新元号「令和」に言いたい
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新元号「令和」に言いたい

平成の次の時代を表す新元号が「令和」に決まった。大化から数えて248番目となる元号は日本最古の歌集「万葉集」から引用されたが、「令」という漢字は初めて採用された。これまで元号で使われた漢字は、たった73文字しかないのも驚きだが、なぜ「令和」が選ばれたのか。その意味を考えたい。

平成の次の時代を表す新元号が「令和」に決まった。大化から数えて248番目となる元号は日本最古の歌集「万葉集」から引用されたが、「令」という漢字は初めて採用された。これまで元号で使われた漢字は、たった73文字しかないのも驚きだが、なぜ「令和」が選ばれたのか。その意味を考えたい。

「万葉集」は画期的

人間臭い改元

元号は誰のものか

「時の支配」は的外れ

元号と生産性

 「平成」の終わりが、近づいてきた。雑誌や新聞でも、平成を総括する特集をよく目にする。平成の総括は大事なテーマだし、別の機会に考えてみたいが、一般論として意思決定にあっては、「今後のこと(=これから変えられること)」に集中することが大切だ。平成から新しい代に変わるに当たって、「変えたいこと」を考えた。
新元号「令和」が発表されるニュースを映す千葉県浦安市内の家電量販店のテレビ=2019年4月1日午前11時41分
新元号「令和」が発表されるニュースを映す千葉県浦安市内の家電量販店のテレビ=2019年4月1日午前11時41分
 まず、率直に言って、「元号」の使用は一歩後退したものにしたい。新しい元号を定めないとすることは、現時点ではあり得ないだろうが、公文書やビジネス文書は全て西暦に統一する方が経済的な効率がいいことは明らかだ。各種の文書記入時のつまらないミスが減るし、何よりもデータ処理の効率性が改善する。
 わが国の「生産性」が低いことがしばしば問題になるが、明らかな効率改善を行わないのは愚かな不作為だ。代替わりを言祝いで新しい元号を得た後に、なるべく速やかに文書作成の際の日付のルールを西暦に統一するべきだし、この変更を政治的な争点(=「人気取り」)にすることは不適切だ。超党派で賢く進めるなら、日本の政治にもまだ見込みがあると思う。
 元号自体は伝統として残ってもいいが、制度として廃止する方が好ましく、また良い効果が大きいのは、叙勲制度の廃止ないし徹底的な縮小だ。時の政府が叙勲対象者を選んで天皇陛下が勲章を授与することに、どのような意味があるのか。時の政府による価値観の押しつけであり、天皇の露骨な政治利用以外の何ものでもない。
 また、単純に高齢であることをもって「老害」と決めつけるのは不適切だが、能力や時代感覚が衰えた経営者、学者、文化人などが、自分の持つ地位にしがみつく現実的モチベーションの一つに勲章があるように思う。勲章制度は、日本の社会・経済・文化の人的な新陳代謝を阻害している。企業や経済界だけを考えるとしても、叙勲制度がなければ日本はもっと変わることができよう。「勲章待ち」で地位にしがみつく老人は有害だ。また、特定の公的地位(政治家、官僚を含む)、特定業種・企業の経営者、特定分野の学識者・芸能人・文化人などを、他の市井の人々と区別して顕彰することに何の価値的な意味があるのか。
 世界的にも、例えば、ノーベル文学賞は選考メンバーが利権にまみれていたことが明らかになり、権威が揺らいでいる。「作家が権威によって評価されるのはおかしい」と受賞(1964年)を拒否したジャン・ポール・サルトルは立派だったと改めて思う。村上春樹さんも同様の見識をお持ちだろうと期待する。
 人の評価は政府ではなく市井の人が行うといい。まして、天皇の権威を使うのは不適切だ。(経済評論家・山崎元、zakzak 2018.08.23)

午前11時41分、公表の時

時代に名前をつける

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