
女性は「オス化」しているのか
女性の「オス化」現象がまたも話題になっている。働く女性の中からも自覚のある人も少なくないようだ。今に始まったことではないのか、それとも気のせいなのか…。女性は本当に「オス化」しているの?
女性の「オス化」現象がまたも話題になっている。働く女性の中からも自覚のある人も少なくないようだ。今に始まったことではないのか、それとも気のせいなのか…。女性は本当に「オス化」しているの?
宮田一雄の視線

5年前から意識アリ
2009年末にNECが行った調査でも、未婚女性の6割が「オス化している」と感じていた。未婚女性500人(25~35歳)を対象の調査で自分がオス化していると感じているかを聞いたところ、「良くある」が20%で、「時々ある」が43%。自分よりも男らしくない男性が周囲にいるかどうかを聞いた質問では、70%が「いる」と回答。女性の意識の中では、男女の逆転現象が進んでいるようだ。具体的に経験したことを聞くと(複数回答)、「家で1人でもお酒を飲む」が42%、「同性の友人に『男前だ』と言われる」が41%。中には「あごにヒゲらしきものが生えた」という回答も15%あった。
都市伝説化した珍説だ
行動がガサツになったからといって男性ホルモンは増えません。本当に体毛が濃くなるなどの変調は、痩せすぎで女性ホルモンが減って相対的に男性ホルモンが優位になったり、卵巣で作られた男性ホルモンを女性ホルモンに変える酵素の異常で起こる病気。医師の受診をおすすめします。
雑誌の売り上げ、情報番組の視聴率アップ…。商業主義のために医学的根拠のないキャッチーなタイトルが付けられ、それが独り歩きして都市伝説化している。「働きすぎるとオス化する」とか「恋愛やセックスで女性ホルモンが出て、きれいになる」とか「出産でデトックス(毒素排出)」なんてありえません。こんな珍説を流布して、女は外で働かずに子供を産めと誘導したいのでしょうか?
翻弄されないよう、生物の基礎知識を身につけることも大事。高校生物や看護学生用の教科書を1冊持っておけば心強いのでは。
「オス化」の原因がある!?
