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    ゴーン被告が出国後、初会見 逃亡は人生で最も困難な決断

    するルノーの影響を排除するには、私を排除するしかないと考えていた人もいた」と述べた。 ただ、同被告はBBCの質問に答える格好で、その陰謀には安倍晋三首相は関わっていないとの見方を示した。 日本の検察は7日、ゴーン被告の妻キャロル氏について、偽証容疑で逮捕状を取った。 ゴーン被告は2018年11月に最初の逮捕をされた。のちに保釈されたが、妻との会うことは禁止された。 2019年末になり、保釈条件を破ってプライベートジェット機に乗り、トルコ経由で市民権をもつレバノンに移動。妻と再会した。 華麗なパフォーマンス この日の会見について、BBCでビジネスを担当するテオ・レゲット編集委員は、記者たちを引き付ける「華麗なパフォーマンスだった」と論評。 「ゴーン被告は日本の司法制度について、基本的人権の原則に違反すると批判した。また、『復讐心に燃えた恥ずべき人たち』が彼を陥れようとしたと非難した」と伝えた。 そのうえで、日産と日本政府は反論するだろうが、ゴーン被告は、劇的な逃亡もあいまって、この問題において独特のスタイルで主導権を握ったと論じた。 (英語記事 Ghosn: Decision to flee was hardest of my life)

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    「イランは戦闘態勢から引く様子」とトランプ氏 追加制裁の方針示す

    カに死を」と唱えた。それだけに、イランの強硬派が今回のトランプ発言をどう受け止めるかが注目されると、BBCのフランク・ガードナー安全保障担当編集委員は話した。 トランプ氏は4日の時点では、もしイランの反撃でアメリカ人やアメリカ資産が被害を受けるようなことがあれば、イランの文化を含む「52の標的」を攻撃するとツイートした。その後も、「不相応な」反撃の可能性を示唆していた。 <解説>全て元通り……なのか?――ジョナサン・マーカスBBC防衛担当編集委員 トランプ大統領の演説は奇妙な混合物だった。脅しと虚勢と、そして事態沈静化の意向が少々という。 とはいえ、イラン政府には追加経済制裁もピシャリと科した。「世界一のテロリスト」と呼ぶソレイマニ将軍の殺害は、自慢してみせた。 それでも要するにこの演説には、要点が3つあった。第一に、事態沈静化だ。イランのミサイル攻撃によるアメリカ人の犠牲者は出なかった。イランは「戦闘態勢から引く」ようだと言った。おそらく、配備されたミサイル発射部隊がそれぞれの基地に戻るという意味だろう。そしてトランプ氏は、米軍が即応するとは言わなかった。 二つ目は、核合意だ。米政府がとっくの昔に離脱した、2015年の「共同包括行動計画(JCPOA)」の締約各国に対して、あれはろくなものではないからもう諦めろと呼びかけた。 そして三つ目。アメリカがエネルギー独立を達成したと強調し、NATO諸国に「中東のプロセスにもっと関わる」よう呼びかけた。この発言は当然ながら、やはりアメリカは中東での役割にもうくたびれてしまったのだと、そういう意味だと受け止められる。そしてそれは、中東の同盟諸国もNATO加盟各国も、決して歓迎しない。 そういうわけで、この演説はいかにもトランプ的矛盾に満ちていた。イラン国民の明るい未来に多少触れたところで、新しい外交機軸の具体的展望などほとんど示していない。 つまり、米軍のドローン攻撃にイランのミサイル攻撃と立て続いた後のことの顛末(てんまつ)はどうやら、何もかも元通り……ということらしい。 (英語記事 Trump: Iran 'standing down' after missile strikes)

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    イラン旅客機墜落、現場の様子

    2020年01月08日 17:46 公開 イランの首都テヘランで8日早朝、イマーム・ホメイニ空港を離陸した直後のウクライナ航空機が墜落した。イランの国営ファルス通信が発表した。 このボーイング787型機には、乗客乗員170人以上が乗っていたという。報道によると、同機はウクライナの首都キーウ(キエフ)に向かっていた。 イランの赤新月社のトップは国営テレビで、生存者を見つけるのは「不可能」だと語った。 ウクライナ政府は、墜落の原因を調べるため調査チームを派遣すると発表した。

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    生き延びた動物の「食べるものが何もない」 オーストラリア火災

    2020年01月08日 16:12 公開 オーストラリア全土で森林火災が猛威を振るう中、専門家は生物多様性に甚大な被害が出ており、数百万匹の動物が危険にさらされていると警告した。 ニューサウスウェールズ州だけで、約5億匹の動物が森林火災で犠牲になったという推計も出ている。 同州メリンブラのポトルー・パレス自然保護区も火災に見舞われた。ここで働くジョン・マーシュさんは、火災が過ぎ去っても、生き延びた動物の未来は見えないと語った。

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    イランで旅客機が墜落、対立との関係は不明

    援隊が墜落機のブラックボックスのうちの1つを発見したという。 航空安全の専門家トッド・カーティス氏はBBCの取材に対し、墜落機は2016年製造で、ウクライナ航空が新たなに購入したものだと説明した。 「墜落機は粉々になってしまっている。つまり、地上で大きな衝撃を受けたか、空中で何かが起きたと考えられる」とカーティス氏は指摘した。 「あらゆる状況から見て、この旅客機は正しく整備され、欧米の航空当局からも特段の問題はないとされていた。そのため、現時点では特定の原因を示すものは何もない」 また、今回の墜落の調査にはイランとウクライナのほか、アメリカやフランス当局も加わるだろうと述べた一方、イランとアメリカの対立が高まる中、各国がどのように協力するかは不透明だとしている。 「当局はまず、機内で何が起こったのかをまとめようとするだろう(中略)機体の状況や、搭載していた燃料に墜落の原因があったのかどうかを調べることになる」 「さらに、機体の外で何かが起こった可能性も否定できない。空中での衝突や、その他の要因が関係しているかもしれない」 今回墜落したボーイング737-800型機は、世界中で何千機もが運用されており、すでに数千万回航行している。カーティス氏によると、これまでに今回の墜落を含めて10件の事故が起きているという。 一方、ウクライナ航空にとっては、死者の出た墜落は今回が初めて。 (英語記事 Ukrainian passenger plane crashes in Iran)

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    ワインスティーン被告、法廷で携帯電話の使用繰り返す 裁判官から叱責も

    2020年01月08日 15:22 公開 米ハリウッドの映画プロデューサー、ハーヴィー・ワインスティーン被告(67)の性的暴行疑惑をめぐる刑事裁判がニューヨークで始まり、公判2日目の7日には、法廷内で携帯電話を使用した被告に対し、裁判官が「残りの人生を刑務所で過ごしたいのか」などと怒りをあらわにする一幕があった。 現在保釈中のワインスティーン被告は、強姦罪や性的暴行罪など計5件の罪状に問われている。 有罪となれば、終身刑となる可能性もある。 法廷内で携帯電話を使用 地元メディアによると、ワインスティーン被告は7日、法廷内で携帯電話2機を使用しているところを見つかった。被告は、前日も法廷内での携帯使用について、ジェイムズ・バーク裁判長から注意さればかりだった。 バーク裁判長は7日、「携帯電話でテキストメッセージをしたり、裁判所命令に違反したりして、それを理由に残りの人生を刑務所で過ごす羽目になりたいのか? 本当にそれが望みなのか?」と述べた。その上で判事はワインスティーン被告に対し、この質問には答えないよう指示した。 <関連記事> 米女優「口封じのため脅された」 ワインスティーン被告ら提訴 ワインスティーン被告、48億円で和解か 性被害の民事訴訟原告らと ワインスティーン被告をめぐっては、2013年に女性をホテルの一室で強姦した疑いや、2006年に自分のアパート内で別の女性を性的暴行した疑いがもたれている。 同被告は合意の伴わない性行為は一切なかったとして無罪を主張している。 バーク裁判長は7日、「携帯電話や電子端末をめぐる違反がこれほど相次いでいるなか、(被告が)それをここに持ち込んだりしたら、持っているだけでどうなると私は忠告しましたよね。何と言いましたっけ?」と問いただした。 この激しいやりとりの後、ワインスティーン被告の弁護人は、「再勾留すると言っていたと思います」と答えた。 「謝罪ではなく法令順守を」 ジョーン・イルージ主任検事は、バーク裁判官に対し、ワインスティーン被告の保釈取り消しを求めた。500万ドル(約5億4100万円)の保釈保証金を支払い保釈されている同被告は、GPS追跡装置の着用を義務付けられている。 イルージ主任検事は、「被告がどこかのタイミングで、自分に不利な証拠が圧倒的だと気づき」、逃走しようとする「重大な危険がある」と述べた。 バーク裁判長は最終的にワインスティーン被告の保釈取り消しを拒否したものの、被告の法廷内の振る舞いについてこれ以上警告はしないと述べた。 「謝罪はいらない。決まりを守ってもらいたい」 ニューヨークでの裁判とは別に、ロサンゼルス郡検察は6日、強姦と性的暴行容疑でワインスティーン被告を訴追した。 被告の弁護人、アーサー・エイダラ氏は、ロサンゼルスでの容疑が広く報道されたことで、ニューヨークでの裁判の陪審団はもはや中立公平ではなくなってしまったと主張し、陪審員の選定手続きの延長を求めた。 エイダラ弁護士は6日の朝刊の束を手に、「検察にとって、まるでクリスマスの朝のような朗報だ。(中略)被告の名誉があちこちで傷つけられている日に、陪審員を選ばなくてはならない。検察へのプレゼントのようなものだ」と述べた。 しかし裁判長は、弁護団の求めを退けた。 陪審団の選定後、ニューヨークでの実質的な審理は約2週間後に始まる見通し。 (英語記事 Harvey Weinstein rebuked for using phone in court)

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    オーストラリア森林火災、世界はどんな援助を? 何が必要? いらない援助とは?

    アだ。何千人もの地元住民が、命と生活を賭して危機に立ち向かおうとしている。 あるボランティア消防員はBBCの取材で、「情熱と同胞愛があるからやっている」と話した。 多数の国が、消防隊員やヘリコプター、軍隊、資金などの提供を申し出ている。 モリソン首相はツイッターで、アメリカとニュージーランド、カナダ、シンガポールからの支援に感謝を述べた。 太平洋の島国ヴァヌアツは、「森林火災の被害者支援」のために25万豪ドル近くを援助すると発表。同国のジョサム・ナパト首相代理は、オーストラリアは「太平洋の隣人であり、友人」だと話し、「オーストラリアがいつもしてくれているように、我々もできる限りの援助がしたい」と述べた。 パプア・ニューギニアのジェイムズ・マラペ首相も、モリソン首相からの要請があれば約1000人の兵士と消防士を「派遣する準備ができている」と述べた。 動物用の毛布を編む このほか、森林火災で住む場所を失った動物のため、世界中で毛布や保護袋を作る動きが始まっている。 「アニマル・レスキュー・クラフト組合」はロイター通信の取材で、コウモリ用の毛布や、コアラ用の手袋、動物向けのベッドなどを作る申し出が殺到していると話した。 同組合のフェイスブックページには、カナダやアメリカ、イギリスなどから支援のメッセージが届いている。 (英語記事 How the world has responded to Australia's fires)

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    イラクの米軍基地攻撃、弾道ミサイル映像が公開 イラン国営テレビ

    2020年01月08日 12:54 公開 米国防総省は7日、イラク国内の少なくとも2カ所の米空軍基地が、十数発の弾道ミサイルで攻撃されたと発表した。 イラン国営テレビは、当該のミサイルだとする映像を報じた。 イランは攻撃について、ドナルド・トランプ米大統領の指示で3日にイラク・バグダッドでイラン革命防衛隊コッズ部隊のカセム・ソレイマニ司令官が殺害されたことへの報復だと宣言した。

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    イラン・ソレイマニ司令官埋葬にも大群衆、押し倒され50人死亡か

    に倒れ、50人が死亡、200人以上が負傷した。 事故を受け、埋葬は予定から遅れて行われた。 目撃者はBBCペルシャ語に対し、大群衆が集まれるほど十分な道幅がなく、他の通りは封鎖されていたことから逃げ場がなかったと述べた。 <関連記事> イラクの米軍基地に弾道ミサイル攻撃 イランが司令官殺害の報復と宣言 イラン首都でソレイマニ司令官の葬儀に大群衆 最高指導者は涙 国営通信イラン・イスラム共和国放送(IRNA)は検視官の話として、この事故で50人が死亡したほか、200人以上が負傷したと伝えた。 オンライン上の映像では、地面に横たわった人々の顔に布がかけられているのが確認できる。 「殉教者ソレイマニ」 参列者が口々に「アメリカに死を」、「トランプに死を」と叫ぶなか、イラン政府幹部たちは、あらためて復讐の誓いを繰り返した。 イラン革命防衛隊のホセイン・サラミ総司令官はケルマンの葬儀で、「殉教者カセム・ソレイマニは死んだ今こそますます強力だ」と群衆を前に強調した。 革命防衛隊は、イランのイスラム教による統治体制を防衛するために作られた。強力な政治・軍事的影響力をもち、ソレイマニ司令官が率いた精鋭コッズ部隊は、その海外作戦を担当していた。 司令官殺害を受け、アメリカとイランの衝突への懸念が高まっている。 イランは国内の米軍施設に対して報復攻撃を行った。米国防総省によると、少なくともアル・アサドとアルビルの2カ所で、米兵の駐屯施設付近が攻撃を受けた。 アメリカ政府は、ソレイマニ司令官をテロリストと呼び、「差し迫った」脅威に対処するためにドローン攻撃を支持したとしている。 アメリカとイランの主張 イランのムハンマド・ジャヴァド・ザリフ外相は、ソレイマニ司令官殺害は「戦争行為」だと非難した上で、イランの対抗措置は「正当な標的」を狙ったものになるだろうと述べた。 ザリフ外相は、トランプ大統領はマイク・ポンペオ米国務長官によって「誤った方向へ導かれて」いると主張。「ポンペオ氏はアメリカの外交政策を誤った方向へ導いていることを認めたくないのか?」と述べた。 一方、ポンペオ氏は7日の記者会見で、イランが新たに「悪い選択」をした場合、トランプ氏が決然と真剣な対応を取るだろうと述べた。 トランプ大統領がイラン国内の文化財を攻撃すると警告したことについて質問が及ぶと、ポンペオ氏は自分や他の政府高官はトランプ氏と意見の相違はないとした上で、ペルシャ文化を破壊してきたのはイラン側だと述べた。 ポンペオ氏は、米軍は国際法に従って行動するだろうとしている。 (英語記事 Stampede kills 50 at Soleimani's burial in Iran)

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    イラクの米軍基地に弾道ミサイル攻撃 イランが司令官殺害の報復と宣言

    る」と主張した。 このツイートは、事態沈静化を呼びかけるイラン側のシグナルだと受け止められている。 BBCのジェレミー・ボウエン中東編集長は、ザリフ外相のツイートについて「区切りとなる線を引こうとしていたのだと思う。これが自分たちの最終的な行動で、国際法に沿ったものだと言おうとしていたのだろう。(中略)外相とイランは両国の軍事力の不均衡は重々承知している。それだけに、ボールをアメリカ側のコートに打ち込んで、アメリカに『事態をさらにエスカレートしたいのかどうかは、あとはそちら次第だ』と伝えようとしたのだと思う」と話した。 イランの政府首脳は イランのハッサン・ロウハニ大統領は8日午後、イラン国営テレビで放送された演説で、夜間のミサイル攻撃はイランが「アメリカを前に後退しない」ことを示したと宣言した。 AFP通信によると、ロウハニ大統領は「もしアメリカが犯罪を犯せば(中略)断固たる反応があると知るべきだ」、「(アメリカが)賢明ならば、現時点でこれ以上の行動はとらないはずだ」と述べた。 イランの報道によると、大統領はこれに先立ち閣議で、米軍は中東から追い出されるという見通しを示した。ロウハニ氏はアメリカについて「お前たちはソレイマニの手を体から切り落とした。お前たちの足は、この地域から切り離される」と述べたという。 ロウハニ大統領はさらにツイッターで同日、「ソレイマニ将軍はイスラム国、アルヌスラ、アルカイダなどと英雄的に戦った。将軍がテロと戦わなければ、欧州各国の首都は今頃とんでもない危険にさらされていたはずだ。その彼の暗殺に対する我々の最終回答は、この地域からすべての米軍を追い出すことだ」と書いた。 https://twitter.com/HassanRouhani/status/1214864354782384134 また、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師は同日、「世界の横暴な者たちと戦う準備はできている」と述べた。イラン革命の前触れとなった1978年のコム抗議を記念する集会で発言した。 ハメネイ師は、ソレイマニ将軍の「殉教は我々の革命の活力を世界に示した」と言い、米軍基地への攻撃について「昨夜は連中の顔を平手打ちしてやった」と強調。「対決という意味では、こうした軍事行動だけでは不十分だ。大事なのは、合衆国の腐敗した存在が終わることだ」と付け足した。集まっていた群衆は、「アメリカに死を」という合言葉を繰り返した。 BBCのフランク・ガードナー安全保障担当編集委員は、イラン首脳のこうした発言を受けて、「イランの究極的な目標は米軍を中東から追い出すことだ。なので、これでおしまいというわけにはいかないだろう」と指摘している。 ミサイルの破片か ロイター通信の記者は8日、イラク・ドホーク郊外にできた陥没穴を視察する人たちの様子を撮影した。ドホークは、イランが同日未明に攻撃したと発表したアルビル空軍基地から約112キロ北西にある。 イラク首相の反応 イラクのアデル・アブドルマフディ首相は攻撃について、8日午前零時を過ぎて間もなくイラクから警告を受けたと明らかにした。ソレイマニ将軍殺害への対応として、イランが攻撃を実施した、もしくは間もなく実施するという警告だったという。首相によると、イランは米軍の所在地のみを標的にすると連絡し、具体的な場所は明らかにしなかった。これと同時にイラク政府は米政府から、ミサイルがアンバール県のアル・アサド空軍基地とアルビル県のハリール空軍基地がミサイル攻撃を受けていると通知があったという。 その上でアブドルマフディ首相は、「あらゆる主権侵害や領土への攻撃を拒絶する」と強調。現在の危機は「壊滅的な全面戦争の危機」で、イラクと地域と世界全体を脅かしていると警告した。 一方で、イラクの強力な親イラン派武装勢力のカイス・アル・ハザリ司令官は、まずはイランがソレイマニ将軍の暗殺に対応した今、将軍と共に死亡したイラク武装勢力のアブ・マフディ・アル・ムハンディス副司令官の暗殺に対応しなくてはならないとツイートした。 トランプ氏はすぐには演説せず 攻撃を受けて、トランプ大統領が国民に対してテレビ演説をするのではないかと憶測があったが、ホワイトハウスは今晩の演説はないと表明した。 消息筋によると、大統領の側近たちが演説原稿を整えていたという。 米報道によると、7日深夜の時点でマイク・ポンペオ国務長官やマーク・エスパー国防長官、マイク・ペンス副大統領はすでにホワイトハウスを後にしたという。 米連邦航空局(FAA)は、アメリカの民間航空各社に対して、イラン、イラク、ペルシャ湾、オマーン湾の上空の飛行を禁止した。「今後も引き続き、国家安全保障当局と連携し、米航空各社や海外の民間航空当局と情報共有していく」とコメントを出した。 レバノンを拠点とするアル・マヤディーン・テレビによると、アル・アサド空軍基地への攻撃は、ソレイマニ司令官がイランの出身地に埋葬された数時間後に実施された。さらにその直後に、アルビルへの攻撃が行われたという。 イラン・ケルマンで行われたソレイマニ司令官の埋葬では、押し寄せた群衆が折り重なるように倒れ、少なくとも50人が死亡し、200人が負傷した。 このため、埋葬は予定から遅れて行われた。参列者が口々に「アメリカに死を」、「トランプに死を」と叫ぶなか、イラン政府幹部たちは、あらためて復讐の誓いを繰り返した。 イラン革命防衛隊のホセイン・サラミ総司令官は、「殉教者カセム・ソレイマニは死んだ今こそますます強力だ」と群衆を前に強調した。 各国の反応は ボリス・ジョンソン英首相はイランによる攻撃を非難すると共に、「ただちに事態の沈静化を追求する」よう呼びかけた。英下院で答弁した首相は、「イランはこのような無謀で危険な攻撃を繰り返すべきでない」と述べた。 さらに首相は、「我々が把握できる限り、アメリカ側に死者はなく、イギリスの人員にも負傷はなかった」とし、「中東におけるイギリスの国益保全のためできる限りのことをしている。英艦ディフェンダーとモントローズは厳戒態勢を敷き、ペルシャ湾の海上輸送を護衛する姿勢だ」と説明しした。 ドミニク・ラーブ英外相は、英米など連合国の部隊が駐屯していたイラク国内の基地をイランが攻撃したことを、英政府として非難するとコメント。「こうした無謀で危険な攻撃を繰り返すのをやめて、それよりも緊急に事態沈静化につとめるようイランに呼びかける」と強調した。 「中東における戦争はダエシュ(イスラム国への蔑称)やその他のテロ組織を利するだけだ」とラーブ外相は述べた。 フランスのジャン=イヴ・ル・ドリアン外相は、「フランスはあらためて(イスラム国に対する)連合の同盟国や協力国との連帯を示し、イラクの主権と安全保障を重視する姿勢を表明する」と述べた。さらに、「暴力の連鎖は終わらなくてはならない。フランスは断固として、緊張緩和に向けて働いていく。我々は全当事者に連絡と取り合い、自制と責任ある行動を促している」と強調した。 欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、欧州連合(EU)は、イラクとの核合意を救うため「あらゆる努力をいとわない」と述べ、中東における武器の使用中止を呼びかけた。 一方で、シリア外務省はイランと「全面的に連帯」していると表明し、「アメリカの脅しや攻撃を前にした」イランの自衛権を認めるとコメントした。国営シリア・アラブ通信が伝えた。 シリア外務省はさらに、「アメリカの無謀な政策や、その行動を決定する傲慢な物の考え方のせいで起きている事態の結果は、すべて米政権の責任だ」と批判した。 ロイター通信によると、アラブ首長国連邦(UAE)のスハイル・マズルーイ・エネルギー産業相は、「同盟国のアメリカと、隣国のイランの関係がまぎれもなくエスカレートした。中東での緊張悪化は最も望ましくないことだ」と話した。 イラク駐留米軍は イラクの米軍施設攻撃に先立ちトランプ大統領は、イラクに駐留する米軍の撤退はイラクにとって最悪の事態となると牽制(けんせい)していた。 イラク議会は5日、ソレイマニ司令官がバグダッドで殺害された事態を受け、駐留米軍の国外退去を求める決議を採択していた。 この後、米国防総省が撤退に応じるかのように思える、イラク首相宛の書簡が流出。米軍は、協議のための下書きが誤って送付されたものと説明している。 イラクには約5000人の米兵が駐留している。 英外務省はBBCに対して、「現地の状況を確認しようと急いでいる。我々が最優先するのは、イギリス人の安全だ」と話した。 ベン・ウォレス英外相はソレイマニ司令官の殺害を受けて、中東に配備する英海軍や軍ヘリコプターに臨戦態勢をとるよう指示したと説明していた。 どうやってここに至ったのか 以前から悪化を続けていたイランとアメリカの関係は、今月3日のソレイマニ司令官殺害によって一気に先鋭化した。 イラクの海外作戦展開を担当するコッズ部隊を長年指揮したソレイマニ将軍は、国内では国民的英雄として扱われていたものの、アメリカ政府は米兵数千人を死なせたテロリストと呼び、アメリカに対して「切迫した」攻撃を計画していたと殺害理由を説明した。 イランが「厳しい復讐(ふくしゅう)」を誓うと、トランプ大統領は「もしかすると不相応な形で」反撃に応えると発言。将軍は「化け物だった。もう化け物じゃない。死んだ」と非難し、「大きい攻撃を計画していた。こちらにとって悪い攻撃を。誰も文句を言える筋合いじゃないと思う」と述べていた。 イラクの立場は イランは隣国イラクで様々なシーア派武装勢力を後押ししている。ソレイマニ司令官が殺害された際も、まさにそうした武装勢力の幹部と一緒だった。 その一方でイラクは、アメリカとも同盟関係にある。イスラム教スンニ派のISとの戦いを支援するため、数千人の米軍が今もイラク駐留を続けている。しかし、イラク政府はソレイマニ司令官の殺害について、アメリカの行為は両国間の合意を逸脱したものだと批判している。 イラクのアブドルマハディ首相も、米軍が首都バグダッドでソレイマニ司令官を殺害したことに反発し、「イラクの主権を傲慢に侵害し、国の尊厳をあからさまに攻撃した」と非難していた。 (英語記事 Iran attack: US airbases in Iraq hit by ballistic missiles / Reactions to Iran's attack on US)

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    イギリス人初の宇宙飛行士、「地球外生命体はいる」

    2020年01月07日 18:12 公開 イギリスの宇宙飛行士ヘレン・シャーマン博士(56)が、地球外生命体は存在し、すでに地球に来ている可能性もあると話した。 化学者のシャーマン博士は1991年5月、イギリス人初の宇宙飛行士として、旧ソヴィエト連邦の宇宙ステーション「ミール」へ向けて出発した。 日曜紙オブザーバーの取材でシャーマン博士は、地球外生命体がいるのは「間違いない」と断言。数十億個もの星の間には「あらゆる形の生命体がいるはずだ」と話した。 現在はロンドンのインペリアル・コレッジに勤めるシャーマン博士は、地球外生命体は人間のように炭素と窒素で構成されてはいないかもしれないが、「今まさにここにいて、私たちには見えないだけかもしれない」と語った。 博士はさらに、「イギリス人初」の宇宙飛行士ではなく、「イギリス人女性として初」と説明されることへのいらだちを語った。 「つまりそれは(わざわざ女性だと説明しなければ)男性だと決め付けてしまうということ」 「(イギリス人宇宙飛行士)ティム・ピークが宇宙へ行ったとき、私のことを単に忘れている人もいた。最初に何かをするのは男性だというのが常識なので、この順番を覆せたことが嬉しい」 ピーク飛行士は2015年12月から翌年6月にかけて、国際宇宙ステーションで勤務し、イギリス人宇宙飛行士として初めて船外活動を行った。 シャーマン博士は、宇宙に行ったことで「モノではなくヒトこそが、本当に大事なのだと学んだ」と話した。 「宇宙で生き延びるのに必要はものは、すべて揃っていた。適切な気温、食べ物や飲み物、そして安全。地球上の持ち物のことはいっさい考えなかった」 「地球のどこかの上を飛ぶときはいつも、地上にいる大切な人たちのことを考えた」 シャーマン博士は2018年の新年の叙勲で聖マイケル・聖ジョージ勲章を授与されている。 (英語記事 'Aliens exist and could be on Earth', says astronaut)

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    イラン系アメリカ人、米国境で検問所職員から「嫌がらせされた」と

    の緊張が高まる中、イラン系の旅行者がアメリカの国境で検問所職員に嫌がらせをされていると訴えている。 BBCニュースの取材に対し、複数のイラン系の旅行者が、個人情報や政治観などについて不適切な質問をされたと話した。あるグループは、カナダからアメリカに入る際に数時間も足止めされたという。 こうした疑惑を受け、野党・民主党議員からは当局の対応を非難する声が出ている。 ワシントン州ブレイン近郊のピースアーチ検問所では5日、約60人のイラン系アメリカ人が最大7時間半も足止めされた。 アメリカ最大のイスラム教市民団体「米イスラム関係評議会(CAIR)」は、検問所職員によって旅行者が「ハラスメント」を受けたと批判した。 <関連記事> イラン首都でソレイマニ司令官の葬儀に大群衆 最高指導者は涙 イラン文化財への攻撃示唆したトランプ米大統領に批判殺到 【解説】 もしも戦争になったら石油はどうなる? イラン司令官殺害 シアトル在住のセファル・エブラヒムザデフさんは、アメリカの永住権(グリーンカード)を持つイラン系カナダ人。カナダのブリティッシュ・コロンビアから陸路でアメリカに入国しようとしたところ、ピースアーチ検問所で6時間足止めされ、繰り返し質問を受けたと話した。 BBCペルシャ語の取材でエブラヒムザデフさんは、国境警備員からは出生地やイランで高校に何年在籍していたか、職歴、さらにはエブラヒムザデフさん本人と父親の兵役や親戚の情報を聞かれたと話した。 また、隣にいた別のイラン系の旅行者も数時間待たされ、ソーシャルメディアのアカウントについて質問されていたという。 CAIRは、10時間待たされて入国が許された人もいれば、入国を拒否されたケースもあると指摘。また、政治観や国家への忠誠心について質問を受けている間、パスポートを返してもらえなかった人もいたと述べた。 ペンシルヴァニア大学のジョン・ガズヴィニアン教授は5日、ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港に到着後、別室に連れて行かれ、「イランの状況」について質問されたとツイートした。 当局は疑惑を否定 アメリカの税関国境警備局(CBP)は、疑惑を否定する声明を発表している。 CBPのマイク・フリール報道官は、「CBPが出生地を理由にイラン系アメリカ人の入国を拒否しているというソーシャルメディア上の投稿は虚偽だ」と説明した。 一方で、イランとの緊張が高まっていることを受け、検問所での警戒態勢が強化されていると述べた。 また、入国時に嫌がらせを受けたとするイラン人グループが到着した際の、ピースアーチ検問所での待ち時間は平均4時間程度だったとしている。待ち時間が長くなったのは、ホリデーシーズンで旅行者が多かったからだという。 カナダの国境管理局は、「この件には一切関わっていない」と声明を発表。 BBCニュースに提供された声明で、「出自に関わらず、全てのカナダ人は法の前と法の下で平等だ。また、人種や宗教のみを理由に、カナダの国境で不当に拘束されたり、入国を拒否されることはない」と説明した。 民主党議員からは懸念の声 CBPに対する訴えを受け、民主党の議員からは懸念を表明する声が相次いだ。 今年の米大統領選で民主党の大統領候補指名を目指しているエリザベス・ウォーレン上院議員は、「こうした報告はとても気がかりだ。イラン系アメリカ人は他のあらゆるアメリカ国民と同じ権利を持っているし、国境では偏狭で人種差別的な取り調べではなく、品位と敬意を持って扱われなくてはならない」とツイートした。 https://twitter.com/ewarren/status/1214265890855886848 プラミラ・ジャヤパル下院議員(ワシントン州選出)も、このニュースに「非常に懸念している」と述べた。 また、バーバラ・リー下院議員(カリフォルニア州選出)はツイッターで、「アメリカ国籍の人や永住権保持者も含め、イラン系の人が検問所で拘束されている」という情報を持っている人は、自分の事務所に連絡してほしいと呼びかけた。 (英語記事 Iranian-Americans 'harassed' by US border officials)

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    イラン文化財への攻撃示唆したトランプ米大統領に批判殺到

    要な遺産が数多く残っている。 <解説> 文化遺産への脅迫でイラン人が結束 ――サム・ファルザネフ、BBCペルシャ語 ソレイマニ司令官殺害のニュースが広まると、イラン人はすぐに分裂した。ソーシャルメディア上では、司令官の死を悼む人と祝う人もいた。 ツイッターでは特に、この分裂が激しかった。ソレイマニ氏殺害に怒る人は「ストックホルム症候群」だと批判された。その一方、殺害を擁護する人は裏切り者とレッテルを貼られた。 しかし、トランプ大統領がイランの文化遺産を標的にするという脅しをツイートすると、イラン人は反トランプで結束した。 文化遺産には宗教的ものもあれば、そうでないものもある。しかし宗教を信じているかどうかに関わらず、イラン人はみなその歴史的遺産を誇りに思っており、トランプ氏の脅しに反発した。 国内のイラン人と国外に移民したイラン人の溝を埋めるのに、愛する過去を攻撃されるほどのものはないだろう。 イランのザリフ外相はこの機を捉え、シリアで数々の文化遺産を破壊したISにトランプ大統領をなぞらえ、ツイートを連投している。 (英語記事 Trump under fire for threat to Iran cultural sites)

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    米軍、イラク撤退示唆の書簡を「誤って」送付 イラク陸軍宛に

    ミリー氏は、この問題について、イラク側と連携して「対応」しているとしたが、詳細は明かさなかった。 BBCのジョナサン・ビール防衛担当編集委員は、ツイッターに書簡の画像を投稿。「この有志連合の文書は正真正銘本物のようだが、誤解を招くし、ひどい表現が使われている。私は、有志連合筋から、この書簡は、アメリカが軍をグリーンゾーンから撤退させて別の場所に配置することをイラク側に知らせるためのものだと聞いた。イラクからの撤退ではない」と書いた。 https://twitter.com/bealejonathan/status/1214291610466471938 この話は、ほかの複数の有志連合筋の話でも確認されている。米軍のグリーンゾーンからの撤退は、バグダッドに駐留する兵士の数を「間引く」ためだったという。 トランプ大統領は5日、イラクから米軍が撤退した場合、イラクに対して厳しい制裁を科すと警告した。 「我々はあそこに、ものすごく高い空軍基地を置いている。建てるのに何十億ドルもかかった。向こうが払い戻さない限り、出て行かない」と、大統領は述べた。 (英語記事 US denies Iraq pullout amid letter confusion)

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    ソレイマニ司令官の葬儀に大群衆、涙と怒り テヘラン

    2020年01月07日 12:30 公開 米軍の空爆で死亡したイラン革命防衛隊コッズ部隊のカセム・ソレイマニ司令官(62)たちの葬儀が6日、イランの首都テヘランで行われた。大群衆が参列し、祈りを主導した最高指導者アリ・ハメネイ師は司令官たちの棺を前に、涙を流した。 イラン国営テレビは、葬儀に集まった巨大な群衆の人数を「数百万人」と伝えているが、これは確認できていない。

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    日本政府、ゴーン被告引き渡しに圧力

    2020年01月07日 11:13 公開 金融商品取引法違反などの罪で起訴され、保釈中だった日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(65)が密出国しレバノンに渡った問題で、日本政府がレバノン政府に対し身柄引き渡しの圧力を強めている。 菅義偉官房長官は6日、民放番組に出演し、国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)にゴーン被告の国際手配を要請したと説明。身柄引き渡しに「さまざまな外交的な手段を行使したい」考えを示した。 レバノンは通常、国民の引き渡しはしていないが、日本政府は引き渡しの要求を行えると主張している。 NHKなどの報道によると、ゴーン被告は昨年12月29日に自宅を出て、新幹線で大阪に向かった。 その後、大型の音楽機材ケースに入り、関西国際空港からトルコ・イスタンブール行きのプライベートジェットで日本を離れたと報じられている。 自宅を1人で離れ ゴーン被告は2018年11月に最初に逮捕された。2019年4月に保釈されたものの、妻のキャロル氏に会うことが許されていなかった。 日本の報道によると、ゴーン被告は29日午後2時半ごろに自宅から一人で出てきた。監視カメラでは、被告が都内のホテルで2人の男性と合流した後、品川駅から大阪へ向かったことが確認できる。 大阪では、3人で関西国際空港近くのホテルに宿泊。その後、ゴーン被告がホテルから離れた様子は見られなかった一方、他の2人の男性が大きな箱2つと共にホテルを出るのが監視カメラに記録されていた。 米紙ウォールストリート・ジャーナルは、ゴーン被告は、底に空気穴を空けた音楽機材用のケースに入って飛行機に乗せられたと報じた。また、この荷物は関西国際空港で保安検査を受けなかったという。 レバノン国籍を持つゴーン被告は30日、妻のキャロル氏が待つレバノン・ベイルートに到着した。 「不正な手段」 日本の法務省は、ゴーン被告が出国した記録はないとしている。 森雅子法相は6日に開いた記者会見で、「不正な手段を用いて不法に出国したものと考えられる」と説明した。 「出国時の手続きについて、出入国在留管理庁に対し、いっそうの厳格化を図るように指示した」と述べた。 日本を離れて以来、ゴーン被告はメディアの取材に応じていないが、8日に開かれる記者会見で沈黙を破るとみられている。 昨年の大みそかに発表した声明でゴーン被告は、正義から逃げたのではなく「不公平と政治的迫害から逃げた」と説明した。 今月2日には、キャロル氏が逃亡計画に深く関わっていたとするメディアの憶測について、「不正確で虚偽」だとした上で、「自分が単独で日本出国の準備をした」と述べている。 (英語記事 Japan presses for Ghosn's extradition from Lebanon)

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    【解説】 もしも戦争になったら石油はどうなる? イラン司令官殺害

    2020年01月06日 17:52 公開 ネル・マッケンジー、ビジネス記者 2004年にイラクであらためて戦争が本格化したとき、一晩でアメリカの原油価格が1バレル当たり10ドルも跳ね上がった時のことを、ミッチ・カーン氏は覚えている。 これは、トレーダーが最小限の買い注文をしても5万ドル(約540万円)の利益が出る変化だ。売り注文をしていた場合は、同じだけの損失につながる。 カーン氏は当時、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で独立系のトレーダーとして働いていた。ここでは下の階で原油やガス、灯油などが、上の階で貴金属などが取引されている。 2004年には、激しい抗議の声が原油価格を決めた。トレーダーたちは立ち上がって叫んでいた。価格は売り手と買い手の提示する値段で決まる。買う人も売る人もいた。 取引所内の騒音はすさまじく、耳栓をするトレーダーもいたという。しかしカーン氏は、アドレナリンが出ていたから耳をふさがなくてもはっきりと聞こえたと話した。 今でこそNYMEXでは24時間取引だが、2004年当時は、午後2時半のベルとともに取引が終了した。 2004年のこの日は取引開始とともに、カーン氏の右側にいたトレーダーが叫び始めた。このトレーダーが石油を売ろうとし始めると、「石油価格が暴落した」という。 数分後には、原油価格は1バレル当たり20ドルも下がった。しかし、現在はこのような事態は起こらないだろうとカーン氏は指摘する。 「今の市場の動き方は当時とは違うので」 事実、イラク・バグダッドの空港近くで3日にイランのカセム・ソレイマニ司令官が米軍にドローン空爆されたのを受け、直後には石油価格が急騰したものの、石油市場の動きはイラク戦争の時とは大きく異なる。 原油の生産地も、精製方法も、取引方法も、カーン氏がアドレナリンの力を借りて価格の混乱をくぐり抜けた当時とは全く違うのだ。 ルールが変わった アメリカの無人機(ドローン)がイラン革命防衛隊の精鋭コッズ部隊を長年指揮してきたソレイマニ司令官を殺害したというニュースに、3日のブレント原油価格は69.5ドルと4%上昇した。 これに合わせ、英BPやロイヤル・ダッチ・シェルといった石油メジャーの株価も1.5%ほど上がった。 バンク・オブ・アメリカでコモディティー戦略に携わるマイケル・ウィドマー氏によると、2004年から現在にかけて石油市場を変えた最大の要因は、アメリカが自国で十分な石油を生産し、輸入に頼らなくなったことだという。 アメリカはもはや、中東の原油に依存していないのだ。 「これが実質的なルールを変えた」とウィドマー氏は指摘する。 たとえば、昨年9月にサウジアラビアの石油施設がドローンに攻撃された事件などは良い例だ。 「石油供給という点では、世界の石油市場にとって最大の事件のひとつだったが、持続的な影響はなかった」とウィドマー氏は話した。 攻撃当日、原油価格は1バレル当たり10ドル近く上昇したが、その後は大きな出来事はなかった。 イランとアメリカの間で厳しい非難の言葉が飛び交い、新たな制裁が示唆されるなど、政治的には緊張感が高まった。しかし、2週間後には原油価格は60ドル以下まで下がった。 結局のところ、価格乱高下の懸念よりも、辛らつな政治的やりとりの方がいつまでも続いた。 これはロシアやアメリカなど、国内で石油を生産する国が増えたからだ。 下表は、世界の五大石油産出国の産油量を年ごとに比較したものだが、各国がここ10年ほどで急激に産油量を増やしているのがわかる。 薄まるOPECの影響力 中東の石油産出国を中心とした石油輸出国機構(OPEC)はかつて、石油の供給を牛耳っていたが、今はもうそのようにはいかない。 「現在、OPECが石油の生産量を落としたとしても、他国が国内生産量を増やす余地を与えるだけになってしまった」とウィドマー氏は指摘する。 コンサルティング会社ウッド・マケンジーのマーケティング・リサーチチームを率いるアラン・ゲルダー氏によると、OPEC加盟国はかつて世界の石油の半分を生産していたが、今では3分の1以下だという。 1990年の湾岸戦争当時、石油は2地域で生産されていた。片方はOPEC加盟国。もう片方は北海など、よりコストが高く危険が伴う地域だった。 海底の石油を探索し掘り出すというのは、40年前には予想の付かない危険なやり方だったのだ。 しかし北米でフラッキング(水圧破砕法)による採掘が可能になった今、アメリカには豊富な石油資源がある。 「当時はコモディティー市場が確立したばかりだった。今では参加者もずっと多くなっている」とジェルダー氏は説明した。 また、5年前よりも格段に情報が手に入るようになったという。 昨年9月にサウジの石油施設が攻撃された際、施設や港を出る船舶を写した衛星写真から、事件後すぐに生産と輸出が再開されたことが分かった。 「数年前までは、人々は狂ったようにお互いに電話をかけて、何が起きているかを把握しようとした」 それに対して現在のOPEC加盟国やロシアなどの産出国は、できる限り石油の生産を抑えることで合意している。 そのため、中東地域で緊張が高まったときに石油価格がどうなるかは、非常に予測が難しい状況だ。 米シティバンクのアナリストらは、報復攻撃の恐れがあることから、短期的には石油価格も高い水準に留まるとみている。 アメリカの石油企業が保有するパイプラインや、欧米石油メジャーが投資している開発地域に攻撃があれば、原油価格はさらに高くなる可能性もある。 一方、イランとアメリカの紛争が何らかの形で解消すれば、状況は緩和され、石油価格も下がるという。 (英語記事 What will happen to oil if there is another war?)

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    トランプ氏、イラクにも制裁科すと イラン文化財攻撃は戦争犯罪との非難にも反発

    英雄として扱われるソレイマニ司令官の遺体が帰国すると、イラン各地で何百万もの市民が葬列に参加した。 BBCのリーズ・ドゥセット国際報道主任特派員は、昨年末には反政府デモと激しい取り締まりが起きた地域でも、ソレイマニ司令官への弔意によって市民が団結していると指摘している。 ソレイマニ司令官の後任となったエスマイル・カーニ司令官は、「我々は殉教者ソレイマニの道を同じ力強さで歩み続けると約束する(中略)償いとなり得るのは唯一、この地域からアメリカを追放することだ」と述べた。国営ラジオが伝えた。 また、イランを支持するレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラは5日、米軍の基地から軍艦や部隊に至るまで、あらゆるものが報復攻撃の対象だと警告した。ドゥセット特派員によると、ヒズボラは中東から米軍関係者全員を追い出すと主張している。 一方でアメリカ政府は、革命防衛隊とコッズ部隊をテロ組織と指定し、ソレイマニ司令官をテロリストと呼んで殺害した。これに対してイランが「厳しい復讐」を誓ったほか、バグダッドの米大使館近くにロケット弾の砲撃が続く事態を受け、トランプ氏は5日、ツイッターで「この一連のメディア投稿は、米連邦議会への通達となる。もしもイランがいかなるアメリカの国民や標的を攻撃した場合、アメリカは直ちに全面的に反撃する。不相応な形での反撃もあり得る。こうした法的通達は不要だが、それでもやる!」と書いた。 https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1213919480574812160 「イラン文化」攻撃は戦争犯罪と言われ トランプ氏は4日の時点で、「これは警告だ」と大文字で強調しながら、米軍がイラン国内の52カ所の施設を「標的にした」とツイートし、「もしイラン政府がアメリカ人やアメリカの資産を直撃するなら」、米軍は「非常に素早く、かつ非常に強力に、イランとイランの文化にとってきわめて高レベルで大事な標的、イランそのものを攻撃する」と続けた。 文化遺産の攻撃は戦争犯罪に相当するという非難が各方面から上がったものの、トランプ氏は5日にも記者団に対し、「向こうはこちらの人間を殺しても許される。こちらの人間を拷問して一生の傷を負わせても許される。路肩爆弾を使ってこちらの人間を吹き飛ばしても許される。なのにこっちは向こうの文化遺産を触っちゃいけないって? そういうわけにはいかない」と強い調子で述べた。 今年の米大統領選で野党・民主党の大統領候補指名を目指しているエリザベス・ウォーレン上院議員は5日、トランプ氏の最初のツイートに対して「あなたは戦争犯罪を犯すと脅している」とツイッターで非難した。 ドミニク・ラーブ英外相は6日、文化遺跡は国際法で守られており、イギリス政府はその尊重を期待すると表明した。 イランのジャヴァド・ザリフ外相は、トランプ氏の言い分はISが中東で貴重な遺跡などを次々と破壊して回ったのに似ていると批判した。 ザリフ外相はツイッターで、「我々の文化遺産を標的にすることでISISの戦争犯罪を手本にしようと妄想する者たちに、念を押す。何千年もの歴史の間、何度も野蛮人がこの国にやってきては、我々の都市を荒らし遺跡を破壊し、図書館を焼いていった。その野蛮人どもは今どこにいる? 我々はまだここにいる。ここにまっすぐ立っている」と書いた。 戦争に関する国際法のジュネーヴ条約とハーグ条約はいずれも、文化施設の攻撃を禁止している。違反した場合はアメリカでも戦争犯罪として扱われる。 (英語記事 Trump threatens Iraq with sanctions if US troops are expelled)

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    性被害者が明かす「沈黙を破った理由」、ワインスティーン被告の刑事裁判を前に

    ィーン被告による性的暴行被害を公にした。 ワインスティーン被告の刑事裁判を目前に控える中、ローブ氏はBBCのニック・ブライアント記者に対し、性暴力を受けながら生き延びた「サバイバー」にとって、有罪判決が何を意味するのか語った。 ワインスティーン被告は、2013年に女性をホテルの一室で強姦した疑いや、2006年に自分のアパート内で別の女性を性的暴行した疑いがもたれている。同被告は合意の伴わない性行為は一切なかったとして無罪を主張している。

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    「自分自身を食い殺すリスク」を抱えた子どもたち

    2020年01月06日 17:03 公開 ウィル・グラント、キューバ特派員、BBCニュース ヘクター・フェルナンデスさんの家の冷蔵庫には、鍵がかかっている。 台所の特注ドアにも、食器棚や薬棚にも、鍵がかかっている。 口に入れる可能性が少しでもある物が置かれた場所は、しっかりとガードされている。鍵は夜、ヘクターさんの枕の下に隠す。 ヘクターさんは泥棒の被害妄想にとらわれているわけではない。彼の息子が、治療不能の遺伝子疾患プラダー・ウィリー症候群を患っているのだ。 1956年に発見され、研究者2人の名前がつけられたこの症候群の患者は、衰えることのない飢餓感に襲われ続ける。 いつも腹ぺこ ヘクターさんは息子クリスティアンさん(18)について、目を離せば実質的に、自分自身を食い殺してしまいかねないと言う。 「犬の皿にあるドッグフードを食べ、ごみをあさり、練り歯磨きを食べてチューブを空にしてしまう」 「彼にとっては全てが食べ物で……」と言ったところで、ヘクターさんの声が途切れた。クリスティアンさんが、おなかがすいたと割り込んで来たからだ。 ヘクターさんはパイナップルを一切れ、クリスティアンさんに与えた。午前中の糖分摂取量が制限を超えないよう、あらかじめカットしておいたものだ。 15番染色体の異常から起こるプラダー・ウィリー症候群は、患者と家族に深刻な影響を及ぼす。 この病気の子どもは、肥満や、寿命を縮める糖尿病に苦しむことが多いほか、精神発達や行動に関する問題を抱えている。 まれな病気 クリスティアンさんは温和な人物だが、食べたい物についてだめだと言われると、突然乱暴になることがある。 「カテゴリー5(最強)のハリケーンみたいに、通り道にあるものは何でも破壊してしまう」と、ヘクターさんは、クリスティアンさんが最近暴れたときの動画を見せながら言う。 ヘクターさんと妻は、クリスティアンさんが自分自身やヘルパーを傷つけたりしないよう、彼をいすに縛りつけたこともあった。 「その日ごとに何とか対応している」と、ヘクターさんは抑え切れない涙を見せながら話す。「私が死んだら一体どうなるのか」という不安は、プラダー・ウィリー症候群の子どもをもつ親に共通している。 「専門家がいない」 この病気の合併症への対処は、キューバでは特に大変だ。 ヘクターさんは、クリスティアンさんの体重を一定に保ち、血糖値を管理するため、マクロビオティック(玄米と野菜が中心)の食事を与える努力をしている。 しかし、長年に渡るアメリカの経済制裁と、経済政策の失敗に見舞われている島国キューバでは、適切な食材と薬を手に入れるのは難しい。 キューバ政府は自国の医療制度を誇るが、十分な資金が投じられていない状態が続いている。ヘクターさんによると、キューバの医師はプラダー・ウィリー症候群を治療した経験が、ほぼないという。 「まれな病気だけに、この病気の患者を診たことがある医師は、この国にはわずかしかいない」とヘクターさんは説明する。「診たことがある人も、20年に1回診ただけかもしれない。ここには専門家が全くいない」 ヘクターさんは、プラダー・ウィリー症候群の患者は、栄養士、精神科医、理学療法士など、この病気を理解した幅広い専門家に診てもらうべきだと話す。 ただ、状況は変わり始めている。 何が必要か学び合う キューバでは先月、プラダー・ウィリー症候群の10回目の国際会議が開かれた。研究者や臨床医、患者とその家族が一堂に会して、経験を語り合った。 国際プラダー・ウィリー症候群協会の会長を務めるトニー・ホランド教授は、「最も大事なのは、優れた医療サービスがある国や、貧弱なサービスしかない国、まったくサービスを受けられない国から家族や科学者、介助者が集まって、互いから学ぶことだ」と話す。 そうすることで、おのおのが帰国してから、「よりよい医療サービスや子どもへの適切な治療に関する議論」をするようになるのが狙いだという。 英ケンブリッジ大学の精神医学の名誉教授であるホランド氏は、プラダー・ウィリー症候群に長年関わり、世界各地における対応状況を見てきた。キューバは依然として大きな進歩が必要ではあるものの、明るい兆候も見られると話す。 「キューバでは現在、遺伝子診断が可能になっている。医師はプラダー・ウィリー症候群のことを知り始めているし、プラダー・ウィリー症候群の患者の家族がコミュニティーをつくっている。これはとても大事なことだ」 死の危険も これは、ヘクターさんの経験と符合する。2010年、患者の親たちは最初の全国集会を開いた。参加者はわずか6人だった。 しかし現在、患者の家族は100以上確認されている。インターネットの発達のおかげで、家族たちは小まめに連絡を取り合っている。 ヘクターさんはクリスティアンさんの昼食に、生野菜と、全粒粉と米粉のケーキを用意した。キューバでは、米粉のケーキを手に入れることさえ一苦労だ。 それでもヘクターさんは、プラダー・ウィリー症候群の患者への対処にすっかり慣れた。いまや、この病気について近所の人たちに教えるようになっている。 ヘクターさんは近隣住民たちに、クリスティアンさんは少し太っていて精神的に未熟だが、それだけではなく、毎日、死の危険性に直面していると説明する。 「ここらでは、いい子にはごほうびに、あめをあげることが多い」とヘクターさんは言う。「でも人々は、あちこちで甘いものをあげていたら、彼が死んでしまうかもしれないことに気づいていない」 (英語記事 The children at risk of eating themselves to death)

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    イラン、「ウラン濃縮を継続する」 核合意を順守しないと宣言

    ていく意向を示している。また、アメリカが対イラン制裁を解除すれば核合意を順守する用意があるという。 BBCのジョナサン・マーカス防衛外交担当編集委員は、アメリカによる経済制裁下では、イランが石油による財源を確保できないということを示していると見ている。 <関連記事> 【解説】 イランの選択肢は ソレイマニ司令官を殺害され ソレイマニ司令官の遺体、イランに帰還 トランプ氏はイランに「52の標的」と イラン司令官殺害は「戦争止めるため」とトランプ氏 イランは「厳しい復讐」誓う イラク・バグダッドで3日、イラン革命防衛隊のカセム・ソレイマニ司令官(62)が米軍の空爆によって死亡したことを受け、イラン国内は緊迫している。 バグダッドの報道によると、前日に続き5日夜にもバグダッドの米大使館を標的とした攻撃があった。ある情報筋はBBCに対し、同大使館の方角に向けて「間接照準射撃」が4度連続して発射されたと述べた。大使館に被害はなかったが、民間人数人が負傷したとの報道がある。 各国の反応 ドイツのアンゲラ・メルケル首相とフランスのエマニュエル・マクロン大統領、イギリスのボリス・ジョンソン首相は5日、イランに対し、核合意違反をやめるよう求める共同声明を発表した。 「我々には、同地域の緊張緩和と安定回復に寄与するために、あらゆる政府との協議を継続する用意がある」と、3首脳は呼びかけた。 共同声明に先立ちジョンソン首相は、「我々は(中略)我々全員の利益にとっての脅威だった」ソレイマニ司令官の死を「嘆き悲しんだりしない」と述べた。 ジョセップ・ボレルEU外務・安全保障政策上級代表は、核合意と、ソレイマニ司令官殺害をめぐる危機の緩和方法について協議するため、イランのムハンマド・ジャヴァド・ザリフ外相をベルギー・ブリュッセルに招待している。 ソレイマニ司令官殺害をめぐる動き ソレイマニ司令官の遺体は5日早朝、イラン南西部アフワズの空港に到着した。数千人のイラン国民が喪服姿で集まった。 イラン・イラク戦争での戦功でも国内で英雄視されていた司令官は7日、故郷のイラン中部ケルマンに埋葬されるという。 ソレイマニ司令官が死亡したイラクでは議会が5日、国内に駐留する外国部隊の撤退を求める決議を採択した。この決議に法的拘束力はない。 イラク国内には、アメリカが率いる国際有志連合による武装組織「イスラム国(IS)」掃討支援の一環として、米兵約5000人が駐留している。5日の決議直前、有志連合はイラク国内でのIS掃討作戦を一時中止した。 ドナルド・トランプ米大統領は、ソレイマニ司令官殺害にイランが報復すれば、米国は「迅速かつ完全にイランを攻撃する」と繰り返し警告している。 イランと核合意 イランはかねて、自分たちの核開発計画は完全に平和的だと主張してきた。しかし、核兵器開発に使用している疑いが浮上したことから、国連安全保障理事会やアメリカ、欧州連合(EU)は2010年にイランに対して経済制裁を科した。 2015年の核合意は、対イラン制裁を解除する見返りに、イランの核開発計画を検証可能なものにするというもの。 核合意では、原子炉燃料だけでなく核兵器にも使用される濃縮ウランについて、イラン国内での濃縮率を3.67%までに留めることで、イランと国連安全保障常任理事国の米国、英国、フランス、中国、ロシアにドイツを加えた6カ国で合意した。またイランは、兵器級プルトニウムが製造できないよう重水施設に変更を加えることや、国際機関の視察を受け入れることに同意した。 2015年6月以前には、イラン国内には大量の濃縮ウランが貯蔵されていたほか、2万近い遠心分離機が存在していた。これは、当時のホワイトハウスの発表によると、核爆弾8~10弾分を製造するには十分な量だった。 トランプ大統領は2018年5月、一方的に核合意を離脱した。トランプ氏は、イランの核開発計画に対して無期限の制限を課し、弾道ミサイル開発を中止するために、イランと新たな合意交渉をしたいとしてた。 しかしイランは米国側の求めを拒否。以降、核合意の履行を徐々に停止してきた。 <解説>核合意の意義いまこそ――ジョナサン・マーカスBBC防衛担当編集委員 イラン核合意は、トランプ米政権が2018年5月に離脱してからというもの、生命維持装置をつけてなんとか生きながらえている状態だった。しかし今や、危篤状態に陥ったのかもしれない。 トランプ大統領は2016年大統領選の最中、そして就任後も、前任のバラク・オバマ氏が合意した核合意を「悪い合意」だと常に批判し続けた。しかし、合意を締結したアメリカ以外のすべての国(イギリス、フランス、ロシア、中国、ドイツ、EU)は、この合意には今でもメリットがあると考えている。 包括的共同作業計画(JCPOA)と呼ばれるこの合意は、イランの核開発計画を、一定期間ほとんど検証可能な形で制限した。しかし、その最大の意義は切迫する戦争の回避にあり、現在の危機下では特にその効力を発揮した。 核合意が締結される前は、イランの核開発活動をめぐる懸念が募っていたし、イスラエルが(あるいはイスラエルとアメリカが協力して)イラン国内の核施設を攻撃する可能性があった。それだけに、JCPOAの存在は現状できわめて重要な役割を果たしている。 アメリカが一方的に核合意を離脱して以降、イランはJCPOAの主な制約に違反を繰り返してきた。今では、すべての制約について順守を放棄しようとしているようだ。たとえば、ウランの濃縮率を20%に引き上げるだろうか。そうすればイランは、兵器級のウランをずっと早く手に入れられる。そしてイランは今後も、強化された国際査察を受け入れるだろうか。 我々はいま、トランプ政権が2018年5月にはっきり望んだ目的地にたどりついた。しかし、主要国はいずれも、イランの合意違反に心底不満を抱きつつも。ソレイマニ司令官殺害というトランプ氏の決定に衝撃を受けている。毀誉褒貶(きよほうへん)の多いこの決定は、アメリカとイランを再び戦争の瀬戸際に追い詰めてしまった。 (英語記事 Iran rolls back nuclear deal commitments)

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    豪森林火災、カンガルー・ヴァリーは「幽霊が出そうな雰囲気」

    り、消火活動にも少しの猶予が与えられた。しかし、今なお続く森林火災を止めるには十分ではないようだ。 BBCのフィル・マーサー記者が、いまだ火のくすぶるニューサウスウェールズ州カンガルー・ヴァリーを取材した。

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    森林火災は「数カ月続く見込み」と豪首相 民間支援募金に大勢が協力

    2020年01月06日 12:18 公開 オーストラリアのスコット・モリソン首相は5日、同国各地で猛威を振るっている森林火災が今後数カ月続く見込みがあると警告した。また、火災によって家や職を失った人を援助する復興局の設置を発表した。この間、豪コメディアンが立ち上げた支援募金は、開始から48時間で約15億円以上を集めた。 危機の渦中に家族でハワイ旅行をしていたなど、対応の遅れが強く批判されているモリソン首相は、4日には消火活動に最大3000人の予備役を動員すると発表。首相はすでに、危機対応のためインド訪問を取りやめている。 首相が新設を発表した復興局は少なくとも2年間は活動し、インフラの整備やメンタルヘルス(心の健康)の支援なども行うという。 一方、ニューサウスウェールズ州地方消防局のトップが、予備役の動員について報道で知ったと述べたことから、モリソン首相への批判がさらに高まった。 未知の領域 昨年9月から続く森林火災では、これまでに少なくとも24人が死亡。コアラなど野生動物は甚大な被害を受けている。首都キャンベラでは大気汚染が悪化し、世界で最悪の水準に達した。 年明け最初の週末、各地の被害は最も深刻な部類となり、数百軒の家屋が破壊された。大都市や農村部では空が赤く染まり、煙や灰が立ち込めた。 5日午後には南東部ヴィクトリア州やニューサウスウェールズ州でわずかだが雨が降ったほか、気温や風速も穏やかになり、火災の広がりも落ち着いた。 しかし当局は、危険はまだ過ぎ去ったとは言いがたいと警告している。 ニューサウスウェールズ州のグラディス・ベレジクリアン知事は、「我々は未知の領域にいる。前にも経験したことがあるようには振る舞えない。前代未聞の事態なので」と述べた。 4日に自宅から避難した同州イーデン在住のジョン・スティールさん(73)はAFP通信の取材に対し、「50メートル先も見えない状況で、空からは広い灰や塵がたくさん降ってきた」と話した。 「空はまだ赤い。私たちはまだ危機を脱していない」 エリザベス女王は5日、森林火災について「深く悲しんでいる」と話し、地域社会を助けるために「命を危険にさらしている」救急サービスに感謝した。 募金活動、48時間で15億円 こうした中、オーストラリアのコメディアン、セレステ・バーバーさんが始めた消防局の募金活動が、開始から48時間で2000万オーストラリアドル(約15億円)以上を集めた。 バーバーさんはフェイスブックで、「自分にできる形でできるだけ支援してほしい。とても恐ろしい事態だ」と述べ、募金を呼びかけた。 バーバーさんは募金が急速に集まったのは「素晴らしい」と歓迎し、集まった資金はボランティア消防隊員で構成されているニューサウスウェールズ州地方消防局や、寄付金を直接消防局に届けている消防局寄付基金に届けるとしている。 バーバーさんの家族が住むイーデンでは、当局が住民に対し、火災への対応策がない場合は北へ逃げるよう警告を発しており、セレステ氏の家族も避難を余儀なくされたという。 また、米歌手ピンクさんや、豪出身の女優二コール・キッドマンさんなど、各国の著名人からも寄付が相次いでいる。 オーストラリアでは現在も、各地で200件近くの森林火災が確認されており、全ての州・準州に影響が出ている。これまでに1200軒以上の家屋が破壊されたほか、数百万ヘクタールが焼失した。 ニューサウスウェールズ州では、数万世帯が停電に見舞われ、先週から今週にかけて数千人が避難した。 (英語記事 Australia bushfires might burn for months, PM warns)

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    【解説】 イランの選択肢は ソレイマニ司令官を殺害され

    2020年01月05日 19:46 公開 ジェレミー・ボウエン、BBC中東編集長 カセム・ソレイマニ司令官の暗殺によって、イランとアメリカの関係は、1979年に始まった米大使館人質事件以来の深刻な対立状態に陥った(文中敬称略)。 ソレイマニ殺害というドナルド・トランプ米大統領の決定によって、アメリカは自分たちにとって最も厄介だった敵の1人を取り除き、イラン・イスラム共和国の中枢に打撃を与えた。同時にこの攻撃は、ただでさえ緊迫して暴力がはびこる中東の情勢を悪化させる、危険なものだ。 バグダッド空港での殺害によって、両国は全面戦争へなだれ込むのではという懸念が浮上した。全面戦争になると決まったわけではない。アメリカもイランも、戦争は望んでいない。しかし、ソレイマニ司令官と、親イラン派イラク武装勢力幹部の殺害によって、わずかな計算違いさえもが致命的になりかねない危険が高まった。 イランは復讐を誓った。その危険は深刻に受け止めなくてはならない。ソレイマニはイラン政権の中枢にいたし、イランの強硬派にとっては頼みの綱のような存在だった。イラン強硬派は相応の仕返しを求めるはずだ。もしかすると、相応以上の仕返しを。 <関連記事> イラクの米大使館近くにロケット弾 トランプ氏はイランに「52の標的」と 【解説】 イランのソレイマニ司令官殺害 なぜ今でこれからどうなるのか 代理勢力 武器禁輸制裁を受けながらも、イランはロケット砲やミサイルなど最新式の軍備を備えてきた。しかし、米軍相手にそれを使って報復しようとすれば、イランは自分たちの立場を悪化させかねない。 アメリカによる戦争行為への報復として、たとえばペルシャ湾で米艦船を攻撃するなどの戦争行為に出れば、イランは壊滅的な反撃をアメリカから受ける危険がある。イランの石油精製所は湾岸地域にあり、アメリカが湾岸周辺に展開する強大な攻撃力のかっこうの標的になる。 イランの報復は、ソレイマニ自身が得意とした間接的戦術に従うことになりそうだ。いわゆる非対称的な戦闘。相手の正面玄関から攻撃するのではなく、横の窓から仕掛けるというやり方だ。 ソレイマニは多彩な民兵組織を揃え、潤沢な武器を提供した。アメリカと真正面から正攻法で戦えばイランは負けるしかないが、民兵組織を駆使することで、正面衝突に至らないまでも様々な選択肢が可能になる。 アメリカは今後、中東に展開する米軍部隊のどれが今、最も攻撃されやすい脆弱(ぜいじゃく)な状態にあるか点検するだろう。そのひとつは、シリアにいる小規模な部隊だ。 計算されたリスク 米政府はなぜ今、このタイミングでソレイマニを殺すことにしたのか。これは大きな疑問だ。 少なく見積もってもアメリカが2003年にイラクに侵攻してからというもの、ソレイマニはアメリカに脇に刺さった厄介なとげのような存在だった。イラクのイスラム教シーア派を支援し、訓練し、武装し、熟練した民兵組織が生まれるように手を施したのが、ソレイマニだった。そうやって組織された武装勢力は、アメリカとその同盟諸国に立ちはだかる、強力で容赦のない対抗勢力になった。 アメリカとイスラエル、そして西側諸国はもう何年も前から、ソレイマニの動向を注視してきた。以前にも攻撃対象になったこともあるだろう。 米軍が今度こそひきがねを引いたのは、プラスがリスクを上回るとトランプ大統領が判断したからかもしれない。国際社会からの孤立や経済制裁、そして国内で最近相次ぐデモによってイラン政府は弱体化している、よってソレイマニ殺害にイランが激高しても深刻な戦略的脅威にはならないと計算した可能性もある。 しかし、今回の暗殺が果たしてアメリカの首尾一貫した戦略の中にあてはまるのか、まったくはっきりしない。それだけに、トランプ政権の意図を決め付けるのは危険だし、間違っていることもあり得る。 ソレイマニはイラン国内では巨大な存在だった。イランの戦略を取り仕切る立役者だった。自分が殺された場合にはどうすべすという、対応を指示してあったかもしれない。 新年早々、新しい10年代の冒頭に起きたこの暗殺は、中東で新しい一里塚になり得る。これを機にまたしても、中東で流血沙汰が相次ぐ事態になりかねない。 イラン政府は今、ソレイマニ亡き後の対応を検討しているに違いない。国境を越えた中東全域でソレイマニが長年かけて築いてきた自分たちの地位は、今後も維持できるのだと、イランはまず示さなくてはならない。 (英語記事 Qasem Soleimani death: The response options open to Iran)

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    ソレイマニ司令官の遺体、イランに帰還 トランプ氏はイランに「52の標的」と

    聖都マシュハドやコムを巡った後、首都テヘランで最高指導者ハメネイ師が最後の祈りを捧げる予定という。 BBCのリーズ・ドゥセット国際報道主任特派員によると、ハメネイ師自らが葬送の祈りを主導するのは異例の厚遇。ハメネイ師はすでに、自分に忠誠を尽くした司令官を死後に中将に昇進させている。 ソレイマニ司令官が中東全域で展開した親イラン派勢力推進の作戦は、ただでさえ制裁で疲弊するイラン経済に大きな負担をかけてきただけに、イランでも司令官を批判する人たちはいた。それだけに、殺害された司令官を殉教者として称え、高い栄誉を与えて弔うことで、イラン政府は国内を一致団結させて不安定な未来に立ち向かおうとしていると、ドゥセット特派員は解説する。 イラン・イラク戦争での戦功でも国内で英雄視されていた司令官は7日、故郷のイラン中部ケルマンに埋葬されるという。 <関連記事> 【解説】 イランの選択肢は ソレイマニ司令官を殺害され 【解説】 イランのソレイマニ司令官殺害 なぜ今でこれからどうなるのか イラン司令官殺害は「戦争止めるため」とトランプ氏 イランは「厳しい復讐」誓う イラン各地のデモ、流血の鎮圧 映像流出でネット遮断 米大使館近くに砲撃 司令官たちの葬列は4日、イラク・バグダッドやその近郊のイスラム教シーア派にとっての聖地カルバラでも行われ、多数の市民が葬列に加わった。その数時間後には、米大使館など外国公館の並ぶ区域にロケット弾が着弾し、これを受けてドナルド・トランプ米大統領はツイッターで、イランの標的攻撃を警告した。 バグダッドで米大使館や政府機関が集まる「グリーンゾーン」と呼ばれる地域で、米大使館に近くにロケット弾が着弾した。そのほか、バグダッド北で米軍が駐留するバラド空軍基地にも、複数のロケット弾が撃ち込まれた。 イラク当局によると、少なくとも迫撃砲1発がグリーンゾーンの広場に着弾したほか、バグダッド南東部ジャドリア地区でも迫撃砲が爆発した。さらに、2発がバラド空軍基地に着弾したという。 犯行声明は出ていない。イラク国内で米大使館や駐留基地などを標的に相次ぐ砲撃について、米政府は親イラン派武装勢力によるものだとしている。 トランプ氏の警告 ロケット弾の砲撃から間もなくして、ドナルド・トランプ米大統領はツイッターで、「これは警告だ」と大文字で強調しながら、米軍はイラン国内の52カ所の施設を「標的にした」と書いた。 トランプ氏は「もしイラン政府がアメリカ人やアメリカの資産を直撃するなら」、米軍は「非常に素早く、かつ非常に強力に、イランとイランの文化にとってきわめて高レベルで大事な標的、イランそのものを攻撃する」と続け、「アメリカはもうこれ以上の脅しはいらない!」と強調した。 標的の「52」という数は、イラン革命のあった1979年から81年にかけてイランの首都テヘランで続いた米大使館人質事件で人質になったアメリカ人52人の数だと、トランプ氏は説明した。 米政府はすでに、イラク国内のアメリカ人に退去を勧告し、兵3000人以上を中東に増派している。 一方で、ソレイマニ司令官と共に死亡した、アブ・マフディ・アル・ムハンディス副司令官が率いた親イランのイスラム教シーア派武装組織「カタイブ・ヒズボラ」は、イラク治安当局に対して、「5日夕方以降、米軍基地の1000キロ以内には近づかないように」と警告したという。レバノンを拠点とするアラビア語放送局アル・マヤディーンが伝えた。 米政府機関サイトをハッキングか トランプ氏のツイートから間もなく、米政府機関のサイトが「イラン・サイバー・セキュリティー・グループ・ハッカーズ」を名乗る集団にハッキングされた様子。米国連邦政府寄託図書館制度(FDLP)のサイトには、「これはイラン・イスラム共和国からのメッセージだ」という文字が表示された。 「神の名において」、「これはイランのサイバー能力のごく一部に過ぎない! 我々はイランのハッカーだ」という文字のほか、「強力な復讐」という文字も表示された。 サイトには、顔を殴られ口元から流血しているように加工されたトランプ大統領の写真も掲示された。 「我々は地域の友人たちの支援をやめない。パレスチナの抑圧された人々、イエメンの抑圧された人々、シリアの人々と政府、イラクの人々と政府、バーレーンの抑圧されt亜人々、レバノンとパレスチナで抵抗する真のムジャヒディン(イスラム戦士)を。我々はいつでも支援する」という文字もあった。 「復讐を果たす」とイラン 最高指導者アリ・ハメネイ師に次ぐ実力者とされたソレイマニ司令官を殺害されたイランは、ハメネイ師が「厳しい復讐」を誓うなど、米政府に強く反発している。イラン革命防衛隊幹部のゴラマリ・アブハムゼ将軍は、ペルシャ湾にいる米軍艦を攻撃する可能性を示唆した。 4日にはハッサン・ロウハニ大統領が弔問のため、司令官の遺族をテヘランの自宅に訪ね、「アメリカの汚い手がこの地域から永遠に切り落とされたる時、(ソレイマニ司令官の)血の復讐を果たす」と述べた。 イランのマジド・タクト・ラヴァンチ国連大使は国連安全保障理事会への手紙で、イランは国際法のもとで自衛権を有すると主張した。 専門家は、イランはアメリカに対するサイバー攻撃や、中東における米軍施設や資産を標的に、報復する可能性があると指摘している。 イラクでの葬列 ソレイマニ司令官やムハンディス副司令官たちの棺は4日、バグダッド市内や、カルバラ、ナジャフといったイスラム教シーア派の聖都の市街地を移動した。 イラクや親イラン武装勢力の旗を振り、「アメリカに死を!」と口々に叫ぶ人たちに囲まれながら、葬列はバグダッドではアル・ムタナ空港からグリーンゾーンの入り口前などをめぐった。 その一方で、バグダッドでは一部の市民がソレイマニ司令官の殺害を公然と祝った。バグダッドでは数カ月前から、平和的な民主化要求デモに対する厳しい取り締まりが続き、ソレイマニ司令官がその責任者だとみられていた。 イラクの立場は イランは隣国イラクで様々なシーア派武装勢力を後押ししている。ソレイマニ司令官が殺害された際も、まさにそうした武装勢力の幹部と一緒だった。 その一方でイラクは、アメリカとも同盟関係にある。イスラム教スンニ派の過激派勢力「イスラム国(IS)」との戦いを支援するため、数千人の米軍が今もイラク駐留を続けている。しかし、イラク政府はソレイマニ司令官の殺害について、アメリカの行為は両国間の合意を逸脱したものだと批判している。 イラクのアデル・アブドルマハディ首相は、米軍が首都バグダッドでソレイマニ司令官を殺害したことに反発し、「イラクの主権を傲慢に侵害し、国の尊厳をあからさまに攻撃した」と非難した。 イラクの議会は5日、国内に駐留する米軍などの退去を求める決議を採択した。 米政府内の手続きは ホワイトハウスは4日になって、3日のドローン攻撃について連邦議会に正式の通達を送付した。これは、行政府が目下もしくは切迫した軍事行動に米軍を投入した場合48時間以内に連邦議会に通達しなくてはならないという、1973年の連邦法に沿った対応。 政府がどのような権限によってバグダッドでの空爆を命じたのか、軍事行動の内容と継続期間などを明確にするためのも通達だが、内容は機密扱いで非公開だ。 野党・民主党幹部のナンシー・ペロシ下院議長は、「政権がイランに対する武力行動の実施を決定したタイミングとやり方、そしてその正当性について、深刻で喫緊な疑問が出てくる」と述べた。 トランプ米大統領は3日、「合衆国の軍は、世界随一のテロリスト、カセム・ソレイマニを殺害した空爆を完璧な精度で実行した」と宣言し、「ソレイマニはアメリカの外交官や軍関係者に対する邪悪な攻撃を間もなく実施しようとしていた。しかし我々は、現行犯でそれを押さえ、あの男を終了させた」と表明した。 しかし、ソレイマニ司令官がアメリカに対してどのような攻撃を計画していたのか、トランプ氏も政権関係者も明らかにしていない。 これについて、米紙ニューヨーク・タイムズの記者はツイッターで、「ソレイマニ空爆後に諜報内容の説明を受けた2人の匿名米政府関係者を含む消息筋の話」として、「アメリカの標的に対する攻撃が急迫していたと示唆する証拠は『かみそりの刃ほど薄い』ということだ」と書いている。 https://twitter.com/rcallimachi/status/1213421769777909761 各国の反応は 中国の王毅外相はイランのジャヴァド・ザリフ外相に対して、アメリカがソレイマニ司令官を殺害したのは軍事力の乱用だと伝えた。 ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相もザリフ外相に電話で、アメリカの行動は国際法の規範をひどく侵害するものだと伝えたという。 一方で、イギリスのベン・ウォレス国防相は、すべての当事者に「状況を緩和」するよう呼びかける声明を発表。その中で、「国際法のもと、アメリカは自国民への切迫した脅威となる者に対して自衛する権利がある」と表明した。国防相はさらに、世界の石油の2割が通過するホルムズ海峡で、英海軍艦2隻が英船舶の護衛を再開すると明らかにした。 <解説>ジョナサン・マーカスBBC防衛担当編集委員 コッズ部隊の司令官を殺害されたイランがすでに厳しい報復を警告するなか、トランプ大統領は明らかに、事態収束への最善の方法は自分から先に相手を強力に威圧することだと判断したようだ。イラン政府が言うような行動を実際にとれば、いったいどういう事態が待ち受けるのか、脅しを強めることで相手を引き下がらせようとしているようだ。 トランプ氏のツイートは色々な意味で奇妙だ。1979年11月にテヘランの米大使館で人質になった52人を意味する、「52」という数字の象徴的な使い方からしても。 「イラン文化」にとって重要な標的という言い方は、国の首脳部や軍関係・経済関係の標的にとどまらないものを意味しているようだ。 トランプ大統領はなんらかの抑止効果を狙っているようだ。しかし、今やボールはイラン側のコートにあり、イランが動く番だ。イラン政府が何もしないでいられるとは、非常に考えにくい。 トランプ氏はイランとの核合意から一方的に離脱してからというもの、矛盾する政策を追求してきた。経済的な圧力を高め、軍事行動をとると脅しながらも、実際にはほとんど何もしてこなかった。イランがアメリカの高性能ドローンを撃墜したときや、サウジアラビアの主要石油施設を攻撃したときでさえ、トランプ政権は具体的に対応しなかった。 何よりトランプ氏は再三、自分も米政府も中東地域での軍事介入にへきえきとしているのだと強調してきた。政権のこの消極姿勢こそが、中東におけるアメリカの抑止力を何より後退させてきた。トランプ氏はそれを遅ればせながら、修復しようとしているようだ。 (英語記事 Qasem Soleimani: Blasts hit Baghdad area as Iraqis mourn Iranian general / US 'targeting' 52 Iranian sites if Tehran attacks / Mourners flood the streets as body returns to Iran)

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    イラン司令官殺害 イランとアメリカの関係はなぜここまで悪化した

    2020年01月04日 19:48 公開 イランの国民的英雄とされる精鋭部隊のカセム・ソレイマニ司令官を米軍が空爆で殺害したことに、イラン政府が「厳しい復讐(ふくしゅう)」を誓うなか、ドナルド・トランプ米大統領は3日、カセム・ソレイマニ将軍(62)の殺害は「戦争を始めるためでなく、止めるため」だったと述べた。 フロリダ州に自ら所有するリゾートで会見したトランプ氏は、「合衆国の軍は、世界随一のテロリスト、カセム・ソレイマニを殺害した空爆を完璧な精度で実行した」と話した。 一方で、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師は、「(ソレイマニ司令官が)神のもとへと旅立っても、彼の道や使命は終わらない。しかし、彼の血、そして彼と共に昨夜殉教した者たちの血で手を汚した犯罪者たちには、厳しい復讐が待ち受けている」と表明した。 中東情勢の一大転換点とも言われるこの状況に至るまで、なぜアメリカとイランの関係はここまでこじれてしまったのか。1950年代にさかのぼって短く解説する。

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    【解説】 イランのソレイマニ司令官殺害 なぜ今でこれからどうなるのか

    2020年01月04日 14:00 公開 ジョナサン・マーカス、BBC防衛外交担当編集委員 イラン革命防衛隊の精鋭コッズ部隊を長年指揮してきたカセム・ソレイマニ司令官をアメリカが殺害したことによって、これまで低強度で推移してきた両国の対立は劇的に悪化した。その余波はきわめて深刻なものになり得る(文中敬称略)。 報復が予想される。攻撃と反撃の連鎖で、両国は直接対決に近づく可能性がある。イラクにおけるアメリカ政府の将来にも疑問符がつくようになる。そして、中東におけるドナルド・トランプ米大統領の戦略は、もし戦略があるのならば、かつてないほど試されることになる。 オバマ前政権でホワイトハウスの中東・ペルシャ湾政策を調整していたフィリップ・ゴードンは、ソレイマニ殺害はアメリカからイランへの「宣戦布告」のようなものだと言う。 コッズ部隊は、革命防衛隊の海外作戦を担当する。レバノン、イラク、シリアと場所を問わず、攻撃を計画したり現地の親イラン派を後押ししたりして、イランの影響力拡大を推進した。その中心に長年いた立役者こそ、ソレイマニだった。 米政府からすれば、ソレイマニは大勢のアメリカ人を死なせてきた、血染めの張本人だった。しかし、イランでは人気があった。そして、実務の上では、アメリカによる制裁や圧力に対抗するイランの反撃を主導してきた存在だった。 それだけに、トランプ大統領がソレイマニ司令官を攻撃の視野に入れていたことよりも、今というタイミングを選んだことが何より予想外だった。 <関連記事> イラン司令官殺害は「戦争止めるため」とトランプ氏 イランは「厳しい復讐」誓う イラン革命防衛隊の司令官、米軍の空爆で死亡 バグダッド到着後 確かに、このところイラク国内の米軍基地に対して相次いだ低強度の砲撃を、アメリカはイランの仕業だと非難していた。アメリカの民間請負業者からは死者が1人出た。しかしそれより先に昨年続いたオマーン湾でのタンカー攻撃や米偵察ドローンの撃墜などのイランの行動に対して、ひいてはサウジアラビアの主要石油施設攻撃に対しても、アメリカは直接の反撃には出なかった。 イラク国内の米軍基地に対する砲撃については、米国防総省(ペンタゴン)はすでに、その背後にいたと思われる親イラン武装勢力に反撃している。それが、バグダッドの米大使館が襲撃された背景にあるとみられる。 ソレイマニ殺害の決定を説明するにあたり、国防総省はその過去の行動を強調するだけでなく、今回の空爆による殺害は抑止的行動だったのだと力説した。司令官が「イラクと中東全域で、米外交官や軍関係者への攻撃計画を積極的に策定していた」のだと。 この次どうなるのかが大問題だ。トランプ大統領は今回の劇的な一手によって、イランをしり込みさせるほかに、アメリカに疑心暗鬼を募らせるイスラエルやサウジアラビアなど中東の同盟諸国に向かって、アメリカの抑止力はまだ効くのだと証明してみせたと、一石二鳥を期待しているだろう。しかし、たとえ直ちにではないとしても、イランが強力な反撃に打って出ないなど考えがたい。 イラクに駐留する米兵5000人は言うまでもなく、分かりやすい標的になり得る。イランやその代理勢力が過去に攻撃したのと同種の標的もそうだ。湾岸地域は否応なく緊迫する。ソレイマニ殺害直後の反応が原油価格急騰だったのは無理もない。 アメリカと同盟諸国は、防衛体制を強化するだろう。米政府はすでに在バグダッド大使館の警備を増強している。必要に応じて速やかな中東増派も計画しているだろう。 その一方で、イランの反応はある意味で非対称的なものになる可能性も同じくらいある。つまり、直接攻撃には直接攻撃で応えるのではなく。中東全域には親イラン勢力が広がっている。まさにソレイマニが後押しし、資金を提供し、作り上げてきたイランの代理勢力だ。イラン政府はその存在を活用しようとするかもしれない。 たとえば、バグダッドのアメリカ大使館を再び襲撃するという手もある。そうすればイラク政府は追い詰められ、イラクに駐留する米軍の存在が争点になる可能性もある。あるいは、他の場所で攻撃する口実に、同じようなデモをよそで扇動するというやり方もある。 コッズ部隊の司令官空爆は、米軍の情報収集力と攻撃力を見せ付ける明確な示威行為だった。ソレイマニの死を決して悲しまない人は、中東には大勢いる。しかし、この殺害はトランプ大統領にとって最も賢明な措置だったのだろうか。 避けがたい今後の事態に、ペンタゴンはどこまで備えているのか。そして、トランプ氏の中東戦略全般のいったい何が、この攻撃から明らかになったのだろう。何か変わったのだろうか。イランによる作戦は一切容認しないという、新しい方針でもあるのか。 それとも今回の攻撃はただ単に、トランプ大統領が「とても悪い男」だと思うに違いないイランの司令官を殺害したという、それだけの行動だったのだろうか。 (英語記事 Qasem Soleimani: Why kill him now and what happens next?)

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    イラン司令官殺害は「戦争止めるため」とトランプ氏 イランは「厳しい復讐」誓う

    2020年01月04日 11:24 公開 イランの国民的英雄とされる精鋭部隊の司令官を米軍が空爆で殺害したことに、イラン政府が「厳しい復讐(ふくしゅう)」を誓うなか、ドナルド・トランプ米大統領は3日、カセム・ソレイマニ将軍(62)の殺害は「戦争を始めるためでなく、止めるため」だったと述べた。 4日未明にはバグダッドで、ソレイマニ司令官や同じ空爆で死亡したイラク人たちの葬列が始まった。イラクの旗を振りながら「アメリカに死を!」と叫ぶ人たちが、棺を載せた車に続いた。 これに先立ちフロリダ州に自ら所有するリゾートで会見したトランプ氏は、「合衆国の軍は、世界随一のテロリスト、カセム・ソレイマニを殺害した空爆を完璧な精度で実行した」と話した。 トランプ氏はさらに、「ソレイマニはアメリカの外交官や軍関係者に対する邪悪な攻撃を間もなく実施しようとしていた。しかし我々は、現行犯でそれを押さえ、あの男を終了させた」と述べ、「(ソレイマニの)恐怖の支配は終わった」と表明した。 報道によると、イラン革命防衛隊の精鋭部隊「コッズ部隊」のトップだったソレイマニ将軍は3日、イランが支持するイラクの民兵組織と共に車両でバグダッド国際空港を出ようとしたところ、貨物ターミナルの近くで米軍のドローン空爆を受けた。司令官はレバノンもしくはシリアから、バグダッドに到着したところだったという。 イラン革命防衛隊によると、複数のミサイルが車両2台の車列を直撃し、計10人が死亡した。 米国防総省は、「大統領の指示のもと、米軍はカセム・ソレイマニを殺害することで、在外アメリカ人を守るための断固たる防衛措置をとった」と発表した。 司令官の殺害によって、イランとアメリカの緊張は一気に激化すると懸念されている。米政府関係者によると、米軍は予防措置として兵3000人を中東に増派する方針という。 米国務省は、イラク国内のアメリカ人に「ただちに国外に退去するよう」警告した。 <関連記事> 【解説】 イランのソレイマニ司令官殺害 なぜ今でこれからどうなるのか イラン革命防衛隊の司令官、米軍の空爆で死亡 バグダッド到着後 イラク国営テレビによると、ソレイマニ司令官の殺害から24時間後に再び国内で空爆があったという。 イラク軍筋はロイター通信に、現地時間の4日未明にイラク民兵組織の車列が空爆され、6人が死亡したと話した。 米軍報道官は、バグダッド北校の空爆は米軍主導の連合軍によるものではないと表明した。 イランとイラクは反発 トランプ大統領の声明に先立ち、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師は、「(ソレイマニ司令官が)神のもとへと旅立っても、彼の道や使命は終わらない。しかし、彼の血、そして彼と共に昨夜殉教した者たちの血で手を汚した犯罪者たちには、厳しい復讐が待ち受けている」と表明した。 イラクのアデル・アブドルマハディ首相は、米軍が首都バグダッドでソレイマニ司令官を殺害したことに反発し、「イラクの主権を傲慢に侵害し、国の尊厳をあからさまに攻撃した」と非難した。 イラク国民議会は5日、緊急招集される。 米軍の空爆では、親イランのイスラム教シーア派武装組織「カタイブ・ヒズボラ」を指揮していたアブ・マフディ・アル・ムハンディス副司令官も死亡したという。米政府はイラク北部で年末に米民間業者が死亡した迫撃砲攻撃は、テロ組織認定した「カタイブ・ヒズボラ」によるものだと主張していた。 現地報道によると、イラン人たちの遺体は4日夜に飛行機でイランに戻る。ソレイマニ司令官の遺体は7日、故郷のイラン中部ケルマンに埋葬される予定という。 バグダッドではソレイマニ司令官の遺影などを手に葬列に参加する市民が多数いる一方で、司令官の死を歓迎する人たちもいた。最近では、バグダッドにおける平和的な民主化要求デモを厳しく取り締まる動きがある、その対応を取り仕切ったのがソレイマニ司令官と言われている。 ソレイマニ司令官とは ソレイマニ少将はイランで、最高指導者ハメネイ師に次ぐ2番目の実力者とみられ、国民的英雄として扱われていた。 イラン革命防衛隊の中でも国外での秘密作戦を扱う「コッズ部隊」を、1998年以来率いた。コッズ部隊はハメネイ師の直属で、司令官がコッズ部隊を指揮した21年の間に、イランはレバノンでヒズボラなど親イラン武装組織を支援し、イラクやシリアでの軍事的影響力を拡大した。 シリア内戦におけるアサド政権の戦略、イラク国内の戦闘や過激派勢力「イスラム国(IS)」との戦いなど、中東における数々の戦線を組み立てているのは、ソレイマニ司令官だと考えられていた。 イラン政府はコッズ部隊が、シリア内戦においてアサド政権に忠誠を誓う部隊の軍事顧問を務めるほか、シリア政府軍と共に戦うシーア派武装勢力に武器を提供したことを認めている。 国営テレビは「栄光の殉教者」に喪章 イランの報道はソレイマニ司令官の訃報一色で、国営テレビは遺影に喪章をかけて伝えるほか、アメリカに「厳しい復讐」を誓うハメネイ師の映像を繰り返している。 政府系チャンネルはいずれも、「栄光ある殉教者」を称える追悼番組を続けており、特に司令官のイラクやシリアでの役割を戦功として伝えている。 イラク革命防衛隊のラメザン・シャリフ報道官は生中継中に泣き崩れ、司会者に慰められた。 後にシャリフ報道官は、米軍のドローン攻撃を支援したとしてイスラエルを批判し、「アメリカとシオニスト(イスラエル)の歓喜は長続きせず、悲嘆に変わる」と警告した。 イスラエルについては、複数のイラン政府関係者が空爆に関与したと非難を強めている。 シャリフ報道官はさらに、革命防衛隊は1人の男の死で足止めされることなく、大勢が司令官の遺志を引継ぐと強調。「簒奪(さんだつ)者のシオニストや犯罪者に復讐する決意はいっそう強まる」と述べた。 ほかにも複数のニュース・チャンネルは、宗教指導者が「最善の死は神への殉教」だと説き、復讐や司令官の仕事を続けることの重要性を強調する様子を繰り返し放送した。 国営の英語ニュースチャンネル「Press TV」では、テヘラン大学の教授が繰り返し、アメリカを初めとする欧米の民間人に「直ちに中東を離れるように」と、英語で警告し続けた。 ペルシャ語放送でも英語放送でも、複数のアナリストが同様に、ソレイマニ司令官の殺害は「中東におけるアメリカのプレゼンスの終わりの始まり」になると繰り返し予測している。 (英語記事 Qasem Soleimani: Strike was to 'stop war', says Trump /Defiant Iranians mourn 'martyr' Soleimani)

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    イギリスの人が自宅で2019年に一番見た映画……「ボヘミアン・ラプソディ」

    2020年01月03日 17:18 公開 2018年に公開され映画館で大ヒットした映画「ボヘミアン・ラプソディ」は、2019年の家の中でも大人気だった。英娯楽小売業者協会(ERA)が3日、統計を発表した。 フレディ・マーキュリーを中心に英ロックバンド「クイーン」を描いたこの作品は、2019年にイギリス国内で170万部を売り上げ、一番売れたビデオになった。170万部の3分の2はDVDやブルーレイで、その他はダウンロードされた分だ。 2位は130万部の「アベンジャーズ/エンドゲーム」だった。ほかにイギリスのビデオ販売トップ10に入ったのは、「トイ・ストーリー4」、「メリー・ポピンズ リターンズ」、レディ・ガガ主演の「スター誕生」などだった。 全体では、イギリス国内のビデオへの支出は9.5%増で、エンターテインメント業界で一番の急成長部門となった。動画配信の人気が、成長の原動力となった。 ERAによると、DVDやブルーレイ、4K対応UHDブルーレイなどディスク実物の2019年の売り上げは、2018年の6億1690万ポンド(約895億円)から22.6%減り、4億7720万ポンド(約690億円)だった。 これに対して、デジタル・ビデオの売上高は2019年に前年比21.5%増で21億1000万ポンド(約3060億円)だった。ネットフリックスやアマゾン・プライムなどの動画配信サービスの利用者が増えたことが、大きく貢献した。 「ディスク実物を扱う小売業者にとって、2019年は間違いなく厳しかった」と、ERAのキム・ベイリーCEOは言う。 下表はイギリス消費者のビデオ購入額(紺は小売、青はデジタル、水色は総額、単位100万ポンド)。 英スクリーン・エンターテインメント協会(BASE)によると、「消費者がどのメディアを所有しようと思うか、その選択にデジタル革命はますます浸透している」という。 一方で、以前は「英ビデオ協会(BVA)」という名称だった同団体は、「多くのファンやコレクターやプレゼントを探している人」は今でもディスク実物を好んでいると話す。 ビデオ業界で最も減ったのは、ビデオの実物のレンタルで、2019年には前年比25%減った。 過去10年の間に「ブロックバスター」などレンタル大手は目抜き通りから次々と姿を消した。それでも、レンタル・ビデオ業界の売り上げは昨年、2340万ポンド(約34億円)を記録した。 ERAのベイリーCEOは、「ビデオのデジタル・ルネッサンスは見事なものだけれども、大ヒット作品になるには今も物理的フォーマットで売れることがカギとなる」と話す。 「今年の売り上げトップ10のタイトルはどれも、デジタルよりもDVDやブルーレイの方が多く売れた」 映像作品の売り上げに先立ち、1日には英国レコード産業協会(BPI)が、消費者によるアルバム購買数は1億5400万件(ストリーム、ダウンロード、実物ディスク販売の総計)で、5年連続して右肩上がりを続けていると発表した。 BPIによると、2019年のアルバム販売の約75%はストリーミングによるもので、CDの実物の販売は減り続けている。その一方で、ビニールのレコードがわずかながら増え続けているという。 (英語記事 Bohemian Rhapsody was most-watched film at home in 2019 / Lewis Capaldi named the UK's biggest-selling musician of 2019)

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    「あんたは終わりだ」、モリソン豪首相に住民がやじ 森林火災の被災地視察で

    2020年01月03日 17:18 公開 昨年から大規模な森林火災が続くオーストラリアのスコット・モリソン首相が2日、甚大な被害を受けているニューサウスウェールズ州コバーゴを訪問した。 しかし、政府の対応に怒り心頭の住民から激しいやじを飛ばされ、視察を切り上げることとなった。 コバーゴでは今週、住民2人が死亡したほか、住宅の多くが焼失した。 モリソン首相は昨年12月、被害が拡大する最中に家族と共に米ハワイでクリスマス休暇を過ごし、批判を受けていた。 首相は、住民が非常に苛立っているのは決して意外ではないと述べた。

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    イラン革命防衛隊の司令官、米軍の空爆で死亡 バグダッド到着後

    年4月、イラン革命防衛隊とコッズ部隊も、外国テロ組織と認定している。 <解説> リーズ・ドゥセットBBC国際報道チーフ特派員 イランの強力な精鋭集団「コッズ部隊」の指揮者として、カセム・ソレイマニは中東におけるイランの巨大な野心を画策する首謀者とみられていた。そして、戦争と平和に関しては、イランの真の外務大臣だと。 ソレイマニ司令官こそ、シリア内戦におけるアサド大統領の戦法の立役者だと、広く見られていた。同様に、イラク国内の戦闘やISとの戦いなど、中東における数々の戦闘を組み立てているのは、ソレイマニ司令官だと考えられていた。 銀髪の司令官の権力は絶大で、一部からは崇拝され、他方では憎悪された。彼にまつわる様々な伝説やソーシャルメディアのミームが、次々と作られていった。 イランと、アメリカおよびその同盟国との間にはすでに、深刻な危機が進行している。それがソレイマニ司令官の死によって、決定的な転換点を迎えることになった。 事態は悪化するだろうし、報復も確実だろう。ただでさえ不安定な地域が、ますます危険な道を進むことになる。 (英語記事 Qasem Soleimani: US kills Iran Quds Force leader, Pentagon confirms)

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    ゴーン被告の逃亡先のレバノン、インターポールの国際手配書を受領

    2020年01月03日 15:30 公開 レバノン政府は2日、国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)から、日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(65)に対する国際逮捕手配書に相当する「赤手配書」を受け取ったと明らかにした。 ICPOの「赤手配書」は、各国の警察機関に対し、身柄引き渡しや同様の法的措置を目的として被手配者の仮逮捕を要請するものだが、レバノンは日本と犯罪人引渡し条約を結んでいない。 ロイター通信によると、レバノンの国内治安部隊(ISF)が「赤手配書」を受け取ったが、まだ司法部には付託されていないという。 金融商品取引法違反などの罪で起訴され保釈中だったゴーン被告は、今年4月にも開かれる見通しの初公判を前に、昨年12月30日早朝にレバノン・ベイルートに到着した。 トルコで7人逮捕 レバノンで告訴 報道によると、ゴーン被告を乗せたプライベートジェットはトルコ・イスタンブールを経由したとされる。 トルコ・メディアによると、ゴーン被告が乗ったプライベートジェットは関西国際空港を出発し、昨年12月30日午前5時半頃、イスタンブールのアタテュルク国際空港に着陸した。 トルコ紙ヒュリエトはウェブサイトで、トルコ内務省職員の話として、同国の国境警察はゴーン被告がプライベートジェットに搭乗していることを知らされておらず、同被告の出入国記録もなかったと報じた。 一方で、2日のトルコ・メディアによると、ゴーン被告の逃亡に関与したとして、パイロット4人、貨物会社職員1人、空港職員2人が逮捕された。 ゴーン被告の逃亡に関してトルコ政府の公式コメントは出ていない。 さらに、レバノン国営通信社NNAによると、レバノンの弁護士2人が2日、ゴーン被告が2008年1月、同国と敵対関係にあるイスラエルに入国したとして刑事告訴したという。 レバノンはレバノン国籍者のイスラエル入国を禁止しており、弁護士は同被告がこれに違反したと主張しているという。判断は検察側に委ねられることになる。 フランスは引き渡しに応じず フランス、レバノン、ブラジルの国籍を持つゴーン被告は、レバノン国内で銀行や不動産へ莫大な投資をしてきた。 フランス政府は、仮にゴーン被告がフランスに入国した場合、身柄引き渡しには応じないとしている。 フランスのアニエス・パニエ=リュナシェ経済・財務相は、ゴーン被告は「日本の司法制度から逃亡すべきではなかった」と述べたものの、「フランス政府が同国民を引き渡すことは決してない」と付け加えた。 仏自動車大手ルノーの会長兼CEOだったゴーン被告をめぐっては、仏国内でも会社の資金を流用した疑惑で捜査が進められているが、これまでのところ起訴には至っていない。 「自分が単独で準備した」 ゴーン被告は昨年3月、保釈保証金10億円を納付し、逮捕から108目に一度保釈されたものの、昨年4月に新たに会社法違反(特別背任)の疑いで再逮捕され、再び勾留された。そして同月下旬、保釈保証金5億円を納付し保釈された。 昨年の大晦日に発表した声明でゴーン被告は、正義から逃げたのではなく「不公平と政治的迫害から逃げた」と説明した。 ゴーン被告は今月2日、妻キャロル氏(54)が逃亡計画に深く関わっていたとするメディアの憶測について、「不正確で虚偽」だとした上で、「自分が単独で日本出国の準備をした」と述べた。 2通目の旅券? 楽器ケース? ゴーン被告はブラジル、フランス、レバノンの3カ国のパスポートを持つが、日本の弁護団は3通のパスポートを国内で預かったままだ。 しかし、日本の複数報道によると、同被告はフランスからビジネス用を含めてパスポートを2通発行されていた。日産の会長職を解かれた同被告に出入国管理法による国内滞在条件としてパスポートの携帯義務が生じたため、弁護団が保釈条件の変更を東京地裁に申請。東京地裁がこれを認めたため、被告は2通目のフランス旅券をダイヤル式鍵付きのケースに入れて携帯していた。ケースを開ける番号は弁護団が保管していたという。 ゴーン被告の出国記録が残っていないことから、日本の捜査当局は同被告が不正な手段で出国したとして、出入国管理法違反の疑いで捜査を進めている。 ロイター通信は2日、ゴーン被告に近い情報筋の話として、ゴーン被告は初公判が今年4月にずれ込んだことを知り、日本から逃れる決心をしたと報じた。この情報筋によれば、同被告は、レバノンに居る妻キャロル氏との連絡を妨げられていることに「苦しんで」いたという。 レバノンのテレビ局MTVは、ゴーン被告は、楽団になりすました準軍事的組織の協力を得て、楽器ケースに隠れ、保釈時に認められていた都内の住居を後にしたと報じた。 しかしキャロル氏はロイター通信に対し、楽器ケースに隠れたという話は「フィクション」だと述べた。キャロル氏は、夫がどのように日本から逃れたのかについて詳細を明かすことは拒否した。 日産自動車の再建に貢献し、かつて日本で英雄的な立場についたゴーン被告は、2018年11月、金銭をめぐる不正行為を行ったとして、金融商品取引法違反容疑で逮捕された。 日産は逮捕の3日後にゴーン被告を会長職から解任し、代表権を外す決定を下した。 2019年4月には、東京地検特捜部が、中東オマーンの知人側に日産の資金を不正流出させたとして、会社法違反(特別背任)容疑でゴーン被告を再逮捕した。 ゴーン被告は無罪を主張している。 (英語記事 Interpol issues notice for Carlos Ghosn arrest)

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    【東京2020】 旭日旗をめぐる問題 なぜ禁止を求める声があるのか

    2020年01月03日 9:51 公開 アンドレアス・イルマー、BBCニュース 競技場のスタンドで大観衆が一斉に旗を振りながら、選手に歓声を送る。これは、スポーツの国際大会では当たり前の光景だ。 しかし、その旗が一部の国にとってあまりに忌まわしいもののため、大会での使用の禁止を求める運動が巻き起こった場合はどうか。 まさにその通りのことが、日本の旭日旗と2020年東京五輪をめぐり起きている。どこより強く旭日旗を問題視しているのは韓国で、ナチス・ドイツのカギ十字と比べる政治家さえいる。 今の日常生活でめったに使われない旭日旗をわざわざ掲げる人たちは、旧日本軍を美化し、その人権侵害の記録を修正しようとしている――と、旭日旗を問題視する側は批判する。 韓国は今年の夏季五輪での使用禁止を求めている。しかし、東京五輪・パラリンピック組織委員会は、旭日旗の競技会場への持ち込みを禁止しない方針だ。「旭日旗のデザインは日本国内で広く使用されており、政治的主張にはあたらない」というのがその理由という。 旭日旗とは 日本の国旗は日章旗、「白地に赤く日の丸染めて」だ。この使用に異議を唱える人は今いない。 旭日旗にも同じような赤い丸が使われるが、そこから太陽光を示す16本の赤い線が伸びている。日章旗も旭日旗も、数百年前から使われている意匠だ。 日本では19世紀から、旭日旗が軍の旗として使われるようになった。そのため、大日本帝国が帝国主義的な拡大を続け、朝鮮や中国の一部を占領した際、軍が掲げていたのが旭日旗だった。 第2次世界大戦では海軍の旗となり、それを機に、毀誉褒貶(きよほうへん)の対象になった。戦争中にアジアの大部分を占領した旧日本軍は、現地住民に対して残虐行為を繰り広げたからだ。 現代では今も海上自衛隊の艦の旗で、陸上自衛隊は少し異なる意匠の旭日旗を使っている。 なぜ韓国は問題視するのか 日本は1905年の第2次日韓協約で韓国を事実上の保護国として占領し、その5年後の韓国併合で完全な植民地として統治下に置いた。 日本の韓国統治は経済的な搾取で、アジア各地での勢力拡大に伴い、数十万人を強制労働に徴用した。さらに、当時の残酷な帝国主義政府は第2次世界大戦の始まる前と戦時中、日本兵のための軍用売春宿を「慰安所」として設け、そこで多数の少女や若い女性を強制的に働かせた。 いわゆる「従軍慰安婦」と呼ばれるこの女性たちは、性的な奴隷として働かされた。韓国人の被害者のほか、旧日本軍は台湾や中国、フィリピンの女性たちもこうした慰安所に送り込んだ。 韓国では多くの人が、旭日旗を数々の戦争犯罪や抑圧行為と結び付けている。そして、日本で今もこの旗が使われているのは、日本政府が自らの暗い過去にきちんと向き合ってこなかったことの象徴だと見ている。 米外交問題評議会の韓国研究者、エレン・スウィコード氏によると、「植民地統治時代に自分たちが犯した罪について、日本は責任を受け入れられない、あるいは受け入れようとしないと、韓国は様々な事例を挙げて不満を表明」しており、旭日旗はその様々な不満材料が「織り成す織物の1本の糸」なのだという。 韓国の外務省は、旭日旗を日本の「帝国主義と軍国主義」の象徴と呼んでいる。 韓国国会の文化体育観光委員会は昨年、「カギ十字がナチスのシンボルとして欧州の人に侵略の恐怖を思い起こさせるように」、旭日旗は「アジア人や韓国人にとって悪魔のシンボルに近い」のだと主張した。 中国からの抗議がないのは 日本による侵略の被害を受けたという歴史的経験をもってすれば、オリンピックで旭日旗が上がれば、中国も韓国と同じように反応するかもしれない。 1937年に中国の南京を占領した日本軍は、数カ月にわたり殺害と強姦と略奪を続け、日中戦争最悪の虐殺行為を繰り広げた。 中国側の推定によると、約30万人が殺害されたという。その多くは女性や子どもで、強姦された女性は約2万人に上るとされている。 しかし、今の中国政府は旭日旗について、ことさらに抗議をしていない。 理由は単純に政治的なものだと、米ジョン・ホプキンズ大学南京校のデイヴィッド・アラセ教授は話す。 中国メディアはいずれも国の統制下にある。そして、中国政府は目下のところ、日本との関係改善に努めている。それが理由だと教授は言う。その証拠に、習近平国家主席は今年春にも訪日し、天皇と会談する予定だ。 「だから、中国政府は旭日旗について騒ぎたてないし、それゆえに国民も旭日旗について激高するよう促されたりしないわけだ」と教授は話す。 ハーケンクロイツと比べられるのか? 旭日旗が、ナチス・ドイツのシンボルだったハーケンクロイツ(カギ十字)と比べられるものなのか。賛成する意見もあれば、反対意見もある。 旭日旗は日本で数百年前から国を象徴する伝統的な意匠として使われてきた。宣伝や製品にも使われる。 対するドイツでカギ十字がシンボルとして使われたのは、ナチス政権下の時代のみだ。ドイツでは今では使用が禁止されており、今なおハーケンクロイツを使うのは過激主義の団体に限られる。 しかし、たとえ旭日旗の方がハーケンクロイツよりも歴史は古いとは言え、今の日本では「大日本帝国のもとで行われたとんでもない人権侵害を美化し、修正する以外の目的で旭日旗を使う人はいない」と、上智大学の中野晃一教授(政治学)は指摘する。 その上で中野教授は、ナチスのカギ十字よりも適切な比較対象として、アメリカの南部連合の旗を挙げる。19世紀の米南北戦争で、奴隷制度の継続を求める南部諸州が使った旗だ。 アメリカで南部連合旗は使用が禁止されていないし、今も南部の州では掲げられている。しかし、人種隔離や白人優越主義の象徴だと批判する人たちも大勢いる。 なぜ日本は禁止しないのか 韓国からの圧力はあるものの、日本は譲る姿勢を見せていない。 それどころか日本の外務省は、「今日でも、旭日旗の意匠は、大漁旗や出産、節句の祝いなど、日常生活の様々な場面で使われている」と解説している。外務省ホームページには、英語の解説ページもある。 外務省のホームページは、旭日旗が第2次世界大戦でどういう役割を果たしたかに触れることなく、「皆さん、ご承知のとおり、旭日旗のデザインはですね、大漁旗や出産、節句の祝い旗、あるいは海上自衛隊の艦船の旗、日本国内ではですね、広く使用されており、これが政治的主張だとか軍国主義の象徴だという指摘は全く当たらない」という菅義偉官房長官の説明を載せている。 確かに、日本のリベラルな朝日新聞の社旗は、旭日旗に似たデザインを使っている。 しかし、日本政府は旭日旗が海外でどう受け止められているか、よく承知している。そして韓国は、国際サッカー連盟(FIFA)が国際試合での旭日旗の使用を禁止したと主張している。 政治的な動きなのか この旭日旗の問題は、韓国と日本の関係があらためて低調な状態にある最中で出来した。 昨年夏には、戦時中の徴用工訴訟をめぐる外交問題が、日韓両国の間の全面的な貿易紛争にまで発展した。 安倍晋三首相が何も対応しないのは、超保守層へのご機嫌取りだという意見もある。 「現在の日本政府は、極端な国家主義を容認しており、その表現を暗黙の内に支持している」と、米ハワイ大学のハリソン・キム准教授(歴史学)は言う。 とはいえ、日本が帝国主義時代の自分たちの残酷な過去にきちんと取り組むことができないのは、「日本だけの責任ではない」とキム教授は話す。 それはある意味で、冷戦時代のアメリカが日本を同盟国にしたことと関係しているのだと、キム教授は指摘する。 「そのおかげで、日本政府は戦後補償や賠償を通じて自分たちの過去と適切に向き合わずに済んだ」 その結果として、日本は「帝国主義時代の自分たちの犯罪」について、恒久的な形で「記録し謝罪」してこなかったというのが、教授の意見だ。 「法的にも、教育の上でも、そして文化的にも」 (英語記事 Tokyo 2020: Why some people want the rising sun flag banned)

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    ローマ教皇、広場で腕をひっぱる人の手をピシャリ 新年に謝罪

    2020年01月02日 17:42 公開 寛容と忍耐と慈愛を説くキリスト教カトリックの総本山ヴァチカンで大みそかに、ローマ教皇フランシスコが思わず不快な表情になり女性の手をピシャリと叩くという珍しい出来事があった。 サンピエトロ広場に集まった巡礼者たちを教皇が祝福していたところ、フェンスの向こうにいた女性に右腕をぐいとひっぱられた。教皇は顔をしかめ、反対の手で女性の手を叩き、放させた。 翌日の元日ミサで教皇は、自分が「我慢できなくなった」と認め、「私たちはしばしば我慢ができなくなる。私にもそういうことはある。昨日示してしまった悪いお手本について、謝罪する」と謝った。

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    香港、大規模デモで新年幕開け カウントダウンで「香港を解放せよ」と

    2020年01月02日 17:30 公開 民主化を求めるデモが続く香港は1日、数万人規模のデモが行われる中で新年を迎えた。デモの大部分は平和的に行われたものの、複数カ所で暴力行為が勃発し、警察が催涙ガスを発射する事態となった。 昨年12月31日夜、デモ隊はヴィクトリア・ハーバーでの新年のカウントダウンに先立ち、混雑したショッピング街で数キロにわたる「人間の鎖」をつくった。 カウントダウンが始ると、デモ隊は「10、9、香港を解放せよ、今こそ革命の時だ!」と叫んだ。 活気溢れる旺角(モンコック)市場では、日没後に一部の人がバリケードに火をつけたり、花火を上げるなどし、交通を妨げた。 現地紙サウスチャイナ・モーニングポストによると、警察はデモ隊を排除するために水砲や催涙ガス、ゴム弾を使用した。 「自由はタダではない」 1日午後には幅広い年齢の人々が、ヴィクトリア・パークからデモ行進した。 昨年10月に香港政府がデモ参加者のマスクや覆面の着用を禁止する「覆面禁止法」を制定したが、参加者の中にはマスク姿で、「自由はタダではない」と書かれたサインを掲げる人もいた。 ある男性はロイター通信に対し、「『ハッピーニューイヤー』と口にするのは難しいです。香港人はハッピーではないので」、「5つの要求が実現しない限り、そして警察が自分たちの暴力行為の責任を負わない限り、私たちは本当の意味で『ハッピーニューイヤー』は迎えられない」と述べた。 1日の反政府デモを主催した「民間人人権陣線(CHRF)」の岑子杰(ジミー・シャム)氏は、「新年を迎える前に政府が抑圧を開始した。(中略)抑圧を受けているものが誰であっても、私たちはその人たちを支持する」と述べた。 議員らが行政長官に働きかけ 議員約40人や18カ国の高官は12月31日、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官に対し、共同で公開書簡を送付。「香港人の不満に対処することによって、この危機から前進する真の方法を模索」するよう求めた。 犯罪容疑者の中国本土引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改定案に端を発した反政府デモは、6月から続いている。デモは次第に完全な民主主義を求める抗議運動へと変化してきた。 一連のデモでは、これまでに6500人以上が逮捕されている。 デモ隊の5要求 一部のデモ隊は 「五大訴求、欠一不可(5つの要求 1つも欠けてはならない)」を掲げている。デモ隊が求めているのは、逮捕されたデモ参加者全員への恩赦、デモ参加者に対する警察の暴力をめぐる独立調査、行政長官選挙での普通選挙の実施、抗議行動に対する「暴動」という言葉の使用取消しの4要求。5つ目の改定案の正式撤回については、昨年10月に香港政府が正式撤回を表明した。 150年以上にわたりイギリスの植民地だった香港は、1997年に「一国二制度」の下に中国に返還された。香港特別行政区となり、独自の法制度や国境を持つほか、表現の自由などの権利も保障されている。 中国の習近平国家主席は1日、新年の祝辞の中で、中国政府は香港の「繁栄と安定を断固として保護する」と述べた。 (英語記事 Hong Kong kicks off 2020 with fresh protests )

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    森林火災続くオーストラリア BBC気象予報士が要因解説

    に広範囲で激しい森林火災が相次いでいる。 高い気温が地表を熱して乾燥させていることが直接の原因だが、BBCのヘレン・ウィレッツ気象予報士がその背景を説明する。

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    ゴーン被告はどうやって日本から逃亡したのか 飛び交う諸説

    だったと述べた。一方で、関与が疑われている逃亡計画については言及しなかった。 キャロル氏は昨年6月、BBCの単独取材に応じ、「夫を取り返したい。私のそばに居てほしい。私は夫が無実だと分かっている」と述べたほか、当局はゴーン夫妻を「脅し、自尊心を傷つけた」と語った。 ゴーン被告は罪状について繰り返し否定している。 3つのパスポート ゴーン被告がレバノン入国時に使用したパスポートについては、複数の疑問が残る。被告はブラジル、フランス、レバノンの3カ国のパスポートを持つが、日本の弁護団はすべてのパスポートを国内で預かったままだ。 企業経営者に認められる場合がある複製パスポートをゴーン被告が所持していたのかは、分かっていない。レバノンで発効された外交旅券を所持していた可能性があるとの報道もある。 仏紙ル・モンドは、ゴーン被告は身元を示すなんらかの身分証明書を使ったとしている。また別のメディアは、被告がフランスのパスポートあるいは別人になりすました偽造パスポートを使ったのではないかと報じている。 ゴーン被告の広報担当者はフィナンシャル・タイムズに対し、同被告がフランスのパスポートを使ってレバノンに入国したと述べた。しかし、どのように日本を出国したかについては明かさなかった。 レバノン外務省の政治問題担当のガディ・フーリー氏は、ゴーン被告がフランスのパスポートとレバノンのIDを使って同国に入国したと、フィナンシャル・タイムズに述べたという。 NHKは2日夜、関係者の話として、元会長はフランスから旅券を2通発行されており、逮捕当初は弁護団が保管していたものの、逃亡当時はフランス旅券を1通所持していたと伝えた。 朝日新聞によると、ゴーン被告が日産の役職を解かれて日本の在留資格の証明書を失い、入管法の規定で旅券の携帯義務が生じたため、弁護団が保釈条件の変更を請求した。東京地裁は昨年5月、中身が見える鍵付きの透明ケースに入れたフランス旅券1通の携帯を被告に認めたという。ダイヤル式ロックの番号は弁護団が管理し、被告には伝えていなかったという。 ゴーン被告の逃亡によって恥をかかされた日本では、ある政治家が、同被告はどこかの国家の支援を受けていたのかという疑問を投げかけた。また、前東京都知事の舛添要一氏はツイッターで、フィナンシャル・タイムズの記事を引き合いに、「レバノン政府がゴーンの希望が叶えられるように支援していたことは、この点からも裏付けられる。国家の関与がなければ、これだけの逃走劇は不可能だ」と述べた。 レバノンで育ったゴーン被告は、同国内に物件を所有している。現在も国民的人気があり、成功者として称えられ、切手になったこともある。 ロイター通信は2人の人物の話として、ゴーン被告の勾留中、駐日本レバノン大使が毎日、同被告を訪問していたと報じた。レバノン大使はこれまでのところ公に反応していない。 レバノン政府は、ゴーン被告の逃亡への関与を否定している。 サリーム・ジャリーサーティ内相は、「レバノン政府は、レバノンに来るという(ゴーン被告の)決断とは全く関係がない」、「入国時の状況について我々は知らない」と米紙ニューヨーク・タイムズに述べた。 一方、フーリー氏はフィナンシャル・タイムズに対し、レバノン政府は「(ゴーン被告)の身柄引き渡しを要請していた」が、今回の逃亡については政府は関与していないと述べた。 フランスとトルコも、今回の逃亡計画を知らなかったとしている。 レバノンは、日本と犯罪人引渡し条約を結んでいない。そのため、今後ゴーン被告の公判が開始されない可能性がある。 日本政府は2012年~2016年度だけでもレバノンに、計約210億円相当の開発援助を提供している。それだけに今後、ゴーン前会長の引渡しを要求することが予想される。 しかし、そもそもこれほど有名な刑事被告人がいったいどうやって日本国外に逃亡できたのか。日本は今後、その疑問に答えていかなくてはならないだろう。 (英語記事 How did Carlos Ghosn escape Japan?)

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    今年は何年? 5780年? 1441年?

    2020年01月01日 18:17 公開 世界各地で新年が始まり、日本では西暦2020年と令和2年を迎えた。けれども今年は5780年だという人たちもいるし、太陰暦で年を数える人たちにとっては今はお正月でさえない。 様々な暦について解説する。

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    山火事を逃れ海岸へ、数千人が避難 オーストラリア

    2020年01月01日 16:16 公開 深刻な森林火災が続くオーストラリア東部ではこの年末、住民数千人が火災を逃れ、海岸に避難した。

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    豪山火事、年末年始も家屋200軒以上が焼失

    2020年01月01日 15:30 公開 深刻な森林火災の続くオーストラリアでは、年末年始にかけても沿岸部を中心に多くの家屋が焼失している。東部ヴィクトリア州では少なくとも43軒、ニューサウスウェールズ州では176軒が破壊された。同州では、ここ数日で5人が亡くなった。 ヴィクトリア州マラクータでは昨年12月31日に、火災が市街地を囲んだため、逃げられなくなった住民や観光客数千人が海岸へと避難した。 この火災は現在、勢いが弱まっており、1月1日には主要道路が2時間のみ通り抜け可能となった。ヴィクトリア州では、45件の森林火災警告が出されている。 ニューサウスウェールズ州では、元日も112件の森林火災が確認されている。地方消防局によると、今回の山火事シーズンで計916軒の家屋が全焼、363軒が半焼の被害を受けた。一方、8159軒が守られた。 オーストラリアでは、今季に合わせて15人が森林火災の犠牲となっている。 オーストラリア政府は31日、両州の緊急サービスに軍用機やヘリ、軍用艇などを供給すると発表。 すでに水陸両用艇がシドニーを出発し、27日までに両州で山火事の被害にあっている沿岸部に到着しているという。 <関連記事> 豪山火事、集落が「ほとんどなくなった」場所も ハワイ休暇の首相に批判 山火事続く豪州、2度目の非常事態宣言 記録的熱波で事態悪化の恐れ 豪の山火事で救出のコアラ、悲しい結末 マラクータは今週、最も大きな被害に見舞われた。1日時点で火災の峠は越えたものの、多くの住民が家を離れ、避難先の車や屋外に置いたデッキチェア、あるいは映画館などで夜を明かした。 住民のアリソン・マリオンさんが撮影した、11歳の息子フィンさんがモーターボートで家族を避難させている写真は、ソーシャルメディアで注目を集めた。 アリソンさんは豪ABCニュースの取材に対し、「フィンがボートを操縦し、もうひとりの息子が犬の面倒を見ていた。2人のことを誇りに思う」と述べた。 食糧不足も ヴィクトリア州のアンドリュー・クリスプ危機管理担当長官は、メルボルンから「大型荷船」がマラクータに食料や飲料水、燃料3万リットルなどを届けていると発表した。 マラクータから内陸に80キロほどにあるキャン・リヴァーの町でも、食糧備蓄が不足しつつあると報じられている。 ニューサウスウェールズ州のユラドゥラでは、住民がスーパーマーケットに列を作っている。また、火災によって電話回線が切断されてしまったため、公衆電話に並ぶ人たちもみられた。 (英語記事 More than 200 homes burn down in latest bushfires)

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    北朝鮮、核開発やICBM発射実験の再開を示唆

    2020年01月01日 14:58 公開 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、2019年12月末に開かれた朝鮮労働党中央委員会総会で、核開発や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を再開する可能性を示した。北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)が1日、伝えた。 KCNAによると、金委員長は党中央委員会総会で、米韓合同軍事演習や制裁を続けるアメリカについて、「対話を唱えながらも、朝鮮を完全に窒息させ圧殺しようと二面的な態度を取っている」と批判。アメリカが対北朝鮮敵視政策を続けるならば、「朝鮮半島の非核化は永遠にない。我々が約束に一方的に縛られる根拠はなくなった。約束に相手はなく、そのせいで我々の世界的な非核化と不拡散の取り組みが冷え込んでいる」と主張した。 報道によると、金委員長はさらに、「世界は遠からず、朝鮮が保有する新たな戦略兵器を目撃することになる」と主張したという。 一方で、金委員長はドナルド・トランプ米大統領や韓国に直接言及しなかった。これについては、最近まで米韓に対して激しい非難を繰り広げていたのに対し、表現を意図的にトーンダウンさせたという見方もある。 年末に党の中央委員会総会が開かれるのは異例。朝鮮中央テレビは2013年以降、金委員長の新年演説を放映してきたが、今年は見送られたもようだ。 北朝鮮は2017年を最後に、ICBMの発射実験を行っていない。トランプ政権と非核化交渉を続けるなか、北朝鮮はアメリカ本土が射程圏内に入るICBMや核兵器の実験を一時停止すると自ら発表し、これを交渉の軸にアメリカから制裁解除などの譲歩を引き出そうとしていた。 北朝鮮は一方的に2019年末を交渉期限と設定し、ICBMよりは射程距離が短い弾道ミサイルなどの実験を繰り返した。これは、北朝鮮が核開発を完全にやめない限り制裁解除などを認めないという立場を堅持するアメリカに、圧力をかけることが目的だったとみられている。 北朝鮮は最近では、アメリカが制裁解除などに応じないなら「クリスマスの贈り物」を贈ると脅していた。 アメリカにとって2020年は大統領選の年で、トランプ大統領は再選を目指している。もしも北朝鮮が金委員長の言葉通りにICBMの実験を再開した場合、米朝交渉を自らの大きな外交成果として強調してきたトランプ氏は、これに強く反発することは必至だ。 アメリカの反応は 金委員長の発言を受けて、フロリダ州で静養中のトランプ大統領は記者団に、自分と金氏は「非核化について話し、契約書にサインした」のだと言い、「彼は約束を守る男だと思う」と述べた。 北朝鮮との交渉を担当してきたマイク・ポンペオ米国務長官は、北朝鮮が戦争より平和を選ぶことを期待すると述べた。 ポンペオ長官は米CBSに対して、「もし金委員長がトランプ大統領と交わした約束をほごにするなら、非常に残念だ」と言い、「トランプ大統領が大規模な軍事演習を行わないと合意し、その引き換えに彼は(核実験停止などの)約束をした。我々は約束を果たしている。彼もそうすると期待し続ける」と話した。 トランプ大統領と金委員長は2018年6月にシンガポールで行った初の米朝首脳会談を皮切りに、2019年にはヴェトナム・ハノイと板門店で会談しているが、交渉に具体的な進展のないまま両国関係は悪化を続けている。 (英語記事 North Korea threatens to resume nuclear and ICBM testing)

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    トゥーンベリさん、アッテンボローさんと出会う(Skypeで)

    2019年12月31日 17:45 公開 気候変動活動家のグレタ・トゥーンベリさんと、自然ドキュメンタリーなどで知られる自然学者サー・デイヴィッド・アッテンボローが、初めて対面し、気候危機や環境への配慮について語った。 2人ともカーボン・フットプリント(二酸化炭素などの排出量)を上げたくなかったため、Skypeでの対面となった。

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    話さず食べられなかった娘、今は幸せ グレタ・トゥーンベリさんの父

    さんは、その活動で世界的に注目されるようになった。 俳優・作家の父親、スヴァンテ・トゥーンベリさんはBBCに対して、娘が活動家になることには当初反対だったと話した。その上で、2012年にアスペルガー症候群と診断されたグレタさんが座り込みを始めるまで、長く鬱(うつ)状態で他人と話さず、食事もとれない状態だったと語り、その彼女が活動を始めて以来、驚くほど変わったと述べた。 スヴァンテさんは、今もグレタさんに浴びせられる「憎悪」が気がかりだが、グレタさんが活動を始める前よりずっと幸せそうなのは安心するという。

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    世界の抗議デモをつないだデジタル網

    インターネットで拡散され、デジタルでつながった若者たちが戦術やスローガン、支持の声を共有したのか。 BBCのステファニー・ヘガティー人口担当編集委員が解説する。

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    ニューヨーク州でユダヤ教指導者の家を襲撃 日記に反ユダヤ的記載

    2019年12月31日 15:51 公開 米ニューヨーク州で28日夜、ユダヤ教指導者の自宅を刃物を持った男が襲撃し、5人を刺した疑いで逮捕された。捜査当局は30日、殺人未遂や憎悪犯罪(ヘイトクライム)などの罪状で訴追した男は、日記に反ユダヤ的内容を書きつづっていたと明らかにした。28日にはロンドンでも、ユダヤ教礼拝所や店舗に反ユダヤ的な落書きが描かれる事件が起きている。 調べによると、グラフトン・トマス容疑者(37)は28日夜、ユダヤ教超正統派の信者が多く住むニューヨーク州モンジーで、ユダヤ教の重要な光の祝祭「ハヌカ」を祝っていたイスロエル・カハン師の自宅に押し入った。カハン師によると、「大きな音をたてて玄関を閉じると、『お前たちは誰もここを出られない』とかそのようなことを言い、長刀を取り出し、凶行に及んだ」という。 現場にいた信者の男性によると、容疑者は続いて家の隣の礼拝所に入ろうとしたが、中にいた人たちが扉に鍵をかけていたため、自動車で逃走した。 警察によると、事件を目撃した人たちがナンバープレートの番号を通報したほか、通過する車両のナンバーを道路の監視装置が捕捉したため、現場から南東のニューヨーク市内に入った時点で拘束され、逮捕された。 殺人未遂罪のほか、連邦地検は憎悪犯罪で容疑者を訴追。検察によると、容疑者は日記に、ユダヤ人を象徴する「ダビデの星」が描かれていたほか、「ユダヤ人が大量虐殺をしているのに、どうして反ユダヤを嘆く」などと書かれていた。また、スマートフォンの最近の履歴から、インターネットで「なぜヒトラーはユダヤ人を憎んだのか」、「近所のドイツ系ユダヤ寺院」、「ユダヤ人が創設したアメリカの主要企業」などと検索していたことが分かったという。 検察によると、ほかにも容疑者は「ナチス文化」やナチスを象徴するカギ十字などを検索。犯行前には、ニューヨークで反ユダヤ攻撃の後に警察の警備が強化されたことに関する記事にアクセスしていたという。 トマス容疑者は無罪を主張している。容疑者のマイケル・サスマン弁護士は、容疑者に精神病歴があることを指摘。さらに、犯行の動機が反ユダヤ主義によるものという証拠はないと主張している。 事件を受けてアメリカ各地の警察は、ユダヤ人が多く住む地域や礼拝所の警備を強化している。 アメリカで反ユダヤ攻撃は増えているのか ニューヨーク市警は28日、憎悪犯罪部門が12月13日以降に捜査している反ユダヤ事件は8件に上ると明らかにした。 ブルックリン地区にあるユダヤ教正統派組織の本部に男が押し入り、発砲すると脅した事件のほか、30歳女性が女性3人の顔を平手打ちしたとされる事件などが含まれるという。 ニューヨーク市警のダーモット・シェイ本部長によると、2019年に市内で起きたヘイトクライムは前年比22%増だという。 「カギ十字の落書きがあったり、窓からレンガを投げ込んだり。子供たちと通りを歩いている女性のかつらを、通りすがりにいきなりひきはがしたり」など、さまざまな形の犯行が増えていると、本部長は話した(訳注:ユダヤ教徒の女性は髪を隠すためにかつらを被っている)。 今年4月にはカリフォルニア州サンディエゴのユダヤ教礼拝所で男が、女性指導者を殺害し3人を負傷させる事件があった。そのちょうど半年前、昨年10月にはペンシルヴェニア州ピッツバーグのユダヤ教礼拝所で男が銃を乱射し11人が死亡するという、アメリカ国内でユダヤ人を標的にした事件として最悪の無差別殺人事件が起きている。 (英語記事 Monsey stabbing: Journals of attacker 'referenced Jews')

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    ゴーン被告の弁護士「寝耳に水」 日本を逃れレバノンへ

    ルロス・ゴーン前会長と日本の「人質司法」 ゴーン被告の妻、「私は主婦、何もたくらんでいない」 BBC単独インタビュー ゴーン前会長は、2018年11月に逮捕されて以降、一貫して罪状を否定している。ゴーン前会長の弁護団は、事件が政治的な動機によるもので、日本政府が前会長を陥れたと批判していた。 また、妻のキャロル・ゴーン氏は今年6月にBBCの単独取材に応じ、当局はゴーン夫妻を「脅し、自尊心を傷つけた」と語った。 ゴーン被告は昨年11月、役員報酬の過少記載や会社資金の不正利用など「重大な不正行為」があったとして逮捕された。 その後、いったん保釈されたものの、中東オマーンの知人側に日産の資金を流出させたとして、会社法違反(特別背任)容疑で再逮捕。今年4月に東京拘置所から再保釈されるまで、計108日間拘置されていた。 ゴーン前会長の保釈条件は厳しく、自宅には監視カメラが設置されているほか、電話やパソコンの利用も制限されていた。また、パスポートを弁護士に預けているほか、自宅を2日以上空ける際には裁判所の許可が必要だった。 共同通信によると、ゴーン前会長の保釈条件は変更されていない。 <解説>レバノンでは大物 ――クエンティン・サマヴィル中東特派員(ベイルート) カルロス・ゴーン前会長は、レバノンで安全かつ豪華な滞在先を探すのに苦労しないはずだ。レバノン系の家系に生まれたゴーン前会長は、幼少期を同国で家族と共に過ごした。国内では成功者として称えられ、切手になったこともある。 また、レバノンの著名なワイン生産地「 IXSIR(イクシール)」の共同創業者でもある。イクシールは豊かで「並外れた優雅さ」を持つワインを売りにしている。 所有する3つのパスポートが手元にない状態で日本から逃亡するのは困難だっただろうが、レバノンの国境管理は厳しいとは言いがたい。ゴーン前会長は昨年12月29日にプライベートジェットでベイルートに到着したとされており、彼ほどの地位の人物が入国審査を通るのは朝飯前だっただろう。市内では、ゴーン前会長は通常、護衛をつけて移動している。 ゴーン前会長が日本に足止めされていた1年の間に、レバノンは大きく変わった。数カ月におよぶ汚職への抗議デモの末、昨年10月にはサアド・ハリリ首相が辞任を余儀なくされた。またレバノンは現在、大きな経済危機のさなかにあるい。 日本はレバノンに数百万ドルを支援する見返りにゴーン前会長の引渡しを要求するだろう。日本からの脱出は成功したかもしれないが、問題そのものからは逃げられていない。 <解説>日本には疑問と赤面が残された ――ルーパート・ウィングフィールド=ヘイズ、BBC東京特派員 カルロス・ゴーンがベイルートにいることが確定した。劇的な形で確認がとれた。 日産の前会長はメディア向けの声明を発表し、「仕組まれた日本の司法制度」の人質ではなくなったと述べたのだ。前会長は日本司法について、「有罪が前提とされ、差別がはびこり、基本的人権が否定されて」いると批判した。 日本には多くの疑問と、赤恥をかかされた複数の人たちが残る。こんなにも著名な人物が、パスポートを弁護士に預けている状態で、どうやって陸続きの国境のない国から脱出できたのだろうか。 日本のメディアでは、ゴーン前会長が別名義のパスポートを使ったのではないかとの憶測が広がっている。 検察当局は、ゴーン前会長には資産と複数の国籍があることから、逃亡の恐れがあると警告していた。そのひとつのレバノンは、日本と犯罪人引渡し条約を結んでいない。 (英語記事 Nissan's ex-head Ghosn flees Japan to Lebanon)

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    英ロンドンで反ユダヤの落書き、店舗やカフェに

    2019年12月31日 14:19 公開 ロンドン北部で28日夜、複数のシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)や店舗でユダヤ人差別の落書きが相次いだ。ユダヤ教徒が光の祝典「ハヌカ」を祝う時期の犯行とあって、ロンドン警視庁は差別を動機とする憎悪犯罪(ヘイトクライム)とみている。同日にはニューヨークでも、ユダヤ教指導者の家に刃物を持った男が押し入り、5人が刺される事件があった。 ロンドン警視庁によると、ロンドン北部のハムステッドやベルサイズ・パークの礼拝所などで、ユダヤ教を象徴する「ダビデの星」のほか、「911」という数字がスプレーペンキで落書きされていた。最初の通報は28日午後11時半だったという。 落書きは、「2001年9月11日の米同時多発テロはユダヤ人が起こしたもの」だという反ユダヤ陰謀論を意味するものの可能性がある。あるいは、1938年11月9日の「水晶の夜」(ナチ党の指令でドイツ各地のユダヤ人居住区が襲撃されたユダヤ人排斥事件)への言及かもしれないという。 ユダヤ人にとって1年で特に大事なお祭り「ハヌカ」の今年の開始から、6日目に起きた事件について、ロンドンのサディク・カーン市長はツイッターで、「ロンドンはもちろん、このようなユダヤ差別はどこにもあってはならない」と書き、被害にあった地区の警察パトロールを強化する方針を示した。 落書き被害にあったサウス・ハムステッド・シナゴーグの広報担当は、「あらゆる立場の人が、あらゆる信仰の人も信仰を持たない人も、団結して立ち上がり、街中だろうがオンラインだろうが、偏見も憎悪も分断も受け入れないと示す時だ」と述べた。 ロンドン警視庁のケヴ・ヘイルズ警部は、「明らかに心配な事件で、我々は深刻に受け止めている。落書きを取り除くため担当者と連携するとともに、何者の犯行か突き止めるため捜査を進めている」と述べた。 さらに、「地元の人たちに安心してもらうため、地域一帯を警官がパトロールする」と話した。 (英語記事 Anti-Semitic graffiti daubed on London shops and cafes)

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    叙勲者の住所を誤って公開、英政府が謝罪 エルトン・ジョン氏の住所も

    あると指摘。 持続可能性に関する取り組みを職業とし、今回の件で住所を公表されたサイモン・ウインチ氏はBBCに、「最初はリストの全員が住所を公表することを許可したのかと思った。でも、住所が知られたくないであろう人たちの名前もあるのに気づいた」と話した。 著名人も多く叙勲 今回の叙勲でサー・エルトン・ジョンは、「コンパニオンズ・オブ・オーナー勲章」を受けた。サー・エルトンは1998年にナイトの称号を得ている。 今年はダンカン・スミス氏のほか、映画「アメリカン・ビューティー」のサム・メンデス監督や、映画「それでも夜は明ける」のスティーヴ・マクイーン監督などにナイト爵位が与えられた。 また、歌手のオリヴィア・ニュートン=ジョン氏、アリソン・サンダース元公訴局長官、作家のローズ・トレメイン氏などに、「ナイト爵位」に相当する「デイム」の肩書が与えられた。 ロックバンド「クイーン」のドラマー、ロジャー・テイラー氏、テコンドーのオリンピック金メダリスト、ジェイド・ジョーンズ氏には大英帝国勲位オフィサー(OBE、4等)が与えられた。 料理番組「グレート・ブリティッシュ・ベイク・オフ」で優勝したナディヤ・フセイン氏や、女子サッカーのイングランド代表ジル・スコット選手は、大英帝国勲位メンバー(MBE、5等)を得ている。 (英語記事 Government apologises for honours list data breach)

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    トランプ氏、内部告発者とされる名前をSNSで拡散 批判高まる

    2019年12月30日 15:37 公開 アメリカのドナルド・トランプ大統領が、弾劾調査のきっかけをつくった内部告発者とされる人物の名前が含まれたツイッターの投稿をリツイートし、大きな批判を浴びている。 トランプ氏は27日夜、@surfermom77 というアカウントのツイートを拡散。このアカウントは自己紹介に「100%のトランプ支持者」と書いている。 このリツイートは一時、トランプ大統領のアカウントから消えたものの、再び閲覧できるようになっている。 トランプ氏はかねて、内部告発者の身元を明らかにするよう求めている。 弁護士の警告を無視 内部告発者の弁護士は11月、この人物が「身体的な危険にさらされている」として、大統領に発言をやめるよう書面で警告した。 しかし大統領は、この呼びかけを無視している状態だ。 内部告発者は、アメリカの情報機関の職員とされる。 アメリカの連邦法では、政府の不法行為の証拠を持つ人を守るため、内部告発者の保護が定められている。 「ボットの特徴」 トランプ氏がリツイートした@surfermom77は、過去に反イスラム教的なツイートをしているほか、バラク・オバマ前大統領がムスリムだという陰謀論を拡散していた。 AP通信の報道によると、このアカウントには、プログラムが特定の内容を自動投稿する「ボット」の特徴があるという。 また米紙ニューヨーク・タイムズによると、フェイスブックは内部告発者と思われる人物の名前の投稿を禁じているが、ツイッターはこうした措置を取っていない。 AP通信に対する声明でツイッターは、@surfermom77のツイートは「ツイッターの利用規約に違反していない」と回答した。 また28日午後には、システムに障害があり、一部のツイートが見られなくなっていたと発表している。ただし、障害の規模や、大統領のリツイートが一時閲覧できなかったこととの関連については言及しなかった。 トランプ氏は27日の深夜にこの投稿をツイートしたが、28日午前にはアカウント上に表示されていなかった。その後、29日午前中にふたたび閲覧できるようになっていた。 「大統領は内部告発者を守る義務がある」 トランプ氏は内部告発者の身元を明らかにしようとしていることについて、すでに民主党幹部らから批判を浴びている。 今回のリツイートを受け、内部告発者保護の法律に詳しいスティーヴン・コーン弁護士は米紙ワシントン・ポストの取材で、大統領は内部告発者を守る責任を侵害していると指摘した。 「この人物を守るのが大統領の義務だ。それをせずに、ましてや侵害するなど考えられない」 過去に連邦捜査局(FBI)で内部告発を行ったマイケル・ジャーマン氏はAP通信に対し、「アメリカの大統領が内部告発者を傷つける行いに関わることは全く間違っている」と述べ、個人の身元がインターネット上で拡散されやすくなっている現在の状況を受け、法的保護を強化する必要があると指摘した。 ワシントン・ポストと英紙ガーディアンによると、右翼メディアに内部告発者だと名指しされた人物は、大統領のツイートによって脅迫が急増し、武装した警官が職場まで車で送り迎えをしているという。 内部告発が弾劾調査の引き金に この内部告発者は8月、トランプ氏が7月にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と行った電話会談について、「非常に気がかり」な内容があると所管の監察総監に報告した。 民主党はこの告発を受けて弾劾調査を開始。通話記録から、トランプ氏が来年の米大統領選で民主党候補となるかもしれないジョー・バイデン前副大統領を汚職関連で捜査するよう、ゼレンスキー大統領に圧力を掛けていたとして、権力乱用で弾劾訴追を行った。 また、弾劾調査に協力しなかったとして、議会妨害も弾劾条項に加えられた。下院本会議は12月18日に、弾劾条項2項目をいずれも可決した。 トランプ大統領は一貫して、一連の弾劾手続きは「魔女狩りだ」と批判している。 今後、共和党が多数を占める上院が弾劾裁判を開く。上院が大統領を罷免するには3分の2以上の賛成が必要なため、トランプ氏は留任するものとみられている。 (英語記事 Trump faces criticism over whistleblower tweet)

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    北朝鮮の金委員長、「攻撃的な措置」の必要性を強調

    2019年12月30日 14:40 公開 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、開催中の党中央委員会総会で、「主権と安全」を保障するため「積極的で攻撃的な措置」が必要だと訴えた。国営メディアが29日、伝えた。 北朝鮮では28日から、党中央委員会総会が開かれている。この時期の開催は異例。 総会は同国の最高議決機関の1つとされる。ただ、絶対権力者の金氏が打ち出す政策を承認するだけのものと広くみなされている。 国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、総会は30日も続く見通しだと報じている。 「新年の辞」を前に 金氏は過去、年頭に発表する「新年の辞」で、非核化をめぐる重要方針を明らかにしている。来年も同様の方針発表があると予測されている。 その直前に開かれた今回の総会で、金氏は「現在の状況において必要とされている、国家の主権と安全を完全に保障する」ため、「積極的で攻撃的な措置を取る必要性」があると強調した。 ただ、「攻撃的な措置」の具体的な中身については触れなかった。 米は「行動で示す」 北朝鮮の非核化をめぐっては、同国がアメリカとの交渉を打ち切り、核実験を再開するとの憶測が出ている。 北朝鮮は、アメリカが年末までに非核化交渉で譲歩を示さなければ、「新たな道」を進むと表明している。 一方、アメリカのロバート・オブライエン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は29日、金氏の発言が報じられる前に米ABCテレビに出演。 北朝鮮の核開発について、「アメリカはすぐには判断しないが、そうした状況になれば、これまでどおり行動を取る」と述べた。 さらに、「金正恩がそうした手法を取るなら、アメリカは極度に残念に思うだろうし、残念さを行動で示すだろう」と話した。 (英語記事 Kim Jong-un calls for 'offensive' security policy)