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    米下院本会議、トランプ大統領の弾劾決議を可決 共和党は反発

    2019年12月19日 11:00 公開 米下院(定数435)本会議は18日、ドナルド・トランプ大統領による権力乱用と議会妨害について弾劾条項2項目を、いずれも可決した。大統領による権力乱用は230対197で、議会妨害は229対198で、それぞれ必要な過半数票を得た。現在の下院議員435人のうち、野党・民主党の議員は233人、与党・共和党は197人。トランプ大統領はアメリカ史上、下院に弾劾される3人目の大統領となった。 今後は、下院が弾劾決議を上院に送付後、共和党が多数を占める上院が弾劾裁判を開く。上院が大統領を罷免するには3分の2以上の賛成が必要なため、トランプ氏は留任するものとみられている。 ほとんどの議員が党に沿って投票したものの、権力乱用では1人、議会妨害では3人の民主党議員が造反した。 また、民主党のタルシ・ガバード下院議員(ハワイ選出)は両条項で、賛成にも反対にも票を入れない「Present(出席)」に票を投じた。 ガバード議員は現在、来年の大統領選に向けた民主党候補選に出馬している。ガバード氏は声明で、「トランプ大統領は犯罪を犯していると思うので、弾劾に反対することは良心が許さなかった。一方で、アメリカを分断する敵意にあおられた党派対立の集大成として現職の大統領を排除すべきではないと考え、良心から弾劾を支持できなかった」と説明した。 世論調査によると、国内の意見は弾劾について割れている。政治情報サイト「FiveThirtyEight」がまとめた各種世論調査の平均によると、47%が弾劾を支持し、46.4%が反対している。 「倫理的な勇気」 野党・民主党幹部のナンシー・ペロシ下院議長は閉会後の記者会見で、「下院の民主党議員の倫理的な勇気を誇りに思い、感銘を受けている」と語った。 また、弾劾が可決されたことで「私たちの民主主義が、社会が、子どもたちの大志が守られた」と述べた。 弾劾調査を進めてきた司法委員会のジェロルド・ナドラー委員長(民主党)は、トランプ大統領の行動は疑いようもなく弾劾されるべきものだと強調した。 「私たちはきょう、大統領が我々の自由かつ公正な選挙に及ぼした深刻かつ明白な危険と権力の分裂に対抗した」 「大統領が独裁者になるのを許してはならない」 トランプ大統領の反応 トランプ大統領はこの日、ミシガン州での支持者集会に出席していた。 投票の結果を聞いたトランプ氏は集会で、「共和党議員は全員が我々に票を入れた。すごい!(中略)共和党の票はひとつも失くさず、民主党からは3票を得た」と述べた。 「共和党がこれほど侮辱されたことはなかった。しかし、今の我々ほど団結したこともなかった」 「私は犯罪を犯していないのに弾劾された初めての人物だ。これは簡易版の弾劾だ」 「リチャード・ニクソンについては、とても暗い時代だったと思っている。あなたのことは知らないが、私は素晴らしい時代を過ごしている。すごいことだ」 また、民主党が「弾劾手続きの品位を落としている」と批判した。 「大統領になった誰もが電話を受ける。そして弾劾される。これは建国の父たちが最も求めていないことだ」 その上で、来年11月の大統領選ではアメリカ全土が「投票にやって来て、ペロシを議会からたたき出すんだ」と述べた。 今後の予定は? 下院が弾劾条項を上院に提出した場合、上院は日曜日を除いて毎日、最終決定が出るまでこの条項について裁判を続けなくてはならない。 民主党のチャック・シューマー上院院内総務はすでに暫定的な行程表を発表している。それによると年明けから審理を始め、全体で126時間かかる予定。 2019年12月18日:下院が弾劾決議を可決 2020年1月6日:上院での弾劾裁判が開始される。審理に際するガイドラインなどが最終決定されるのもこの日 1月7日:上院議員が陪審員として宣誓する。また、ジョン・ロバーツ最高裁判所首席判事も上院で宣誓する 1月9日:下院の検察担当者とホワイトハウスの弁護担当者による議論が始まる。それぞれ24時間が与えられる 裁判は数週間続く見込みだが、期間はまだ分からない。民主党は、来年2月に始まる同党の大統領候補選前にすべてを終わらせたい考えだ。 与野党の対立鮮明 下院本会議では約8時間の審議で、弾劾調査を進めた司法委員会と情報委員会のそれぞれの委員長と筆頭委員が先頭に立ち、共和党と野党・民主党の議員たちが次々にそれぞれの党派に沿って、「憲法を守らなくてはならない」、「法の上に立つ者などいない」、「選挙に外国の介入を招き続けるなど認められない」、「これはでっちあげだ」、「トランプ外しの結論ありきだ」、「大統領は弾劾相当のことは何もしていない」など繰り返した。 トランプ氏について下院で多数を占める民主党は、来年の大統領選で対立候補になるかもしれないジョー・バイデン前副大統領とその息子について、軍事援助凍結解除などを取引材料にウクライナに汚職捜査をさせようと働きかけたのは、大統領が自分の個人的利益のため外国の選挙介入を求め、国の安全保障を損なったとして、これは「権力乱用」にあたると判断した。さらに、ウクライナへの働きかけについて下院が調査を始めると、これに抵抗したのは「議会妨害」にあたると判断。2つを弾劾条項として、弾劾訴追の決議案を本会議に上程し、本会議がいずれも過半数票で可決した。 「民主主義の脅威」「選挙の代わりに弾劾」 審議の冒頭で、ペロシ下院議長は、大統領の「無謀な行動」がこのような弾劾に至ってしまったのは「悲劇だ」と述べた上で、議会としては「ほかに選択肢がなかった」と強調した。 「この国の安全保障にとって、この国の選挙の完全性にとって、この国の民主主義の根幹にとって、大統領は今も今後も脅威であり続ける」とペロシ氏は述べた。 これに対して、共和党議員は次々と反発。弾劾調査を進めた司法委員会のダグ・コリンズ筆頭委員(ジョージア州選出)は、トランプ氏は「何も間違ったことはしていない」と述べ、民主党は来年の大統領選でトランプ氏と戦うのが怖いから、弾劾しようとしているだけだと批判し、「アメリカ国民はお見通しだ」と強調した。 共和党のバリー・ラウダーミルク議員(ジョージア州選出)は、「この大統領を裁く民主党よりも、(イエス・キリストを裁いた)ポンテオ・ピラトの方がまだイエスに権利を認めた」と述べた。 共和党のルイ・ゴーマート議員(テキサス州選出)は、民主党が弾劾を推進するのは「2016年大統領選へのウクライナ介入について司法省捜査を阻止するためだ」と発言。 ウクライナが2016年大統領選に介入したという証拠はなく、ロバート・ムラー特別検察官の調査はロシアによる介入があったと認定した。トランプ大統領と共和党はこの結論を認めていない。 ゴーマート議員の発言後、弾劾調査を進めた司法委員会のジェロルド・ナドラー委員長は、「下院議員がこの下院の本会議場でロシア政府のプロパガンダを流布するなど、非常に憂慮される事態だ」と反論。するとゴーマート議員は、ナドラー委員長に向かって発言を撤回するよう声を荒げた。 調査を進めた情報委員会のアダム・シフ委員長(民主党)は採決直前の総括で、共和党は「大統領がウクライナに何をしても構わないと言っているようだ、大統領が民主主義や憲法や議会を無視しても構わないと言っているようだ」と批判。「いつかあなたたちがまた野党になった時も、大統領が議会などどうでもいいと言ったらどう反応するのか」と問いただした。 上院の弾劾裁判へ 憲法の規定に沿って、下院の弾劾を受けて、上院は弾劾裁判を開き、大統領が罷免に相当するかを判断する。下院と異なり共和党が多数を占める上院では、共和党幹部のミッチ・マコネル院内総務がすでに、自分は中立ではないと述べ、ホワイトハウスと連携して速やかに大統領を無罪にするつもりだと表明している。 一方で、民主党のチャック・シューマー上院院内総務は、「弾劾決議が上院に送られて来たら、上院議員一人ひとりが宣誓して『公平な正義』を実行する。上院が公正で正直な裁判を開き、すべての事実が公表されるのを保証するのは最も大事なことだ」と話した。 議会周辺では、上院の共和党から公平な裁判の遂行を確保するため、ペロシ下院議長が弾劾決議の上院上程をいったん保留するかもしれないという観測が広まっている。 上院の弾劾裁判で罷免された大統領は、過去に誰もいない。 1868年に下院で弾劾されたアンドリュー・ジョンソン元大統領と、1998年に弾劾されたビル・クリントン元大統領は、共に上院が罷免を認めなかった。 リチャード・ニクソン元大統領はウォーターゲート事件を受けて1974年8月、下院司法委員会が弾劾条項を可決した後、下院本会議の採決を前に辞任した。 (英語記事 Trump impeachment)

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    伊藤詩織氏が勝訴、強姦めぐる訴訟で元記者に賠償命令

    局長を務めていた。 <関連記事> 「日本の秘められた恥」  伊藤詩織氏のドキュメンタリーをBBCが放送 日本の #MeToo:沈黙を破り始めた女性たち 日本でも「#MeToo(私も)」の声 伊藤詩織さんの話 伊藤氏が被害届を提出したことで捜査が始まったが、証拠が十分でないとして不起訴となった。 伊藤氏は、捜査の際には複数の男性警官の前で警察署内の道場のマットに横になり、等身大の人形相手に事件を再現させられたと話している。 伊藤氏はその後、慰謝料など1100万円の損害賠償を求め、山口氏に対し民事訴訟を起こした。 山口氏は疑惑を全て否定しており、性行為は同意の上だったと主張している。山口氏はこの民事訴訟に対し、名誉毀損などを理由に1億3000万円の損害賠償を求め反訴した。 今回の判決では、「酩酊状態にあって意識のない原告に対し、合意のないまま本件行為に及んだ事実、意識を回復して性行為を拒絶したあとも体を押さえつけて性行為を継続しようとした事実を認めることができる」として、山口氏の不法行為を認定した。 一方で、山口氏の反訴は棄却された。これにより山口氏は330万円を支払う義務を負ったが、なお刑事事件の対象にはなっていない。 日本の刑法では、暴力や脅迫があったか、被害者が抵抗不能だったと検察が証明しなければ強姦とは認められない。そのため、被害者には不公平な重荷が科されている。 山口氏はこの日、判決を受けて都内で会見を開いた。国内メディアによると、「一方的に伊藤さんの主張だけが、根拠なく取れ入れられてしまった」、「内容にまったく納得いかない」などと述べ、控訴する考えを明らかにした。 また、これまでは弁護士の指導を受けて沈黙していたと説明。その間に、「さまざまな報道が国内外であった。ニューヨーク・タイムズ、BBCが、伊藤さんの主張を一方的に報じている」と主張したという。 その上で、「報道、風評が世界的に流布されると思っていなかった。それが今回の判決に、なにがしかの影響を与えたのではないか? 分からないけれど、残念に思っているところがあります」と発言。今後は積極的に発言していく意向を表明した。 BBCは昨年6月、伊藤氏を取材した「Japan's Secret Shame(日本の秘められた恥)」を放送。 約1時間に及ぶ番組では、伊藤氏本人のほか、支援と批判の双方の意見を取り上げながら、日本の司法や警察、政府の対応などの問題に深く切り込んだ。 制作会社「True Vision」が数カ月にわたり密着取材したドキュメンタリーを、BBCの英国向けテレビチャンネルBBC Twoが放送した。 警察庁では性犯罪被害の相談電話窓口として、全国共通番号「#8103」を導入しています。内閣府男女共同参画局でも性暴力被害者に必要な情報を提供しています。また現在、各都道府県に「ワンストップ支援センター」が設置されています。 (英語記事 Japanese journalist wins #MeToo rape case )

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    トランプ氏は弾劾されるのか? これまでの弾劾調査を振り返る

    2019年12月18日 14:06 公開 米議会下院では、ドナルド・トランプ大統領に対する弾劾決議案の採決が18日に予定されている。 トランプ氏をめぐっては、2020年の米大統領選で民主党候補になる可能性が有力視されているジョー・バイデン前副大統領と、息子のハンター氏に関する不利益な情報を見つけ出すため、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に捜査するよう圧力をかけた疑いが持ち上がっている。 下院民主党による正式な弾劾調査は、情報機関の匿名告発者が今年9月、トランプ氏とゼレンスキー氏との7月の電話会談に問題があったと議会に報告したことを機に始まった。 ホワイトハウスが公表した大まかな通話記録では、トランプ氏はゼレンスキー氏に対し、バイデン親子について捜査を求めていたことが分かっている。 トランプ氏はいかなる不正行為も否定している。 ビデオ:トリスタン・チミニ、シュレイ・ポパット

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    スタージョン党首、「スコットランドをイギリスに閉じ込めてはならない」

    行われた総選挙でスコットランド独立の是非を問う2度目の住民投票実施を公約に掲げ、議席数を伸ばした。 BBCのアンドリュー・マー・ショーに出演したスタージョン党首は、この成功によって住民投票への信任を得たと語った。 これに対しイギリス政府は、2014年に行われた住民投票での独立反対との結果を「尊重すべきだ」としている。

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    スコットランド首相、独立めぐる住民投票に意欲 総選挙受け

    任」と首相 【英総選挙2019】 保守党大勝の背景……ブレグジットと伝統的支持基盤の変化 BBCのアンドリュー・マー・ショーに出演したスタージョン党首は、「合意がなければ」イギリスは連合王国として存続できないと話した。 また、イギリス政府が住民投票の実施に「ノー」とだけ言えばよいと思っているなら「それは完全に間違っている」と述べ、「これは民主主義の根本的な点だ。スコットランドを、意志に反して連合王国にとどめることはできない」と語った。 これに対しゴーヴ氏は民放スカイの番組で、「我々は2014年に、イギリス残留は一世代の選択だと聞かされた。我々はスコットランド独立を問う住民投票は行わないつもりだ」と話した。 SNPは今回の選挙で議席数を35から48に伸ばした。与党・保守党と最大野党・労働党から議席を得た、自由民主党のジョー・スウィンソン党首からも議席を奪っている。 しかし全国的には保守党が過半数議席を確保し、ボリス・ジョンソン党首が再び首相となり、スコットランドの未来について憲法上の膠着(こうちゃく)状態を作り上げようとしている。 スコットランド自治政府は、2014年の住民投票を可能にしたような協定をイギリス政府と結ぶことで、次の住民投票の結果を合法かつ正規のものにしたい考えだが、イギリス政府から反対にあっている。 スタージョン氏は、保守党がスコットランドで「包括的に敗北した」にも関わらず、ジョンソン首相が住民投票を拒否するのは「根本的に民主的でない」と批判した。保守党は総選挙で独立反対を掲げたものの、13議席のうち7議席を失っている。 スタージョン氏はさらに、「私は13日の夜のジョンソン氏と電話で会談し、もしノーというだけで(住民投票の件を)終わらせられると考えているなら完全に間違っていると伝えた」と話した。 「これは民主主義の根本的な点だ。スコットランドを、意志に反して連合王国にとどめることはできない。戸棚に私たちを閉じ込めて鍵をかけて、何もかもが終わると望むことはできない」 「もし連合王国が存続するなら、合意の下でのみだ。ボリス・ジョンソンが連合について自信を持っているなら、人々に決定権を持たせるだけの自信がないといけない」 「スコットランドを、その意志に反して連合王国に閉じ込めることはできない。これはこれは民主主義の基本的な主張だ」 「民主主義に対する侮蔑」 スタージョン氏はまた、「保守党のリスクとしては、スコットランド住民の意志を阻むほど、スコットランドの民主主義への侮蔑を募らせるほど、スコットランド独立への支持は高まるということ。ある意味、私の仕事をやってくれているようなものだ」と話した。 「勢いと信任は我々スコットランド独立派にあるが、同時に、自分たちで未来を決めたいと思っている人の側にある」 ジョンソン首相はスタージョン氏と電話で会談した際、スコットランドでの2度目の住民投票には「引き続き反対する」と伝えた。 首相官邸の報道官は、首相は「分断と先行きの分からない状態に戻りたくないというスコットランドの大部分の住民の側に立つ」と述べた。 また、ゴーヴ氏は15日朝のスカイの番組で、「今回の総選挙で、(2016年に行われた)国民投票の結果を覆そうとするとどうなるかが分かった。同じように、2014年に行われたスコットランド住民投票の結果も尊重されるべきだ」と話した。 「スコットランドは、イギリスの中にいてこそ強い。誇りあるスコットランド人であり、イギリス人であることはできるはずだ」 「イギリスの良いところは国民保健サービス(NHS)やBBCといった機関だ。我々が共に実現したものを誇りに思い、連合王国は国民全員に利益をもたらす強いパートナーシップだと自信を持つべきだ」 一部の労働党議員はSNPに賛同 こうした中、スコットランド労働党の有力議員からは、スタージョン氏の住民投票実施の呼びかけを支持する声もある。 同党のモニカ・レノン保健担当報道官は、イギリスからの分離には反対しているものの、SNPが2020年に住民投票を行う信任を得たことは認めると述べた。 総選挙でSNPに議席を奪われたジェド・キレン元議員も、この意見には賛成だ。 キレン氏はツイッターに、「私は2度目の住民投票に反対すると約束して出馬したが、敗北した。SNPは住民投票を行うとして大きく議席を伸ばした。民主主義の一員として、我々はこの結果を受け入れなくてはならない」とつづった。 (英語記事 Sturgeon: Scotland 'cannot be imprisoned' in UK)

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    EU離脱後の移行期間は「延長しない」 英法案に条項追加へ

    機関(WTO)の定めるルールにのっとって貿易を行うことになり、輸出入に関税が発生する可能性がある。 BBCのローラ・クンスバーグ政治編集長は、移行期間延長を除外すれば、ブレグジットを一刻も早く「実現」させたい人々には恩恵となる一方、政府が軟着陸のブレグジットに移行するのではないかと期待していた人々は失望するだろうと分析した。 また、BBCリアリティーチェック(ファクトチェック)チームのクリス・モリスは、2020年末まででは非常に基本的な協定しか結べず、さまざまな重要事項が未解決のままになるだろうと指摘。イギリスはEUの基準や条件を受け入れることになる一方で、ジョンソン氏が約束している国境での検問回避は難しいだろうと述べた。 野党からは反発の声 労働党のサー・キア・スターマー影のEU離脱相は、ジョンソン首相の方針は「無謀で無責任」だと批判。ジョンソン氏は「雇用を危険にさらそうとしている」と話した。 自由民主党のサー・エド・デイヴィー党首代行も、「ジョンソン首相が2020年12月の期日までに協定を締結するには、これまで離脱派の有権者にしてきた約束を全て諦め、EUの要求を全て飲むしかない」と指摘した。 また、EUのミシェル・バルニエ首席交渉官は、EU側は期限内に協定を結べるよう「最大限のことをする」と述べた。イギリスが移行期間の延長を拒否したことについては、「イギリスが求める手続きのために行った選択だ」と答えた。 労働者の権利にも変更か 英紙インディペンデントによると、ジョンソン政権は移行期間延長を除外するほか、「ブレグジット後に労働者の権利を弱めない」とする条項も除外する可能性があるという。 マイケル・ゴーヴ・ランカスター公領相は、労働者の権利は別の法案で「守られる」と話し、政府は離脱協定法案を「すっきりと明確に」可決できるようにしたいのだと説明した。 これに対し労働党のジョン・マクドネル影の財務相は、政府は「我々の基本的権利や企業活動に必要な明確性を犠牲にし、イギリスを(ドナルド・)トランプ米政権を支援する租税回避地にしようとしている」と批判した。 合意なしブレグジットの可能性は? 英シンクタンクの欧州改革センターに所属するサム・ロウ氏はBBCのラジオ番組で、移行期間を延長しないことで、ジョンソン首相はEUと譲歩する際に保守党を制御しやすくなると指摘した。 また、「合意のない離脱の可能性もまだある」と述べた上で、「問題はジョンソン首相が合意なしブレグジットを欲しているかということだが、最近の動向ではそうではないようだ」と話した。 イギリス議会、今週の動きは 17日、18日 下院議長の選出が行われ、11月に前任のジョン・バーコウ氏に代わって選ばれたリンジー・ホイル議長が再選された。議会ではその後、2日にわたって議員の宣誓式が行われている。宣誓式では王冠に対する忠誠を誓うか、宗教上の宣誓を行う。1866年議会宣誓法によると、宣誓のないまま議会で発言や投票行った場合、「死んだ者のように」議席を奪われることになっている。 19日 議会が正式に開会される。中心となるのは女王の演説で、議会の開会を宣言するとともに、今議会での政府の施政方針が発表される。演説の内容はその後、下院で審議される。 20日 ジョンソン首相がどれだけ早く動きたいかに寄るが、女王の演説の審議が20日までずれ込む可能性もある。その後、議員は演説の内容を採決する。1924年以降、演説が否決されたことはない。 また、政府はこの日に離脱協定法案を議会に提出したい考え。 総選挙前の議会では10月、政府が提出した法案を可決したものの、10月31日というEU離脱期限までに法案を成立させるための3日間という短期の審議日程案は否決され、ジョンソン首相は離脱期日の延期を受け入れた。 (英語記事 Brexit bill to rule out extension)

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    トランプ氏、書簡で弾劾を猛烈非難 下院議長に送付

    2019年12月18日 12:14 公開 ドナルド・トランプ米大統領は17日、米議会下院での弾劾訴追の動きを「アメリカの民主主義に対する公然とした戦争」と強く非難する書簡を、ナンシー・ペロシ下院議長(民主党)に送った。 書簡でトランプ氏は、「弾劾という非常に醜い言葉の重要性を安っぽいものにした」と訴えている。 下院では18日に、トランプ氏に対する弾劾決議案の採決が予定されている。同氏をめぐっては、政治的な利得を目的に、ウクライナ大統領に圧力をかけた疑いが持ち上がっている。 下院は民主党が多数を占めており、決議案は可決されて、トランプ氏は弾劾となる見通し。その場合、上院で弾劾裁判が開始される。 「魔女裁判の被告のほうがまし」 トランプ氏の書簡は全6ページ。18日の弾劾決議案の採決の結果に影響を与える可能性は乏しいなかで、弾劾手続きに対して怒りをあらわにし、ペロシ氏を激しく糾弾している。 <関連記事> 「トランプ氏は法律家ではない」 ギンズバーグ米最高裁判事 トランプ氏弾劾、「共和党も党を超え協力を」 米民主党が訴え 書簡でトランプ氏は、「このいんちき弾劾では最初から、基本的な憲法の適正手続きを奪われた」と主張。「証拠提示の権利を含め、憲法が規定する最も基本的な権利を否定された」と述べた。 そして、「セイラム魔女裁判の被告の方が、適正手続きで裁判を受けられた」と記した。 ただ、トランプ氏は今回の弾劾手続きで、下院司法委員会の招きに応じ、証拠を示す機会があった。そうすれば、トランプ氏の法律顧問が証人を質問することも可能だった。しかし、トランプ氏は招待に応じなかった。 またトランプ氏は、側近が司法委の召喚に応じて証言するのも次々と阻止した。 マサチューセッツ州セイラム市のキム・ドリスコル市長はツイッターで、魔女裁判では証拠なしで無力で罪のない被害者に有罪が言い渡さ、絞首刑か圧死刑を受けたのだと説明。対するトランプ氏は権力者で、問題行動には「十分な証拠」があるとし、「歴史を学ぶように」と呼びかけた。 「ひどい内容」 書簡を受け取ったペロシ氏は記者団に、全文ではなく「趣旨」だけ読んだとし、「本当にひどい」と感想を述べた。 ペロシ氏は、18日に弾劾決議案の採決をすると発表した声明で、下院は「憲法が定めた最も厳粛な権力の一つを行使」すると宣言した。 トランプ氏については、次期大統領選で対立候補になるかもしれないバイデン氏とその息子について、ウクライナに汚職捜査をさせようと働きかけた「権力乱用」の疑いがかけられている。 さらに、ウクライナへの働きかけについて下院が調査を始めると、これに抵抗し、妨害しようとした「議会妨害」の疑いもかけられている。 共和党はトランプ氏と「協調」 弾劾決議案が可決されれば、トランプ氏はアメリカで弾劾される3人目の大統領となる。その後、上院で弾劾裁判が始まる。 上院は与党共和党が多数を占めている。同党のミッチ・マコネル上院院内総務は先週、同党議員は弾劾裁判において、トランプ氏側と「完全に協調して」行動すると表明した。 民主党のチャック・シューマー上院院内総務は、「弾劾決議が上院に送られて来たら、上院議員一人ひとりが宣誓して『公平な正義』を実行する。上院が公正で正直な裁判を開き、すべての事実が公表されるのを保証するのは最も大事なことだ」と話した。 ジュリアーニ氏が大使更迭関与か 一方、トランプ氏の個人弁護士をつとめるルディ・ジュリアーニ氏は17日、マリー・ヨヴァノヴィッチ前駐ウクライナ大使の更迭に関わったことを認めたと受け止められる発言が明らかになった。トランプ氏に政治的に有利に働く可能性のある捜査を、支障なく進めるのが目的だったとされる。 ジュリアーニ氏は米紙ニューヨーク・タイムズの取材に、トランプ氏には「数回」、ヨヴァノヴィッチ氏が捜査のじゃまになっている状況について情報提供をしたと述べた。 ジュリアーニ氏は米誌ニューヨーカーの取材には、「ヨヴァノヴィッチにどいてもらう必要があった」と話した。 (英語記事 Trump pens irate impeachment letter to Pelosi)

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    「トランプ氏は法律家ではない」 ギンズバーグ米最高裁判事

    倒する手紙を送るなか、「RBG」の愛称で知られるアメリカのルース・ベイダー・ギンズバーグ最高裁判事はBBCに対して、トランプ氏は「法律の訓練を受けていない」と感想を述べた。 米連邦最高裁のギンズバーグ判事はBBCに対して、「大統領は法律家ではない、法律の訓練を受けていない」と話した。さらに、トランプ氏が下院の弾劾調査で自分は公平な法定手続きを受けなかったと主張していることについて、そうではなく「下院が起訴して、上院が審理する」のが憲法で定められた手続きなのだと説明した。 また、上院で多数を占める与党・共和党幹部のミッチ・マコネル上院院内総務などが、下院が弾劾を決議し上院で弾劾裁判を行うことになった場合、上院はホワイトハウスと提携して審理を進めると表明していることについて、「審判する側が中立であるべきか? もちろんです。中立であることが判事の役目です」と話した。 共和党の上院幹部がすでに審理開始前から「もうどう結論するかは決めてある」と発言していることについて、BBCのラジア・イクバル司会者から聞かれると、「もし判事がそのようなことを言ったら、判事はその事件の担当から解任されます」とギンズバーグ氏は述べた。 ギンズバーグ判事は、米バーグレン賞の受賞記念イベントで、BBCのインタビューに答えていた。哲学と文化のためのバーグレン賞は毎年、「人間の理解と進歩に大きな影響を与えた」考えを提唱した人に与えられる。 86歳のギンズバーグ判事は、現在の米最高裁で最高齢のリベラル派判事。がんや骨折などで入院することもあり、その健康状態を大勢が気にかけている。 トランプ氏は就任以来、保守派の判事を2名、最高裁判事に指名し、2人とも上院の承認を経て就任した。この結果、判事計9人の最高裁は現在、保守派が多数とみられている。 受賞イベントでのギンズバーグ氏の話題は多岐にわたった。たとえばアメリカで激しい議論の続く女性の人工中絶権については、今年になって中絶を認める最高裁判例に抵抗して禁止する州法が保守層の多い州で次々と成立したことに触れ、「貧しい女性ばかりが規制対象になっている」と問題視した。 地元で中絶が禁止されても他州に移動して手術を受ける経済的余裕のある女性はそうするが、「貧しい女性は飛行機代やバス代が払えない。別の州に行って手術を受けるため、仕事を1日休む余裕もない」と判事は述べた。 弾劾決議を前に大統領は 野党・民主党は、トランプ氏が自分の政敵を捜査するようウクライナ大統領に働きかけ、その取引材料に軍事援助の凍結解除やホワイトハウスでの首脳会談実施を持ちかけたとして、下院で弾劾手続きを進めてきた。下院は民主党が多数を占めるため、トランプ氏による権力乱用と議会妨害の2条項を含む弾劾決議案を、18日にも本会議で可決する見通し。弾劾決議が可決されれば、トランプ氏はアメリカ史上、下院に弾劾された3人目の大統領となる。 大統領など米政府公職者への弾劾とは刑事裁判における起訴に相当する。下院が弾劾を決議した場合、上院が弾劾裁判を開く。そこで有罪を認めれば大統領は罷免されるが、上院で多数を占める共和党は、トランプ氏に無罪判決を与える見通し。 こうした状況で、トランプ氏は今月初めにも、最高裁が自分の弾劾を阻止できるのではないかとツイート。「極左の訴えはまったく成り立ってない。(ウクライナ大統領との電話会談の)通話記録を読め。こんなことそもそも認められない。やめさせるため最高裁に行けるか?」と書いていた。 ギンズバーグ判事の今回の発言は、こうしたツイートや共和党幹部の発言について意見を聞かれてのもの。 トランプ氏、手紙で民主党を罵倒 トランプ氏は17日、民主党幹部にあてた6ページの手紙で、民主党が「アメリカの民主主義を壊している」と非難した。 ウクライナ大統領への自分の電話は「完全に潔白だ」とこれまでの主張を繰り返し、「ありとあらゆる真実、事実、証拠、法的原則に背いて、弾劾支持に投票するすべての議員は、いかに自分が有権者を憎み、いかに自分がアメリカの憲法秩序を唾棄しているか、あらわしている」と強い調子で書いた。 手紙はさらに、「この国を建国した人たちは、党派対立による国民の分断を恐れた。建国の父たちが最も恐れたことを、あなたたちは現実のものにしようとしている」と、民主党幹部を非難。最後に、100年後の人たちは今回のてんまつを理解し、「このようなことが二度とほかの大統領に起きないよう」に学習するはずだと結んだ。 (英語記事 Trump is not a lawyer - Ruth Bader Ginsburg)

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    娘の髪を三つ編みにする父親たち 家族、地域を結びつける

    2019年12月17日 18:14 公開 イギリス・ヨークの父親たちが月に1回集まり、ある習い事を続けている。 腕を磨いているのは――娘の髪を結う技術。 父娘が距離を縮める格好の機会であるのはもちろん、父親同士のコミュニケーションの場にもなっている。

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    【英総選挙2019】 「ホグワーツに初登校するみたい」  新人2議員の初登院

    2019年12月17日 15:10 公開 12日の総選挙で初当選した2人の新人議員が、それぞれの地元からロンドン・ウェストミンスターへとやって来た。 労働党のナディア・ウィットミー議員(23)は、現在の議会で最年少。1万7393票の差をつけて、中部ノッティンガム・イーストで当選した。 保守党のイアン・レヴィー議員は、1950年代から労働党が維持してきた北東部ブライズ・ヴァリーで大逆転を実現。「素晴らしいことだ」と述べた。 2人の初仕事は、ボリス・ジョンソン首相が欧州連合(EU)とまとめたEU離脱協定をめぐる法案への投票だ。 ジョンソン首相はクリスマス休暇前に、この法案を可決したいと考えている。

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    新しく英下院議員になったら議会のどこへ……選挙で新人109人

    下院議員が誕生した。 初当選してロンドン・ウエストミンスターの一員になるのは、どういうことなのか。 BBCのレイラ・ナスー政治担当記者が、議事堂の舞台裏を回りながら説明する。

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    広島県、被爆の「被服支廠」解体の方針 市民から反発も

    2019年12月17日 13:28 公開 広島市南区に残る被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」について、広島県が、所有する3棟のうち2棟を解体する方針を示した。大地震で倒壊する恐れがあるとしているが、一部地元住民からは建物を保存するよう反対の声が上がっている。 1913年に完成した「旧陸軍被服支廠」は、1945年の米国による原爆投下で倒壊を免れた。現存する4棟は鉄筋コンクリート造り・れんが張り。現在、広島県が3棟を所有しており、爆風で歪んだ鉄製の窓枠やドアがそのまま残されている。 もともとは軍服や軍靴の製造をする軍需工場だった。原爆が投下された直後は、仮設病院の役割も果たした。後に、広島大学の学生寮としても使用された。 震度6以上で倒壊の恐れ 2017年に行われた調査では、「旧陸軍被服支廠」は震度6以上の地震で倒壊の恐れがあると判明。建物は現在は使用されておらず、また一般に開放もされていない。 県は今月上旬、2棟を2022年までに解体する方針を明らかにした。 県が所有するもう1棟については、壁や屋根を改修して保存する。 地元住民からは保全求める声 15歳の時に、「旧陸軍被服支廠」で働いていたところ被爆した中西巌さん(89)は、「核兵器廃絶に役立つ施設になり得る」として、解体に反発している。 現在、市民団体「旧被服支廠の保全を願う懇談会」代表を務めている中西さんは毎日新聞に対し、「悲劇を後世に伝える歴史的な価値を考えれば、解体は到底受け入れられない。絶対に反対だ」と述べた。 今月7日、広島市の主催で、「旧陸軍被服支廠」を含む市内の被爆建物をめぐるツアーが行われた。 ツアーに参加した同市の主婦(69)は、「原爆の恐ろしさを伝える貴重な建物。実物を初めて見て、全棟を残してほしいと強く思った」と読売新聞に対し述べた。 広島の最も有名な被爆建物は、平和記念公園にある原爆ドームで、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に登録されている。最大震度6弱に耐えられるよう、耐震補強工事が行われ、2016年に完了した。 史上初の原爆投下 第2次世界大戦末期の1945年5月にドイツが降伏した後も、日本はアジアで戦争を継続した。 アメリカの軍用機は同年8月6日、広島に史上初の原子爆弾を投下した。投下された原爆は戦時中に開発されたばかりのものだった。 広島市のほとんどが壊滅状態となった。爆心地から半径5キロメートル以内で倒壊を免れた建物は、昨年の時点でわずか85棟しか残っていない。 広島では原爆の影響で少なくとも14万人が死亡したとされ、被爆者はいまも原爆症に苦しんでいる。 アメリカ軍は、原爆投下によってアメリカ本土での犠牲者を出さずに戦争を早く終わらせられると考えていた。 その後も日本が降伏しなかったため、アメリカ軍は3日後の8月9日に2つめの原爆を長崎に投下した。 日本は6日後の8月15日に降伏し、第2次世界大戦が正式に終了した。 (英語記事 Hiroshima buildings that survived bomb to be razed)

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    BBC受信料の未払い、政府が刑事罰の廃止を検討

    019年12月17日 13:12 公開 イギリスのリシ・スーナク財務省首席政務次官は16日、公共放送BBCの受信料未払いを刑事訴追の対象から外すことを政府が検討していると明らかにした。 イギリスでBBCを視聴するには年間154ポンド50ペンス(約2万2000円)の受信料がかかる。払わなかった場合は裁判所への出廷が求められるほか、最大1000ポンド(約14万5000円)の罰金が科せられる。 BBCは、受信料未払いに対する刑事罰を廃止すれば、年間2億ポンドの損害が生じると警告している。 日曜紙サンデー・テレグラフは15日、12日の総選挙で与党・保守党が大勝した後、ボリス・ジョンソン首相がこの件について検討するよう指示したと伝えた。 16日にBBCの「アンドリュー・マー・ショー」に出演したスーナク次官は刑事罰の廃止について、「首相が検討対象にすると指示した項目のひとつだ」と認めた。 「受信料未払いが犯罪扱いされることは、以前から疑問視されていたと言っても支えないと思う」 スーナク氏は、受信料の確実に徴収するための代替案については言及しなかった。 2015年に行われた政府検討会では、受信料未払いを刑事ではなく、駐車違反の罰金や渋滞税のように民事で取り扱うべきだという案が出ていた。また、未払い光熱費や固定資産税と同じように扱ってはどうかという提案もあった。 しかし、未払いリスクが拡大する可能性があることから、当時の政府検討会は刑事罰の廃止は推奨しないと結論していた。さらに、受信料未払いを民法で取り扱ったとしても、最終手段としては刑法に頼る必要が出てくると判断した。 BBCの昨年の受信料収入は36億ポンドで、収入全体の75%を占めている。 ジョンソン首相は総選挙に向けた選挙活動中、受信料システムをまったく別のシステムに変えることを「検討する」必要があると述べていた。 「他の報道機関が自分たちで資金を集める中、あるメディアが受信料で資金を得ていることが、なお長期的に意味のあることなのか考えてみなくてはならない」 「普通税のような形で資金を得るシステムは熟考に値する」 「受信料に見合う価値」 スーナク氏は番組内で、受信料そのものの長期的な将来について「憶測は控える」と述べた。 BBCの公共放送としての運営方法は、国王の特許状(ロイヤル・チャーター)に明記されている。現行の特許状の期限は2027年まであるため、スーナク氏は受信料もこの年までは「確保されている」と話した。 一方、「人々のメディアの消費方法は変化しており、我々がこうしたことを何度も検討するのは当然のことだ」と述べた。 BBCの広報担当は、前回の政府検討会で、受信料未払いを刑法で罰する現在のシステムを続行すべきとの報告が出ていると強調した。 「政府はこの件について、すでに勅撰弁護士に委託し綿密な調査を行い、『現行の刑法による抑止と訴追のシステムを続行すべき』との回答を得ている。また、これは受信料を支払っている人々にとって公正で、金額に見合った方法だ」 「さらに政府検討会によると、受信料未払いの審理に裁判所が使う時間は、全体の0.3%に過ぎないことが分かったという」 (英語記事 Licence fee decriminalisation being considered)

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    米ボーイング、737マックス生産停止へ 運航再開は認められず

    2019年12月17日 12:36 公開 米航空機大手ボーイングは16日、2度の墜落事故を起こした737マックス型の生産を、来年1月から一時停止すると発表した。 ワシントン州シアトル郊外に製造工場を構えるボーイングは、今年末までの運航再開を目指していた。しかし、米航空規制当局は早期の運航承認はしないと明確にした。 同社製737マックス型をめぐっては、半年で2度の墜落事故が発生。今年3月以降、世界中の全371機が運航停止となっている一方で、生産は継続されていた。 ボーイングは声明で、「安全なかたちで737マックス型の運航を再開させることが、我々の最優先事項だ」と強調。 「規制当局や顧客、乗客が737マックス型の改善に確信を持てるようにするために、737マックス型の運航再開への承認プロセスや、適切な訓練要件の決定プロセスが、非常に綿密でしっかりとしたものでなければならないと、我々は理解している」としている。 また、737マックス型に携わっている従業員の一時解雇はしないだろうと説明している。だが、同型機の生産停止は納入者や経済へ広く影響を及ぼすことになりそうだ。 <関連記事> 米ボーイング787、酸素系統に問題か 内部告発者が証言 米ボーイング、安全より利益優先と非難され 米上院公聴会 米ボーイング、5200億円の損失を計上 737マックス運航停止の補償で 航空業界に「大規模な影響」 旅行業界アナリストのヘンリー・ハーテベルト氏は、生産を一時停止するという判断は前例がなく、「ボーイングや納入者、航空会社に大規模な影響」を及ぼすだろうと指摘する。 「737マックス型のサプライチェーンに含まれる600余りの企業や、関連する航空会社、ボーイング自体に、本当に混乱を引き起こすだろう」 ボーイングには、同型機の運航停止ですでに90億ドル(約9800億円)もの費用が発生している。生産の一時停止が発表されるのではとの見方が広がり、同社株価は16日に4%以上下落した。 航空当局が危険性認識か 今月11日に開かれた米下院運輸経済基盤委員会の公聴会では、ライオン航空機墜落後、さらなる事故の危険性があることを米航空規制当局が認識していたとする資料が公表された。 米連邦航空局(FAA)の内部資料では、変更を加えない限り、737マックス型の耐用年数中12回以上もの墜落事故が発生する可能性があると示されていた。それにも関わらず、今年3月にエチオピア航空機が墜落するまで、同型機の運航は停止されなかった。 修正プログラム 2度の事故の原因となったのは、機首が上がり過ぎて失速しないようにするために搭載されていた操縦特性向上システム(MCAS)とされる。事故当時、機体が失速していないにも関わらず、機首を何度も強制的に下げさせるという誤作動が起きていた可能性がある。 運航停止して以降、ボーイングはMCASのソフトウェアを修正し、調査手順を徹底的に整備するとしている。 ボーイングは、現在保管中の同型機400機を、顧客のもとへ出荷することに重点を起きたいとしている。世界中の多くの航空会社から受注を受けてはいるものの、同社エンジニアがソフトウェアの修正プログラムの開発を進めるために出荷は停止されている。 737マックス8型機をめぐっては、昨年10月、インドネシアの首都ジャカルタ発バンカ島パンカルピナン行きのライオン航空機がインドネシア沖に墜落し、189人の犠牲者を出した。 今年3月には、エチオピアの首都アディスアベバからケニア・ナイロビに向かっていたエチオピア航空302便が離陸直後に墜落し、乗客乗員157人全員が死亡した。 (英語記事 Boeing to halt 737 Max production in January)

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    【英総選挙2019】 なぜジョンソン首相の後ろに赤いエルモが?

    2019年12月17日 12:04 公開 12日の英総選挙で大勝したボリス・ジョンソン首相が、自分自身の選挙区で当選して勝利演説をした際、その後ろには赤い大きい着ぐるみの人や、真っ黒いバケツのようなものをかぶった黒ずくめの人がいた。 イギリスの選挙では毎度おなじみの光景だが、今回は勝利演説する首相の後ろにいたため、その姿があらためて世界中で注目されることになった。 あの人たちは、何なのか。

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    ホワイト・ヘルメット創設者、死因は「転落の外傷」 トルコ当局

    2019年12月17日 11:23 公開 シリアで活動する民間救助団体「ホワイト・ヘルメット」の創設に関わり、先月、トルコ・イスタンブールの路上で遺体で見つかった元英陸軍将校のジェイムズ・レメジュラー氏(48)の死因について、トルコの司法解剖の専門家らは転落が原因と結論づけた。地元メディアが16日、伝えた。 レメジュラー氏は11月11日、イスタンブールのベイオール地区にある、レメジュラー氏の自宅アパートの部屋の真下の路上で見つかった。同地区はヨーロッパからの外国人が多く居住する。 トルコの国営放送局TRTによると、司法解剖の結果、死因は「高所からの落下に関わる身体への外傷」と判明したという。 また、レメジュラー氏以外のDNAは発見されなかったという。 睡眠薬を飲用か 一方、民間放送局NTVは、毒物に関する報告書から、レメジュラー氏が睡眠薬の錠剤を飲んでいたことがわかったと報じた。 国営アナドル通信は先週、レメジュラー氏が死の少し前に自殺を考え、「ストレス障害」の薬を服用し始めていたと、スウェーデン人の妻エマ・ウィンバーグ氏が警察に話したと伝えた。 妻は警察に、レメジュラー氏は遺体で発見された日の午前2時に、睡眠薬を飲んだと話したという。 妻はまた、午前5時半から6時の間に、警察がドアをノックしたことで目が覚め、夫の遺体を発見したと話したという。 ノーベル賞候補にも レメジュラー氏は、ホワイト・ヘルメットの創設者として広く認められている。 「シリア民間防衛隊」の名前でも知られるホワイト・ヘルメットは、シリアのバシャール・アル・アサド政権への反対勢力が支配する地域で、戦闘に巻き込まれた民間人の救助を支援している。 2016年には、「民間人救助における傑出した勇気と情熱、人道的関与」をたたえるとして、スウェーデンの財団による「ライト・ライブリフッド賞」を受賞。 その後、同年のノーベル平和賞の候補になった。 英女王から勲章 一方、シリア政府と、同盟関係にあるロシア、イラン両政府は、ホワイト・ヘルメットについて、テロ組織を支援しているとして批判している。 ホワイト・ヘルメットは、この見方を否定している。 レメジュラー氏の死去の1週間前には、ロシア外務省が同氏について、英秘密情報部(MI6)の元職員だと指摘。 これに対し、イギリスのキャレン・ピアース国連大使は、「彼がスパイだったとするロシア外務省の主張はまったく事実と異なる」と述べた。 レメジュラー氏は2016年、「シリア民間防衛隊の活動と、シリアの民間人の保護」が評価され、エリザベス英女王から大英帝国勲章将校(OBE)を受けた。 ホワイト・ヘルメットとは 2014年に寄付金で運営されるボランティア団体としてスタート 白いヘルメットが目印 メンバーには元パン職人、仕立職人、大工などもいる これまで10万人以上を救助したとしている メンバー250人以上が死亡、500人以上がけがをしたとしている 中立、政治色はないとし、戦闘地域ではどの立場の人も救助対象とする 建物の修復や電気工事、ビルの警備もする シリア政府はテロ組織と位置づけている (英語記事 White Helmets co-founder 'died from fall')

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    タイマッサージ、ユネスコの無形文化遺産に

    2019年12月17日 10:50 公開 コロンビア・ボゴタで行われている第14回無形文化遺産保護条約政府間委員会で12日、タイ古式マッサージ「ヌアット・タイ」がユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された。 ユネスコは、タイマッサージは「農業で筋肉痛になった村人が施術者にマッサージしてもらうという、かつてのタイの農民社会におけるセルフケアに根付いた」ものだと評価している。 従来のマッサージとは異なり、タイマッサージでは通常、一連の様々な体勢を取るなど、多くの動きを伴う。 施術者は、手だけではなく前腕や膝も使って圧をかける。マッサージオイルは使用しない。 ユネスコによると、無形文化遺産は、「人々が歌う民謡や、語り継がれる民話のような」世代を超えて継承すべき伝統や慣習などが登録の対象になる。 現在は127の国で、合わせて550もの無形文化遺産が登録されている。 そのほかに今年登録されたのは、アイリッシュハープやポルトガルのカーニバル「ポデンセ」、マレーシアの武術「シラット」など。 (英語記事 Thai massage added to Unesco's heritage list)

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    【英総選挙2019】 大勝のジョンソン首相「団結とレベルアップ」

    2019年12月16日 19:24 公開 12日のイギリス総選挙で、与党・保守党は1987年以来の大勝を果たし、野党の合計に対して80議席上回る過半数を獲得した。 来年1月31日までのブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)を目指すボリス・ジョンソン英首相は13日午後、首相官邸前で演説し、「ひとつの国」保守政権の下の団結を強調した。 首相はさらに、イギリス国民には「休憩が必要です。駆け引きや政治から。ブレグジットの話はもうきっぱり終わらせるべきです」と述べ、「誰もが区切りをつけて、回復が始まるようにするべきです」と呼びかけた。

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    同性カップルのコマーシャル、放送中止 米ホールマークが謝罪

    2019年12月16日 17:20 公開 アメリカのグリーティングカード会社大手、ホールマーク・カーズ所有のケーブルテレビ局が、同性カップルを主役にしたコマーシャルの放送を取り止めにし、謝罪に追い込まれた。 問題となったのは、結婚関連サイト、ゾラ(Zola)のコマーシャル。 ホールマークは、保守的な団体ワン・ミリオン・マムズの圧力を受け、この放送を取り止めた。 この決定に対し、ソーシャルメディアでは、ホールマーク商品のボイコットの呼びかけが起こった。 米人気司会者エレン・ディジェネレスは、「もうすぐ2020年なのでは? 何を考えているのか? 説明を願う。みんな答えを待っている」とツイートした。 https://twitter.com/TheEllenShow/status/1206009735167672320 来年の米大統領選の民主党候補を争っているピート・ブダジェッジ市長(インディアナ州サウスベンド市)も、「家族は愛の上に築かれる――外見がどうであろうと」とツイート。 「『家族にやさしい』とは、愛を尊重することであり、違いを検閲して削除することではない。私たちがこの国を、排除ではなく所属によって定義される場所へと再建しているいま、この真実はこれまで以上に大事になる」と続けた。 https://twitter.com/PeteButtigieg/status/1206298996408492036 さらに、ネットフリックスUSや、カリフォルニア州のギャヴィン・ニューソム知事も、ツイッターでホールマークを批判した。 性的マイノリティの啓発団体グラード(Glaad)が始めたハッシュタグ #BoycottHallmarkChannelは、15日午後までに1万6000件を超えるツイートがされている。 CEOがお詫び こうした反応を受け、ホールマークでは、コマーシャルの放送を再開し、ゾラとの関係修復を図りたいとしている。 ホールマークのマイク・ペリー最高経営責任者(CEO)は、「傷つけ、がっかりさせたことを心からお詫びする」とコメントを出した。 同社はウェブサイトで公表した声明で、「私たちのブランド全体でLGBTQ(性的マイノリティー)をより反映させるため、グラードとともに活動していく」とした。 「議論を呼ぶと思われる場合は」 コマーシャルの取り下げを働きかけたワン・ミリオン・マムズは、同性愛者の権利に長年反対している全米家族協会(American Family Association)のオンライン活動の1つだ。 ワン・ミリオン・マムズはウェブサイトで、ホールマークの親会社クラウン・ファミリー・ネットワークスのビル・アボットCEOと個別に話をしたとしている。 アボット氏は、問題のコマーシャルを取り下げたが、誤って放送されたと述べたという。 クラウン・メディアはゾラに対し、同社のコマーシャルのうち4本は今後、放送されないと通知。クラウン・メディアでは「議論を呼ぶと思われる創造物を受け入れることはできない」と説明した。 (英語記事 Hallmark apologises for pulling same-sex ads)

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    【英総選挙2019】 イギリス政治は二度ともとに戻らないかも

    2019年12月16日 16:48 公開 12日の英総選挙は、勝った側にとっても負けた側にとっても歴史的な結果だった。 しかしそれは、国民にどう影響するのか。ブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)はどうなるのか。ボリス・ジョンソン首相の大勝で、国民の財布の中身はどうなるのか。

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    トランプ氏弾劾、「共和党も党を超え協力を」 米民主党が訴え

    r.com/realDonaldTrump/status/1206083025018277889 BBCのアンソニー・ザーカー北米担当記者は、民主党議員の何人かが決議案の採決で棄権するかもしれないが、採決を止めることにはならないとしている。 弾劾は「自分に有利」 トランプ氏については、次期大統領選で対立候補になるかもしれないバイデン氏とその息子について、ウクライナに汚職捜査をさせようと働きかけた「権力乱用」の疑いがかけられている。 さらに、ウクライナへの働きかけについて下院が調査を始めると、これに抵抗し、妨害しようとした「議会妨害」の疑いもかけられている。 トランプ氏は不正行為を否定し、下院による弾劾調査を「魔女狩り」と批判。その一方で、こうした調査は来年の大統領選で自らに有利にはたらくと述べている。 (英語記事 Trump a 'clear and present danger to democracy’)

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    【英総選挙2019】 保守党大勝の背景……ブレグジットと伝統的支持基盤の変化

    2019年12月16日 12:43 公開 12日の総選挙でボリス・ジョンソン英首相率いる与党・保守党は全野党より80議席多い過半数を下院で得た。 保守党は、野党・労働党が何十年も支持を固めていたイングランド北部や中部、ウェールズの、ブルーカラー労働者の多い選挙区を奪った。スコットランドでは、スコットランド独立を掲げるスコットランド国民党(SNP)が議席を増やし、ここでも労働党は議席を減らした。 今回の総選挙は労働党にとって、1935年以来最悪の結果となった。 一方で、過去最多の女性議員が当選した。労働党と自由民主党では初めて、女性議員の数が男性を上回ることになった。 下の地図では、現職が落選した選挙区を見ることができる。「Results(結果)」タブが今回結果を選挙区ごとに色別で示したもの。青が保守党(CON)、赤が労働党(LAB)、オレンジが自由民主党(LD)、黄色がSNP、黄緑がウェールズ党(プライド・カムリ、PC)、緑が緑の党(GRN)、紫が北アイルランドの民主統一党(DUP)、深緑が北アイルランドのシン・フェイン(SF)、黒が北アイルランドの社会民主労働党(SDLP)、褐色が北アイルランド同盟党(APNI)、灰色がその他(Other)。 「Changes(変化)」のタブを開くと、現職が落選した選挙区が表示される。「2017」のタブは前回総選挙の結果。 ブレグジット効果 保守党は、2016年の国民投票でEU離脱を支持した多くの地域で票を伸ばした。2016年に過半数が離脱を支持した選挙区では、保守党が圧倒的な強さを見せ、その75%で勝った。対照的に、スコットランドやロンドンなどEU残留派が多い地域では、票を失った。 明確な離脱派や残留派とは、2016年国民投票で6割以上がいずれかに投票した選挙区を意味する。 下図が示すように、労働党はブレグジット支持の選挙区でも反対の選挙区でも票を失った。 一方で、労働党が今回失ったイングランド北部と中部、ウェールズの選挙区のほとんどは、2016年の国民投票でブレグジットを支持していた。加えて労働党は、明確な離脱派の選挙区だけでなく、明確に残留派が多い選挙区でも、4割しか議席を得られず、得票率を6.4ポイント落とした。 選挙区ごとのブレグジット国民投票結果との相関は、英ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイのクリストファー・ハンレッティ教授が計算したもの。国民投票の結果は下院選挙区ごとではなく自治体ごとに記録されたため、完全には一致していない。 国民投票で過半数が離脱を支持したとみられる選挙区のほとんどは、今回の選挙で保守党を支持した。一方で、残留を支持したとみられる選挙区の支持政党にはばらつきが出た。 離脱派多数の選挙区では労働党が最も健闘したが、その4割しか押さえられなかった。 労働党が勝ったブレグジット支持の選挙区は106だったのに対し、離脱派の議席は96とほぼ同数だった。 一方で、労働党以外の他の政党は、選挙区がブレグジット支持か反対かで結果に明確な差が出た。 ブルーカラー選挙区 全体として、保守党は伝統的な労働党支持地域に次々と食い込んでいった。 2017年選挙で労働党は、労働者階級世帯が多い(2011年国勢調査をもとにした分類による低所得層)100選挙区の内、72選挙区で勝った。 今回の結果、その72選挙区が53選挙区に減り、対する保守党は100選挙区中31選挙区を獲得した(前回は13選挙区)。 すべての地域と地方で すべての地域と地方で、労働党の後退は保守党の躍進を上回った。 保守党はイングランド南部とスコットランドで票を失ったものの、イングランドではそれ以外の地区、さらにウェールズでも大きく支持を伸ばした分で相殺した。 自由民主党は、イギリス全体で得票率を伸ばしたものの、最多得票者が勝つ単純小選挙区制ではそれが議席増につながらなかった。 下図が示すように、保守党はイングランド中部で得票を大きく伸ばしたのに対し、労働党は全国的に票を失った。 スコットランドではSNP躍進 スコットランドでSNPは14議席を新たに獲得した。落としたのは1議席に留まった。それに対して保守党はスコットランドで7議席減、労働党は6減となった。 ウェールズでは、保守党が6議席増やし、労働党が主に北東部で6議席を落とした。ウェールズ全体では、労働党の得票率が2017年の49%から41%に下がった。 保守党はイングランドとウェールズの大半で高い得票率を獲得。国全体の得票率44%を反映する結果となった。 下の地図で、党別・選挙区別の得票率を見ることができる。 労働党は都市部で健闘 労働党が首都ロンドンと、ウェールズ南部やイングランド北部の都市部周辺で強さを発揮した。 全国的な得票率は32%で2017年から8ポイント減った。60議席を失い、他党から奪ったのは保守党が押さえていたロンドン南西部パトニーの議席だけだった。 史上最多の女性議員 今回当選した女性議員は220人。過去最多だった2017年の208人から、さらに12人増えることになった。 労働党と自由民主党では初めて、女性議員の数が男性を上回ることになった。 労働党の議員202人中(下院議長のリンジー・ホイル氏は除外)、104人が女性だ。自由民主党の議員11人のうち、7人が女性。 投票率 投票日の12月12日は、寒くてじめじめした日だった。しかし、投票率は67.3%で、2017年6月の前回から1.5ポイント下げるに留まった。 (英語記事 Election results 2019: Analysis in maps and charts)

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    最貧国、栄養失調と肥満も問題 超加工食品などで=英医学誌

    2019年12月16日 12:35 公開 世界の最貧国の3分の1が、栄養失調だけでなく深刻な肥満の問題を抱えている――。こうした研究報告が16日、英医学誌ランセットに掲載された。 同報告書によると、こうした問題は、カップ麺やスナック菓子、炭酸飲料などの超加工食品が世界中で手に入ることや、運動量の低下が要因という。報告書の筆者は、「現代の食糧システム」の改変を求めている。 最も影響を受けているのは、サハラ砂漠以南のアフリカ地域とアジア地域という。 「栄養不良の二重負荷」 報告書は、地球上の23億人近くの子供と大人が太りすぎで、1億5000万人以上の子供が発育不全だと推定している。 さらに、中低所得国では、「栄養不良の二重負荷」として知られる、栄養失調と肥満の両方の問題に直面している。つまりこうした国々の人口の2割が太りすぎで、4歳以下の子供の3割が適切に成長しておらず、女性の2割が痩せ型に分類されることになる。 報告書によると、1990年代には、123カ国中45カ国で「栄養不良の二重負荷」の影響がみられていたが、2010年代では、126カ国中48カ国で影響が出ている。14の最低所得国では1990年代以降、こうした栄養不良問題が悪化しているという。 食生活の変化と運動不足 報告書の筆者は、この問題に対処するために、各国政府や国連、学者が対策を講じるべきだと指摘。食生活を変えていく必要があるとしている。 人間の飲食習慣や、活動スタイルは変化している。スーパーマーケットの店舗数は増加し、栄養価の低い食物が容易に手に入るようになった。一方で、体を動かすことは少なくなり、より多くの人が太りすぎになる要因になっている。このような変化は、高所得国だけでなく、中低所得国にも影響を与えている。 多くの国では発育不全の子供が減少しつつある。しかし、幼児期に超加工食品を摂取することで発育不全につながるという。 食糧システムの変更を 世界保健機関(WHO)の健康・発育栄養局長のフランチェスコ・ブランカ博士は、「栄養面における新たな現実」に直面していると話す。 「我々はもはや、低所得国は栄養失調を、高所得国は肥満のみを懸念しているとみなすことはできない。あらゆるかたちの栄養不良には共通点がある。それは、すべての人々に健康的で安全で、手ごろで持続可能な食生活の提供に失敗した、食糧システムだ」 ブランカ博士は、現状を変えるには、生産や加工、貿易や流通、価格設定、マーケティング、商品ラベルから消費や廃棄に至るまでの食糧システムの変更が必要だと指摘。「システムに関連するすべての方針や投資について、根本的に再検討しなければならない」としている。 上質な食生活 報告書によると、上質な食生活とは以下のものを含むという。 多くの果物や野菜、全粒穀物、繊維、ナッツ、種 適量の動物性食品 最小限の加工肉 最小限の高エネルギーで、糖、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、塩分を含んだ食品や飲料 生後2年間は乳児を母乳で育てること 上質な食生活は、健康的な成長や発育および生涯にわたり病気に対する免疫力の促進し、栄養失調のリスクを減らすことにつながる。 (英語記事 Poorest countries face both over and under-eating)

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    COP25が閉幕 会期過去最長も、妥協の合意だけ

    2019年12月16日 11:51 公開 国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)が15日、スペイン・マドリードで閉幕した。会期は過去最長となったが、妥協的な合意をまとめるにとどまった。 疲れ果てた各国代表団は、温室効果ガス削減への取り組みを強化することで合意に達した。 来年イギリス・グラスゴーで開かれるCOP26までに、すべての国が新たな気候変動に対する取り組みを明らかにする必要がある。 温室効果ガスの国際取引など、いくつかの問題が来年に持ち越しとなった。 <関連記事> 世界のCO2排出量が増加、石油・ガスの使用増で=気候研究チーム 気候変動の危機的状況は「明らか」、最新報告書、科学者1.1万人が支持表明 米政府、パリ協定離脱を正式通告 気候変動対策に暗雲 野心的な案が反対される 会期を2日間延長した結果、参加国は来年のグラスゴーでの会議までに、温室効果ガス削減の新しい改善された計画を示すことで合意した。 気候変動の危機を回避するため科学者が必要と唱えている対応と、現在の取り組みのギャップを明らかにすることが求められている。 欧州連合(EU)や小さな島国などは野心的な対応策を支持したが、アメリカやブラジル、インド、中国など幅広い国々がこれに反対した。 しかし、裕福な国々は気候変動に関する2020年以前の約束を守ったと示す必要があるとすることで、妥協がなされた。 「大事な機会逃した」 COP25の結果について、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、「国際社会は気候危機の緩和や適応、財政支援において一層の野心を見せる大事な機会を逃した」とAFP通信に語り、落胆を表明した。 パリ協定の策定にかかわった欧州気候基金のローレンス・トゥビアナ氏は、「科学者が必要とするものからは程遠い、寄せ集め」だと感想を述べた。 「マドリードで対策を打ち出す必要があった主要国は、期待に応えなかった。しかし、小さな島国やヨーロッパ、アフリカ、中南米の国々による先進的な協力関係のおかげで、大汚染国の意図に反して、最善のものを手に入れた」 環境団体パワー・シフト・アフリカのモハメド・アドウ氏は、「ブラジルとオーストラリアが推進し、温室効果ガス削減の努力を損なうであろう、市場原理の仕組みに対する弱い規制は、幸いなことに棚上げとなった。闘いはグラスゴーのCOP26に続く」と話した。 (英語記事 'Opportunity lost' as longest climate talks end)

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    【英総選挙2019】開票の悲喜こもごも 午後10時の鐘から夜明けまで

    23:39 公開 イギリス総選挙は12日午後10時(日本時間13日午前7時)に投票が締め切られ、BBCはビッグベンの鐘の音と共に、出口調査をもとに保守党が単独過半数を得るという予測を明らかにした。 保守党368議席、労働党191議席というこの時点での予測に対し、13日午後には全650議席のうち保守党365議席、労働党203議席で確定した。 保守党にとって1987年以来の大勝となった今回選挙で、深夜から早朝まで続いたBBC開票特番の様子をかいつまんで紹介する。 (2017年6月の前回総選挙の開票特番の様子はこちら)

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    米下院司法委、トランプ氏の弾劾条項を可決 本会議採決へ

    2019年12月14日 14:18 公開 米下院司法委員会は13日、ドナルド・トランプ米大統領に対する弾劾条項2項目を含む弾劾訴追決議案を、23対17で可決した。決議案は、野党・民主党が多数を占める下院本会議に送られた。下院本会議は来週にも、決議案を採決する。 弾劾調査を進めた下院情報委員会や同司法委員会などは10日、トランプ氏を大統領権限の乱用と議会妨害の2項目で弾劾する方針を示した。これを受けて司法委員会は12日、14時間にわたりこれを審議。13日にはわずか10分の手続きで、決議案を可決し、本会議に上程すると決めた。 アメリカ建国以来、憲法で定めらた弾劾手続きの対象になる大統領は史上4人目。上院の弾劾裁判によって罷免された大統領は、今のところいない。 トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、これまで通り弾劾手続きを「でたらめ」の「やらせ」だと攻撃。民主党が「弾劾をさまつなものにして」、「まったく間抜けな真似をしている」と述べた。トランプ氏はさらに、「この国にとって悲しいことだが、自分にとっては政治的にとても良いことのようだ」と話した。 2つの弾劾条項 下院司法委が可決した2つの弾劾条項の内、権力乱用の項目は、トランプ氏が来年の米大統領選で対立候補になるかもしれない民主党のジョー・バイデン前副大統領とその息子について、ウクライナに汚職捜査をさせようと働きかけたとする内容。トランプ氏は政敵に対する捜査の見返りに、軍事援助の凍結解除やホワイトハウスでの首脳会談の実現をウクライナの大統領に提示したしたとされる。 議会妨害の項目は、ウクライナへの働きかけについて下院が調査を始めると、トランプ氏が一貫してこれに抵抗し、妨害しようとしたという内容。 司法委の民主党委員たちは、トランプ氏が個人的利益のために大統領権限を利用し、それによって国の安全保障や国益を損なったとして、その一連の振る舞いは「国への裏切り」だと非難した。 司法委のジェロルド・ナドラー委員長(民主党)は決議案可決後に記者団に対して、このようなことをしなくてはならないのはアメリカにとって「厳粛で悲しい日」だと述べ、下院全体として「速やかに行動する」と約束した。 これに対して、弾劾手続きに反対する与党・共和党のマット・ゲイツ下院議員は、「民主党にとっては、弾劾がお気に入りの麻薬なんだ」と批判した。 下院本会議ではどうなる 激戦州から選出された一部の民主党議員が、本会議で弾劾決議案に賛成するかどうか迷っているという。しかし、現在の下院は民主党が233議席、共和党が197議席と、民主党が共和党より36議席多いため、本会議では可決に必要は過半数は獲られる見通し。 民主党幹部のナンシー・ペロシ下院議長は12日、この歴史的な採決について、党議拘束するつもりはないと述べた。 上院ではどうなる 下院が弾劾決議案を可決した場合、上院は来年1月にも弾劾裁判を開き、トランプ大統領を無実と判断するものとみられる。 上院で多数を占める共和党の議会幹部は、騒ぎ立てることなく速やかに手続きを終わらせたい考えを示している。 トランプ氏は、バイデン前副大統領や、ウクライナのガス会社役員だった息子のハンター・バイデン氏の証人喚問を希望している。 共和党幹部のミッチ・マコネル上院院内総務は12日、保守派フォックス・ニュースに対して、上院の弾劾裁判でトランプ氏が解任される可能性は「ゼロ」だと言明した。 マコネル氏は、共和党の上院議員団はホワイトハウスの法律顧問たちと緊密に連携し、法的戦略を組み立てることになると話した。 「この間に私がやることのすべては、ホワイトハウス法律顧問と調整してやることになる。どう対応するかについて、大統領の方針と我々の方針は一致することになる」 トランプ氏の問題行動とは 下院民主党による弾劾調査は、情報機関の匿名告発者が今年9月に、トランプ氏とウクライナ大統領との電話会談に問題があったと議会に報告したことを機に始まった。 ホワイトハウスが公表した通話記録によると、トランプ氏は7月25日にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との電話で、来年の大統領選で対立候補になるかもしれない民主党のジョー・バイデン前副大統領とその息子について捜査するよう働きかけていた。 民主党が進めた調査で複数の関係者が証言したところによると、トランプ氏は政敵に対する捜査要求と引き換えに、すでに米議会が承認していたウクライナへの軍事援助4億ドルの凍結解除を提示したほか、ホワイトハウスでの首脳会談の実現を提示したとされている。 ロシアとの対立が続くウクライナはアメリカにとって重要な同盟国。そういう相手にトランプ氏が個人的利益のために圧力をかけたのは大統領権限の乱用だと、民主党は主張している。 トランプ氏はウクライナ政府に対して、バイデン親子の汚職疑惑を捜査するよう働きかけたほか、2016年米大統領選に介入したのはロシアではなくウクライナだという陰謀論を認めるよう要求したとされる。バイデン親子の汚職疑惑はウクライナ当局によって否定されている。ウクライナの選挙介入説は複数の米情報機関が一致して否定し、2016年選挙に介入したのはロシアだと断定している。 (英語記事 Key committee passes Trump impeachment charges)

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    NZ火山噴火、初の捜索活動で6遺体回収 死者14人に

    2019年12月13日 12:59 公開 ニュージーランド北部ホワイト島で13日、噴火後初めての捜索活動が行われ、6人の遺体が収容された。遺体は、ニュージーランド海軍の哨戒艦「ウェリントン」へ運ばれた。 この日の「迅速な」遺体回収作業は、さらなる噴火の恐れがある中で開始された。 遺体回収計画の内容 防護服と呼吸装置を身につけたニュージーランド軍の専門家は13日朝、遺体を回収するため、海軍のフリゲート艦からヘリコプターでホワイト島へ向かった。 捜索チームが島にいる間に再噴火が起きれば、チームはマグマや高温の水蒸気、灰や岩などの噴出物に見舞われる危険があると、火山学者は指摘する。 捜索作業中は、地質学者がリアルタイムにデータを分析し、作業を中止する必要があるかを見極めている。 ニュージーランド警察のマイク・クレメント副総監は記者団に対し、遺体の回収作業で「間違いが起きる可能性はたくさんある」と警告した。 通常の遺体回収作業では、警察はすべての遺体の適切な身元確認を確実にするだけの証拠を、十分な時間をかけて現場で収集する。今回は迅速に作業を進めるため、こうした証拠の収集に充てる時間が少なくなる。 ニュージーランドヘラルドによると、収容された6遺体はすべて約200メートルの範囲内で見つかったという。 地質学的な危険の可能性をモニターするウエブサイト「GeoNet」は12日、今後24時間以内にさらなる噴火が起こる確率は50~60%だと発表した。 再噴火のリスクが高まる中、犠牲者の家族から遺体の回収を切望する声が日に日に高まっている。 9日午後2時11分に発生したホワイト島の噴火では、発生当時、オーストラリア人24人、アメリカ人9人、ニュージーランド人5人、ドイツ人4人、中国人2人、イギリス人2人、マレーシア人1人、合わせて47人の観光客が噴火口付近にいた。 これまでに8人の死亡が確認されており、今回回収された遺体と合わせて死者は14人となった。現在、20人が重度のやけどを負って集中治療を受けている。 マオリ族の「ラフイ」 ニュージーランドの先住民マオリ族のグループは、「ラフイ」と呼ばれる儀式的な慣習を10日に開始した。 これは、死亡事故が発生した際や、天然資源の保護のためにするもの。法的効力はないものの、一般的にニュージーランド人はその意味合いを尊重するという。 今回の「ラフイ」では、遺体回収チーム以外によるホワイト島への立ち入りと、周辺海域での漁が禁止される。遺体が回収され次第、「ラフイ」は終了するという。 ホワイト島はマオリ族から「ワカアリ」と呼ばれ、先住民ンガティ・アワ族にとって神聖な場所。 ンガティ・アワ族から、専門家1人が遺体回収作業に加わる予定。 移植用の皮膚を発注 ニュージーランドのスチュアート・ナッシュ警察相は、生存者のやけどの状況について、一部の人は身元確認が困難なほど重傷だと説明した。 「会話ができない状況の負傷者が多数入院している。皮膚だけでなく内臓にも深刻なやけどを負っている」 ニュージーランドの熱傷治療専門機関のピーター・ワトソン主席医務官は、患者の皮膚移植には推定120万平方メートル分の皮膚が必要だと述べた。一部はアメリカに発注されたという。 当局によると、ニュージーランド中の外科医は、昼夜問わず治療にあたっているという。 オーストラリア人の犠牲者数人はすでに本国へ搬送されている。今後数日以内に、さらに搬送される予定。 (英語記事 NZ troops airlift bodies off volcanic island)

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    【検証】 「宗教的少数派、隣国で迫害」 インドの訴えは正しい?

    2019年12月13日 12:29 公開 BBCニュース、リアリティ・チェック(ファクトチェック)チーム インド政府は、近隣3カ国からの不法移民に市民権を与える法案を提出した。ただし、イスラム教以外の少数派宗教グループに所属していることを条件としている。 法案は、インドに不法に入国したヒンドゥー教、シーク教、仏教、ジャイナ教、パールシー教、キリスト教の各教徒について、イスラム教徒が多数を占めるパキスタン、バングラデシュ、アフガニスタンのいずれかの出身だと証明できれば、インドの市民権を申請できるとしている。 インド政府は、宗教的少数派が3カ国で減っており、信仰を理由に迫害に直面していると説明している。 だが、イスラム教徒の不法移民に対しては市民権取得への道を開くものではないため、法案は差別的との批判がインドで出ている。 果たして、それら3カ国における非イスラム教徒の現状はどうなのか。 非イスラム教徒の人数は? インドのアミット・シャー内務相によると、パキスタンの非イスラム教徒人口は1951年以降、急激に減っている。 これは、パキスタンが1947年にインドから分離独立し、非イスラム教徒が集団で脱出すると同時に、インドからイスラム教徒が流入したのを反映している。 シャー氏は、パキスタンにおける非イスラム教徒の人口比は1951年時点で23%だったと説明。それ以降の数十年にわたる迫害で、さらに少なくなったとしている。 ただ、この数字は検証が必要だ。シャー氏は誤って、現在のパキスタンとバングラデシュ(旧東パキスタン)のデータを合計したと思われるからだ。 国勢調査によると、パキスタン(旧西パキスタン)のヒンドゥー教徒の人口比は、1951年に1.5~2%前後だった。それ以降、大きくは変わっていない。 同じ調査は、バングラデシュの非イスラム教徒の人口比については、1951年の約22~23%から、2011年には約8%に落ち込んでいることを示している。 つまり、バングラデシュで非イスラム教徒が大きく減っている一方、パキスタンでは非イスラム教徒は非常に少数だが人口比は安定しているのだ。 パキスタンとバングラデシュには、キリスト教、仏教、シーク教、パールシー教など、別の非イスラム教少数派も存在する。 パキスタンにはまた、政府が1970年代に非イスラム教と宣言したアフマディー教の教徒もいる。その数は400万人超と推定されており、同国最大の宗教的少数派になっている。 アフガニスタンでは、ヒンドゥー教、シーク教、バハーイー教、キリスト教の全教徒を含めた非イスラム教徒は、人口比0.3%に満たない。米国務省の報告書によると、アフガニスタン国内の2018年のシーク教徒とヒンドゥー教徒の総数は、紛争により国外へと逃がれた家族が相次いだ影響で、わずか700人ほどとなった。 非イスラム教徒の地位は? インド政府の市民権法案は、「パキスタン、アフガニスタン、バングラデシュの憲法は、特定の国家宗教を定めている。その結果、ヒンドゥー教、シーク教、仏教、ジャイナ教、パールシー教、キリスト教のコミュニティーに属する人々は、それらの国々において、宗教を理由に迫害に直面している」と説明している。 パキスタンの国教がイスラム教なのは事実だ。アフガニスタンもイスラム教国家だ。 バングラデシュは事情がより複雑だ。1971年に非宗教的な憲法とともに国家が樹立された。しかし1988年、イスラム教が公式に国の宗教とされた。 これを覆そうと、長年にわたって法廷闘争が続いたが、同国の最高裁判所は2016年、イスラム教を国教とすると判断。闘争に終止符が打たれた。 ただし、これらの国の憲法はすべて、非イスラム教徒は信仰を実践する権利と自由があると明記している。また、パキスタンとバングラデシュでは、ヒンドゥー教徒が司法長官に就任するなど、高い役職に就いている。 少数派は差別に直面している? 実際には、非イスラム教徒の少数派は差別と迫害に直面している。 人権団体アムネスティ・インターナショナルは、パキスタンの不敬法を問題視。同法について、「不明確に規定され、警察や司法当局に恣意(しい)的に使われている。その方法は、宗教的少数派へのいやがらせや迫害に匹敵する」としている。 パキスタンから近年インドに移住したヒンドゥー教徒は、社会的、宗教的な差別を受けたとBBCに説明。とくに、シンド州におけるヒンドゥー教徒の女子に対するものが問題だったと話した。 イスラム教多数派から異端とされている、アフマディー教徒が差別されているのも事実だ。同教徒はインドの市民権法案に含まれていない。 2018年までに訴追された不敬事件の多くが、イスラム教徒やアフマディー教徒に対するもので、キリスト教徒やヒンドゥー教徒に対するものではない。 バングラデシュで何年間かにわたってヒンドゥー教徒が減っている理由はいくつかある。裕福なヒンドゥー教徒は自宅や事業所が攻撃される。彼らを追い出し、乗っ取りを狙っている場合もある。ヒンドゥー教徒は宗教的な武装勢力の攻撃目標にもなっている。 バングラデシュ政府は、少数派が狙われているというインドの主張を否定する。アブドゥル・モメン外相は、「この国で少数派が迫害されている例はない」とBBCに述べた。 国連のデータは、インドにいる難民の数が2016~2019年の間に17%増えたことを示している。今年8月時点で、国連に登録されたインドへの難民でもっとも多かったのは、チベットとスリランカからの難民だった。 (英語記事 Is India's claim about minorities true?)

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    トランプ氏、「今年の顔」トゥーンベリさんは「怒りを抑制すべき」

    2019年12月13日 11:15 公開 アメリカのドナルド・トランプ大統領は12日、米誌タイムの「今年の人」に選ばれたスウェーデンの環境保護活動家グレタ・トゥーンベリさん(16)について、自分の感情のコントロールに取り組むべきなどと批判した。これに対し、トゥーンベリさんはトランプ大統領の言葉を引用し、からかうように対抗した。 トランプ大統領はこの日、トゥーンベリさんの選出について「すごくばかげている。グレタは自分が抱えているアンガーマネジメント(怒りのコントロール)の問題に取り組んで、友人と一緒に古きよき映画を見に行くべきだ」とツイート。 「落ち着けグレタ、落ち着け!」(Chill Greta, Chill!)と付け加えた。 https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1205100602025545730?s=20 するとトゥーンベリさんは、自分のツイッターの自己紹介文を次のように書き換えて対抗した。 「自分のアンガーマネジメント問題に取り組むティーンエイジャー。現在は落ち着いて、友人と古きよき映画を見ている」 最年少の「今年の顔」 トゥーンベリさんはタイム誌が11日に発表した「今年の顔」に選ばれた。1927年に選出が始まって以来、最年少。 選出理由について、タイム誌のエドワード・フェルゼンタル編集長は、米放送局NBCで、「地球が今年直面している最大の問題において、彼女は最大の声となった。どこからともなく現れ、世界規模の運動をリードするまでになった」と説明した。 たびたび自己紹介文を変更 トゥーンベリさんがトランプ氏や他国の首脳陣の発言を受けてツイッターの自己紹介文を変更するのは、今回が初めてではない。 ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領は最近、彼女を「(行儀の悪い)がき」(ポルトガル語でPirralha)と呼んだ。トゥーンベリさんが、アマゾン熱帯雨林で先住民のブラジル人が殺害されていると、懸念を表明したのを受けたものだった。 「グレタはアマゾン熱帯雨林を守ろうとする先住民が殺害されていると主張している。(中略)報道機関がこういったPirralhaにどれだけの自由を与えているのか、驚きだ」 するとトゥーンベリさんは一時、ツイッターの自己紹介に「Pirralha」を追加した。 今年10月には、トゥーンベリさんは「親切だが情報不足のティーンエイジャー」と自己紹介文を変更した。これは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の記者会見での発言を引用したもの。 トランプ大統領は今年9月、国連総会で感情的に演説をするトゥーンベリさんをとらえた映像をツイッターに投稿し、「輝かしい素敵な未来を楽しみにしているとても幸せな少女に見える」などと述べた。 この時も、トゥーンベリさんは「輝かしい素敵な未来を楽しみにしているとても幸せな少女」と自己紹介文を書き換え対抗した。 (英語記事 Greta Thunberg changes Twitter bio after Trump dig)

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    【英総選挙2019】 出口調査発表の瞬間 保守党が過半数獲得

    9:13 公開 イギリス総選挙の投票が12日午後10時(日本時間13日午前7時)に締め切られ、BBCの司会者ヒュー・エドワーズがビッグベンの鐘の音と共に、BBCとITV、スカイの共同出口調査の結果を発表した。 出口調査によると、保守党は2017年の前回選挙から50増の368議席を獲得する見込みで、サッチャー政権以来の議席数になる予想。 一方、労働党は191議席(71減)に議席を減らすとみられている。

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    【英総選挙2019】 ハッシュタグ「#投票所の犬」 今回はクリスマスの装いで

    2019年12月13日 7:56 公開 イギリスで選挙が行われるたび、有権者は投票所に犬を連れて行く。 12日に行われた下院総選挙にもこの伝統は受け継がれ、ソーシャルメディアでは「#dogsatpollingstations(投票所の犬)」というハッシュタグで犬の写真があふれた。 1923年以来となる12月の選挙となった今回は、犬たちもクリスマスの装いで投票所に現れた。 <関連記事> 【英総選挙2019】 与党・保守党が単独過半数を獲得=出口調査 【英総選挙2019】 投票所でやっていいこといけないこと たとえば犬は ミリー(ゴールデンレトリバー)、デヴォン ルビー(スプロッカー・スパニエル)、ランカシャー バッチ(ヨークシャーテリア/プードル)、バーティー(マルチーズ/シーズー)、ウェストン・スーパー・メア サム(ラブラドール)、ヨーク バスター(レッドフォックス・ラブラドール)、オックスフォードシャー ルカ(ロングコート・チワワ)、カーディフ ヘイディ(ボーダーテリア)、グレーター・マンチェスター ヘンリー(ビーグル/バセットハウンド)、イースト・マンチェスター トゥウィム(ボーダーコリー)、ヴェイル・オブ・グラモーガン ハリー(ボーダーコリー)、ヘイディ(ビーグル/ラブラドール)、エセックス (英語記事 Dogs at polling stations: Pooches at the polls)

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    【英総選挙2019】 与党・保守党が大勝 ブレグジットに「新たな信任」と首相

    北東部ブライズ・ヴァリーでは保守党候補が勝った。労働党は得票率を15ポイント減らした。 クンスバーグBBC政治編集長は、ブライズ・ヴァリーで保守党が勝った瞬間について、「この夜を象徴するもの」と呼んだ。 クンスバーグ編集長は「勝った候補が当選演説で、ボリス・ジョンソンの名前を口にしたのも興味深い。ジョンソン氏は何度も何度も北東部を訪れた。ジョンソン氏は、他の保守党が影響力を発揮できなかった地域にも訴えかけることのできる保守党党首だったのかもしれない」と話している。 保守党はこの後も、伝統的に労働党が押さえてきた北東部や北西部の選挙区で次々と労働党から議席を奪った。 ブレグジット総選挙 ジョンソン首相はブレグジットを最大の公約に掲げ、2020年1月31日の離脱期限までに協定を可決するため、過半数獲得を目指していた。 出口調査が発表されると、首相は「私たちの偉大な国の各地で投票した人、ボランティアをした人、候補として出馬した人、皆さんどうもありがとうございます。私たちは世界最高の民主主義の国に暮らしている」とツイートした。 https://twitter.com/BorisJohnson/status/1205252415261421570 首相官邸は、ジョンソン首相がEUとまとめた離脱協定案を法制化する法案を、20日にも下院で審議する方針を示した。 また、週明け16日に最低限の人事を行うにとどめ、本格的な内閣改造は来年1月31日のEU離脱後に実施するとしている。 ジョンソン氏自身は、ロンドン西郊の選挙区で苦戦が予想され、落選の可能性さえ取りざたされていたが、実際には労働党候補に7210票差をつけて再選を果たした。開票所での勝利スピーチでは、「我々の『ひとつの国』保守政権は今夜、ブレグジット実現へ強力な信任を得たようだ。それに加えて、この国を団結させ、国民健康サービスなど国民の優先事項に集中するため、信任を得た」と述べた。 コービン党首「次の総選挙では党を率いない」 一方の労働党のコービン党首は、ブレグジットについて2度目の国民投票を行い、離脱協定の再交渉かEU残留を選んでもらうと約束していた。それと同時に、労働党は公共サービスや国民保健サービス(NHS)への投資拡大にも焦点を当てていた。 コービン氏自身はロンドン北部のイズリントン・ノース選挙区で2万6000票差をつけて圧勝した。家族や支持者に感謝した上で、「もちろん労働党にとっては残念な夜」だと敗北を認め、次の総選挙で党を率いることはないと述べた。今後の党の方向性は自分が先頭に立ち、党内で検討するという。 コービン氏は、ブレグジットがあまりに国内の議論を分断したため、正常な政策議論ができなくなったと指摘。社会正義や国民が必要とするものの問題は、ジョンソン氏が望むブレグジットが実現してもなくならないと苦言を呈した。その一方で、下院議員として地元選挙区を代表し続けることを誇りに思うと強調した。 責任はコービン党首かブレグジットか 労働党のイアン・レイヴァリー委員長は、出口調査の結果を「非常に、非常に残念に思う」と話した。 また、ブレグジットに対する立場によって、「労働党の中心地」だったイングランド北部で「非常に苦戦」したと述べた。 「1740万人がEU離脱を支持した中、彼らにとって無視されるのは良いことではなかった」 この敗北がコービン党首によるものかという質問には、公約に掲げた2度目の国民投票が国民の支持を得られたなかったことが原因だと指摘。 「それが問題だ。ジェレミー・コービンではない。ブレグジットと、民主主義を無視したことが原因だ」と話した。 一方、元労働党の大物議員ケン・リヴィングストン氏はAP通信の取材に対し、コービン党首が党内の反ユダヤ主義問題などに対処しなかったことが敗北の一因だと述べた。 出口調査速報でポンド高騰 投票締め切りと同時に発表された12日午後10時の出口調査では、保守党は前回選挙から50増の368議席を獲得する見込みだった。一方、労働党は191議席(71減)に議席を減らすとみられた。 この出口調査の結果を受け、英ポンドは一時147円93銭の高値を記録。対ドルでも3%近く上昇し、1.35ドルとなった。 出口調査はBBCと英民放ITVおよびスカイテレビのため、NOP・イプソスモリが全国144カ所の投票所で2万2790人から回答を得た。 <解説>ローラ・クンスバーグ政治編集長 ジョンソン首相は2020年1月にEUを離脱するのに十分な議席を下院で得た。 これはこの国の歴史にとって、大きな分岐点だ。世界におけるイギリスの立ち位置が書き換えられる瞬間だ。 だがそれだけではない。保守党政権がもう5年続き、10年の壁を越える可能性がある。 一方、労働党は4回連続、総選挙で敗れた。ここ数年で左傾化が進んだ中で、これは深刻な、そして歴史的な敗北だ。 スコットランド独立を目指すSNPはスコットランドでの影響力を拡大し、保守党からも議席を奪っている。 自由民主党は、大きな希望を持って選挙活動を始めたものの、結果は思わしくなかった。 (英語記事 Conservatives on course to win majority - exit poll / Election Results / Analysis in maps and charts)

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    【英総選挙2019】 投票所でやっていいこといけないこと たとえば犬は

    場合によってはパブやコインランドリーが投票所になる。そこでやっていいことと、やってはいけないことを、BBCのチチ・イズンドゥ記者が説明する。 たとえばお酒を飲んでいてもいいのか。犬を連れて行ってもいいのか。

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    【英総選挙2019】 初めて投票する新しいイギリス市民たちに聞く

    2019年12月12日 15:10 公開 イギリスでは12日午前7時(日本時間午後4時)から総選挙の投票が始まる。 今回初めて投票するという、3人の新しいイギリス市民に、事前に話を聞いた。

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    【英総選挙2019】 なぜ大事な選挙なのか 不人気の党首2人にブレグジット

    2019年12月12日 14:57 公開 アンソニー・ザーカー、BBC北米担当記者 イギリスの有権者は12日、国の今後を左右する総選挙に投票する。4年間で3度目のことだ。選ぶのは難しい。 元保守党のニック・ボウルズ下院議員は、「うそをつかずにいられないうそつき」と、「全体主義者」のどちらかを選ばなくてはならない、「とんでもない二者択一」だと言う。 ボウルズ氏によると、前者は与党・保守党を率いるボリス・ジョンソン英首相のことだ。後者は、最大野党・労働党のジェレミー・コービン党首のことだという。 まるで2016年米大統領選が、大西洋の反対側で3年後に再現されているような光景だ。あの時も両党の候補は共に、欠点だらけで信用できないと言われていた。 ウェールズ北部の選挙区から出馬している労働党候補のメアリー・ロバーツ氏は8日の集会で支持者に向かって、「多くの人が冷笑的になっていて、相次ぐ戸別訪問にもううんざりだと言う」と明かした。「そう言われると、なかなか難しい」と。 集会にいた選挙運動員や活動家たちも、同意見だった。有権者は、ブレグジットも選挙も絶え間ない政治的混乱も、さっさと終わってほしいと思っているのだと。 これが2019年英総選挙だ。クリスマス前のプレゼントだが、喜び勇んで開けてみようという有権者はあまりいなさそうだ。 <関連記事> 【英総選挙2019】 各党の党首、投票前日に最後の演説  【英総選挙2019】 「戦術的投票」とは? 影響はあるのか 【英総選挙2019】 EU残留派と離脱派はどう投票するつもりか  ジョンソン氏の信用問題 ジョンソン氏にとっては、国の総理大臣として有権者の信任を得る初めての機会だ。総選挙の前倒しを求めたのは本人だが、選挙戦はそれなりに波乱に満ちていた。 ジョンソン氏を批判する人たちは、その信頼性を疑問視している。これは大事な問題だ。ジョンソン氏は自分こそが1月末までにイギリスの欧州連合(EU)から離脱させられるし、自分こそがその後に新しい貿易関係を築くための交渉を成功させられると、有権者を説得しようとしているので。 批判勢力は、ジョンソン氏による数多の公約違反やミスリーディングな発言を取りざたする。医療や、ブレグジット(イギリスのEU離脱)で北アイルランドがどう扱われるかについて、ジョンソン氏は約束を破り続けてきたと。 ジョンソン氏は自分に子どもが何人いるかさえ、公の場で話そうとしない。これには米メディアさえ注目した。 BBCのベテラン司会者、アンドリュー・ニールは、他の党首と異なり自分のインタビューに応じないジョンソン氏に呼びかけて、「私たちの質問のテーマは信頼です。なぜ政界とジャーナリズムでのキャリアを通じて繰り返し、批評家だけでなく近しい人までもが、ジョンソン氏は信頼に値しないと思うに至ったのでしょうか」と述べた。 ジョンソン氏は結局、ニール氏の番組での選挙前インタビューに応じなかった。近年の総選挙では異例のことだ。ほかにも、気候変動をテーマにした討論会にも出席せず、その代わりに溶ける氷の塊が登場した。 ブレグジット党のナイジェル・ファラージ党首でさえ、ジョンソン氏をためらうことなく批判している。 「私は25年前からなんだかんだとボリスを知っている。とても人好きのする、楽しい性格だ。絶対的に信用するかって? いいえ」 <関連記事> ボリス・ジョンソン氏の経歴は ジョンソン新首相、どんな人物? 大拡散された瞬間 選挙終盤で特にジョンソン氏にとって打撃となったのは、北部リーズの病院の床に横たわる4歳男児の写真だったかもしれない。9日に報道されたこの写真では、病気で救急搬送された男の子が、ベッド不足のため床に敷かれたコートの上で横になっていた。 ソーシャルメディアで広く拡散されたこの写真は、保守党を劣勢に立たせた。4歳の男の子がひどい目にあったことに謝罪し、保守党政権が国民医療制度の「国民保険サービス(NHS)」に十分に予算を回さないからこうなっているのだという批判から、自分たちを守ろうとした。 ジョンソン氏の反応は、この写真を見せようとした民放ITV記者の質問をさえぎるというものだった。写真を見るよう記者に繰り返し促されても当初は見ようとせず、挙句には写真が収められている記者のスマートフォンを取り上げ、「あとで検討するから」と言いながら自分のポケットに入れる始末だった。 この振る舞いを機に、首相は批判への対応が必ずしも上手ではないし、共感の表現に苦労することもあるという従来の認識が、さらに強まる可能性もある。 コービン氏は一気に攻撃に打って出た。保守党は「9年も政権を担い、今ではNHSに予算を回していると主張するが、実際はそうではない。過去9年間で積み上がった不足分さえ、補えていない」と批判した。 コービン氏の信用と思想 その一方で、労働党の党首も批判と無縁ではない。ブレグジットについての発言はあいまいかつ矛盾だらけで、労働党をEU残留を明確に掲げる党にしなかったことで、コービン氏の信用にも傷がついた。 労働党は、2016年の国民投票で圧倒的に離脱を支持した選挙区と、圧倒的に残留を支持した選挙区の両方で、議席を確保したいという難しい立場にある。そのためコービン氏は、残留派も離脱派も両方取り込もうとしてきたが、むしろ両方の反発を買ってしまったようだ。 しかし、今月に入ってウェールズ北部を遊説するコービン党首を追いかけたが、彼はめったにブレグジットに触れず、国の医療制度に投資し充実させるという公約を繰り返していた。 そのほか、近年の労働党は反ユダヤ主義が党内にはびこっていると指摘されてきたものの、コービン氏は党首として対応が不十分だと批判されている。ほかにも、コービン党首が党内の穏健派を追い出した、あるいは、北アイルランドの分離独立を目指すアイルランド共和軍(IRA)に同情的だったとも、批判されている。 6日に行われた最後の党首討論会では、ジョンソン氏もコービン氏とIRAの関係を取り上げて攻勢に出た。ブレグジットの際に北アイルランドをどう扱うかについて、ジョンソン氏の計画をコービン氏が批判しようとしたからだった。イギリスの一部の北アイルランドと、EU加盟国のアイルランドの間にある地続きの国境を、開放されたままにするにはどうすればいいか、この一見どうにも解決しにくい問題が、ジョンソン氏の離脱案で大きな争点になっている。 労働党のマニフェストはコービン氏の社会主義的な姿勢を反映したもので、党内穏健派もこれには批判的だ。コービン氏はさらに、増税を提唱し、郵政や水道や電気・ガスなどの国有化、週休3日制の導入などを呼びかけている。 ブレグジット選挙 今回の選挙は、歴史書にブレグジット選挙として記録されるだろう。 ジョンソン氏自身、前任のテリーザ・メイ氏がEU離脱協定を議会通過させられなかったことを受けて首相に就任した。だからこそ、保守党は「Get Brexit Done(ブレグジットを実現しよう)」を掲げて運動し、労働党が伝統的に優勢な離脱派の選挙区を奪おうと努力している。 しかし、ジョンソン首相の選挙活動はそれ以上に、安定過半数の確保を重視している。実現できれば、2017年以来だ。ジョンソン氏によると、ブレグジットも、EUやアメリカとの新たな通商協定も、国民保健サービス(NHS)への投資拡大も、教育も、全てが保守党単独政権の成立にかかっている。 ジョンソン氏にとって、英米関係は危うい問題だ。アメリカとの「特別な関係」は、可能性と危険を同時にはらんでいる。 ドナルド・トランプ米大統領は、イギリスでは非常に不人気だ。ロンドンのサディク・カーン市長との確執や、イギリス政治に関する数々の不謹慎なツイート、駐米イギリス大使に対する辛らつな扱いなどを通じて、トランプ氏は多くのイギリス人にとって好ましくない人物となっている。 労働党とコービン党首は、ジョンソン氏とトランプ氏の親密な関係につけ込み、英米通商協議でイギリスの医療制度が「取引対象」になっていると示唆している。 こうしたことから、コービン氏とトランプ氏による英米関係は、よく見積もっても厳しいものになるはずだ。 他党の動向は? 二大政党の党首が苦労していることで、小さな政党にも戦う余地が生まれたという意見もある。自由民主党やブレグジット党、スコットランドのスコットランド国民党(SNP)、ウェールズのプライド・カムリなどが支持を拡大している。 SNPは、前回に続いて議席増を見込んでいるようだ。しかし他の党は、接戦が見込まれる選挙区で候補者を調整するなど、戦術的投票に向けた協力や努力をしているにもかかわらず、苦戦している。 その代わり、イギリスのほとんどの地域では結局のところ、労働党と保守党という二大政党の争いになりそうだ。そして、それぞれの党首の対照的な性格や政治指向が、焦点になりそうだ。 ジョンソン首相は、身だしなみも台本も気にしないことが多い。声高にブレグジット支持を叫び、自党を保守ポピュリズムの方向へ押し出している。ジョンソン氏をトランプ大統領と直接比較しようとしても、細かい部分では一致しないことが多い。しかし、自らの政策実現のためなら規範や伝統を脇に追い出すし、従来の秩序を大きくかき乱す存在だという意味で、ジョンソン氏はトランプ氏と同じだ。 一方、2015年に労働党党首となったコービン氏は、同党でここ数十年なかったほどの決定的な左翼化を体現する存在だ。アメリカで例えるなら、コービン氏の台頭は、バーニー・サンダース米上院議員が民主党で党首になるに等しい。 現在の労働党は、トニー・ブレア氏やゴードン・ブラウン氏が政権を握っていた2000年代とは、かなり違う政党だ。 イギリスの有権者の多くも、ここ10年の出来事を振り返り、イギリス自体もかつてとはかなり違う国なのではないかと考えているかもしれない。 それでも12日には、現在のイギリスが果たしてどういう国なのか、その形が次第に明らかになるはずだ。 (英語記事 General election 2019: Why this UK vote is a huge deal)

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    アウンサンスーチー氏、虐殺の訴えは「不完全」 ロヒンギャ裁判で反論

    ャ虐殺めぐる国際裁判始まる、アウンサンスーチー氏も出廷 ロヒンギャの村、潰され政府施設に一変 BBCがミャンマーで取材 ロヒンギャ虐殺 ミャンマー兵に懲役10年のはずが「すでに釈放」 従来の主張をなぞる アウンサンスーチー氏は法廷で、多くのロヒンギャが暮らしていた西部ラカイン州の問題は、何世紀も前にさかのぼると指摘。 ミャンマー政府は、同州における過激派の脅威と戦っており、暴力行為は「内政上の武力衝突」だと主張した。 これは、同国のかねてからの立場を維持するもの。 アウンサンスーチー氏はまた、武力衝突の発生は、ロヒンギャの武装勢力による政府治安部隊への攻撃がきっかけだと述べた。 虐殺、レイプの証言には一切触れず 一方、軍が過度の武力行使をした場合もあったかもしれないと認める場面もあった。 アウンサンスーチー氏は、もし戦争犯罪に当たる行為があれば「兵士は訴追される」と述べた。 さらに、ラカイン州を離れた人々について、安全な帰還を実現すると宣言。裁判所に対し、紛争を悪化しかねない、いかなる行為も避けるよう強く求めた。 BBCのニック・ビーク・ミャンマー特派員によると、アウンサンスーチー氏は、軍が民間人を銃撃の対象にしていたことを認めた。 しかし、ミャンマーは戦争犯罪人を法で裁くと主張。国が積極的に悪事を捜査しているのに、なぜそれを集団虐殺と呼べるのかと裁判所に問いかけた。 この日、アウンサンスーチー氏はほんの一瞬、ビーク特派員がこれまで聞いたことのなかった自責の念を示した。ロヒンギャの名前は出さずに、バングラデシュに逃げた人々の「苦難」について語ったのだった。 それでも、前日に3時間にわたってアウンサンスーチー氏が耳にした、集団殺害やレイプ、放火の証言については、ひとことの言及もなかった。 自由を奪った軍を擁護 かつて民主主義の象徴として国際的に称賛されたアウンサンスーチー氏は、ロヒンギャに対する軍事作戦が始まる前の2016年4月から、ミャンマーの実質的な指導者をつとめている。 軍に対する直接の権限はもたない。しかし国連の調査団は、アウンサンスーチー氏が掃討作戦に「共謀していた」とみている。 アウンサンスーチー氏は今回、自分を長年にわたり自宅軟禁していた軍を擁護するため、法廷に立っている。 難民たちの受け止めは? バングラデシュ・コックスバザール県のクトゥパロン難民キャンプでは、テレビで法廷の中継を見ていた難民たちから、「うそつき、うそつき、恥を知れ!」と大きな声が上がった。 「彼女はうそつきだ。とてつもないうそつきだ」。アブデュル・ラヒーム氏(52)は、コミュニティセンターでそう話した。 一方、ハーグの裁判所の近くでは、ロヒンギャ支援のデモ隊が、「アウンサンスーチー、恥を知れ!」と声を張り上げた。 アウンサンスーチー氏とミャンマー政府を支持する約250人も裁判所前に参集。アウンサンスーチー氏の顔と「あなたの味方だ」の文字が書かれたプラカードを掲げた。 呼びかけ人の1人で、現在はヨーロッパで暮らすビルマ国籍のフォフュタント氏は、「世界はアウンサンスーチー氏に対し、もっと辛抱強くあるべきだ」とBBCに語った。 「私たちは彼女を支持し、今も信じている。私たちの国に平和と繁栄をもたらし、このとても複雑な状況を解決できるのは彼女しかいない」 原告はアフリカの小国 この裁判では、イスラム教徒が多数を占める西アフリカの小国ガンビアが、多くのイスラム教国を代表して原告となっている。 同国のアブバカル・マリー・タンバドゥ司法長官兼法相は10日の法廷で、「ガンビアが求めているのは、ミャンマーに無意味な殺人を、我々の良心にショックを与え続けている残虐行為を、国民に対する集団虐殺を止めさせることだ」と話した。 タンバドゥ氏は10月、BBCの取材に対し、バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプを訪れ、殺人や強姦、拷問について話を聞き、原告になることを決めたと話している。 ミャンマーへの疑惑 2017年初め、ミャンマーには100万人のロヒンギャがいた。その大半は、西部ラカイン州に住んでいた。 しかしミャンマーはロヒンギャを不法移民と見なし、市民権を与えていない。 ロヒンギャは長い間迫害されていたが、2017年にはミャンマー軍がラカイン州で大規模な軍事作戦を開始した。 ガンビアがICJに提出した訴状によると、ミャンマー軍は2016年10月から2017年8月にかけ、ロヒンギャに対する「広範囲かつ組織的な一掃作戦」を実施したとされる。 この一掃作戦で、ミャンマー軍は大量殺人や強姦、「住民を閉じ込めた状態での」建物への放火などによって「ロヒンギャを集団として、全体あるいはその一部を破壊しようとした」とガンビアは主張している。 国連も証拠を入手 国連の事実調査団も数々の明白な証拠を見つけ、ラカイン州でのロヒンギャに対するジェノサイドについて、ミャンマー軍を調査すべきだとの結論に至った。 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は8月、ミャンマーの兵士が「女性や少年少女、男性、トランスジェンダーの人々に対し、強姦や集団強姦といった暴力的かつ強制的な性行為を繰り返し、組織的に行った」とする報告書を発表している。 5月には、ラカイン州イン・ディン村でロヒンギャの男性10人を殺害した件で有罪となった兵士7人が、すでに釈放されていたことが明らかになった。 ミャンマー当局は、軍事作戦はロヒンギャの武装勢力を標的にしたものだと主張。ミャンマー軍も内部調査で問題がなかったことを発表している。 虐殺認定には数年かかる見通し ガンビアはICJに対し、ミャンマー国内外のロヒンギャを脅威や暴力から守る「一時的な措置」を講じるよう求めている。これは、承認されれば法的拘束力を持つ措置となる。 ミャンマーがジェノサイドを行ったという判決を出すには、ICJは同国がロヒンギャの「全体あるいは一部分を破壊しようと意図していた」ことを明らかにする必要がある。 ただ、この判決には強制力がなく、アウンサンスーチー氏や軍高官らが自動的に逮捕され、起訴されるというわけではない。 しかし有罪が確定すれば国際的な制裁につながる可能性があり、ミャンマーの評判や経済に多大なダメージを与えることになる。 今回の審理は3日間にわたり、ロヒンギャ保護の一時的措置をICJが承認するかが焦点だ。ただ、ジェノサイドの認定には数年がかかるとみられている。 ロヒンギャの現在の状況は? 軍事作戦が始まって以降、数十万人のロヒンギャがミャンマーから逃亡している。 9月30日時点で、バングラデシュには91万5000人のロヒンギャ難民がいる。うち8割は2017年8~12月に到着した人たちだという。 バングラデシュは今年3月、これ以上の難民は受け入れられないと発表。8月には自主帰国スキームを立ち上げたものの、これに応じた人はいないという。 また、ロヒンギャ難民10万人をベンガル湾の小さな島に移住させる計画も立ち上がったが、39の人道支援団体や人権団体などがこれに反対した。 9月には、BBCのジョナサン・ヘッド東南アジア特派員が、ロヒンギャ住んでいた村々が破壊され、警察の官舎や政府の建物、難民キャンプがつくられていることを突き止めている。 (英語記事 Suu Kyi rejects genocide claims at top UN court)

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    【英総選挙2019】 「戦術的投票」とは? 影響はあるのか

    その人や政党に入れたいのか、自分で判断しなくてはならないのだ。 <この記事について> この記事は、BBC外の専門家にニュース解説の寄稿を依頼したものです。 スティーヴン・フィッシャー氏は政治社会学の准教授で、オックスフォード大学トリニティ・コレッジのフェロー。 (英語記事 General election 2019: What difference could tactical voting make?)

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    【英総選挙2019】 各党の党首、投票前日に最後の演説 

    野党・労働党のジェレミー・コービン党首は11日、ロンドンで最後の選挙活動を行った。 ジョンソン首相はBBCの取材に対し、「ブレグジット(イギリスのEU離脱)を実現しなければイギリスは前に進めない」と、主要公約を繰り返した。 一方のコービン氏は、国民は「公共サービスが資金不足のままでは」国の運営は不可能だと「深く理解している」と述べ、国民健康サービス(NHS)改革をアピールした。 投票は午前7時(日本時間午後4時)に始まり、午後10時の締め切り後、即日開票される。 <関連記事> 【英総選挙2019】 「戦術的投票」とは? 影響はあるのか 【英総選挙2019】 仕組みを簡単に解説 【英総選挙2019】 ジョンソン首相の議席はどうなる? 激戦区の大物議員たち 【英総選挙2019】 EU残留派と離脱派はどう投票するつもりか  「素晴らしい方針」 BBCのローラ・クンスバーグ政治編集長とのインタビューでジョンソン首相は、選挙は「接戦」になると予想していると話し、「一票がものを言う」と述べた。 勝つ自信はあるかという質問には、「我々はイギリスにとって最高のプログラム、素晴らしい方針を持っていると思う。この国全体を一致させ、ひとつ上の段階へ押し上げたい」と語った。 また、NHSに毎年、追加予算を付ける法案や、2万人の警官増員といった保守党の計画は「とてつもなく野心的だ」と話した。 「我々はこの計画の全てを実現できる。しかしブレグジットで政治がまひしていては不可能だ。前に進まなければならない。 ベッド不足で病院の床に寝かされている4歳男児の写真を見ることを拒否し、批判を浴びたことについて尋ねられると、「NHSで悪い経験をした人にはもちろん、非常に同情している」と答えた。 「誰もがそういう経験があるし、救急外来で嫌な経験をした人なら誰でも、あの家族の気持ちがよく分かるだろう。だからこそ私はNHSに投資し、イギリスを前進させることに集中したい」 その上で、「ブレグジットを実現しなければイギリスは前に進めない」と強調した。 ロンドンで行われた最後の集会で、ジョンソン氏は「膠着(こうちゃく)状態を打破するまであと24時間だ」と話した。 演説では、保守党政権は「我々の子どもたちや孫たちに生きるに値する未来を与えられるようにする」と述べ、「ブレグジットを実現し、共にこの素晴らしい国を前進させよう」と締めくくった。 「素晴らしいメッセージ」 労働党のコービン党首はクンスバーグ編集長の取材で、保守党が確実にリードしているとする世論調査の専門家らが「状況を間違ってみているかもしれない」という「予感」がすると語った。 「我々はイギリス全土を回ったが、各地の労働党支持者が情熱を持って協力し、我々のメッセージを伝えてくれる様子は素晴らしかった。そして、そのメッセージは伝わったと思う」 「労働党への支持は拡大していると思うし、国民の間には、公共サービスが資金不足のままでは、そしてブレグジットや対米通商交渉について誠実でない政府では、立ち行かなくなるだろうという深い理解がある」 また、ジョン・アッシュワース影の保健相を含む一部の候補者が、労働党の勝算を懸念していることについて尋ねられると、「(選挙の行方を)心配しない候補者がいたら教えてほしい」と返した。 「候補者になれば心配はつきものだ。でも、我々はこの選挙に勝つつもりだ」 13日に労働党政権が成立していた場合、まず何をするかという質問には、「イギリスの最悪な貧困に対処する」と、ホームレス対策を挙げ、「非常に早く、緊急に何かをしなければならない。それが我々がしようとしていることだ」と話した。 同じくロンドンで最後の集会を開いたコービン氏は、「イギリスは文字通り分岐点にいる」と話した。 また、今回の選挙は史上「最も選択肢が明確なものだ」と述べ、労働党は「これまでにない方法」で富と権力を再分配すると支持者に語りかけた。 演説の最後には、「私のギターは金持ちのためじゃない。そんなものじゃない。私の歌は星をつかむためのはしごだ」と、チリで社会改革を促した歌手ヴィクトル・ハラの歌詞を引用した。 他の野党党首も最後のアピール 11日には、他党の党首もイギリス各地を飛び回り、支持を訴えた。 ブレグジット中止を掲げる自由民主党のジョー・スウィンソン党首は、自分たちに投票すればブレグジットを中止できると述べ、「イギリスは、ボリス・ジョンソンやジェレミー・コービンが言うただ一つの道よりも、もっと良いところに行ける」と話した。 スコットランド国民党(SNP)のニコラ・スタージョン党首も、公共サービスへのさらなる補助金削減を止め、「スコットランドが、意思に反してEUから引きずり出されないようにする」ために投票を呼びかけた。 一方、ブレグジット党のナイジェル・ファラージ党首は、ジョンソン首相のEU離脱協定に対して警告を発し、支持を訴えた。 緑の党のシャーン・ベリー、ジョアナサン・バートリー共同党首らは、今回の選挙を気候問題に対する政治的審判の瞬間にするべきだと話し、自分たちは二酸化炭素排出量の目標達成に向けて適切な対策が確実に実施されるようにすると約束した。 (英語記事 Johnson and Corbyn make last pitches of campaign)

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    【英総選挙2019】 総選挙当日、投票は午前7時(日本時間午後4時)から

    提出した解散総選挙法案を可決。総選挙で膠着(こうちゃく)状態が打破されるかどうかが注目されている。 BBCの天気予報によると、12日はイギリス各地で雨が予想されている。最高気温はロンドンで8度、スコットランドのエディンバラでは5度、ウェールズのカーディフは9度、北アイルランドのベルファストは7度の予報だ。 選挙監視団は投票開始に先駆け、投票所内でのセルフィー(自撮り)や写真撮影は法律で禁じられていると警告している。 (英語記事 Voters to head to polls for UK general election)

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    アウンサンスーチー氏を支持する人、しない人  ロヒンギャ問題

    2019年12月11日 15:44 公開 ミャンマーのアウンサンスーチー国家顧問兼外相は、ミャンマー軍によるイスラム系少数民族ロヒンギャに対するジェノサイド(集団虐殺)をめぐり、国際司法裁判所(ICJ)に出廷している。 同国の首都ヤンゴンでは、スーチー氏を支持する人たちがデモ行進を行った。 一方、バングラデシュに逃れているロヒンギャ難民は、スーチー氏はジェノサイドを知っていたはずだと訴え、正義の実現を待ち望んでいる。

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    【英総選挙2019】 病院の床に横たわる男児、写真をめぐる情報戦

    2019年12月11日 15:33 公開 BBCリアリティーチェック(ファクトチェック)チーム、BBCモニタリング 12日の総選挙を目前に、英国民保健サービス(NHS)の状態が最重要課題に躍り出た。1枚の写真によって。そして、選挙最終盤に各地を遊説するボリス・ジョンソン英首相にとって、この写真を見ようとしなかったことが話題になった9日は、大変な1日となった。それとともに、この写真を「やらせ」だと言う同じ内容の投稿が、複数のソーシャルメディアで拡散された。 今月初めに英イングランド北部リーズの総合病院に救急車で運ばれた4歳のジャックちゃんは、肺炎の疑いがあったが、医師の診察を受けるまでの間、ベッドが足りず4時間も床に寝かされていた。 病院はすでにジャックちゃんの家族に謝罪しており、医療部長のイヴェット・オアデ医師は、「非常に大勢」が救急外来を受診しに集まっていたため、ベッドをジャックちゃんに提供できなかったことを「本当に申し訳ない」とコメントしている。 しかしながら、病院がこうして声明を出しているにもかかわらず、この写真は「やらせ」だという投稿がソーシャルメディアに出回り始めた。いったい出どころはどこなのか。 ジャックちゃんの写真は最初に、地元紙ヨークシャー・イヴニング・ポストと英紙ミラーの一面に掲載された。撮影したのはジャックちゃんの母親だ。 母親のサラさんによると、救急外来に着いてすぐジャックちゃんはベッドに寝かされ酸素吸入の処置が始まった。しかし、数時間後にはベッドはほかの患者に必要で、ジャックちゃんは4時間以上、ベッドに寝ることができなかった。 そこでサラさんは床に数着のコートを敷き、息子を横にならせて、写真を撮った。 ミラー紙に掲載されたこの写真を、民放ITVの記者が9日、スマートフォンでジョンソン首相に見せようとしたところ、首相はなかなか写真を見ようとせず、NHS対策の重要性を繰り返しながら、記者のスマートフォンを自分のポケットに入れた。記者に指摘されて首相は電話を返したが、ジョンソン首相の一連の対応は英国内で厳しく批判された。 ITV記者がツイートしたジョンソン氏とのやりとりの動画は、11日までに1130万回以上再生されている。 やらせ写真だというデマ投稿 ITV記者とジョンソン首相のやりとりから間もなく、ジャックちゃんの写真は母親によるやらせだと主張する投稿がフェイスブックに上がった。リーズ病院の看護師をしている「親しい友達」から聞いた話だとして、男児は実は担架に横になっていたのに、母親が床に寝させてこの写真を撮り、男児はまた担架に横になったのだという内容だ。 投稿は続けて、男児は20分待っただけで診察してもらったし、「自分も看護師なのでこういうフェイクニュースには本当に腹が立つ、確かにNHSはひどいことになってるけど、それはもっぱら悪用する人たちがいるからなのと、高齢者ケアが足りないから。悪口ばっかり言うんじゃなくて、がんばっている看護師や医師のことを考えてあげて。またしてもプロパガンダ話が話題になった。みっともない」などと書いている。 これが最初にフェイスブックに投稿されたのはおそらく、12月9日の午後6時半(日本時間10日午前3時半)ごろだ。少なくとも2万回はシェアされたこの投稿は、今では削除されている。 BBC報道番組「ニュースナイト」はこの投稿をしたアカウントの持ち主に取材をした。アカウント主は匿名希望の50代女性で、実際はリーズ総合病院で看護師をしている親しい友達はいないのだという。 アカウント主の女性によると、9日午後に古い同級生だと名乗る人が「友達」申請をしてきた。その人に覚えはなかったものの、申請に応じて、その人のフェイスブック・ページを見に行った。 そこで病院についての投稿を目にしたため、コピーペーストして自分のアカウントから投稿した。するとたちまち広まり拡散されたため、自分は仕組まれた何かにひっかかったのではないかと疑い始めた。この女性はその後、複数のソーシャルメディアに持っていたアカウントを削除した。 このフェイスブック投稿と同じ文章の投稿が数時間の内に、ツイッターにも登場し始めた。 保守系英紙デイリー・テレグラムのコラムニスト、アリソン・ピアソン氏や保守党のマイケル・ファブリカント下院議員が、同じ内容をツイッターで広めたのを機に、ツイッターでも勢いを増して拡散するようになった。 ピアソン氏は「床に寝た子供の写真がなぜ『100%フェイク』か、小児科看護師たちから詳細に解説してもらった。水曜日にテレグラフに書く。やらせ写真を撮る。義憤を巻き起こす。写真を疑う人たちを、思いやりが足りないと非難する。ひどい」とツイート。これを、ファブリカント議員がリツイートした。 フェイスブック社は後に、「自分の知り合いの看護師が……」という投稿は、ファクトチェック組織「フルファクト」によって事実ではないという評価を得たため、今後はそのように読者に注意喚起すると述べた。 「今でも共有されているのなら、利用者のフィードのずっと下の方にしか出ないし、その場合も『ニセ情報』と灰色で上に表示され、フルファクトの説明へのリンクが貼られている」と同社は説明した。 ベッドはあったというデマも 別のフェイスブック投稿は、写真で男児の隣にあるものはベッドなので、写真はやらせだと主張した。しかし、病院はジャックちゃんの家族への謝罪で、ベッドはなかったと言明している。 「処置室には椅子しかなくて、ベッドがありませんでした。本当にごめんなさい」と病院は述べている。 ベッドはあったという説は最初に、フェイスブック上のブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)支持グループに投稿され、同様のアカウントが次々にシェアした。やがて、同じ内容がツイッターにも登場した。 さらに別のツイートは、自分はかつて小児科の救急外来や小児集中治療室の看護師だったという前置きと共に、ジャックちゃんが使っている酸素マスクの種類から、そのマスクがそれほど膨らむほどの酸素が必要だったなら呼吸を観察する必要があるし、カニューレを入れて頭を起こしてるはず」と書いている。複数のアカウントがこれと同じ文章の内容をツイートしたり、リツイートしたりした。 デイリー・メールのピアソン記者にこの内容をツイートした「@PickleBertie」というアカウントは、すでに削除されている。しかし、アーカイブ保存された過去のツイートを見ると、誰のものか分からない犬と英国旗のストック写真のような写真など、匿名性が非常に高い内容の投稿内容で、名前などの個人情報もなく、他のソーシャルメディア・アカウントへのリンクもない。 (英語記事 General election 2019: The misinformation war over the boy in the hospital)

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    アウンサンスーチー氏、平和の象徴がジェノサイド裁判へ

    2019年12月11日 14:18 公開 ミャンマーのアウンサンスーチー国家顧問兼外相は、軍事政権下で民主化を訴え、長年の自宅軟禁を強いられた。 その努力によりノーベル平和賞を得たスーチー氏は、平和と人権のシンボルとなった。 2015年11月の総選挙で、ミャンマーの事実上の指導者となったスーチー氏は現在、ミャンマー軍によるイスラム系少数民族ロヒンギャに対するジェノサイド(集団虐殺)をめぐり、国際司法裁判所(ICJ)に出廷し、軍を擁護している。 動画:ニック・ビーク、テッサ・ウォン

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    イギリス人は実は結束している? 平等や権利、社会問題の価値観で

    2019年12月11日 12:56 公開 ルーシー・ロジャース、BBCニュース 2016年に行われた欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票以降、イギリスは地理や収入、教育、年齢などで分断されていると言われている。 しかし、EU残留派と離脱派の対立構造にもかかわらず、実際にはイギリス人の多くがさまざまな事柄で一致し、以前よりも自由主義的な社会観を共有している。 最新の世論調査から、イギリス人は実はどういう事柄で一致団結しているのかを紹介する。 1. パートナーには誠実に BBCニュースが調査会社コムレスに委託した世論調査によると、イギリス人の99%が「非常に」あるいは「いくらか」の度合いで、パートナーに対して誠実でいなくてはならない、そういう責任があると答えた。 男女別に見ると、女性の86%が相手に誠実である責任を「非常に」に感じると答えた。男性で同じ回答をしたのは79%だった。 また、男性の中では年齢が高いほど、パートナーへの責任を強く感じているという結果が出た。「非常に強く責任を感じる」と答えたのは55歳以上の男性では87%だったのに対し、16~24歳では66%だった。 女性では、55歳以上の81%、16~24歳の84%が、パートナーへの責任を非常に感じると答えた。 2. 同一労働には同一賃金の原則 毎年行われている「イギリスの社会的態度(BSA)」調査によると、ほぼ全ての国民が男女の賃金平等の原則を支持している。 この調査では89%の人が、同じ職場で同じ業務を行っている場合、男女で賃金に差があることは「非常に」あるいは「いくらか」間違っていると答えた。 内訳を見ると、大学を卒業した人では92%が賃金は平等であるべきだと答えている。大学卒業資格がない人でも、78%が賃金格差を間違っていると話した。 ただ、「非常に間違っている」と答えた人は女性では78%。男性では57%と、性別によって違いが出ている。 3. 家事も育児も女性だけのものではない BSAによると、女性が「家庭を守り」、男性が「稼ぐ」という考え方を否定したイギリス人は、全体の4分の3に上った。 回答者は、女性の役割は家庭以外にもあるという意見だけでなく、何かの仕事が性別限定的だという認識もなかった。 また、イギリス人の多くは、医師や地方議会議員、下院議員などを含むさまざまな職業で、男性と女性に同じだけ適性があると考えている。調査では、男女共に「適性がある」職業について、回答者の半数が「全ての職業」あるいは「ほぼ全ての職業」だと答え、3分の1が「大半の職業」と答えた。 育児休暇についての質問では、2012年と2019年の調査で大きな差が出た。イギリスでは、子どもが生まれたり養子を迎えた場合に50週の育児休暇が与えられ、パートナーとの間で自由に分ける制度がある。 「母親が育休の全てを使うべきだ」と答えた人は2012年には16%だったが、2019年には12%に減った。 「母親が大半を、父親が少しだけ使うべきだ」と答えた人は、2012年の43%から2019年には40%に下がった。 これに対し、「父親と母親で半分ずつにすべきだ」という回答した人は2019年には34%に上り、7年前の22%から大きく伸びた。 BSA調査を実施する国立社会研究センターのナンシー・ケリー副所長は、女性の役割や権利、男女の関係についてイギリス人の捉え方がいかに変わったか、ここ数十年のこの調査結果から見て取れると説明。「特に印象的な」変化のひとつだと話す。 また、政治的にはブレグジット(イギリスのEU離脱)で分断されているように見えるイギリスだが、さまざまな社会問題については「とても、とても団結している」と分析した。 「社会的には、イギリス人はどんどん自由主義的になっていることが分かる。これは、政治的な分断と『文化戦争』と呼ばれるものが並行しているアメリカとは、大きく違う点だ。我々のデータからは、そのような現象は見られない」 その上でケリー氏は、こうした傾向は長期的に続いており、今後も続くと期待されていると話した。 4. 同性愛関係は「まったく間違っていない」 BSAの調査では、成人の同性愛関係について「まったく問題がない」と答えた人は全体の3分の2に上り、1983年に初めてこの質問が作られた時の解答から50%増えた。 同性愛関係を認める意見は、エイズ危機が起きて政府が「Don't die of ignorance(無知で死ぬな)」と呼びかけるエイズ阻止キャンペーンを行なった1980年代に、いったん下がった。しかしその後、1990年代に入ってからは堅調に、同性愛を受容する傾向は拡大している。 BSAの調査チームによると、この増加傾向は世代の変化によるものだけではない。高齢層や特定の宗教を信じていない人も、より自由主義的な考え方をするようになっているという。 一方で、様々な性的関係を受け入れる自由な態度の拡大は徐々に失速しているという結果も出ている。成人の同性愛関係について「まったく問題がない」と答えた人の割合は、過去3年でほとんど変わっていない(64%、68%、66%)。 調査チームは、同性愛を快く思わない人たちが少数ながら一定数いるとみており、「もしかしたら宗教を持つ人と持たない人の分断を表しているかもしれない」と話した。 5. 人工妊娠中絶の権利を支援 女性の健康が危険にさらされている場合には人工妊娠中絶を支持すると答えた人は、2016年の調査で92%だった。 また、女性が子どもを望まない場合にも中絶を支持すると答えた人は、2005年の60%から69%に増えている。 6. 科学と科学者を信じている BSAの調査では、85%の回答者が、大学に所属する科学者が「公共の利益のために働いている」と信頼していると答えた。企業に勤める科学者にも67%の支持が集まった。 さらに医療分野では、向こう数十年の「生活の質を向上させてくれている」と答えた人が94%に上った。 一方、科学者が「研究の出資者についてオープンかつ誠実」だと信頼しているかという質問では、大学所属の科学者については67%、企業勤めの科学者では58%が「とても信頼している」あるいは「やや信頼している」と答えている。 特に、大学卒業資格のある人や、経営者、専門職についている人は大学所属の科学者への信頼が厚く、90%が信頼を寄せていると答えた。 大学卒業資格がない人では、73%が科学者を信頼すると答えた。 「専門家」への信頼が薄れているといわれる中、BSAの調査チームは、「権利を奪われた人々が科学に背を向けている」証拠はほとんどなかったと話している。 7. 国民保健サービス(NHS)への信頼 シンクタンクのキングス・ファンドが調査会社イプソスモリに委託した調査では、回答者の77%がイギリス社会でNHSは重要な役割を持っていると述べた。 NHSへの信頼は、政権や経済の変化を受けてもほぼ一定に保たれているという。 また、NHSの3つの原則である「無償提供」、「誰もが包括的なサービスを受けられること」、「主に税金による運営」を支持する人は90%に上った。さらに驚くべきは、回答者の3分の2が、NHSを継続させるための増税に賛成したことだ。 一方、BSA調査では、NHSのサービスへの満足度は下がり続けている。2018年の調査での満足度は53%と、前年から3ポイント下がり、2007年以降で最低を記録した。 8. 王室への信頼は重要 BSA調査によると、イギリス人の10人に7人が、王室を維持することが「非常に重要」あるいは「とても重要」だと答えた。 王室への支持は1980年代から1990年代にかけて下がっていた。1983年には83%あった支持率は、1994年には66%にまで落ち込んだ。これはチャールズ皇太子がダイアナ妃と離婚した頃だ。 1997年のダイアナ妃の死後、支持率は2003年に最低を記録した後、徐々に回復している。エリザベス女王の在位60周年記念だった2012年には76%に達した。 ここ数年、王室では大きなイベントが相次いだ。2011年にはウィリアム王子とキャサリン妃が、2018年にはハリー王子とメガン妃が結婚し、出産ラッシュを迎えた。 9. 気候変動の一部は人間活動が原因 2018年の欧州社会調査によると、イギリス人の95%が、気候変動の少なくとも一部は人間活動が原因だと考えている。 気候変動の原因が「すべて」あるいは「主に」人間活動にあると答えた人は全体の36%に上り、「人間と自然に同じだけ原因がある」とした人は53%だった。 一方、気候変動は「まったく起こっていない」と思っている人はわずか2%にとどまった。 10. サー・デイヴィッド・アッテンボロー、医療慈善団体、ハインツケチャップ、レゴ、グーグルマップ……イギリス人の愛するもの 社会的視点ではなく好きなものや人に絞った場合、有名人や慈善団体、食べ物に支持が集まった。 調査会社YouGovが行った調査「イギリス人が愛する100のもの」では、自然界のドキュメンタリーで世界的に有名なサー・デイヴィッド・アッテンボローが87%でトップに立った。 これに、心臓疾患の支援団体「British Heart Foundation」や応急措置を行う民間奉仕団体「セント・ジョン救急隊」、がん患者の支援団体「Macmillan Cancer Support」などが続いた。 有名人では7位に俳優のトム・ハンクス氏、9位に科学者のマリー・キュリー、14位に映画監督のスティーヴン・スピルバーグ氏が入っている。 また、食品では8位にハインツ、12位にチョコレートのマルティーザーズ、16位にマクヴィティのミルクチョコクッキー、19位にキットカットが入った。 IT系では、11位にグーグルマップ、17位にグーグル、20位にアマゾンが入り、企業では13位にソニーが入った。 レゴは10位だった。 全体では、100種類のうち19種類が慈善団体だったほか、4分の1が俳優などの有名人、4分の1が食品だった。 追伸:EU離脱派と残留派は、それほど分断されていない バース大学心理学科のポール・ハネル博士によると、イギリス人はEU離脱派か残留派かに関わらず、多くの問題について共通の意見を持っているという。 ハネル博士の調査では、貧困や気候変動、住宅問題、イギリス人のアイデンティティー、生活満足度、地域社会に関わる重要性といった点で、離脱派と残留派の意見は90%一致している。 移民やアイデンティティーといった、最も分断につながりやすいとされるトピックでさえ、両者は50%以上の一致度を見せたという。 ハネル博士は、「相違点」にフォーカスすることで離脱派と残留派の差異が過大評価されていると指摘。共通点が数多くあるという証拠が、ブレグジットによって生まれた傷をいやしてくれるのではないかと話した。 「誰かと話すとき、思った以上に共通点がある方が話しやすいのだから」 記事デザイン:マーク・ブライソン、ジョイ・ロクサス、サナ・ジャセミ (英語記事 10 reasons why we're not a divided nation)

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    サウジアラビア、飲食店の男女別の入り口を廃止に 設置判断は店側に委ねると

    2019年12月11日 12:04 公開 サウジアラビア政府は8日、女性が家族以外の男性と同席しないよう、飲食店に義務付けていた男女別々の入り口を廃止すると発表した。 サウジアラビアの飲食店では従来、家族連れや女性客専用の入り口と、男性客専用の入り口を設置する必要があった。しかし実際には、多くのレストランやカフェなどは、密かにこうした規制を順守しなくなっていた。 地方自治体当局は9日、飲食店では今後、こうした性別ごとの入り口の設置が不要になると発表。設置するかしないかは店側に委ねるという。 解禁と抑圧と サウジアラビアでは今年8月、女性が男性の許可なく海外旅行できるようになった。2018年6月には、女性の自動車の運転が解禁された。 一方で、活動家は、依然として女性に対して差別的な法律はいくつもあると主張している。 こうした一連の抜本的社会改革では、反対意見の取り締まりが強化されてきた。実際に、複数の著名な女性人権活動家が逮捕されている。 2017年に皇太子に昇格して以降、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子はきわめて保守的なサウジアラビア社会を変えるための取り組みを重ねてきた。 サルマン皇太子による社会改革には、国際社会から称賛が集まったものの、改革には抑圧の波が伴っていた。 2018年10月には政府に批判的だったサウジアラビア人記者ジャマル・カショジ氏が、トルコ・イスタンブールのサウジアラビア総領事館で殺害された。これには、国連の専門家が「超法規的処刑」だと非難するなど、激しい国際的批判が巻き起こった。 国連の特別報告者は今年6月、カショジ氏殺害について、サルマン皇太子と政府高官が関わっていた証拠があると発表している。 対照的に、アメリカのドナルド・トランプ大統領をはじめ、複数の主要国首脳は、サウジアラビア政府を支持し続けている。 (英語記事 Saudi Arabia ends restaurant segregation )

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    ロヒンギャ虐殺めぐる国際裁判始まる、スーチー氏も出廷

    派の脅威に対応したものだと主張している。 ハーグの法廷に入る際、弁護できないものを弁護するのかというBBC記者の質問に、スーチー氏は答えなかった。スーチー氏は11日に弁論する予定。 <関連記事> アムネスティ、スーチー氏の賞を取り消し ロヒンギャ危機 国連はどのように「ジェノサイド」報告書をまとめたのか ロヒンギャの村、潰され政府施設に一変 BBCがミャンマーで取材 ノーベル平和賞受賞者のスーチー氏にとっては、大きな転落の日となった。軍事政権に反発し、人権の象徴とみられていたスーチー氏だが、この日は自分を長年にわたり自宅軟禁していた軍を擁護するために法廷に立った。 この裁判では、イスラム教徒が多数を占める西アフリカの小国ガンビアが、多くのイスラム教国を代表して原告となっている。 審理は3日間にわたり、ロヒンギャ保護の一時的措置をICJが承認するかが焦点だ。ただ、ジェノサイドの認定には数年がかかるとみられている。 ミャンマーにかかる疑惑 2017年初め、ミャンマーには100万人のロヒンギャがいた。その大半は、西部ラカイン州に住んでいた。 しかしミャンマーはロヒンギャを不法移民と見なし、市民権を与えていない。 ロヒンギャは長い間迫害されていたが、2017年にはミャンマー軍がラカイン州で大規模な軍事作戦を開始した。 ガンビアがICJに提出した訴状によると、ミャンマー軍は2016年10月から2017年8月にかけ、ロヒンギャに対する「広範囲かつ組織的な一掃作戦」を実施したとされる。 この一掃作戦で、ミャンマー軍は大量殺人や強姦、「住民を閉じ込めた状態での」建物への放火などによって「ロヒンギャを集団として、全体あるいはその一部を破壊しようとした」とガンビアは主張している。 国連の事実調査団も数々の明白な証拠を見つけ、ラカイン州でのロヒンギャに対するジェノサイドについて、ミャンマー軍を調査すべきだとの結論に至った。 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は8月、ミャンマーの兵士が「女性や少年少女、男性、トランスジェンダーの人々に対し、強姦や集団強姦といった暴力的かつ強制的な性行為を繰り返し、組織的に行った」とする報告書を発表している。 5月には、ラカイン州イン・ディン村でロヒンギャの男性10人を殺害した件で有罪となった兵士7人が、すでに釈放されていたことが明らかになった。 ミャンマー当局は、軍事作戦はロヒンギャの武装勢力を標的にしたものだと主張。ミャンマー軍も内部調査で問題がなかったことを発表している。 ミャンマーを訴えたのは? ICJは国連の最高裁に当たり、原告となれるのは国家のみ。今回の裁判ではガンビアが原告だが、57カ国のイスラム教国から成るイスラム協力機構(OIC)と国際弁護団の支援を受けている。 ガンビアのアブバカル・マリー・タンバドゥ司法長官兼法相は10日の法廷で、「ガンビアが求めているのは、ミャンマーに無意味な殺人を、我々の良心にショックを与え続けている残虐行為を、国民に対する集団虐殺を止めさせることだ」と話した。 タンバドゥ氏は10月、BBCの取材に対し、バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプを訪れ、殺人や強姦、拷問について話を聞き、原告になることを決めたと話している。 スーチー氏はなぜ法廷に? この裁判はスーチー氏個人ではなく、ミャンマーに対するものだ。ICJは個人を裁くことはできない。 一方、国際刑事裁判所(ICC)は個人を裁くことができる。ICCはこの裁判とは別個に、ロヒンギャ虐殺について調査を進めている。 しかし今回の裁判は、スーチー氏本人にも関係がある。 スーチー氏は、ロヒンギャに対する軍事作戦が始まる以前の2016年4月から、ミャンマーの実質的な指導者になった。軍部に対する直接の権限はないものの、国連の調査団はスーチー氏が軍事作戦に「共謀していた」とみている。 ミャンマーの人権状況に関する国連特別報告者を務める李亮喜氏は9月、スーチー氏に対し、「目を開いてほしい。(中略)手遅れになる前に道徳的権限を使ってほしい」と述べている。 スーチー氏は11月、ICJでは外相として、「著名な国際弁護士ら」と共にミャンマーの弁護を行うと発表した。 裁判の行方は? 現時点では、ガンビアはICJに対し、ミャンマー国内外のロヒンギャを脅威や暴力から守る「一時的な措置」を講じるよう求めている。これは、承認されれば法的拘束力を持つ措置となる。 一方、ミャンマーがジェノサイドを行ったという判決を出すには、ICJは同国がロヒンギャの「全体あるいは一部分を破壊しようと意図していた」ことを明らかにする必要がある。 ただ、この判決には強制力がなく、スーチー氏や軍高官らが自動的に逮捕され、起訴されるというわけではない。 しかし有罪が確定すれば国際的な制裁につながる可能性があり、ミャンマーの評判や経済に多大なダメージを与えることになる。 ロヒンギャの現在の状況は? 軍事作戦が始まって以降、数十万人のロヒンギャがミャンマーから逃亡している。 9月30日時点で、バングラデシュには91万5000人のロヒンギャ難民がいる。うち8割は2017年8~12月に到着した人たちだという。 バングラデシュは今年3月、これ以上の難民は受け入れられないと発表。8月には自主帰国スキームを立ち上げたものの、これに応じた人はいないという。 また、ロヒンギャ難民10万人をベンガル湾の小さな島に移住させる計画も立ち上がったが、39の人道支援団体や人権団体などがこれに反対した。 9月には、BBCのジョナサン・ヘッド東南アジア特派員が、ロヒンギャ住んでいた村々が破壊され、警察の官舎や政府の建物、難民キャンプがつくられていることを突き止めている。 (英語記事 Suu Kyi to defend Myanmar at UN genocide hearing)

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    米民主党、トランプ大統領への弾劾条項2項目を発表 権力乱用と議会妨害

    会の公聴会で、共和党側の専門家証人として証言したジョナサン・ターリー・ジョージワシントン大学教授は、BBCに対して、「こうした弾劾に相当する問題行動の法的根拠が問題なのではなく、証拠となる記録が問題だ」と話した。 「事実関係の記録はいまだに不完全で矛盾している。民主党は訴追内容の証拠固めをするより、ともかくクリスマスまでに弾劾するのだと、一点張りで主張してきた。最も性急な調査と最も薄弱な証拠で、現代史上最も範囲の狭い弾劾を通そうとしている」 トランプ氏の問題行動とは 下院民主党による弾劾調査は、情報機関の匿名告発者が今年9月に、トランプ氏とウクライナ大統領との電話会談に問題があったと議会に報告したことを機に始まった。 ホワイトハウスが公表した通話記録によると、トランプ氏は7月25日にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との電話で、来年の大統領選で対立候補になるかもしれない民主党のジョー・バイデン前副大統領とその息子について捜査するよう働きかけていた。 民主党が進めた調査で複数の関係者が証言したところによると、トランプ氏は政敵に対する捜査要求と引き換えに、すでに米議会が承認していたウクライナへの軍事援助4億ドルの再開を提示したほか、ホワイトハウスでの首脳会談の実現を提示したとされている。 ロシアとの対立が続くウクライナはアメリカにとって重要な同盟国。そういう相手にトランプ氏が個人的利益のために圧力をかけたのは大統領権限の乱用だと、民主党は主張している。 トランプ氏はウクライナ政府に対して、バイデン親子の汚職疑惑を捜査するよう働きかけたほか、2016年米大統領選に介入したのはロシアではなくウクライナだという陰謀論を認めるよう要求したとされる。バイデン親子の汚職疑惑はウクライナ当局によって否定されている。ウクライナの選挙介入説は複数の米情報機関が一致して否定し、2016年選挙に介入したのはロシアだと断定している。 <解説> ジョン・ソープルBBC北米編集長 こうなるのは分かっていた。ここ数カ月というもの、私はひたすら弾劾のことばかり報じてきたような気がする。ほかに話題はほとんどなかった。 しかし、下院司法委員会の委員長が、憲法上の表現を使って「重罪と軽罪」で弾劾すると発表するのを聞いたときは、やはり否応なしに鳥肌が立った。いくら最近の政治が日常的に激しく騒がしいものだと言っても、これは決して日常的な出来事ではあり得ない。 もしも下院がドナルド・J・トランプ大統領の弾劾を可決するなら、それは1868年のアンドリュー・ジョンソン元大統領と1998年のビル・クリントン元大統領以来のことだ。アメリカ独立以降このような形で処罰される、実に3人目の大統領ということになる。 しかし、そういうことは歴史書に任せておけばいい。大事なのは次がどうなるかだ。再選を目指すトランプ氏にとってこれは大打撃となるのか、それともアメリカ国民は自分たちの大統領が政敵に襲われていると受け止めるのか。 弾劾条項を発表した民主党は、合衆国憲法を守ることの重要性を強調した。しかし、それを鵜呑みにしてはならない。生々しい政治的計算も働いているからだ。 弾劾手続きとは 合衆国憲法第2条第4節は、「大統領並びに副大統領、文官は国家反逆罪をはじめ収賄、重犯罪や軽罪により弾劾訴追され有罪判決が下れば、解任される」と規定している。 弾劾訴追権は下院が、弾劾裁判権は上院がそれぞれ持つ。 下院でこの弾劾決議案を可決した後、上院が弾劾裁判を行う。上院議員の3分の2以上が賛成すれば、大統領を解任できる。 現在の下院では、定数435議席のうち民主党が235議席を占めているため、弾劾訴追が成立する可能性は高い。 一方の上院は、定数100議席のうち共和党が53議席を占める。解任の動議成立に必要な3分の2以上の賛成票を得るには、多数の共和党議員が造反する必要があるため、大統領が実際に解任される見通しは少ない。 政府と共和党は、弾劾裁判は最長2週間とするよう求めている。 過去の大統領で弾劾されたのは、アンドリュー・ジョンソン第17代大統領とビル・クリントン第42代大統領のみだが、上院の弾劾裁判が有罪を認めなかったため、いずれも解任はされていない。 リチャード・ニクソン第37代大統領は弾劾・解任される可能性が高まったため、下院司法委の弾劾調査開始から3カ月後に、下院本会議の採決を待たずに辞任した。 (英語記事 Trump impeachment: Democrats unveil formal charges)

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    【英総選挙2019】 世論調査は外れてばかり……でもない? 仕組みは

    公開 選挙前の世論調査は信用できるのか。最近は外れがちだという印象があるが、実際はどうなのか。 BBCのジョーイー・ダーソ記者が解説する。

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    トランプ陣営へのFBI捜査に「政治偏向なし」 司法省監察総監

    2019年12月10日 16:51 公開 米連邦捜査局(FBI)が2016年米大統領選のトランプ陣営を捜査したことについて、司法省監察総監室は9日、政治的偏向を示す証拠はないと結論する報告書を発表した。 476ページに及ぶ司法省監察総監室の報告書は、トランプ陣営への捜査に着手したFBIは「正当な承認を得た目的」があったと結論している。その一方で、当時大統領候補だったドナルド・トランプ氏の側近の通話を傍受するための申請には「相当に不正確もしくは不十分な記載」があったと指摘した。 司法省のマイケル・ホロウィッツ監察総監は、トランプ陣営とロシア当局との間に結託があったのかFBIが捜査した「クロスファイヤ・ハリケーン作戦」が、どのように始まったのか、その経緯を調べた。昨年3月に調査を開始し、100万点以上の記録を精査し、170回以上の聞き取り調査を重ねた。 選挙中にトランプ氏の外交顧問だったカーター・ペイジ氏に対するFBIの監視行為が正当なものだったかが、調査の焦点のひとつだった。 大統領選中のトランプ陣営捜査を指揮したジェイムズ・コーミーFBI長官が2017年5月にトランプ氏に電撃解任された後、司法省が任命したロバート・ムラー元FBI長官が特別検察官となり、この捜査を継続した。ムラー氏は今年春に2年近い捜査を終えて報告書を提出。「ロシアの選挙介入行動において、トランプ陣営の関係者がロシア政府と共謀もしくは連携したという事実を確定しなかった」と結論した。一方で、大統領による司法妨害については、「大統領の行動と意図について得た証拠から我々は、犯罪行為はなかったと決定的に断定することができない」と判断を保留した。 FBIの正確性に問題 ホロウィッツ氏は報告書で、FBIが外国諜報活動偵察法(FISA)にもとづき、カーター・ペイジ氏の通話傍受令状をFISA裁判所に申請した際、17件の「相当に不正確もしくは不十分な記載」があったと特定した。盗聴を正当化する「相当な理由」が実際よりも強力であるかのようにみせた令状申請が、複数あったという。 監察総監室はさらに、ロシアによる大統領選介入疑惑を担当していたFBIの法務担当が、同僚が中央情報局(CIA)から受け取ったメールを改ざんし、これがペイジ氏に対する監視令状の申請に資料として使われたと指摘した。FISA裁判所に盗聴令状を申請する際に提出する情報は「非の打ち所なく正確」でなくてはならないというFBIの方針に、FBI職員の行動が「遠く及ばない」ことがあったという。 「基本的で根本的な間違いがあまりに散見されるため(中略)FBIの指揮系統がFISA手続きをどのように管理監督していたのか、重大な疑問だった」と、監察総監室は指摘した。 政治的偏向はなく その一方で監察総監室は、トランプ氏に対する政治的偏向と敵対心がFBIの捜査に影響していたという、保守派の主張を裏づけるものは見つからなかったと結論した。 「4件の個別捜査が始まったが、その判断に何らかの政治的偏向や不適切な動機が影響したという証拠は、文書の形でも証言の形でも見つからなかった」と報告書は書いている。 ホロウィッツ監察総監はさらに、捜査令状を申請する際のFBIのミスが意図的なものだったという証拠も見つからなかったと説明。トランプ陣営に対する捜査着手は「司法省とFBIの方針に沿った」ものだったという。 FBIが匿名情報提供者を活用したのも、FBIの規則に抵触していないと監察総監は指摘した。 「スティール文書」は 監察総監室は、いわゆる「スティール文書」に関するFBIの説明の仕方にも問題があったと指摘した。スティール文書とは、英情報部(MI6)出身のクリストファー・スティール氏がトランプ氏についてまとめた文書。ロシア当局が秘密の情報を握っているなど、その多くは裏付けのない内容で、ヒラリー・クリントン民主党候補(当時)などトランプ氏の政敵たちが弁護士事務所を通じて依頼した調査によるものだった。 ホロウィッツ監察総監は、FBIがこのスティール文書について「重要性を過大に強調した」と批判した。さらに、スティール氏の情報源の1人についてスティール氏自身が「自慢したがり」で「何かと話を大げさにしたがる」人物だと評していたことなど、重要な関連情報をFBIが省力していたと指摘した。 監察総監室の報告書によると、CIAはスティール文書を「インターネットのうわさ」に過ぎないと判断していた。しかし、トランプ氏に電撃解任されたジェイムズ・コーミー前FBI長官やアンドリュー・マケイブ副長官(当時、後に長官代行)は、スティール文書を無視するべきではないと主張していたという。 FBI職員は偏向していたのか トランプ氏やその支持者たちはしばしば、いわゆる「ディープ・ステイト(国家の中の国家、闇の政府、などの意味)」が存在し、トランプ政権を妨害しようと謀略を繰り広げているのだと主張する。しかし、監察総監室の報告書は、FBIにはトランプ氏当選を歓迎する職員が複数いたことを明記している。 報告書によると、1人のFBI捜査官は「選挙結果に大喜び」しているとメッセージを送り、選挙速報を「まるでスーパーボウルの大逆転劇みたいだ」と喜んでいた。 別の捜査官は選挙の翌朝、「トランプ!」と書いたメッセージを同僚に送った。同僚はこれに「ははは」と返事し、捜査官は「(笑)」と返している。 トランプ氏はこれまでしばしば、FBIのベテラン捜査官だったピーター・ストローク氏と不倫関係にあった同僚のリサ・ペイジ弁護士との間のメールを、FBIの偏向の証拠として取り上げている。両氏のメールは監察総監室の調査で浮上したもので、「当時のトランプ候補に対する敵対心」を示す内容だったと報告書は書いている。 ストローク氏は2016年米大統領選に対するロシア介入疑惑などの捜査に携わっていたが、昨年8月に解雇された。リサ・ペイジ氏はマケイブ副長官(当時)の法務顧問だった。大統領選中にメールでペイジ氏が「(トランプ氏は)絶対に大統領にならないはず。でしょ? でしょ!?」と書き、これにストローク氏は「ならない。ならないよ。僕たちが止める」と返事するなどしていたことが、与党・共和党の激しい反発を招いた。 しかし、監察総監室は報告書で、ストローク捜査官やペイジ弁護士による捜査活動が、自分たちの政治的意見に影響されていたと示す証拠は見つからなかったと書いている。 「ひどい話だ」とトランプ氏 トランプ大統領は9日、ホワイトハウスで記者団を前に、監察総監室の報告書の内容について「まったくひどい話だ」と批判。「(選挙を)ひっくり返そうという動きがあり、大勢が参加していて、つかまったんだ」と述べた。 司法省トップのウィリアム・バー司法長官は、FBIがトランプ陣営に対する捜査に着手するだけの証拠は十分にあったという報告書の主な内容を、受け入れなかった。 バー長官は、自分が所管するFBIによる捜査は、「まったく覚束ない疑い」を根拠に始まったもので、「その後の措置を正当化するには不十分な根拠だったと私は思う」と批判した。 FBIとロバート・ムラー特別検察官によるロシア疑惑捜査がそもそもなぜ始まったのか、その経緯を捜査するためにバー長官が自ら任命したジョン・ダラム連邦検事は、ホロウィッツ監察総監の結論の中には同意しないものもあると話した。 一方で、野党・民主党は、トランプ氏が再三繰り返す自分は「魔女狩り」の被害者だという主張を、今回の報告書は否定したと受け止めている。 民主党のマーク・ワーナー上院議員はツイッターで、「魔女狩りなどなかった。連邦捜査機関の職員が自分たちの仕事をしていただけだ」と書いた。 (英語記事 'No political bias' in FBI probe of Trump campaign)

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    聴覚障害の赤ちゃんが補聴器をつけた瞬間

    2019年12月10日 14:45 公開 聴覚障害のある赤ちゃんが、初めて補聴器をつけた瞬間――。その様子を映した動画が話題になっている。 生後4カ月のジョージーナちゃんは、今年9月に重度の聴覚障害だと診断され、両耳に補聴器をつけることになった。 英北部ハロゲイト在住のポール・アディソンさんは、ジョージーナちゃんが母親の声に反応している様子を動画に収め、ツイッターに投稿した。 アディソンさんは、「補聴器の電源を入れたのは、灯りをつけたような感じだった」と話した。

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    ウクライナとロシアが停戦合意 ウクライナ東部の紛争で

    2019年12月10日 14:03 公開 ウクライナとロシアは9日、ウクライナ東部で続いている戦闘を2019年末までに「完全かつ包括的に」停戦することで合意した。 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はこの日、パリのエリゼ宮で会談し、停戦を決めた。この会談は、フランスのエマニュエル・マクロン大統領とドイツのアンゲラ・メルケル首相が仲介した。 2014年にロシアが一方的にウクライナ南部のクリミア半島を併合して以降、同国東部ではウクライナ軍と親ロシア派の反政府勢力による戦闘が5年半にわたって続いており、これまでに1万3000人が犠牲となった。 この合意以前にも、大規模な捕虜交換が行われたほか、前線の主要地点3カ所でウクライナ軍が撤退している。 合意内容は? 合意文書によると、ウクライナとロシアは年末までに「紛争に関わる全ての捕虜」を解放し、交換することで合意した。 また、2020年3月までに、さらに3地域で双方の軍の撤退が決まった。ただ、具体的な地域名は明かされていない。 さらに、停戦の進捗については向こう4カ月をかけて協議を重ねていく方針という。 エリゼ宮での記者会見でプーチン大統領は、今回の会談は紛争の対立緩和に向けた「重要な一歩」だと話した。 ゼレンスキー大統領は、ウクライナ経由で欧州に輸出されるロシア産ガスについても、通過関税について対立があったものの、問題が「取り除かれた」と述べ、これについても合意が近くまとまるはずだと話した。 一方で、親ロ派武装勢力の撤退や、ウクライナ分離独立派の支配地域における選挙の実施などについては合意に至らなかった。 プーチン大統領は、反政府勢力が支配するウクライナ・ドンバス地域を「特別な地位」にするため、ウクライナ憲法の改憲を求めた。 ゼレンスキー大統領はこれに対し、平和と引き換えに領土の一部を手放したりはしないと記者団に話した。 フランスのマクロン大統領は、「きょうの会談では両国の違いが明らかになった」と述べた。その上で、「奇跡の解決策は見つからなかったが、前進はしている」と付け加えた。 ゼレンスキー大統領の貢献 元コメディー俳優のゼレンスキー氏はウクライナ東部の和平を掲げて今年4月の大統領選に出馬し、地すべり的勝利を収めた。 それ以降、モスクワとの協議再開に注力し、ウクライナ軍の撤退などロシアの要求も受け入れてきた。 9月には、長らく待望だったロシアとの捕虜交換が行われた。ゼレンスキー氏はこの約束をプーチン大統領に直接電話をして取り付け、「勝利だ」と話している。 さらに、ドンバス地域に特別な地位を与える2016年の協定を受け入れることで、今回の首脳会談を実現させた。 ゼレンスキー氏は、ドイツのフランクワルター・シュタインマイヤー大統領が外相時代に提案した「シュタインマイヤー方式」に沿って、ロシアとの交渉を進めようとしている。これは、ウクライナ東部でウクライナ法に基づく公正な普通選挙を行い、欧州安保協力機構(OSCE)の選挙監視団がこれを承認する代わりに、ドンバスに自治権を認めるというもの。 紛争はなぜ起きた? ロシアが2014年3月にクリミア半島を併合した直後、親ロシア・分離独立派の勢力がウクライナ東部のドネスクおよびルハンスクを占領した。 当時ウクライナでは、親ロシア派政権に反発した市民デモによってヴィクトル・ヤヌコヴィッチ大統領が首都キエフから逃れ、西欧寄りの新政権が発足したばかりだった。 独立派はその後、ウクライナからの独立を宣言したが、これを承認している国はない。 北大西洋条約機構(NATO)や西欧諸国の情報機関は、ロシアがこの独立派に重火器や戦闘員を供給していると繰り返し批判している。 ロシアはこれを否定しているものの、ロシア人の「有志」が独立派を支援していることは認めた。 (英語記事 Ukraine and Russia agree to implement ceasefire)