佐川長官辞任「真の悪役」は誰か
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佐川長官辞任「真の悪役」は誰か

財務省前理財局長の佐川宣寿国税庁長官が辞任した。学校法人「森友学園」への国有地売却問題をめぐり、混乱が続く国政への影響に配慮した形だが、安倍政権にとっては致命的な打撃になりかねない。佐川氏辞任で幕引きとなるのか、それとも引責の余波は広がるのか。

財務省前理財局長の佐川宣寿国税庁長官が辞任した。学校法人「森友学園」への国有地売却問題をめぐり、混乱が続く国政への影響に配慮した形だが、安倍政権にとっては致命的な打撃になりかねない。佐川氏辞任で幕引きとなるのか、それとも引責の余波は広がるのか。

「政界、一寸先は闇」

内閣の責任とはなり得ない

 朝日新聞が、森友学園への国有地売却をめぐる財務省の決裁文書が書き換えられていたと報じた問題で、野党の一部からは「事実なら内閣総辞職を」との声も出ている。書き換えが事実だった場合、責任をとるべきなのは誰なのか。
記者に囲まれながら大臣室へ入る麻生太郎財務相=2017年3月9日、東京都千代田区・財務省(納冨康撮影)
記者に囲まれながら大臣室へ入る麻生太郎財務相=2018年3月9日、東京都千代田区の財務省(納冨康撮影)
 まず断っておくが、筆者は原稿執筆時点で、朝日新聞の報道が正しいとの確信はまだ持っていない。報道では、証拠となる「ブツ」を「入手」して記事を書くのが通例である。その際、「入手」した証しに「ブツ」の画像を出すことも多いが、朝日新聞の報道には現時点で画像はなく、「入手」ではなく「確認」という控えめな言葉を使っている。以下は、あくまで事実ならばという前提での話である。
 問題になったのは、近畿財務局での決裁文書である。決裁文書は典型的な公文書であり、その改竄(かいざん)となれば、刑法犯の虚偽公文書作成等の罪にもなりうる。決裁文書は、日常業務に使うこともあるので、通常の行政文書と一緒に担当部局で保管されることが多い。この意味で、担当部局に出入りすることができる人であれば、決裁文書の一部を差し替えたり、書き直すことは物理的には可能である。
 しかし、決裁文書では、複数の担当者以外にも内容をチェックする人もいるので、差し替えや書き直しは事後的に容易に分かるだろう。これを隠蔽するには、担当者とチェック者の全ての口裏合わせが必要であり、事実上困難だろう。
 なお、一般に近畿財務局の地元職員にとって、財務局長や財務省本省は関係のない人なので、法律違反をしてまでも尽くす対象ではない。もっとも、筆者が本コラムなどで指摘しているように、森友学園問題は近畿財務局のチョンボが原因だったので、近畿財務局職員には自らのミスを隠蔽したいという誘因があると思われる。問題となっている決裁は「委任決裁」になっている。つまり、法律上の権限者は財務相で、法律に基づき財務局長に権限が委任されているが、近畿財務局内規により、さらに財務局長から主管部次長に判断が委任されている。主管部次長が財務局長のハンコを使うわけだ。ここで改竄が行われた場合、誰が責任をとるかといえば、改竄をした当人だ。刑事罰ということであれば、懲戒免職となり、退職金は支払われない。誰かが指示していれば、その人も共犯関係だろうが、基本的には個人の責任になる。
 いずれにしても近畿財務局内の出来事であるので、形式的には財務省本省が責任を負うことにはならない。せいぜい任命責任、監督責任という程度である。まして、国会で野党の一部がいうような、内閣の責任とはなり得ない。そんなことを前例にしたら、地方部局の改竄問題で総理を辞めさせることもできる、というとんでもない世界になる。なお、万が一、財務省本省から近畿財務局に指示があったというのであれば、指示した人にとどまらず、これこそ組織的な関与となって、財務省解体までになるかもしれない重大事件になるだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一、zakzak 2018.3.9

「書き換え」問題の本質

大臣辞任で済む問題ではない

「行政への信頼を損なった」

安倍総理の「ダメ出し」

佐川長官辞任「真の悪役」は誰か

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