも、自分を助けてくれる家族の近くにいたいと願うものだし、この場合もそうだったのだと思う」と述べた。 なぜロンドンの自宅近くで手伝ってくれる人を探さなかったのかなど、カミングス家の「個人的状況については承知していない」と答えた。 政府のロックダウン政策に首相上級顧問の行動が合致するのか質問されると、交通相は「大事なのは、ロックダウン中は誰もが自分の場所にとどまることだ。ただし政府ガイダンスは、子供と暮らしている場合はできる限り助言に従うよう指示している。状況によっては全ての措置が可能ではないことも、承知している」と述べた。 さらに交通相は、ロックダウン措置の最善の実施方法について「決めるのは個人次第だ」と話した。 シャップス氏はさらに、ジョンソン首相はカミングス氏を「全面的に信頼」していると述べた。ジョンソン氏自身はまだこの件について発言していない。 首相官邸は、カミングス氏の行動について、妻がCOVID-19と疑われる症状を示し、自分も具合が悪くなるおそれが高いと懸念したため、子供の面倒をみてくれる親類のもとに身を寄せたのだと説明。両親や姉妹たちの家の近くに滞在し、姉妹やめいたちに食料や日用品を玄関外まで届けてもらっていたのだという。 閣僚も次々にツイッターなどで、カミングス氏は「家族を守ろうとした」のだと擁護している。 ガーディアンや英紙デイリー・ミラーが今月22日付記事でカミングス氏の行動を伝えると、首相官邸は当初、ダラム警察が本人や家族に事情を聞いていたという報道内容を否定していた。 しかし、ダラム警察は3月31日にカミングス氏の移動を把握し、翌日に父親に事情を聞いていたことを発表。ダラム警察のスティーヴ・ホワイト本部長は、政府のロックダウン政策の「精神そのものに照らせば」カミングス氏の行動は「きわめて不見識だった」と述べた。 ジョンソン首相は3月23日夜にロックダウン実施を発表した際、「同居していない家族とは会わないように」と呼びかけていた。 カミングス氏は3月30日の時点で、COVID-19のような症状が出ているため自宅で自主隔離中と伝えられていた。これに先立つ3月27日に、首相官邸はジョンソン首相が新型コロナウイルス陽性だと発表していた。 イングランド医務副主任のジェニー・ハリース氏は官邸会見で、「政府のガイダンスにはどれも、常識に応じた運用という要素が伴う。子供や大人を守るという側面もこれに含まれる」と述べ、「命が危険にさらされている」極端な状況ならばロックダウン中の移動も正当化されると話した。 カミングス氏が妻子とダラムに滞在していた3月31日の時点で、イギリス政府は市民に次のような指針を示していた――。 自主隔離のため、あるいは休暇のため、別荘や別宅を訪れない 別の家で滞在するために、自宅を離れない 移動先の地域社会や救急・医療などに負担をかけないよう、自宅を離れない 新型コロナウイルス特集 感染対策 基本情報:1分で解説 新型コロナウイルスについて知っておくべきこと 予防方法: 正しい手の洗い方 なぜ外出を控えるのか: 家にいることで人の命を助けられる 社会的距離とは: 2メートルってどれくらい? 感染対策に必要な距離 感染したか判断するには: 「具合が悪いんだけど、もしかして新型ウイルス?」 感染を判断する方法とは 心の健康:【解説】 新型コロナウイルス、心の健康はどう守る? 在宅勤務・隔離生活 在宅勤務:【解説】 より良い在宅勤務へ 便利なコツやツールは? 自主隔離:新型コロナウイルス、自主隔離でやるべきこと 必要なものの調達: 安全なデリバリーやテイクアウト、買い物の方法は (英語記事 Coronavirus: Dominic Cummings rejects calls to quit as PM's chief adviser)

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    アメリカのロックダウン、1週間早ければ「3・6万人の命救えた」=研究

    2020年05月24日 9:43 公開 米コロンビア大学の研究チームはこのほど、アメリカで1週間早くロックダウン(都市封鎖)を始めていれば、新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)が原因の死者数を3万6000人少なく抑えられていたはずだという推計を発表した。 この研究ではさらに、ロックダウンが2週間早い3月1日に始まっていれば、5万4000人の命が助かっていたと試算。これは研究対象となった5月3日までの死者6万5300人の83%に当たる。 米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、アメリカでは日本時間24日午前現在、9万7000人以上が亡くなっている。 ドナルド・トランプ米大統領は、この研究は「政治的な暗殺が目的だ」と一蹴している。 アメリカのロックダウンの経緯 研究では、実際より厳しい制限をより早く導入することで、その効果は劇的に変わったかもしれないことを示唆している。 それによると、研究によって「早期介入と積極的なウイルス対策の重要性が示された」という。 トランプ大統領は3月16日に、国民に対し移動を制限するよう指示した。これは世界保健機関(WHO)が、新型ウイルスがパンデミック(世界的流行)になったと発表してから5日後に当たる。 アメリカでは各州が異なる時期にロックダウンに入った。カリフォルニアとニューヨークはそれぞれ19日と23日にロックダウンを開始した。一方、最も遅かった州のひとつ。ジョージアでは4月3日にロックダウンを始めた。 トランプ政権が欠陥のある検査を導入し、その実施が遅れたことで、各州が2月から3月末にかけてアウトブレイクの情報を十分に持っていなかったこ可能性もあると批判する声もある。 トランプ大統領自身もこの期間は、感染リスクを軽視していた。 「私の決断はとても早かった」 ミシガン州を訪問中にこの研究について質問されたトランプ氏は、「私の決断はすごく早かった。だれが考えるよりも早かった」と話した。 その上でトランプ氏は、コロンビア大学の研究については、自分への政治的攻撃が目的だと一周した。 しかし研究は、他の政治家が市民に自宅待機を命じた時期についても疑問を投げかけている。 たとえばアメリカの感染の中心となったニューヨーク市では、ニューヨーク州全体がロックダウンされる1週間前に学校の閉鎖を決めている。 この研究について聞かれたニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は、「この国がもし情報をより多く、より早く得ていたら、もっとたくさんの人を救えたかもしれない」と認めた。 フォード工場を視察、マスクは「一部で着用」 トランプ大統領はこの日、ミシガン州の自動車大手フォードの工場を視察した。 アメリカでは全50州で一部の経済活動が再開されており、トランプ氏はアメリカ経済の再開を強調したい狙いがある。 ミシガン州では新型コロナウイルスで5000人以上が亡くなり、州別では4番目に多い。 ミシガン州のグレッチェン・ウィトマー知事(民主党)は厳しいロックダウン施策を導入していたが、共和党のトランプ大統領は「厳しすぎる」としてウィトマー知事を非難。4月半ばには、「ミシガンを解放しろ」とツイートするなどしていた。 ミシガン州では公共の場でのマスク着用を義務付けており、フォード工場も同様。一方でトランプ氏は報道陣の前ではマスクを着用しなかったが、工場の一部の場所では着けたと話した。 トランプ氏は、メディアのいる場所はマスクの着用が「不要」だと説明。一方で、別の場所ではゴーグルとマスクを着けたと話した。 「選んでいいと言われたので、フォードが着けてほしいという場所では着けた。マスクをした自分の姿をマスコミに見せて喜ばせたくない」 フォードの広報担当者は先に、工場の訪問者は全員、個人向け防護具(PPE)の着用が義務付けられるが、トランプ氏に関してはホワイトハウスが決めることだと話していた。 ミシガン州のダナ・ネッセル州司法長官はCNNの取材に対し、トランプ大統領がマスクをつけなかったことについて、「私たちはただトランプ大統領に、州法に従うよう求めているだけだ」と苦言した。 ネッセル長官はその後、公開書簡を発表し、トランプ氏には「分別のある予防策を取る法的責任だけでなく、社会的・道義的責任がある」と指摘した。 (英語記事 Earlier US lockdown 'could have saved 36,000 lives')

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    顔が2つある子猫が誕生 米オレゴン州

    2020年05月23日 13:44 公開 米オレゴン州で顔が2つある子猫が誕生した。飼い主一家は「ビスケットとグレイヴィー」と名付け、成長を見守っている。 子猫はどちらの口からもえさを食べられる。時には、片方の口で食べながら、もう一方で鳴くこともあるという。 2つの顔を持つ猫は、ローマ神話の双面神「ヤヌス」にちなんでヤヌス猫と呼ばれる。 通常こうした猫は非常に短命だが、一家は前向きに子猫を世話している。

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    バイデン氏、トランプ氏支持を考える黒人有権者は「黒人じゃない」

    2020年05月23日 13:09 公開 今年秋の米大統領選で野党・民主党の候補になる見通しのジョー・バイデン前副大統領(77)は22日、自分ではなくドナルド・トランプ米大統領に投票しようか少しでも考えているようなアフリカ系アメリカ人の有権者は「黒人じゃない」と発言した。民主党にとって伝統的に、アフリカ系有権者は重要な支持基盤なだけに、バイデン氏と民主党は釈明に追われている。 失言が多いことでも知られるバイデン氏は22日、黒人の間で人気のラジオ司会者によるインタビューで、自分は黒人コミュニティーと以前から強い結びつきがあると強調。今年3月の民主党予備選でも、民主党支持者の6割以上がアフリカ系のサウスカロライナ州で圧勝したことに触れた。 それまで苦戦が続き、撤退もうわさされていたバイデン氏は、このサウスカロライナ圧勝によって一気に挽回した。それだけに、黒人有権者の支持はバイデン氏にとって不可欠なものと見られている。 サウスカロライナ予備選についてバイデン氏はラジオで、「自分は州の全ての郡で勝った。黒人票の得票率は、バラクを含めて今まで誰も得られなかったほどだ」と、バラク・オバマ前大統領を引き合いに出して、自分が黒人有権者から圧倒的に支持されたことを強調した。 18分間のインタビューの終盤、副大統領候補には白人のエイミー・クロブシャー上院議員を検討しているのではないかと繰り返し尋ねられると、バイデン氏は副大統領候補に複数の黒人女性も検討していると強調。バイデン氏はすでに、副大統領候補には女性を選ぶと約束している。 側近がそろそろ時間だと割って入り取材を終わらせようとすると、人気司会者のシャーラメイン・ザ・ゴッド氏は、「黒人メディアにそんなことしちゃだめだ」と抗議した。 するとバイデン氏は、「白人メディアにも黒人メディアにも同じようにするよ」と答え、自宅に整えた放送スタジオを妻が使う番なのだと説明した。 シャーラメイン氏はバイデン氏に、まだ質問がたくさんあるのでインタビューの第2弾の実現を呼びかけた。 これに対してバイデン氏は、「僕を支持するのかトランプを支持するのか、なかなか決められないっていうなら、その人は黒人じゃないよ」と答えた。 シャーラメイン氏のこの番組「ブレックファスト・クラブ」は全米で放送され、毎月のリスナーは800万人以上。 バイデン氏はインタビューの後、黒人ビジネスリーダーたちとの電話会議で、発言は「軽率」だったと釈明。 「アフリカ系アメリカ人のコミュニティーに応援してもらって当たり前だなど、そんなことは一度も決して思ったことはない」 こう述べた上でバイデン氏は、「軽口を叩くべきではなかった」と認め、「自分の人種や宗教や経歴がこうだから誰に投票しなくてはならないなど、そんなことは決してない」と強調した。 この発言に先立ち、米クイニピアック大学が公表した世論調査の結果によると、黒人有権者の81%がバイデン氏を支持すると答えた。トランプ氏を支持するという回答は3%で、残りは「分からない」と答えた。 各陣営の反応は バイデン選対本部のシモーン・サンダース顧問は、バイデン氏の発言は「冗談だ」と説明。 「副大統領が何を言ったのか、はっきり確認しましょう。アフリカ系アメリカ人コミュニティーと自分のこれまでの関係について、いつでもどこでもトランプのそれと比べてもらいたいと、そう言っただけです」 トランプ陣営のカトリーナ・ピアソン顧問は、バイデン氏の発言は「人種差別的で、相手の人間性を奪うものだ」と批判。「77歳の白人男性の自分が、黒人の人たちにどう投票しろと命令できると本当に思っている」のだと述べた。 アフリカ系で与党・共和党所属のティム・スコット上院議員も「これほど傲慢で人を見下した発言を聞くのは久しぶりだ」と、保守系フォックスニュースに話した。 バイデン氏が属する民主党側からも、発言を批判する声が上がっている。ビル・クリントン元大統領の元側近、キース・ボイキン氏は、「もちろん黒人にとって、人種差別者トランプよりバイデンの方がはるかにまともな選択肢だ」と述べた上で、「それでも白人が黒人に、黒人とはこうするものだと言うなどあり得ない。バイデンはこれから自分自身の行動で、我々の票を得る資格を示さなくては」と苦言した。 バイデン氏の発言に「激怒している」という有権者のビデオも、広く拡散された。ディオン・ジョーセフさんは、「だからってもう片方に入れると言ってるわけじゃない(中略)共和党は自分たちのために何もしてくれない。自分が問題視しているこれはたったひとつの出来事だが、ジョー・バイデン、あなたの今日の発言は、有権者として今まで聞いたことがないほど人種差別的で人を見下したものだった。自分が黒人男性としてどういう人間か、それは誰に投票するかによって決まることじゃない」と強く批判した。 https://twitter.com/ofcrdeonjoseph/status/1263961864687386624 セクハラ疑惑では女性の弁護士辞任 バイデン氏が上院議員だった1993年に性的暴行を受けたと元スタッフが名乗り出ている問題では、著名弁護士が弁護を辞任した。 複数の「#MeToo」の訴えを担当してきたダグラス・ウイグドー弁護士は21日、タラ・リード氏の弁護人を辞任すると発表した。弁護士は、これはリード氏の信用性とは無関係のことで、一部のマスコミがリード氏の信用を失墜させようとしていると批判した。 上院の廊下でバイデン氏に暴行されたと訴え出ているリード氏について、その経歴を疑問視する報道がアメリカでは相次いでいる。 ワシントン州シアトルのアンティオック大学で学位を得たと履歴書に書かれていたものの、同大学広報は米紙ニューヨーク・タイムズにその事実はないとコメントした。 リード氏は、上院議員だったバイデン氏の法務顧問だったと発言していたが、実際にはスタッフ助手だった。 一方で、シアトル大学は米政治ニュースサイト「ポリティコ」に、リード氏は同大学で法学の学位を修めたと話している。 リード氏は過去に複数の家庭内暴力裁判で専門家証人として証言していた。その担当弁護士たちは、リード氏に経歴詐称の疑いがあるとして、裁判のやり直し請求を検討しているという。 (英語記事 Biden: Black voters considering Trump 'ain't black')

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    トランプ氏服用の抗マラリア薬、死亡リスク増大で治療効果みられず=英医学誌

    2020年05月23日 12:44 公開 英医学誌ランセットは22日、ドナルド・トランプ米大統領が新型コロナウイルスの感染症「COVID-19」予防のために服用していると発言した抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」について、患者の死亡リスクを高めるとする研究結果を掲載した。 アメリカやスイスの研究者たちの報告によると、ヒドロキシクロロキンを患者に投与しても治療効果はみられなかったという。 ヒドロキシクロロキンはマラリアやループス腎炎、関節炎などの治療には安全に使用できるが、COVID-19への効果は実証されておらず、複数の公衆衛生当局が心臓に悪影響を及ぼす恐れがあると警告している。 しかし、トランプ大統領はCOVID-19の治療薬になり得ると繰り返し主張していた。今月18日には予防のために服用していると明かした。 抗マラリア薬投与で死亡率18% この研究では、新型ウイルス患者9万6000人のデータが用いられた。このうち約1万5000人が、ヒドロキシクロロキンあるいはそれに類するクロロキンを、単独もしくは抗生物質との併用で投与されていた。 その結果、抗マラリア薬を使わなかった患者に比べ、使った患者は入院中に死亡する確率が高く、心拍異常がみられたという。 致死率は、ヒドロキシクロロキンを投与された患者では18%、クロロキンでは16.4%、これらを投与されていない場合は9%だった。ヒドロキシクロロキンあるいはクロロキンを抗生物質と併用で投与された場合の致死率はさらに高かった。 研究者たちはヒドロキシクロロキンを臨床試験以外で使用すべきではないと警告している。 トランプ氏は、自分は新型コロナウイルス陽性ではないが、「プラスの効果」があると思うのでヒドロキシクロロキンを服用していると発言していた。 医療者4万人に臨床試験も 果たしてヒドロキシクロロキンでCOVID-19を防げるのか、臨床試験が進められている。新型ウイルス患者と接触している欧州やアフリカ、アジア、南米の医療従事者4万人以上が、臨床試験の一環としてこの薬を投与されることになっている。 ホワイトハウスの新型ウイルス対策タスクフォースの調整官、デボラ・バークス医師は、ランセット掲載の研究結果について問われると、米食品医薬品局(FDA)はこれまで、抗マラリア薬を新型ウイルス予防あるいは治療に用いることについて「非常に明確」に懸念を示してきたと述べた。 世界保健機関(WHO)の米州支部「汎米保健機関」(PAHO)のマルコス・エスピナル博士は、新型ウイルス治療にヒドロキシクロロキンの使用を推奨する臨床結果は1つもないと強調している。 新型コロナウイルス特集 感染対策 基本情報:1分で解説 新型コロナウイルスについて知っておくべきこと 予防方法: 正しい手の洗い方 なぜ外出を控えるのか: 家にいることで人の命を助けられる 社会的距離とは: 2メートルってどれくらい? 感染対策に必要な距離 感染したか判断するには: 「具合が悪いんだけど、もしかして新型ウイルス?」 感染を判断する方法とは 心の健康:【解説】 新型コロナウイルス、心の健康はどう守る? 在宅勤務・隔離生活 在宅勤務:【解説】 より良い在宅勤務へ 便利なコツやツールは? 自主隔離:新型コロナウイルス、自主隔離でやるべきこと 必要なものの調達: 安全なデリバリーやテイクアウト、買い物の方法は (英語記事 Trump drug 'raises death risk in Covid patients')