コンビニがなくなる日
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コンビニがなくなる日

もはや日常生活に欠かせないといっても過言ではないのがコンビニではないだろうか。だが、人手不足や働き方改革による24時間営業の限界に加え、食品ロスといった課題が追い打ちをかけ、コンビニのビジネスモデルは岐路に立たされている。新たな法規制の必要性も指摘されるコンビニは、この先持続できるのか。

もはや日常生活に欠かせないといっても過言ではないのがコンビニではないだろうか。だが、人手不足や働き方改革による24時間営業の限界に加え、食品ロスといった課題が追い打ちをかけ、コンビニのビジネスモデルは岐路に立たされている。新たな法規制の必要性も指摘されるコンビニは、この先持続できるのか。

加盟店改革への「壁」

オーナーは「歯車」を選んだ

見直すべき「搾取」の構造

便利さの「影」

 コンビニエンスストアの経営と労働環境の厳しい現状が論議を呼んでいる。本部に有利な契約の下で人手不足でも24時間営業を迫られているのが実態だ。対等な関係で本部と加盟店が協議する場の設定、現状を踏まえた深夜営業の選択制、ロイヤルティー減額など支援策が必要ではないか。私たち利用者も便利さの「光」を支える「影」にも目を向けるべきだろう。
2019年3月、営業時間短縮の実証実験が行われたセブン-イレブン本木店。午前1時過ぎに店頭看板が消灯した(川口良介撮影)
2019年3月、営業時間短縮の実証実験が行われたセブン-イレブン本木店。午前1時過ぎに店頭看板が消灯した(川口良介撮影)
 日本には5万を優に超えるコンビニ店があるが、本部直営の店舗はごくわずかで、ほとんどはチェーン本部と契約を結ぶ加盟者が経営している。加盟者の大半が小規模事業者である。その経営が安定的に成り立つことが、消費者に利便性を提供し社会インフラとして機能してきたコンビニの発展には欠かせないが、最近の社会経済の状況で難しくなってきている。店舗数が増加して過当競争が進み、売り上げと利益が増えない中で、最低賃金の上昇によって人件費負担が高まってきているからである。結果として店舗運営に適正な人員を確保することが困難になっており、営業継続、利益確保のために加盟者とその家族が長時間労働を強いられる実態が慢性化している。
 人手不足はさまざまな業界に見られるが、経済産業省が3月に公表したコンビニの加盟者調査によると、「従業員が不足している」と回答した割合は61%に上った。「十分に足りており何かあっても対応できる」としたのはわずか6%で、多くの店舗で安定的な経営の継続が困難になっている状況がうかがえる。
 コンビニのフランチャイズ契約は、圧倒的に強い立場の本部に有利な取り決めとなっている面がある。加盟者は、採算の合わないことが多い深夜営業を義務付けられている。売り上げの減少につながる近隣への同一チェーンの出店(ドミナント)も拒むことができない。さらに、販売期限を過ぎた商品の廃棄費用は年間で数百万円に上るが、そのほとんどは加盟者の負担である。他方で本部に支払うロイヤルティーは、廃棄費用がいかに多額になってもそれほど影響されない。外国人のアルバイトらに依存してもカバーしきれず、人手不足、長時間就労、経営難という悪循環が顕在化してきている。
 先の経産省の調査によると、チェーン加盟に「満足していない」が39%にも及び、その大半は利益が少ないことと、労働時間が長すぎることを問題としている。24時間年中無休などコンビニ経営をめぐる問題が沸騰したきっかけは、今年2月に人手不足で営業時間の短縮を求めた大阪のセブン-イレブン加盟店のオーナーと、認めない本部との対立が表面化したことにある。
 大手各社は加盟店支援の「行動計画」を公表した。本部と加盟店との「共存共栄」がコンビニチェーンの理念であるが、その内実が今、深刻に問われている。「対等なパートナーシップ」に基づく対話を通して、本部は加盟店の「声」に真摯(しんし)に向き合い、意味のあるものとするよう取り組みを進めるべきであろう。(武蔵大教授・土屋直樹、SankeiBiz 2019.04.30)

もう一つの「切り札」


みんなで渡れば怖くない

生き残れるか

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