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    ハリー英王子とメガン妃、公務退き「殿下」の敬称返上へ 王室発表

    必要性を判断するための独立した手続きは、すでに十分確立されている」と述べた。 きっぱりとした区切り BBCのジョニー・ダイモンド王室担当編集委員は、「ハリーとメガンは王族の一員であり続けるが、実質的には王族ではなくなる」と説明。「王族としての称号も公務も、軍務も、内外の歴訪もなくなり、主にカナダで生活し、公的資金の補助も受けない」という結論について、「これ以上きっぱり」とした区切りは考えにくいと述べた。 一方で、BBCのニコラス・ウィッチェル王室担当編集委員は、バッキンガム宮殿の今回の声明からは、サセックス公爵夫妻がイギリスやカナダで、税務や移民法の上でどういう扱いを受けるのかなど、まだ不明だと指摘した。 たとえば、公爵夫人が今後、イギリス市民権の取得に必要なだけの時間をイギリスで過ごすことになるのか、あるいはイギリス市民権を取得するつもりがまだあるのかなど、王室は明確に答えていないという。 王室に詳しいジャーナリストのペニー・ジュナー氏は、今回の取り決めは「最善の結果で、これで実際に破局を回避できる」と評価した。 「夫妻が慈善団体の支援を続けられるのは、まったく素晴らしいと思う。2人ともこの世界をより良い場所にしたいと、情熱を注いでいるので」とジュナー氏は歓迎する一方、「損をするのはイギリス国民だ」と指摘。 「2人はどこへ行っても、そこをキラキラと素敵にできる人たちなので、私たちはさびしくなる。けれども明らかに2人は、つらい思いをしていた」 夫妻はすでに、エリザベス女王とチャールズ皇太子、ケンブリッジ公爵ウイリアム王子の承認を得て、イギリスと英連邦に属するカナダの間を行き来する移行期間に入っていた。 夫妻は年末年始をカナダで過ごし、メガン妃は9日にあらためて息子アーチーちゃんとカナダに到着。14日には、10代少女の貧困と戦う慈善団体を訪れた。 ハリー王子は16日、バッキンガム宮殿でラグビー・ワールドカップの抽選会を主催。公務から距離を置くと発表してから初の公務だった。 (英語記事 Harry and Meghan drop royal duties and HRH titles)

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    「誰も予想していなかった」 プーチン氏の計画とは?

    、ミハイル・ミシュスチン連邦税務局長官が後任に任命された。 プーチン大統領は何を計画しているのか? BBCのサラ・レインフォード・モスクワ特派員が説明する。

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    米政府は「法を破った」 ウクライナ疑惑で政府監査院が認定

    2020年01月17日 14:18 公開 アメリカの政府監査院(GAO)は16日、米政府が違法行為をしたと発表した。議会が承認したウクライナへの支援を留保したことが法律違反だと認定した。 この発表は、米議会上院でドナルド・トランプ大統領の弾劾裁判が始まったタイミングと重なった。 トランプ氏は、ウクライナに政敵の捜査を進めるよう圧力をかける目的で、同国への支援を凍結させたと告発されている。 一方、ウクライナも、トランプ氏の弾劾裁判に関係する、独自の調査を開始した。 「法が認めないことをした」 GAOは、トランプ政権によるウクライナ支援の凍結について、「議会が立法した内容を大統領が自らの優先政策と置き換えることは、法の誠実な執行上、認められていない」と指摘。 ホワイトハウスの行政管理予算局(OMB)が、「執行留保統制法(ICA)で認められていない、政策上の理由による支援の留保をした」と認定した。 1974年制定のICAは、議会が決定した支援を政府が留保するのを違法としている。また、政府が支援を遅らせたり止めたりする場合は、事前に議会下院に通告しなければならないと定めている。 トランプ政権は、この事前通告をしなかった。 ICAに違反しても罰はない。過去に複数人の大統領が、GAOにより法律違反を認定されている。 ICAは、OMBが支援実施のために訴訟を起こすことを認めているが、実際に訴訟を起こしたのは1件だけだ。 トランプ政権は反発 GAOの判断に対し、米政府は不同意を表明。「メディアで注目の議論に加わろうと」していると批判した。 一方、野党・民主党は歓迎。トランプ氏に犯罪行為はなかったとする共和党の主張を否定するものだとした。 民主党のナンシー・ペロシ下院議長は16日朝の記者会見で、政府は「法を破った」と述べた。 前駐ウクライナ大使を監視したか トランプ氏をめぐっては、ウクライナでも刑事捜査が始まった。トランプ氏の支持者らが、前駐ウクライナ大使のマリー・ヨヴァノヴィッチ氏にスパイ行為をしていたかが焦点だ。 ウクライナ系アメリカ人の実業家レフ・パルナス被告から得られた手紙や電話記録などは、ヨヴァノヴィッチ氏が監視されていたことを示している。 パルナス被告は、トランプ氏の個人弁護士ルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長の側近。 米下院民主党が弾劾審議に出した証拠は、パルナス被告とジュリアーニ氏が、ヨヴァノヴィッチ氏の排除について協議したことを示している。ヨヴァノヴィッチ氏は昨年5月に解任されたが、理由は不明のままだ。 パルナス被告は15日、米テレビ局MSNBCで、ヨヴァノヴィッチ氏はトランプ氏が承認した計画の邪魔をしたため解任されたと主張。計画は、米政府がウクライナ政府に対し、ジョー・バイデン前副大統領(民主党)の捜査について発表するよう促すものだったとした。 バイデン氏は今年11月の大統領選で、トランプ氏の対抗相手となる可能性がある。 トランプ氏は「完全に知っていた」 パルナス被告はまた、トランプ氏とジュリアーニ氏の代理としてウクライナに行き、バイデン氏と息子のハンター氏の捜査を進めるよう、当局に圧力をかけたと述べた。 そして、トランプ氏は「何が起きているが完全に知っていた」とし、こう続けた。 「ルディ・ジュリアーニや大統領の了解なしには、私は何もしない。(ウクライナのウォロディミル・)ゼレンスキー大統領の側近や(内務省のアルセン・)アワコフ大臣などの人々、(ペトロ・)ポロシェンコ(前)大統領が私と会うのはなぜか?」 「私は誰だというのか? 彼らは私と会うよう言われていた。これが彼らの隠そうとしている秘密だ。私は彼らの仕事をするため現地にいたのだ」 関連書類からは、パルナス被告がジュリアーニ氏やウクライナ当局者らと定期的に連絡を取っていたことがわかる。 パルナス被告の自筆メモには、「バイデン事案を捜査するとゼレンスキーに発表させる」と書かれており、同被告がゼレンスキー氏への働きかけに直接関わったことをうかがわせる。 「写真は誰とでも撮る」 パルナス被告はまた、バイデン氏について捜査しない限り、マイク・ペンス副大統領がゼレンスキー大統領の就任式に出席することはないと、ウクライナ当局者に伝えたと述べた。 トランプ氏はこれまで、パルナス被告のことを知らないと話している。 パルナス被告やジュリアーニ氏の部下らと一緒に写った写真があることについては、トランプ氏は、「誰とでも写真を撮るから、彼らと一緒に撮った可能性はある」と述べた。 (英語記事 White House 'broke law' by withholding Ukraine aid)

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    トランプ氏の弾劾裁判が開廷、来週から本格審理 米上院

    2020年01月17日 12:48 公開 米上院で16日、ドナルド・トランプ大統領のウクライナ疑惑をめぐる弾劾裁判が開廷した。陪審員役を務める上院議員100人が宣誓を行った。 ジョン・ロバーツ連邦最高裁長官が、上院議員らに、「公正な裁きを行う」との宣誓を促した。 ロバーツ長官は議員に対し、「あなた方は、ドナルド・トランプ合衆国大統領の弾劾裁判に付随する全ての事柄について、憲法と法律に則り、公正な裁きを行うことを、厳粛に神に誓いますか」と尋ねた。 これに対し、議員らは「誓います」と答え、同意書に署名した。 共和党幹部のミッチ・マコネル上院院内総務は、審理を21日午後1時に開始すると述べた。今後数週間でトランプ大統領の罷免の是非が決まることとなる。 「完全にでっちあげ」 トランプ氏はホワイトハウスで、弾劾裁判は「非常に迅速に進められるべきだ」と、記者団に述べた。 「これは、完全にでっちあげだ。(中略)選挙で勝とうとする民主党の、いんちきなでっちあげだ」 トランプ氏はまた、「(ウクライナとの)完璧な電話をしたこと」で弾劾されたとツイートし、怒りをあらわにした。 トランプ大統領の弁護団は正式に発表されていないが、ホワイトハウスのパット・シポローニ法律顧問とジェイ・セクロウ法律顧問が担当するとみられる。 <関連記事> トランプ氏、内部告発者とされる名前をSNSで拡散 批判高まる 米共和党幹部、弾劾裁判で「証人喚問は除外していない」 米共和党の上院院内総務、「大統領弾劾は有毒な前例」 2つの弾劾条項 トランプ大統領には、次期大統領選で対立候補になるかもしれないジョー・バイデン前副大統領(民主党)とその息子について、ウクライナに汚職捜査をさせようと働きかけた「権力乱用」の疑いがかけられている。 民主党は、トランプ大統領が、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に対し、捜査着手への圧力をかけるために、ウクライナへの3億9100万ドル(約420億円)の軍事支援を延期したと主張している。 さらに、ウクライナへの働きかけについて下院が調査を始めると、これに抵抗し、妨害しようとした「議会妨害」の疑いもかけられている。 米下院本会議は昨年12月、権力乱用と議会妨害について弾劾条項2項目をいずれも可決した。 トランプ氏は、1868年のアンドリュー・ジョンソン元大統領と1998年のビル・クリントン元大統領につづき、下院に弾劾された3人目の米大統領となった。 トランプ氏は不正行為を否定しており、一連の疑惑は「でっちあげ」だと主張している。 弾劾裁判で何が 上院のマイケル・ステンジャー守衛官が弾劾裁判の開廷を宣言すると、アダム・シフ下院情報委員長(民主党)が弾劾条項を読み上げた。 弾劾裁判で検察官役を務める「弾劾マネジャー」7人の1人であるシフ氏は、これほど徹底的に弾劾調査を妨害しようとした米大統領はこれまで誰もいなかったと述べた。 チャック・シューマー上院院内総務(民主党) は、この裁判で新たな証人の召喚や、資料の提出を許可するよう、改めて求めた。 「これらの容疑の重大さは明らかだ。下院は、トランプ大統領が自分の利益のために外国首脳を揺さぶろうとしたと非難している」 弾劾条項の読み上げでは、今年の上院選で厳しい戦いが予想されているスーザン・コリンズ上院議員(共和党、メイン州選出)が涙をぬぐう場面があった。 民主党上院議員からは、トランプ大統領と完全に連携して働くと誓ったマコネル上院院内総務について、公正な陪審員としての厳粛な任務を無効にしようとしているとして、激しい批判が上がった。 この日の手続きの終了後、シューマー氏は記者団に対し、「マコネル氏は、大統領にならって行動するだろうと述べた。我々は、誰にもならっていない」と述べた。 シューマー氏は来週にも、証人喚問を行うかどうかを採決したいとしている。 マコネル氏は、証人喚問の可能性を排除していない。マコネル氏は、弾劾裁判について、1999年に行われた、当時のビル・クリントン大統領の弾劾裁判を参考にした形式になるだろうと示唆した。 クリントン氏の弾劾裁判では、冒頭陳述が行われ、書面による質疑応答が設けられた。また、それに基づいてどの証人を召喚するのかを決定した。 弾劾手続きとは 合衆国憲法第2条第4節は、「大統領並びに副大統領、文官は国家反逆罪をはじめ収賄、重犯罪や軽罪により弾劾訴追され有罪判決が下れば、解任される」と規定している。 弾劾訴追権は下院が、弾劾裁判権は上院がそれぞれ持つ。 下院でこの弾劾決議案を可決した後、上院が弾劾裁判を行う。上院議員の3分の2以上が賛成すれば、大統領を解任できる。 上院は、定数100議席のうち共和党が53議席を占める。解任の動議成立に必要な3分の2以上の賛成票を得るには、多数の共和党議員が造反する必要があるため、大統領が実際に解任される見込みは薄い。 (英語記事 Senators sworn in for Trump impeachment trial)

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    注目と同情のため? TV生放送で殺人「告白」、男を逮捕 インド

    誰か弁護士が自分の事件を担当してくれることを期待していた。容疑者は弁護士を雇う金がなかったので」と、BBCパンジャブ語のアルヴィンド・チャブラ氏に述べた。 過去に殺人罪で有罪に ニュース18によると、シン容疑者は2010年に他の女性を殺害した罪で、2014年に有罪判決を受けていた。 パンジャブ州の警察はBBCの取材で、容疑者は隣接するハリヤナ州で、前のガールフレンドの殺害事件の捜査が行われる中、保釈されていたと述べた。 (英語記事 Indian arrested after confessing to murder on TV)

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    ツイッターが謝罪、「ネオナチ」など憎悪の言葉でターゲット広告

    性愛嫌悪者、その他のヘイト(憎悪)団体の支持者らに向けてターゲット広告を出せるようにしていたことが、BBCの調査で明らかになった。ツイッターはこの調査を受けて謝罪している。 BBCが調査したところ、ユーザーの中から「トランスジェンダー嫌悪」、「白人至上主義」、「反同性愛」といった言葉に関心を示した人を狙い、広告を打つことが可能だった。 ツイッターでは、特定の事柄について投稿や検索をしたユーザーを対象に選んで、広告を出すことができる。 反ヘイト団体はこの広告システムについて、不寛容の拡散や、右翼のプロパガンダに利用されかねないと懸念を表明している。 ツイッターでは他のSNSと同様、ユーザーの投稿や閲覧、共有といった活動のデータを収集している。 広告主はこうしたデータから、例えば「10代の子を持つ親」や「アマチュア写真家」といった属性で抽出したターゲットに広告を打つことができる。 また、キーワードを特定して広告を見るユーザーを制限したり、広告を見ることのできるユーザー数を推測することもできる。 匿名アカウントで調査 ツイッターでは、広告対象の抽出に特定の言葉を使うことを制限しているはずだった。 しかし、今回のBBCの調査では、差別的な言葉が除外されていなかったことが分かった。 例えば、「ネオナチ」をキーワードにした場合、イギリスでは6万7000人~8万1000人が、広告の対象になり得るとの結果が表示された。 BBCは、「明けましておめでとうございます」とだけ投稿した匿名アカウントを作成。その後、3つの配慮が必要なキーワードで、広告のターゲット抽出を行った。 ツイッターによると、広告は事前にツイッター側の審査を受けることになっており、この匿名アカウントも当初は「承認待ち」のステータスとなった。 しかしすぐに承認され、BBCが広告を取り消すまでの数時間、稼動した。この間、37人が広告を閲覧し、うち2人がリンクをクリックした。 配慮の必要な言葉でも 「イスラム嫌悪」では、対象となり得るユーザーは9万2900~11万4000人に上った。 また、影響を受けやすい層を狙って広告を出すことも可能だった。 「拒食症(患者)」と「過食症(患者)」をキーワードに、13~24歳に限定して広告を出したところ、対象は推定2万人に上った。この広告は255人に見られ、14人がリンクをクリックした。 <関連記事> ツイッター、休眠アカウント削除を一時中断 「追悼」機能追加へ 米ツイッター、政治広告を11月から禁止 トランプ陣営は反発 ツイッターとFB、香港デモ妨害の「中国関連」アカウントを削除 ツイッターは、キーワードに関する方針が正しく適用されていなかったと認め、次のように述べた。 「今回のケースでは、これら(禁止している差別語など)の言葉を、広告の狙い打ちのために使うことが許されていた。エラーだった」 「起きたことに対し、非常に申し訳なく思っている。問題を認識してすぐに是正した」 (英語記事 Twitter sorry for letting adverts target neo-Nazis)

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    中国・武漢の新型ウイルス、2人目の死者 日本でも感染者

    2020年01月17日 11:28 公開 中国内陸部の武漢で昨年12月から新型ウイルスが原因とみられる肺炎が多発する中、当局は16日、2人目の死者が出たと明らかにした。 死亡したのは69歳の男性で、武漢市内の病院で治療を受けていた。中国におけるこの新型ウイルスの死者は、61歳の男性に続き2人目。 また、日本の当局はこのウイルスの感染者が国内で確認されたと発表。中国国外で感染者が見つかったのは、タイに続き2カ国目となった。 コロナウイルスが原因か この肺炎はコロナウイルスが原因とみられている。コロナウイルスは、風邪の症状から致死性の高い重症急性呼吸器症候群(SARS)まで、さまざまな呼吸器疾患を引き起こすことで知られる。 これまでに数十人が新型ウイルスに感染しており、多くが武漢の魚市場「華南海鮮卸売市場」の関係者だという。この魚市場は1月1日に閉鎖されている。 SARSは2002~2003年に中国で発見され、26カ国で8000人以上が感染。700人以上が死亡した。中国では2004年5月以降、SARSの感染例は見つかっていない。 国外でも感染者 日本の当局は16日、武漢に渡航していた30代の神奈川県在住の男性が新型ウイルスに感染していたと明らかにした。 日本のメディアは、男性は中国籍だと報じている。 新型ウイルスが人から人に感染するかは明らかになっていない。 タイでは8日、武漢から帰国した女性がこのウイルスに感染していることが確認されている。この女性はバンコクに到着後、隔離されたという。 (英語記事 'Sars-family' virus claims second victim in China)

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    旅客機の放出した燃料が学校に、児童ら60人が手当て 米ロサンゼルス

    2020年01月16日 17:50 公開 米ロサンゼルスで15日、エンジン不良による緊急着陸のためデルタ航空機が燃料を放出し、影響が学校にも及んだ。 少なくとも60人が皮ふのかゆみや呼吸困難を訴えて手当てを受けた。被害者の多くが児童だった。 航空機は緊急着陸の際などに燃料を放出することがあるが、人のいない地域で、高い高度で行うことが求められている。

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    子宮移植で生まれた「奇跡の赤ちゃん」 米で2例目

    2020年01月16日 15:50 公開 ジェニファー・ゴブレヒトさんは子宮移植手術を受けて、息子のベンジャミンちゃんを産んだ。 ベンジャミンちゃんはアメリカで2例目となる、子宮移植手術によって生まれた赤ちゃんだ。 ジェニファーさんは、米フィラデルフィア州の病院ペン・メディスンで行われた子宮移植の臨床試験に参加した。

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    米富豪の性的人身取引、12歳少女も 米ヴァージン諸島で起訴

    2020年01月16日 15:22 公開 カリブ海の米ヴァージン諸島の検察は15日、米富豪ジェフリー・エプスティーン被告(故人)について、最年少で12歳の子どもを含む少女たちを個人所有の島で性的に虐待していたとして起訴した。 エプスティーン被告は、もっとも近くて2018年にも、少女の性的人身取引に関わった疑いがもたれている。 2005年以降の虐待の罪に関して、ニューヨークで裁判が予定されていたが、昨年8月にニューヨークの拘置所で死亡した。 「島を使って犯行」 米ヴァージン諸島の検察は、エプスティーン被告が個人所有の島に少女たちを「引き込み、雇い入れ」、性交を強制したと指摘している。 ヴァージン諸島で同被告が訴追されたのはこれが初めて。同被告はヴァージン諸島の2島(推定資産価値計8600万ドル)を所有しており、今回の裁判はこの2島と、個人資産5億7700万ドル(約634億円)の一部の接収を目的としている。 <関連記事> アンドリュー英王子の証言求める方針 死亡米富豪の人身取引裁判で弁護士 ニューヨークの拘置所で死亡の米富豪めぐり、所長や看守を処分 米富豪、未成年の性的搾取疑惑で起訴 トランプ大統領とも交流 ヴァージン諸島のデニス・N・ジョージ検察官は、「エプスティーンが自分の行いを隠し、拡大するのに、ヴァージン諸島と島内の住居を使ったことは明らかだ」と指摘。 「エプスティーンとその仲間は、未成年の少女をヴァージン諸島に連行し、閉じ込め、性的虐待を加え、深刻な身体的、精神的、感情的な傷を負わせた」 裁判所に提出された書類によると、以前にも同様の罪で有罪となったエプスティーン被告は、2017年6月、性犯罪者の定期監視に訪れた職員に対し、島の1つに立ち入りを認めなかった。 さらに、女性や少女をヴァージン諸島に連れ込むためにビザ(査証)を偽造したほか、被害者の女性たちの島内での動向をデータベースで管理していた。 15歳の少女がエプスティーン被告らとの性行為を強要された後、島から泳いで逃げようとしたケースもあった。 この少女は途中で捕まり、エプスティーン被告にパスポートを取り上げられた。 エプスティーン被告は、ヴァージン諸島に居住登録をしていた。自殺する数日前には、最新の遺書をヴァージン諸島の役所に提出していた。 (英語記事 Epstein private island 'abuse' revealed in lawsuit)

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    ロシア内閣総辞職、プーチン氏は憲法改定を提案 院政の布石か

    期満了を迎える。しかし、その後も陰で権力を維持しようとしているとの憶測が流れている。 ロシア政府筋はBBCの取材に対し、閣僚は内閣総辞職を事前に知らされておらず、「寝耳に水だった」と述べた。 「責任が増大する」 現行の憲法では、大統領が首相を指名し、下院の同意を得て正式に任命する。 プーチン大統領は憲法改定によって、首相や閣僚の任命における下院の「責任が増大する」と述べた。 また、プーチン氏は、自分が率いる国家評議会の役割拡大も示唆した。 改定案のそのほかの内容は以下の通り。 国際法の優位性を制限 大統領任期を「連続2期まで」から「最大2期まで」に変更 他国の市民権や永住権などを持つ者が大統領候補になることを禁止する法律の強化 BBCのサラ・レインズフォード、モスクワ特派員は、プーチン大統領は安定を好む人だとした上で、内閣総辞職は大きな驚きだったと話す。 今回の動きは、任期満了後の権力基盤を固め、権力を拡大するというプーチン氏の大きな計画の一部のようだと、レインズフォード氏は考えている。 内閣総辞職 メドヴェージェフ首相は、国営テレビを通じて内閣総辞職を発表した。隣にはプーチン大統領の姿があった。 プーチン氏が提案した憲法改定について、メドヴェージェフ氏は、「これらの変更点が承認された場合、(中略)憲法全体にだけでなく、権力の均衡全体や執行権、司法権にも大きな変化をもたらすだろう」と述べた。 「こうしたことから(中略)現在の内閣は総辞職する」 プーチン氏はメドヴェージェフ氏のこれまでの仕事ぶりに感謝した一方で、「すべてのことが」達成されたわけでは「ない」と述べた。 プーチン氏は、メドヴェージェフ氏に対し、自分が議長を務める国家安全保障会議(NSC)の副議長への就任を打診した。 メドヴェージェフ氏の後任には、ミハイル・ミシュスチン連邦税務局長官が任命された。 陰の実力者 2008年から2012年までの間、プーチン氏は首相を、メドヴェージェフ氏は大統領を務めた。プーチン氏は首相だったにも関わらず、陰の実力者だと目されていた。 野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏は、憲法改定をめぐるいかなる国民投票も「くだらない詐欺行為」になるだろうとした上で、プーチン氏の狙いは「生涯、唯一の指導者」になることだと述べた。 ロシアで国民投票が行われたのは、1993年に当時のボリス・エリツィン政権下で憲法を承認したのが最後。 1999年のエリツィン氏辞任に伴い、プーチン氏は大統領代行を務め、2000年に大統領に就任した。以降、権力を握り続けている。 (英語記事 Russian government resigns as Putin plans future)

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    小泉環境相が育児休暇取得へ、日本の現職閣僚としては初

    2020年01月16日 12:50 公開 日本の小泉進次郎環境相(38)が15日、育児休暇を取得する予定であると発表した。日本では父親が育児休暇を取ることは珍しく、メディアで大きく取り上げられている。 小泉氏は昨年、フランス系日本人でアナウンサーの滝川クリステル氏(42)と結婚。今月末にも第1子が生まれる予定だ。小泉氏はそれに合わせ、2週間の育児休暇を取得すると述べた。 日本の現職の男性閣僚が育児休暇を取得するのは初めてとなる。 日本では、出産後に1年間、男女共に育児休暇の取得が認められている。 しかし2018年の統計によると、働き続けなければならないという圧力から、男性の取得率はわずか8%。一方、女性は82%が取得している。 <関連記事> 「先を急ぐ若者」小泉進次郎氏 日本政界を駆け上がる 【ワークライフ・ジャパン】育児休暇や副業……IT社長が率先する働き方改革 NZ首相、国連総会に赤ちゃん同行 おむつ交換に日本代表団びっくり 小泉氏は会見で、「これまで言ってきた通り公務最優先、危機管理万全という条件で、母親の負担が大きい出産から3カ月の間で、(中略)通算2週間、育休を取得したいと考えています」と説明した。 公務については電子メールやビデオ会議を多く利用するほか、必要であれば副大臣などに代理を頼むこともあると話した。一方で、国会や閣議など「重要な公務」は休まないとしている。 小泉氏は昨年から、育児休暇取得を示唆しており、議論を巻き起こしていた。 こうした議論については、「(育休を)検討していますと、そう言っただけで、こんなに世のなか色んな賛否両論含めて騒ぎになるということが日本て堅いね、古いね」と話した。 (英語記事 Japan minister's paternity leave breaks new ground)

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    子供訪ね住居侵入で起訴の豪男性、日本で有罪 共同親権訴え

    2020年01月16日 12:38 公開 子供を訪ねて、義理の両親が住むマンション共用部分に侵入したとして、住居侵入罪に問われた日本在住のオーストラリア人男性が15日、東京地裁で懲役6カ月、執行猶予3年の有罪判決を受けた。 豪民放SBSのサッカー・ジャーナリストだったスコット・マッキンタイヤ氏は昨年11月、義理の両親が暮らすマンションの共用スペースに侵入したとして逮捕された。 家族との関係が破綻した5月以降、子供に会っていなかったという。 日本は先進国としては珍しく、父母が婚姻していないと、共同親権が認められない。 「文明社会の一員になってほしい」 マッキンタイヤ氏は、不法侵入について謝罪。10月に日本を襲った台風19号「ハギビス」の後、子供たちが無事だったかを確かめたかったと話した。 妻について、現在11歳と8歳の子供を誘拐し、連絡を取れなくしたと非難している。 一方、マッキンタイヤ氏の元パートナーは、同氏に暴力を振るわれたとしている。同氏はこれを否定している。 同氏は逮捕から裁判まで1カ月以上勾留された。照明がついたままの部屋に閉じ込められ、風呂は不定期にしか入れなかったという。 https://twitter.com/Abishop32/status/1217369776357400578 判決の言い渡しで、東京地裁の多田裕一裁判官は、「この刑は軽いものではない」と述べた。 一方、「侵入場所は共用スペースで、無理やり押し入ったわけでもない。前科もなく、二度と同じことはしないと法廷で誓った」として、情状を酌量した。 判決後、マッキンタイヤ氏は「私や他の親たちは、日本が文明社会の一員となり、共同親権のシステムを導入してほしいと願っている」と語った。 「私は、声を上げられない誘拐された子供たちに代わってここにいる。現代社会はこうあるべきではない。子供には2人の親が必要だ」 (英語記事 Man freed after arrest in Japan child custody row)

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    米中、「第1段階」の合意に署名 貿易戦争の改善目指す

    、「だからといって中国とアメリカは協力できないわけではない」と述べ、自国の経済システムを擁護した。 BBCのダーシニ・デイヴィッド経済担当編集委員は今回の合意について、関税の一部しか廃止されず、米中の相互の譲歩もわずかだと指摘。 「米大統領が出席するなど異例の署名式で大々的に打ち上げたが、勝利より休戦に近い」と評した。 (英語記事 US and China sign deal to ease trade war)

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    下半身まひの男性、フルマラソンで世界新 「外骨格スーツ」で33時間

    2020年01月15日 17:44 公開 交通事故でへそから下にまひが残る、アメリカ人のアダム・ゴリツキーさんは11日、米サウスカロライナ州チャールストンで開催されたフルマラソンに出場した。 「外骨格スーツ」を着用したゴリツキーさんは、他のランナーのスタート時刻の36時間前から、徒歩でレースを開始。 33時間16分28秒でゴールし、世界記録を塗り替えた。

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    1日30円で生活の苦学生、障害ある弟を残し死去 中国

    2020年01月15日 17:19 公開 障害のある弟を支援するために1日2元(約30円)で5年間生活し、極度の栄養失調状態だった中国の女子大学生が13日、死去した。中国メディアが伝えた。貧富の差が拡大する同国で、貧困対策の乏しさを批判する声が相次いでいる。 吴花燕(ウー・ファイエン)さんは、弟によると24歳。昨年10月に呼吸器障害で入院した。身長135センチ、体重20キロほどの彼女の写真がメディアで取り上げられると、多くの国民が衝撃を受けた。 担当した医師によると、5年間にわたって最小限の食べ物しか取っていなかったため、心臓と腎臓に障害があったという。 吴さんには、回復を願う寄付金が続々と届いた。しかし、健康を取り戻すことはできなかった。 所持金の大半は弟の治療費に 吴さんは生前、支援を求めてメディアに登場した。その理由について、「貧困が原因で死ぬのを待つのはいやだ」と、香港の英字紙サウス・チャイナ・モーニングポストに話していた。 吴さんの父親と祖母は、体調が悪化しても治療費が払えなかったために亡くなったという。 母親は吴さんが4歳のときに死去。父親が死んだのは、吴さんがまだ子どものころだった。 両親を失い、吴さんと弟は祖母の世話になった。その後、おじとおばが毎月300元(約4800円)を支援してくれた。 ただ、そのお金のほとんどは、精神障害のある弟の治療費に消えた。 吴さんに残されたのは1日当たり2元だけ。5年間、主にトウガラシと米だけを食べていた。 担当した医師によると、吴さんはあまりに栄養不足で、毛髪の半分と眉毛が抜け落ちていたという。 「世界有数の不平等国」 吴さんと弟は、中国で最貧レベルの州の1つ、貴州省の出身だった。そのことも相まって、吴さんの苦難が報じられると、同国の貧困問題に注目が集まった。 ※貴州省(Guizhou)は中国南西部に位置する 中国では、過去数十年で経済が飛躍的に成長した一方、貧困は無くなっていない。同国の統計によると、2017年には地方で暮らす3046万人が、同国の貧困ラインである1日当たり1.9ドル(約210円)以下で生活していた。 貧富の差は拡大しており、国際通貨基金(IMF)は2018年の報告書で、中国はいまや「世界有数の不平等な国」だとした。 吴さんのことを知った国民は、主にソーシャルメディアで、「なぜ助けられなかったのか」と疑問の声を上げ、当局への怒りを続々と表明している。 一方、弟の面倒をみながら勉強を続けていた吴さんへの称賛も出ている。 貧困状態は「17人だけ」 吴さんの生前、当局は声明を出し、吴さんが最低限の公的助成金(月額300~700元とみられる)を受けていたと説明した。さらに、2万元の一時支援金が支払われるとしていた。 中国はこれまで、2020年までに貧困を「排除」すると宣言してきた。今月に入り、東部の江蘇省は住民8000万人超のうち、貧困状態にあるのは17人だけだと発表。インターネットで疑問の声が上がった。 (英語記事 Chinese student dies after living on pennies a day)

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    【解説】 イランとアメリカの危機は終わっていない 5つの理由

    2020年01月15日 16:41 公開 ジョナサン・マーカス、BBC防衛外交担当編集委員 ありがたいことに、米軍がイランのカセム・ソレイマニ将軍を殺害したことに端を発する危機は、全面戦争には至らなかった。 そういう意味では、事態は沈静化した。 しかし、両国が戦争の瀬戸際まで接近した、その背景にある基本的な要因は変わっていない。この危機は終息したとは到底言えない。その理由を説明する――。 1) 緊張緩和は一時的に過ぎない 緊張は緩和したという専門家もいるが、まったく見当違いだ。 イランの首脳陣は、ソレイマニ将軍の殺害によって、自分たちの根本を揺るがすようなショックを受けた。そして、自分たちにできる形で反撃した。イランは、アメリカの標的を攻撃し、しかも誰がどこから攻撃したのか相手に明確に伝えようとした。そのため、自国領内からミサイルを発射したのだ。 しかし、イランにできることには実際的な制約と政治的な制約があった。ただちに何かをしたかった。混乱状態にあった。しかも、全面戦争を始めたいとは思っていなかったのだ。 複数のイラン当局者がはっきり口にしてきたように、この件は決して終わってはいない。 <関連記事> 【解説】 旅客機撃墜と反政府デモ イランにとって分岐点になるのか イランで2日連続の反政府デモ 旅客機撃墜を受け ウクライナ旅客機の撃墜についてイランが責任を認めたことも、緊迫する情勢の沈静化を図った対応だという意見もある。これは間違っている。 イランは当初、当然のように関与を否定した。しかし、アメリカが自分たちの諜報結果はそれと異なると主張し、ウクライナの調査官たちがミサイル攻撃の証拠を発見し、さらに、飛行機が撃墜される様子の動画が本物だと複数の第三者調査官が証明したとあっては、イランも言い分を変えるしか他にほとんどどうしようもなかった。 それどころか、イラン当局がブルドーザーを使って墜落現場のがれきを撤去し始めた時点で、イランがことの真相をはっきり承知しているのは明らかだった。事故の可能性が少しでもあるなら、がれきは現場にそのまま残すのが当然だからだ。 政府が撃墜だと認めたのはむしろ、国内情勢に関連していた。わずか数カ月間には国内各地で、政府の汚職と経済破綻に抗議するデモが相次いだばかりだ。 反政府デモはたちまち再燃した。イラン政府が撃墜を認めたのは、対アメリカの緊張緩和のためではなく、国内での波紋を鎮めることが何よりの目的だ。 2)アメリカの方針は変わっていない なぜ米政府はソレイマニ将軍を殺害し、さらにイエメンで別のイラン政府幹部を空爆しようとしたのか。米政府は、もしかすると法的な理由から、アメリカの国益に対する深刻で切迫する攻撃を防ぐためだったと主張している。 この言い分に納得する専門家はあまり多くない。ドナルド・トランプ米大統領に批判的な米政界関係者も同様だ。 それよりむしろ、何らかの明確な抑止力の一線を確立し直すことが、米軍の目的だったのかもしれない。短期的にはこれはうまくいくかもしれない。イランは、自分たちの今後の動きをきわめて慎重に検討しなくてはならないはずだ。 しかし、トランプ大統領はイランを壊滅させるぞと脅しつつも、中東から撤退したい気持ちに変わりはないと合図を送っていた。中東の混乱はアメリカの問題ではないというのが、トランプ氏の姿勢だ。これは否応なく、アメリカが発する抑止的メッセージの迫真性を損なう。 アメリカは今後もイラン経済に打撃を与えていく。しかし、経済制裁が続いてもイラン政府は屈して交渉に応じたりしていない。イランはむしろ前より大胆な攻勢に出て、自分たちの方がアメリカに最大限の圧力をかける作戦を展開している。 米政府はイラン政府への圧力を強めたい。それと同時に、中東に配備する人員や資材を大きく減らしたい。その両方を実現するのは、難しそうだ。 3)イランの戦略的目標は変わらない イラン経済は経済制裁の圧力にきしんでいるし、市民の多くは不満を募らせているかもしれない。しかし、政府はなんといっても「革命政権」なのだ。 ある日いきなり権力を手放すなど、ありえない。イラン革命防衛隊などの組織はあまりに強力すぎる。なので政府は、国内では不満分子の鎮圧を強化し、国外ではアメリカの圧力に反発するという形で反応してきた。それは今後も続くだろう。 イランの戦略的な目標は、周辺地域からアメリカを追い出すことだ。少なくともイラクから。この点については、ソレイマニ殺害の前より実現に近づいているかもしれない。 少なくともイラン当局の目線からすると、政府の方針は数々の特筆すべき成果を出している。シリアのアサド政権を救い、イスラエルに対する新しい前線を開くことができた。イラクについてはかなりの影響力を持つに至った。 トランプ大統領の政策に矛盾があるため、中東でのアメリカの同盟諸国は以前に増して、頼れるのは自分のみと思うようになっている。サウジアラビアはイランと実務者レベルの協議を画策している。トルコは独自路線を進み、ロシアと新しい関係を確立しつつある。ソレイマニ殺害はトランプ政権による中東政策の活発化の前触れだと考えているのは、イスラエル政府だけのようだ。 イスラエルは、落胆するのかもしれない。 イラン国内の不満増大と経済の弱体化を背景に、イラク革命防衛隊は否応なしに、今後時間をかけてアメリカへの圧力を強めていくかもしれない。相次ぐひどい打撃をこうむったばかりで、復讐を強く求めるはずだ。 4) イラクの立場には矛盾が イラク駐留米軍に向けられた「出口」の標識は、かつてないほどくっきり鮮やかだ。 イラクも国内で反政府デモが相次いだ後で、政府は危機に直面している。米軍の駐留、そしてイランの影響力拡大の両方に、多くの人が不満を抱いている。 法的拘束力のない議会決議によって、駐留米軍の撤退というテーマが確実に、政府にとっての重要課題として浮上した。米軍は明日にもイラクを出るというわけではないが、駐留を継続するには巧みな外交努力が必要になる。 代わりにトランプ大統領は、もしイラクが米軍を追い出すならば、アメリカの金融機関が預かるイラク政府資産を凍結すると圧力をかけた。 アメリカがイラクに関わり続けることには、意味がある。米軍や同盟諸国の部隊がイラク国内で過激派勢力「イスラム国(IS)」と戦うようになった際、米軍のイラク駐留は長期的なものになるというのが大方の予想だった。ISの「カリフ制国家」を破壊した後も、米軍は何年もイラクに残ると思われていた。 米軍がイラクから撤退すれば、ISの復活を抑えることは格段に難しくなる。それだけでなく、シリア東部に駐留している残りの米軍もぜい弱になるだろう。この部隊は、イラク駐留米軍から支援を受けているからだ。イラクでの駐留米軍をめぐる議論は始まったばかりだが、アメリカがこの議論に負ければ、勝つのはイランだろう。 5) 核合意は本当に大変なことになっている 今回の危機のルーツは2018年5月、トランプ政権がイランとの核合意から離脱した時にさかのぼる。 それ以来、米政府はイランの経済に最大限の圧力をかけてきたし、イランはイランで、合意に伴う制約を次々と反故にすることで地域に圧力をかける独自の作戦を展開してきた。 核合意がまだ死んでいないとするなら、まだ生き延びている唯一の理由は、合意の破綻を望んでいるのはトランプ大統領しかいないからだ。何かが変わらない限り、核合意の破綻は終わりの始まりとなる。 この合意は重要だ。合意が成立する以前は、開戦リスクは本物だった。イスラエルが(そしてあるいは、アメリカとイスラエルが合同で)イランの原子力インフラを攻撃する可能性が、非常に高かったのだ。 イランは合意の他の当事者の支持を可能な限り取り付け、核合意を継続させようとするだろう。しかし、この危機は腫れ物に膿(うみ)がたまるように悪化を続けている。欧州がどれほど努力しても、イラン政府に対する経済制裁を緩和する方法は見つからない。合意はやがて破綻するのかもしれない。そしてその間にイランは、核爆弾の製造へと一気にスパートをかけるかもしれないのだ。 しかし、核合意そのものがどうなるにせよ、アメリカの国家安全保障政策が中東から距離を置こうとしているまさにその時、アメリカはトランプ大統領の政策によって、中東にまた引き戻される羽目になった。 (英語記事 Iran plane downing: Five reasons why the US-Iran crisis is not over)

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    生き残ったワラビーを救え ヘリから野菜を投下=豪森林火災

    2020年01月15日 15:24 公開 昨年から続くオーストラリアの森林火災では、多数の野生動物が犠牲になっている。 ニューサウスウェールズ州の国立公園野生生物局は、生き残ったワラビーを救うため、同州全域でヘリコプターから食べ物を投下している。これまでに計2000キロ以上もの、にんじんやさつまいもがばらまかれた。 こうした野菜で命をつなぐワラビーがいる一方で、足に重度のやけどを負うなどして動けなくなり、死んでいく動物もいるという。

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    蔡総統、「中国は台湾を尊重すべき」 BBC単独会見

    2020年01月15日 13:19 公開 ジョン・サドワース、BBCニュース(台北) 中国に強硬な姿勢をとっている台湾の蔡英文総統(63)は、中国は「現実を直視」して台湾を「尊重」する必要があると、BBCの単独インタビューで述べた。 蔡総統は11日に投開票が行われた総統選挙で、中国政府からの高まる脅威を重点においた選挙戦を展開。地すべり的勝利を収め、再選を果たした。 中国共産党は長年、台湾での主権を主張。必要であれば武力行使をする権限があるとしている。 蔡総統は再選後初となるBBCのインタビューに応じ、自治権を有する台湾の主権をめぐり、交渉の可能性がないことは疑いの余地がないと強調した。 「我々には、自分たちが独立主権国家だと宣言する必要性はない。(中略)我々はすでに独立主権国家あり、我々はこの国を中華民国、台湾と呼んでいる」 「一国二制度」を求める中国 こうした蔡総統の主張は、香港と同様に「一国二制度」の下で台湾を治めたい中国政府を激高させている。 総統選の対立候補だった最大野党・国民党の韓国瑜氏(62)は、この「一国二制度」を支持している。 国民党のルーツは、中国の国共内戦で敗北した中国国民党。彼らは台湾へと逃れた後も、台湾を中国大陸の一部だと捉えていた。 近年、「一国二制度」を支持する台湾人は、この構想は有用な歩み寄りになっていると主張している。 中国は台湾と経済的関係を構築する前提条件として、「一国二制度」の受け入れを要求している。そうすることで、事実上の独立国家としての存続を明白に否認することになるからだ。 しかし、蔡総統が今回の勝利によって、「一国二制度」構想や、台湾の実際の立ち位置を曖昧にすることへの欲求が、台湾でどれほど少ないのか証明されたと考えていることは明白だ。 「状況は変わった。(中略)この曖昧さは、もはや本来意図されていた目的を果たすことができなくなっている」と蔡総統は言う。 本当に変わったのは中国 そして、本当に変わったのは中国だと、蔡総統は示唆する。 「3年(以上もの)間、中国が脅威を強めているのを、我々は目の当たりにしているのだから。(中略)中国は軍艦を台湾近海で航行させ、軍用機を飛行させている。(中略)それから、香港で起きていることを目の当たりにした台湾の人々は、中国の脅威は本物で、状況はさらに深刻になっていっていることを、よく分かっている」 蔡総統は、台湾の利益は意味論によってではなく、現実、とりわけ台湾の若者の強い願望に立ち向かうことによって得られると考えている。 「我々には異なるアイデンティティがある。この国は私たちのものだ。だから、この考えに逆行するものがあれば、台湾人は立ち上がり、受け入れないと主張するだろう。(中略)我々には成功した民主主義があるし、かなりまともな経済もある。我々は中国からの尊重に値する」 戦争のリスクは 蔡総統を批判する側にとっては、彼女の姿勢は不必要に挑発的だ。彼女はふだん「むき出しの敵意」の危険性を警告するが、それを増大させるリスクを負うだけだ。 しかし、蔡総統は自分は抑制的だと話す。例えば、与党・民主進歩党(民進党)の一部議員は、台湾の独立を正式に宣言したり、憲法を改正して台湾の旗を変更したりすることを望むが、彼女はその手前で踏みとどまっていると言う。 中国は、このような動きは軍事行動の理由とみなすとしている。 「友好的な意思表示」をしてきた 蔡総統は、「たくさんの圧力がある。ここには我々がさらに踏み込んでいくべき多大な圧力がある」と言う。 「しかし、3年以上もの間、我々は中国に対して、現状維持が我々の方針だと伝え続けてきた。(中略)これは中国に対する非常に友好的な意思表示だと私は考える」 中国と対話を行う用意があるとする一方で、蔡総統は、今回の自分の再選によって、中国政府が台湾に対する圧力を強める可能性があることを十分承知している。 中国国内で工場を建設した台湾人投資家は、台湾へと戻ることを検討している。蔡総統は、そうした投資家を勇気付け、台湾の他国との貿易関係を多角化し、国内の経済を後押しようとしている。 不測の事態に備えて そして蔡総統は、あらゆる不測の事態に備えている。 「いかなる時も、戦争の可能性は排除できない。(中略)しかし重要なことは、自分自身が備えをして、自分自身を守るための能力を身につけることだ」 台湾はその用意ができているのか? 「我々は多大な努力をし、自分たちの能力を高めてきた。(中略)台湾を侵略すれば、中国は非常に大きな代償を払うことになるだろう」 (英語記事 China needs to show us respect - Taiwan president)

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    英首相、イラン核合意は「トランプ協定にすべき」 BBC単独会見

    2020年01月15日 12:18 公開 イギリスのボリス・ジョンソン首相は14日、BBCの単独インタビューで、2015年のイラン核合意を「トランプ(米大統領の)協定」に変更すべきだと話した。この発言について、核合意の継続を求める政府の方針と食い違っているとの指摘が出ている。 アメリカとイランの緊張が高まる中、イランは5日、アメリカなど国際社会と結んだ包括的共同作業計画(JCPOA)に伴うウラン濃縮について、今後は制限を順守しないと宣言した。 これに対しイギリスとフランス、ドイツは共同声明を発表し、イランに核合意を順守するよう要請。14日には、合意違反の解決に向けた「紛争解決メカニズム(DRM)」を発動している。 ジョンソン首相はこの日のインタビューで、アメリカが2015年の核合意に「欠陥がある」としていることを認識していると説明。 この合意以外にもイランの核開発を阻止する方法はあるし、こう述べた。 「(核合意を)破棄するのなら代わりが必要だ。トランプ協定に取り替えよう」 アメリカは2018年にJCPOAを離脱。一方、イランは離脱については言及していない。 <関連記事> 「イランは戦闘態勢から引く様子」とトランプ氏 追加制裁の方針示す イラン、「ウラン濃縮を継続する」 核合意を順守しないと宣言 【解説】 旅客機撃墜と反政府デモ イランにとって分岐点になるのか ドナルド・トランプ米大統領はかねて、JCPOAは過去最悪の協定だとしている。 一方ジョンソン首相は今回のインタビューで、イギリスは協定に変更が加えられるまでは継続に尽力すると答えた。 「アメリカの視点では、これは欠陥のある協定だ(中略)しかもオバマ前大統領が交渉したものだ」 「トランプ協定に取り替えよう、それが今必要なことだ。トランプ大統領は自他共に認めるすばらしい交渉人だ」 「協力してJCPOAを替え、トランプ協定に乗り換えよう」 BBCのローラ・クンスバーグ政治編集長によると、ジョンソン首相は現在の核合意はアメリカが合意できるものにする必要があると感じているという。 「トランプ協定」とは? BBCのリアリティーチェック(ファクトチェック)チームによると、トランプ大統領は納得できる協定がどのようなものか明確にしていない。 ただし、いくつかの要素については言及してきた。 トランプ氏は、国際原子力機関(IAEA)がイラン全土の核施設に同国の認可なしで立ち入れるようにすべきだとしている。 また、現行の合意はイランのミサイルプログラムや中東地域を脅かす行為、特に、シリアやイラク、イエメン、レバノンの武力組織に対する支援を禁止していないと非難。 ウラン濃縮の制限を2025年以降に加除するというサンセット条項にも不満を示している。 今後、アメリカが関与するイランとの各協定には、こうした要素が組み込まれるとみられる。 首相と外相で食い違い? イギリスのドミニク・ラーブ外相は下院で、イランが「組織的に合意を順守していない」と非難した。 一方で、核合意に参加しているイギリスと欧州各国は引き続き、合意の継続に尽力すると述べ、「合意を破棄するのではなく、DRMを通じて外交での解決を目指す」と述べた。 最大野党・労働党のエミリー・ソーンベリー影の外相はこれに対し、ジョンソン首相とラーブ外相は「同じ立場には立っていない」と指摘した。 ソーンベリー氏は、JCPOAを「トランプ協定」に取り替えるのがジョンソン政権の方針なのかと質問。「もしそうでないなら、なぜ首相はそんなことを言ったのか」と問いただした。 JCPOAは破棄寸前 ラーブ氏はこれに、イギリスの立場は明確で、首相も核合意を支持していると返答した。 「もちろん合意を維持したいと思うこともできるが、アメリカとイランを広義の和解に導こうという野心が必要だ。それが我々が求めている方針だ」 BBCのジョナサン・マーカス外交担当編集委員は、JCPOAは現在、アメリカとイランという最も重要な2カ国に破棄、あるいは破棄寸前とされ、忘れられている状態だと指摘した。 その上で、DRMの発動は核合意破棄の始まりになるだろうと分析している。 (英語記事 Replace Iran nuclear plan with 'Trump deal' - PM)

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    イラン、旅客機撃墜の動画の撮影者を逮捕

    が機能しなくなったためとしている。 関係5カ国が協議へ イギリスのボリス・ジョンソン首相は14日、BBCのインタビューで、イランが旅客機撃墜という「ひどい間違い」を犯したと認めたのは「喜ばしい」と述べた。 さらに、「イランが謝罪したのはいいことだ。いま最も大事なのは、中東地域の緊張が和らぐことだ」と付け加えた。 ウクライナのヴァディム・プリスタイコ外相は13日、旅客機に国民が乗っていた国のうち、5カ国(カナダ、ウクライナ、アフガニスタン、スウェーデン、国名が明かされていない1国)が16日にロンドンに集まり、法的措置などについて協議すると述べた。 (英語記事 Iran arrests person behind video of plane downing)

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    「私たちは市民じゃない、人質だ」 イランで広がる反政府デモ

    2020年01月14日 16:54 公開 イラン政府がウクライナ航空機の撃墜を認めたことを受け、イランの首都テヘランなど数都市で11日夜に抗議デモが起こり、12日も続いた。 イラン政府は当初、首都テヘランの近郊で8日に起きたウクライナ機墜落への関与を否定。アメリカとの緊張が高まる中、11日午前に一転、「意図せず」撃墜したと認めた。 これを受け同日夜、テヘランなど数都市で抗議デモが発生。最高指導者アリ・ハメネイ師を批判する声が上がった。

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    ファーウェイの5G利用は「狂気の沙汰」 米が英政府に警告

    2020年01月14日 14:20 公開 イギリス政府が中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の第5世代移動通信システム(5G)を導入しようとしていることについて、アメリカ政府が「狂気の沙汰だ」と警告した。 イギリスは今月にも、国内通信網の「非中核」部分にファーウェイの技術を採用するか決める予定。 これに対し、マット・ポッティンガー副顧問(国家安全保障担当)が率いるアメリカの代表団は、ファーウェイの技術を使った際のセキュリティーリスクを証明するとして、新たな証拠をイギリス政府に提示した。 ドナルド・トランプ米大統領はかねて、この件についてボリス・ジョンソン英首相に圧力をかけている。 アメリカ政府は昨年、セキュリティー上の懸念があるとして、米企業がファーウェイ関連の68の企業に部品や技術を提供しないよう制限した。 <関連記事> ファーウェイ、5G技術を他社に「販売」 創業者が提案 ファーウェイ、「米にサイバー攻撃された」 社員拘束の訴えも グーグル、ファーウェイによるOSやアプリ使用を制限 米政府方針受け イギリスの情報機関はかねて、国家安全保障上の問題は見当たらず、ファーウェイの技術を5Gインフラに組み込めるとの技術評価を下している。 しかし13日に行われた協議でアメリカ側は、この評価を真っ向から否定するとする技術情報を大量に提示した。アメリカ側の関係筋は、資料の内容については言及しなかった。 この動きは、イギリス政府が5G網についての決定を下そうとしている中、トランプ政権によるロビー活動の最終段階だと考えられている。 アメリカ政府は各国に対し、ファーウェイ製品を使用した場合、情報共有について再審査を受けることになると警告していた。 一方イギリス政府は、そのような再審査を受けても大きな変更には至らないだろうと示唆している。 情報局保安部(MI5)のアンドリュー・パーカー長官はフィナンシャル・タイムズの取材で、イギリスがファーウェイの技術を使ったとしても、それが英米の情報共有の関係に悪影響を与えるとは「考えられない」と話した。 ファーウェイの広報担当者は、「我々はイギリスの通信企業に15年にわたって3Gや4G技術を提供してきた民間企業だ。イギリスの専門家は、我々の技術がセキュリティーリスクを与えないと明言している」と述べた。 一方、英与党・保守党のボブ・シーリー議員は、ファーウェイは「どう見ても中国政府の一部」だと述べ、同社との取り引きは中国政府がイギリスのネットワークに入り込む余地を与えると警告した。 シーリー議員は下院の外務委員会に対し、ファーウェイがイギリスの5Gインフラの一部を構築するのに適しているか、早急に調査をするよう求めた。 イギリス政府の報道官は、「わが国の通信網の安全と強靭(きょうじん)さは非常に重要だ。政府は引き続き、高リスクの請負業者に対する立ち位置を考慮し、時期をみて決定する」と述べている。 (英語記事 Using Huawei in UK 5G network 'madness', warns US)

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    フィリピンで火山噴火、数日内に「危険な噴火」の恐れ

    2020年01月14日 12:57 公開 フィリピンの首都マニラの南約70キロにあるタール火山が12日午後、噴火した。13日早朝には、ゆるやかなマグマの噴出が確認され、当局は「今後数時間から数日の間」に「危険な噴火」の恐れがあるとして、警戒を呼びかけている。 タール火山は、フィリピンで2番目に活発な火山として知られる。 12日の噴火では、ゴウゴウという音と共に大量の火山灰が噴出。揺れも報告された。周辺地域の住民約8000人が避難を余儀なくされた。 バタンガス州当局は、大きな混乱状態を意味する「災害事態宣言」を発令した。 ルソン島タール湖の中央に位置するタール火山は、世界有数の小規模火山。過去450年間で少なくとも34回の噴火が確認されている。 世界で最も活発な活断層がある環太平洋火山帯に位置するフィリピンでは、地震や火山活動はめずらしいことではない。 地震が75回発生 フィリピン火山地震研究所(Phivolcs)によると、タール火山の周辺地域では計75回の地震が発生。そのうち32回はマグニチュード2以上だったという。 同研究所は声明で、「タール火山は激しい変動(intense unrest)の段階に突入した。(中略)13日午前2時49分から午前4時28分にかけて、マグマ噴火へと移行した。(中略)これは、火山雷を伴った弱い溶岩噴泉が特徴だ」としている。 一方で同研究所のレナート・ソリドゥム氏は、「火山灰や噴石、火山ガスが、時速60キロ以上の速さで水平方向に噴出」するなどの危険な噴火の兆候はまだ確認されていないと述べたと、CNNフィリピンは報じている。 同研究所は現在、噴火警戒レベルを5段階中3から4へと引き上げている。 岩くずが海水などに流れ込み津波を引き起こす「火山津波」が起こりうるとして、当局は注意を促している。 タール火山周辺に45万人超か 国連人道問題調整事務所(OCHA)は、タール火山から半径14キロの範囲内に45万人以上が暮らしていると推定している。 降灰の影響でマスクが売り切れに 火山灰は複数の周辺地域に降り注いでおり、住民らにマスクの着用が呼びかけられた。マニラのとある住民によると、複数の店でマスクが売り切れ始めているという。 パラニャーケ在住のエンジェル・バウティスタ氏は、ロイター通信に対し、「自分の車を見に行ったら、火山灰で覆われていた。マスクを買いに急いで薬局まで行ったけど売り切れていた」と述べた。 フィリピン政府は、マスク需要が急増する中、マスクを値上げしないよう小売業者に警告している。 飛行機の運航が停止 降灰の影響により、マニラのニノイ・アキノ国際空港を12日に発着する全ての便が運航停止となった。 フィリピン火山地震研究所は、「空中に舞う火山灰や、火山の噴出物が(中略)航空機に危険を及ぼした」としている。 航空当局は、13日午前10時の時点で出発便の一部、正午の時点で到着便の一部の運航をそれぞれ再開した。 フィリピン証券取引所は13日を休みとした。 フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、マニラの政府機関の業務停止や、マニラ市内のすべての学校の閉鎖を指示した。 噴火警戒レベル(出典:Phivolcs) 0 - 穏やか 1 - 多少の火山現象はあるが、即座の噴火はない 2 - 小規模から中規模の地震活動あり。噴火につながる可能性あり 3 - 比較的高い変動あり。数日から数週間以内に噴火の可能性はあるが、落ち着く可能性もある 4 - 激しい変動あり。数日以内に危険な噴火の可能性あり 5 - 危険な噴火。マグマや火山灰の噴出、周辺地域への危険あり (英語記事 Philippine Taal volcano begins spewing lava )

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    【解説】 旅客機撃墜と反政府デモ イランにとって分岐点になるのか

    2020年01月14日 12:35 公開 アニセ・バッシリ・タブリジ博士、英王立防衛安全保障研究所(RUSI) ウクライナ国際航空機の墜落原因について何日も否定した後、イラン政府はついに人的ミスが原因だと認めた。 8日の墜落は、イランがイラク国内の米軍駐屯地に弾道ミサイルを相次いで発射した後に起きた。米軍施設攻撃は、イラン革命防衛隊幹部のカセム・ソレイマニ司令官殺害に対する報復だった。 イランによると、一触即発のこの緊迫状態のなか、防空システムの担当者がウクライナ航空PS752便を巡航ミサイルと勘違いして撃墜してしまったという。乗客乗員176人全員が死亡した。 イラン政府は当初、責任を否定した。しかし、アメリカやカナダの情報機関は間もなく、イランの地対空ミサイルが墜落の原因だという証拠を割り出した。これを機に、原因調査の進捗を公表するよう求める圧力が国際的に高まった。 当初の発表を訂正し、墜落について全面的に責任を認めたイラン政府の決定は、犠牲者が出たカナダ、イギリス、ドイツ、スウェーデンの各国政府を含め、国際社会から前向きに受け止められた。 イランが責任を認めたことは好ましい第一歩だと、最終的に解釈された。 しかし、カナダなど自国民が死亡した各国政府の関係者は、責任を認めた次にイランは建設的な行動をとるべきだと釘を刺した。これにはたとえば、原因調査過程の公表、遺体の送還、被害者への補償、確かな再発防止策の導入などが含まれる。 <関連記事> イランで2日連続の反政府デモ 旅客機撃墜を受け イラン政府、ウクライナ航空機を「人的ミス」で撃墜と認める イランで旅客機が墜落、対立との関係は不明 イラクの米軍基地に弾道ミサイル攻撃 イランが司令官殺害の報復と宣言 イランにとって対外的には、ウクライナ航空機の撃墜が事態の悪化につながる可能性は少なく、むしろ過去数カ月間の緊迫する状態を和らげる機会を提供するかもしれない。 しかし、この悲劇は国内的には、もっと深い余波を引き起こすかもしれない。 PS752便が墜落するほんの数日前、イラン国内はソレイマニ将軍の殺害を悲しむ何百万人もの市民が国内各地で葬列に参加。国民が異例なほどまとまり、団結していた。 この光景は、国外からの武力衝突の脅威を前にすれば、政治経済的に様々な立場のイラン国民も違いをいったん横において一致団結できるのだという、その可能性を示すものかと思われた。 しかし、PS752機の撃墜と、当局が当初は責任を否定したことから、国内の対立があらためて浮上し、以前より先鋭化する可能性もある。 責任を認めたことでこの大失態に対する国民の批判は多少は緩和するかもしれない。しかし、事実を明らかにせよと国際社会の圧力が高まるまで、政府や国内主流派は証拠を隠し責任を回避しようとしたではないかという見方は残るかもしれない。 この不信感によって、昨年11月に政府が石油価格の大幅な引き上げを承認したのを機に国内で相次いだ対立や世情不安が、あらためて再燃するだろう。石油価格値上げをきっかけにした国内デモと、それに対する政府の強硬姿勢により、少なくとも市民300人が死亡している。 <関連記事> イラン各地のデモ、流血の鎮圧 映像流出でネット遮断 【解説】 イランのソレイマニ司令官殺害 なぜ今でこれからどうなるのか 真実を認めることは重要な第一歩だが、イラン国民は今回の事態の責任者を明確にし、訴追するよう強く求めるだろう。 国民はさらに、イランのエリートが墜落犠牲者をどう扱うのか注目するはずだ。墜落で死亡した人たちの葬儀が、ソレイマニ将軍の時と似たような国民的な追悼につながるのか、それともほとんど無視されるのかは、大きな試金石となる。 以前から続く経済への不満や、一部の社会的自由が制限されていることへの不満に加えて、ウクライナ機撃墜に関するこうした要求を、市民は政府につきつけるだろう。 イランでは2月21日に国会議員選挙が予定されている。旅客機撃墜による国内対立は一層の世情不安を呼ぶ可能性もある。加えて、欧米との緊迫は緩和はしたものの、決して終わっていはいない。 旅客機墜落から波及するさまざまな問題を政府と国内主流派がどう扱うか。これはイランにとって分岐点になり得る。イランが何をどう選択するかは、今後数カ月、あるいは数年間にわたり、イランの政治と社会に響き渡るだろう。 (英語記事 Iran plane crash: Why this could be a watershed moment)

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    エリザベス英女王、ハリー王子とメガン妃に「移行期間」認める

    。 ハリー王子とメガン妃の発表をめぐっては、他の王室メンバーに事前の相談はなかったといわれている。 BBCのニコラス・ウィッチェル王室担当編集委員は9日、女王が皇太子やウィリアム王子と連絡を取ったと報じた。 3人はそれぞれ、王室の幹部職員らに対し、ハリー王子の家族や政府と協議して近日中に解決策を見いだすよう指示したという。 こうした中、メガン妃は9日にカナダにアーチーちゃんと到着。 サセックス公爵夫妻はクリスマスから新年にかけ、6週間にわたって公務を休み、アーチーちゃんと共にカナダに滞在していた。 アメリカ国籍をもつ元女優のメガン妃は、結婚前に米テレビドラマ「スーツ」に出演中、カナダのトロントに住んでいた。カナダ人の友人も何人かいる。 カナダのジャスティン・トルドー首相は地元メディアの取材で、夫妻のカナダでの生活について、セキュリティーやカナダ国民の税負担なども含めた話し合いは「一切行われていない」と話した。 <解説> 明らかな「遺憾の意」 ――ジョニー・ダイモンド王室担当編集委員 エリザベス女王からの声明は非常に率直で、非公式な、ほとんど個人的と言ってもよいものだった。 ハリー王子とメガン妃の選んだ道に、女王が遺憾の意を示していることは明らかだ。2人には現在の役割を担い続けてほしいと思っているだろう。 しかし一方で女王は、2人がなおイギリス王室の一員であり、今より独立するようになっても大事な家族として扱うことを明言した。 答えられていない疑問は山ほどある。将来的な公務、残りの王族との関係、誰が何を支払うのか(女王は、納税者ではないと言っているが)、そして2人がどのように生計を立てていくのか。 解決しなければいけない、合意しなければならない問題がたくさんあるし、その全てが公になるわけでもないだろう。 女王はまた、今回のことをひとつの案件ではなく、過程としてとらえているようだ。女王は声明で、夫妻がカナダとイギリスを行き来して生活する移行期間について言及した。 その上で、数日内に最終決定を行うよう呼びかけているが、この決定の評価に数カ月、あるいは数年かかる可能性もある。 (英語記事 Queen agrees Harry and Meghan 'transition period')

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    米、中国の「為替操作国」指定を解除

    2020年01月14日 11:56 公開 アメリカの財務省は13日、中国を「為替操作国」とした指定を解除した。貿易戦争状態にある両国は、関係改善を目指し、近く通商協議を予定している。 アメリカは、中国との通商上の緊張が最も高まった昨年8月に、同国を為替操作国に指定していた。 アメリカは解除の理由について、中国が自国通貨を切り下げて、中国製品を外国で安く販売する操作を控えることに合意したためと説明した。 <関連記事> トランプ氏、対中関税引き上げを2週間延期 「善意のしるし」 トランプ氏、対中追加関税を一部12月に先送り スマホなど トランプ氏、9月からまた中国に追加関税とツイッターで発表 貿易戦争悪化へ 米中両国は今週、この「第1段階」の合意に署名すると見込まれている。 両国は2018年以降、関税の引き上げ合戦を続けており、合意によって事態の好転を狙っている。 「中国は約束をした」 この日、スティーヴン・ムニューシン米財務長官は、「中国は競争的な通貨切り下げを控え、透明性と説明責任を増すと、強制力のある約束をした」と述べた。 ドナルド・トランプ米大統領はこれまで繰り返し、中国は人民元安を容認していると批判してきた。 しかしアメリカは13日、中国との貿易戦争が最も激しかった昨年8月以降、人民元は上昇していると説明。 ムニューシン氏は、「財務省は今回、中国を今後も為替操作国と指定すべきではないと決定した」と表明した。 IMFは中国を支持 米中の貿易をめぐっては、アメリカが昨年8月に中国を為替操作国に指定し、トランプ氏が中国からの3000億ドル相当の輸入品に10%の関税を課すと表明。これに対し中国は、報復を表明していた。 中国は当時、通貨安は市場の動きによるものだと主張。アメリカとの貿易戦争の悪化が、投資家の懸念を招いているとしていた。 国際通貨基金(IMF)もこの見方を支持。人民元は正当な価値にあるとしていた。 1994年以来の指定 アメリカは「為替操作」を、「国際貿易で不正に優位」に立つことを目的とした、対米ドル為替レートへの、国による影響力の行使と定義している。 トランプ氏は2016年大統領選で、アメリカの製造業の落ち込みは中国が原因だと主張。中国を為替操作国に指定すると約束していた。 大統領就任後はその姿勢に軟化が見られ、財務省も指定を実施してこなかった。 しかしその後、ムニューシン氏はトランプ氏から指定への圧力を受けたとされ、1994年以来となる為替操作国の指定を中国に適用した。 (英語記事 US reverses China 'currency manipulator' label)

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    BBC司会者が「給与の性差別」を主張、英審判所が認める

    2020年01月13日 17:58 公開 BBCの司会者サミラ・アーメッド氏が、男女平等な給与を求めてBBCを相手に雇用審判所に訴えを起こし、同審判所は10日、アーメッド氏の主張を認める判断を示した。 視聴者の反応を受けながら進行する番組「ニュースウオッチ」の司会者をつとめるアーメッド氏は、自らの給与が、別の番組「ポインツ・オヴ・ヴュー」の司会者であるジェレミー・ヴァイン氏の給与と比べ、70万ポンド(約1億円)少ないと主張していた。 雇用審判所は全員一致で、アーメッド氏の仕事はヴァイン氏のものと同様だと認定。給与の差が性差別ではないと、BBCは証明できなかったと判断した。 「取材されるのでなく、したい」 この審判を受け、アーメッド氏は「解決してうれしい」とコメント。 さらに、「自分の雇用主を訴えたいと思う女性はいない」、「私はBBCのために働くことが大好きだ」と述べた。 また、「今後も仕事を続けることを楽しみにしている。取材されるのではなく、取材をしたい」と話した。 一方、BBCは今回の審判に対し、両司会者の給与は「性別によって決定したものではない」と改めて主張した。 また、「サミラと協力して前向きに進んで行く」とした。 男性司会者の給与は6倍 雇用審判所でアーメッド氏は、「そっくりな番組の司会をつとめ、そっくりな仕事をしているのに、女性である私の給与が、男性であるジェレミー・ヴァイン氏より極度に低いのが理解できなかった」と訴えた。 ヴァイン氏は、「ポインツ・オヴ・ヴュー」の司会者だった2008~2018年、1回の放送につき3000ポンド(約43万円)を得ていた。一方、アーメッド氏が「ニュースウオッチ」の司会者として受け取っていたのは、1回の放送につき440ポンド(約6万3000円)だった。 雇用審判所は、「給与の差はあまりに大きい。ジェレミー・ヴァイン氏には、原告が同じ仕事をして受け取っていた額の、6倍以上の給与が支払われていた」と述べた。 BBCは同審判所に対し、両司会者は「大きく異なる役割」を担っていたと主張。しかし同審判所は、BBCがそれを裏付けることができなかったとした。 「技術や経験と結びつかない」 今回の審判は、アーメッド氏が受け取る権利があると主張していた損害賠償を受け取るかは、明示していない。 審判はまた、「ポインツ・オヴ・ヴュー」の司会者は「目をきらきらさせ、厚かましくなることが求められたが、それが技術や経験と結びつくとするBBCの主張は理解し難かった」とした。 BBCの法務担当は、アーメッド氏の給与について、「ニュースウオッチ」の前任司会者レイ・スノディ氏と同等だと主張。アーメッド氏の給与はヴァイン氏とではなく、スノディ氏と比較すべきだと訴えた。 まだ多数の同様事案 ジャーナリスト全国労組によると、同様の訴え20件ほどについて、雇用審判所の手続きを進めているという。さらに、同労組が聞き取り調査をした時点で、70件ほどの未解決事案が存在したという。 BBCは、それらの事案の解決に努力してきたとし、その結果、件数は大幅に減ったと説明した。 (英語記事 Samira Ahmed wins BBC equal pay tribunal)

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    王族の役割から「距離を置く」、ハリー英王子とメガン妃に 国民は何を思う?

    2020年01月13日 17:47 公開 イギリス王室のサセックス公爵ハリー王子とメガン妃8日、王室の「主要」メンバーの役割から「距離を置き」、経済的に独立すると発表した。 夫妻は、今後はイギリスと北米を行き来して生活すると説明。一方で、「女王やイギリス連邦への責務、そしてパトロンとしての役割を尊重し続けます」としている。 国民はどう考えているのだろうか? ロンドンのバッキンガム宮殿前で意見を聞いた。

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    前澤友作氏、月旅行に一緒の「人生のパートナー」を募集

    2020年01月13日 15:33 公開 2023年に民間人初の月旅行への挑戦を表明している前澤友作氏(44)は9日、月旅行に一緒に参加してくれる「人生のパートナー」を見つける、お見合い企画を発表した。 日本の通販サイト「ゾゾタウン」創業者でスタートトゥデイ社長の前澤氏は2018年、米起業家イーロン・マスク氏率いる宇宙開発会社スペースXと、月の周回旅行の契約を結んだ。 月旅行は2023年に予定されており、実現すれば1972年に米航空宇宙局(NASA)のアポロ17号が月面着陸して以来の、人類の月訪問となる。 女優の剛力彩芽さん(27)との破局が昨年11月に報じられた前澤氏は、企画を発表したウェブサイトで、「長年の夢である宇宙への旅。そんな特別な場所には特別な人と行きたい」と説明。 「寂しさと虚しさがなんとなく込み上げてくる中、一人になって思うことは、、、『一人の女性を愛し続ける』。(中略)『人生のパートナー』を見つけたい。そしてその未来のパートナーと共に、宇宙から愛を叫びたい、世界平和を叫びたい」としている。 前澤氏は12日にも、お見合い企画サイトのリンク付きで、「月へ旅行する『初めての女性』になりませんか?」と英語でツイートしている。 https://twitter.com/yousuck2020/status/1216272633248903168 ウェブサイトには、お見合いへの応募条件と、約3カ月にわたるパートナー決定までのスケジュールが掲載されている。 応募条件は、「20歳以上の独身女性」、「いつも明るく笑ってポジティブな方」、「宇宙渡航およびその準備に参加する興味のある方」など6項目。今月17日に募集が締め切られ、3月末にパートナーが決定するという。 起業する以前はパンクバンドのドラマーを務めていた前澤氏は、これまで風変わりな行動で注目を集めてきた。 今月、前澤氏は抽選で1000人に100万円をプレゼントする、総額10億円のお年玉企画をツイッターで発表。前澤氏のアカウントをフォローし、該当の投稿をリツイートすると応募できるというものだった。 前澤氏は、数千億ともいわれる個人資産の多くを絵画の購入などにあてている。 前澤氏が支払う月旅行の総額については開示されていないが、マスク氏は「大金」だとしている。 (英語記事 Japanese billionaire seeks partner for Moon trip)

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    台湾総統選、蔡英文氏が圧勝で再選 中国は見誤った?

    と同様に「一国二制度」の下で、台湾を治めるよう提案しているが、蔡総統はこれを拒否している。 蔡総統はBBCに対し、台湾は香港の情勢から「教訓を得る」べきだと述べた。「もし我々が(台湾の独立性の維持を)主張しなければ、今我々が手にしているものすべてを失うことになるだろう」。 <解説>中国は見誤った?――ジョン・サドワース、BBC北京特派員 2期目を目指していた台湾の蔡総統が約800万票を獲得した。これは、並外れた得票数だ。 過去最多の得票数は蔡総統の圧勝をもたらし、中国政府に対する大きな拒絶を示した。 今回の総統選挙の争点に台中関係が浮上したことで、低下していた蔡総統の運気を取り戻すことにつながった。 そして、蔡総統の勝利には、明白な政治的皮肉が含まれている。 中国政府の、大中華圏という厳格で権威主義的な展望は、その構想の可否を占う機会となった総統選で拒絶された。 中国共産党が台湾に対する圧力を増大せず、香港における危機的状況への対応をよりひかえめにしていれば、中国政府を阻止しようとする蔡総統の当選の可能性はずっと低かったかもしれない。 投票結果を受け、勝利は中国の習近平国家主席のおかげかと、私は蔡総統に尋ねた。 彼女は微笑んだ。 (英語記事 Taiwan's Tsai wins second presidential term)

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    【解説】 ソレイマニ司令官殺害 なぜイスラム国に朗報なのか

    2020年01月13日 13:52 公開 ジェレミー・ボウエン、BBC中東編集長、バグダッド 過激派勢力「イスラム国(IS)」は、イラン革命防衛隊の精鋭コッズ部隊の司令官殺害を歓迎した。 カセム・ソレイマニ将軍が死亡したことについてISは、神がイスラム聖戦(ジハード)戦士を助けたのだと声明を出した。ただし、実際に手を下したアメリカについて、ISは一言も触れなかった。1月3日にバグダッドにいたソレイマニ将軍をドローン攻撃で殺害したのは、アメリカだったのだが。 ソレイマニ将軍を暗殺するというドナルド・トランプ米大統領の決定は、様々な連鎖反応を引き起こした。そのひとつが、ジハードに対する未完の戦争への影響だった。 ほとんどただちに、米軍主導の国際有志連合はイラクで対IS作戦を中断した。アメリカを初め各国軍は、自分たちは今となってはまず何より自衛しなくてはならないと宣言したのだ。 軍事的には、おそらくそれ以外どうしようもなかったのだろう。 バグダッド空港を出るソレイマニ将軍の車両が米軍ドローンに攻撃され、将軍を初めとしてイランとイラクの双方に犠牲者が出た。イランと、イランがここイラクで支援する民兵組織は、復讐を誓っている。 つまり、イラクに駐留する米軍のほか、米軍に協力する西側同盟国の軍は、ただちに標的になるということだ。 これはISにとって大いに朗報で、自分たちのいわゆる「イスラム帝国」が倒された後の失地回復が、これで加速化するだろう。 さらに、イラク議会が駐留米軍の即時退去を求める決議を採択したことも、ISにとっては非常にありがたい展開だ。 ISはもう何年も、しぶとく永らえてきた。そもそもが、イラクのアルカイダという前身組織が壊滅した後に、その残骸から再生した集団だ。 イラクとシリアにまたがる地域でISの支配を終わらせるには、2016年と2017年に大々的な軍事作戦を展開する必要があった。 多くのジハード戦士が死に、多くは収監された。しかし、それでもISは死ななかった。 ISは今なお、なじみのイラクとシリアで活動している。闇討ちを仕掛け、軍資金をゆすり取り、今なお多くの命を奪っている。 イラク国家は、効果的な精鋭軍と警察を備えている。その訓練を担当したのは主にアメリカと、ISとの戦いに加わった欧州の同盟諸国だ。 ソレイマニ将軍の暗殺以降、米軍はイラクでの軍事作戦だけでなく、軍事教練も中止した。デンマークとドイツも同様だ。 ドイツは自国軍の教官たちをイラクから引き上げ、ヨルダンやクウェートに移動させた。 イラクの対IS作戦で最も危険を冒しているのはイラク軍だ。しかし、そのイラク軍が米軍に依存してきたのは訓練だけでなく、兵站(へいたん)面での支援もそうだった。しかし、イラクに駐留する米軍は今や、基地にこもり息を潜めている。 IS戦闘員にとっては、ほかにもめでたいことがある。トランプ氏がソレイマニ将軍を殺害したことで、ISは自分たちの敵が、別の敵を暗殺するという光景を与えられたのだ。 ISは2014年に攻勢に出て、イラク国内の広い地域を支配下に置いた。その中にはイラクの第2都市モスルも含まれた。 イラクにおけるイスラム教シーア派の最高指導者アリ・アル・シスタニ師は、イスラム教スンニ派の過激主義勢力、つまり「イスラム国」に対して立ち上がって戦うよう布告した。 これを受けて、シーア派の若者が何千人と志願した。その若者たちを訓練し、統制の取れた武装勢力への変身に大きな役割を果たしたのが、ソレイマニ将軍とコッズ部隊だった。シーア派民兵組織は苛烈で、ISにとってはしばしば残酷きわまりない敵だった。 イランが支援する勢力は今では、「人民動員部隊」としてイラク軍に編入された。民兵組織の中でも頭角を表した幹部は今では、イラク政界の有力者となった。 2014年以降の数年間、米軍とイラク民兵組織は共通の敵と戦っていた。しかし、今となってはシーア派組織は確実に、そもそものルーツに立ち返っている。2003年のイラク戦争後、米軍主導の占領軍に対して抵抗したのが、彼らの大元の存在理由だったのだから。 イラクの民兵組織はすでに多くの米兵を殺害した。ソレイマニ将軍が提供した訓練と優れた武器が、その行動を助けている。トランプ大統領がソレイマニ殺害を命じた理由の一端は、そこにあった。 トランプ氏が2018年に一方的にイランとの核合意を離脱してからというもの、アメリカとイランの関係は戦争の瀬戸際に向かってひたすら悪化を続けてきた。 ソレイマニ将軍が殺される前からすでに、シーア派武装勢力はアメリカ攻撃というそもそもに立ち返っていた。 12月末にはイラク北部の米軍基地を攻撃。これで、アメリカの民間請負業者が1人死亡した。これに対して米軍は空爆で応酬し、「カタイブ・ヒズボラ」と呼ばれる武装勢力の戦闘員が少なくとも25人死亡した。 この「カタイブ・ヒズボラ」の幹部アル・ムハンディス副司令官は1月3日、バグダッド空港でソレイマニ将軍を出迎えた。そして、空港から同じ車に乗った2人は、米軍の攻撃で吹き飛ばされたのだ。 ISの週刊紙アル・ナバの社説で、ISはソレイマニとアル・ムハンディスが2人の「同盟国」の手にかかって死んだと書いた。同盟国とはつまり、アメリカのことだ。 この社説は、ISの敵は敵同士の戦いに忙しく、エネルギーも軍備もそれにそがれているので、これは究極的には自分たちの利益になると書いた。 過去の例から言っても、ジハード過激主義者は何より、不安定、混沌(こんとん)とした状況、敵同士が仲間割れで弱体化した状況で、最も勢いづく。 そういうことは前にあったし、またそうなる可能性は大きい。 (英語記事 Qasem Soleimani: Why his killing is good news for IS jihadists)

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    イランで2日連続の反政府デモ 旅客機撃墜を受け

    ランのアーザーディー広場でデモ参加者たちが手をたたいたり、声を張り上げたりしている様子が映っている。BBCペルシャ語によると、同広場では治安部隊が催涙ガスを発して、鎮圧に乗り出したという。 メディアからも「恥を知れ」 2つの大学の近くでは11日、市民らが集まり、犠牲者に追悼の意を表明した。夕方になって抗議デモへと変わり、当局は解散させようと催涙ガスを使ったとされる。 追悼集会は、国内の多くの新聞が取り上げた。記事には「恥を知れ」、「許されない」といった見出しがつけられた。 政府寄りの1紙は、「正直な」間違いの告白だとして政府を称えた。 12日にはテヘランで、アメリカによるドローン攻撃で殺害された、革命防衛隊のカセム・ソレイマニ司令官を支持し、アメリカとイギリスに抗議するデモもあった。 イランは8日未明、ソレイマニ氏殺害への報復として、イラクにある米軍2基地にミサイルを発射。それから間もなくして、イランからウクライナの首都キーウ(キエフ)に向けて離陸したウクライナ機が撃墜された。 米英の反応 アメリカのドナルド・トランプ大統領は12日、ツイッターで、「イラン指導者へ、抗議者たちを殺すな」と呼びかけた。 トランプ氏は、「イランではすでに何千人も殺害、投獄されていて、世界が見ている。さらに大事なことに、アメリカが見ている。インターネットを再び使えるようにし、記者を自由に歩かせろ! 偉大なイラン国民の殺害をやめろ!」とツイートした。 https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1216356280933273600 イギリスのドミニク・ラーブ外相は、ウクライナ機の犠牲者追悼集会に参加していたロブ・マケリー駐イラン英大使が拘束されたことに対し、「国際法の重大違反」として非難した。 マケリー氏は、参加者たちが声を上げ始めた時点で集会から去ったとし、デモには一切関わっていないと述べた。 一方、イラン外務省によると、同国政府は12日、マケリー氏を呼び出し、「違法な集会に参加するという異例の行動」だとして抗議した。 イランの英大使館前では同日、市民らがイギリス国旗を燃やして抗議した。 (英語記事 Second day of protests in Iran over downed plane)

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    2500の人格で父親からの虐待を生き延びた女性

    2020年01月11日 19:48 公開 フランシス・マオ、BBCニュース(シドニー) その日、証言台には1人の女性が座っていた。しかし、彼女の中では6人の人格が、度を越えた虐待の経験についての証言を準備していた。 ジェニ・ヘインズさんはBBCの取材に対し、「私は法廷へ行って、座って、宣誓をして、数時間後に自分の身体に戻って、法廷から出たんです」と説明した。 ジェニさんは幼少時代、父親のリチャード・ヘインズ受刑者から繰り返し強姦と拷問を受けた。オーストラリアの警察は、同国史上最悪の児童虐待事件の一つだと説明している。 虐待の恐怖に耐えるため、ジェニさんの精神は並外れた戦術を使った。新しい人格を作り、痛みからジェニさんを引き離したのだ。父親の虐待は極端で、非常に長く続いたため、ジェニさんは最終的に2500人の人格を作り上げて生き延びたと話した。 昨年3月の裁判で、ジェニさんは父親に立ち向かい、さまざまな人格を通じて虐待の証拠を次々と証言した。その中には、シンフォニーという4歳の女の子の人格もいた。 解離性同一性障害(DID)あるいは多重人格障害(MPD)と診断された被害者が本人以外の人格で証言し、有罪判決を勝ち取ったケースは、オーストラリアでも、世界でも初めてのことだとされる。 ジェニさんは、「私たちは怖がっていなかった。彼が私たちにしたことを正確に伝えるためにこんなにも長い間待ったのだし、今、彼は私たちを黙らせられなかった」と話した。 昨年9月6日、74歳のヘインズは禁錮45年の実刑判決を受けた。 警告:この記事には暴力や児童虐待の説明が含まれます 「頭の中でさえ安全じゃなかった」 ヘインズ一家は1974年、ロンドンからシドニーへと引っ越した。 ジェニさんは当時4歳で、父親は引越しの前からジェニーさんを虐待していた。しかし、虐待はシドニーでよりサディスティックなものに加速し、毎日のように行われるようになった。 ジェニさんは被害者影響報告書で、「父の虐待は計算され、計画されたものだった。念入りなもので、父はそれを余すところなく楽しんでいた」と証言した。 ジェニさんは虐待被害者としての匿名性を破棄し、その結果、父親の名前も公表された。 「父は、私がやめてとお願いする声も、私の泣き声も聞いていた。私に与える痛みや恐怖も見ていた。血や、体へのダメージを見ていた。そして次の日には全く同じことを繰り返した」 ヘインズはまた、自分がジェニさんの考えていることを読めるのだと思い込ませていたという。ジェニさんが虐待のことや、それを母親や兄弟姉妹に伝えようと思うだけで、家族を殺してやると脅した。 「私の内面は父にむしばまれていた。頭の中でさえ安全だとは思えなかった」とジェニさんは話した。 「自分に何が起きているのか、私自身がそれをどう結論付けるのか、自分の中で考えることさえできなくなった」 ジェニさんは自分の考えを隠すため、思ったことを歌詞に書くようになった。 兄弟のことを心配した時は、「あの子は重くなんてない、私の兄弟だもの」と書いた。 虐待について考えた時は、「本当に私を傷つけたいの? 本当に泣かせたいの?」と。 ヘインズは娘がなるべく他の大人の目に触れないよう、ジェニさんの学校での活動を制限した。 水泳のコーチが父親のところにやってきて、ジェニさんの才能を伸ばすよう薦めたとき、ジェニさんはせっかんされた。ジェニさんはそれ以降、「もし見られたら」と考えるようになり、なるべく目立たないようにすることを学んだ。 ジェニさんは殴打や性的虐待によるけがの治療も、受けさせてもらえなかった。その結果、ジェニさんは深刻な障害を抱えて生きることになった。 昨年秋の判決時に49歳だったジェニさんは、視界、あご、大腸、肛門、尾てい骨に不治の障害を抱えている。何度も手術を繰り返し、2011年には人工肛門形成手術を受けた。 虐待はジェニさんが11歳の時、一家がイギリスに帰るまで続いた。その直後、1984年に両親は離婚した。ジェニさんは、母親でさえ、虐待については知らなかったと思っているという。 「父は実際にはシンフォニーを虐待していた」 オーストラリアの専門家は、ジェニさんのDIDの症状は過度の虐待と深く結び付いており、子どもが安全な環境を見つけるための手段だったと指摘する。 幼少期の心的外傷(トラウマ)が専門のパム・スタヴロポロス博士は、「DIDは実のところ、サバイバル戦略だ」と説明した。 「DIDは非常に洗練された対処戦略として機能するが、極端な症状だと思われている。DIDは、子どもが体験した極度の虐待とトラウマの結果だ。それを忘れてはいけない」 トラウマの発生が幼いほど、また虐待が過激なほど、子どもは適応するために意識を分裂させ、「自我が複数ある状態」に陥るという。 ジェニさんが初めて形成した人格はシンフォニーという4歳の女の子で、シンフォニーは独自の現実を生きていたという。 「シンフォニーは父の虐待に傷ついていた。父が実の娘の私、つまりジェニを虐待している時、実際にはシンフォニーを虐待していた」と、ジェニさんはBBCに語った。 月日がたつにつれ、今度はシンフォニー自身が虐待に耐えるために別の人格を作っていった。何千という人格のひとりひとりが、それぞれ特定の虐待を耐えるための役割を持っていた。それは特に恐ろしい暴行だったり、恐怖を引き起こす光景やにおいだったりした。 ジェニさんは、「別人格がシンフォニーの後頭部から出てきて、気晴らしの役を買って出る」のだと説明した。 「私の別人格たちが、父に対する防衛になってくれていた」 ジェニさんへの取材が始まって30分ほどして、シンフォニーについて話していた時、シンフォニーが現れた。ジェニさんはあらかじめ、こうなるかもしれないと警告していた。 そして兆候が現れた。人格がシンフォニーに切り替わる直前、ジェニさんは我々の質問にうまく答えられなかった。 シンフォニーは、「こんにちは、シンフォニーです。ジェニは困っているようだから、もしよければ、私が代わりに答えようと思って来ました」と、勢いよくまくし立てた。 シンフォニーの声はジェニさんより高く、明るく、女の子らしかった。そして、シンフォニーは息継ぎせずに話すくせがあった。 私はシンフォニーと15分ほど話をしたが、数十年前の「パパのいやなところ」について、シンフォニーの記憶は驚くほど詳細だった。 「私がやったのはこういうこと。自分自身の大切だと思うこと、自分の大事で素敵なところをぜんぶ、パパから隠した。だから、パパが私を虐待しても、虐待しているその相手は、思考力のある人間ではなかったの」 ジェニさんを助けた「人々」 マッスルズ:ロック歌手のビリー・アイドルのような格好の10代の男性。背が高く、太い腕を見せびらかす服を着ていた。落ち着いていて、頼りがいがあった ヴォルケーノ:とても背が高くて強く、上から下まで黒い革の服を着た男性。ブリーチした長い金髪だった リッキー:たった8歳だが、古い灰色のスーツを着ている。短い真っ赤な髪の毛 ジューダス:背が低い赤毛の男の子。灰色の制服のズボンの上に明るい緑のセーターを着ている。いつでも、これから喋ろうとしているように見える リンダ/マゴット:背が高くてスリムな女性。ピンクのプードルのアップリケがついている1950年代のスカートをはいている。髪をきれいにおだんごにまとめていて、細い眉をしている リック:父ヘインズのと似たような大きな眼鏡をかけていて、顔の方が小さく見える 昨年3月の公判で、ジェニさんは虐待の異なる側面を共有していたシンフォニーなど6人の人格として証言台に立つことが許された。裁判では、精神的苦痛を与える可能性があるという弁護士の判断から陪審員は呼ばれず、裁判官だけが出席した。 ヘインズ受刑者は複数回にわたる強姦、獣姦、性的暴行、10歳以下の子どもとの性交渉など、あわせて367件の罪で起訴された。ジェニさんはさまざまな人格を通じて、その犯罪行為ひとつひとつについて詳細な証拠を挙げることができた。本来ならトラウマの中に消えてしまう記憶を、異なるの人格がそれぞれに保全し、ジェニさんを助けていた。 検察側はまた、さまざまな心理学者やDIDの専門家を証人として呼び、ジェニさんの症状や証言の信頼性についての証拠を見せた。 ジェニさんはBBCに、「MPD患者としての私の記憶は、その記憶が作られた日のまま、無傷で残っている」と説明した。 それからすぐに、一人称を複数形に変えた。 「私たちの記憶は時間の中に凍結されている。必要なときに取り出してこれる」 シンフォニーは、オーストラリアでの7年におよぶ犯罪の「耐えられないほど苦しい詳細」を追体験しようとした。18歳のマッスルズは身体的虐待の証拠をあげた。リンダは、虐待がジェニさんの学校生活や恋愛に与えた影響について証言できた。 ジェニさんによると、シンフォニーは「証言することで成長したいと考えていた」という。 「でも1974年の出来事を証言した時点で、父は降参してしまった。父には耐えられなかった」 裁判が始まって2日目、シンフォニーが証言を始めて2時間半後に、ヘインズは疑惑のうち、ジェニさんが「最悪の部類」だと言う25件について有罪を認めた。それから判決の日までに、ヘインズはさらに数十件についても罪を認めた。 「MPDが私の心を救った」 ブルー・ノット財団の会長を務めるキャシー・ケゼルマン博士は、「これは非常に画期的な裁判だ。私が知る限り、DID患者が持つさまざまな人格による証言が法体系の中で価値を持ち、有罪判決へと導いた最初の事例だ」と述べた。 ブルー・ノット財団は、オーストラリアで幼少時のトラウマを持った人々を支援している。 ジェニさんは2009年に初めて、自身の虐待を通報した。ヘインズを有罪にし、刑務所に入れるまでの警察の捜査は10年におよんだ。 ヘインズは2017年、別件で7年間の実刑判決で服役していた英ダーリントンからオーストラリアへ送還された。 それ以前はジェニさんの他の家族と暮らし、ジェニさんをうそをついて人を操る人物だと思い込ませていた。 虐待について知ってからというもの、母親はジェニさんの最も力強い支援者となった。母親は1984年にヘインズ受刑者と離婚している。 しかしそれまでの数十年間、ジェニさんはトラウマに対する支援がなかなか得られなかった。ジェニさんによると、カウンセラーやセラピストはジェニさんの話を信じないか、あまりにショッキングなため取り扱えないと言って、彼女に背を向けたという。 解離性同一性障害(DID)とは 解離(自分自身や世界とのつながりが絶たれること)は、トラウマに対するありふれた反応だといわれている しかしDIDは、長い間、複雑なトラウマにさらされた際に起こる。特に子どもに起こりやすい 大人の支援がない場合や、大人からトラウマを否定された場合、DIDが進展する場合がある DID患者は、自分の中に複数の人格があると感じる。その人格は本人とは異なる考えや行動、喋り方をする。時には本人とは異なる記憶や経験を持つ DID患者に対する特定の治療薬はなく、専門家は対話による治療を行うことがほとんど 出典:Mind(イギリス政府によるメンタルヘルス情報サイト) 近年では広く受け入れられ、証拠に基づく症状とされているDIDだが、一般的にはまだ疑問を感じる人が多く、医療従事者の中にも疑念を持つ人がいるという。 スタヴロポロス博士は、「DIDの症状は、その原因が原因なだけに、不信感や疑念を引き起こす。子どもがそのような極度の虐待の対象になるということが信じられないという側面もある」と説明した。 「だからこそ、ジェニさんの件はとても重要だ。この非常に困難だが決してまれではない症状、十分い理解されていない症状への注意喚起となるからだ」 ジェニさんはMPDによって命と魂を救われたと話す。しかし同時に、MPDの症状とその根底にあるトラウマが原因で、非常につらい時期を過ごしたという。 ジェニさんは半生を学問に費やし、法学や哲学で博士号を取ったが、フルタイムの職業に就くのは難しい。現在は母親と同居しているが、2人とも福祉給付金や年金で生活しているという。 被害者影響報告書の中でジェニさんは、自分自身と他の人格は「用心深く、常に警戒して生きてきた。人格が複数あることを隠し、癖や態度、会話、信念に一貫性を持たせようと努力したが、たいていの場合、無理が生じた。2500もの異なる声、意見、態度を持って暮らすことは非常に難しかった」と語った。 「私はこのように生きるべきではなかった。父が私の多重人格障害の原因となったのは間違いない」 昨年9月6日、ジェニさんは父親から数メートル離れたところに座り、45年の実刑判決を聞いた。健康を害しているヘインズは仮釈放を申請できるまで少なくとも33年間、刑務所で過ごすことになる。 判決文を読み上げたサラ・ハゲット裁判官は、ヘインズは刑務所内で死ぬだろうと話した。また、彼の犯罪は「非常に不快かつ性的に倒錯」しており、「忌まわしく、ぞっとするものだ」と述べた。 その上で、被害の大きさを刑期に反映させることは「不可能だ」と語った。 判決の前、ジェニさんはBBCに、「私は一生懸命に自分の話を語った」と話した。 「10年間の苦痛に正義が下ってほしいと思った。文字通り、野を焼き払う大火となって、私の後に続く人が歩きやすくなるように」 「もし虐待のせいでMPDを患っている人がいるなら、今なら裁判で勝つことができる。警察へ行って、自分の話を信じてもらえる。その症状はもう正義を阻むものではない」 警察庁では性犯罪被害の相談電話窓口として、全国共通番号「#8103」を導入しています。内閣府男女共同参画局でも性暴力被害者に必要な情報を提供しています。また現在、各都道府県に「ワンストップ支援センター」が設置されています。 (英語記事 The woman who became 2,500 people to survive )

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    イラン政府、ウクライナ航空機を「人的ミス」で撃墜と認める

    安いルートのひとつのため、特に人気だった。 <解説> 事態沈静化のための動き――リーズ・ドゥセットBBC国際報道主任特派員 イランにとってきわめて重要なタイミングで、イランは重要な内容を認めた。 これほどの悲劇的な間違いについて責任を認めるのはきわめて異例なことだが、イランがいま直面する危機もきわめて異例だ。 イランは西側との新たな舌戦を防ぐため、そして相次ぐ悲劇に見舞われる自国民の怒りや悲しみの増大を防ぐため、この大惨事の責任を認めることにした。 イラン政府が事態の沈静化を図ったのは間違いない。 国内での反響や影響がどうなるかは、間もなく明らかになるかもしれない。イランの外相はすでに、「アメリカの冒険主義が引き起こした危機」が原因だと、責任の一端をアメリカに着せようとしている。 しかし、いったい誰があの時に、民間旅客機のテヘラン出発を許可したのだろう。それが何より疑問だ。イラン領空があれほどの非常事態にあった、あの時に。 (英語記事 Iran plane crash: Ukrainian jet was 'unintentionally' shot down)

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    プラスチック禁止が「環境破壊につながる恐れ」 英シンクタンク

    2020年01月11日 11:41 公開 ロジャー・ハラビン、BBC環境アナリスト 小売店でのプラスチック包装をやめるべきだという消費者からの圧力が、実際には環境破壊につながるかもしれない――。そんな報告書が公表された。 様々な企業は近年、環境への配慮から、プラスチック製包装を減らし、他の素材を使う包装へと移行している。ところが、イギリスのシンクタンク「グリーン・アライアンス」は、新しい素材の一部が、プラスチック製よりも環境に悪影響を及ぼすかもしれないと警告している。 例えば、ガラス瓶の場合、プラスチックよりもずっと重量があるため、輸送の環境負荷が高い。 紙製の袋は、プラスチック製の袋よりも炭素排出量が多くなりがちで、再利用も難しい。 包装素材を変える動きの背景には、プラスチックごみによる海洋汚染への買い物客の懸念の高まりがある。 しかし、「グリーン・アライアンス」の報告書によると、こうした代替素材を使うことによる影響は、しっかりと検証されていない。 たとえばイギリスの複数のスーパーマーケットでは、内側にプラスチックなどがコーティングされた紙製容器に入った状態での飲料販売が増えている。こうした容器はリサイクル可能だという思い込みがあるからだ。 ところが実際には、イギリス国内でリサイクルできるのは、流通するコーティング済みパックの3割のみだと、「グリーン・アライアンス」は言う。 誤解を招く「堆肥化可能」 「グリーン・アライアンス」はリサイクル団体と連携し、プラスチック汚染への消費者の懸念に小売店がどう対応しているのか、匿名調査を行っている。 同グループの広報担当、リビー・ピーク氏はBBCニュースに対し、「多数の小売店で、生物分解や堆肥化が可能だとうたう容器を、売りにしている。(中略)けれども実際には、こうしたパッケージは、業務用コンポスター(堆肥化装置)でしか堆肥化できないかもしれないし、それでも完全には分解されないものも含まれるかもしれない」と話す。 報告書は、「消費者の8割以上が、生物分解や堆肥化が可能とされるプラスチックは環境にやさしいと考えている。しかし、こうした用語が何を意味しているのか、素材にはどういう処理が必要なのか、理解が不足している」と指摘する。 「我々の聞き取り調査の相手は、こうした素材をどこで使うべきか、消費者の誤解や新しい問題の発生を避けるためにどういう表示が必要か、従来よりも明確な取り組みを求めていた」 小売業者は、人々が「堆肥化可能」なプラスチックを従来のプラスチックと一緒にしたり、あるいはりんごの芯のように生物分解できると思い込んでポイ捨てしたりするなど、こうした誤解が環境を破壊する可能性があると懸念している。 こうしたプラスチックを試した企業の間からも、実際には期待したほど自然分解されないという指摘があった。 もっと勇気を出す? 報告書によると、「生物由来原料が何なのか、堆肥化や生物分解可能が何を意味するのか、消費者はとても混乱している」という企業の回答があった。 「(プラスチックから別の素材に切り替えることで)場合によっては、カーボン・フットプリント(二酸化炭素などの排出量)が増えるかもしれないと認識している」と、この企業は答えた。 別の企業は、「魔法の杖があるなら、もっと連携したトップダウンの政府介入を期待したい。(中略)政府にはもっと勇敢になってもらいたい」と回答したという。 また別の企業は、「現在の情勢では、包装技術の刷新が競争優位の鍵になり得る」としている。 英国小売協会(BRC)のアンドリュー・オピー氏は、「責任感のある小売業者は、製品調達でも包装の変更でも、気候変動への対応を事業の中心におかなくてはならないと、同意している」と述べ、もっと明確な戦略が必要だと強調する。 「プラスチックは今も往々にして、最も効果的な素材だ。例えば、プラスチック製の袋に包んだきゅうりは14日以上長持ちするので、食品ロス削減につながる。(中略)一貫性のある廃棄物・資源戦略とは、単にプラスチック利用を減らすことだけではない。自分たちが買うものの環境負荷をどう減らすか、これを最優先することだ」 政府の対応は 英政府は2018年12月、資源や廃棄物に関する戦略を打ち出し、3つの方針(包装における拡大生産者責任、飲料用ボトルに対する預かり金返金制度の提案、リサイクルおよび廃棄物収集における一貫性強化)について初期協議を行っている。政府は、廃棄物となった素材の処理にかかる費用全額(現在は10%)を事業主負担にする方針だ。 この3方針をめぐる協議は年内に予定されているが、実際に開始されるまでの流れは不明なままだ。また、政府は、すべての素材やすべての容器のサイズが預かり金返金制度の対象となるかは明言していない。 政府は、マイクロビーズ(微細なプラスチック粒子)の使用を部分的に禁止しているほか、プラスチック製ストローやスターラー、綿棒について、年内に禁止する方針だ。 ポリスチレンの使用禁止も議論されており、英財務省は、再生材料含有率が3割に満たないプラスチック製の包装に対して課税すると約束している。 イギリスは、より厳格なリサイクル目標を含む、欧州連合(EU)の循環経済パッケージ(CEP)を採用しようとしている。一方で、プラスチック製フォークなどを含むより幅広いプラスチック削減を目指す、EUの使い捨てプラスチック使用禁止(SUPD)政策の導入には動いていない。 しかし英政府は、EUの取り組みに準ずるような、あるいはそれ以上の取り組みを実施する意向を示している。 EUはマイクロビーズの使用を幅広く禁止する方針だが、英政府がこれを採用するのかも不透明だ。 (英語記事 Plastic packaging ban 'could harm environment')

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    ゴーン被告、楽器ケースに隠れていた? BBC単独会見で追及

    いたとの説が出ている。 本当にケースに入って、飛行機で逃亡したのか? 離陸したとき何を思ったのか? BBCのジョン・シンプソン記者が、単独インタビューでゴーン被告に迫った。

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    親を失ったコウモリの赤ちゃん、世界中から手作りのおくるみ届く 豪森林火災

    2020年01月10日 15:42 公開 オーストラリアで昨年から続く森林火災で、動物の赤ちゃん数千匹が親を失い、継続的なケアを必要としている。 世界中のボランティアは、こうした動物のために、母親の代わりに包みこんでくれる袋(おくるみ)を手作りし、ボランティアセンターが動物のケアを行う団体に送り届けている。 シンガポール在住のオーストラリア人の母娘もまた、親を失った赤ちゃんコウモリのためにこの活動に参加している。 (ビデオ:テッサ・ウォン、アンドレアス・イルマー/追加映像:ジュディス・ホッパー)

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    ハリー英王子とメガン妃、独自性を発揮してきた5つのこと

    2020年01月10日 14:30 公開 イギリス王室のサセックス公爵ハリー王子とメガン妃は8日、王室の「主要」メンバーとしての役割から距離を置き、経済的にも独立すると発表した。 バッキンガム宮殿は夫妻の発表に「がっかりしている」と声明。王族はこの発表に「心を痛めている」という。 サセックス公爵夫妻は婚約発表からこれまでたびたび、王室の伝統に従わず、独自性を発揮してきた。そのいくつかを紹介する。

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    英メガン妃、カナダに到着 「距離を置く」と発表の翌日

    ては、王室一家は「心を痛めている」とされる。他の王室メンバーに事前の相談はなかったといわれている。 BBCのニコラス・ウィッチェル王室担当編集委員は9日、女王が皇太子やウィリアム王子と連絡を取ったと報じた。 3人はそれぞれ、王室の幹部職員らに対し、ハリー王子の家族や政府と協議して近日中に解決策を見いだすよう指示したという。 アメリカ国籍をもつ元女優のメガン妃は、結婚前に米テレビドラマ「スーツ」に出演中、カナダのトロントに住んでいた。カナダ人の友人も何人かいる。 <分析>「夫妻の離れ方は衝撃的」――ジョニー・ダイモンド王室担当編集委員 サセックス公爵夫妻は、7日付の英紙サンの見事なスクープ記事によって、今回の発表をせざるを得なくなったと、一部で言われている。 もしそうなら(夫妻のメディア戦略は間違いなく型破りだが)、夫妻の言動をめぐっては答えより疑問のほうが多い理由を説明するうえで、いくらか助けとなる。 だが、夫妻はどのようにここまで至ったのか? 常にメガン妃を批判している人は、彼女が原因だと言う。しかしそれは、真実とかけ離れている。 ハリー王子にとって王室の生活は、絶えず困難なものだった。 母親の早世が影を落とし続けた。若さゆえの過ちをメディアは大きく報じ、交際には異常なほどの関心が集まり、結婚では人々の好奇心が爆発した。 兄のウィリアムズ王子と違い、ハリー王子はメディアに慣れることがなく、いまもカメラや質問にむっとした表情を見せる。そして、明らかに(見て取れるほど)儀式的な公務を退屈に感じている。 つまり、彼はずっと前から離脱したかった。そして愛する女性と一緒になったいま、その方法を見つけたと思っている。だが、彼の離脱――夫妻の離脱――の方法は衝撃的だ。 (英語記事 Meghan returns to Canada as Queen seeks solution)

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    【ジャパン2020】 ラグビー日本代表が示した多様性と「日本の和」

    2020年01月10日 12:29 公開 岡崎 恵理、BBCニュース(東京) アジア初開催となったラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は、ブレイヴ・ブラッサムズ(日本代表)が悲願の決勝トーナメント初進出を果たすなど、日本中を熱狂の渦に包んで幕を閉じた。 昨年12月11日に都内で行われた日本代表の感謝パレードでは、沿道にファン約5万人(主催の日本ラグビーフットボール協会発表)が詰め掛けた。大晦日にはNHK紅白歌合戦にゲスト審査員として登場したほか、お正月定番のCMに出演するなど、代表たちは年末年始もメディアに引っ張りだこだ。 ラグビーがマイナーなスポーツだった日本でこれほどまでに盛り上がるとは、誰が想像しただろうか。もちろん、強豪の南アフリカ代表相手に「史上最大の番狂わせ」と言われた勝利を収めた2015年大会も注目されたが、今回はそれをはるかに上回る勢いだった。 日本中が湧いたのは、単に日本代表の快進撃があったからだけではない。国籍も文化も違う、様々なルーツを持つ選手で構成された多様性豊かな日本代表が、「ONE TEAM」で日の丸を背負って戦う姿に、多くの人が感動したからだ。 しかし、今大会の開幕前や開幕直後は、少し様子が違った。「日本代表」に対する国内の受け止め方が、様々だったのだ。 「外国人」ばかりは日本代表じゃない? ソーシャルネットワークには、好意的なコメントのほかに、「ラグビー代表って言ったって外人ばっかり」、「そんなので勝っても嬉しいのか?」、「違和感ある」などの声が上がった。 15人制ラグビーでは国の代表チームに入るための要件が、代表国の国籍を必要とする野球やサッカーと異なる。あまりなじみのないラグビーという競技の、そのなじみのない代表チームのルールに、違和感を持つ人が多かったのは事実だ。伝統的に自分たちを単一民族とみなしがちな日本では、特に無理もないことだった。 同じ肌の色に黒い髪、日本語を話し、同じ文化や慣習を持つ人こそが「本当の日本人」だと考え、それ以外の人には抵抗感を抱く。そういう人は一定数存在する。 もちろん、長年の「日本人とはこうしたもの」という感覚に、必ずしも悪意が伴っているわけではない。しかし、世界中で人種と人種の垣根が曖昧になりつつあるこの時代に、日本のグローバル化が進んでいるのは現実だ。その現実を前に、無理解のままでいることはできない。 今年9月には女性お笑いコンビのAマッソが、ハイチ人の父親と日本人の母親を持つテニスの大坂なおみ選手(22)に必要なものについて「漂白剤。あの人日焼けしすぎやろ」などと発言し、物議を醸した。 この発言から約1週間後、大坂選手は自分がブランドアンバサダーを務める資生堂「アネッサ」の商品を引き合いに、秀逸な切り返しを見せた。 「『日焼けしすぎ』って(笑)、びっくり。資生堂のアネッサ パーフェクトUVがあるから、私は絶対に日焼けしないのに、2人は全然知らなかったみたい(スマイル×3)」とツイートしたのだ。 大坂選手をめぐっては、所属契約を結ぶ日清食品のPRアニメーションが実際よりも肌を白く描く騒動もあった。 この時の大坂選手は、「私の肌が褐色なのは明らかだ」とした上で、「日清食品側が意図的に『白人化』したとは考えていないが、今度また私を描いたりすることがあれば、その時は私に相談すべきだと思う」と話した。 日本代表としてプレーする大坂選手(10月に日本国籍の選択が報じられた)に対する「日焼けしすぎ」というAマッソの発言も、日清食品のアニメーションが肌の色を明るくしたのも、「日本人らしいイメージ」が基準としてあればこそだろう。 これに対して大坂選手は、ありのままの自分の姿こそ自分なのだと示してみせたのだ。 日本代表に「日本人らしさ」を求めるのは時代遅れ 世界中を人々が行き来し、海外移住者が増加する現代において、従来の「日本人のイメージ」に合う日本人や、「日本人らしい」日本代表を求めても、それは現実にそぐわなくなってきている。 バイレイシャル(二重人種)など混血の人口も増加しており、1つの「国」という枠組みに縛ること自体が難しくなりつつあるからだ。 厚生労働省のデータによると、2018年に日本国内で誕生した子供の数は91万8400人。そのうち、少なくとも両親のどちらかが外国籍の子供は1万7878人で、全体の1.9%ほどを占める。 今の日本には、両親共に日本ルーツのいわゆる「日本人」、外国ルーツを持つ日本国籍の人、外国籍で日本生まれ日本育ちの人、外国出身で日本で生活する人など、多種多様な人が溢れている。 そうした中に、ラグビー日本代表の外国出身選手も含まれる。 国際統括団体ワールドラグビーは、「その国・地域で出生」、「両親か祖父母の1人がその国・地域で出生」あるいは「3年以上継続してその国・地域に居住」(2020年12月31日からは5年に変更)のいずれかの条件を満たす者が代表資格を持つと定めている。 ラグビーの代表資格の規定は、実に現代社会に見合ったもので、日本代表チームは今の日本社会の多様性を象徴していると言える。 ちなみに現在の規定では、1つの国・地域を代表した選手は、違う国・地域の代表にはなれない。外国出身選手は、並々ならぬ覚悟を持って日本代表になると決断したのだろう。 多様性で力が何倍にも 高みを目指す人が、最高峰の舞台に立つチャンスをつかみたいと思うのは自然なことだろう。 2002年にイラン・テヘランから来日し、現在は日本国籍を持つ石野シャハランさん(39)は、日本人と外国人が共に働きやすい環境づくりなどを提案するコンサルティング会社を経営している。石野さんはBBCの取材に対して、外国出身選手が自分の目的のために日本を選ぶことは理解できると話す。 「基本的に誰でも自分の目的のために移動します。特に21世紀ですし。(中略)奨学金をもらって学校に通うとか、一旗上げたいとか。(ラグビー選手にとっては)それが日本代表だったのかもしれない」と、石野さんは私に話してくれた。 その上で石野さんは、多様なバックグラウンドを持つ人が集まれば、これまで以上の力を発揮することができると強調する。 「(ラグビーの戦術で)どうしたらいいのかを考えて、たとえば日本生まれの人、外国ルーツの日本人、そもそも国籍は日本でもない人がそれぞれ考えを言うと。少なくともこの3つのアイデアはありますよね。他に日本人と他の国のミックスの方もいましたし。そうすると4つのアイデアが生まれます。いいところを取って、つなげて、勝利と」 「ほぼ誰も想像していなかった」ベスト8は、「いろんな人がいて、いろんなアイデアがあったから」成し遂げられたのだと、石野さんは考えている。 代表国が「好き」という気持ち 一方で、外国ルーツを持つ人が、単純に損得勘定だけで代表国を選ぶということはないようだ。そこには、日本の一員になりたいという思いがあるという。 2015年のミス・ユニバース日本代表の宮本エリアナさん(25)はBBCに対して、日本に対して好意的な感情がなければ、選手はそもそも日本代表にはならないだろうと話した。 宮本エリアナさんは、日本人の母親とアフリカ系アメリカ人の父親のもと、長崎県佐世保市出身で生まれた。幼少時代に、肌の色が黒いからといじめられた経験を持つ。 2015年には、「ハーフ」として初めてミス・ユニバース日本代表に選出され、世界大会トップ10入りを果たした。当時は外見を理由に「日本人ではない」、「日本代表にふさわしくない」などと激しいバッシングを受けたが、むしろ「ハーフ」の日本人の活躍を後押しする存在となった。翌年のミス・ワールド日本代表にインド人と日本人の両親を持つ吉川プリアンカさんが選ばれた際には、吉川さんは宮本さんのおかげだと感謝していた。 宮本さんは、「(自分がミス・ユニバース日本)代表になった時はそれこそすごいバッシングを受けました。日本人じゃないと言われて」と、日本代表に選出された当時を振り返りつつ、「けれども、日本のことが好きじゃなかったら私たちは日本代表になろうと思わない。(中略)ラグビーの海外の人たちも、日本のことが嫌いなら、日本を代表しようとは思わないでしょう。たぶん自分の国で代表になれるよう頑張っているはず」と強調する。 多様性の受け入れ方は試合結果次第? ラグビーW杯を通じて、日本の多様性への見方はポジティブな方向に変わったと言えるだろう。 日本では今年、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる。世界の目が日本に集まるこの時、ラグビーW杯がきっかけになったこの「変化」を一過性のものにせず、大きな変化の「流れ」として今後も継続できるのかどうか。「流れ」とするためには、選手の出身や成績にこだわり過ぎることなく、選手その人のあり方に注目するのもひとつの方法だ。 宮本さんは、大坂選手が2018年9月に全米オープンで「日本人として初」優勝して以降、周囲の見方が「手のひらを返したように」変わったと指摘。日本は「結果をすごく大切にする」ため、ラグビー日本代表が予選プールで劇的な4連勝を果たしていなければ、今とは状況が異なっていた可能性があると考えている。 「仮に予選で1回も勝てなかったとしたら、『外国人が、外国人が』となってたのかと若干思います。外国人がいるからまとまらなかったとか言われたんじゃないか。もし負けていたら、日本人だけのほうが団結力があったんじゃないだろうかとか」 さらに、たとえ勝っても、「日本人らしさ」への要求は続く。大坂選手の場合、試合後のインタビューなどで度々、「日本語で答えてください」などと得意ではない日本語でのコメントを記者から求められたり、「食べたい和食は?」と質問されるなど、「日本代表選手」感を全面に押し出した報道が目立つ。 それについて宮本さんは、まずは「一個人として」選手を見るべきだと話す。 「素直に一個人として、大坂なおみさんすごいな、応援しようって最初から思えばいい。国籍とかを気にしなくていいと思います。(中略)日本代表だから日本に結びつけたい気持ちもあるだろうけど、なおみさんが好きなら、なおみさんを応援すればいい」 日本代表という「和」 石野さんも、外見や国籍にとらわれず、「日本」というチーム、「日本代表」として見ればいいと話す。 「日本人だからとか、外国人がいっぱいいたからとかじゃなくて。個人プレーというものは今回、目立たなかったですよね。みんなでチームとしてやっていた。それは日本っていう『和』ですよね」 半数を外国出身選手が占める日本代表チームには、「日本の和」があったのだという。 「(日本の和の心は)本当にすばらしいことだと思っている。日本人選手も外国人選手を受け入れてて、逆に外国人選手も日本には来てるんだけど、日本人と一緒に頑張るぞって思ってちゃんとチームとしてやってたじゃないですか。(中略)お互いやるべきことをやったっていう」 さらに石野さんは、今大会で日本中が一斉に応援する姿を見て「日本が変わった」と感じたという。「とても良いタイミングでW杯があったなと本当に今思います」。 同じ国を背負う者として相手を受け入れ、認めること、そして共存していくという意識が芽生えたのかもしれない。 日本代表が多様性の土壌に 日本はまさにグローバル化の「転換期」にあると石野さんは言う。そうした中でのW杯開催は、日本の将来の発展につながる姿勢を示してくれた。 「何が正しくて何が悪いのかは正直、これから見てみないと答えが出ない。一晩では出ない答えだと思う」と前置きした上で、石野さんは、国際色豊かな代表チームを日本社会が受け入れたことについて、「一言言えるのは、こういう土壌、事例ができたことは私はとても喜ばしいことだと思っています。すごくいい事例をラグビーのチームが作ったと。これが少しずつ、国籍関係なく、たとえば会社に入って頑張るぞみたいになっていけばいい」と話す。 石野さんは、今後、優秀な日本の人材が国外へ流出するのではなく、逆に国内に取り込めるような、より多様性豊かな社会へとつながっていくことを期待している。 「優秀な人材が出て行くんじゃなくて、留まるような社会になればもう文句ないですよね。せっかくこういう強い『和』があるんですから。本当に強いですよ日本の『和』は」 「当たり前」になるまでに 2015年大会で南アフリカに勝利した後、五郎丸歩選手は、「ラグビーが注目されてる今だからこそ日本代表にいる外国人選手にもスポットを。彼らは母国の代表より日本を選び日本のために戦っている最高の仲間だ。国籍は違うが日本を背負っている。これがラグビーだ」とツイートした。 https://twitter.com/goro_15/status/645663742466859010?lang=ja それから4年。日本では今も、外国にルーツを持つ選手のことをわざわざ「外国出身」選手と形容している(この記事でもだが)。彼らの存在が、多様性が「当たり前」になるにはもう少し時間がかかるのかもしれない。 日本の未来を先取り 日本代表キャプテンのリーチ・マイケル選手(31)は今大会前、スポーツ誌「Sports Graphic Number」のインタビューで、「日本代表は何で外国人が多い? 」という質問に対し、こう答えている。 「それが今の日本だから。(中略)ラグビー日本代表の姿は日本の現実だし、未来の姿を先取りしている。ダイバーシティ(多様性)の大切さを社会にアピールできる存在なのです」 試合終了のホイッスルが鳴ったら、敵も味方もないラグビーの「ノーサイド」精神。日本以外のラグビー界ではあまり使われなくなったこの「ノーサイド」という表現が、日本では今も愛されている。その日本を代表するチームは、互いの違いを認め、リスペクトする多様性を広めていくきっかけを国に与えた。 日本は今、多種多様な人々が共存する社会へと一歩ずつ変わり始めようとしているのかもしれない。あるいはむしろ、ラグビー代表が日本の現実と未来を反映しているのだろうか。 ラグビーにおける代表資格――五輪の場合 オリンピック種目としては、男子15人制が過去4度(1900年、1908年、1920年、1924年)開催された。 その後、男女の7人制が2016年リオデジャネイロ・オリンピックから復活し、東京大会でも実施される。 通常の大会とは異なり、オリンピックおよびオリンピック予選では、オリンピック憲章に則り、選手は国籍を持つ国・地域の代表にしかなることはできない。 また、二重国籍を持つ選手が、同じオリンピック予選プロセスの中で、2つの国・地域の代表になることもできない。 1つの国の代表として出場した後、国籍変更などで別の国の代表を目指す場合は、前の代表に最後になった時から3年以上が経過していることや、国際オリンピック委員会(IOC)やワールドラグビーなどの承認を得なくてはならない。

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    トランプ氏の交戦権を制限する決議案を可決 米下院

    2020年01月10日 12:00 公開 米下院は9日、ドナルド・トランプ大統領のイランとの交戦権を制限する決議案を可決した。象徴的な意味合いが強い。 決議案は賛成224、反対194で可決された。下院は野党・民主党が多数派となっている。 アメリカが急襲される場合を除き、イランに対するいかなる軍事行動も連邦議会の承認を必要とする内容。 上院でも採決されるが、与党・共和党が多数を占めているため、可決のハードルは高い。 上院可決なら大統領は拒否できず 決議案は大統領に対し、議会の承認が得られない限り、イランに対する「米軍の使用を停止する」よう指示している。 ただし、「差し迫った軍事攻撃に対する自衛」が必要な場合は例外としている。 <関連記事> 「イランと真剣な交渉の準備ある」 米が国連に書簡 「イランは戦闘態勢から引く様子」とトランプ氏 追加制裁の方針示す 今回の決議案は、法的拘束力がなく、大統領の署名の必要もない「両院一致決議」の案だ。そのため、仮に上院でも可決された場合、トランプ氏は拒否権を発動できない。 決議案では、大統領の軍事行動の決断をチェックする権限を議会に与えた、1973年の戦争権限法を引用している。 だが、両院一致決議が大統領の権限を制限できるのか、法的には明確ではない。 「米国は安全になっていない」 ナンシー・ペロシ下院議長はこの日、米軍のドローン攻撃でイラン革命防衛隊のカセム・ソレイマニ将軍を殺害したトランプ氏の決断が、アメリカを前より安全にしたとは思えないと述べた。 一方、トランプ氏は、「下院共和党の全議員が『いかれたナンシー・ペロシの戦争権限法』に反対票を入れる」ことを期待するとツイートした。 トランプ氏はまた、ホワイトハウスの記者団に対し、イランがイラクにある「アメリカ大使館の爆破を狙っていた」との情報を得ていると述べた。 共和党にも支持の動き ソレイマニ将軍殺害を正当化しようとする政権幹部による議会説明が8日にあったが、その内容に反発する議員が相次ぎ、今回の決議案への支持が高まった。 共和党のマイク・リー上院議員(ユタ州)とランド・ポール上院議員(ケンタッキー州)は、大統領の戦争権限を制限する、同様の決議案を支持する可能性を明らかにした。 上院は現在、共和党53人、民主党47人で構成されており、この共和党議員2人の動きは、決議案の可決の可能性を高める。 リー氏は政権側の議会説明について、「私が議員になって9年間で、少なくとも軍事関連では最悪の説明だった」と記者団に述べた。 政権幹部は、大統領がイランを攻撃する権限について、議会に議論さえしないよう求めたという。リー氏は政権のこうした姿勢について、「アメリカらしくない」、「狂っている」と述べた。 しかし、ほとんどの共和党議員はトランプ氏を支持している。 同党のダグ・コリンズ上院議員(ジョージア州)は米フォックス・ニュースで、民主党は「テロリストと恋に落ちている」とし、ソレイマニ将軍に殺害された米兵の遺族たちより同将軍の死を悲しんでいると主張した。 (英語記事 US House votes to limit Trump war powers on Iran)

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    カナダ首相、イランが旅客機撃墜と 複数の証拠から

    2020年01月10日 11:51 公開 イランの首都テヘランで8日早朝にイマーム・ホメイニ空港を離陸した直後に墜落したウクライナ航空機について、63人が死亡したカナダのジャスティン・トルドー首相は9日、イランの地対空ミサイルに撃墜されたものだと発表した。 複数の出所から得た証拠から判明したという。 旅客機墜落の約5時間前には、イラン革命防衛隊が司令官殺害への報復として、イラク国内2カ所の米軍基地に多数の弾道ミサイルを発射していた。 イラン当局は9日、テヘランで墜落したウクライナ航空機から回収したブラックボックスをアメリカ政府やボーイングに渡す予定はないと発表した。

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    ウクライナ機墜落は「イランのミサイルによるもの」 西側諸国が主張

    人、ドイツ人3人が死亡。うち15人が子どもだったという。 安全保障担当の閣外相ブランドン・ルイス氏はBBC番組「クエスチョン・タイム」に出演し、「イギリス政府はこの件についてカナダ政府と協力している。ジョンソン首相も、エマニュエル・マクロン仏大統領やアンゲラ・メルケル独首相など各国の首脳と連絡を取っている」と説明した。 その上で、墜落の原因について「正しく適切な調査」が行われるよう求めていると話した。 アメリカの見解は? アメリカのドナルド・トランプ大統領は9日、墜落機に何が起きたか「不信感」を抱いていると話した。 「不信感を持っている。私が見る限りこれは悲劇、悲劇だ。しかし一方で、誰かが間違いを犯したのかもしれない」 米メディアは、米軍基地を攻撃した後のイランが米軍の反撃に備えるなか、ウクライナ機を米軍機と間違えた可能性があると報じている。 米CBSニュースは米情報機関筋の話として、人工衛星が2発のミサイル「発射音」を感知し、その後、爆発音を検出したと報じた。 また、米誌ニューズウィークは国防総省と情報機関、イラクの情報機関からの話として、ウクライナ機に向かって発射されたのはロシア製のミサイル「トール」だと伝えている。 ウクライナ国家安全保障・国防会議のオレクシイ・ダニロフ議長は9日、ミサイル以外の墜落原因として、ドローンなど飛翔体との衝突、エンジン不良、テロ行為による旅客機内で爆発などが考えられるとの見解を示した。 また、同国の調査チームがすでにイラン入りしており、墜落現場にミサイルの破片が残されていないか捜索していると述べた。イランは、ロシアのミサイル防衛システムを導入している。 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、「国際法にのっとり、徹底的かつ独立した調査が行われるだろう」と話し、協力態勢を強化するためにイラン首脳陣と会談すると発表した。 イラン側の主張 イラン民間航空局のアリ・アベドザデフ局長は、「空港から西へ離陸した旅客機は、墜落時、問題が起きたために右に旋廻し、空港に戻ろうとしていた」と発表した。 また、墜落前に飛行機が「燃えていた」という目撃証言があったこと、空港に戻ろうとする前に操縦士からの緊急連絡はなかったことなどを明らかにした。 その上で、「科学的に見て、ミサイルがウクライナ機を直撃したというのは不可能だ。そうしたうわさは論理的ではない」と述べた。 アリ・ラビエイ政府報道官も、ミサイルによる撃墜だとの報道は「心理戦争」だと批判。「この墜落機で犠牲者が出た国は代表を送ればいい。我々もブラックボックスの調査プロセスに参加してもらうため、ボーイングに代表を送れと要請した」と述べた。 イラン政府関係者はBBCのフランク・ガードナー安全保障担当編集委員に、イランのミサイルが旅客機を墜落させたという報道は「アメリカのプロパガンダ」と反発。「国際社会に厳密な証拠を出さないままの言い分には価値がない。証拠があるなら、騒ぎ立ててイランに対する今後の行動の裏付けにするため世論を操作しようとする前に、国際機関に証拠を共有するべきだ」と述べた。 調査は誰が? 国際航空法では、イランが調査の主導権を握ることができる。しかし、通常は航空機メーカーが調査に携わる。 また、アメリカで生産されたボーイング機が関わる事故では通常、同国の国家運輸安全委員会(NTSB)が国際調査に携わるが、事故の起きた国の許可が必要なほか、その国の法律に従うことが求められる。 アベドザデフ局長は当初、「アメリカ人と航空機メーカーにはブラックボックスを渡さない」と言明。「この事故はイラン航空当局が調査するが、ウクライナ当局も参加する」としていた。 しかし、イラン外務省はボーイングに対し、調査に加わるよう正式に要請を出した。ロイター通信はイラン政府高官の話として、NTSBも調査に加わることになったと報じている。 一方でアベドザデフ局長は、どの国がブラックボックスを調べるのかには言及していない。ブラックボックスには、コックピットの会話やフライトデータが記録されている。 ウクライナのダニロフ議長は、今回の墜落の調査には、2014年にウクライナ東部で起きた、マレーシア航空機のミサイルによる撃墜を調査した専門家を派遣するとしている。 イランでは、墜落現場でブルドーザーが使用されている様子がテレビで報道された。 「いつもニコニコしていた」 死亡した4人のイギリス人のうち、3人は身元が発表された。 そのうちの1人、モハメド・レザ・カドコダ・ザデフさん(40)は、ウエスト・サセックス州ハソックスでクリーニング店を営んでおり、9歳の娘がいた。 勤勉な働き者で、従業員からも愛されていたという。 サム・ゾケイさん(42)はイギリスの石油メジャーBPのエンジニアで、休暇で滞在していたイランから戻るところだった。 友人はゾケイさんについて、「いつもニコニコ笑していて、前向きなエネルギーにあふれていた」と語る。また、「遠くて面白い場所への旅行を愛していた」という。 サイード・タフマセビ・カデマサディさん(35)はエンジニアリング会社レイン・オロークで働き、博士課程の学生でもあった。 昨年、イラン人のニロウファル・エブラヒムさんと結婚した。エブラヒムさんも、墜落機の搭乗者名簿に名前が記載されていた。 イランの救急当局は、犠牲者のうちイラン人は147人と伝えている。これはイランとの二重国籍を持つ外国人が65人いたためと考えられる。 ウクライナ航空は、墜落機の乗客について情報提供のヘルプラインを解説した(+38-044-581-50-19)。 (英語記事 Trudeau believes that Iran missile downed jet / PM: Evidence suggests Iran missile shot down plane)

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    英下院、離脱協定法案を可決 1月末のブレグジットに向け前進

    2020年01月10日 10:07 公開 英下院(定数650)は9日、ボリス・ジョンソン首相が欧州連合(EU)と取りまとめたEU離脱協定を国内で法制化するために法案を、330対231の賛成多数で可決した。 イギリスは1月31日にEUを離脱する予定。離脱の条件を定めたこの法案には、EUに支払う「清算金」や、在英EU市民と在EU英国民の権利、北アイルランドをめぐる関税規定、ブレグジット(イギリスのEU離脱)後の11カ月間の移行期間などが盛り込まれた。 法案は週明けにも上院に送られる。上院議員が修正を求めた場合は、下院で再度、採決が行われる。 与党・保守党は昨年12月に行われた総選挙で過半数議席を獲得したため、法案可決は想定内だった。 下院はクリスマス休暇直前に、この法案の大枠を承認。3度目となる9日の審議も滞りなく行われた。賛成票330票は全て保守党議員によるものだった。 <関連記事> 「いつでも戻ってきて」 EU高官、ブレグジットめぐり英紙に寄稿 英下院、EU離脱協定法案を可決 年明けにも審議再開 【解説】 与党が過半数議席獲得 ブレグジットはどうなる? 1月末にEUを離脱した後、イギリスは11カ月間の移行期間に入る。 移行期間は、イギリスとEU間の通商協定など、将来の関係性を決めるために設けられた。期間中、イギリスはEUの加盟国ではないが、EU法に従い、予算に貢献する必要がある。 野党・自由民主党のアリスター・カーマイケル・EU離脱担当報道官は、「危険な」法案に反対し続けると語った。 「未来の世代が(EU加盟)27カ国で生活し働く権利を奪う、そういう法案を彼らは採択した」 「気候変動の危機に直面する中、保証されていた環境保護基準を取り去る法案を採択した」 スコットランド独立を掲げるスコットランド国民党(SNP)のイアン・ブラックフォード下院院内総務は、スコットランドは「独立したEU加盟国として留まるだろう」と強調した。 議会での演説でブラックフォード議員は、「これは憲政の危機だ。我々はこの事態を受け入れることも、そうするつもりもない」と述べた。 これに対しスティーヴ・バークリーEU離脱担当相は、離脱協定法案によって、イギリスを1月31日にEUから離脱させるという総選挙で保守党が得た「非常に大きな信任」を実現できると語った。 また、移行期間が短すぎるという意見もある中、年末までにEUと通商協定を結ぶ「自信」があると述べた。 ジョンソン首相もこれに同調し、移行期間の延長は考えていないとしている。その上で、1月末の離脱後「ただちに」交渉を始める準備があると述べた。 これについて欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は8日、2020年末までに包括的な通商協定を結ぶことは「不可能だ」と警告している。 (英語記事 MPs give final backing to Brexit bill )

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    野党指導者が国民議会議長に再選、議場から締め出しも ヴェネズエラ

    2020年01月09日 18:05 公開 南米ネズエラの野党指導者フアン・グアイド氏が7日、国民議会議長への再任を宣言した。 グアイド氏は当初、議場への入場を警備員に止められており、その間に与党・統一社会党(PSUV)のルイス・パラ氏が国民議会議長への就任を宣言した。 その後、グアイド氏は支持者と共に入場。議場への送電が切られていたため、暗闇の中で国歌を歌い、就任の宣誓式を行った。 ヴェネズエラでは、2018年のニコラス・マドゥロ大統領再選を立法府が違法だと宣言し、グアイド氏が2019年1月に暫定大統領就任を宣言して以降、与野党の対立が続いている。 グアイド氏の暫定大統領就任は、アメリカをはじめ約50カ国が承認している。一方、マドゥロ氏はこれを認めず、政権を譲っていない。

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    ハリー英王子とメガン妃、カナダ人は歓迎する?

    2020年01月09日 17:02 公開 イギリス王室のサセックス公爵ハリー王子と妻のメガン妃は8日、王室の「主要」メンバーとしての役割から距離を置き、経済的にも独立する考えを示した。 また、今後はイギリスと北米を行き来して生活すると述べた。 サセックス公爵夫妻はクリスマスから新年にかけ、6週間にわたって公務を休み、アーチーちゃんと共にカナダに滞在していた。 英王族がカナダに来ることについて、地元の人々はどう思っているのだろうか。

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    豪当局、ラクダを空から多数射殺へ 水を求めて民家を破壊

    2020年01月09日 14:23 公開 森林火災が深刻な被害をもたらしているオーストラリアで、何千頭もの野生のラクダが命を奪われる見通しだ。火災で焼け死ぬのではなく、当局がヘリコプターから撃ち殺す。 南オーストラリア州では、森林火災の原因にもなっている高温と乾燥により、ラクダが水を求めて大挙して先住民アボリジニの居住地に進入。建物などに被害を及ぼしている。 そのため、個体数を減らす必要に迫られているのだ。 「ラクダは水を探して通りをうろついている。子どもたちの安全が心配だ」と、アボリジニのカニピ地区で暮らすマリタ・ベイカーさんは話す。 <関連記事> オーストラリア森林火災、世界はどんな援助を? 何が必要? いらない援助とは? 森林火災は「数カ月続く見込み」と豪首相 民間支援募金に大勢が協力 豪山火事、年末年始も家屋200軒以上が焼失 エアコンの水を オーストラリア連邦政府の環境と水の担当省は8日、同州のアナング・ピチャンチャチャラ・ヤンクニチャチャラ(APY)地域で殺処分を開始。5日間にわたって続ける。APYは人口密度が低いが、先住民グループの集落が多数ある。 野生の馬も一部、殺処分するという。 APY管理者のリチャード・キング氏は、「ラクダが水を探し求め、APYにあるアボリジニ地区の土地や畜産業が深刻な影響を受けている」とする声明を発表。 「現在の乾燥状態とラクダの大群が、APYのすべての主要なコミュニティーとインフラを脅かしている状況では、即時のラクダの頭数制御が必要だ」とした。 APYの幹部メンバーでもあるベイカーさんも、ラクダが柵を倒し、民家に近づいてエアコンの冷却水を得ようとしていると述べる。 メタンガスも問題 ラクダはもともとオーストラリアにはいなかった。19世紀にイギリス人移住者によって、インドやアフガニスタン、中東から運び込まれた。 現在の生息数の推計は幅があるが、オーストラリア中央部で数十万頭に上るとされる。 柵や農機具を損傷したり、居住地を荒らしたりするほか、住民に欠かせない水を飲むなどしている。 また、排泄によりメタンガスが発生。気候変動にも影響が及んでいる。 (英語記事 Australia begins mass camel cull)

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    相模原45人殺傷の被告、初公判で無罪主張 起訴内容は認める

    2020年01月09日 12:57 公開 2016年に神奈川県相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害され、職員2人を含む26人が負傷した事件で、殺人罪などに問われた元職員、植松聖(さとし)被告(29)の初公判が8日、横浜地裁で開かれた。植松被告は起訴内容を認めたものの、弁護団が被告は精神障害があったとして無罪を主張した。 検察官が起訴状を読み上げた後、裁判長から「今読み上げた内容に違っているところはありますか」と問われると、植松被告は「(間違いは)ありません」と答え、起訴事実を認めた。 しかし被告の弁護団は、「被告は大麻の乱用で精神障害を発症し、事件当時は別の人になっていた」と述べ、心神喪失で無罪、あるいは心身衰弱だったとして刑の軽減を求めた。 植松被告は事件後、血液検査から大麻の薬物反応が確認されていた。 一方、検察側は被告には「完全責任能力があった」と主張している。 指をかみ切ろうと 植松被告はこの日の公判で、開廷から間もなく、口の中に指を入れ、右手の小指をかみ切るような動作をした。刑務官が制止しようとすると、被告は暴れ出した。取り押さえられた被告は15分程度で退廷することとなった。 植松被告は有罪となれば死刑になる可能性がある。判決は3月16日に言い渡される予定。 植松被告はこれまで、重度の障害者は「社会の負担」、「障害者なんていなくなればいい」などと話したと報じられている。 この事件は、凶悪犯罪がまれな日本の人々に衝撃を与えた、国内最悪の犠牲者数を出した殺人事件の1つで、日本での障害者をめぐる問題点を提起した。 初公判を迎えても、遺族のほとんどは被害者の実名を伏せたままだ。家族に障害者がいるということを知られたくないという思いがあるようだ。 しかし、初公判開始前に、この事件で娘を失った1人の母親が、報道機関に手記を寄せ、娘の下の名前を公表した。 手記には、「本当に笑顔がすてきで、かわいくて仕方がない自慢の娘でした」、「美帆は一生懸命生きていました。その証しを残したいと思います」、「美帆の名を覚えていてほしいです」とつづられている。 就寝中の入所者を刃物で 起訴状や報道によると、植松被告は2016年7月26日午前2時40分ごろ、複数の刃物を持って、「津久井やまゆり園」に窓を割って侵入。就寝中の入所者を次々に刺した。 19歳から70歳までの19人が殺害された。このほか25人が負傷し、うち20人が重傷だった。 被告は犯行後、施設から自分で車を運転して津久井署に出頭した。 神奈川県警が当時、記者団に語ったところによると、植松被告は出頭時に血が付いた包丁やナイフを持っていたという。 神奈川県の担当者らによると、施設には入所者約150人が暮らしており、事件当時は職員9人が勤務中だったという。 政治家への手紙 報道によると、植松被告は同年2月に東京都千代田区の衆院議長公邸に手紙を持参して訪れていた。 手紙には、「私は障害者総勢470名を抹殺することができます」、「私の目標は重複障害者の方が家庭内での生活、及び社会的活動が極めて困難な場合、保護者の同意を得て安楽死できる世界です」などと書かれていたという。 その後、同被告は2週間近く措置入院させられていた。 (英語記事 Suspect admits Japan care home mass killings)

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    ハリー王子とメガン妃、王族の役割から「距離を置く」と発表 経済的に独立

    ェブサイトで発表された声明で公爵夫妻は、今後はイギリスと北米を行き来しながら活動を行うとしている。 BBCの取材によると、この発表はエリザベス女王や皇太子との相談なく行われた。バッキンガム宮殿は、夫妻の決定に「失望している」と声明を発表。王族らはこの発表に「心を痛めている」という。 ハリー王子はエリザベス女王の孫で、チャールズ皇太子と故ダイアナ元妃の次男。王位継承権で6位に位置する。2018年5月にアメリカ人で元女優のメガン・マークルさんと結婚し、昨年5月に第1子のアーチーちゃんが生まれた。 しかし10月、夫妻はメディアから注目され続けることに悩んでいると発言。また、手紙を不当に公開されたとして英タブロイド紙を提訴した。 <関連記事> エリザベス女王、2019年は「特にでこぼこ」 クリスマスのあいさつ アンドリュー英王子「公務控える」 スキャンダル受け発表 英ハリー王子、ジェット機多用を弁解 「家族の安全」のためと 突然発表された声明でサセックス公爵夫妻は、今回の決断は「何カ月にもわたって熟考し、内々に話し合った結果」だと説明した。 「私たちは女王陛下を全面的に支援し続ける一方で、王室の『主要』メンバーとしては距離を置き、経済的に独立するために働こうと思っています」 また、今後はイギリスと北米を行き来する生活を考えていると述べた。その上で、「女王やイギリス連邦への責務、そしてパトロンとしての役割を尊重し続けます」としている。 「この地理的なバランスによって、息子を王室の伝統にのっとって育てられると同時に、新たな慈善組織の発足など、次の段階へ進む余裕を私たち家族に与えてくれるでしょう」 「不和は大きい」 BBCのジョニー・ダイモンド王室担当編集委員は、バッキンガム宮殿側が使った「失望」は「とても強い言葉」だと説明した。 「何が起こったのかではなく、どうやってそれが起きたのかについて、王室内が本当に感情的になっている表れだと思う。相談がなかったことも、その原因だろう」 「ハリー王子とメガン妃と、残りの王族との間に大きな不和があることは明らかだ」 バッキンガム宮殿の報道官は、サセックス公爵夫妻の決定をめぐる話し合いは「初期段階」にあると述べ、「2人が異なるアプローチをしたいことは理解しているが、複雑な問題なので、解決には時間がかかるだろう」と話した。 サセックス公爵夫妻はクリスマスから新年にかけ、6週間にわたって公務を休み、アーチーちゃんと共にカナダに滞在していた。 メガン妃はカナダに滞在中、「カナダの美しさ」を楽しみ「素晴らしい時間を過ごした」と話した。メガン妃は結婚前、米テレビドラマ「スーツ」に出演中にカナダのトロントに住んでいたことがある。 「経済的に独立」に疑問の声も バッキンガム宮殿の元報道官ディッキー・アーバイター氏は、今回の発表はハリー王子が「論理より心を優先した」結果だと指摘した。 特に、アーチーちゃんが生まれた際に受けた「激しい批判報道」が、決定打の一部だっただろうと話した。 また、夫妻が王室と距離を置こうとしている事実を、離婚歴のあるアメリカ人女性ウォリス・シンプソンさんと結婚するため、エドワード8世が1936年に退位したことになぞらえた。 「前例はほかにもあるが、現代では同じようなことは起こったことがない」 さらに、王室としての公務を「パートタイム」で行うことや、夫妻が経済的に独立することについて、「ハリー王子は貧しくはないが、2つの大陸で生活し、家族を養い、仕事をする――これらの資金繰りはどうなるのか」と疑問を投げかけた。 「特に、セキュリティー面での資金繰りはどうなるのか。彼らにはなおセキュリティーが必要になるが、一体誰が払うのか? 人員はどこから来るのか? ロンドン警視庁がそれをやるとしても、そのコストをまかなうような献金が行われるのか?」 BBCのダイモンド編集委員も、ハリー王子には故ダイアナ妃からの遺産が、メガン妃には女優時代の報酬があり、夫妻には「ばく大な貯金がある」とした一方、王室から離れて仕事を得ることは難しいと分析した。 「王室の中核にいる人が仕事を得るのは、たとえ本人がもう主要メンバーではないと言っているとしても、問題が付きまとう。彼らは王室というブランドでお金をもらっていると見られるし、利益相反についてあらゆる疑問を投げかけられるだろう」 その上で、新しい王族としてのあり方が通用するのか、あるいは「2人が本当に王室を離れようとしている道半ばなのか」、今後のなりゆきを見守るしかないと述べた。 チャールズ皇太子の公邸クラレンス・ハウスによると、チャールズ皇太子はコーンウォール公領の収入からハリー王子とメガン妃、長男のケンブリッジ公爵ウィリアム王子とキャサリン妃の公費、そして4人の私費の一部を支払っている。昨年のコーンウォール公領の収入は2160万ポンド(約30億円)だった。 メガン妃が王室に加わった昨年の支出合計は500万ポンド強と、前年から1.8%増えている。 王室に関する著書のある作家ペニー・ジュノーさんは、「2人の決定がどのように実現していくのか全く分からない。ちゃんと考えられていないように思える」と話した。 一方で、「大変なことだが、同時に悲しくもある。2人は愛されていないと感じているのかもしれない。実際にはとても愛されているのに」と述べた。 メディアとの確執 昨年、英民放ITVで放送されたドキュメンタリーでメガン妃は、新聞の過熱報道によって子育てに「苦労している」と語った。 一方この番組でハリー王子は、仲たがいが噂されてきた兄のウィリアム王子との関係について、「今は別々の道を歩いている」と述べた。 10月にはメガン妃が、個人的な手紙を不法に掲載したとして、英タブロイド紙「メイル・オン・サンデー」を提訴。ハリー王子も、英タブロイド紙「サン」と「デイリー・ミラー」のオーナーを相手取り、電話が盗聴された疑いにからんで裁判を起こした。 ハリー王子はこの時に発表した声明で、「私はかつて母を亡くし、今は妻が、同じ強力な勢力の犠牲者になるのを見ている」と批判した。 サセックス公爵夫妻は2018年、ケンブリッジ公爵夫妻の住むケンジントン宮殿を離れ、ウィンザーにある王室所有地フロッグモア・ハウスに移転。昨年夏には、ケンブリッジ公爵夫妻と共同で保有していた慈善団体から離脱し、独自の慈善プロジェクトを立ち上げている。 (英語記事 Harry and Meghan to step back as senior royals)