
「反安倍」が勝てないワケ
「ポスト安倍」と目される石破茂地方創生相が新派閥を旗揚げした。自民党内にくすぶる反安倍勢力にとっては追い風だが、「安倍一強」の牙城を崩すのは容易ではない。安保法制成立後も野党結集の動きや、若者によるデモが続いているとはいえ、「反安倍」がそれでも勝てないのにはワケがある。
「ポスト安倍」と目される石破茂地方創生相が新派閥を旗揚げした。自民党内にくすぶる反安倍勢力にとっては追い風だが、「安倍一強」の牙城を崩すのは容易ではない。安保法制成立後も野党結集の動きや、若者によるデモが続いているとはいえ、「反安倍」がそれでも勝てないのにはワケがある。
田原総一朗が読み解く
9月8日に告示された自民党の総裁選挙は、安倍晋三首相のほかに立候補の届け出はなく、無投票のまま安倍首相の再選が決まった。野田聖子さんは出馬に意欲を見せていた。だが、立候補に必要な20名の推薦人を集められず、出馬を断念した。僕は、この結果をとても残念だと思う。そして、自民党に対して、たいへんな危機感を覚えるのである。

党総裁選の出馬断念を発表する野田聖
子前総務会長=9月08日午前、東京
都千代田区
石破派旗揚げの舞台ウラ

石破茂地方創生担当相=2015年9月28日、
東京都内のホテル(斎藤良雄撮影)
日本国を、政権を担うことがいかに困難なことか、議員を30年近く勤め、閣僚や党役員を多く経験させていただいて、それを痛感しています。10年先、100年先の日本を見据えたビジョンを作るのに費やすべき時間と労力はどれほどあってもこれで十分ということはありません。
いま日本が抱えている課題、安倍政権が必死に取り組んでいる課題のほとんど全ては、「これを言っても理解してもらえない、これを言ったら票が減る」と言って課題を先送りしてきたものなのではないでしょうか。そしてその責任は、長く議員や政府・党の役職をお預かりしてきた私も当然負わねばならないものだと思います。
現政権を全力で支えつつ、10年先、100年先を見据えた、政策立案中心の本来の政策集団を、一人一人の国民や党員の方々にその軸足を置き、その納得と共感が頂ける自民党を作りたいと思っています。
「明るく、楽しく、元気よく。地道に、愚直に、徹底的に。」私が敬愛するある企業経営者のスローガンを、とても共感を持って感じます。
準備の動きが出始めたのは今週前半にも関わらず、報道が豪雨災害と重なったこともあり、「なぜこの時期に」などと各方面からのご意見・ご批判はそれこそ雨霰のように飛んできますが、新しいことを始めるときにはこのようなことはつきものなのでしょう。「棺を蓋って人の評価は定まる」そういうものだと改めて強く思っています。
「アベ政治を許さない」という言い回し

質問する民主党の辻元清美氏=
2015年7月15日(斎藤良雄撮影)
「安倍政権批判」「安倍内閣打倒」ならば分かるけど、「アベ政治を許さない」という言い回しは、個人的に嫌な感じを受ける。政権・政策批判というよりは、安倍晋三氏個人への悪意が感じられる点で。安倍氏の滑舌の悪さを揶揄したり小馬鹿にする人達から受ける印象と、同種の嫌な感じ。
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