秋篠宮さま「宮内庁に叱責」の深意
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秋篠宮さま「宮内庁に叱責」の深意

新天皇の即位に伴う皇室行事「大嘗祭」の公費支出をめぐり、秋篠宮さまが天皇家の私費で賄う具体案を提示していたことが明らかになった。先の会見では「宮内庁が聞く耳を持たなかった」とも述べられ、同庁が火消しに回ったことは記憶に新しい。秋篠宮さまの発言の深意を読む。

新天皇の即位に伴う皇室行事「大嘗祭」の公費支出をめぐり、秋篠宮さまが天皇家の私費で賄う具体案を提示していたことが明らかになった。先の会見では「宮内庁が聞く耳を持たなかった」とも述べられ、同庁が火消しに回ったことは記憶に新しい。秋篠宮さまの発言の深意を読む。

秋篠宮発言は「良し」

「至極正当なご見解」

意思疎通の「謎」

皇位継承儀式の「課題」

 一貫して退位は天皇陛下のご意思によるものではなく、天皇陛下がご高齢であり、ご公務が十分にできなくなっておられることなどの客観的な状況を受けて政府が検討し、国民の代表機関である国会が退位を実現する法律を制定したとの論理を採用している。
 同じことは今後検討される皇位継承の儀式についても押さえておかなければならない。天皇陛下が皇位を新天皇に「譲る」という意思が儀式に見られれば、憲法4条1項に抵触することになるからだ。例えば、退位の宣言の際は、皇室典範特例法の規定によって皇位を退く旨を述べられるにとどめ、新天皇に皇位を「譲る」との文言はお避けにならなければならない。
 新天皇が皇位の象徴である「三種の神器」等を受け継ぐ「剣璽等承継の儀」も、天皇陛下は剣璽等を自らの管理から手放すことにとどめ、新天皇に「譲る」との姿勢はお避けにならなければならない。具体的には、天皇陛下が平成31年4月30日に宮内庁長官を介して設けられた「案」と呼ばれる台の上に剣璽等をいったん置かれ、これをもって手放されたとの形をとる。これらの儀式は天皇陛下の国事行為となる。
 次いで翌5月1日に新天皇が剣璽等を文字通り「承継」する儀式を行われる。具体的には、新天皇が宮内庁長官を介して剣璽等を「案」の上に置かれる。これにより剣璽等が「承継」されたことになる。その後、三権の長など国民の代表に対して即位がなされたことを宣言され、お言葉を賜(たま)う。「即位後朝見の儀」だ。このときも皇位が前天皇となられた上皇陛下から「譲られた」ものではなく、憲法と皇室典範の規定に基づいて即位したことを宣言されることになる。これら一連の儀式は新天皇の国事行為となる。
2018年11月、水産功績者の
表彰式であいさつされる秋篠宮さま
 退位と即位の儀式は、同日に、一連・一体の行事として行われ、皇位の象徴である神器は直ちに引き継がれるべきだ、との主張もある。皇位に空位期間があってはならないという指摘だ。だが、同じ日、同じ場所で引き続き行わなくても空位期間は生じない。皇位の象徴である剣璽等を手放されたとしても、その瞬間をもって退位されたことにはならない。法的には平成31年4月30日いっぱいまで天皇陛下は天皇であり続けられる。そして新天皇は剣璽等を承継されていなくても、法的には翌5月1日になった瞬間に天皇に即位されたことになる。4月30日から5月1日になる瞬間に皇位が継承される。同様に新元号も5月1日になった瞬間に適用される。
 剣璽等の承継は皇位が移ったことを示す儀式であり、そのことと法的にどなたが天皇の地位にいらっしゃるかは直接には繋(つな)がらない。卑近な例だが、ある日付をもって人事異動が行われる場合、辞令交付式が行われる前でもその日付になった瞬間に対象者はその地位に就いたと見做(みな)すのと同様だ。剣璽等が直ちに引き継がれなくても空位期間は生じようがない。
 退位、即位の儀式が同じ日、同じ場所で行われれば、政府が懸念している天皇陛下のご意思によって皇位を「譲る」という色彩をどう払拭するのかという点が曖昧になる。また、現在の天皇陛下と新天皇のどちらの国事行為であるのかという点も混乱する。
 皇位継承儀式の伝統は重視しつつも、退位、即位の儀礼に憲法違反の疑いを残してはならない。皇位の正統性に瑕疵(かし)が生ずるからだ。これは現行憲法の評価とは異なる次元の問題である。(麗澤大学教授・八木秀次、産経新聞「正論」 2018.02.20)

「皇室の費用」とは?

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