身動き取れない、脆弱「感染列島」
1415

身動き取れない、脆弱「感染列島」

感染が広がる新型コロナウイルスについて、政府が矢継ぎ早に対策を打ち出しているが、混乱は収まらない。終息への正念場と分かっていても不安が消えないのは、感染リスクだけではなく、政府の「後手後手」感が拭えないからだ。感染症の恐怖に直面し、政治まで身動きできなかったとでも言うのだろうか。

感染が広がる新型コロナウイルスについて、政府が矢継ぎ早に対策を打ち出しているが、混乱は収まらない。終息への正念場と分かっていても不安が消えないのは、感染リスクだけではなく、政府の「後手後手」感が拭えないからだ。感染症の恐怖に直面し、政治まで身動きできなかったとでも言うのだろうか。

不安がるにはワケがある

失政追及も報道の使命

問われる政治の真価

有事のリーダー像とは

 日本は、発生国である中国、韓国に次いで、新型コロナウイルスの感染者(=クルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス』を含む)を出している。制度や法規を論じても間に合わない。国難とも言うべき、この危機を乗り切る鍵はリーダーにある。
 危機時のリーダーのあり方は、平常時とは異なる。
 危機は突然人々を襲い、急激に深刻化する。危機に直面した組織は、時間も能力も限られるなかで、組織の総力を結集して危機に対処しなければならない。その時に中心的役割を果たすのが「危機時のリーダー」である。
 危機時には、不完全な情報の下でも、行動に間に合うように対処策を決定し、それを周知して、必要な機能を持った危機対処チームに所要の装備、予算、権限などを与えて、速やかに対処行動をとらせる必要がある。
 危機対処は時間との勝負になる。危機に打ち勝てるように速やかに対処力を上げ、危機を封じこめねばならない。完全な情報を待ち決断したり、皆が合意できるまで対処策を議論している時間はない。個々の狭い利害やメンツにこだわっていては共倒れになる。
 刻々と深刻化する危機に対処するには、不完全な情報から危機の推移を先取りして的確に洞察し、よりましと思われる対処策を取り急ぎ実行し、その結果をみて、次の対処策を編み出し実行するというサイクルを繰り返さねばならない。
 眼前の危機を乗り切るために必要なことは、平常の組織の壁や利害、職階、業務手続や規則にとらわれることなく、リーダーの決断と指揮の下、一丸となって果敢に対処策を実行することである。
 調整型リーダーでは危機に対処できない。一部の反対があっても決断し、全員に行動させるだけの決断力と実行力のあるトップダウン型のリーダーでなければならない。
2020年2月29日、記者会見する安倍晋三首相(萩原悠久人撮影)
2020年2月29日、記者会見する安倍晋三首相
(萩原悠久人撮影)
  半面、危機時のリーダーは、身を切られるような困難な決断を迫られる。危機打開のために、部下に犠牲的な行動を求めなければならないこともある。限られた対処力で全体の危機を救うためには、資源配分に優先順位をつけ、重点正面以外への配分を諦めねばならないこともある。
 危機時のリーダーには、一部から非難を受けることを覚悟してでも、冷徹に的確な決断を適時にできる、使命感と総合判断力が求められる。またその決断結果に対し責任を負い、退くべき時には潔く辞任するだけの責任感と潔さもなければならない。それがなければただの独裁者に過ぎない。
 私は、日本の歴史上、「危機時のリーダー」として、織田信長を評価している。信長は、桶狭間の戦いで見せたように、危機の先手を打って果敢に決断し行動できた。中でも「情報センス」と「先見洞察力」は抜群だった。その点、いまの安倍政権は、危機に振り回されて、後手に回っていると言わざるを得ない。
 信長のような行動をとれるリーダーを、各レベル各組織において一人でも多く立てることが、「国難打破」の決め手になるだろう。他の人々には、そのようなリーダーを支え、我慢すべきは我慢する忍耐力がなければならない。(軍事研究家、元陸将補・矢野義昭 zakzak 2020.02.27)

身近なモノこそ清潔に

監視社会という諸刃の剣

どうウイルスに立ち向かうか

身動き取れない、脆弱「感染列島」

みんなの投票

新型コロナウイルス感染の拡大防止に関する政府の対応をどう思いますか?

  • 評価できる

    1328

  • 評価できない

    82

  • どちらとも言えない

    5