中国のネット検閲はどこまで進んだか
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中国のネット検閲はどこまで進んだか

中国のインターネット統制の中心的役割を果たし、「ネット皇帝」と呼ばれた魯煒氏が失脚した。民主化を訴える人々からは歓喜の声も聞かれたが、こうした雑音はどこ吹く風と習近平国家主席はネット言論の規制強化に突き進む。近い将来、ネット言論が中国の民主化を導く可能性はあるのか。

中国のインターネット統制の中心的役割を果たし、「ネット皇帝」と呼ばれた魯煒氏が失脚した。民主化を訴える人々からは歓喜の声も聞かれたが、こうした雑音はどこ吹く風と習近平国家主席はネット言論の規制強化に突き進む。近い将来、ネット言論が中国の民主化を導く可能性はあるのか。

言論の主戦場はネット

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習近平は何を恐れたのか

習近平は民主主義の敵

2017年12月、中国浙江省烏鎮で開かれた、世界インターネット大会の開幕式(共同)
 習近平総書記は立憲民主主義、報道の自由の敵だ。彼にとってジャーナリズムの役割とは何か? 彼は国営テレビ局の本社を2016年に訪問した際、ジャーナリストに「共産党のプロパガンダ」を広め、「共産党を愛して守り抜き、共産党指導層の思想、政策、行動に自らを寄り添わせる」よう呼びかけた。
 国境なき記者団の17年度世界報道自由度ランキングで180カ国中176位の中国では、党中央委員会プロパガンダ部門の命令に従うのを拒むジャーナリストらが数十人単位で投獄されている。また、「グレート・ファイアウォール」と名付けられたデジタル検閲システムが中国の7億5千万人のネットユーザーを世界から隔離している。自由を要求したノーベル平和賞受賞者の劉暁波は獄中で必要な医療を受けられず、命を落とした。
 共産党の目標は、国内の報道と情報を制限することだけではない。中国は「メディアの新たな世界秩序」を形成したいのだ。新華社元社長の李従軍によると、目的は情報が「西洋から東洋、北方から南方、先進国から途上国」にのみ流れる時代遅れの世界秩序を覆すことだ。彼は世界の報道機関が「社会発展を積極的に促す力」になることを呼びかけている。それはもちろん「中国的な」発展を意味する。
 中国政府は09年、世界メディア・サミットを創設した。新華社が全ての企画、組織化、資金提供を実施した。中国は14年に世界インターネット大会も始め、毎年、数百カ国からビジネスマンが訪れている。中国は大量の資金を投入し「批判精神を形成する」目的で各国からジャーナリストを招致している。また、世界中のコンテンツ作成者が中国市場へのアクセスを確保するため経済的な圧力に屈し、自己検閲をしている。
 中国が外国記者のプレスビザ発行を渋る一方、新華社は20年までに200の海外支局設立を計画中だ。報道対象国の国内政治に不干渉の方針を貫き、独裁政権から歓迎されている。BBCなどは中国で高級ホテル以外では視聴できないが、中国グローバル・テレビネットワーク(旧CCTV)の英西仏露とアラビア語放送は100カ国以上で視聴されている。中国は検閲・監視ツールを国外へ輸出している。中国最大の検索エンジン、百度のポルトガル語版がブラジルで開始された。中国はまた、自身が作成した暗号化のかかっていないインスタント・メッセージサービスを国際的に広めようとしている。会話内容も含め中国はそのデータの全てにアクセスできる。
 民主社会が抵抗しなければ、中国では永遠に報道の自由が実現しないばかりか、中国は表現の自由への自らの制限を世界に拡大するだろう。これが、中国によって変えられてしまう前に中国を変革しなければならない理由だ。(国境なき記者団事務局長、クリストフ・ドロワール 産経ニュース 2107.10.26

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