三原じゅん子手記「がん公表、私の思い」
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三原じゅん子手記「がん公表、私の思い」

日本人の死因トップは依然がんである。2人に1人が罹患するとされ、関心が高いだけに著名人の相次ぐ「がん公表」は反響も大きい。こうした中、10年前、報道によってがん公表に至った元女優で参院議員の三原じゅん子氏がiRONNAに手記を寄せた。誰もが当事者になり得るがんだが、著名人の公表にどう向き合うべきか。

日本人の死因トップは依然がんである。2人に1人が罹患するとされ、関心が高いだけに著名人の相次ぐ「がん公表」は反響も大きい。こうした中、10年前、報道によってがん公表に至った元女優で参院議員の三原じゅん子氏がiRONNAに手記を寄せた。誰もが当事者になり得るがんだが、著名人の公表にどう向き合うべきか。

マスコミによる「暴露」

問われるべきは誰か

メディアの深層

がん隠して「がんで死ぬ役」

 普段ほとんどTVドラマを見ないのですが、昨年放送された『不惑のスクラム』(NHK)という作品は思わず見入ってしまいました。主演は高橋克典さんでした。誤って人を殺し、刑務所へ入っていた男の役です。出所したものの、すべてに絶望した男が、同じく居場所がなく、人生に傷ついた中年男たちとともにラグビーチームを結成するという男の再生物語でした。
記者会見で笑顔の萩原健一さん=1996年9月
記者会見で笑顔の萩原健一さん=1996年9月
 このとき、ラグビーチームの創設者で、主人公の人生を支えながらも、ステージ4のがん闘病中でドラマの途中で亡くなる役を演じたのが、ショーケンこと、萩原健一さんでした。ドラマの制作発表会見で、このように話していました。
 「私は末期のがん患者の役なんです。(中略)生き抜こうとしている役柄ですが、途中で死にます。でも非常に面白い役なので、ひとつ見て楽しんでいただければありがたいと思います」
 まさか、このとき、本当に重篤ながんと向き合っていたとは…。このドラマの撮影のときも、一部の関係者以外はその事実を知らなかったそうです。役作りのためにラグビーのパス練習なども行っていたとか。この作品の表情が実に良かった。こんなに優しい笑顔をする俳優だったっけ、と意外に思えたほどでした。
 年齢を重ねる大きな美点は、人に優しくなれることだと思います。川を転がり続ける石のように、次第に角が取れて丸くなっていく…。ショーケンの「円熟期」。もっともっと見ていたかったのですが、3月26日、都内の病院で亡くなりました。68歳でした。
 死因のGIST(消化管間質腫瘍)という病名を、今回初めて知った人も多いでしょう。年間10万人あたり罹患(りかん)率は1~2人、「希少がん」として扱われます。消化管にできる腫瘍といえば、胃がんや食道がん、大腸がんをイメージしますよね。それらは粘膜の表面(上皮)から発生しますが、GISTは消化管の壁の中(筋層)に発生します。進行とともに吐き気や腹痛、下血や吐血などの症状が出ますが、特有の症状はなく、早期発見しにくい病気です。
 ショーケンにGISTが見つかったのは、2011年。彼は公表をせぬまま仕事を続けました。8年も病気を隠しながら仕事ができたのは、おそらく分子標的薬治療をされていて、その効果があったのだと想像します。
 自らのがんを隠しながら、がんで死ぬ役を楽しみながら演じるなんて。思えば彼は、「ショーケン」という、強がりでやんちゃな男の役を演じ続けた一生だったのではないでしょうか。派手に生きた彼の遺言は、「(葬式等)派手なことをやるな」だったとか。最期までカッコよすぎです。(医学博士・長尾和宏、zakzak 2019.04.08)

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