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「副業解禁」で成功する人、失敗する人
いま大手企業を中心に社員の「副業」を認めるケースが増えている。経産省の調査によれば、副業を容認している企業はわずか3・8%。労働人口の減少が続く日本の働き方改革の切り札としても注目を集めるが、本当にそうなのか。「副業解禁」によるメリット、デメリットを考えてみたい。
いま大手企業を中心に社員の「副業」を認めるケースが増えている。経産省の調査によれば、副業を容認している企業はわずか3・8%。労働人口の減少が続く日本の働き方改革の切り札としても注目を集めるが、本当にそうなのか。「副業解禁」によるメリット、デメリットを考えてみたい。
日本の働き方が変わる!
政府内で副業を促進する動きが活発になってきました。同じタイミングで同一労働・同一賃金の導入についても検討が進められています。日本における働き方が大きく変わることになるかもしれません。

安倍晋三首相=3月11日、首相官邸
総務省の調査によると、男性の副業希望者の中でもっとも割合が高いのは、年収300万円以上700万円未満のいわゆる中間層で、この人たちだけで全体の約4割を占めていました。続いて300万円未満、200万円未満、100万円未満となっていますので、主に中間層以下の人が副業を求めていることが分かります。女性の場合は少し状況が異なり、副業希望者の7割が年収200万円未満です。女性の方が、平均所得が低いという現状を反映しているようです。これまで日本企業は副業に対して消極的でしたが、対応を変えるところも出てきました。目薬大手のロート製薬は4月から、国内の正社員約1500人を対象に兼業を認めます。同社では、社外で培った技能や人脈などを活用することで、社内の多様性を深めたいとしています。
副業の解禁は、働き方の選択肢を増やすことにつながりますから、歓迎する声が出ている一方、副業が許可されることで雇用がますます不安定になるのではと危惧する人もいるようです。終身雇用制度が事実上機能しなくなっているにもかかわらず、その制度を残そうとすると、どうしても昇給を抑制せざるを得ません。副業はその受け皿という面があるのです。5月にまとめられる予定の「ニッポン1億総活躍プラン」には同一労働・同一賃金が盛り込まれる公算が高まってきました。終身雇用が残った状態でこの制度が導入されると、正社員の賃金が、安い非正規社員の賃金に引きずられる可能性があります。副業をしないと生活が苦しいという人はさらに増えてくるでしょう。
現実問題として、賃金が上昇する見込みが立たない以上、副業を広げていくというのは社会的要請なのかもしれません。政府では、副業を行った場合の総労働時間の把握や雇用保険の適用などについて検討を行い、何らかのガイドラインを策定する方針です。(The Capital Tribune Japan THE PAGE 2016.03.17)
得るものは「プライスレス」
魅力はネットビジネス
無秩序な副業はダメ
副業はお金だけじゃない!
社会人も数年経ち、すっかり仕事に慣れてくると、時には「私がやりたかったのってこの仕事だっけ?」という疑問が頭をよぎる瞬間も。今の仕事が嫌いなわけではないけど、「好きなことは他にあるよな~」なんて、何となく物足りなさを感じることもあるのでは? そんな人にオススメなのが、自分の好きなことをベースに副業を始めるという方法。『好き↔︎お金 ネットで「やりたいこと」を「お金」に変える方法』の著者である朝倉真弓さんに、自分の好きなことを副業にするメリットを教えてもらった。

最大のメリットは「好きなこと」を発信するため、楽しみながらできること。「本業で好きな仕事ができていない……と思っている人なら、やりたいことをすることがストレス解消や、人生のやりがいにつながる」と朝倉さん。他にも、お金に関する理解が深まるという利点も。「会社に所属しているとあまり意識することがないですが、副業は全てのことを自分一人で行うので、収入を得るまでのお金の流れや税金の仕組みがよく分かります。ビジネス上でのお金の動きが分かることは副業に限らず、仕事をする上でプラスになりますし、収入を得ることの大変さやお金のありがたみが実感できるので、本業の仕事に対しても張りが出ると思います」
さらにはネットの世界を飛び出して、現実の世界での仕事に発展する可能性もあるという。「ファンが増えればオフ会を開催したり、ブログ内容によってはコンサルティング業務やセミナー講師、書籍出版など、リアルの場で収入が得られる可能性もあります。これまで出会えなかった人たちと知り合え、人脈も広がりますよ」
とはいえ、副業にできるほど好きなことや、やりたいことはなかなかないもの。ところが「ネットで発信できる“ネタ”は誰でも持っている」と朝倉さんは話す。「例えばランニングを始めたばかりの初心者という場合、日々のトレーニングの様子や、大会出場記録、初心者ならでの悩みとその解決方法など、同じレベルの人たちが共感できることがネタになります。ランチは外でさくっと食べることが多いなら、一人でも行きやすいお店の紹介でも◎。自分の興味・関心のあることや、習慣などを書き出してみると、コンテンツとして発信できそうなネタが見つかりますよ」
副業というと、特別なスキルや経験がないとできないイメージが強いが、この方法であれば誰でもできる。ただし、副業を始める上で注意すべき点も。「必ずチェックしておきたいのは副業規定です。今働いている会社が副業を禁止していないかを確認するのは必須。副業に対して罰則がある会社もあります。就業規則に表記してある場合が多いので、見ておきましょう。また、仮に副業がOKだとしても『いつか退職するのでは?』など、ウワサが一人歩きしてしまう可能性も。副業をしていることはあまり周囲に言わない方が無難です」
また、最近では「ネットを使って簡単に稼げる!」といった、さまざまな副業がWebで紹介されているが、「何の苦労もなく何十万円も稼げるなんてありえない」と朝倉さん。「好きなことをブログで発信するのだって、毎日更新しようと思えば、ネタを探すための情報収集や勉強は必須。ラクして稼ぐのではなく、楽しみながら収入を得ると考えてくださいね」
一見ハードルが高いと思われた副業も、好きなことをネットで発信するスタイルなら、気軽に始められそう。早速自分の趣味や特技、好きなことから、コンテンツになりそうなテーマを見つけることから始めてみては?(シェアーズカフェ・オンライン 2014.08.26)
一見ハードルが高いと思われた副業も、好きなことをネットで発信するスタイルなら、気軽に始められそう。早速自分の趣味や特技、好きなことから、コンテンツになりそうなテーマを見つけることから始めてみては?(シェアーズカフェ・オンライン 2014.08.26)