バイデンでも終止符を打てない米国の分断
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バイデンでも終止符を打てない米国の分断

世界が注目した米大統領選はバイデン前副大統領の事実上の勝利となったものの、いまだ確定とはいえない事態が米国の混迷ぶりを象徴している。経済再生、安全保障といった日本の重要課題は米国に左右される部分が大きいだけに安定を求めたいが、それはほど遠いだろう。バイデン政権は日本にいかなる影響を及ぼすのか。(写真はゲッティ=共同)

世界が注目した米大統領選はバイデン前副大統領の事実上の勝利となったものの、いまだ確定とはいえない事態が米国の混迷ぶりを象徴している。経済再生、安全保障といった日本の重要課題は米国に左右される部分が大きいだけに安定を求めたいが、それはほど遠いだろう。バイデン政権は日本にいかなる影響を及ぼすのか。(写真はゲッティ=共同)

手嶋龍一が緊急寄稿

「ウソ」だらけの勝利宣言

期待は米国経済の復権

実感する三島由紀夫の憂い

最終決着は12月14日か

 米大統領選は、まさにジョー・バイデン前副大統領が9回裏に逆転サヨナラホームランを放ったと言っていい。
 ドナルド・トランプ米大統領は4日未明(米東部時間)、ホワイトハウスで、激選州オハイオの勝利に続き、大接戦のフロリダ州を制した直後、一方的に「勝利宣言」を行った。
 その背景には、焦点とされた中西部のウィスコンシン、ミシガン両州と、東部のペンシルベニア州で世論調査とは裏腹に開票初期段階でバイデン氏に先行したことが、トランプ氏を強気にさせたのだ。
 ところが、その後はオセロゲームとなった。
 ウィスコンシン、ミシガン、ペンシルベニア州が相次いでひっくり返された。そして最後は「ハチの一刺し」ならぬ西部ネバダ州だった。
 ちなみに、同州最大都市ラスベガスにトランプ氏の盟友で「カジノ王」、シェルドン・アデルソン氏の「ラスベガス・サンズ」がある。トランプ氏はギャンブルの街に報復された感が強い。
2020年11月6日、米ワシントンのホワイトハウス付近で「トランプは終わり」と書かれたプラカードを掲げる女児(UPI=共同)
2020年11月6日、米ワシントンのホワイトハウス付近で
「トランプは終わり」と書かれたプラカードを掲げる女児(UPI=共同)
 大統領選終盤でリードしたバイデン氏は、土壇場でトランプ氏の猛追にさらされ「奇跡の逆転」を許すかに見えたが、期日前投票・郵便投票という切り札で勝利を掌中に収めた。これこそが、共和党のシンボルカラー赤色にちなみ「レッドミラージュ(赤い蜃気楼)」と呼ばれた現象だった。
 では、なぜバイデン氏が“勝利”できたのか。
 そのヒントは、米メディアの出口調査から見て取れる。(1)バイデン氏(以下、B)が予想を超える若年層の支持を得た(2)トランプ氏(以下、T)は岩盤支持層の白人男性(非大卒)票を減らした(3)B氏は黒人・ヒスパニック男性票を減らした(4)T氏が予想外に白人女性票を増やした(5)B氏が事前の世論調査に違わず「ラストベルト」(さびた工業地帯)で勝利した(6)激戦6州のほとんどで、B氏支持の都市部票にT氏支持の地方票が追い付かなかった-などが挙げられる。
 だが、トランプ氏は7日夜の記者会見で「違法な選挙でなければ勝てた」と、郵便投票が公正ではなかったとの持論を繰り返しただけだった。
 恐らく最終決着は12月14日の「選挙人投票」であろう。ここで注目されるのが米最高裁である。
 実は、10月末にペンシルベニア、ノースカロライナ両州の郵便投票の有効期限をめぐる訴訟について、判断は各州に委ねられるべきとの判決を下し、その延長は認められた。
 保守系判事多数といえども、トランプ氏が頼む最高裁は既に米国が依然として法治国家であることを示しているということである。(ジャーナリスト・歳川隆雄「永田町・霞が関インサイド」ZAKZAK 2020.11.10

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