「天皇が歴史から消えた」時代があった

テーマ

「天皇が歴史から消えた」時代があった

「幕府」や「藩」「朝廷」といえば、おなじみの日本史用語だろう。当たり前のように使われているこれらの言葉は、いずれも幕末以降、とある政治的意図をもって広められていたという。それだけではない。実は「天皇が歴史から消えた」時代も約850年間存在したのである。

「幕府」や「藩」「朝廷」といえば、おなじみの日本史用語だろう。当たり前のように使われているこれらの言葉は、いずれも幕末以降、とある政治的意図をもって広められていたという。それだけではない。実は「天皇が歴史から消えた」時代も約850年間存在したのである。

幕末の「常識」を裏切る

 安政の大獄、桜田門外の変、禁門の変、薩長同盟、大政奉還、江戸城無血開城、戊辰戦争…。黒船来航を皮切りに、幕末は一つ選択を誤れば、日本国家が存亡の危機に追い込まれていた激動の時代であった。
 「明治150年」を迎えた2018年、維新三傑の一人、西郷隆盛の生涯を描いた大河ドラマ『西郷(せご)どん』の放映も手伝って「幕末熱」が再び高まっている。昨年、没後150年を迎えた風雲児、坂本龍馬直筆の書状が次々見つかったこともあり、迫り来る国難に立ち向かい、維新の動乱を駆け抜けた男たちへの再評価の動きも見られる。
 「近年、維新政治史の研究が飛躍的に進み、幕末の『常識』を小気味よいほど裏切り続けている」。こう指摘するのは歴史研究家で、京都女子大非常勤講師の中村武生氏だ。iRONNAの歴史連載第3弾は、幕末政治史が専門で、新選組や当時の京都政界について詳しい中村氏を「案内人」に迎え、研究に基づいた新たな幕末像をお届けします。(iRONNA編集部)

第2回

第1回

「天皇が歴史から消えた」時代があった