「ヤンキー実業家」三木谷浩史
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「ヤンキー実業家」三木谷浩史

楽天が携帯電話事業への新規参入を決めた。「無謀な6千億円投資」などと業界関係者やメディアの論評は相変わらず手厳しい。なぜ楽天は大博打に打って出たのか。その理由を読み解くには、やはり創業者である三木谷浩史氏を深く知る必要があろう。日本を代表する実業家、三木谷浩史を徹底解剖する。

楽天が携帯電話事業への新規参入を決めた。「無謀な6千億円投資」などと業界関係者やメディアの論評は相変わらず手厳しい。なぜ楽天は大博打に打って出たのか。その理由を読み解くには、やはり創業者である三木谷浩史氏を深く知る必要があろう。日本を代表する実業家、三木谷浩史を徹底解剖する。

あの買収劇「裏側」を激白

「孫正義の参謀」が諫める

三つの「顔」を持つ男

楽天の次なる戦略は

2018年2月13日、携帯電話事業の計画などについて発表する
楽天の三木谷浩史会長兼社長
 昨年暮れ、楽天が4G(第4世代移動通信システム)の携帯電話事業に参入して、NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクに続く第4の通信キャリア(自前の通信回線を持つ通信事業者)になることを表明した。果たして、楽天の戦略はうまくいくのだろうか。楽天は2014年からNTTドコモの回線を借りて格安スマホ事業「楽天モバイル」を展開しているが、大きな利益は生み出していない。自前の通信回線や設備を持つことで携帯電話ネットワークを構築し、より柔軟な料金体系やサービスを提供できると判断したのだろう。
 楽天は、総務省が携帯電話向けに割り当てる電波の周波数取得を申請する。認可がおりれば、新規事業者への周波数帯の割り当てはイー・アクセス(現ソフトバンクグループ)以来、13年ぶりとなる。19年にサービスを開始し、10年後には1500万以上の契約件数を目指すという。だが、飽和状態の携帯市場でシェアを獲得していくのは、けっこう大変だと思う。実際、この発表直後、楽天の株価は昨年の最安値をつけた。市場の評価は「タイミングが遅いのではないか」「競争が激化しているのに、契約数を増やせるのか」「この程度の投資で大丈夫なのか」というものだ。電波を送受信する基地局を全国に設置するなど巨額の設備投資が必要になるため、サービス開始時に2000億円、25年までに最大6000億円を銀行などから借り入れるというが、各地に基地局を作るだけでなく、年間数千億円とされる整備費もかかる。投資額が1ケタ違うのではないか。
 楽天の強みは、これまで作り上げてきた「楽天経済圏」だろう。通販や旅行などのサービスに基盤があり、eコマース(電子商取引)やクレジットカード、オンライン銀行など幅広い事業を展開している。ここに携帯事業も組み合わせて、契約数を伸ばそうと考えているようだ。私は、楽天が携帯電話事業に本気で参入するのなら、ものすごく巨額な投資をするか、auなどに資本参加して楽天経済圏とくっつけるか、のどちらかだと思っていた。ただ、KDDIグループも自身の経済圏ができあがってきている。もはや資本参加は難しいだろう。
 また、日本で圧倒的な人気のiPhoneを扱うのかどうかも気になる。ソフトバンクはiPhoneで大ブレークした。楽天もアップルとの取っ掛かりを求めたほうがいい。通信キャリア3社は現在、ぬくぬくと儲けを出している。そこに楽天が食い込んで引っかき回してくれると面白い。FTONSと言われる5大人口密集地(福岡、東京、大阪、名古屋、札幌)を自社ネットでカバーし、その他を今のドコモからのMVNOでカバーするという手もある。どのようなやり方でも3社寡占で料金も高止まりだった日本の携帯市場に風穴を開けてほしいところだ。寡占体制を壊せば、ユーザーにとってはメリットがある。
 もう一つは、次世代の5Gになると勝負はコンテンツで決まるので米国のメディア業界のようにテレビ、通信、映画、テーマパークなどを束ねて楽天経済圏と併せてメディアコングロマリットにいち早く変貌し、先行3社とは異なる戦略に出る、などの方法もある。楽天がいずれの戦略で失敗しても、ユーザーのほうには御利益があり「ごっつぁんです!」、ということになるのではないか。(大前研一「大前研一のニュース時評」zakzak、2018.01.09

三木谷浩史の狙い

社内公用語を英語にした楽天

団塊と異なる言葉の求心力

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