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    ニュージーランド噴火で5人死亡、8人行方不明 救出活動は難航

    34人のうち31人は、現在も病院で手当を受けているという。 プレンティ湾に面したファカタニで取材するBBCのサイモン・アトキンソン記者によると、病院で手当てを受けていた人のうち、これまでに3人が退院した。それ以外の人は、小さな町の施設では治療ができないほど重傷で、国内の専門機関へと移された。多くが重篤な状態だという。 在ウェリントン英高等弁務官のローラ・クラーク氏によると、イギリス人女性2人も手当てを受けている。 スコット・モリソン豪首相は、死亡が確認された5人のうち3人がオーストラリア人なのではないかと「恐れて」いると述べた。 モリソン首相によると、プレンティ湾にあるホワイト島を探索するクルーズ船には噴火当時、オーストラリア人24人が乗船していた。そのうち13人が入院中で、11人が行方不明だという。 首相はシドニーで、「これはひどい悲劇だ。噴火の恐怖によって、無邪気に楽しむ時間が台無しになった」と記者団に話した。 行方不明者の中には、オーストラリア人のほかアメリカ人、中国人、マレーシア人、ニュージーランド人が含まれる。 ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は10日、記者会見で、大切な人を失った人々の「計り知れない悲しみ」を共有していると述べた。首相は、「我々のオーストラリアの家族に伝えたい」と切り出し、「我々はここで起きたことに打ちのめされている。オーストラリアから来た人々がこの恐ろしい、恐ろしい事故に巻き込まれた」と述べた。 噴火直前には、噴火口の内側を歩く観光客の様子が目撃されている。アーダーン首相は、今後の捜索は「非常に残念なことに遺体の回収作業」になると述べた。 救出作業は難航 生存者はボートやヘリコプターで無人島を後にした。 アーダーン首相は、「極めて危険な状況の中」、島にいる人々を救出するという「非常に勇気のある決断」を下したヘリコプターのパイロットらに敬意を表した。 ホワイト島では噴煙や、火山灰が降り続けており、これまでのところ救急隊は現場に近づけずにいる。 ブルース・バード警視は、島が安全な状況になれば捜索を行うと説明。ウェリントンの科学技術委員会から、島に戻る時期についてさらなる助言があることを期待すると述べた。しかし、偵察飛行では生存者は確認されていない。 ホワイト島で何があったのか ホワイト島は9日午後2時11分(日本時間同午前10時11分)に噴火した。 午前中の観光ツアーを終えて島を離れるボートに乗っていたマイケル・シェイドさんは、爆発した火山から噴煙が立ち上る様子を撮影して、ツイートした。 https://twitter.com/sch/status/1203894241413304320 シェイドさんはBBCに対して、自分は噴火のちょうど30分前に噴火口にいたのだと話した。 「その時はまだ安全ぽかったけれども、(火山を訪れる人数を)制限しようとしていた」という。 噴火の様子については、「自分たちはボートに乗ったばかりで……。誰かが気づいて指差したのでみんな目にしたんです。ともかくびっくりしてしまった」と言い、「ボートはすぐに島に戻って、桟橋で待っている何人かを乗せた」のだと話した。 別の目撃者、ブラジル出身のアレッサンドロ・カウフマンさんもぎりぎりのところで、噴火に巻き込まれずに済んだ。 「この日は火山を訪れたツアーは2組で、自分たちは最初の1組だった。噴火する5分前に島を離れた」と、カウフマンさんはインスタグラムにポルトガル語で投稿した。 「すぐ後に到着したもう1組は残念ながら、逃げるのが間に合わず、重傷のやけどを負った人たちもいる」 火山のライブカメラ映像では、映像が消える直前に噴火口内に数人の観光客がいる様子が見える。 誰が噴火に巻き込まれたのか 噴火に巻き込まれた人の情報はほとんど分かっていない。一部は、先週シドニーを出発した、ロイアル・カリビアン社所有のクルーズ船「Ovation of the Seas」の乗客だった。 ニュージーランド赤十字は、家族が行方不明者の情報を登録できるよう、ウェブページを立ち上げている。 なぜ観光客はホワイト島に? 「ワカアリ」とも呼ばれるホワイト島は、ニュージーランドでも特に活発な火山のひとつ。観光地として人気で、2011年以降に噴火が起きてはいるものの、日帰りツアーや観光フライトがたくさん行われている。最後に噴火したのは2016年。当時は負傷者はいなかった。 地質学的な危険の可能性をモニターするウエブサイト「GeoNet」は、火山活動情報をツアー会社や警察に公開しているが、実際に島を訪れるかどうかは、観光客自身が判断する。 GeoNetは12月3日、ホワイト島の火山が「噴火活動が通常以上にあり得る時期に入りつつあるかもしれない」と警告していた。ただし同サイトは、「現在の活動レベルは訪問者に直接の危険を与えるものではない」とも付け加えていた。 ニュージーランドのウェブメディア「Stuff」によると、島に入る観光客にはヘルメットやガスマスクが配布されるほか、適切な靴を着用しなければならないという。 ニュージーランド・ヘラルドによると、ホワイト島を管理するホワイト・アイランド・ツアーズは、ウェブサイトで、観光客は「警戒レベルに関わらず、常に噴火活動の危険があることを自覚する必要がある」としている。 同社のポール・クイン会長は、今回の噴火は「ひどい悲劇」だとした上で、同社の「思いと祈りは被害を受けたすべての人と共にある」と述べた。 (英語記事 Five dead, eight missing in New Zealand eruption)

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    【英総選挙2019】 英首相、病院の床に横たわる幼児の写真を見ようとせず

    のアナ・スーブリー党首は、首相の行動は「とんでもないことだ」と述べている。 <関連記事> BBCの名司会者、インタビュー応じないジョンソン首相に挑戦 【英総選挙2019】 EU残留派と離脱派はどう投票するつもりか  【英総選挙2019】 ジョンソン首相の議席はどうなる? 激戦区の大物議員たち 何があった? ジョンソン首相はこの日、選挙活動の一環でイングランド東部グリムズビーを訪れていた。 取材中、ITVのジョー・パイク記者は数回にわたってジョンソン首相に写真を見るよう求めたが、首相はこれを拒否。最後には「差し支えなければ、これからインタビューを始めます」と言い、パイク記者のスマートフォンを自分のポケットにしまった。 ジョー・パイク記者はツイッターで、「首相にジャック・ウィルメント=バーちゃんの写真を見せようとした。肺炎の疑いのある4歳の男の子は、リーズの病院でコートの上に寝ざるをえなかった。首相は私の電話をつかんで自分のポケットに入れてしまった」と状況を説明している。 https://twitter.com/joepike/status/1204018593656180736 首相の行動に対し、パイク記者はさらに、「首相、あなたは写真を見るのを拒否し、私の電話をポケットに入れてしまった。この子の母親はNHSが危機にあると言っている。あなたの回答は?」と畳み掛けた。 ジョンソン氏は電話を取り出し、写真を見てから、「ひどい、ひどい写真だ。そしてもちろん、私はこの家族や、NHSでひどい経験をした全ての人に謝罪する」と述べた。 「しかし私たちは今まさにNHSを支援していて、全体としてはNHSの患者はこのかわいそうな子どもよりももっと、もっと良い経験をしているはずだ」 「それが私たちがNHSに多額の投資をしようとしている理由で、そのためには議会を進め、現在の膠着(こうちゃく)状態を解消し、前に進むしかない」 その後、首相はパイク記者に謝罪し、スマートフォンを返している。 「政治サッカーに利用しないで」 ミラー紙によると、ジャックちゃんは先週、6日間にわたって体調を崩し、リーズ総合小児病院へ運ばれた。 ジャックちゃんの母親によると、ジャックちゃんは病院に到着後すぐにベッドと酸素を供給された。しかし数時間後には別の患者に使うからとベッドを取り上げられ、さらに4時間以上、待たされた。 母親はコートでその場しのぎのベッドを作ってジャックちゃんを寝かせ、写真を撮ったという。 ミラー紙の取材でこの母親は、病院の医師や看護師は「素晴らしい人たち」だったと話した一方、「病院への補助金やベッドが少ないことに怒って」おり、政府が「子どもたちを見放した」と批判した。 また、ジャックちゃんの病院での様子を「政治サッカー」に利用しないでほしいと語った。 出版業界の規制団体「独立出版基準組織(IPSO)」に申し立てを行った母親は、2紙にジャックちゃんの写真を使うことを認めたものの、他のメディアでも広く取り上げられたことから、今後はこの写真やジャックちゃんの詳細について掲載することは控えてほしいと訴えた。 マット・ハンコック保健相はジャックちゃんの件について「ひどいことだ」と話し、「良いできごとではない、謝罪する」と述べた。 またリーズ総合小児病院を訪れ、ジャックちゃんの件について経営陣と協議した。 一方で、ジョンソン首相の写真に対する反応についてはコメントせず、「国民の懸念は、我々がこの病院やNHSをどのように改善できるかにある」と話すにとどまった。 野党からも批判 労働党のジョン・アッシュワース影の保健相は、ジョンソン氏の行動は「首相の品位をさらに貶めた」、「(子どものことなど)どうでもいいと思っているのは明らかだ」と批判した。 「このみっともない男にあと5年も与えて、NHSを破壊させるなど、あってはならない。ジャックちゃんのような病気の幼児はもっと良い治療を受けるに値する」 自由民主党のジョー・スウィンソン党首は、ジョンソン氏が写真を見なかったのは「どうでもいいと思っているから、それに尽きる」と批判した。 「ジャックちゃんなど、どうでもいいと思っている。自分以外の人間はすべて、どうでもいいと思っている」 スコットランド国民党(SNP)のイアン・ブラックフォード議員は、ジョンソン氏は「共感力や道徳的指針のない人間だ」と話した。 (英語記事 Johnson criticised over reaction to sick boy image)

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    ロシア選手団、ドーピングで主要大会4年間除外 東京五輪も

    2019年12月10日 12:06 公開 世界反ドーピング機関(WADA)は9日、ロシアのドーピング不正にまつわるデータ改ざんに関して、ロシア選手団を4年間、国際的な主要大会から除外すると決定した。2020年東京五輪・パラリンピックやサッカーの2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会も対象となる。ドーピングと無関係だと証明した選手のみ、個人としての出場を認めるが、ロシア国旗の使用は認められない。 WADAはスイスのローザンヌで臨時常任理事会を開き、ロシアへの厳罰処分を全会一致で決めた。 処分決定に先立ちWADAのコンプライアンス(法令順守)審査委員会は、ロシア反ドーピング機関(RUSADA)が2019年1月に提出したモスクワの検査所の検査データに「多数の矛盾が見つかった」として、RUSADAの改革状況が法令を順守していないと判断していた。 ロシア選手団は2015年に国家ぐるみのドーピング問題が明らかになり、国際大会から3年間排除される処分を受けていたが、WADAは2018年9年に処分解除を決定。この決定には批判や異論も多かった。その処分解除の条件が検査所データの全面提供だったが、WADAはそのデータに改ざんがあったと認め、今回の厳罰処分に至った。 ロシアは21日以内にWADAの決定について、不服を申し立てることができる。その場合、最終判断はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に委ねられる。 国際オリンピック委員会(IOC)は、WADAの決定を「支持する」と表明している。 国際サッカー連盟(FIFA)は、WADAの決定に「留意」するとして、「その決定がサッカーにどう影響するか明確にするため、WADAに接触している」とコメントした。 国際パラリンピック委員会(IPC)は、「モスクワの検査所のデータがWADAに移管されるまでに改ざんされた問題の当事者は、スポーツ界全体が支持し守っている公平でクリーンなスポーツという大原則を、とことん損なった」とコメント。「世界のスポーツ界に対する敬意を徹底的に欠いている行為はまったく受け入れがたく、スポーツ界にあってはならない。このデータ改ざんの当事者たちが処罰を受けるのは当然だ」と批判した。 一方で、ロシアはサンクトペテルブルグで行われる2020年サッカー欧州選手権の4試合には出場できる。WADAが反ドーピング違反について欧州サッカー連盟(UEFA)を「主要大会組織」と定義していないからだという。 告発し亡命した元所長「ついに」 ロシアが国ぐるみでドーピングをしていると暴露した後、アメリカに亡命したグリゴリー・ロドチェンコフ元RUSADA所長は、「まだやるべきことはある」とコメント。「言葉にならないほどの大々的なまやかし、詐欺、うそと改ざんが、ついに徹底的に処罰された」と述べた。 「陸上や重量挙げ、スキー、バイアスロン、ボブスレーといった特定の競技の汚した関係者は、遡及的に処罰されるべきだ。ロンドン五輪とソチ五輪の競技結果は、現在得られている知見をもとにあらためて分析し、再検討すべきだ」 「2012年ロンドン大会の標本を分析し直すには、猶予は数カ月しかない。WADA規則では、再検討期間は8年に限られているからだ」 「ずるをしたロシアの選手たちによって、夢をあきらめ入賞を逃すというつらい思いをしたクリーンな選手たちが、一定期間の間に大勢出た。スポーツに正義を取り戻すため、最も強力な対応が必要だ」 「慢性的な反ロ・ヒステリー」と首相 ロシアのドミートリー・メドヴェージェフ首相は、WADAの決定に反発し、「慢性的な反ロシア・ヒステリー」の一部だと批判した。 「ロシアに、この国のスポーツ界にまだ相当のドーピング問題が残っているのは明らかだ。それを否定することはできない。しかしその一方で、こうした処分が繰り返され、すでに何らかの形で処罰を受けた選手にも影響を与えるなど、慢性的になった反ロシア・ヒステリーの一部だと思えてしまう」と首相は述べた。 ウラジーミル・プーチン大統領は、不服申し立てをするだけの根拠は揃っていると、争う姿勢を示した。 「クリーンな競技の妨げ」 一方で、WADA会長のサー・クレイグ・リーディーは、今回の処分決定は「ロシアのドーピング問題を前に断固たる対応をとるという決意」の表れだと説明。「もうあまりに長いこと、ロシアのドーピングはクリーンな競技を妨げてきた。RUSADAの復権条件をロシア当局が実にあからさまに破ったため、強力な対応が必要だったし、まさにその通りの決定をした」と述べた。 「ロシアには自国内の状態を立て直し、自国の選手やスポーツの正しいあり方のために世界の反ドーピング・コミュニティーに戻れるよう、あらゆる機会を与えていた。それでもロシアは、不正と否定という従来の方針を継続することを選んだ」と、リーディー会長は強い調子で批判した。 WADAのリンダ・ヘレランド副会長はさらに、今回の処分は「不十分」だと指摘。「軽くすることのできない厳しい制裁を科すべきだと私は思っている。クリーンな選手たちを尊重するためにも、ドーピングはできるだけ厳しく処罰すべきだ」。 ロシア選手団は自国開催の2014年ソチ五輪での組織的ドーピングについて処分を受け、2018年の平昌五輪では計168人の選手が五輪旗のもとで個人として参加した。ソチの冬季大会ではロシア選手33人がメダルを獲得し、そのうち13個が金だった。 (英語記事 Russia banned for four years to include 2020 Olympics and 2022 World Cup)

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    【英総選挙2019】 EU残留派と離脱派はどう投票するつもりか

    めつつある現時点でも、ブレグジットが大きく影響しているようだ。 <この記事について> この記事は、BBC外の専門家にニュース解説の寄稿を依頼したものです。 本稿の内容のもととなった研究の詳細はこちらで見ることができます。 サー・ジョン・カーティスは英ストラスクライド大学の政治学教授で、独立調査機関・全国社会調査センターならびに独立調査機関「The UK in a Changing Europe」の上級フェロー。 (英語記事 General election 2019: How Remainers and Leavers plan to vote)

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    ニュージーランド北部の島で噴火、複数死亡 犠牲増える恐れ

    witter.com/sch/status/1203894241413304320 シェイドさんはBBCに対して、自分は噴火のちょうど30分前に噴火口にいたのだと話した。 「その時はまだ安全ぽかったけれども、(火山を訪れる人数を)制限しようとしていた」という。 噴火の様子については、「自分たちはボートに乗ったばかりで……。誰かが気づいて指差したのでみんな目にしたんです。ともかくびっくりしてしまった」と言い、「ボートはすぐに島に戻って、桟橋で待っている何人かを乗せた」のだと話した。 別の目撃者、ブラジル出身のアレッサンドロ・カウフマンさんもぎりぎりのところで、噴火に巻き込まれずに済んだ。 「この日は火山を訪れたツアーは2組で、自分たちは最初の1組だった。噴火する5分前に島を離れた」と、カウフマンさんはインスタグラムにポルトガル語で投稿した。 「すぐ後に到着したもう1組は残念ながら、逃げるのが間に合わず、重傷のやけどを負った人たちもいる」 火山のライブカメラ映像では、映像が消える直前に噴火口内に数人の観光客がいる様子が見える。 救出作業は難航 ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は、国内外から「複数」の観光客が島内やその周辺にいたと話した。 「大切な人が噴火当時の島にいた人たちはどれほど心配で気がかりか、承知している。警察はできる限りのことをしている」と首相は述べ、警察は救出捜索活動を始めたものの、降り続ける火山灰のためなかなか現場に近づけずにいると話した。 ジョン・ティムス警察副長官は、「現時点では警察や救急救命隊が島に行くのは危険すぎる」と述べ、島は「火山灰など火山噴出物で覆われている」と話した。 「警察や救急隊が島に上陸できる状況か、専門家の助言を受けながら判断を続けている」 警察は当初、島内と周辺に約100人いると発表したが、後に人数を約50人に下方修正した。 噴火は予測されていたのか 地質学的な危険の可能性をモニターするウエブサイト「GeoNet」は12月3日、ホワイト島の火山が「噴火活動が通常以上にあり得る時期に入りつつあるかもしれない」と警告していた。ただし同サイトは、「現在の活動レベルは訪問者に直接の危険を与えるものではない」とも付け加えていた。 オークランド大学のジャン・リンジー准教授によると、最近になって警戒レベルが「1」から「2」に引き上げられたところで、「活発化していたことはみんな承知していた」という。 「火山の熱水活動が常に活発で、粘土や泥のかたまりの下にガスが充満すれば、いきなり放出されることはあり得る」、「マグマは関係なく、単なる水蒸気の噴出だった可能性もある」と、准教授は話している。 しばしば噴火するホワイト島が最後に噴火したのは2016年。当時は負傷者はいなかった。 警察は付近の住人に「降灰の可能性」を認識し、屋内に留まるよう呼びかけている。 ただし、今回の噴火は北島には影響を与えそうにないとみられている。 (英語記事 New Zealand volcano: At least one dead with number expected to rise)

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    香港で大々的な抗議デモ、80万人と主催者

    2019年12月09日 14:09 公開 今年6月から反政府デモが続く香港で8日、大規模なデモ行進が行われ、主催者発表で約80万人が市内の通りを埋め尽くした。先月の区議会選挙で民主派が勝利して以降、最大規模のものとなった。 民主主義を掲げる「民間人人権陣線(CHRF)」によるデモの実施を警察が許可したのは、今年8月以降で初めて。デモには主催者発表で推定80万人が、警察発表では18万3000人が参加した。 他の参加者と共にヴィクトリア公園に集まった、子供を持つジューンさん(40)は「死ぬまで自由のために戦う」と述べた。 初めて拳銃を押収 警察はデモに先立ち複数の場所で強制捜査を行い、11人を逮捕したほか、半自動式のグロック拳銃1丁と実弾105発、複数の刃物と爆竹を押収した。一連のデモで拳銃が見つかったのは初めてとみられる。 <関連記事> 【写真で見る】 香港デモ、怒りと絶望に満ちた6カ月 香港デモ、12歳男児に有罪判決 これまでで最年少 デモ参加者、下水道を通って大学から脱出図る 香港 犯罪容疑者の中国本土引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改定案をきっかけに今年6月に始った抗議デモは、現在では反政府を掲げるデモへと発展している。 「対話で解決」と デモ行進の最後に、香港政府は「対話を通して香港の深刻な問題の解決策」を見つけ出すことを期待していると述べた。 香港政府は7日、政府は一連のデモから「教訓を得た。市民の声に謙虚に耳を傾け、批判を受け入れるだろう」と表明していた。 「要求に応じるラストチャンス」 デモを主催したCHRFは、これが香港政府にとって、デモ隊の要求に応じる最後のチャンスだと述べた。 デモ隊は、逮捕されたデモ参加者全員への恩赦や、デモ参加者に対する警察の暴力をめぐる独立調査、行政長官選挙での普通選挙の実施などを要求している。 ここ数カ月では、デモ隊と警察との衝突はますます暴力的になっており、この混乱をどのように収束することができるのか、疑問が上がっている。 一連のデモでは、これまでに約6000人が逮捕され、警察官を含む数百人が負傷している。 しかし8日には、デモ行進の大部分は平和的に行われ、時に緊張が高まったものの、暴力行為の報告はほとんどなかった。 デモ行進の終盤、デモ隊は反政府の歌を歌いながら、それぞれの携帯電話の明かりを高く掲げ、通りを照らした。 一方で、警察はツイッターで、高等法院や終審法院が破壊され、ガソリン爆弾を使ったとみられる襲撃に遭ったと発表した。 「夜に、暴徒が高等法院の外壁にスプレーで落書きをしたほか、高等法院や終審法院の外でガソリン爆弾を投げ、政府施設を破壊した。法治主義の精神に対する深刻な挑戦だ」 https://twitter.com/hkpoliceforce/status/1203655375536316416 デモの主催者や警察、政府はこうした法院への襲撃を非難。「法の支配によって統治されている都市としての評価を損なった」としている。 先月24日に行われた区議会選挙で、民主派が地すべり的勝利を収めて以降、香港は比較的落ち着きを保っている。 しかし、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官への不満は消えておらず、多くのデモ参加者は政府によりさらなる譲歩を要求している。 「どんなに我々が平和的なデモ行進で考えを表明しても、政府は耳を貸さないだろう」と、デモ参加者のウォンさん(50)はAFP通信に対して述べた。 デモの背景 デモの発端となった「逃亡犯条例」改定案をめぐっては、中国による恣意的な拘束や不当な裁判につながりかねないとの批判や、中国による香港統治が迫り、その高度な自治性が維持されなくなるのではないかという懸念が香港市民の間で高まった。 香港政府は10月、この改定案を正式に撤回したものの、その後もデモは続いている。 150年以上にわたってイギリスの植民地だった香港は、1997年に「一国二制度」の下に中国に返還された。 返還後の香港は香港特別行政区となり、独自の法制度や国境を持つほか、表現の自由などの権利も保障されている。 (英語記事 Thousands join largest HK protest rally in months)

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    中村哲医師の遺体が帰国、アフガン大統領らに見送られ

    2019年12月09日 12:04 公開 アフガニスタンで長年、現地住民の生活環境の改善に尽くした日本人医師の中村哲さん(73)の遺体が8日午後、日本に到着した。 中村医師は4日、東部ジャララバードを車で移動していたところ銃撃され死亡した。 ほかに、アフガニスタン人5人も犠牲になった。 首都カブールの空港では7日、追悼式典が行われ、アフガニスタンのアシュラフ・ガニ大統領が自ら棺を担ぎ、中村医師の死を悼んだ。 これまでのところ犯行声明は出ていない。

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    ニュージーランド航空、食べられるカップを試験導入 廃棄物を「革新的」に減らすか

    2019年12月09日 11:59 公開 ニュージーランド航空はこのほど、「食べられる」コーヒーカップの試験導入を開始した。廃棄物量の削減が狙いだという。 今回試験導入されたのは、地元企業「Twiice」が製造する、クッキーでできた食べられるコーヒーカップ。バニラ味で、「飲み物が漏れない」つくりになっているという。 Twiiceは4日、「ニュージーランド航空は、乗客に食べられるカップを提供するために私たちと提携しました!」とインスタグラムに投稿した。 機内でコーヒーを年間800万杯以上提供しているニュージーランド航空は、埋め立て処分場に運ばれる廃棄物量を削減したかったと説明している。 しかし一部からは、カップを変えただけでは、環境問題に対する取り組みとしての影響力は不十分だとの声が上がった。 ニュージーランド航空の声明によると、「持続可能な挑戦に見合う革新的な方法」を探るため、「飛行中の機内と地上で」カップの試験導入が行われているという。 同社の顧客サービスマネジャー、ナイキ・チャヴ氏は、「このカップを使った乗客にはとても好評で、デザートの器としても使用している」と述べた。 Twiice共同創業者のジェイミー・カシュモア氏は、このカップは「環境に本当にいい影響をもたらすかもしれない」としている。 イギリスでは、推定で年間約25億個のコーヒーカップが廃棄されており、リサイクルされるのはそのうちのわずか0.25%だという。 ニュージーランド航空は今年9月、同社機内やラウンジで提供するカップを、堆肥化が可能な紙やトウモロコシ製のものに切り替えた。 一部のソーシャルメディアユーザーは、環境を守りたければ、コーヒーカップだけでなくほかにもたくさんのことを変えていく必要があるとしている。航空機は飛行の際に多量の燃料を消費し、地球温暖化につながる温室効果ガスが大気中に排出するからだ。 環境ジャーナリストのジョージ・モンビオ氏はツイッターに、「航空会社が環境への影響を最小限に抑えようとしていてよかった。いや、ちょっと待てよ」と、皮肉って書いた。 「二酸化炭素排出量を削減するのはどうだろうか」とツイートする人や、「ロンドン行きのフライトを週に1便、キャンセルするとかね」という声もあった。 ツイッター上ではまた、アレルギーやベジタリアンなど、食事に制約のある人々への影響について懸念する声も寄せられている。ニュージーランド航空はヴィーガンの顧客に対し、カップには卵が含まれていると回答。Twiiceは、カップにグルテンが含まれているほか、ナッツや乳製品が混入している可能性もあるとしている。 ニュージーランド航空は、試験導入期間中も、すべてのフライトで植物性のカップの提供を続けると強調している。 (英語記事 New Zealand airline trials edible coffee cups)

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    セサミストリートの人形遣いスピニーさん死去 ビッグバードやオスカーに命吹き込む

    2019年12月09日 11:36 公開 米児童番組「セサミストリート」で長年にわたりビッグバードやオスカー・ザ・グラウチを演じた人形遣いのキャロル・スピニーさんが8日、米コネチカットの自宅で亡くなった。85歳だった。 番組製作会社セサミ・ワークショップの発表によると、スピニーさんは筋肉の動きに異常が出るジストニアを長年患っていた。 「セサミストリート」が1969年に放送を開始して以来、無邪気な黄色い大きな鳥、ビッグバードと、ごみの缶に住むしかめっつらで気難しいオスカー・ザ・グラウチを演じ続けたスピニーさんは昨年、84歳で引退していた。 「キャロルは芸術の天才で、その優しい愛情あふれる世界観は、1969年の最初期から50年にわたりセサミストリートを形作って、番組のあり方を決定してきました。セサミ・ワークショップと、世の中の文化を織り成すものに彼が残してくれた業績は、決して終わりません」と、セサミ・ワークショップはスピニーさんをたたえた。 番組のツイッター公式アカウントは、ビッグバードと写るスピニーさんの遺影と共に、「セサミストリートの愛されるキャラクター、ビッグバードとオスカー・ザ・グラウチを演じた伝説的な人形師、キャロル・スピニーが本日、2019年12月8日にコネチカットの自宅で亡くなりました。85歳でした。ジストニアをしばらく患っていました」とツイートした。 https://twitter.com/sesamestreet/status/1203727490616905728 セサミ・ワークショップの共同創設者、ジョーン・ガンツ・クーニーさんは、「彼の天才さと才能のおかげで、ビッグバードは世界で最も愛される黄色い羽根のお友達になりました」としのんだ。 スピニーさんは生前、「セサミストリート」が自分の人生にとっていかに大事かを口にしていた。 「『セサミストリート』に来る前は、自分のすることが大事だとは思えなかった」、「ビッグバードのおかげで自分の目的を見つけることができた」とスピニーさんは語っていた。 スピニーさんは5歳で観た「Three Little Kittens(3匹の子猫)」の人形劇を機に、人形遣いの世界が好きになり、10代を通じて人形の扱いを研究し続けた。人形劇による収入を元に大学に進んだ後、米海軍を経て、1950年代からラスヴェガスやボストンでプロの人形師として活動。その中で、人形「マペット」たちを作り出したジム・ヘンソンさんと知り合い、1969年には「セサミストリート」の放送開始に参加した。 妻のデブラさんとは1973年に、「セサミストリート」のセットで出会って以来、46年間連れ添った。 「セサミストリート」での活躍を通じて、スピニーさんはグラミー賞を2度、エミー賞を6度獲得。2006年にはエミー賞の生涯特別功労賞を受賞した。 1994年にハリウッドの殿堂入り。2000年には米議会図書館の「生きる伝説」賞を受賞した。 スピニーさんの人生とキャリアは2014年、ドキュメンタリー映画「I Am Big Bird(私はビッグバード)」として公開され、幅広い評価を受けた。 (英語記事 Caroll Spinney: Sesame Street's Big Bird puppeteer dies)

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    「信頼について質問を」 BBC司会者がジョンソン氏に対談呼びかけ

    2019年12月06日 17:08 公開 BBCの有名司会者アンドリュー・ニール氏が5日、12日の総選挙を前に30分のインタビューに応じるよう、ボリス・ジョンソン英首相に挑戦した。 ニール氏は総選挙を前に、BBC Oneの番組「アンドリュー・ニール・インタビューズ」で、有力政治家と1対1のインタビューを行っている。 これまでに主要野党の党首らが登場したが、ジョンソン首相だけが取材に応じていない。 ジョンソン首相は、綿密な質疑を避けているのだという批判を否定している。

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    BBCの名司会者、インタビュー応じないジョンソン首相に挑戦

    2019年12月06日 14:27 公開 BBCの有名司会者アンドリュー・ニール氏が5日、12日の総選挙を前に30分のインタビューに応じるよう、ボリス・ジョンソン英首相に挑戦した。 ニール氏は総選挙を前に、BBC Oneの番組「アンドリュー・ニール・インタビューズ」で、有力政治家と1対1のインタビューを行っている。これまでに主要野党の党首らが登場したが、ジョンソン首相だけが取材に応じていない。 ジョンソン首相は、綿密な質疑を避けているのだという批判を否定している。 しかしニール氏は5日、ブレグジット党のナイジェル・ファラージ党首へのインタビューの後、ジョンソン氏を名指ししてインタビューに応じるよう要請。「まだ遅くはありません。インタビューの用意はできています。ジョンソン氏が好きな言い回しを使えば、オーブンは温まっています」と語りかけた。 「質問のテーマは信頼です。なぜ政界とジャーナリズムでのキャリアを通じて、批評家だけでなく近しい人までもが、ジョンソン氏は信頼に値しないと考えるのでしょうか」 「そしてもちろん、これは今、ジョンソン氏が私たちに約束していることにも関係しています」 ジョンソン首相はほかにも、英民放ITVの司会者ジュリー・エッチンガム氏による党首インタビューシリーズにも参加しないとしている。 「責任を問う」 ニール氏は番組の中で、「政治家にインタビューを強制できる放送局はない」と話した。 一方で、「何十年もの間、党首インタビューはBBCのゴールデンタイムの総選挙特集の目玉です」と釘を刺した。 「このインタビューを通じて、我々は視聴者の代わりに、政権を握るかもしれない人を詰問し、責任を問います。それが民主主義です」 「我々は常に、党首らがインタビューに応じてくれると信じて前進してきました。そして毎回、彼らは参加してくれました。全てです。今回までは」 質問を列挙 ニール氏は続いて、ジョンソン氏への質問の一例を列挙。中でも、選挙の焦点のひとつとなっている国民保健サービス(NHS)に触れた。 ジョンソン氏はNHSに340億ポンドを追加投資すると話していたが、ニール氏はこれについて、インフレ率を加味すると実際には200億ポンドにしかならないと指摘。また、欧州連合(EU)離脱後の通商協定でNHSにアメリカ企業の参入を許すという過去の発言についても質問したいと話した。 さらに、ジョンソン氏が緊縮財政に反対姿勢を示していることにも、「信頼への疑問がある」と話した。 その上で、「イギリスの首相は時に、トランプ米大統領やロシアのプーチン大統領、中国の習国家主席などと対峙(たいじ)しなくてはなりません。なので、私と30分間話してほしいというのも、そう大きな要望ではないはずです」と締めくくった。 ニール氏のインタビュー番組にはこれまでに、最大野党・労働党のジェレミー・コービン党首、スコットランド国民党(SNP)のニコラ・スタージョン党首、自由民主党のジョー・スウィンソン党首、ブレグジット党のナイジェル・ファラージ党首が出演。ニール氏から数々の厳しい質問を受けた。 コービン党首は11月末のインタビューで、労働党が反ユダヤ主義的だという批判について、ユダヤ教コミュニティーへの謝罪を拒否した。しかし12月3日には、ITVの朝の番組で、謝罪の言葉を口にしている。 スウィンソン氏は、保守党と自由民主党の連立政権時代、社会福祉予算の削減に賛成したことを謝罪した。 スタージョン氏はスコットランドのイギリスからの独立やEUについて詰問されたほか、スコットランドのNHSをめぐるSNPの立場について問いただされた。 ファラージ氏は、保守党と議席を争わないとする党の方針について追及を受けた。 <関連記事> ジョンソン首相がBBC番組に出演 首相発言を検証 【英総選挙2019】 各党代表者がテレビ討論 焦点はやはりブレグジット ジョンソン英首相の質疑で観客の笑い声消した映像放送、BBC間違い認める 労働党がBBCに抗議 労働党は5日夜、BBCが偏向報道をしているとして、トニー・ホール会長に書面で抗議を行った。 同党のアンドリュー・グウィン選挙活動コーディネイターは、コービン党首がニール氏のインタビューに応じたのは、ジョンソン首相も同じ条件に同意していると「明確に理解」していたからだと説明。 その上で、「しかしBBCは保守党党首に同等の説明責任を求めず、自分を好意的に見せられるプラットフォームを選ばせている」と指摘した。 BBCはこの抗議に対し、書面で回答する予定。BBCの広報担当者は声明で、「BBCは今後も独立した編集方針を貫き、恐れやひいきのない、公平かつ中立な選挙報道に注力する」と述べた。 ジョンソン首相は6日夜、BBC Oneの討論番組でコービン党首と直接対決する予定だ。 首相はITVのインタビューにも応じず ジョンソン首相の選挙事務所はこの日、首相は総選挙前にITVのインタビューに応じる時間がないと認めた。 ITVのエッチンガム氏は報道番組「Tonight」で各党首のインタビューを行っているが、これに登場しないのはジョンソン氏ただ一人だ。 ITVの広報担当者は、総選挙が発表されてから何度も、ジョンソン首相に出演を打診してきたと説明。今回、出演しないことが決まったため、「番組ではアーカイブ映像や別の人のインタビューを交え、首相の経歴について紹介する」とした。 (英語記事 Andrew Neil issues interview challenge to Johnson)

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    ホッキョクグマ50頭超が村に押し寄せる、気候変動でえさ場が減少か ロシア

    2019年12月06日 14:02 公開 極東ロシアの小さな村に50頭以上のホッキョクグマが押し寄せ、学校などで警備体制が敷かれる事態になっている。チュクチ自治管区リルカイピでは、ホッキョクグマから住民を守るため、あらゆる公共活動が中止されている。 自然保護活動家は、ホッキョクグマが人里へ降りてきた要因は気候変動にあるかもしれないとしている。温暖化で海氷が減少していることで、えさを求めに村へとやってきた可能性があるという。 ほかの専門家は、ホッキョクグマが頻繁に現れることから、リルカイピの住民は永久的に避難すべきだとしている。 チュクチ自治管区(Chukotka Autonomous Okrug)リルカイピ(Ryrkaypiy)の地図 リルカイピでクマの監視作業を率いるタチアナ・ミネンコ氏は、 ロシアの国営メディアRIAノーボスチに対し、リルカイピでホッキョクグマ56頭を確認したと明かした。「さまざまな年齢の子グマを連れた雌」数頭が含まれ、ほとんどのクマはやせこけているように見えたという。 ホッキョクグマは通常、リルカイピから2.2キロほどのシベリア最北端シュミット岬に生息している。世界自然保護基金(WWF)の自然保護活動家ミハイル・スティショフ氏によると、同地域は近頃温暖になっているという。 「少なくとも一部の海氷にクマが歩き回るのに十分な強度があれば、クマはアザラシなどを求めて海へ行っているはず」だとしたうえで、海氷が凍るのを待つ間、クマはえさを求めて村にやって来たのだろうとスティショフ氏は述べた。 北方圏生物問題研究所(IBPN)のホッキョクグマ専門家、アナトリイ・コチネフ氏は先週、リルカイピに頻繁にクマが出没していることから、約700人の村人は避難すべきだとしていた。 コチネフ氏はロシアのタス通信に対し、村に接近したホッキョクグマの数は、5年前はわずか5頭だったと述べた。 「私は科学者として、リルカイピはあの場所に存続すべきではないと考える。(中略)我々は事態を掌握しようと努めているが、今後3~5年の間に何が起こりうるか想像したい人は誰もいない」 同地域の動物保護当局者のイゴール・ヴェレシチャギン氏は、住民が避難を望むのであれば、「住民投票を実施することができる」とタス通信に述べた。 (英語記事 Dozens of polar bears descend on Russian village)

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    脱北女性、韓国当局者2人に「強姦された」 中絶強制の訴えも

    2019年12月06日 12:49 公開 ヒョンウン・キム、BBCニュース韓国 韓国の情報当局者が、北朝鮮から逃げて来た女性を強姦した疑いが持ち上がっている。2人の当局者が関わり、うち1人は繰り返し女性を虐待していたとされる。 被害にあったとされる女性の弁護士によると、女性は情報当局の男性2人の監視下に置かれていた。中絶を2回強制されたという。 当局者の1人は中佐、もう1人は上士官で、共に停職が命じられているという。当局は調査を開始した。 人権活動家は、脱北した女性は韓国の女性より性暴力の被害に遭いやすいと指摘している。 ただ、経済的な事情から、被害女性は声を上げにくいとしている。 飲酒後に意識ない状態で 脱北者に対しては、韓国国防省の情報当局が調査と情報収集を担当している。 法律事務所グッド・ロイヤーズのBBCへの説明では、脱北した女性は今年になって、情報当局の男性2人が担当についた。 この女性が酒を飲んで意識を失った際、最初の強姦被害に遭った。 上士官には数十回、中佐からは1回強姦されたという。 国防省は、女性側の被害の訴えについてすでに調査し、軍の検察に関係書類などを送ったとしている。 同省の崔賢洙(チェ・ヒョンス)報道官は、容疑がかけられている当局者について、「捜査の結果を受け適切に扱う」と述べた。 韓国に来る前に性暴力 韓国に約3万3000人いる脱北者のうち、72%超が女性だ。 脱北した女性を支援している人権活動家はBBC韓国の取材に、「多くの脱北者は韓国に来る前に、中国で性暴力を経験している」と述べ、こう加えた。 「彼女たちはそれに耐え、韓国に着いたときには、自分はすでに汚されていると考える人もいる」 人権団体コリア・フューチャー・イニシアティヴ(Korea Future Initiative)によると、脱北した女性や少女たちが数千人規模で、中国の性産業で働かされているという。 多くは、北朝鮮を出てから1年以内に、何らかの形態の性奴隷にされていたとされる。 「がまんすべき」 韓国でセクハラ被害者を支援する「MeToo(私も)運動」が盛り上がった2018年、人権活動家は脱北した女性たちに、同運動をどう思うか聞いた。すると、「何の役に立つのか」、「恥をさらすだけ」、「ただがまんすべき」といった答えが返ってきたという。 「彼女たちは、声を上げることに慣れていない。性暴力について学んだり、人権尊重を訴えたりしたこともない」と活動家は言う。 「性暴力を受けても、それが犯罪だとは思わない。犯人が罪に問われたり、被害者は賠償を受けたりできることも知らない」 <関連記事> 9歳少女まで……北朝鮮の女性数千人が中国で性奴隷に=英団体報告 脱北するも人身売買で性労働に、女性2人が助け出されるまで 強姦は日常的、生理は止まり……北朝鮮の女性兵たち 背景に経済的苦境 脱北した女性たちが黙っている最大の理由は、生計を立てることを最優先しているからだと、人権問題の専門家たちは指摘する。 「彼女たちは『生き延びないといけない。食べて生きていかないとならない。まずそれが大事』と話す」と、人権活動家は言う。 韓国統一研究院の2017年の統計では、韓国国民の平均月収が240万ウォン(約22万円)なのに対し、脱北者の平均月収は約190万ウォン(約17万4000円)だった。 脱北者の失業率は6.9%で、韓国国民の2倍近い高さになっている。 こうした状況にもかかわらず、北朝鮮人権データベースセンターによる脱北者約400人を対象とした調査では、61%が北朝鮮に残る家族に送金していた。今後も送金を続けると答えた人は58%に上ったという。 (英語記事 South Korean agents accused of raping defector)

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    ペロシ米下院議長、トランプ氏の弾劾決議案の作成を指示

    2019年12月06日 12:13 公開 ドナルド・トランプ米大統領の弾劾調査を進める野党・民主党幹部ナンシー・ペロシ下院議長は5日、トランプ氏が職権を乱用したとして、下院で弾劾決議案を作成すると発表した。 ペロシ下院議長はこの日、記者会見で、「我々の民主主義が危機に直面している。大統領の行為によって、我々には行動を起こす以外に選択肢はない」と述べた。 「事実に争いはない。トランプ氏は自分の政治的利益のために職権を乱用し、我々の安全保障を犠牲にした。ウクライナ政府に、自分の政敵の捜査について公表する見返りとして、軍事援助の停止や、大統領執務室での重要な会談をちらつかせる方法で」と説明。 下院司法委員長に弾劾決議案の作成を指示したと明かした。 記者からトランプ氏を憎んでいるのか尋ねられると、ペロシ氏は自分はカトリック教徒であり、「誰も憎んでなどいない」、「私は今でも、常にトランプ氏のために祈っている。だからそんな言葉を使った言いがかりはやめて!」と述べた。 <関連記事> トランプ氏の行為は「解任に相当」 憲法学者ら米下院で証言 トランプ氏の弾劾、「証拠は決定的」 米下院委が報告書を公表 民主党は、トランプ氏がウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との電話会談で、軍事援助と引き換えに、政敵のジョー・バイデン前副大統領に関する捜査をするよう働きかけたとしている。 下院での弾劾決議案の採決が年内に行われ、弾劾が決議された場合、早ければ来年1月に上院で弾劾裁判が始まる。 民主党は「狂っている」 トランプ大統領は、民主党は「狂っている」と反発。ペロシ氏の発表直前には、「私を弾劾するつもりなら、今すぐやれ。そうすれば我々は上院で公正な裁判が行えるし、この国は本来の業務に戻ることができる」とツイートした。 ホワイトハウスのステファニー・グリシャム大統領報道官は、ペロシ氏の発表直後、民主党は「恥ずべきだ」としたうえで、「我々は上院での公正な裁判を楽しみにしている」と述べた。 米下院では4日、司法委員会の公聴会が開かれ、下院で多数派の野党・民主党が推薦する学者3人と、共和党推薦の学者1人が証言した。 3人がトランプ氏の行為は解任に値すると述べた。一方で、与党・共和党が推薦した学者は、トランプ氏の行為は間違っていたが、弾劾には相当しないとの見解を表明した。 下院はこの日の証言も参考に、弾劾訴追の決議案をまとめる。 弾劾手続きとは 合衆国憲法第2条第4節は、「大統領並びに副大統領、文官は国家反逆罪をはじめ収賄、重犯罪や軽罪により弾劾訴追され有罪判決が下れば、解任される」と規定している。 弾劾訴追権は下院が、弾劾裁判権は上院がそれぞれ持つ。 下院でこの弾劾決議案を可決した後、上院が弾劾裁判を行う。上院議員の3分の2以上が賛成すれば、大統領を解任できる。 現在の下院では、定数435議席のうち民主党が235議席を占めているため、弾劾訴追が成立する可能性は高い。 一方の上院は、定数100議席のうち共和党が53議席を占める。解任の動議成立に必要な3分の2以上の賛成票を得るには、多数の共和党議員が造反する必要があるため、大統領が実際に解任される見通しは少ない。 政府と共和党は、弾劾裁判は最長2週間とするよう求めている。 過去の大統領で弾劾されたのは、アンドリュー・ジョンソン第17代大統領とビル・クリントン第42代大統領のみだが、上院の弾劾裁判が有罪を認めなかったため、いずれも解任はされていない。 リチャード・ニクソン第37代大統領は弾劾・解任される可能性が高まったため、下院司法委の弾劾調査開始から3カ月後に、下院本会議の採決を待たずに辞任した。 (英語記事 Trump impeachment to go ahead - Pelosi)

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    フランスで80万人がデモ、警察と衝突も 年金改革に抗議

    2019年12月06日 11:49 公開 フランスで5日、エマニュエル・マクロン大統領の年金改革に抗議するゼネラル・スト(ゼネスト)が行われ、各地で交通機関が混乱し、学校が閉鎖された。 また、全国で80万人以上の労働者が抗議デモに参加。一部の都市では警察との衝突に発展した。デモは近年のフランスで最大規模にふくらんだ。 フランスでは現在、業種などに応じて計42種類の年金制度があり、受給開始年齢や受給額が異なる。マクロン大統領はこれを統一し、ポイント制の年金システムの導入を考えている。 しかし、受給開始年齢が引き上げられるほか、早期退職者の年金は減額されるという。 「みんなで戦う」 労働組合「Force Ouvrière」のクリスチャン・グロリエ会長は、「経済をまひさせようとしている」と語った。 「みんな戦おうとしている」 フランスでは1995年、当時のアラン・ジュぺ内閣による年金改革をめぐって大規模なストライキが起き、3週間にわたって交通機関がまひした。マクロン政権はこの二の舞にならないよう、事態の緩和に努めている。 80万人超がデモに参加 内務省によると、フランスの100以上の都市で計80万人以上が抗議デモに参加した。フランス労働総同盟(CGT)はパリで25万人が参加したほか、全体では150万人に上ると発表した。 また、国内の製油所8カ所のうち7カ所が抗議参加者によって閉鎖されたため、ストが続けば燃料不足に陥る可能性もあるという。 パリではエッフェル塔やオルセー美術館、ヴェルサイユ宮殿などの観光地も休業した。 エッフェル塔のツイッターアカウントは「ゼネストのため、今日はお休みです。遊歩道は無料で開いています」と周知した。 https://twitter.com/LaTourEiffel/status/1202500126390018054 一方、抗議参加者と警察との衝突も各地でみられた。 パリ警察はこの日、71人を逮捕したと発表。市内では器物破損などの破壊行為が多数報告されている。 また、ナントやボルドー、レンヌでも暴力行為が報告された。 交通機関への影響は? 高速鉄道TGVやインターシティー鉄道の9割が運休した パリでは、地下鉄16路線のうち5路線だけが運行した ユーロスターやタリスといった国際路線では、パリ・ロンドン便およびパリ・ブリュッセル便の少なくとも半分が運休した。ユーロスターは10日まで運行数を減らすとしている 空の便は数百便が欠航となった エールフランス航空は国内線の3割と、短距離国際線の1割を欠航した 格安航空イージージェットはフランス国内線と短距離国際線で合わせて223便を欠航したほか、運航している便は遅延の恐れがあるとした 「もっと働かせようとしている」 ストには交通機関の職員や教師に加え、警官、弁護士、病院や空港の職員なども参加している。 トゥールーズの鉄道で運転士をしているシリル・ロメロさんはフランス・インフォの取材で、年金改革が実現した場合は転職も考えると話した。 「2001年に、50歳で退職できるという契約でこの仕事を始めた。しかし他の人と同様、私の退職年齢は52歳半まで引き上げられ、年金を満額もらうには57歳半まで働かないといけない。政府は私たちをもっと働かせようとしている」 ハフポストの取材に応じた匿名の歴史教師は、6日も引き続きストをするつもりだと話した。 「私にとって年金改革は、何度もノックアウトを決められているようなもの。40年以上も働いて得た月額何百ユーロもの年金を失わないために戦っている」 「最低賃金と悪くなっていく労働環境の中で、70歳を過ぎて生徒の前に立ちながら職業生活を終えるなんて、考えたくもない」 一部の労組指導者は、マクロン氏がこの改革を破棄するまでストを続けるとしている。 世論調査では、回答者の69%がストライキを支持している。中でも、18~34歳の支持が最も高かった。 また、2018年に起きた燃料税引き上げに対する抗議活動「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト)」の参加者も、今回の抗議活動に参加するとしている。 一方で農家はストライキには参加しないとしている。農家の年金は最低レベルとなっている。 マクロン大統領の年金改革とは マクロン氏の年金改革では、労働者は1日働くごとにポイントを与えられ、ポイントに応じて年金受給額が決まるシステムが計画されている。 しかし統一年金制度では、船員や弁護士、オペラ関連の労働者などの、非常に恵まれた年金システムがなくなってしまうことになる。 また、これまで62歳だった年金受給年齢を64歳に引き上げ、それより早く年金を受け取る場合には減額される。たとえば、63歳から受給する人は年金が5%減ってしまうという。 最近の世論調査によると、75%の国民が年金改革が必要だと回答した。一方、マクロン政権がそれを実現できると答えたのは3分の1にとどまった。 (英語記事 France crippled by biggest strike in years)

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    長期化する香港デモ、「集団的トラウマ」が未成年に与える影響とは

    2019年12月05日 17:25 公開 香港で今年6月から続く反政府デモでは、10代のデモ参加者が増加している。先月、警察が香港理工大学を包囲した際には、キャンパス内では数百人の子供たちが見つかった。 心理学者は、長引くデモとそれによるトラウマが一部の子供たちに深刻な影響を与えていると警鐘を鳴らす。政府や警察への不信感から、香港の若い世代の中には、ほかの先進国の若者とは全く異なる考えを持つようになる人もいるだろうという。 ビデオ:ニック・ビーク、ジョー・プア、ジョイス・リュウ

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    トランプ氏「カナダ首相には裏表ある」 NATO首脳に笑い種にされ

    2019年12月05日 14:12 公開 ロンドンのバッキンガム宮殿で3日夜に開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の歓迎行事で、カナダのジャスティン・トルドー首相ら複数の加盟国首脳がドナルド・トランプ米大統領を笑い種にして歓談する様子をカメラが捉えた。トランプ氏は、トルドー氏は「裏表がある」と反発した。 カナダ放送協会(CBC)がツイッターに投稿した短い映像には、カナダのトルドー首相が、ボリス・ジョンソン英首相やエマニュエル・マクロン仏大統領、 オランダのマルク・ルッテ首相、イギリスのアン王女(エリザベス女王の娘)らと、談笑する様子が映っている。トランプ大統領が急きょ40分もの記者会見を開いたことを話題にしている。 ビデオの内容 映像の冒頭、ジョンソン首相がマクロン大統領に対し「だから遅れたんですか?」と尋ねると、トルドー首相が、「あの人が遅れたのは冒頭で40分間、記者会見をしたからですよ」と口を挟んだ。 するとマクロン大統領は何か面白い話をしたようだが、その内容は周囲の雑音でかき消されていて聞こえない。 トルドー首相は面白そうに、こう応じた。「ええ、ええ、そう宣言して……(聞こえない)。あの人のチームがあんぐりと口を開ける様を目撃したわけです」。 この場にいた首脳らは誰も、撮影されていることに気づいていない様子だ。 <関連記事> マイクがオンだと知らず……歴史に残る政治家のうっかり発言 「裏表がある」 NATO加盟国首脳は4日、創設70年を記念した首脳会議で、集団防衛の義務を再確認するなど結束を表明したものの、一部で対立が生じることとなった。 トランプ氏は4日の首脳会議後に予定していた記者会見をキャンセルし、「我々はこのまま帰国する。我々は記者会見をもう十分開いたと思う」と記者団に述べた。 トランプ氏は、「トルドー氏には裏表がある」と反発。「僕は彼をいいやつだと思うが、僕は面と向かって(国内総生産の)2%分(の防衛費)を支出していないと指摘したんだ。向こうはそれが気に食わないんだろう」と話した。 「カナダは2%分を支出していない。そうするべきなのに。カナダには金があるんだから。いいか、僕はアメリカを代表しているんだ。トルドー氏は今よりもっと支出すべきだ。彼はそのことを理解している。(中略)気に食わないのは分かるが、そういうものだ」と述べた。 「完全にでたらめ」 ジョンソン首相は、動画について記者から問われると、「まったくナンセンスだ。どこから出てきたのか知らない」と答えた。 トルドー首相は後に、記者団に対し、首脳陣はトランプ大統領の記者会見のことを笑っていたのではなく、米大統領の公式別荘、キャンプ・ディヴィッドで開催される次の主要7カ国首脳会議(G7サミット)について話していたのだと説明し、「トランプ氏との関係はとても良好だ」と付け加えた。 首脳宣言の内容 NATO加盟国首脳は首脳宣言で、「安全を確保するために、我々は共に未来に目を向けなければならない」としている。さらに、中国やロシアによる「問題」を認めたうえで、テロに対して「より強硬な対応」をしていくと誓った。 一方でトルコによるシリア北部への軍事進攻をめぐっては、各国の防衛費の支出額のばらつきや、NATOは「脳死状態」だとマクロン大統領が発言するなど、意見が割れている。 こうした分断はあるものの、主催国イギリスの代表としてジョンソン首相は、NATOを「10億人近くを守る巨大な結束の盾」と呼び、「我々が団結している限り、誰も我々を打ち負かそうとは思えない」と述べた。 NATOは歴史上最も成功と NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、欧州やカナダによる防衛支出が増大していることを引き合いに、「NATOは歴史上最も成功した同盟だ。世界が変化するにつれて我々も変化しているので」と述べた。 ストルテンベルグ事務総長は3日、これらの国が防衛支出に2016年以降1300億ドル(約14兆2300億円)を追加していることや、2024年までに総額4000億ドルにまで増加すると述べていた。 トランプ氏は、他の同盟国が防衛にいくら拠出しているかについて、頻繁に批判を繰り広げている。 米仏の対立 NATO首脳会議初日の3日、トランプ氏とマクロン氏は記者会見中、トルコや武装組織「イスラム国(IS)」問題におけるNATOの役割をめぐり言い争いになり、両者間の緊張が表面化した。 トランプ氏とマクロン氏は、関税や貿易、さらには先月マクロン氏がアメリカによるNATOへの関与がなくなりつつあると発言したことなどをめぐり、すでに対立していた。 かつて、NATOは「時代遅れ」などと発言していたトランプ氏は、マクロン氏がNATOを「脳死状態」と呼んだのは「非常に無礼」で「不快な」発言だと批判した。マクロン氏は、自分の発言の正当性を主張し続けて。 (英語記事 Trump calls Trudeau 'two-faced' at Nato summit)

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    気候変動で鳥の体が「縮んでいる」=米研究

    2019年12月05日 13:38 公開 ケルジー・ヴラミス、BBCニュース 地球温暖化によって鳥の身体に変化が起きていることが、アメリカの最新研究で明らかになった。体長が縮んだ一方、翼幅(翼を広げた端から端までの長さ)は伸びているという。 研究チームは、北アメリカの渡り鳥52種について、過去40年以上にわたって集められた標本7万716体を調査した。標本は、イリノイ州シカゴで建物に衝突して死んだ鳥を集めたもの。 この種類の調査としては最大規模のもので、調査結果は、動物が気候変動にどのように対応しているのかを理解するのに重要な役割を果たすという。 調査を主導したミシガン大学環境・持続可能性学部のブライアン・ウィークス助教授は、「ほぼ全ての種類の鳥が小さくなっていた」と話した。 「対象となった種は多岐にわたるが、(気候変動への)対応は似ていた。ショッキングなほど一貫していた」 ウィークス氏によると、動物の気候変動への対応は通常、生息地域の変化や、移動および生殖の時期のずれなどに表れる。しかし今回の調査で、体の変化が第3の重要な側面として示唆された。 「これは大きな意味を含んでいる。この3つの変化全てを考慮に入れなければ、鳥がどのように適応しているのか理解するのは難しい」 鳥の体長は通常、脚の骨の長さで測定する。調査によると1978年から2016年の間に、脚の骨は2.4%縮んだ。一方、翼幅は1.3%伸びていた。 このことから、気温が高くなったことで体が縮み、それによって翼が長くなったと考えられる。 「長距離の移動は非常に大きな負担を強いられる」とウィークス助教授は説明する。 渡り鳥は、体が小さいほど使うエネルギー量が少なくて済む。また、翼が長く、その代わりに体が小さな個体の方が、長距離の移動に耐えられるという。 ただ、鳥の体が縮んだことと気温の上昇の関係は確実ではない。小さな体の方が体積に対する表面積の比率が大きいため、体温を下げやすいというのが一説だ。 ウィークス氏は、今回の研究に使われた標本は、シカゴ・フィールド自然史博物館の鳥類学者、デイヴ・ウィラード氏の「英雄的な努力」のたまものだと話す。 鳥の死体を収集 研究の共著者でもあるウィラード氏は1978年、春と秋の渡りの時期にシカゴの建物をめぐり、衝突して死んだ鳥を集め始めた。 渡り鳥は通常、夜に移動するが、建物の人工的な光に引き寄せられ、窓ガラスなどに衝突して命を落とすことがある。毎年、数億羽の鳥が建物との衝突で命を落としていると推測されている。 ウィークス氏によると、ウィラード氏は「今回の調査のことが頭にあったわけではなく、将来何かの役に立つと思って」鳥の収集を始めたと説明した。 それ以降、多くのボランティアや科学者がウィラード氏の活動に貢献した。 今回の研究では、ウィラード氏がたった1人で7万716体の標本を調査。同じ方法で全ての鳥を測定した。ウィークス氏は、これがこの手のデータを取り扱う際の「最善の方法」だと述べている。 温暖化による体長の変化は、他の動物でも報告されている。 2014年にはアルプス原産のヤギの体が、気温上昇によって縮んでいることが報告された。同じ年には別の研究で、気候変動によってサンショウウオの体長が急速に縮んでいることが明らかになった。 (英語記事 Birds 'shrinking' as the climate warms)

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    クマ襲撃が続発、1カ月で3人死亡 個体数が増加=ルーマニア

    2019年12月05日 12:50 公開 東欧ルーマニアで、人がクマに襲われ死亡する事案が1カ月余りで3件発生している。ヨーロッパで最も保護されている肉食動物の個体数が、人間が制御できないほど増加していることに、不安が広がっている。 ルーマニアはヨーロッパ大陸最大のヒグマの生息地で、約6000頭が暮らしている。ヒグマが関連する事案が起こりやすくなっているといい、今年10月にムレシュ県で漁師(61)、10月下旬にバカウ県で男性(46)が、11月にムレシュ県で羊飼い(63)がそれぞれクマに襲われ死亡した。 今年だけでこれまでに6人が死亡したほか、多数の負傷者が報告されている。一方、2000年~2015年にクマに襲われ死亡した人の数は合わせて11人だった。 野生動物の管理を担当するカロリー・パル氏は、「クマの個体数が増加しており、数を減らす必要がある」と警告している。 注意:記事中には死亡したクマの写真が含まれます パル氏は、ネアワに所有する小さな農場の中庭に立ち、「この地域のどこへ行っても、人々はクマが多すぎると言っている。もう作物を作ることはできないと。人々は農業や自分たちの土地を手放すことを強いられている。皆、村の外に行くことを不安に思っている」と話す。 「この地域の人は皆、クマによる被害を訴えに私のところにやって来る」と、パル氏は付け加えた。 クマの襲撃事案の増加 クマは農家の作物を荒らすほか、車両を壊し、家畜を殺すという。最近では車との衝突事故も多発している。 先月17日夜にはハルギタ県で、大きな雄のクマが車にはねられた。クマは手足を3本骨折し、苦しみながら路上に横たわっていた。 ルドヴィク・オルバン首相は、当局が義務を果たせなかったとして不満を口にし、環境省がクマの射殺要請を受けるまで15時間以上かかったと明かした。クマは同日午後に死亡した。 その後も、クマと車の事故が2件発生した。 ヒグマは冬に向けて、暖かい季節の間に1日最大2万カロリーを摂取するため、食料を探しに広範囲を移動する。人間の居住地や農作物、家畜や道路を避けて移動することは、野生動物にとっては難しい。 パル氏は、「(この地域で)先週一晩だけでクマを22頭目撃した。ネアワからギネシュティに続く舗装されていない道路を歩いていた」と話す。 趣味的狩猟の再開は? 多くの人が、2016年に趣味的な狩猟が禁止されたことが、クマの急増の要因だと考えている。 一方で専門家は、ルーマニアの公式の個体数データは間違っている可能性があると指摘する。個体数を推定する作業は従来、野生動物の管理者によって行われてきた。 自然保護団体「Milvus Group」のクマ専門家、チャバ・ドモコシュ氏は、「趣味的な狩猟が禁止されてから、被害をなるべく多く報告しようという、狩猟家や野生生物管理者らの働きかけがあった。(中略)当局による管理というようなものはないに等しい。我々には、一体何頭のクマが生息しているのか本当に全くわからない」と話す。 ドモコシュ氏は、効果的な管理プログラムなしに、村人たちが自ら問題を解決しようとし始めることを不安視しているという。 「人々が毒や罠を使い始めるんじゃないかと懸念している」とドモコシュ氏は述べ、ルーマニアのヒグマの個体数に壊滅的な影響を与えることになると警告した。 ムレシュ県のマリウス・パスカン議員は、同地域はクマに「包囲」されていると述べた。 雌のクマが子グマ2頭を連れて住宅地を歩いているのが目撃された後、「さらに犠牲者が出る前に、我々は団結して対応しなければならない」と、パスカン議員はソーシャルメディアに投稿。子供たちが通学時に襲われる可能性があるのに、「クマ擁護派」は無責任だと述べた。 ルーマニアでは今年9月、ヒグマの狩猟を5年間認める法案が可決された。これが自然保護活動家の怒りを買い、法案に反対する請願書にはこれまでに10万人以上の署名が集まった。 これまでで最悪な状況に ネアワから少し離れたギネシュティ周辺の丘で、羊を飼っているヤノス・シャボ氏(69)は「我々は大きなクマの問題を抱えている。クマは今年、私が飼っていた羊を4頭殺した」と話す。「すべての羊飼いが(クマの)問題を抱えている。状況はこれまでにないほど悪い」。 長い間栄養を蓄えたあと、一部のクマは間もなく冬眠を開始することとなる。そうすれば、こうした緊張を解消することにつながるかもしれない。 ドモコシュ氏は、クマとの共存の状況は急速に悪化しており、「社会に理解され受け入れられなければ、この種にルーマニアでの未来はない」と述べ、解決策を見つける必要があると指摘する。 (英語記事 Deadly attacks in European home of the brown bear)

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    トランプ氏の行為は「解任に相当」 憲法学者ら米下院で証言

    権でこの怒り狂った状況が続いてしまう、そんな状況を招くだけなのか」と問いかけた。 まるで大学の講義 BBCのアンソニー・ザーカー北米担当記者は、この日の証言は法科大学院の講義のようだったと評した。 また、4人の学者の証言は本来、情報委員会で政府高官たちが証言した内容が大統領弾劾に値するものか、下院の判断を助けるはずだったと説明。 しかし実際には、司法委員会に関わるほとんどの人と、証人たちの心証は、すでに決しているように思えると述べた。 弾劾手続きとは 合衆国憲法第2条第4節は、「大統領並びに副大統領、文官は国家反逆罪をはじめ収賄、重犯罪や軽罪により弾劾訴追され有罪判決が下れば、解任される」と規定している。 弾劾訴追権は下院が、弾劾裁判権は上院がそれぞれ持つ。 司法委員会は来週にも、トランプ氏のどの行為が違法かを明らかにする弾劾訴追の決議案の下書きを始めるとみられる。 下院この弾劾決議案を可決した後、上院が弾劾裁判を行う。上院議員の3分の2以上が賛成すれば、大統領を解任できる。 現在の下院では、定数435議席のうち民主党が235議席を占めているため、弾劾訴追が成立する可能性は高い。 一方の上院は、定数100議席のうち共和党が53議席を占める。解任の動議成立に必要な3分の2以上の賛成票を得るには、多数の共和党議員が造反する必要があるため、大統領が実際に解任される見通しは少ない。 政府と共和党は、弾劾裁判は最長2週間とするよう求めている。 過去の大統領で弾劾されたのは、アンドリュー・ジョンソン第17代大統領とビル・クリントン第42代大統領のみだが、上院の弾劾裁判が有罪を認めなかったため、いずれも解任はされていない。 リチャード・ニクソン第37代大統領は弾劾・解任される可能性が高まったため、下院司法委の弾劾調査開始から3カ月後に、下院本会議の採決を待たずに辞任した。 (英語記事 Trump's Ukraine conduct impeachable - law experts)

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    マイクがオンだと知らず……歴史に残る政治家のうっかり発言

    げている」と答えた。 ブラウン氏は後に、この女性(ジリアン・ダッフィーさん)を訪問して謝罪したほか、BBCのラジオ番組の取材でも謝罪を繰り返した。 5. ニコラス・サルコジ仏大統領:「もう耐えられない」(2011年) これは、2011年にフランスで行われた主要20カ国・地域首脳会議(G20 サミット)での、ニコラス・サルコジ仏大統領とバラク・オバマ米大統領の会話だ。 共同記者会見の直前、記者団に同時通訳の機器が手渡されたが、サルコジ、オバマ両氏が出てくるまではヘッドフォンを付けないよう指示された。 何人かの記者はこれを無視して、待機中の両氏の会話を聞いてしまった。 それによると、サルコジ氏はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相について「もう耐えられない。彼は嘘つきだ」と話した。 これに対しオバマ氏は、「うんざりしてるでしょうが、私は彼と毎日やりとりをしなければならない」と答えている。 このやりとりは数日間、伏せられていたが、フランスのニュースサイト「Arret sur Images」のダン・イスラエル氏によって公になった。 イスラエルは当時、フランスともアメリカとも関係が悪化していた。 (英語記事 Five 'hot mic' moments that got leaders in trouble)

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    トルドー首相やアン王女、トランプ氏をサカナに歓談? NATO70周年

    2019年12月05日 11:56 公開 北大西洋条約機構(NATO)設立70周年の記念会議が3日、ロンドンで始まった。しかし、すべて筋書き通りとは行かなかったようで、3日夜にバッキンガム宮殿で開かれた記念行事で、エリザベス女王をはじめ英王室の面々がドナルド・トランプ米大統領を夫妻を出迎えるなか、女王の長女アン王女が距離を置き、女王に呼ばれても参加しないやりとりが撮影され、注目されている。 さらには、カナダのジャスティン・トルドー首相がオランダのマルク・ルッテ首相やフランスのエマニュエル・マクロン大統領、イギリスのボリス・ジョンソン首相、そしてアン女王を前に、トランプ氏を話題にしているとされる様子が、カナダの公共放送CBCのツイートを機に、大いに話題になっている。

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    「レイプしたのはあなた」 女性への暴力に抗議するダンス、世界に広まる

    2019年12月04日 17:34 公開 チリの女性の権利擁護団体が始めた歌とダンスが、世界中に広まっている。 チリの権利団体「ラス・テシス」は、「女性に対する暴力撤廃の国際デー」の11月25日、首都サンティアゴでパフォーマンスによる抗議活動を行った。 それ以降、世界各地の女性たちがこれに共鳴している。 歌詞は、ラテンアメリカの人類学者でありフェミニストでもあるリタ・セガート氏の文章を元にしている。 レイプ犯だけでなく、女性に対する暴力事件が絶えない状況を受け、警察や裁判官、政治家にも批判を向けている。

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    シロクマの体に「T-34」の落書き 獲物の捕獲に影響も=ロシア

    を尊重しないひねくれた行為だ」 鎮静剤打たれたか WWFロシアの広報担当を務めるダリア・ブヤノワ氏はBBCの取材に、シロクマの映像は「とてもショックなもの」だとコメント。落書きは「悪いジョークのように見える」と述べた。 北部生物研究所のアナトリイ・コチネフ氏は、シロクマに鎮静剤を打たなければ、このような落書きはできないだろうと指摘している。 コチネフ氏は、この落書きの文字が「同じ大きさで均等に書かれている」ことから、シロクマは落書きされている間、動けないか、少なくとも非常におとなしくしていただろうと述べた。 また、現場は北極圏のノヴァヤゼムリャ列島ではないかと示唆した。この場所では以前、人間の住む場所に近付いてきたシロクマに、専門家チームが鎮静剤を打ったことがあるという。 地元住民の怒り? コチネフ氏によると、この落書きが消えるまでには数週間はかかるという。シロクマは北極の雪や氷の中で獲物を捕まえるために白い毛皮をまとっているが、落書きがそれを妨害する可能性もある。 専門家は現在、この動画の出所を特定しようとしている。 地元メディアは、北極圏ではシロクマが人間の住む地域に近付いてくるケースが増えており、今回の落書きは、これに対する地元住民の怒りが関係しているのではとみている。 ノヴァヤゼムリャ列島では今年2月、複数の町や村に十数頭のシロクマが現れ、非常事態が宣言された。 (英語記事 Spray-painted polar bear alarms wildlife experts)

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    世界のCO2排出量が増加、石油・ガスの使用増で=気候研究チーム

    2019年12月04日 15:59 公開 マット・マグラス環境担当編集委員 国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)がスペイン・マドリードで開催される中、石炭の使用量が減少している一方で、今年の二酸化炭素(CO2)排出量がわずかに増加しているとする報告書が4日に公表された。 世界の炭素収支を報告している「グローバル・カーボン・プロジェクト(GCP)」の炭素の排出傾向に関する年次分析によると、2019年のCO2排出量は0.6%増加する見込み。 石油やガスの使用が、大きく増加し続けていることが要因という。 <関連記事> 気候変動の危機的状況は「明らか」、最新報告書、科学者1.1万人が支持表明 米政府、パリ協定離脱を正式通告 気候変動対策に暗雲 「青い地球が危機に」 国連報告書が気候変動を警告 気候変動対策の国際的枠組み「パリ協定」が2015年12月に採択されて以降、CO2排出量は4%上昇した。 昨年は、3%近い大幅な上昇がみられた。主な要因は中国での石炭需要によるもの。また、SUV車などの世界の自動車市場が好調なことから、石油需要も急増した。 研究の許容誤差は大きいため、もしも今年のゆるやかな上昇が本当に上昇なのだとすれば、化石燃料の需要における重要な変化を反映していることになる。 世界の石炭使用によるCO2排出量は1%弱減少した。しかし、そこにはアメリカや欧州連合(EU)で大幅に減少しているという事実が隠されている。 「2019年の大半を通して、石炭の使用量は世界的に増加するとみられていた。ところが実際には、中国やインドでの経済動向は予想よりも鈍かったほか、インドでは強烈なモンスーンによって記録的な水力発電量に達したため、石炭使用量の増加予測に変化をもたらした」と、GCPの一部であるオスロ国際気候環境研究センター(CICERO)のロビー・アンドリュー上級研究員は話す。 「アメリカやEU加盟28カ国では、石炭使用量は大幅に減少している。おそらく2019年だけで共に10%近く減少しており、世界的石炭使用量の削減に一役買っている」 一方で石油やガスの使用量は上昇を続けたため、石炭使用量の減少分は相殺された。ガス使用量は2.6%上昇し、風力発電や太陽光発電といった再生可能エネルギーもまた、大幅な上昇をみせた。 しかし、こうした環境にやさしい燃料は、化石燃料の排出量増加を遅らせただけにすぎないと、CICEROのグレン・ピーターズ博士は指摘する。 「石炭と比べれば天然ガスはよりクリーンな化石燃料ではあるが、絶え間ない天然ガスの使用によって、石炭よりもゆっくりなスピードで地球を温めることにしかならない」 GCPの研究者によると、化石燃料ベースの技術を継続して使うことが、パリ協定で設定した目標を脅かしているという。 英イーストアングリア大学のコリーヌ・ル・ケレ教授らは、「この報告内容は、今年のいいニュースではない。排出量はいまだに増え続けているので。我々は状況を改善してはいるものの、再生エネルギーの提供やCO2を排出するテクノロジーの排除に関して言えば、もっと対策を講じる必要がある」としている。 排出量のデータでは、国レベルでの興味深い変化が確認できるという。アメリカでの排出量は、2005年以降、毎年約1%減少しており、こうした傾向は2019年も続いているという。 中国では、排出量が2.6%増加する見込みだが、経済動向が鈍くなく電力需要がもっと高ければ、排出量はもっと上昇していた可能性がある。インドも同様で、経済成長が滞ったことで排出量は1.8%増にとどまる見通し。 今回公表されたデータは、危険な気温上昇を回避するための、迅速な炭素削減目標を達成するという点で、世界がどれだけ遅れをとっているかを示しているにすぎない。 ルケレ教授は、「現在、気候変動対策を強化している国はたくさんあるが、それではまだ十分ではない。(中略)全力で取り組む国が足りていない。依然として排出量の多い国に期待が寄せられている。2020年は気候変動にさらされている国々にとって、本当に重要な年になるだろう」 (英語記事 Carbon emissions edge up as coal use falls)

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    【英総選挙2019】 在英EU市民360万人、選挙をどうみる?

    2019年12月04日 13:56 公開 イギリスには現在、欧州連合(EU)出身者が約360万人住んでいるが、12月12日の総選挙で投票権がある人はごくわずかだ。 ブレグジット(イギリスのEU離脱)の行方を決める大事な選挙に、多くの在英EU市民が注目している。 ビデオ・ジャーナリスト:パトリック・ジャクソン

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    米ハリス上院議員、大統領選の候補指名争いから撤退

    選に出馬表明 オバマ氏に近い穏健派 ヒラリー・クリントン氏、大統領選出馬の「圧力感じている」 BBCに ハリス氏の夫ダグラス・エムホフ氏は、「私がきみを守る。いつもそうしているようにね」と、妻を支持するツイートを投稿した。 https://twitter.com/douglasemhoff/status/1201926112273551360 民主党候補者の反応 バイデン氏は、選挙活動で訪れていたアイオワ州メイソンシティで、「ハリス氏には一流の知性があり、一流の候補者だ。(中略)同氏の撤退については複雑な心境だ。彼女は本当にしっかりしていて、才能にあふれた人物なので」と述べ、選挙戦の対抗馬の1人だったハリス氏に敬意を表した。 ほかの候補者も、ハリス氏撤退の知らせを受けてすぐに敬意を表した。 コーリー・ブッカー上院議員(50、ニュージャージー州)は、ハリス氏とハグする写真をツイート。「私の親愛なる友人のカマラ・ハリスは先駆者だ。私は、上院で彼女と共に働くことが大好きで、常に顔を合わせていた。彼女は選挙戦で喜びと共に障壁を打ち破った。姉よ、大好きだ」と述べた。 https://twitter.com/CoryBooker/status/1201930335501594624 エイミー・クロブシャー上院議員(59、ミネソタ州)は、「カマラ(ハリス)はいい友人であり、非常に力のある公務員だ。時には選挙戦によって友情が引き裂かれることもあるが、私たちはさらに親しくなった。彼女は引き続きいい仕事をしていくだろう」とツイートした。 https://twitter.com/amyklobuchar/status/1201931934948921344 専門家らは戦略ミスを指摘 元検察官としてのキャリアを反映した、ハリス氏が当初掲げた「人民のために」というスローガンは、より進歩派の有権者である若者からの支持を集めることに失敗したと、評論家は指摘する。その後もスローガンを変更したもののうまくいかず、結局、元検察官らしく「正義は投票にあり」というスローガンに収まった。 BBCのアンソニー・ザーカー北米担当記者によると、評論家やアナリストはすでに、ハリス氏の選挙戦略や、ここ数カ月の間に確認できた失敗についてこき下ろしている。ハリス氏は、民主党内の穏健派と進歩派の中間を歩もうと努めた結果、どちら側にも働きかけることはできなかったと。 55歳のハリス氏には今後も、長い政治キャリアが残されているとザーカー記者は話す。バイデン氏のような候補者にとって、魅力的な副大統領候補になる可能性はある。ハリス氏が国政に初挑戦し、様々な期待に応えることができず、好機を逃したことが主に人々の記憶に残ることになるだろうが、彼女には第二章のための時間が十分残されている。 (英語記事 Kamala Harris ends bid for US presidency)

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    トランプ氏の弾劾、「証拠は決定的」 米下院委が報告書を公表

    2019年12月04日 13:09 公開 米下院情報委員会は3日、ドナルド・トランプ大統領を弾劾すべき「決定的な」証拠がそろったとする報告書を公表した。 報告書は、トランプ氏が自らの政治的利益を「アメリカの国益より優先した」と結論づけている。 その例として、トランプ氏が再選を目指す2020年大統領選での選挙活動において、「何カ月にもわたって職権を使い、外国の介入を求めた」ことが判明したとしている。 報告書は、民主党が多数派の下院で、トランプ氏の失職を目的にまとめられた。 トランプ氏は不正行為はなかったと主張。下院による弾劾調査を魔女狩りだと批判している。 「個人の政治的動機を優先」 報告書では、「トランプ大統領の計画はウクライナに対する米外交政策をひっくり返し、国家安全保障を損なった。それは、大統領再選の選挙活動を有利にするという政治的動機に基づいた、2つの捜査を優先する行為だった」としている。 さらに、「大統領は、ウクライナで新たに当選したウォロディミル・ゼレンスキー大統領に対し、最も恐れていたであろう政敵ジョー・バイデン前副大統領に関する捜査について、正式に発表するよう要求した。さらに、2016年大統領選に介入したのはロシアではなくウクライナとする、信頼性を欠く見方に沿った捜査も求めた」と説明。 不正行為の証拠は決定的とし、「下院の活動を妨害した証拠も同様だ」としている。 弾劾は「非愛国的だ」 今回の報告書の草案が公表される前に、トランプ氏は民主党主導の弾劾調査を「非常に非愛国的」と非難した。 一方、下院共和党は123ページに及ぶ独自の報告書を公表。弾劾調査で証言した「選挙で選ばれていない役人たち」は「トランプ大統領のスタイルや世界観、決定に基本的に反対だ」と批判した。 報告書の公表後には、ホワイトハウスのステファニー・グリシャム報道官が、民主党は「不正の証拠を生み出すのに完全に失敗した」とし、報告書は「民主党のいら立ちを示すものでしかない」と述べた。 司法委員会で審議 今回の報告書は、情報委員会で賛成13、反対9で承認された。民主党の委員が賛成、共和党の委員が反対した。 これにより、報告書は下院司法委員会に送られる。同委員会は4日に開かれ、トランプ氏を弾劾するか審議する。はじめに4人の憲法学者が弾劾について説明する予定。 ホワイトハウスは、「公平性」に欠けるとして、同委員会への出席を拒否している。 下院は年内に弾劾決議案を採決したい意向。弾劾が決議された場合、早ければ来年1月に、上院で弾劾裁判が始まる見込み。 (英語記事 Impeachment evidence overwhelming - report)

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    グーグルの共同創業者、そろって退任へ

    2019年12月04日 12:31 公開 米グーグルの共同創業者ラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏は3日、それぞれ親会社アルファベットの最高経営責任者(CEO)と社長を退任すると発表した。今後は、グーグルのサンダー・ピチャイCEOがアルファベットのCEOを兼任する。 一方で、ペイジ氏とブリン氏は共に、アルファベットの取締役会にはとどまる方針だ。 両氏は1998年にカリフォルニア州の友人宅のガレージでグーグルを創業。アルファベットは2015年、巨大企業となったグーグルの企業活動を「よりクリーンで信頼できるもの」にするために設立された。 近年ではインターネット事業の枠を超え、自動運転技術などにも進出している。ペイジ氏とブリン氏はアルファベット創業と共に、同社の経営者となっていた。 両氏は共同声明で、「今後も役員、株主、共同創業者として積極的にグーグルに関わる」と述べた一方、「経営構造を簡略化する時期になった」と話した。 「私たちは、会社を経営するより良いやり方がある時に、経営者の立場にしがみつくような人間ではない。アルファベットとグーグルにはもう、CEO2人と社長1人は必要ない」 その上で、「毎日小言を言うのではなく、助言と愛を与えるような誇りある親の役割を担う」時だと話し、アルファベットの未来を担うのに最適の人物はピチャイ氏以外にいないと述べた。 インド出身のピチャイ氏は同国でエンジニアリングを学んだ後、米スタンフォード大学とペンシルヴァニア大学へ進学。その後、2004年にグーグルに入社した。 ピチャイ氏は声明で、「創業者の2人は、世界に影響を与える素晴らしいチャンスを私たちに与えてくれた」とペイジ氏とブリン氏に感謝を述べた。 「私たちには毎日仕事に来るのが楽しくなるような色あせないミッションが、いつまでも続く価値観が、そして協力と開拓の文化がある」 ペイジ氏はフォーブスの長者番付で10位、ブリン氏は14位に付けており、資産総額はそれぞれ500億ドル(約5兆4300億円)とみられている。 また、アルファベットの市場価値は8630億ドルと、世界17位。 <解説>権力を放棄しない「誇りある親」 ――デイヴ・リー北米テクノロジー記者 グーグルにとっては、発足以来で最も大きな経営陣の交代だ。シリコンバレの伝説となったブリン氏とペイジ氏のコンビは初めて、自らが立ち上げた会社の経営から離れることになった。 実際には、こういう場面はたびたび起きてきた。グーグルの表の顔は既にピチャイ氏と、一部はYouTubeのスーザン・ウォシッキーCEOになっていた。3日の発表はペイジ氏とブリン氏はグーグルを経営しないと述べることで、これを明確なものにした。 しかし、経営者の立場からは退いたものの、2人は権力を放棄してはいない。両氏はアルファベットの取締役会で、合わせて51%の議決権を持っており、ここに変更は加えられない。 2人は今後の自分たちの役割を、関心と思いやりを持って見守る「誇りある親」と表現した。 しかし両氏は必要だと思えば、「親の言うことを聞きなさい」という一言程度で、ピチャイ氏の決定を覆せるのだ。 (英語記事 Google co-founders Page and Brin step down )

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    今年のテーマは「アメリカの精神」、ホワイトハウス恒例のクリスマス飾りがお披露目

    2019年12月03日 18:00 公開 毎年恒例の米ホワイトハウスのクリスマスの飾り付けが2日、お披露目された。今年のテーマは「アメリカの精神(The Spirit of America)」。 クリスマスの飾り付けはファーストレディーが担当することになっている。メラニア・トランプ夫人がツイッターに投稿した動画では、メラニア夫人が飾り付けをする様子や、様々な電飾が付いたクリスマスツリーが映っている。 中には、クリスマスの定番のジンジャーブレッドでできた、ホワイトハウスやスペースニードルなどの米国内のランドマークも飾られている。 100人以上のボランティアの協力を得て、ホワイトハウス中がクリスマス仕様に変身した。

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    クリスマス限定ドリンクの「過剰な糖分」に警告=英団体

    2019年12月03日 15:19 公開 クリスマス限定ラテやホットチョコレートなど、人気カフェチェーンで売られているホットドリンクには、1杯当たり最大でスプーン23杯分の砂糖が含まれていることが、最新の調査で明らかになった。 砂糖問題に取り組むイギリスの団体「アクション・オン・シュガー」は、200種類以上の商品を調査した結果、「ショッキングな」量の砂糖が入っているものが多かったと指摘している。 また、動物性食品を一切口にしないヴィーガンの人向けの植物性ミルクを使った商品にも、砂糖の含有量が多いものがあったという。 <関連記事> 英政府、砂糖入り飲み物に課税へ 実はヨーグルト製品には砂糖がいっぱい(オーガニックでも) コーラよりも その甘い一杯にいったい砂糖がどれくらい 調査した商品の中では、スターバックスの「キャラメル・シグネチャー・ホット・チョコレート(日本未発売)」が最も砂糖の量が多かった。 590ミリリットルの「ヴェンティ」サイズの同商品をオートミルク(オート麦から作る植物性ミルク)で作り、ホイップクリームを乗せると、砂糖の量はスプーン23杯分に当たる93.7グラムに達した。 これはコカ・コーラ3缶分、あるいはホワイトチョコとイチゴのマフィン4個分に相当するという。なお、1杯分のカロリーは758キロカロリーだった。 また、スターバックスの季節限定商品「ジンジャーブレッド・ラテ」のヴェンティサイズは、オートミルクで作った場合でもスプーン14杯分(56.6グラム)の砂糖が含まれていた。 イギリスのコーヒーチェーン「カフェ・ネロ」が提供している「ソルテッド・キャラメル・ホット・チョコレート」のグランデサイズも、スキムミルクで作った場合の砂糖の量は60グラム近くに上った。 調査対象となったカフェは、こうした甘い商品以外にも、糖分の少ない選択肢を提供していると話している。 一方アクション・オン・シュガーは、成分表示の欠如や、ヴィーガン向け製品は健康的だという見方から、顧客は知らない間に過剰な量の砂糖を摂取している恐れがあると指摘。中には、植物性ミルクをあらかじめ甘くしておく企業もあるという。 しかし、ちょっとした変更で大きな違いが出る。 例えばスターバックスの「ジンジャーブレッド・ラテ」をオートミルクではなくアーモンドミルクで作ると、砂糖の量はスプーン4.5杯分(18グラム)減るという。 アクション・オン・シュガーは今回、スターバックスとカフェ・ネロに加え、マクドナルド、ケンタッキー・フライド・チキン、コスタ、グレッグス、イート、レオン、プレタマンジェの商品を調査した。 同団体に所属する栄養士のホーリー・ガブリエルさんは、調査結果は「ショッキング」だったと話した。 「カフェチェーンやファストフードは、砂糖の量や商品の大きさを下げ、糖分の低い代替品を使い、店頭で甘いものの過剰摂取を奨励しないよう、もっと取り組みを強化する必要がある」 スターバックスの広報担当者は、顧客は商品の大きさだけでなく、低脂肪乳への変更やクリーム抜きなどのカスタマイズを自由に行えると説明した。 「我々は全ての商品で糖分削減を目指しており、2015年以来、ジンジャーブレッドだけでなく、ヴァニラ、キャラメル、ヘーゼルナッツなどのシロップの糖分を9%減らしている」 イギリスでは子どもの肥満対策として、砂糖を含む飲料などに税金がかけられているが、甘みを足したミルクを使った飲料は、課税の対象になっていない。 (英語記事 'Sugar overload' warning for festive hot drinks )

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    【英総選挙2019】 ジョンソン首相がBBC番組に出演 首相発言を検証

    2019年12月03日 13:59 公開 ボリス・ジョンソン英首相は1日午前、BBCの報道番組「アンドリュー・マー・ショー」に出演し、欧州連合(EU)離脱や安全保障、労働党についてなど、さまざまな質問に答えた。BBCのリアリティーチェック(ファクトチェック)チームが、首相の発言を検証する。 発言1:イギリス政府は対テロ捜査に追加予算を投じる 11月29日午後にロンドン橋近郊で起きた襲撃事件を受け、テロ対策について話していたジョンソン首相は、「(2020年に行われる)歳出計画の見直しで、テロ対策に多額の資金を投資する。テロ対策にはさらに1億6000万ポンド(約225億8000万円)を投じる」と話した。 ジョンソン政権は9月に2020/2021年の予算案を発表したが、そこではテロ対策費の増加はインフレ率の上昇幅にとどまるとしていた。 この計画には、「2018年度予算で発表された1億6000万ポンドの増額」をもう1年継続するという約束も含まれている。 実際には、2018年度予算でテロ対策費は5900万ポンドしか増えていない。これは前年度から8%の増加だ。 1億6000万ポンドという数字は、2019/20年の歳出予想額と、2015年の歳出計画で発表された額の差額に当たる。 発言2:労働党のジェレミー・コービン党首は情報局保安部(MI5)を解体すると発言した BBCニュースは保守党に対し、この発言の証拠を提示するよう求めているが、返答はまだない。一方、最大野党・労働党は、この主張を否定している。 この主張の発端は2015年の総選挙にあるかもしれない。選挙期間中、「労働党の勝利のための社会主義者の活動」という団体が数々の要求を出し、この中に「MI5の解体」が含まれている。 この声明には、影の財務相を務めるジョン・マクドネル議員が署名している。 報道によるとマクドネル氏は事実を認めているものの、証明したことは間違いだったと話しており、MI5の解体は支持しないとしている。 また、ダイアン・アボット影の内相も1989年にMI5解体を要求する動議に署名しているが、現在は要求しないとしている。 発言3:女王の演説を議会が否決した イギリスでは議会の新しい会期が始まる際、君主が政府の施政方針演説を読み上げる。演説の内容は議会で審議され、採決にかけられる。 10月15日始まった議会でのエリザベス女王の演説は、24日の採決で16票差で可決している。 発言4:政府は既に受刑者の早期釈放を中止している ジョンソン首相は番組内で、「私は8月に、重犯罪者を自動的に早期釈放することはもう認めないと話した。女王の演説には、早期釈放を阻止する法案が入っており、それに取り組んでいる」と話した。 女王の演説には、「重犯罪あるいは性犯罪で4年以上の禁錮刑が科せられた者が自動的に仮釈放される時期を、刑期の半分から3分の2に変更する」とする刑法案が示されている。 また、受刑者のうち「危険」と判断された者には既に、刑期の3分の2以上を服役しないと釈放されない「加重定期刑」を受ける。現在、こうした受刑者は約250人いる。 <関連記事> ロンドン橋殺傷 なぜ容疑者は仮釈放中だったのか ロンドン橋殺傷 容疑者はどんな人物だったのか 発言5:国民保健サービス(NHS)への投資額は近年最大 ジョンソン氏はNHSについて、「多額の投資を計画している。近年最大の340億ポンドだ」と述べた。 確かに、保守党のNHSイングランドへの投資拡大計画は、金額で言えば340億ポンドになる。しかしインフレ率を加味すると、実際には2023/2024年までに205億ポンドの増額にとどまる。 年率3.2%の増加だが、英保健財団によると、これは1997~2010年の労働党政権下での6%を下回っている。 さらに、この投資拡大の大部分は総選挙が決定される前に発表されていたものだ。保守党のマニフェストでは、保健への歳出は2023年から2024年の間に29億ポンドしか増えないことになっている。 シンクタンクの財政研究所(IFS)によると、これはもともと計画されていた金額からわずか0.3%しか増えていない。 (英語記事 Boris Johnson's interview with Andrew Marr fact-checked )

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    アンドリュー英王子の証言求める方針 死亡米富豪の人身取引裁判で弁護士

    る被害を訴える女性5人の弁護士が、アンドリュー英王子の証言を求める方針だと明らかにした。これを伝えたBBC番組はほかにも、王子のこれまでの主張を覆すと思われる複数の新情報を伝えた。王子は同被告と交流があり、それに伴い未成年女性と性的関係をもったのではないかと疑惑が取りざたされている。 2日夜放送のBBC調査報道番組「パノラマ」で、故エプスティーン被告を訴えている女性5人を代表するデイヴィッド・ボイス弁護士が、5人全員の裁判でヨーク公爵アンドリュー王子に対して召喚状を送り、証言を避けられない状態にするつもりだと話した。 弁護士によると、エプスティーン被告によって性的に取引されたと訴えている女性5人は、同被告の自宅で女性たちが客をマッサージさせられる様子を、アンドリュー王子が目撃していたと話している。 (編集部注・ Jeffrey Epstein被告の姓は、日本語メディアで「エプスタイン」と表記されることもありますが、BBCでは当人を知る関係者たちの発音に近い「エプスティーン」と表記しています) ボイス弁護士は番組で、「当時の様子をどう説明するのか、私たちはアンドリュー王子から直接聞きたいと希望してきた。(エプスティーン宅を)頻繁に訪れていたので。聞き取り調査に応じるべきだ。何を見たのか話すべきだ」と述べた。 アンドリュー王子はこれまで、エプスティーン邸で性的斡旋などの問題行動が行われていたとは知らなかったと発言している。 弁護士によると、法廷での証言を義務づける召喚状はすでに原告5人分が用意されており、王子がアメリカ国内に入った時点で裁判長が承認すれば、王子は出廷しなくてはならなくなる。出廷した上で、証言を拒否することはできる。 「パノラマ」はさらに、アンドリュー王子が当時未成年の女性と性交したという疑惑について、王子がBBCに話した内容に矛盾する新情報をいくつか伝えた。 <関連記事> 未成年の性的人身取引で起訴の米富豪、拘置所で死亡 自殺の可能性に疑問噴出 アンドリュー英王子、拘置所で死亡の米富豪との関係を問われ 自分はアンドリュー英王子に「売られた」と 死亡の米富豪を訴えた女性 アンドリュー英王子、死亡の米富豪疑惑で過ち認める 性行為疑惑は否定 アンドリュー英王子「公務控える」 スキャンダル受け発表 問題の写真について新情報 BBC「パノラマ」は、アンドリュー王子が当時17歳のヴァージニア・ロバーツ(現ジュフリー)さんと一緒に写った、今や問題の写真について新事実を探り当てた。 エプスティーン被告を訴える原告の1人になっているジュフリーさんは、17歳だった2001年3月当時、ロンドンで王子と夕食をとり、ナイトクラブで一緒に踊ったと主張している。ナイトクラブ「トランプ(Tramp)」には、エプスティーン被告と当時の恋人ギレイン・マックスウェルさんも同行し、そこからマックスウェルさんの自宅に向かった後、王子と写真を撮り、その後に性行為をしたという。 ジュフリーさんは「パノラマ」に対して、マックスウェルさん宅へ向かう車内で「ギレインから、ジェフリーにしていることをアンドリューにもしなくてはならないと言われ、本当に気持ち悪くなった」と話した。 マックスウェルさん宅に着くと、家族に見せたいからと王子に一緒の写真を撮ってもらい、それからギレインさんの指示に従い王子をもてなしたとジュフリーさんは述べた。 「まずはお風呂から始って、そこから寝室に移って、あまり時間はかからなかった。やったことの全ては」、「本当に気持ち悪かった。意地悪とかそういうのではなかったけれども。(王子は)立ち上がってありがとうと言ってから、歩いて出て行った」などと、ジュフリーさんは話した。 「写真は本物」とカメラマン アンドリュー王子は11月半ばにBBCの単独インタビューに応じ、ジュフリーさんと会った覚えはなく、問題の写真を撮った記憶もないと繰り返し言明した。 2人の写真は2011年に英タブロイド紙メイル・オン・サンデーが最初に公表したもの。同紙は当時、ジュフリーさんを探り当て、独占インタビューに16万ドルを支払っている。 この写真について王室関係者は今年になってから、偽物説を口にし始めた。王子自身はBBC番組「ニュースナイト」のインタビューで、偽物だとは断定しなかったものの、この写真の真贋について「調査をした」が「写真の写真の写真」なので偽物だと立証できなかったと話した。 王子は、ジュフリーさんが自分と会ったと主張している2001年3月の夜、自分はロンドン南郊にあるピザのチェーン店に娘を連れていき、その後は自宅で過ごしたと説明。写真の家の上階に上がったことがあるか記憶にないし、自分はロンドンにいる時には写真でのような服装はしないのが通常だと指摘。さらに「あの手が私の手なのか、確証はない」と述べた。 一方でジュフリーさんは「パノラマ」に対して、写真は本物で、2011年の時点でオリジナルを米連邦捜査局(FBI)に提出したと話した。 「馬鹿げた言い訳ばかりで、もう世界中が飽き飽きしていると思う。本物の写真なので。捜査のためにFBIに渡した、本物です。現像された日付が裏に印字されている」 「パノラマ」は2011年に最初にこの写真を接写したフリーランス・カメラマンのマイケル・トマス氏に接触した。 トマス氏は、写真は本物だと確信していると番組に話した。エプスティーン被告やマックスウェルさんに同行した旅行中のたくさんの写真の中から、トマス氏が見つけ出したものだからという。 「複雑な話は何もなく、チェーンの薬局で普通に現像した5x7の写真に見えた。10代の子供にありがちな普通のスナップ写真だった」 番組はさらに、ジュフリーさんが現像されたオリジナルの写真をFBIに提出したという主張を裏づける証拠も発見した。 一部が黒塗りされた裁判資料によると、ジュフリーさんは2011年にFBIに写真20枚を提出し、FBIはそれぞれの裏表をスキャンしたという。しかし、公開されている裁判資料では写真は19枚しかない。 アンドリュー王子の写真は王子のプライバシーを保護するため、公開資料から削除されたのだと「パノラマ」は報じている。 王子の旧友が故被告に協力か エプスティーン被告による被害を訴える別の原告、サラ・ランソムさんは「パノラマ」に対して、アンドリュー王子の旧友で故被告の恋人でもあったマックスウェルさんが、エプスティーン被告の犯行に全面協力していたと話した。 「ギレインが女の子たちを管理していた。まるでマダムみたいに」 「性的人身取引の仕組みを動かす肝心要が彼女で、自分の島にいるジェフリーをしょっちゅう訪ねては、女の子たちがちゃんとやるべきことをやっているか確認していた」 「ジェフリーの好みを知っていたので。ジェフリーの価値を維持するために協力していた。女の子たちを脅すことで。なのでこれはまったくの共同事業だった」 BBCはマックスウェルさんにコメントを求めようとしたが、連絡がつかなかった。過去には、エプスティーン被告による虐待行動について何も知らず、いっさい関与していないと主張してる。 マックスウェルさんに対する性的虐待の訴えは2009年の裁判資料で初めて公になったが、アンドリュー王子は交友を続けている。 「パノラマ」が入手した2015年のメールでは、ジュフリー氏による告発にどう対処すべきか、アンドリュー王子がマックスウェルさんに協力を求めている様子さえうかがえる。ジュフリーさんは当時、旧姓の「ヴァージニア・ロバーツ」と呼ばれている。 メールで王子はマックスウェルさんに対して、「いつ話ができるか教えて。ヴァージニア・ロバーツについていくつか具体的な質問をしたい」と書いている。 これに対してマックスウェルさんは、「多少のことを知っているので、お手すきの時に電話して」と返信している。 「パノラマ」の詳細な問い合わせにアンドリュー王子は回答しなかったものの、人間の搾取はいかなる形でも唾棄(だき)すべきことで、自分は決してそのような真似を容認したり参加したり奨励したりしないと声明を出した。 王室は、「ヨーク公爵はジェフリー・エプスティーンとの不見識な交際をはっきりと後悔している。エプスティーンの自殺によって、数多くの疑問が疑問として残った。特に被害者たちにとって。被害に遭い、何らかの区切りを求める人たちに、公爵は深く同情している。いずれその人たちも人生を立て直すことができるよう、公爵は願っている。適切な法執行機関による捜査について、公爵は必要となれば手伝う用意がある」とコメントしている。 <解説> 王子の発言と矛盾――ジョニー・ダイモンドBBC王室担当編集委員 エプスティーン被告とその客人たちがマッサージを受ける様子をアンドリュー王子が目撃していた――。女性5人がこう主張し、王子がアメリカに入国すれば出廷させられる召喚状が用意されたというのは、王子にとって色々な意味でよくない展開だ。 王子はこれまで、自分は各地のエプスティーン邸で疑わしい行為が行われているのを目撃していないし、疑ったこともないと発言している。女性たちの主張は、これに真っ向から反対するものだ。 出廷と宣誓証言を義務づける召喚状が用意されるとなれば、王子が訪米する可能性はほとんどなくなる。これは実に異様な事態だ。女王の次男が、今や実質的にアメリカに行くことができないのだ。宣誓証言をしようというのならともかく。 出廷した上で召喚状の要請に反論し、証言を拒否することは法律上はできる。しかし、そんなことをすれば王子がアメリカの司法の仕組みに巻き込まれていくことになり、リスクは巨大だ。 数々の新情報やジュフリーさんの強力なインタビューを伝えた今週の「パノラマ」によって、アンドリュー王子とエプスティーン被告との関係、そして王子による数々の否定発言が、あらためて注目されることになった。 この問題の幕引きはまだない。むしろ、問題はどんどん膨れ上がっている。 (英語記事 Prince Andrew must testify says Epstein accusers' lawyer)

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    米政府、仏製品に追加関税検討 「不当な」デジタル税に報復と

    2019年12月03日 13:33 公開 米通商代表部(USTR)は2日、フランスが今年7月に導入したデジタルサービス税への対抗措置として、24億ドル(約2600億円)相当の仏製品に最大100%の追加関税を課す準備を進めていると発表した。 この追加関税が課された場合、対象となるのはチーズやスパークリングワイン、化粧品やハンドバッグなど。 USTRのロバート・ライトハイザー代表は、フランスのデジタルサービス税が不当に米テクノロジー大手を標的にしていると主張。現在検討中の追加関税は、「米企業を差別したり、あるいは不当な負担を負わせたりするデジタル税制度に対し、アメリカが対応策を講じるだろうという明確な意思表示」だとし、他の国が同様の措置を講じることを抑止するためのものだと説明した。 保護貿易主義の拡大 USTRは今年7月、通商法301条に基づき、フランスのデジタルサービス税について調査を開始し、2日に調査報告書を公表。このデジタルサービス税は、利益ではなく売り上げ高に課税するなど国際的課税基準に反しており、米テクノロジー企業にとって「異常な重荷」になっていると結論付けた。 調査結果を踏まえ、ライトハイザー氏は追加関税を課す方針を発表した。今後、国民の意見を聞くパブリックコメント期間を設けることとなる。 ライトハイザー氏は、オーストリア、イタリア、トルコの同様のデジタル税についても調査を行うか検討中としている。イギリスもデジタル税への対策を講じている。 「USTRは、不当に米企業を標的にしている、欧州連合(EU)加盟国で拡大する保護貿易主義に対抗することに重点を置いている。デジタルサービス税あるいはほかのやり方で、米デジタルサービス企業が標的にされている」と、ライトハイザー氏は述べた。 フランス側はこれまで、同国のデジタルサービス税は、企業本社の所在地ではなく、デジタル活動に基づいて徴収されるべきだと主張している。 フランスのデジタルサービス税とは デジタル税は、2019年1月からの仏国内での売り上げに対し3%課税するというもので、2019年に4億ユーロ(約500億円)の税収を見込んでいる。デジタルサービスによる年収が仏国内で少なくとも2500万ユーロ(約30億円)発生し、かつ全世界で7億5000万ユーロ(約900億円)以上の企業が対象となる。 約30の企業が納税することになるとみられ、その多くはアルファベット、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフトなどの米企業だ。 これに対しアマゾンはすでに、仏企業を対象に利用手数料を3%値上げして対抗している。 米テクノロジー企業は、二重の納税を強いられると反発。税制の刷新には国際的努力が必要だとしている。しかし、こうした交渉はなかなか進んでいない。 国際的合意あればデジタル税廃止も 仏政府は、EU全体での合意が滞った後にデジタル税の導入を発表した。国際的な合意が得られれば、国レベルでのデジタル税は廃止するだろうとしている。 一方、アメリカのドナルド・トランプ大統領は今年7月、フランス産ワインに対して追加関税を課すと警告。フランスの農業相は、「完全にばかげている」としてトランプ氏の考えを一蹴した。 追加関税によるリスクを懸念 一部の米ビジネス・ロビー団体は、フランスのデジタル税に反対の立場ではあるものの、新たな貿易戦争を激化する恐れがあるとして、追加関税をしないよう警告した。 たとえば、米商工会議所は、関税によって「米経済成長や雇用創出に相当なリスクを与えるような、さらなる報復措置を誘発する可能性がある」としている。 <解説>デイヴ・リー北米テクノロジー担当記者 アメリカが予定している報復措置は、イギリスの各党首にとって厄介な問題になるかもしれない。 最大野党・労働党のジェレミー・コービン党首が最も重要な選挙公約として掲げた、イギリスのブロードバンドサービスの民営化では、少なくとも部分的には「多国籍企業」に課す税金で資金を調達する予定だった。労働党が先月発表したプレスリリースでは、関係する企業として「アマゾン、フェイスブック、グーグル」の名前が具体的に挙げられていた。 ボリス・ジョンソン英首相も、フェイスブック、アップル、アマゾン、ネットフリックス、グーグルの頭文字をとった、「ファング(FAANG)」と呼ばれる米IT大手5社が「事実上何も」支払っていないとして、コービン氏の案を支持している。ジョンソン氏率いる保守党も公約で、デジタルサービス税の税収によってブロードバンド整備や他の分野を改善する資金調達すると約束している。 テクノロジー企業への課税は、アイルランドなど低税率地域を経由しがちな収益ベースではなく、各国国内の売上ベースにすべきだという、欧州の動きに乗って、両氏は主張している。 しかし、「グーグル税」は選挙公約としては聞こえが良いが、米政府にとっては大成功した自国企業が不当に標的にされていることになる。今回の米政府の発表は、反撃開始する準備ができたという表れだ。 次の展開はこうかもしれない。フランスは、欧州がまとまってEU全域で一貫性のある代替案を思いつくことができれば、デジタル税を撤回するとしている。その場合、アメリカにとっては相手がフランス一国ではなくEU全体となったら、その方が大変だ。 一方でイギリスは、ブレグジットの後にはEUから切り離される。それだけに、アメリカの機嫌を損ねず、気に入られ続ける必要がある。 (英語記事 US mulls retaliation to French tech tax )

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    マルタ首相、年明けの辞任表明 汚職追及の記者殺害事件めぐる批判受け

    2019年12月03日 11:17 公開 地中海の島国マルタのジョセフ・マスカット首相は1日のテレビ演説で、来年1月に辞任する意向を示した。同国で2017年に起きたジャーナリスト殺害事件をめぐり、同氏の側近とつながりがあるとみられる人物が訴追されるなど、批判が高まっていた。 マスカット首相は与党・労働党に対し、来年1月12日に後任を選出するための手続きを開始するよう求める考えだと述べた。 マルタのビジネスや政界エリートらの汚職疑惑を調べていたマルタ人ジャーナリストのダフネ・カルーアナ・ガリジア氏は2017年、自動車爆弾で殺害された。 この事件の捜査をめぐっては、デモ隊がマスカット氏の即時辞任を求めてきた。 先週、政権幹部とつながりがあるとみられる実業家がガリジア氏殺害で共謀したとして訴追されたことで、マスカット氏への反発は激しさを増した。 辞任しなければ完全な捜査は不可能と ガリジア氏の遺族は、マスカット氏は過去2年間でマルタ政界の腐敗一掃に失敗したため、辞任すべきだと主張。同氏が首相の座に留まる限り、ガリジア氏の死に対する十分な捜査は不可能だとしている。 マスカット氏はガリジア氏殺害事件の捜査手法について、「一部の判断はよかったものの、より最善な判断をできるものもあった」と述べ、辞任決断に至った理由を説明。「私が背負わなければならないすべての責任は、間違いなく、犠牲者の家族が耐えている痛みとは比べ物にもならない」と付け加えた。 マスカット氏はいつ辞任する? マスカット氏は、来年1月12日に労働党党首を辞任に、「その数日後」に首相を辞任する意向という。 欧州連合(EU)加盟国でもっとも小さな国で、圧倒的勝利を2度おさめ、好況と社会改革を率いたマスカット氏は、6年にわたり権力を握ってきた。 「マルタは新しい章を始める必要がある。私にできるのは、その合図を送ることだけだ」 マスカット氏は1日、4時間にわたり労働党の議会グループとの会議を行った後、辞任を決断した。会議では、議員は「首相が下すあらゆる決断に対し、満場一致で支持」を表明したという。 辞任要求の理由 デモ隊の集団はこの日、首都バレッタでマスカット氏の即時辞任を求めるデモ行進を行った。 マスカット氏の元首席補佐官、キース・シェンブリ氏が、ガリジア氏殺害で仲介役だったとみられるメルヴィン・サウマ氏と共に写っている写真のコピーが、建物の門に貼り付けられた。 マスカット氏の対応に対するデモ隊の反発は、今週末に激しさを増した。 政権幹部と関係があるとみられる実業家、ヨルゲン・フェネック容疑者が、10月30日にガリジア氏殺害を共謀した罪で訴追された。フェネック容疑者はすべての容疑を否認している。 フェネック容疑者については昨年、謎に包まれたドバイの企業「17 Black」の所有者だと特定されていた。この企業は、2016年に カリブ海のタックスヘイブン(租税回避地)における各国首脳や著名人の租税回避行動を浮き彫りにしたパナマ文書に記載されていた。 「17 Black」は、シェンブリ氏とコンラッド・ミッツィ前観光相が用意した複数の企業に対し、秘密の支払を計画していたとされる。 シェンブリ氏とミッツィ氏は今週辞任したものの、不正行為については否定している。ミッツィ氏は、フェネック容疑者とのビジネス上のつながりについても否定している。 他に3人の男が、ガリジア氏を実際に殺害した罪で勾留されている。 警察の取り調べを受けた後、10月26日に自ら職務を停止していたクリス・カルドーナ経済相は1日、復職した。カルドーナ氏は不正行為を否定している。 2017年10月にガリジア氏を同氏の自宅近くの路上で殺害したとして、同年12月に50代の男3人が逮捕・訴追された。 ジョージ・ディジョージオ容疑者とアルフレド・ディジョージオ容疑者の兄弟とその友人のヴィンセント・マスカット容疑者は、後半前手続きで無罪を主張した。 マスカット容疑者はその後、警察に対し、ガリジア氏の自宅前の路上に駐車されていた同氏の車に爆弾を仕掛けたと供述した。ロイター通信によると、3人は殺害の報酬として15万ユーロ(約1800万円)を受け取っていたという。 (英語記事 Maltese prime minister to resign in new year)

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    【英総選挙2019】 各党代表者がテレビ討論 焦点はやはりブレグジット

    2019年12月02日 17:44 公開 イギリス各党の有力議員が1日、12日の総選挙に向けたテレビ討論大会に参加し、欧州連合(EU)離脱や国民保健サービス(NHS)、テロ対策などについて激論を交わした。 ITVが放送したこの討論会には、与党・保守党からはリシ・スーナック財務長官が出席。保守党が勝利した場合、EUとの合意なくEUを離脱する案を取り下げるよう他党議員から強く求められたが、明言を避けた。 また、最大野党・労働党のリチャード・バーゴン影の法相は、同党が約束しているブレグジット(イギリスのEU離脱)をめぐる2度目の国民投票を行う案について追及された。 イギリスは2020年1月31日にEUを離脱する予定だが、イギリス議会は離脱条件をまとめたEU離脱協定案をまだ承認していない。 ボリス・ジョンソン英首相は12日の総選挙で過半数議席を獲得し、ブレグジットを実現したい一方、野党各党は国民投票やブレグジットの中止などを掲げている。 <関連記事> 保守党と労働党に宗教・人種差別の批判相次ぐ 【英総選挙2019】 ジョンソン首相の議席はどうなる? 激戦区の大物議員たち イギリスの選挙、どうやって行われる? ブレグジットめぐり衝突 司会者のジュリー・エッチンガム氏はバーゴン氏に、労働党が勝利して2度目の国民投票が実現した場合、残留と離脱のどちらに投票するつもりかと尋ねた。 これに対しバーゴン氏は、「労働党政権が(EUと)離脱協定を結んだ後に地元の労働党員と話し合い、どういするか決めたいと思う」と話し、直接回答しなかった。 また、同党のジェレミー・コービン党首が2度目の国民投票について中立を保っていることを擁護。コービン氏は「選挙のために国民を利用するのではなく、イギリスをひとつにし、分裂をいやすつもりだ」と語った。 これに対し野党・自由民主党のジョー・スウィンソン党首は、コービン氏の中立は「党首ではなく見物人の立ち位置だ」と批判。しかしバーゴン氏は、自由民主党のブレグジット中止案は「あまり自由主義的でも、民主主義的でもない」と反論した。 2度目の国民投票を支持するスコットランド国民党(SNP)のニコラ・スタージョン党首は、保守党が「何としてでもブレグジットを実現しようとして」いることも、労働党が「どちら側に立つかすら決められない」ことも、「ひどい有様だ」と批判した。 その上で保守党のスーナック氏に対し、保守党がEUとの通商交渉に失敗した場合、合意なしブレグジットを回避するよう求めた。 スーナック氏は、「すでに協定案はできあがっている」とした上で、ブレグジットで焦点となっているのは離脱協定であり、通商協定ではないと訂正した。 さらに、通商協定は「将来取り決めるもの」だと説明し、「その未来にたどり着くには」2016年の国民投票の結果を尊重し、EUを離脱するしかないと話した。 緑の党のシャーン・ベリー共同党首は、「国民に是非を問う」ことで「より民主的」にブレグジット手続きを終えるのが最善の方法だと述べた。 一方、ウェールズ党プライド・カムリのアダム・プライス党首はスウィンソン氏と呼応する形で、EU離脱の中止を訴えた。 プライス氏は、EU離脱による経済的な影響によって貧富の差が広がり、「我々の抱える問題の解決にはならない」と指摘した。 こうした中、離脱強硬派ブレグジット党のナイジェル・ファラージ党首は、2度目の国民投票は「さらなる分裂と対立」を生むと述べた。 ブレグジット党は離脱を推進するとともに、来年末までにEUと通商協定が結べない場合には、世界貿易機関(WHO)の定めるルールに従うべきと訴えている。 トランプ米大統領への「ヘイト」 激しいやり取りの中、スウィンソン氏は、ファラージ氏がドナルド・トランプ米大統領を擁護していることを逆手に取ろうとした。 ファラージ氏は、トランプ氏が過去に女性の性器を「わしづかみにする」と発言していたことは「過ち」だと話した。 「(トランプ氏の発言は)下品で粗野で、過ちだった。人はたまにひどいことを口にするものだ」 しかし、ファラージ氏が「もし私たちが全員、酒を飲んだ後の夜遊びでしたことについて、非難されるなら」と話し始めると、スウィンソン氏に「あなたも飲酒後の夜遊びでそういうことをするんですか?」と、さえぎられた。 ファラージ氏はこれに対し、「彼(トランプ氏)はアメリカの大統領で、彼との関係は重要だ。あなたはとても反アメリカ的で、国益よりもトランプ氏へのヘイト(憎悪)を優先させてるのは大きな間違いだ」と反論した。 スタージョン氏も、ボリス・ジョンソン首相がトランプ氏をお手本していると批判した。 これにはスーナック氏が反論し、アメリカとの関係は「安全を保つためにも非常に重要」で、「鼻であしらっていいものではない」と述べた。 ロンドン橋襲撃にも言及 討論大会では、11月29日に英ロンドン中心部のロンドン橋付近で5人が殺傷された事件も議題となった。この事件は仮釈放中の元受刑者が起こしたことから、量刑をめぐる議論につながっている。 スーナック財務長官は、保守党は「刑罰の厳格化」を望んでいると説明。また、ジョンソン首相が事件を政治化しているとの批判に対し、首相が総選挙に際し、「どうやって人々の安全を守るか説明する」のは「義務」だと反論した。 バーゴン氏は、「保守党による議論が、悲劇から労働党を非難するお決まりの政治文句に変わる様子は非常に不愉快だ」と述べた。 「政党に関わらず、イギリスの民主主義はもっと良いものであるべきだと私は思う」 一方、ファラージ氏は、「ジハード主義のウイルスを持っていないと完全に証明できない限り、こういう人たちを刑務所から決して出すべきではない。なのにポリティカル・コレクトネス(政治上の正しさ)がそうさせない」と話した。 保健制度めぐり「言った言わない」 NHSをめぐってはかねて、人員不足や病院での待ち時間の長期化などが問題となっており、国内問題として議論の的となっている。 こうした中、スーナック氏は、保守党がEU後の対米通商協定で、アメリカ企業にNHSへの参入を促そうとしている「根拠のない疑惑」を労働党が作り出したと非難した。 スーナック氏はバーゴン氏に、「NHSに対する本当のリスクとは、労働党の無謀な経済計画だ。投資する資金はなく、週休3日するという馬鹿げた計画だ」と述べた。 コービン党首は先の党首討論で、英米政府の「秘密協議」で英政府が「NHSへの米製品の完全な市場参入」を提案していることを示す文書を示している。 これに対しバーゴン氏は、「労働党にはNHSを週休3日にするという案はない」と反論した。 スーナック氏はさらに食い下がり、労働党のジョン・マクドネル影の財務相が週休3日制度は全ての人に適用されると言っていた主張。バーゴン氏はこれに、「そうではない。向こう10年の間に週休3日制度にするアイデアがあり、考慮の余地があると言っただけだ」と答えた。 マクドネル氏は11月、NHSを含む全ての労働者に対し、10年以内に1週間の労働時間を32時間にする計画があると話していた。 (英語記事 Leaders clash over Brexit in TV debate)

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    ホワイトハウス、トランプ氏の公聴会出席を拒否 弾劾調査の「公正さ」に疑問と

    2019年12月02日 17:05 公開 米ホワイトハウスは1日、ドナルド・トランプ大統領の弾劾調査を進める米連邦議会下院の司法委員会が4日に開く公聴会について、トランプ氏も弁護士も出席しないとする書簡を、同委員会に送った。 司法委員会のジェロルド・ナドラー委員長(民主党)は先月26日、トランプ氏に文書で、公聴会への出席を呼びかけていた。「手続きに文句を言うのをやめるか」選ぶ機会を大統領に与えたという。 その回答期限を迎えた1日、ホワイトハウスのパット・シポローニ法律顧問は書簡の中で、トランプ大統領が「公正に」公聴会に参加できるとは思えないとして、トランプ氏の出席を拒否した。 2回目の公聴会にトランプ氏が出席するつもりかどうかについては、ホワイトハウスは言及しなかった。書簡によると、2回目の公聴会への出席要請については、6日までに別途回答するとしている。現時点で2回目の公聴会の日程は決まっていない。 <関連記事> 米下院委、トランプ氏を弾劾公聴会に招く 「出るか文句をやめるか」 米政権高官は議会証言を免れない 米連邦地裁が判断 ホワイトハウス、大統領の元法律顧問に議会証言しないよう指示 ホワイトハウスの書簡の内容 米政治ニュースサイト「ポリティコ」が掲載したホワイトハウスの書簡は、弾劾調査では「適正手続きと基本的な公正性が完全に欠如」しているとして下院委員会を非難。4日の公聴会への出席要請は、ホワイトハウス側に十分な準備時間を与えておらず、証人に関する情報提供もなかったとしている。 シポローニ法律顧問は、複数報道によると「どうやら証人は全員、研究者」で、「事実証人は誰も」含まれていないようだと史的。事実証人とは、焦点となっている事柄について自分自身が知っている内容を証言する。一方で、専門家証人は意見を述べることで裁判官を援助する。 法律顧問はさらに、同委員会側は証人を3人呼んだが、3人のうち共和党側の証人は1人しか認めなかったと不満をあらわにした。 弾劾手続きに「一貫性」を シポローニ氏は、1998年のビル・クリントン大統領(当時)に対する公聴会では、もっと公平性が保たれていたと主張。歴代の弾劾調査では手続きに「一貫性」があったとして、ナドラー委員長を批判した トランプ氏が今後の公聴会に出席するには、ナドラー氏が「適正手続きの権利の保護」と、その手続きが「公明正大」であることを確保する必要があるだろうと、シポローニ氏は述べた。 4日の公聴会では何が起きるのか 4日の公聴会で、弾劾調査は次の段階を迎える。 焦点となっているのは、今年7月のトランプ氏とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との電話会談の内容。この時、トランプ氏はゼレンスキー氏に対し、来年の大統領選で民主党候補になる可能性が有力視されているジョー・バイデン前米副大統領(民主党)とその息子でウクライナのエネルギー企業ブリスマの幹部だったハンター氏について捜査するよう求めていた。 民主党は、トランプ氏が軍事援助の停止をちらつかせて、ウクライナ側に不正に圧力をかけたかを調査している。トランプ氏はいかなる不正行為も否定しており、こうした調査は「魔女狩り」だと反発している。 12月3日に報告書 下院情報委員会は先週、2週間にわたった公聴会を終えた。公聴会が開かれる以前は、関係者が非公開で証言をしていた。 同委員会のアダム・シフ委員長(民主党)は、弾劾調査を進めてきた情報、監視・政府改革、外交の3委員会が現在、報告書をまとめていると説明。12月3日に公表すると述べた。 非公開証言の内容が明らかに 米行政管理予算局(OMB)高官、マーク・サンディ氏の証言記録が26日、公表された。 サンディ氏は非公開で証言した際、ウクライナへの軍事援助停止を受け、同局職員2人が辞任したと明かした。そのうちの1人はOMBの弁護士で、1974年議会予算法違反にあたるかもしれないと懸念を示していたという。 「歴代大統領のように」 ナドラー委員長は26日トランプ氏に書簡を送り、「大統領がどんな選択をするかだ」、「この機会を生かして弾劾公聴会に出るか、調査手続きについて文句を言うのをやめるかだ」と述べた。 「トランプ氏が歴代大統領のように、直接または弁護士を通して調査への参加を選ぶよう期待する」 またナドラー氏は、公聴会は大統領にとって弾劾の歴史および憲法上の根拠を話し合う機会になるとしている。 「あなたが行ったとされる行動について、下院がその権限を行使して弾劾決議案を採択するに値するかどうかも、話し合う」 弾劾調査の今後は 司法委員会は12月初旬にも、トランプ氏のどの行為が違法か示す弾劾訴追の決議案の下書きを始めるとみられる。 民主党が過半数を占める下院でこの決議案が可決されると、上院で弾劾裁判が開かれる。上院は与党の共和党が過半数を握っている。 もし上院議員の3分の2以上がトランプ氏を有罪と判断すると、同氏は解任される。その場合、弾劾手続きで失職する初の米大統領となる。ただ、上院で有罪とされる可能性はかなり低い。 政府と共和党は、弾劾裁判は最長2週間とするよう求めている。 (英語記事 Trump declines to attend impeachment hearing

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    ロンドン橋殺傷 「ピンボール爆弾とナイフ」の相手に消火器で戦った

    2019年12月02日 13:45 公開 英ロンドン中心部で29日午後2時(日本時間同11時)ごろ、テムズ川にかかるロンドン橋のたもとで男が刃物で周囲に切りつけ、2人が死亡、3人が負傷した。 現場となった鮮魚販売業界団体の集会所「Fishmongers' Hall」では、元受刑者の社会復帰を支援する集会が開かれていた。ウスマン・カーン容疑者もこの集会に出ており、集会所内でナイフを取り出して攻撃を始めた後、外のロンドン橋上で取り押さえられ、到着した警官に射殺された。 集会所を運営する鮮魚販売業者の業界団体「フィッシュモンガーズ・カンパニー」の責任者、トビー・ウィリアムソン退役提督は、突然の非常事態にもかかわらず、集会所の職員などが椅子や壁にかかっていたイッカクの角、さらには消火器で、爆弾を身につけていると思われていた実行犯とどう戦ったかを話した。

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    ロンドン橋殺傷、もう1人の犠牲者も判明 元受刑者の社会復帰支援

    していたと説明した。 また、けがをした3人のうち1人は同大学の職員だと明らかにした。 トゥープ教授はBBCの取材に対し、このイベントのコーディネーターをしていたメリットさんが、支援していた元受刑者に殺されたのは「最大の悲劇だ」と語った。 「社会に変革をもたらすこのユニークな取り組みの成果を祝うはずの、嬉しい機会が、本当にひどい犯罪行為によって妨害されてしまった」 「おぞましい、無意味なテロ行為を私たちの大学は非難する」 「今回の事件は私たちのコミュニティーへの攻撃で、恐怖と悲しみをもたらすために計画された。そlして、その通りになってしまった」 カーン容疑者は、2012年にテロ関連の罪状で有罪となったが、2018年12月に仮釈放された。それ以来、英中部スタフォードで、保護観察を受けながら暮らしていた。電子タグを常用し警察の監視下に置かれるほか、テロ関係者の社会復帰を目的とする政府のリハビリ・プログラムへの参加を義務付けられていた。 同容疑者は事例研究の参加者として、プログラムの報告書で紹介されていた。「ウスマン」の名前だけで登場するカーン容疑者は、仮釈放後に資金集めの夕食会でスピーチをしたと記されている。 事件を受け、量刑をめぐる議論が沸き起こっており、ボリス・ジョンソン英首相は「刑罰を厳しくする」と話している。 一方で、殺害されたメリットさんの父、デイヴィッド・メリットさんはすでに削除したツイートで、「この攻撃で殺された息子のジャックは、量刑の厳罰化や、人を不要に収監するための口実に、自分の死が利用されることなど望まないはずだ」と書いた。 デイヴィッドさんは1日にも、ジャックさんやサスキア・ジョーンズさんの写真を1面に掲げて「ジハード主義者への処罰教強化へ」と見出しにした英タブロイド紙に強く反発し、ツイッターで、「私の息子の死や、息子とその同僚の写真を使って、自分たちのおぞましいプロパガンダを促進するな。ジャックは憎悪や分断や無知といった、あなた方が象徴する全てのものに反対していた」と書いた。 集会参加者や建物職員を称賛 イベントが開催されていた鮮魚販売業界団体の集会所「Fishmongers' Hall」のトビー・ウィリアムソン会長は、カーン容疑者を取り押さえようとした集会参加者2人を称えた。 ルカシュとアンディーと呼ばれたこの2人は「消化器や椅子、壁にかかっていたイッカクの角」などを使って、建物内で攻撃を開始したカーン容疑者に向かっていたという。 「2人は『もうたくさんだ』という決断を下した。これ以上、この攻撃が続いてはいけないと判断した。普段はとても謙虚な人たちが(中略)いざと言うときには素晴らしいことをする」 カーン容疑者の攻撃は屋外のロンドン橋に出ても続いたが、職員らによって取り押さえられほか、助けに駆け寄った私服姿の交通警官が刃物を取り上げるなどした。 また、1日には現場近くのサザーク大聖堂で犠牲者の追悼礼拝が行われた。大聖堂は事件当日、ロンドン橋から逃げる人々が駆け込み、一時封鎖された。 アンドリュー・ナン首席司祭は、人々が駆け込んでくる様子に、2年前にロンドン橋とバラ・マーケットで8人が亡くなった襲撃事件の時のような「既視感を覚えた」と話した。 「記憶が呼び起こされ、傷がまた開いてしまった」 一方で、「人々の脳裏に追いやられていたものが、今は目の前に現れている」と話した。 「私たちは彼らの側にいなくてはならない。痛みに耐える手助けをし、希望の言葉をかけなくてはならない」 (英語記事 Second London Bridge victim named as Saskia Jones)

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    数字で見るエイズ 世界エイズデー

    2019年12月02日 12:42 公開 12月1日は、世界エイズデー。エイズ(後天性免疫不全症候群)とそれを引き起こすHIV(ヒト免疫不全ウイルス)について啓発するため、世界保健機関(WHO)が1988年に制定した。 これまでに3200万人以上の命を奪ってきたHIVは、今なお世界的な健康問題だ。 しかし、効果的な診断と治療が得られれば、症状をコントロールすることができるようになった。

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    【ジャパン2020】 カメラやカセットテープ、「ハイテク」日本のアナログ愛

    2019年12月02日 12:29 公開 小村トリコ 昔ながらの問屋街や商店街が残る、東京の日暮里。いかにも下町らしいレトロな個人商店が立ち並ぶエリアに、2016年にオープンしたばかりのカメラショップがある。店内の壁一面のガラスケースには、どことなく懐かしさを覚えるデザインのカメラがぎっしりと並んでいる。 「カメラの電池を入れ替えてくれないか」。そう言って店を訪れた初老の男性がバッグから取り出したのは、今から40年以上前に製造されたというスウェーデン製のフィルムカメラだ。「ここ15年ほどはデジタルカメラを使っていたが、ふと思い立って、自宅にしまい込んでいたフィルムカメラを持ち出した」と男性は話す。 「三葉堂寫眞機店」は、カメラの修理や中古販売を行う専門店だ。ここで扱うのは最新のデジタルカメラではなく、旧式のフィルムカメラのみ。今年31歳になる店主の稲田慎一郎さんは、慣れた手つきでカメラに新しい電池とフィルムを装填して、機械の動作をチェックする。「これでいつでも使えますよ」と言って客の男性にカメラを返すと、彼はうれしそうな顔で店を出ていった。次の週末は撮影会に出かけるのだそうだ。 「お客様の中には、50年以上前からフィルムカメラを使っている方もいれば、フィルムカメラに一度も触ったことがないという初心者の方もいます」と、稲田さんは言う。「うちの店で最も多いのは、10代から20代の若者ですね。最近はインスタグラムなどのSNSでフィルムカメラの写真を見て、その独特の雰囲気に憧れるようです」 「ハイテク大国」とアナログカルチャー 日本はよく「ハイテク大国」だと評価されることがある。たとえばソニーのウォークマンや任天堂の家庭用ゲーム機、多機能携帯電話、QRコードなど、日本はこれまでに数多くの「世界初」のテクノロジーを生み出してきた。 経済産業省のデータによると、日本が産業技術にかける研究開発費の予算は、2017年時点で米国、中国に次いで世界第3位。特に家庭用電化製品やロボット工学、自動車、宇宙開発などの分野において、世界で最も優れた技術力を持つ国のひとつだ。 しかしその一方で、日本は「アナログ大国」だともいわれている。というのも、近年のデジタル技術の進歩と反比例するかのように、フィルムカメラなどの「アナログ機器」に立ち戻る人々が急増しているのだ。 アナログ愛好家の天国 「世界中のアナログを愛する人たちにとって、日本は天国のような場所です」と話すのは、東京の吉祥寺に住むイギリス出身のフィルムカメラ愛好家、ベラミ・ハントさんだ。 もともとは世界中を旅してまわっていたハントさんだが、2011年からウェブサイト「Japan Camera Hunter」を運営し、東京を拠点として収集したフィルムカメラをオンライン販売している。ビジネスを始めたきっかけは、縁あって日本のフィルムカメラショップで働いたことだったという。 「プロの写真家たちも利用する老舗のカメラショップで、正社員として2年間勤めました。そこで私が学んだのは、日本ではつねに『100パーセントの品質』が求められ、ほんの少しのミスも許されないということです。私たちはカメラの販売やメンテナンス、フィルム現像などのあらゆるプロセスにおいて、製品を正確かつ丁寧に扱い、完璧なサービスを顧客に提供しました。顧客はそのカメラを受け取って大切に使うのです。日本人には仕事に対する徹底したプライドと、製品に対して敬意を表する文化があります」 こうした日本人の姿勢は、フィルムカメラの品質にも影響を与えているとハントさんは分析する。現在、フィルムカメラ愛好家たちが使っているカメラのほとんどは、中古市場に出回った品を買い付けたものだ。日本で手に入るフィルムカメラは海外と比較して、ホコリの混入やパーツの欠品などの少ない、良好な状態の品物がずば抜けて多いという。 ハントさんによると、日本のフィルムカメラ文化にはもう1つの特徴がある。それはここ数十年の間、フィルムカメラが一部の熱狂的なファンだけでなく、一般の人たちにとっても身近な存在であり続けたことだ。たとえば「チェキ」や「写ルンです」といった安価なインスタントフィルムを使ったカメラは、20年以上続くロングセラーの人気商品だ。また都心部には大型の家電量販店をはじめ、何十軒もの中古フィルムカメラショップがあり、世界各国のカメラを手にとって見ることができる。 「東京はフィルムカメラを購入するのに理想的な街で、海外からたくさんの愛好家たちが訪れています。ただし、買い物の際に注意しなければならないのは、店内で礼儀正しくふるまうこと。マナーは日本人にとって重要なルールです。店に入ったら店員に笑顔であいさつし、商品に対して最大限の敬意を払ってください。そうすれば店員は最高のカメラを紹介してくれます」 アート作品のように 東京の中目黒にある「waltz」は、世界でも希少な「カセットテープ専門店」だ。2015年にオープンした同店には、6000本を超えるカセットテープが並んでいる。アンティークの木製家具に置かれた色とりどりのパッケージが印象的だ。 カセットテープとは1966年に誕生し、1980年代にかけて全盛期を迎えた音楽メディアだ。しかし、waltz の店内には「レトロ」や「ノスタルジー」といった雰囲気は感じられない。 「カセットテープは古く懐かしいものではなく、現在進行形の新しい音楽カルチャーです」と話すのは、店主の角田太郎さん。同店では中古の商品も扱っているが、メインは新譜のカセットテープだ。 角田さんによると、2010年代前半頃から、米国の西海岸を中心にカセットテープで楽曲をリリースするアーティストが増え始め、今ではその価値が世界的に見直されているという。2018年のBuzzAngle Musicのレポートでは、米国でのカセットテープ販売数は前年比18.9%という大幅な上昇を見せている。 「カセットテープは四角いパッケージの中でアーティストの世界観を自由に表現できる、アートブックのようなもの。私の役目は、彼らの作品の魅力を生かすプレゼンテーションをこの店で行うことです」 店の内装は、モダンなアートギャラリーをイメージしてデザインしたと角田さんは言う。新譜のカセットテープには角田さん手作りのPOPのカードが添えられ、それぞれの楽曲の楽しみ方が紹介されている。また中古品を含めた店内のすべての商品は、丁寧なラッピングが施された状態で整然と陳列されており、折れ曲がった商品や雑然と並べられた商品はひとつもない。角田さんは「ここまで細部にこだわるのは、ある意味で日本人らしいと言えるのかもしれませんね」と笑う。 同店を訪れる客の約半数は外国人で、音楽業界の関係者だけでなく、ファッションやデザインに関わる人も多いという。2017年には、イタリアのラグジュアリーブランドのGUCCIが、ブランドにインスピレーションを与えた場所として「GUCCIプレイス」に同店を選出した。 「カセットテープには、モノとしての圧倒的な魅力があります。ストリーミング再生など、デジタル化の波によって音楽は無形化しつつありますが、私はそもそも音楽とは『形あるもの』だと思っています。現物を直接触って、パッケージを見て、良さを感じる。これは実店舗でないとできないことです」 現状維持か、未来志向か 「日本におけるアナログカルチャーは、経済の成長と密接に関わっている」と指摘するのは、関西大学の副学長である高増明社会学部教授だ。 高増教授は2000年に大学発ベンチャーのインディーズレコード会社を設立し、学生たちと共に音楽活動を行ってきた。「レコード特有の深く温かみのある音質は、現在でも一定のファンから愛され続けています。でも、人々がレコードを支持する理由はそれだけではありません」と高増教授は言う。 「日本でオーディオブームが起こった1970年代は、戦後の高度経済成長期を経て、日本経済が大きな成長を遂げた時期です。人々に経済的な余裕が生まれたことで、生活に必須の機能的なものだけでなく、新しく文化的なものを率先して取り入れるようになりました。それを象徴するのがレコードカルチャーです」 高増教授は、レコードをかけることは当時、時代の最先端を行くことと同義で、「レコードの知識を持っていることはある種のステイタスでした」と語った。 その上で、この四半世紀における日本経済の停滞こそ、人々をアナログ趣味に走らせていると指摘した。 「経済の停滞とはつまり、長期にわたって社会が大きく変化していないということです。だから現在と25年前の日本の状況を比較して、『今の方がいい』と言う人もいれば、『昔は良かった』と言う人もいます。すると、最先端のものを取り入れることが絶対的な価値ではなくなるのです。近年、変化を好まずに古いものを守ろうとする日本人が現れているのは、それだけ社会が安定し、多くの人が現状に満足している証拠だとも言えます」 経済の低迷、若者の消費動向、あるいは単純なノスタルジー。どんな理由にせよ、日本人のアナログ好きは日本の「今」を表しているようだ。 (英語記事: What Japan's love of nostalgia says about its economy)

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    イラク議会、アブドルマフディ首相の辞任を承認 反政府デモ拡大で

    2019年12月02日 12:24 公開 2カ月にわたり反政府デモが続くイラクで1日、臨時議会が開かれ、アーディル・アブドルマフディ首相の辞任が承認された。アブドルマフディ氏の後任は未定。 イラクの現行法では、国会議員による首相の辞任の扱いについては明確な規定がない。しかしAP通信によると、1日の臨時議会では、議員らは最高裁の法的見解に基づいて判断を下した。 憲法に基づき、バルハム・サリフ大統領が新首相を指名することとなる。報道によると、アブドルマフディ政権は新政権が発足するまでの間、現在の地位にとどまるという。 今年10月に開始した反政府デモでは、首都バグダッドや他の複数都市で約400人が死亡、数千人が負傷している。イラク国民は雇用機会の拡大や、政治的腐敗の撲滅、そして公共サービスの改善を要求している。 デモ隊と治安当局との衝突は、バグダッドや南部ナジャフなどで1日も続いた。 辞任の背景 アブドルマフディ首相側は10月29日、イラク国内で影響力をもつシーア派聖職者トップからの求めに応じ、議会に辞表を提出する意向だと発表した。 大アーヤトッラー(シーヤ派高位の宗教学者、ウラマーに与えられる称号)のアリ・アル・スィスターニ氏は、デモ隊への武力行使を非難し、議員に対して政府への支持を撤回するよう求めた。 前日には40人以上が殺害され、反政府デモの開始以降、最悪の日となった。 警察官に死刑判決 デモ隊は1日、デモの犠牲者を悼むために黒い服に身を包み、南東部の港湾都市バスラの路上を占拠した。 これは、バグダッド南東部ワシト州でデモ参加者を殺害したとして、警察官1人に死刑判決が下されたという国内報道を受けての行動だった。報道によると、他の警察官1人にも7年の禁固刑が言い渡されたという。 報道内容が事実だとすると、2カ月におよぶ政情不安をめぐり警察官に死刑が宣告されるのは初めて。 ローマ教皇が非難 ローマ教皇フランシスコ1世は、イラクの治安部隊による殺傷能力の高い武器の使用を非難している。 毎週行われている日曜日の礼拝で、ローマ教皇は、イラクの状況を「懸念」し見守っており、「ここ数日間の抗議デモで、数十人の犠牲者を出した厳しい対抗措置があったことを知り、辛く思う」と述べた。来年、イラクを訪問する意向という。 実現しない改革への不満 イラクでは昨年10月末に、アーディル・アブドルマフディ政権が発足した。新首相は様々な改革を約束したものの、高い失業率や政府汚職の蔓延(まんえん)、不十分な公共サービスは改善されず、住民の不満は募る一方だった。 今年10月1日に、若者を中心としたデモが首都バグダッドで始まった。治安部隊がこれを強硬に取り締まると、抗議行動も激化して国内各地に広まった。 まず6日間にわたり続いた一連のデモでは、市民149人が死亡。アブドルマフディ首相は内閣改造や政府高官の減給を約束し、若者の失業率改善のための施策を発表した。 これに対して抗議者たちは、要求への対応が不十分だと反発し、10月末に抗議行動を再開した。治安当局が殺傷能力のある武器を使用して応戦したことから、デモは激化し、イラク全土へと拡大した。 当局は、デモ隊との衝突で、治安部隊十数人以上が死亡したとしている。 (英語記事 Iraq PM's resignation accepted amid unrest)

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    ロンドン橋殺傷 死亡した1人は元受刑者の社会復帰支えた25歳

    2019年12月01日 12:49 公開 英ロンドン中心部のロンドン橋付近で5人が殺傷された事件で、死者の1人はジャック・メリットさん(25)だと30 日、判明した。メリットさんは元受刑者の社会復帰支援事業に取り組んでいた。元受刑者が仮釈放中に起こした凶悪事件を受けて、量刑の仕組みについても議論が起きている。 29日午後の事件ではウスマン・カーン容疑者(28)が刃物で2人を殺害、3人にけがを負わせた。事件ではメリットさんのほかに女性が1人死亡したが、身元は明らかになっていない。 亡くなったメリットさんの父、デイヴィッド・メリットさんはツイッターで、息子を「常に弱者の側に立つ、美しい魂」だったとしのんだ。 「ジャックは、自分が一緒に働く全員を高く評価して、本当に仕事が大好きだった」と、デイヴィッドさんは書いた。 元受刑者支援のコーディネーター メリットさんは英ケンブリッジ大学出身で、元受刑者の社会復帰を支援する同大学プログラム「Learning Together(共に学ぶ)」のコーディネーターだった。 このプログラムはケンブリッジ大学の犯罪学研究所が運営。メリットさんはその修士課程を修了した卒業生だった。 メリットさんは、2016年にマンチェスター大学で法学士を取得後、ケンブリッジ大学の大学院に進んだ。 容疑者と共に参加 事件が発生した29日には、ロンドン橋の北側たもとにある鮮魚販売業界団体の集会所「Fishmongers' Hall」で、「Learning Together」の集まりが開かれていた。メリットさんとカーン容疑者は、他の元受刑者や同大学の学生など数十人と共に、これに参加していた。 カーン容疑者は、2012年にテロ関連の罪状で有罪となり、ケンブリッジシャーのホワイトムーア刑務所で服役していた時から、このプログラムに参加していた。 同容疑者は事例研究の参加者として、プログラムの報告書で紹介されていた。「ウスマン」の名前だけで登場するカーン容疑者は、仮釈放後に資金集めの夕食会でスピーチをしたと記されている。 同容疑者には、仮釈放の条件に沿った「安全な」ノートパソコンが支給されていた。刑務所で始めた作文や学習を続けるよう支援するためだった。 報告書とは別の小冊子でカーン容疑者は、パソコンが使えてありがたいと、気持ちを詩にしていた。さらに、「この素晴らしいコミュニティーを支え続ける『Learning Together』チームとすべての人に、いくら感謝しても足りない」と書いていた。 <関連記事> ロンドン橋で襲撃、5人死傷 射殺された容疑者はテロ罪で有罪歴 ロンドン橋殺傷事件 容疑者はどんな人物だったのか 消火器や角で取り押さえ ロンドン警視庁によると、カーン容疑者による攻撃は29日午後1時58分ごろ、集会所の中で始まり、屋外のロンドン橋に出ても続いた。現場を撮影した複数の動画によると、集会の他の参加者や通行人が消火器や、集会所の壁にかかっていたイッカクの角などで容疑者を取り押さえ、助けに駆け寄った男性がその手から刃物を取り上げるなどした。 駆け付けた警官がその場で容疑者を射殺。調べによると、コートの下ににせの自爆チョッキをつけていた。目撃した女性も、コートの下にチョッキのようなものが見えたと話している。 容疑者から刃物を取り上げた私服姿の男性は後に、イギリス交通警察の警官だと明らかになった。 英中部ストーク・オン・トレントで生まれ育ったカーン容疑者は、2012年にテロ関連の罪状で有罪となり、「公衆防護」のため最低8年の無期禁錮刑を言い渡された。 当初のこの判決によって、容疑者は8年以上は収監される可能性があった。しかし、2013年に控訴院がこの判決を破棄。禁錮16年の有期刑に変更され、カーン容疑者はその半分の8年間を服役すれば良いとされた。 控訴院は当時、「こうした犯罪で有罪となった人に対し、安全に釈放できることを自ら示すよう奨励すべきとの議論がある。そうであれば、釈放可能な時期が近づいたときに、そうした決定を更生保護委員会に委ねたほうがいい」と判断した。 この判決を受け、カーン容疑者は2018年12月に仮釈放された。それ以来、英中部スタフォードで、保護観察を受けながら暮らしていた。電子タグを常用し警察の監視下に置かれるほか、テロ関係者の社会復帰を目的とする政府のリハビリ・プログラムへの参加を義務付けられていた。 ロンドン警視庁のニール・バス副総監は30日、容疑者の仮釈放は多数の条件を伴うもので、「自分の知る限り、容疑者はそうした条件を守っていた」と話した。 量刑めぐり異論 事件現場を訪れたボリス・ジョンソン英首相は、容疑者が刑期半ばで仮釈放中だったことを問題視し、凶悪犯を早く釈放するような仕組みは「まったくうまくいっていない」と批判した。 ジョンソン首相は「刑罰を厳しくする」と約束。最大野党・労働党のジェレミー・コービン党首は、現行の刑罰制度には検討すべき問題点があると述べた。 一方で、殺害されたメリットさんの父、デイヴィッドさんはすでに削除したツイートで、「この攻撃で殺された息子のジャックは、量刑の厳罰化や、人を不要に収監するための口実に、自分の死が利用されることなど望まないはずだ」と書いた。 デイヴィッドさんは1日にも、もう1人の犠牲者サスキア・ジョーンズさんやジャックさんの写真を1面に掲げて「ジハード主義者への処罰教強化へ」と見出しにした英タブロイド紙に強く反発し、ツイッターで、「私の息子の死や、息子とその同僚の写真を使って、自分たちのおぞましいプロパガンダを推進するな。ジャックは憎悪や分断や無知といった、あなた方が象徴する全てのものに反対していた」と書いた。 イギリスでは12月12日に総選挙が行われるが、各政党は30日に予定していたいくつかの選挙活動を中止した。 各地の政府庁舎は事件の被害者に敬意を表し、旗を半旗で掲げた。 エリザベス女王は声明で、「フィリップ殿下と私はロンドン橋のテロ攻撃について知り、悲しんでいます」、「愛する人を失った全ての人、そして昨日の恐ろしい暴力に影響を受けた全ての人に、私たちの思いと祈りと深いお悔やみの気持ちを送ります」とコメントした。 (英語記事 London Bridge attack victim named as Jack Merritt)

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    北朝鮮、「本当の弾道ミサイル」で日本を脅す

    2019年11月30日 23:33 公開 .北朝鮮外務省は30日、日本の安倍晋三首相を「無知」な「政治的小物」と罵倒する談話を発表した。北朝鮮が超大型放射砲(ロケット砲)だと発表した28日の発射実験を、日本政府が「弾道ミサイル」と批判したことに反発したもの。 安倍首相は28日夕、北朝鮮が日本海へ飛翔体2発を発射したことについて記者団に、「北朝鮮の度重なる弾道ミサイルの発射は我が国のみならず国際社会に対する深刻な挑戦だ」と非難した。 これを受けて朝鮮中央通信は30日、安倍首相が「遠からず、本当の弾道ミサイルがどういうものか、間近で見ることになる」と警告する政府談話を伝えた。 朝鮮中央通信はさらに、安倍首相を「完全な馬鹿者で、政治的小物」と呼び、「写真つき報道を見ておきながら、ロケット連射システムとミサイルの区別もつかない、史上最も愚かな男、世界唯一のまぬけだ」と罵倒した。 北朝鮮の核開発をめぐる米政府との交渉は、今年2月にヴェトナム・ハノイで開かれた米朝首脳会談が物別れに終わって以来、膠着(こうちゃく)状態が続いている。 ドナルド・トランプ米大統領と金正恩・朝鮮労働党委員長は今年6月、韓国と北朝鮮の間の非武装地帯で急きょ会談し、実務者協議の再開を約束し合った。実務者協議は10月にストックホルムで再開したが、成果のないまま終わった。 北朝鮮はアメリカに、交渉姿勢を年末までに変更するよう求めている。トランプ氏は9月に金委員長との4度目の首脳会談が近いと示唆するツイートをしたものの、北朝鮮側は明確な態度を示していない。 安倍首相は今年5月、日本人拉致問題の進展などの「前提条件なし」に金委員長との首脳会談実現を模索する考えを表明した。 しかし北朝鮮はこれに応じず、今月7日にも、自分たちが「超大型多連装ロケット砲」だったと主張する実験について、日本政府が弾道ミサイルの可能性が高いとの見解を示したことに強く反発。安倍首相を罵倒した上で、「安倍は永遠に、平壌の敷居をまたぐ夢など見てはならない」と述べていた。 (英語記事 North Korea threatens Japan with 'real ballistic missile')

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    ロンドン橋殺傷事件 容疑者はどんな人物だったのか

    2019年11月30日 22:33 公開 ダニエル・デ・シモーン、BBCニュース 英ロンドン中心部でテムズ川にかかるロンドン橋で5人を死傷させた後、警察に射殺された容疑者について、ロンドン警視庁はウスマン・カーン容疑者(28)と名前を発表した。ロンドン証券取引所の爆破計画に関与した罪で有罪となった後、昨年末に仮釈放された。電子タグの常時着用を条件に保護観察中で、中部スタッフォード在住だったという。 英中部ストーク・オン・トレントで生まれ育ったカーン容疑者は、2012年にテロ関連の罪状で有罪となり、「公衆防護」のため最低8年の無期禁錮刑を言い渡された。 当初のこの判決によって、容疑者は8年以上は収監される可能性があった。しかし、2013年に控訴院がこの判決を破棄。禁錮16年の有期刑に変更され、カーン容疑者はその半分の8年間を服役すれば良いとされた。 控訴院は当時、「こうした犯罪で有罪となった人に対し、安全に釈放できることを自ら示すよう奨励すべきとの議論がある。そうであれば、釈放可能な時期が近づいたときに、そうした決定を更生保護委員会に委ねたほうがいい」と判断した。 この判決を受け、カーン容疑者は2018年12月に仮釈放された。それ以来、英中部スタフォードで、保護観察を受けながら暮らしていた。電子タグを常用し警察の監視下に置かれるほか、テロ関係者の社会復帰を目的とする政府のリハビリ・プログラムへの参加を義務付けられていた。 そして今月29日、カーン容疑者はロンドン橋近くで殺傷事件を起こした。 <関連記事> ロンドン橋で襲撃、5人死傷 射殺された容疑者はテロ罪で有罪歴 ロンドン橋の死傷事件で何が 容疑者を市民が取り押さえ 証券取引所の爆破を計画 7年前に有罪となったテロ関連の罪とは、どんなものだったのか。 カーン容疑者は当時、2010年に逮捕された仲間8人と共に刑務所に送られた。ストーク、西部カーディフ、ロンドンなどイギリス各地出身の9人は全員、国際テロ組織アルカイダの思想に影響を受けており、英情報局保安部(MI5)に監視されていた。 9人はいくつかの計画に関わっていた。計画の中には、ロンドン証券取引所にパイプ爆弾を仕掛けるものも含まれていた。 ストーク・オン・トレントのパブやクラブに爆発装置を仕掛ける計画を、話し合っているのも又聞きされている。カーン容疑者は一般市民を「犬」と呼んだり、イスラム教徒ではない相手をアラビア語で罵倒する「カーフィル」という単語を使っていたという。 カーン容疑者が、アルカイダ発行の雑誌に載っていた内容をもとに、「パイプ爆弾の作り方」を相談していたことも確認されている。 テロの訓練と経験を求めた カーン容疑者らのグループはまた、イスラム教の教えを学ぶ高等教育機関マドラサをパキスタンに建設する計画を、資金面で支援していた。マドラサは、武器使用の訓練場所としても使われる予定だった。カーン容疑者が通う可能性もあった。 2013年の控訴院判決は、「このグループは明らかに、様々な方法を検討していた。軍事訓練用のマドラサをパキスタンに設立するため、資金集めも計画していた。マドラサでは、自分たちが訓練を受けるほか、ほかに大勢を勧誘する予定だった。手紙爆弾を郵送したり、イギリスの人種差別団体が集まるパブを襲撃したり、目立つ標的を爆発装置で襲ったり、インド・ムンバイで起きたような(同時多発)攻撃を加えたりといった、様々な行動を想定していた」と認定した。 同判決はさらに、グループが「訓練とテロリスト経験」を積ませるためにカーン容疑者たちをパキスタンへ送り込む、「本格的な長期計画」を立てていたと指摘。容疑者たちが「イギリスに戻る時点では、テロリズムの訓練と経験をすでに積んでいるはずだった」という。 「彼らはイギリスで短期的攻撃をもくろんでいた人たちと関わっていた。しかしもっともながら、自分たちの方がずっと真剣な聖戦戦士だと自認していた」 2008年には「自分はテロリストじゃない」と カーン容疑者と同郷で同時に服役したモヒブル・ラフマン受刑者は、釈放後に別のテロ計画に関わった罪で有罪となっている。 カーン容疑者はストーク・オン・トレントで、イギリスのイスラム過激主義組織「アル・ムハジルーン」系とされる布教スタンドで、何年も説教していた。 「アル・ムハジルーン」の元指導者で、イギリス国内で過激派「イスラム国」支持を扇動した罪で有罪になったアンジェム・チャウダリー元受刑者(2018年10月に仮釈放)は、カーン容疑者が収監された後、英タブロイド紙デイリー・スターに対し、ストーク・オン・トレントのグループは「自分の弟子」で「かなり前から知っていた」と話していた。 2008年には、対テロ警察がストーク・オン・トレントでカーン容疑者宅を含めて5カ所を家宅捜索した。その2年後に、当時捜査対象になった誰も起訴されないことが分かると、カーン容疑者は自分に嫌疑がかけられたことに、強い憤りを表明していた。 当時の容疑者は、「自分はイギリスで生まれ育った。ストーク・オン・トレントのコブリッジで」と発言。「近所の人はみんな、僕を知っている。その人たちに聞けばみんな、僕たちにどういうレッテルが貼られてるか、理解するはずだ。テロリストだとか、なんとか。みんな分かるはずだ。僕はテロリストなんかじゃない」と主張していた。 (英語記事 London Bridge: Who was the attacker?)

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    ロンドン橋の死傷事件で何が 容疑者を市民が取り押さえ

    2019年11月30日 16:39 公開 (注意:一部にショッキングと思われるかもしれない映像が含まれます) 英ロンドン中心部で29日午後2時(日本時間同11時)ごろ、テムズ川にかかるロンドン橋のたもとで男が刃物で周囲に切りつけ、2人が死亡、3人が負傷した。 周りにいた複数の一般人が男を取り押さえ、助けに駆け寄った男性が、倒れた容疑者からナイフを取り上げて離れた様子などを目撃者たちが撮影していた。 駆け付けた警官たちが男をその場で射殺した。男がコートの下に自爆チョッキのようなものを身につけていたためという。ロンドン警視庁は後に、チョッキは偽物だったと明らかにした。 男は別のテロ罪で有罪になり、保護観察中だったという。

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    ロンドン橋で襲撃、5人死傷 容疑者は射殺

    2019年11月30日 12:12 公開 (注意:一部にショッキングと思われるかもしれない映像が含まれます) 英ロンドン中心部で29日午後2時(日本時間同11時)ごろ、テムズ川にかかるロンドン橋のたもとで男が刃物で周囲に切りつけ、2人が死亡、3人が負傷した。 周りにいた複数の一般人が男を取り押さえ、駆け付けた警官たちが男をその場で射殺した。 男は別のテロ罪で有罪になり、保護観察中だったという。

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    ロンドン橋で襲撃、5人死傷 射殺された容疑者はテロ罪で有罪歴

    した警官に射殺された。 警察は、容疑者はにせの自爆装置を身につけていたと明らかにした。目撃した女性はBBCに、地面に倒された男がコートを開くと下にチョッキのようなものを身につけているのが見えたと話した。 ロンドン橋は2017年6月3日にも襲撃事件の現場となり、8人が死亡し多数が負傷した。 イギリスにおけるテロ脅威水準は、政府に諮問する独立調査機関によって11月4日の時点で、「重大」から「相当」に引き下げられていた。これは、襲撃発生の可能性が「かなりあり得る」から「あり得る」に和らいでいたことを意味する。 一般人が取り押さえ 刃物を奪い 事件の全容についてはまだ情報が錯綜しているが、ソーシャルメディアに投稿された複数の動画には、通行人がロンドン橋で容疑者を取り押さえている様子が映っている。 男を地面に組み伏せた集団から飛び出した別の男性が、橋の中心に向かって少し走ると、その手には大きな刃物が見える。容疑者から奪ったものと思われる。 動画ではその時点で警官が到着。男を抑えている人たちに離れるよう指示した上で、男に向かって発砲したように見える。 男がにせの自爆装置を身につけていたという警察の説明について、BBCのフランク・ガードナー安全保障担当編集委員は、こうした襲撃事件の実行犯がにせの自爆チョッキを着る理由は、周りをできるだけパニックさせることと、警察が確実に自分を射殺するようにするためだと説明する。一部の実行犯は、逮捕され裁判にかけられ刑務所で何年も過ごすよりは、その場で殉教者になった方が望ましいと考えるからだという。 目撃者の1人は、集会所内のイベント参加者が壁にかかるイッカクの像から白い角をつかんで、建物の外に出ていた容疑者に立ち向かったと話した。 近くにいたツアーガイドの男性はBBCラジオに、自分は男を取り押さえて、頭を蹴るなどしたと話した。 ソーシャルメディアには、長い角のようなものを持った男性や、消火器を使う男性たちが、容疑者に立ち向かう様子と思える動画が投稿されている。 タイムズ紙によると、容疑者と戦った男性の1人は、元受刑者の社会復帰を取り上げる集会に参加していた受刑者だった。殺人罪で終身刑を受けたこの男性は当日、1日限りの仮釈放措置で現場にいたという。 事件を目撃したというジョージ・ロバーツさんは、容疑者から取り上げたとみられるナイフを手に容疑者から離れる男性について、「攻撃が始まった時は橋の反対側、僕たちの後ろを歩いていた。この人は車の合間をぬって走り、中央の柵を飛び越えて、ほかの人たちと一緒に襲撃犯を取り押さえようとした。僕たちは走って逃げたけど、彼が武器を奪ったみたいだ。なんて勇敢なんだ」とツイートした。 別のツイッター・ユーザーもこの男性について、実行犯から「ナイフを奪ったロンドン橋のこの勇敢な男性、すごい」と書いた。 「犯人を取り押さえた人たちはもっとすごい」とコメントする人もいた。 https://twitter.com/BottMc/status/1200443331114917889?s=20 事件の拡大防止に協力した一般人の対応を、ボリス・ジョンソン英首相、最大野党・労働党のジェレミー・コービン党首、ディック警視総監は口々に称賛している。 ディック総監は、「この街の私たちが互いの違いを受け入れているからこそ、ここは偉大な街です。この悲劇から前より強くなって立ち上がらなくてはなりません。そうすることによって、私たちを分断しようとする者たちが決して、絶対に成功しないようにできるからです」と述べた。 ロンドンのサディク・カーン市長は、危険から逃げるのではなく、「何が起きているか分からないまま」危険に向かって走っていった一般市民たちの「息が止まるほどの勇気」に感謝した。 ジョンソン首相は、協力した一般市民や救急当局は「この国の最善の部分を代表する」人たちだと述べ、「こうした攻撃によってこの国は決して委縮したり分断されたり物怖じしたりしない。このイギリスという国の価値が勝つ」と述べた。 首相は実行犯の身元には言及しなかったものの、自分は「ずっと前から、重大事件を起こした凶悪犯の早期釈放は間違っていると主張してきた」と述べた。 <解説> 無差別ではなく狙った襲撃か――ゴードン・コレラ、BBC安全保障担当編集委員 容疑者についての情報が次第に明らかになりつつある。それに伴い、この事件は2年前のロンドン橋のような無差別攻撃とは異なり、特定の狙いをもった攻撃だった可能性が高まってきた。 捜査当局は事件発生から間もなく、容疑者を特定することができた。当局はそれ以降、容疑者の動機、協力者はいたのか、脅威は継続しているのかどうかについて、把握を急いでいる。 今回の事件については、予告も事前情報もなかった。しかし、元受刑者によるリスクを理解し、その行動監視に十分に対応がとられていたかが、今後問われることになるかもしれない。 (英語記事 London Bridge: Attacker had been convicted of terror offence)

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    韓国元アイドルの死で怒り噴出 「私はあなたのポルノじゃない」

    地下鉄、公園など、社会のあらゆる場所に広まっていることに衝撃を受けた」と韓国の弁護士アン・ソヨン氏はBBCに語った。 「違法撮影の刑罰が軽すぎる。あまりに事件数が多いからだ。あまりに多いから、裁判所は真剣に扱わない。男性が被害を経験しないのも、裁判所が真剣にならない理由だ」 盗撮の被害者は圧倒的に女性だが、韓国の裁判官は圧倒的に男性が多い。 被害者が命を落とす社会 知っている人に盗撮される精神的ダメージは大きい。 「スパイカメラを使った犯罪は、性暴力の一形態であり、個人情報とプライバシーの深刻な侵害だ」と、韓国自殺予防センターの管理者は話す。 「被害者が死傷者になってしまう社会であってはならない」 韓国女性政策研究院は、違法撮影などの性犯罪の被害者2000人以上に聞き取り調査をした。その結果、被害者の23%が自殺を考えたことがあり、16%は自殺を計画したことがわかった。実際に自殺を試みた人も23人いたという。 韓国自殺予防センターは、「犯罪者に適切な重さの刑罰を科すのは、命を尊重する健康な社会の基礎だ」と述べた。 韓国の法務部(法務省に相当)はBBCに、クさんの事件を受けて関連の法律を調整したと説明。検察に対し、深刻な事案では最も重い刑を求刑するよう求めたとした。 一方で、刑罰は裁判所が決めることであり、法務部が関わることではないと述べた。 同国の最高裁はコメント取材に応じなかった。 出るくいは 盗撮の加害者を罪に問うことで、つらい思いをすることもある。 クさんは、裁判所で何度も証言しなくてはならなかった。身分も事件の性質も、隠すことは不可能だった。 裁判が開かれていた当時、「ク・ハラのセックス動画」はオンラインのトレンド上位に入っていた。 ファンはクさんを応援し続けたが、ソーシャルメディアでクさんは悪者にされた。 彼女の自殺については、いくつもの原因論が浮上している。多くは、「Kポップの暗部」と称される、アイドル産業の厳しい競争文化に関するものだ。 だが、問題はそこにとどまらない。 クさんは10月、親友でKポップスターのソルリさんを失った。自殺だった。 従来のスターと異なり、ソルリさんは歯に衣を着せないことで知られていた。典型的なジェンダーの型にはまらず、そのことでオンラインで嘲笑され、攻撃を受けた。 韓国社会はゆっくりと変化しつつあるが、保守的で男性優位のままだ。女性の虐待被害がまともに扱われない場合もある。 クさんのように社会的に目立つ人ですら、犯罪被害に遭った後にソーシャルメディアで嫌がらせを受けている状況は、どんなメッセージを発することになるのか。 韓国・中央大学の社会学者イ・ナヨンさんは、同国では性犯罪被害者は「らく印を押される」ことが多いと話す。 「いったん汚れたとレッテルを貼られると、残りの人生でずっと尻軽女だとされる。そんな重荷をどうかついで生きろというのか」 「社会的な気づきが大事」 ただ、社会が変わり始めている兆しはうかがえる。 若い女性を中心に、何万人もが昨年、路上でデモを行い、スパイカメラを使った犯罪を厳しく取り締まるよう要求。「私の人生はあなたのポルノじゃない」と声を張り上げた。 裁判で女性被害者が勝訴するケースも増えてきていると、アン弁護士は言う。 「韓国の若者は有能で、社会的な意識も急速に向上している。司法制度もそれに呼応している。変化は起きていると楽観している」 アン氏はまた、最大の変革は韓国社会の内側から生まれる必要があると話す。 「司法制度の改善は二次的なものだ。最も重要な進歩は、社会的、文化的な気づきの中で生まれる必要がある」 警察庁では性犯罪被害の相談電話窓口として、全国共通番号「#8103」を導入しています。 内閣府男女共同参画局でも性暴力被害者に必要な情報を提供しています。 また現在、各都道府県に「ワンストップ支援センター」が設置されています。 (英語記事 The K-pop star and the suffering of spy cam victims)

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    イラン各地のデモ、流血の鎮圧 映像流出でネット遮断

    2019年11月29日 14:35 公開 ジヤル・ゴル、BBCペルシャ語 建物の入り口を挟んで撮影された映像では、血を流して歩道に横たわる10代少年を女性が見つめているように見える。その脇を走って通り過ぎる人たちに、機動隊員が警棒をふりかざして殴りかかる様子も見える。 南部シラーズで撮影された別の映像では、倒れて動かなくなった男性を集まった人たちが助けようとしている。煙が充満した道路で、大勢が後退していく。怒鳴る声、悲鳴、銃声が聞こえる。 もうひとつの映像は、首都テヘランを走る車の中から撮影されたもので、私服の治安当局者もしくは民兵が男性を拘束している。女性が叫んでいる。 https://twitter.com/bbcpersian/status/1197840801721659393 こうした映像が国外に流出するのを恐れて、イラン政府は11月初めに8日間以上もインターネットを遮断した。石油価格急騰に対する抗議行動が、国内各地で広がる最中のことだ。 今ではインターネット接続は一部復活し、それに伴いソーシャルメディアには政府の強硬な取締りによる流血沙汰の動画が再び出現し始めた。その内容は恐れられていたよりも残酷で、苛烈だ。抗議に参加して命を失った人たちについても、どういう人で、なぜ犠牲になったのか、それぞれの物語が浮上しつつある。 錯綜する情報 イラン当局は死傷者数について、公式発表は何もしていない。しかし、国際人権団体アムネスティー・インターナショナルが入手し、信頼できると判断した情報によると、11月15日に抗議デモが始まって以来、少なくとも143人が死亡している。 同団体によると、デモに参加して死亡した人のほとんどは、治安当局による意図的な銃器の使用によって犠牲になった。それ以外では、1人が催涙ガスを吸引後に死亡し、1人が殴打されて死亡したという。 アムネスティーはツイッターで、「イランによるインターネット遮断ほどロジスティック的に複雑な対応はかつてなかったと、デジタル技術の専門家たちは言う。どうやらイラン当局は、自分たちがこうやって政府庁舎の屋根から丸腰の抗議者を狙撃している様子を、私たちに見せたくないようだ」と動画を投稿した。 https://twitter.com/amnesty/status/1197848350986571777 アムネスティーは実際の死者数は143人よりはるかに多いと見ている。イラン国内の活動家や当局筋はBBCペルシャ語に対して、200人以上だと話している。 一方でイランの外交官は先週、こうした数字は「憶測」に過ぎないと反発し、「欧米の組織」が「根拠のない主張」をしていると批判した。ハッサン・ロウハニ大統領は国内の抗議について、イランに敵対する国々が仕組んだ計画に沿って「反政府分子」が引き起こしたものだと話している。 しかし、イラン国民がスマートフォンで撮影した動画の多くは、生々しく残酷で正視するのが難しいが、見ればイラン政府の公式見解に疑念が生じる。 デモ鎮圧に使われることの多い民兵組織「バシジ」や治安部隊が、無防備な抗議者を路上で痛めつけたり、至近距離で群衆に実弾を打ち込む様子などが、こうした動画には映っている。 「数千人が負傷か拘束」 イランの保健当局が広く献血を呼びかけていることからも、デモ鎮圧によって数千人が負傷した可能性がうかがえる。 病院関係者はBBCペルシャ語に、負傷した抗議者を探して治安部隊が病院を捜索していると話した。1人の医師によると、当局は患者の包帯をめくりその下に銃創がないか確認している。銃で撃たれた傷があると、その場で逮捕されてしまうという。 イランの司法当局は22日、イラン革命防衛隊が「騒乱の指導者や中心的存在」を約100人逮捕したと発表した。デモに参加したものの、器物損壊などの犯罪行為とは関係ない多くの人は釈放されたという。 一方で、イラン国内の消息筋はBBCペルシャ語に、拘束された人数は数千人に上ると話している。 一部の都市では、軍の兵舎やスポーツ競技場が学校が、収容施設として使われている。そうした学校に近い高層ビルに住むジャーナリスト、アリネジャド・マシフさんはツイッターで、収容者が手荒く扱われている様子の動画を投稿。「政府は事態を抑えられなくなると恐れる余り、抗議デモが続く間、テヘランの学校を休校にして、『雪』のせいにした。けれども実際には、このビデオが示すように、抗議者の逮捕に学校施設を使った。イランの独裁者はこの戦いで敗れる」と書いた。 https://twitter.com/AlinejadMasih/status/1198326925963530241 イランの最高指導者アリ・ハメネイ師は、抗議参加者たちは「国外と関係する」と主張するものの、情報省は議会に、拘束されたほとんどは貧困家庭出身の無職な若者だと報告した。 「物乞いのように暮らす」 イランを拠点にするジャーナリストは、各地のデモについて報道が制限された、もしくは報道するのが危険すぎる状態におかれた。そして、国外にいる記者たちはインターネット遮断の影響を受けた。 しかし、イラン国内での放送を禁止されているBBCペルシャ語は、電話その他の手段によって、現場の市民記者や活動家や信頼できる消息筋と接触することができた。 「国境沿いにあるクルド系の小さい町、マリワンでは、反政府デモで少なくとも10人が死亡した。市街地はまるで戦場のようだ」と筆者もツイートした。 https://twitter.com/jiyargol/status/1197097095355871232 集まった動画には、政府や国を支配する聖職者や治安部隊のシンボル、あるいは銀行やガソリンスタンドを標的にする抗議の様子が映っていた。 デモの中心地はもっぱら国の西側、イラク国境沿いにあるクルド系の町村や、テヘラン、カラジ、シラーズといった主要都市の近郊に集中していた。いずれも、国内でとりわけ失業率の高い地域だ。 シラーズではデモ隊が、「ガソリンの値段が上がる、自分たちは貧乏なのに」と繰り返していた。 テヘラン近郊のマラルドでは、「最高指導者は神様のように暮らす。国民の我々は、物乞いのように暮らす」と大勢が繰り返していた。 イスファハーンのデモ隊は、「ガザを拒否する。レバノンを拒否する。自分たちはイランに命を捧げる」と唱えていた。 https://www.youtube.com/watch?v=Av3_KgHbN9U 中東におけるイランの活動をめぐり、不満があるのは明らかだ。革命防衛隊は中東各地で、民兵組織の武装や訓練、報酬の支払いに何十億ドルと費やしている。イランの国境を越えて敵と戦わなければ、敵はテヘランの路上にまでやってくるというのが、その大義名分だ。 しかし、国内各地で抗議するイラン国民は、その資金は国内と国民の未来に使われるべきだったと主張する。 ドナルド・トランプ米大統領は昨年、イランの核兵器開発をめぐる国際合意から離脱し、イランの石油生産と金融業を制裁で狙い撃ちにした。米政府の制裁に加え、国内に横行する汚職とお粗末な経済運営のせいで、イラン経済はいまや破綻寸前だ。それでも政府は、従来の方針を変えようとしていない。 被害者は何を イランの国営メディアや治安部隊に近い新聞各紙は、抗議に参加する人たちをごろつき、ならず者として描写し、公共の施設を荒らして略奪するのが目的だと伝えた。 しかし、犠牲者の遺族たちからBBCペルシャ語が聞いた内容は、別の状況を物語っている。 40歳のファティマさんは2人の子供の母親だった。テヘラン近くのデモで亡くなった。 遺族によると、ファティマさんは失業とインフレに抗議してデモに参加した。 西部ケルマンシャーのアルミン・カデリ君は10歳だった。遺族によると、パンを買いに外出して、命を落とした。 被害にあった家族の多くはBBCペルシャ語に対して、自分たちの家族は経済危機への怒りを表明しようと家を出たのだと話した。政府当局はそれに、銃弾で応えたのだと。 (英語記事 Iran protests: Videos reveal crackdown regime tried to hide from world)