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激変の時代、平成ニッポン証言録
平成がいよいよ終わる。「平成最後の」という言葉が世に溢れるが、今年は文字通り新たな時代の幕開けである。「衰退の時代」とも揶揄された平成はどんな時代だったのか。各界のキーマンたちの証言録で30年史を振り返る。
平成がいよいよ終わる。「平成最後の」という言葉が世に溢れるが、今年は文字通り新たな時代の幕開けである。「衰退の時代」とも揶揄された平成はどんな時代だったのか。各界のキーマンたちの証言録で30年史を振り返る。
「長い大正時代」

報じる電光掲示板=東京・新宿駅東口
いよいよ来年、平成が終わるね。ボクみたいな年齢になると、小渕恵三さんが「平成」と発表していたのが、ついこの間のことのように思えてくるんだけど、今年でもう30年なんだよね。大規模な自然災害に見舞われたことはあったものの、大転換となるような出来事はなく、“長い大正時代”といえる平和な時代だった。
その前の昭和は、ものすごくバラエティーに富んでいた時代だった。大きな戦争を経験して、終戦後は焼け野原の状態から国民が一丸となって立ち直り、高度経済成長へと突き進んだ。
今年が「明治維新150年」であるとして、ゆかりの地でさまざまな記念の取り組みが行われているように、これから2025年の「昭和100年」に向けて企画が出てくると面白いよね。昭和の道のりを振り返ることは、これからの時代を担っていく若い人たちにとっても意義があると思うよ。何年か前、田中角栄さんの関連書籍が次々と出たこともあったしね。
仕事で元号を使っている人たちは大変だよね。改元の対応を求められれば一気に大忙しになるわけだから、できるだけ早く知りたいというのが本音だろう。来年のカレンダーや手帳をつくっている人たちも、やきもきしているんじゃないかな。
何にせよ、来年は平成生まれの人たちにとっても、昭和のエネルギッシュさを肌で感じてきた年代の人たちにとっても、時代の区切りを感じる1年になる。普段はあまり意識したことがなくても、これを機に国のあり方を考えてみたり、皇室の方々に思いをはせてみてはどうだろう。
そう考えると、ボクや同年代の人たちは幸福な世代なのかもしれない。うまく生きながらえれば新元号になる瞬間と東京五輪を、それぞれ人生で2度ずつ目撃できるわけだからね。(高須クリニック院長・高須克弥、zakzak 2018.02.27 一部略)