世界から見た天皇陛下

世界から見た天皇陛下

わが国の歴史は天皇の存在抜きには語れない。「万世一系」「万邦無比」の言葉が象徴するように、古代から現代に至るまで天皇は決して途絶えることがなかった。それは国民の安寧と幸せを祈り続ける天皇の姿が、日本人の心に深く刻まれているからに他ならない。ならば、唯一無二たる天皇の存在は海外の目にはどう映るか。

わが国の歴史は天皇の存在抜きには語れない。「万世一系」「万邦無比」の言葉が象徴するように、古代から現代に至るまで天皇は決して途絶えることがなかった。それは国民の安寧と幸せを祈り続ける天皇の姿が、日本人の心に深く刻まれているからに他ならない。ならば、唯一無二たる天皇の存在は海外の目にはどう映るか。

紡がれた「奇跡」

中国皇帝との違い

時に臨み、成り行きに応ず

「絶妙な役割分担」

 天皇陛下が即位されて2カ月がたった。安倍晋三首相と「絶妙な役割分担」をされ、君主としての新しいスタイルを外交面で見事に示されており、絶好調だと思う。この素晴らしいスタートを喜びたい。天皇、皇后両陛下が、令和初の国賓として来日したドナルド・トランプ米大統領夫妻と通訳なしで会話したことがメディアで話題になった。両陛下とも、英語圏で学ばれたのだから、26歳になって東欧から米国に移民したメラニア夫人より、こなれた英会話ができて当然ともいえた。
「即位礼正殿の儀」で、即位を宣明される天皇陛下=2019年10月22日午後、宮殿・松の間(AP=共同)
「即位礼正殿の儀」で、即位を宣明される天皇陛下=2019年10月22日午後、宮殿・松の間(AP=共同)
 だが、両陛下が、G20(20カ国・地域)首脳会合に先だって公式実務訪問したエマニュエル・マクロン仏大統領夫妻とフランス語で話されたことは、フランス人を大いに喜ばせた。天皇陛下は学習院で、仏文学の権威である小林善彦先生などから立派なフランス語をたたき込まれている。皇后陛下も二度にわたりフランスに短期の語学留学をされていることは、知る人ぞ知る事実だ。皇后陛下の体調については、マクロン大統領夫妻との昼食会に、両陛下そろって出席できるか直前まで決まらなかったことからも、まだ、万全でないのだろう。その意味で、くれぐれもご無理のないようにお願いしたいところだ。
 天皇、皇后両陛下による外交への参加の位置づけは、昭和・平成の時代とは少し性格が変わったと思う。昭和天皇にあられては、先の世界大戦の当事者でおられたので、どうしても、ご自身の立場についての説明が求められた。平成時代の天皇、皇后両陛下が示そうとされたのは、「皇室が戦争の犠牲者への慰霊と、平和を祈る存在である」ことだったように思える。そういう意味で、常に「皇室の外交」であった。
 これに対し、現在の天皇、皇后両陛下がそういう過去にとらわれず、国際人としてのセンスが光る軽やかスタイルでおられるのは、日本という国家の君主としてより自然なように見える。
 G20でも、安倍首相が世界の代表的な政治家として尊敬される存在であることが遺憾なく発揮された。世界史においては、英国のベンジャミン・ディズレーリ、ドイツのオットー・フォン・ビスマルク、フランスのリシュリューといった名宰相がいて、それぞれ君主と絶妙な役割分担で国威を高めた。令和の日本で、世界の舞台で活躍できる両陛下と、優れた宰相のコンビネーションが続けば、日本は念願の外交大国になれるのだが、問題は安倍首相のレベルに近い政治家がどれだけ育ってきているかである。(徳島文理大学教授・八幡和郎、zakzak 2019.07.04)

「祝賀外交」要人も続々

3つの歴史的な価値

新たな国際親善へ

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