外国人が見た豊臣秀吉の裏面

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外国人が見た豊臣秀吉の裏面

「彼は尋常ならぬ野心家であり、それが諸悪の根源となった」。ポルトガル人宣教師、ルイス・フロイスは自著『日本史』の中で、豊臣秀吉の抜け目ない醜悪な性格をこう評した。下賤の身でありながら、天下人に上り詰めた秀吉。日本人の常識とは異なる、外国人が見た「秀吉の裏面」とは。

「彼は尋常ならぬ野心家であり、それが諸悪の根源となった」。ポルトガル人宣教師、ルイス・フロイスは自著『日本史』の中で、豊臣秀吉の抜け目ない醜悪な性格をこう評した。下賤の身でありながら、天下人に上り詰めた秀吉。日本人の常識とは異なる、外国人が見た「秀吉の裏面」とは。

通説を覆す「新しい戦国史」

 戦国時代を中心に研究を続ける歴史学者、渡邉大門氏を訪ねたのは今年7月のことである。恥ずかしながら、戦国時代に関する知識と言えば、織田信長や豊臣秀吉といった時代の寵児が活躍し、その後の江戸時代260年の泰平の世に続く礎を築いたという、歴史教科書レベルの知識しかなかった。
 「戦国ファンは確かに多いんですが、まだまだ知られていないエピソードは山ほどあるんですよ」。優しい語り口で懇々と説明してくれた渡邊氏の「戦国裏話」は枚挙にいとまがない。例えば、本能寺の変直前に信長が蒸し返した暦問題に関するエピソードもその一つ。信長が暦の変更を朝廷に迫ったのは、「時の支配者」たる朝廷の権威簒奪が目的ではなく、実はそれが天皇を守る勤皇思想に基づくものだったという氏の仮説は衝撃だった。かねてより「信長は天皇を超える存在になろうとした」というのが通説だったからである。
 こうしたエピソードは歴史家や愛好家の中では知られていても、広く一般には知られていないことが多い。iRONNAでは今回、「渡邊大門の戦国ミステリー」と題して、渡邊氏がこれまでの研究で発見した通説を覆すエピソードから戦国時代のちょっとした裏話まで、さまざまな視点の論考を読者にお届けし、「新しい戦国史」をひも解く一助になれば幸いである。(iRONNA編集部、嶋諒子)

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渡邊大門(わたなべ・だいもん)
歴史学者。昭和42年、神奈川県生まれ。関西学院大文学部卒、仏教大大学院文学研究科博士後期課程修了。現在、株式会社「歴史と文化の研究所」の代表取締役を務める。主な著書に『進化する戦国史』(洋泉社)『真田幸村と真田丸の真実』(光文社新書)など多数。近著に『井伊直虎と戦国の女傑たち』(光文社)。
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