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清原和博の薬物更生を阻むこれだけの理由
覚せい剤取締法違反の罪に問われた元プロ野球選手、清原和博被告の初公判が東京地裁で開かれ、清原被告は起訴内容を認めた。「引退で目標をなくした」「心の隙間を埋めるためだった」…。公判で語った清原被告の言葉は、薬物依存の恐怖と苦しみを物語る。かつての球界のスターが更生する日は来るのか。
覚せい剤取締法違反の罪に問われた元プロ野球選手、清原和博被告の初公判が東京地裁で開かれ、清原被告は起訴内容を認めた。「引退で目標をなくした」「心の隙間を埋めるためだった」…。公判で語った清原被告の言葉は、薬物依存の恐怖と苦しみを物語る。かつての球界のスターが更生する日は来るのか。
覚せい剤を見くびるな
覚せい剤取締法違反で起訴された清原和博被告が、3月17日に保釈保証金500万円で保釈された。保釈後は、持病の検査・治療のために入院先の病院へと直行した。入院先の病院はVIPルームもある万全の設備を備える病院であるという。
持病の入院といっても薬物依存治療ではない。血糖値900以上(通常は100〜140)とも言われる重い糖尿病の治療である。
薬物依存者のリハビリ施設「ダルク」でリハビリとスタッフ活動に専念している元タレントの田代まさし氏は、次のように述べる。
「時々、やりたいという気持ちが首をもたげてくることもあった。今まではそれに勝てなくて再犯を繰り返してきた。」(スポーツ報知・2016年2月26日)
「2回目に捕まった後、刑務所に入っている間も含めて6年近くクスリを止めていた。なのに現物を目にすると『神様が一度休憩しなさいと言ってくれているんだ』と思ってしまった」(zakzak・2016年2月10日)
つまり、必要以上に注目をされ、且つ薬物依存のリハビリ施設に専従している田代氏のような人物でさえ、油断をすれば簡単に薬物の魔力に引き戻されてしまう。そんな危険と常に隣り合わせにいる状態が「覚せい剤中毒」なのだ。
報道によれば、重度の覚せい剤依存であると言われる清原被告。重度の覚せい剤中毒者の場合、刑務所の中でも「出所したら次はバレないように」と考え続けるという。かなりの重症といわれる清原氏だけに、覚せい剤の魔力から抜け出ることは並大抵ではあるまい。
もちろん、持病の糖尿病の治療も命に関わるだけに大事ではあろうが、それでも清原被告がまずなによりも直行すべきは、薬物依存治療ではなかったのか。
清原被告にとっては、設備の完備された病院で、保釈後に「一息つく」ことも目的なのかもしれない。仮にそうだとすれば、その程度の甘い気持ちで果たして覚せい剤の魔力から逃げ切ることはできるのだろうか。(ライター・矩子幸平、メディアゴン 2016.3.19)
再出発を支えよ
罪人ではなく病人
周囲はどう接するべきだったか
清原和博さんの覚醒剤の使用について、周囲のひとはみんな知っていた、という証言が報じられています。
詳しいことはわかりませんが、おそらく、そうなのでしょう。確実にそうだ、と知っていたのか、うすうすそう思っていたのか。その違いはあるにせよ、いずれにせよ、怪しいとは思っていたのでしょう。
そんなとき、周囲の人はどうするべきか? 逮捕されて、警察にお世話になれば、結果として覚醒剤からは遠ざかるわけですから、本人のためを思って、通報するという考え方もあるかもしれません。
そんなとき、周囲の人はどうするべきか? 逮捕されて、警察にお世話になれば、結果として覚醒剤からは遠ざかるわけですから、本人のためを思って、通報するという考え方もあるかもしれません。
しかし、刑事告発は、重大であり、よほど確実な証拠でもないかぎり、やりにくいのが実情でしょう。やはり、一番やるべきことは、本人に話しかけ、問いかけることだったのではないかと思います。
「もし、勘違いだったらごめんね。でもね、一応、念のために聞くけど、やってはいけない薬物をやったりしていないよね?」
そのように心を開いて話せば、少なくとも、悪い方向にはいかないように思うのです。
薬物に手を出しているかもしれない人に対して、周囲が、腫れ物に触るような扱いをするケースも多いとは思うのですが、そうすることは、問題を放置し、結局、本人のためにならない、ということになるのではないでしょうか。
何よりも、対話を。私はそう考えるのですが、みなさんはどう思われますか?(茂木健一郎公式ブログ 2016.02.09)
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